以下、図1〜図8を参照して本発明の一実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両搬送制御装置は、車両の各タイヤを持ち上げて車両を無人走行可能な状態にする複数の搬送装置の駆動を制御して、車両を駐車場の駐車スペースに自動で駐車させる場合に好適に用いられる。
本実施形態では、車両搬送制御装置は、車両のタイヤの数と同数の搬送装置の駆動を制御して、車両を駐車場の駐車スペースに自動で駐車させる。例えば、車両搬送制御装置は、4台の搬送装置の駆動を制御して4輪車両を駐車場の駐車スペースに自動で駐車させ、2台の搬送装置の駆動を制御して2輪車両を駐車場の駐車スペースに自動で駐車させる。
昨今、自動運転車両の開発が急速に進んでおり、今後、ドライバが自ら操作して運転する車両に代えて、自動運転車両が普及していくことが予測される。自動運転車両の普及が進むと、駐車場への駐車も自動運転となることから、例えば、駐車場に常駐する駐車スタッフが不要となる。また例えば、乗員を予め車両から降車させて車両のみを自動駐車させるようにしておけば、従来よりも車両同士を密着させた高密度な駐車も可能になる。このように、自動運転車両の普及が進むと、例えば、駐車場の経営が効率化され、駐車場の収益の向上が見込まれる。
一方、上述の自動運転車両の普及が急速に進む場合においても、自動駐車機能が装備されていない自動運転車両や自動運転機能自体が装備されていない車両(ドライバが運転する車両)が混在する状況は存在し得る。このような状況においては、上述の自動運転車両の専用駐車場でない限り、駐車場には、自動駐車機能や自動運転機能が装備されていない車両も駐車することになる。そのため、このような状況では、ドライバが運転する車両を案内する駐車スタッフを配置したり、ドライバの待合室等を準備したりする必要が生じる場合がある。
そこで、本実施形態においては、車両の各タイヤを持ち上げて無人で走行可能な状態にする複数の搬送装置を用い、これらを制御することで、自動駐車機能や自動運転機能が装備されていない車両を駐車場の駐車スペースに自動で駐車させる。これにより、ドライバが運転する車両を案内する駐車スタッフを配置したり、ドライバの待合室等を準備したりする必要がなくなり、駐車場の経営が効率化される。
例えば、駐車場に入場する車両の各タイヤの位置情報を取得し、各タイヤの位置情報に基づいて、車両の車格を推定し、推定した車格に基づいて、この車両を持ち上げ可能なタイヤの数と同数の搬送装置を選択する。そして、選択された搬送装置に車両の搬送を指示する。このように、各タイヤの位置情報を取得し、これに基づいて、車両を持ち上げ可能な搬送装置を選択してから車両に派遣させることで、効率的に、車両の自動駐車を行うことができる。
そしてこのとき、これら複数の搬送装置に、車両の各タイヤの位置情報を送信し、送信された各タイヤの位置情報に基づいて複数の搬送装置を移動させる。すなわち、複数の搬送装置それぞれに各タイヤを探索させるのではなく、送信された位置情報に基づいて複数の搬送装置を移動させて各タイヤのもとに位置させる。これにより、例えば各搬送装置に各タイヤを探索させる場合に比して、容易かつ的確に、各搬送装置を各タイヤの位置に移動させることができる。
本実施形態に係る車両搬送システムでは、上述の車両搬送制御装置と、所定エリアで車両の各タイヤの位置情報を含む車両情報を検出する車両情報検出装置と、車両の各タイヤを持ち上げて、車両を駐車場の駐車スペースに搬送する複数の搬送装置と、を用い、上述のような車両の自動駐車サービスを提供する。これにより、駐車場に常駐する駐車スタッフが不要になり、従来よりも車両同士を密着させた高密度な駐車も可能になる。その結果、駐車場の経営が効率化され、駐車場の収益の向上が見込まれる。
このような自動駐車サービスの提供を良好に実現するため、本実施形態では、以下のようなサーバ装置を用いた自動駐車システム(車両搬送システム)を提供する。
図1は、本発明の実施形態に係るサーバ装置4を用いた車両1の自動駐車システム100の概略構成図であり、図2は、図1に示す車両1の自動駐車システム100を適用した駐車場11を示す平面図である。本実施形態に係る自動駐車システム100では、車両搬送制御装置は主にサーバ装置4により構成され、駐車する車両1は主に四輪車両である。
