JP6004210B2 - 吹雪の制御方法 - Google Patents
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Description
その一例として、環境試験室内で人工雪により吹雪を模擬して、吹雪を車両に向かって吹き出し、エンジンルーム内への雪の混入による不具合問題、足回り部品の凍結等の着氷問題に対処することが行われている。
吹雪発生装置は、フレーク状の氷片を製造する製氷機と、製造されたフレーク状の氷片を所定粒径の氷粒に砕氷する砕氷機と、砕氷された所定粒径の氷粒により模擬された人工雪を風洞内に搬送する配管と、配管の先端に設置され、車両の前部に向かって吹き出す吹き出しノズルとを有する。
このような環境試験室によれば、吹雪発生装置を利用して、風洞内において、吹雪を車両に向かって吹き出すことにより、自然環境・気象条件を模擬した環境試験を行うことが可能である。
その一方で、車両を配置する風洞内において、車両と気流の吹き出し口との距離が短い(1ないし2メートル程度)という制約があり、この短い距離の間で自然状態の吹雪を模擬して、車両に吹き付ける必要がある。
この技術は、拡散用部材を用いるもので、より具体的には、気流に乗せられた雪により模擬される吹雪の拡散用部材であって、雪を気流の進行方向に沿って吹き出す吹き出し口の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に該吹き出し口に対向する拡散面を設け、拡散面は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および/または頂部が吹き出し口に近づく向きに形成された円錐形状であり、それにより、吹き出し口から吹き出され、気流に乗って気流進行方向に沿って発生する吹雪が、拡散面に沿って案内され、拡散面の四方外方に向かって拡散する、構成としている。
第1に、拡散用部材を用いて吹雪を拡散すると、拡散領域内で雪粒子径のバラツキが発生する点である。
より詳細には、図5に示すように、噴射ノズル36の吹き出し口から吹き出された噴雪流れが、拡散用部材74の拡散面に当たって四方外方に拡散する際、拡散用部材74の下流に生じる伴流、場合により渦流によって、粒径の小さい雪粒は、噴雪流れの中央部に移動する一方、粒径の大きい雪粒は、噴雪流れの外側に移動する傾向にあり、噴雪流れの拡散領域内において、雪粒径の分布に偏りが生じ、自然状態の吹雪を模擬できず、精確な環境試験を行うことが困難となる。
第2に、拡散用部材を用いて吹雪を拡散すると、乾き雪および湿雪のいずれであっても、吹雪を自在に拡散することが困難であり、特に、乾き雪と湿雪との間で遷移する自然雪の状況を模擬することが難しい。
より詳細には、拡散用部材は、乾き雪に対しては円板形状とすれば、湿雪に対しては、拡散用部材への付着を防止する観点から、円錐形状とする必要があり、乾き雪と湿雪との間で遷移する自然雪による吹雪の状況をその場で模擬するのが困難となる。
この吹雪の発生装置は、雪を気流に乗せることにより吹雪を模擬する吹雪の発生装置であって、雪を気流により圧送し、先端部に吹き出しノズルを有する雪供給管を有し、吹き出しノズルは、目的物に向かって平行流の気流を流す風洞内で、風洞の絞り部より上流側に、平行流に沿って雪を吹き出す向きに配置され、吹き出しノズルの吹き出し口に、オリフィス絞り開口を設け、オリフィス絞り開口は、吹き出し口において、吹き出しノズルの内周面に亘って設けた環状部により形成され、環状部は、オリフィス絞り開口を形成する内周面が吹き出しノズルの内周面に向かって上流方向に延びる曲周面をなすように構成されている。
内部に圧送空気により噴射口に向かって雪粒を圧送する均圧流路と、
均圧流路の先端に設けられた噴射ノズルとを有し、
該均圧流路から該噴射ノズルの該噴射口に亘って、長手方向に均一な流路断面積を有する噴雪装置を利用して、圧送空気により雪粒を前記噴射口より噴射させて、該噴雪装置の背後からの気流に乗せて吹雪を発生する吹雪の制御方法であって、
前記噴雪装置の前記均圧流路の長手方向を気流に沿うように、目的物に向かって平行流の気流を流す風洞内に前記均圧流路を配置する段階と、
吹雪の所望の拡散領域に応じて、圧送空気流量に対する雪粒の流量の混合比を調整する段階と、を有する構成としている。
さらに、前記均圧流路は、前記噴射ノズルの上流側に所定長さの直管部を有するのがよい。
さらにまた、前記噴雪装置の前記均圧流路の長手方向を気流に沿うように、前記均圧流路を風洞の整流胴内に設置するのでもよい。