図1および図2に示すように、自動駐車システム100は、情報取得エリア(所定エリア)13で車両1の各タイヤ10の位置情報を含む車両情報を検出する車両情報検出装置2と、車両1の各タイヤ10を持ち上げて、車両1を駐車場11の駐車スペース12に搬送する複数の搬送装置3と、駐車場11の管理事業を行う事業体(図示せず)に配置されるサーバ装置4と、を備える。
本実施形態では、車両情報検出装置2は、車両情報として、車両1の各タイヤ10の位置情報と、車両1の重量(以下、単に「車重」ともいう)情報と、車両1の大きさ情報とを検出する。車両1の重量情報には、車両1の総重量情報と、車両1の前後の重量情報とが含まれる。車両1の大きさ情報には、車両1の全長(車長)の情報と、全幅(車幅)の情報と、全高(車高)の情報とが含まれる。
図1に示すように、車両情報検出装置2および複数の搬送装置3それぞれは、サーバ装置4と無線通信可能に構成される。なお、図1および図2には、搬送能力の異なる3種類の搬送装置3(小型搬送装置3A、中型搬送装置3Bおよび大型搬送装置3C)を示しているが、搬送装置3の種類はこれに限定されるものではない。自動駐車システムでは、例えば、2種類の搬送装置を用いる構成であってもよく、4種類以上の搬送装置を用いる構成であってもよい。
また搬送能力とは、搬送装置3における車両1の各タイヤ10を持ち上げて車両1を搬送する能力である。本実施形態においては、搬送能力は、車重に基づいて設定されている。例えば、小型搬送装置3Aは、車重が1t以下の四輪車両を搬送可能に形成され、中型搬送装置3Bは、車重が1tよりも大きく2t以下の四輪車両を搬送可能に形成され、大型搬送装置3Cは、車重が2tよりも大きい四輪車両を搬送可能に形成されている。
図2に示すように、複数の搬送装置3は、駐車場11内に設けられる待機エリア14で待機するように構成されており、待機エリア14にて後述するバッテリ33の充電等が行われる。例えば、各搬送装置3には、待機エリア14における待機位置が設定されており、待機エリア14の所定の待機位置にてバッテリ33の充電等が行われるように構成される。また各搬送装置3は、待機エリア14に戻ると、サーバ装置4に向けて待機信号を出力するように構成される。
そして、サーバ装置4からの搬送指令に応じて、待機エリア14から、車両情報が取得された車両1が位置する情報取得エリア13に移動して車両1の各タイヤ10を持ち上げ、所定の駐車スペース12に駐車させる。また車両1を駐車スペース12から搬出する場合には、サーバ装置4からの搬出指令に応じて、待機エリア14から搬出する車両1が駐車されている駐車スペース12に移動して車両1の各タイヤ10を持ち上げ、出口11bの近傍に設けられる退場エリア15に移動させる。
なお、本実施形態では、車両情報検出装置2が設けられる情報取得エリア13を駐車場11内における入口11aの近傍に設けたが、情報取得エリアは、例えば、駐車場11に隣接したエリア等、別途、駐車場11の外に設けられる構成であってもよい。この場合、複数の搬送装置3は、情報取得エリアとは異なる場所、例えば駐車場11内の所定の位置に停車する車両1の各タイヤ10を持上げるように構成される。
ここで、車両1の各タイヤ10を持上げて搬送する搬送装置3の構造について、図3Aから図4Bを参照しながら簡単に説明する。
図3Aは、図1に示す自動駐車システム100を構成する搬送装置3を模式的に示す平面図であり、図3Bは、図3Aに示す搬送装置3のIIIB−IIIB線断面を模式的に示す断面図である。図4Aは、図3Aおよび図3Bに示す搬送装置3で車両1のタイヤ10を持ち上げる状態を示す平面図であり、図4Bは、図3Aおよび図3Bに示す搬送装置3で車両1のタイヤ10を持ち上げる状態を示す側面図である。
なお、以下では、便宜上、図示のような前後方向、左右方向および上下方向を定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。
図3Aおよび図3Bに示すように、搬送装置3は、概ね、本体部30と、走行部31と、持上げ機構32と、バッテリ33と、演算部(制御部)34とを備えて構成され、平面視して、一方に開口を有する略コの字状に形成される。本体部30は、搬送装置3を構成するこれら各部を支持する不図示のフレーム等により形成される。
走行部31は、本体部30の前側に位置し、車軸313に回転自在に支持される一対の前輪311,311と、後側に位置し、車軸313に回転自在に支持される一対の後輪312,312とを有する。各前輪311および各後輪312はオムニホイールにより構成され、オムニホイールによって、搬送装置3は前後方向および左右方向を含む水平方向の全方向に移動可能になる。
オムニホイールは、不図示のモータにより回転駆動するように構成される。なお、各前輪311および各後輪312に用いられるオムニホイールには、一般的なものを用いることができることから、ここではその説明を省略する。また、各前輪311および各後輪312は、必ずしもオムニホイールである必要はなく、全平面方向に移動可能な全方向車輪であれることが好ましく、前後方向および左右方向のように2方向に移動可能であればよい。例えば、各前輪311および各後輪312はメカナムホイールであってもよい。
持上げ機構32は、タイヤ10の前側のトレッド部に当接する前側当接部321と、タイヤ10の後側のトレッド部に当接する後側当接部322と、前側当接部321および後側当接部322を前後方向に相対移動させる相対移動機構323と、相対移動機構323を駆動させるモータ324とを有する。
前側当接部321は、左右方向に延びる略円筒状に形成されており、一対の前輪311,311の車軸313を中空部に挿通させた状態で車軸313に回転自在に支持されている。後側当接部322は、左右方向に延びる略円筒状に形成されており、一対の後輪312,312の車軸313を中空部に挿通させた状態で車軸313に回転自在に支持されている。前側当接部321および後側当接部322は、弾性変形可能な弾性部材により形成される。前側当接部321と後側当接部322とを近接させることで、前側当接部321および後側当接部322によってタイヤ10が押し上げられる。
本実施形態では、相対移動機構323は、ボールネジ機構により形成される。相対移動機構323は、前後方向に沿って配置されるネジ軸323aと、ネジ軸323a上を前後方向に移動するナット部323bと、ネジ軸323aを支持する軸受部323cと、軸受部323cが取り付けられる不図示のベース部とを有する。不図示のベース部は、本体部30に固定され、モータ324の出力軸は、減速機325を介してネジ軸323aの一端部と接続される。
本実施形態では、ナット部323bが一対の後輪312,312の車軸313に固着されており、モータ324の駆動によりネジ軸323aが回転することでナット部323bが前方向に沿って移動し、一対の後輪312,312が一対の前輪311,311に向けて移動する。
バッテリ33は、オムニホイール(各前輪311および各後輪312)を駆動させる不図示のモータおよび相対移動機構323を駆動させるモータ324に電力を供給して駆動させる。演算部(制御部)34については、後述する。
上述のように構成される搬送装置3は、車両1の車体の下に入り、車体の下を移動しながら、開口がタイヤ10と対向するように車両1のタイヤ10の内方に位置する。そして、図4Aに示すように、前側当接部321と後側当接部322とでタイヤ10を挟むように、車体の内方から外方に向かって移動する。なお、図4Aではバッテリ33が車両1の車体の内側に向くように配置したが、逆の車体の外側に向くように配置してもよい。
前側当接部321と後側当接部322との間にタイヤ10を位置させると、相対移動機構323で後側当接部322を前側に移動させ、図4Bに示すように、前側当接部321および後側当接部322をタイヤ10のトレッド部に当接させる。さらに後側当接部322を前側に移動させると、タイヤ10のトレッド部に当接した前側当接部321および後側当接部322が回転しながらタイヤ10を持ち上げる。例えば、タイヤ10を5〜10cm程度持ち上げる。