加えて、前記均圧流路は、可撓性を具備する内管と外管とからなる二重管構造をなし、内外管の間には、気体材料または液体材料または固体材料が密閉式に充填され、充填量を調整することにより、前記噴射口に相当する前記内管の口径を調整するのでもよい。
さらにまた、雪粒の流量/圧送空気流量を小さくする際、吹雪の速度を増大しつつ、吹雪の所望の拡散領域内において吹雪の濃度を確保する場合には、圧送空気流量を大きくし、一方、吹雪の速度を確保しつつ、吹雪の濃度を下げる場合には、雪粒の流量を小さくするのがよい。
加えて、雪粒の流量/圧送空気流量を大きくする際、吹雪の速度を確保しつつ、吹雪の所望の拡散領域内において吹雪の濃度を増大する場合には、雪粒の流量を大きくし、一方、吹雪の速度を低下しつつ、吹雪の濃度を確保する場合には、圧送空気流量を小さくするのがよい。
まず、雪環境試験システムについて説明すれば、図1に示すように、雪環境試験システム10は、氷粒からなる人工雪を利用し、人工雪をその背後からの気流に乗せて吹雪を模擬して、試験供試体である車両Vに向かって吹き付けるように構成され、そのために、吹雪供給システム12と、気流供給システム14とを有する。
特に、氷粒の粒径および水分含有率が主な影響因子である所定の雪質を具備する吹雪を必要量用いて、車両Vに向かって連続的に吹き付ける際、車両Vの高さ全体に拡散し、場合により車両Vの高さ方向に所望の吹雪濃度分布を実現できるようにするために、所定の温度および湿度管理のもとで、人工雪として利用する氷粒群を試験直前に製造して迅速に供給することが要求される。
送風機25によって送風された気流は、いったん気流全体としての風速(動圧)を低下させて中間胴部における圧力(静圧)を上昇させた後、縮流胴314を通過させることで、測定するのに必要十分な風量(風速)の気流を吹出し口316から測定室300に吹き出すことができるようにしている。
また、吹雪試験用の回流型風洞16の場合、試験後の雪を分離回収するために、車両Vの下流に、別途雪補修装置38を設けているが、いずれにせよ、雪の重力落下あるいは慣性効果により雪を分離させるのに、車両Vの下流に、敢えて気流を整流させない領域を設けている。
人工雪の分配装置34を湿雪装置32の上流側に設置するのは、人工雪の分配装置34を下流側に設置すると、湿雪化した雪が分配装置34に送られて、分配装置34内に付着して、詰まりを生じることがあり、それを防止するためである。
この点、吹雪は、ブロアー28による圧送空気により各噴射ノズル36から吹き出される雪が、送風機25から吹き出される気流に乗って車両Vに向かって吹き付けられるところ、圧送空気の圧送速度は、雪供給管40内での雪の詰まりを生じない限り、なるべく低速であるのが好ましく、吹雪の速度は、送風機25から吹き出される気流により模擬するのが好ましい。
均圧流路104は、噴雪装置100の均圧流路104の長手方向が気流に沿うように、風洞16の整流胴312内に設置される。これにより、噴射ノズル36から噴射される雪粒が背後からの気流に乗って、吹雪として車両Vに吹き付けられる際、均圧流路104の存在により、気流が乱されることになるが、整流胴312による整流化により、環境試験に必要な範囲で気流の乱れの回復は可能である。
まず、吹雪の所望の拡散領域Aに応じて、噴雪装置100において、雪粒の流量/圧送空気流量(混合比R)を設定するとともに、均圧流路104において、内外管110間に充填する気体、液体あるいは固体材料の充填量を決定して、噴射ノズル36の口径を設定する。
この場合、噴雪装置100の背後からの気流速度に応じて、混合比Rを調整してもよい。たとえば、気流速度が大きい場合には、吹雪は拡散しやすくなるので、その分を考慮して、混合比Rを設定し、逆に、気流速度が小さい場合には、吹雪は拡散しにくくなるので、その分を考慮して、混合比Rを設定すればよい。
次いで、各系統において、製氷機22によって製氷された氷片が砕氷機26によって砕氷され、所定粒径の氷粒となり、雪供給管40により気流により圧送され、分配装置34により、複数の分岐管に分岐され、各分岐管において、湿雪装置32によって所定の水分含有率を有する湿雪とされ、噴射ノズル36まで達する。
この場合、噴射ノズル36は、系統ごとに、車両の高さ方向に間隔を隔てて配置され、同じ系統の複数の噴射ノズル36は、車両Vの幅方向に間隔を隔てて配置されている。
一方、送風機25から発生した気流は、第2拡散胴310、第3屈曲胴306、第4屈曲胴308、整流胴312、縮流胴314を経て、吹き出し口316から車両Vに向かって流れ、第1屈曲胴302および第2屈曲胴304を経て、送風機25に戻され、回流するようにしている。