このようにして、前側当接部321と後側当接部322とに挟まれたタイヤ10が上方に持ち上がり、車両1の全てのタイヤ10が持ち上がることで、車両1が複数の搬送装置3によって移動可能な状態になる。このように、各搬送装置3が車体の下を移動して各タイヤ10を持ち上げることから、車両1同士を密着させた高密度な駐車が可能になる。
車体の下に入ってタイヤ10を持ち上げる観点から、搬送装置3は、その全高ができるだけ低いことが好ましい。例えば、搬送装置3は、その全高が150mm以下であることが好ましく、140mm以下であることがより好ましく、130mm以下であることがさらに好ましい。日本国の保安基準における車両1の地上最低高が90mmに定められている観点から、搬送装置3の全高は、90mm未満であることが最も好ましく、汎用性が高くなる。
図5は、図1に示す自動駐車システム100の要部構成を示すブロック図であり、図6は、図5に示すサーバ装置4の要部構成を示すブロック図である。上述したように、自動駐車システム100は、車両情報検出装置2と、複数の搬送装置3と、サーバ装置4と、を備える。図5に示すように、車両情報検出装置2と、搬送装置3と、サーバ装置4とは、無線通信網、インターネット網、電話回線網などの通信ネットワーク5に接続される。なお、図5には、便宜上、1つの搬送装置3を示しているが、実際には、上述したように、複数種類の搬送装置3(例えば、搬送装置3A,3B,3C)が複数台、通信ネットワーク5に接続されている。
図5に示すように、車両情報検出装置2は、通信部21と、入出力部22と、車両情報検出部23と、記憶部24と、演算部25とを有する。通信部21は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4と無線通信可能に構成される。入出力部22は、例えば、駐車場11の管理者が操作可能な各種スイッチやボタン、マイク、スピーカ、モニタ等を有する。入出力部22は、例えば、車両情報検出装置2のメンテナンスや修理時の操作等に用いられる。
車両情報検出部23は、駐車場11に駐車される車両1の車両情報を検出する。車両情報検出部23は、タイヤ位置検出部231と、車重検出部232と、大きさ検出部233とを有する。
タイヤ位置検出部231は、車両1におけるタイヤ10の位置を検出する。例えばタイヤ位置検出部231は、車両1における前輪311の位置と後輪312の位置とを検出する。本実施形態では、タイヤ位置検出部231は、CCDやCMOS等の撮像素子を有するカメラにより構成され、駐車場11の情報取得エリア13に設けられるゲート13aに取り付けられる。タイヤ位置検出部231は、ゲート13aを通過する車両1の前輪311および後輪312を撮像し、撮像した画像から、一般的な画像処理技術を用いて車両1におけるタイヤ10の位置を検出する。
車重検出部232は、車両1の車重を検出する。車重検出部232は、例えば、駐車場11の情報取得エリア13に敷設される板状の重量センサにより構成され、車重検出部232上に車両1を停車させることで車重が検出(測定)される。本実施形態では、車重検出部232は前後に分割されており、車両1の総重量に加え、車両1の前輪311から入力される重量と、後輪312から入力される重量とを用いて車両1の前後の車重を検出可能(測定可能)に構成されている。
大きさ検出部233は、車両1の大きさを検出する。本実施形態では、大きさ検出部233は、車両1の全長(車長)、全幅(車幅)および全高(車高)を検出する。大きさ検出部233は、CCDやCMOS等の撮像素子を有するカメラにより構成され、駐車場11の情報取得エリア13に設けられるゲート13aに取り付けられる。大きさ検出部233は、ゲート13aを通過する車両1を撮像し、撮像した画像から、一般的な画像処理技術を用いて、車両1の全長(車長)、全幅(車幅)および全高(車高)を検出する。
記憶部24は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部24には、演算部25が実行する各種のプログラムや各種のデータ等が記憶される。例えば記憶部24には、タイヤ位置検出部231により検出されるタイヤ位置検出プログラム、車重検出部232により検出される車重検出プログラムおよび大きさ検出部233により検出される大きさ検出プログラム等が記憶される。また例えば記憶部24には、車両情報検出部23にて検出された各種データが一時的に記憶される。
演算部25は、CPUを有する。演算部25は、通信部21を介して車両情報検出装置2の外部から受信した信号、入出力部22を介して入力された信号、および記憶部24に記憶された各種のプログラムや各種のデータ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部21、入出力部22および記憶部24に制御信号を出力する。
例えば演算部25は、通信部21に制御信号を出力し、車両情報検出装置2とサーバ装置4との間の信号の送受信を制御する。例えば演算部は、車両情報検出部23にて検出した各種情報を、通信部21を介してサーバ装置4に送信する。また例えば演算部25は、記憶部24に記憶された上述のタイヤ位置検出プログラム、車重検出プログラムおよび大きさ検出プログラム等を実行させる。
図5に示すように、搬送装置3は、通信部35と、入出力部36と、センサ群37と、記憶部38と、演算部34とを有する。なお、ここでは、上述した搬送装置3の構成についての説明は省略する。
通信部35は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4と無線通信可能に構成される。入出力部36は、例えば、駐車場11の管理者が操作可能な各種スイッチやボタン、マイク、スピーカ、モニタ等を有する。入出力部36は、例えば、搬送装置3のメンテナンスや修理時の操作等に用いられる。
センサ群37は、搬送装置3の状態を検出する各種センサを含む。センサ群37は、一例として、GPS衛星からの信号を受信して搬送装置3の位置を検出するGPSセンサ371と、駐車場11内の障害物を回避する障害物センサ372とを有する。なお、図示は省略するが、搬送装置3に作用する加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ、走行距離を検出する走行距離センサ、残バッテリ容量を検出する残バッテリ容量検出センサなどもセンサ群37に含まれる。
記憶部38は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部38には、演算部34が実行する各種のプログラムや各種のデータ等が記憶される。例えば、センサ群37による検出データ等が一時的に記憶される。記憶された検出データは、演算部34での処理により、通信部35を介して所定時間毎にサーバ装置4に送信される。
記憶部38は、メモリが担う機能的構成として、駐車場地図データベース381を有する。駐車場地図データベース381は、駐車場の地図データ(地図情報)を記憶する。例えば駐車場地図データベース381は、駐車場における各駐車スペース12、情報取得エリア13、待機エリア14および退場エリア15等の位置情報を記憶する。
演算部34はCPUを有する。演算部34は、通信部35を介して搬送装置3の外部から受信した信号、入出力部36を介して入力された信号、および記憶部38に記憶された各種のプログラムや各種のデータ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部35、入出力部36および記憶部38に制御信号を出力する。例えば演算部34は、通信部35に制御信号を出力し、搬送装置3とサーバ装置4との間の信号の送受信を制御する。例えば演算部34は、センサ群37にて検出した各種情報を、通信部35を介して所定時間毎にサーバ装置4に送信する。
また演算部34は、プロセッサが担う機能的構成として、昇降駆動制御部341と、走行駆動制御部342と、を有する。
昇降駆動制御部341は、上述した持上げ機構32の駆動を制御する。例えば昇降駆動制御部341は、上述した持上げ機構32のモータ324の駆動を制御して相対移動機構323を駆動させて、前側当接部321および後側当接部322にタイヤ10を持上げさせる。
走行駆動制御部342は、上述した走行部31の駆動を制御する。例えば走行駆動制御部342は、上述した走行部31の各前輪311および各後輪312を構成するオムニホイールを駆動する不図示のモータそれぞれの駆動を制御して、搬送装置3を移動させる。