それぞれの噴射ノズル36において、吹き出し口102から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、所望の拡散領域Aに亘って拡散する。
その場合、噴射口102に相当する内管108の口径を調整することにより、設定した噴射口102の口径に基づいて、ブロワー28、製氷機22、砕氷機26、または分配装置34の調整をすればよい。
この場合、噴射ノズル36にオフィリス開口が設けられる場合に比べて、均一な流路断面積を有する均圧流路104の場合には、混合比Rを小さくしても、吹雪の拡散領域Aを広げるには限界があるが、噴射ノズル36を高さ方向に複数配置することにより、複数の噴射ノズル36が協働することで構成される吹雪により拡散領域Aを確保することが可能である。
特に、図4に示すように、自然界における高さ方向の吹雪の濃度分布は、地面に近いほど濃度が大きくなる傾向になるところ、このような傾向を模擬するのに、高さ方向に複数配置された噴射ノズル36各々について、その高さレベルの濃度に適合するように、雪粒の流量/圧送空気流量(混合比R)を独立に調整してもよい。
たとえば、本実施形態において、均圧流路104は、噴雪装置100の均圧流路104の長手方向が気流に沿うように、風洞の整流胴内に設置されるものとして説明したが、気流の乱れが環境試験に支障がない程度である限り、均圧流路104を風洞16の縮流胴214内に設置してもよい。
たとえば、本実施形態において、雪は、製氷された氷片を砕氷して氷粒とする人工雪であるものとして、説明したが、それに限定されることなく、雪は、所定湿度および所定温度の冷風を利用して生成される人工結晶雪であってもよいし、自然雪であってもよい。
A 吹雪の拡散領域
L 直管部の長さ
10 雪環境試験システム
12 吹雪供給システム
14 気流供給システム
16 風洞
18 低温室
20 製氷室
22 製氷機
24 氷温安定化コンベア
25 送風機
26 砕氷機
27 冷却器
28 ブロアー
30 冷却器
32 湿雪装置
34 分配装置
36 噴射ノズル36
38 吹雪捕集装置
40 雪供給管
42 吸引口
44 空気ダクト
100 吹雪の発生装置
102 吹き出し口
104 均圧流路
106 直管部
108 内管
110 外管
111 環状スペース
300 測定室
302 第1屈曲胴
304 第2屈曲胴
306 第3屈曲胴
308 第4屈曲胴
310 第2拡散胴
312 整流胴
314 縮流胴
316 吹き出し口
Claims (8)
- 内部に圧送空気により噴射口に向かって雪粒を圧送する均圧流路と、
均圧流路の先端に設けられた噴射ノズルとを有し、
該均圧流路から該噴射ノズルの該噴射口に亘って、長手方向に均一な流路断面積を有する噴雪装置を利用して、圧送空気により雪粒を前記噴射口より噴射させて、該噴雪装置の背後からの気流に乗せて吹雪を発生する吹雪の制御方法であって、
前記噴雪装置の前記均圧流路の長手方向を気流に沿うように、目的物に向かって平行流の気流を流す風洞内に前記均圧流路を配置する段階と、
吹雪の所望の拡散領域に応じて、圧送空気流量に対する雪粒の流量の混合比を調整する段階と、を有することを特徴とする吹雪の制御方法。 - 前記均圧流路と前記噴射ノズルとは一体である、請求項1に記載の吹雪の制御方法。
- 前記均圧流路は、前記噴射ノズルの上流側に所定長さの直管部を有する、請求項1に記載の吹雪の制御方法。
- 前記噴雪装置の前記均圧流路の長手方向を気流に沿うように、前記均圧流路を風洞の整流胴内に設置する、請求項1に記載の吹雪の制御方法。
- 前記均圧流路は、可撓性を具備する内管と外管とからなる二重管構造をなし、内外管の間には、気体材料または液体材料または固体材料が密閉式に充填され、充填量を調整することにより、前記噴射口に相当する前記内管の口径を調整する、請求項2に記載の吹雪の制御方法。
- 前記噴雪装置の背後からの気流速度に応じて、前記混合比を調整する、請求項1に記載の吹雪の制御方法。
- 雪粒の流量/圧送空気流量を小さくする際、吹雪の速度を増大しつつ、吹雪の所望の拡散領域内において吹雪の濃度を確保する場合には、圧送空気流量を大きくし、一方、吹雪の速度を確保しつつ、吹雪の濃度を下げる場合には、雪粒の流量を小さくする、請求項1に記載の吹雪の制御方法。
- 雪粒の流量/圧送空気流量を大きくする際、吹雪の速度を確保しつつ、吹雪の所望の拡散領域内において吹雪の濃度を増大する場合には、雪粒の流量を大きくし、一方、吹雪の速度を低下しつつ、吹雪の濃度を確保する場合には、圧送空気流量を小さくする、請求項1に記載の吹雪の制御方法。
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