サーバ装置4は、例えば駐車場11の管理事業を行う事業体に設けられる。サーバ装置4は、クラウド上で仮想サーバ機能を利用して構成することもできる。図6に示すように、サーバ装置4は、通信部41と、入出力部42と、記憶部43と、演算部44とを有する。
通信部41は、通信ネットワークを介して、車両情報検出装置2および各搬送装置3とそれぞれ無線通信可能に構成される。入出力部42は、例えば駐車場11の管理者が操作可能な各種スイッチやボタン(例えばキーボートやタッチパネル等)、マイク、スピーカ、モニタ等を有する。入出力部42は、例えば、サーバ装置4のメンテナンスや修理時の操作等に用いられる。
記憶部43は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部43には、演算部44が実行する各種プログラムや各種データ等が記憶される。記憶部43には、メモリが担う機能的構成として、地図情報データベース431(地図情報記憶部)と、搬送情報データベース432(搬送情報記憶部)と、を有する。
地図情報データベース431は、駐車場の地図データ(地図情報)を記憶する。例えば地図情報データベース431は、駐車場における各駐車スペース12、情報取得エリア13、待機エリア14および退場エリア15等の位置情報を記憶する。搬送装置が障害物を検出した場合には、これを反映した情報を上書きする。
搬送情報データベース432は、後述する選択部442により選択された複数の搬送装置3と、後述する搬送指示部443により指示された駐車場11の駐車スペース12と、この駐車スペース12までの搬送経路とを記憶する。搬送情報データベース432は、地図情報データベース431を参照して、これら駐車情報を記憶する。
演算部44はCPUを有する。演算部44は、通信部41を介してサーバ装置4の外部から受信した信号、入出力部42を介して入力された信号、および記憶部43に記憶された各種プログラムや各種データ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部41、入出力部42および記憶部43に制御信号を出力する。
演算部44は、プロセッサが担う機能的構成として、駐車する車両1の車両情報を取得する車両情報取得部441と、車両1を運ぶ複数の搬送装置3を選択する選択部442と、車両1の駐車スペース12への搬送指令を出力する搬送指示部443と、を備える。
車両情報取得部441は、タイヤ位置情報取得部441aと、重量情報取得部441bと、大きさ情報取得部441cとを有する。
タイヤ位置情報取得部441aは、通信部41を介して、車両情報検出装置2にて検出された車両1におけるタイヤ10の位置情報を取得する。具体的には、タイヤ位置情報取得部441aは、通信部41を介して、車両1の各前輪311の位置情報と、各後輪312の位置情報とを取得する。
重量情報取得部441bは、通信部41を介して、車両情報検出装置2にて検出された車両1の重量情報を取得する。本実施形態では、重量情報取得部441bは、車両情報検出装置2にて検出された車両1の総重量情報に加え、車両1の前輪311から入力される重量情報、および後輪312から入力される重量情報を取得する。
大きさ情報取得部4441cは、通信部41を介して、車両情報検出装置2にて検出された車両1の大きさ情報を取得する。具体的には、大きさ情報取得部4441cは、車両情報検出装置2にて検出された車両1の全長情報(車長情報)、全幅情報(車幅情報)および全高情報(車高情報)を取得する。
選択部442は、車両情報取得部441により取得される車両1の車両情報に基づいて、タイヤ10を持ち上げて搬送する搬送能力の異なる複数種類の搬送装置3(例えば、搬送装置3A,3B,3C)の中から、対応する複数の搬送装置3(例えば、4台の搬送装置3A)を選択する。本実施形態では、選択部442は、タイヤ位置情報取得部441aにより取得される車両1の各タイヤ10の位置情報および重量情報取得部441bにより取得される車両1の重量情報に基づいて、搬送能力の異なる3種類の搬送装置3A,3B,3Cの中から、対応する4台の搬送装置3(例えば、4つの搬送装置3A)を選択する。
例えば選択部442は、タイヤ位置情報取得部441aにより取得される車両1の各タイヤ10の位置情報に基づいて車両1の車格を推定し、推定した車格に基づいて車両1を持ち上げ可能なタイヤの数と同数の搬送装置3を選択する。例えば選択部442は、車両1の各タイヤ10の位置情報に基づいて車両1のホイールベースを推定し、ホイールベースに基づいて車格を推定する。そして、推定した車格に基づいて車重を推定し、推定した車重に基づいて4台の搬送装置3を選択する。
また選択部442は、重量情報取得部441bにより取得される車両1の総重量情報と、一対の前輪311,311から入力される重量情報と、一対の後輪312,312から入力される重量情報とに基づいて、推定した車格に基づいて車両1を持ち上げ可能な4台の搬送装置3を選択する。
そして選択部442は、これらに基づいて車両1を持ち上げ可能なタイヤの数と同数の搬送装置3それぞれを決定する。例えば、各前輪311用の搬送装置3と、各後輪312用の搬送装置3を決定する。
搬送指示部443は、選択部442により選択された複数の搬送装置3に、車両1の駐車スペース12への搬送指令を出力する。例えば搬送指示部443は、選択部442により選択された車両1のタイヤの数と同数の搬送装置3それぞれに、車両1の駐車スペース12への搬送指令を出力する。具体的には、搬送指示部443は、選択部442により選択された4台の搬送装置3それぞれに、情報取得エリア13に停車する車両1の各タイヤ10の位置情報および駐車場11の駐車スペース12に駐車する際の各タイヤ10の位置情報を送信する。
搬送指示部443により、情報取得エリアに停車する車両1の各タイヤ10の位置情報および駐車場11の駐車スペース12に駐車する際の各タイヤ10の位置情報を受信した各搬送装置3は、受信した情報取得エリアにおける各タイヤ10の位置情報に基づいて、情報取得エリア13に停車する車両1のもとに移動し、当該位置にて各タイヤ10を持ち上げる。そして、受信した駐車スペース12における各タイヤ10の位置情報に基づいて駐車スペース12に移動し、車両1を駐車スペース12に駐車させる。
また搬送指示部443は、地図情報データベース431に記憶される駐車場11の地図情報および大きさ情報取得部441cにより取得される車両1の大きさ情報に基づいて、選択部442により選択された複数の搬送装置3に、駐車スペース12および駐車スペース12までの搬送経路を指示する。例えば搬送指示部443は、当該車両を駐車可能な駐車スペース12を検出するとともに、情報取得エリア13から検出した駐車スペース12までの搬送経路を演算し、これらに基づいて、駐車スペース12および駐車スペース12までの搬送経路を指示する。
このとき搬送指示部443は、選択部442により選択された搬送装置3と、検索した駐車スペース12と、駐車スペース12における各タイヤ10の位置情報と、情報取得エリア13から駐車スペース12までの搬送経路と、を搬送情報データベース432に記憶させる。
また搬送指示部443は、搬送情報データベース432に記憶された、選択部442により選択された搬送装置3と、車両1が駐車される駐車スペース12と、駐車スペース12における各タイヤ10の位置情報と、情報取得エリア13から駐車スペース12までの搬送経路とに基づいて、車両1を駐車スペース12からの搬出指令を出力する。例えば、車両1の駐車スペース12から退場エリア15までの搬出指令を出力する。
図7は、図6のサーバ装置4の演算部44で実行される車両1の駐車処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば、ユーザの有する不図示の無線通信端末から、車両1の駐車要求を指令する信号をサーバ装置4が受信すると開始され、車両1を駐車させた複数の搬送装置3それぞれからの待機信号をサーバ装置4が受信すると終了する。
先ず、ステップS1において、タイヤ位置情報取得部441aでの処理により、車両情報検出装置2にて検出された車両1におけるタイヤ10の位置情報を取得する。次いで、ステップS2で、重量情報取得部441bでの処理により、車両1の車重情報を取得する。なお、ステップS1およびステップS2は、同時に行われる構成であってもよく、順番が逆の構成であってもよい。
次いで、ステップS3で、選択部442での処理により、車両1を持ち上げ可能なタイヤの数と同数、すなわち4台の搬送装置3を選択する。このとき、車両1の車種によっては、前輪311用の搬送装置3と後輪312用の搬送装置3とが搬送能力の異なる搬送装置3である場合もある。例えば、前輪311用に小型搬送装置3Aを選択し、後輪312用に中型搬送装置3Bを選択する場合もある。
次いで、ステップS4で、搬送指示部443での処理により、選択部442により選択された4台の搬送装置3に、車両1の駐車スペース12への搬送指令を出力(搬送指示)する。次いで、ステップS5で、演算部44での処理により、車両1を駐車させた4台の搬送装置3それぞれからの待機信号を受信したか否かを判定する。ステップS5で否定されると、待機信号を受信するまでステップS4を繰り返す。一方、ステップS5で肯定されると、駐車処理を終了する。
図8は、図6のサーバ装置4の演算部44で実行される車両1の退場処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば、ユーザの有する不図示の無線通信端末から、車両1の退場要求を指令する信号をサーバ装置4が受信すると開始され、車両1を駐車させた複数の搬送装置3それぞれからの待機信号をサーバ装置4が受信すると終了する。
先ず、ステップS10において、搬送指示部443での処理により、搬送情報データベース432に記憶される駐車情報を抽出する。次いで、ステップS11で、搬送指示部443での処理により、抽出した4台の搬送装置3に、車両1の搬出指令を出力(搬送指示)する。次いで、ステップS12で、演算部44での処理により、車両1を搬送した4台の搬送装置3それぞれからの待機信号を受信したか否かを判定する。ステップS12で否定されると、待機信号を受信するまでステップS12を繰り返す。一方、ステップS12で肯定されると、退場処理を終了する。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両1の各タイヤ10を持ち上げて、車両1を駐車場11の駐車スペース12に搬送する複数の搬送装置3を駆動制御するサーバ装置4である。サーバ装置4は、情報取得エリア13で検出される車両1の各タイヤ10の位置情報を取得するタイヤ位置情報取得部441aと、タイヤ位置情報取得部441aにより取得される車両1の各タイヤ10の位置情報に基づいて、タイヤ10を持ち上げて搬送する搬送能力の異なる複数種類の搬送装置3の中から、使用する複数の搬送装置3を選択する選択部442と、選択部442により選択された複数の搬送装置3に、車両1の駐車スペース12への搬送指令を出力する搬送指示部443と、を備える。
この構成により、ドライバが運転する車両1を案内する駐車スタッフを配置したり、ドライバの待合室等を準備したりする必要がなくなり、駐車場11の経営が効率化される。また各タイヤ10の位置情報を取得し、これに基づいて、車両1を持ち上げ可能な複数の搬送装置3を選択してから車両1に派遣させることで、効率的に、車両1の自動駐車を行うことができる。さらに、従来よりも車両1同士を密着させた高密度な駐車も可能になる。その結果、駐車場11の経営が効率化され、駐車場11の収益の向上が見込まれる。
(2)搬送指示部443は、選択された複数の搬送装置3それぞれに、搬送を指示された車両1の各タイヤ10の位置情報を送信する。このように、4台の搬送装置3それぞれに各タイヤ10を探索させるのではなく、送信された位置情報に基づいて4台の搬送装置3を移動させて各タイヤ10のもとに位置させるので、各搬送装置3に各タイヤ10を探索させる場合に比して、容易かつ的確に、各搬送装置3を各タイヤ10の位置に移動させることができる。また、素早く車両1の搬送準備に入ることが可能になる。さらに、例えば搬送装置3自身に初期位置設定するための大掛かりな機能を備える必要が無くなり、コスト削減や小型化につながる。
(3)車両情報取得部441により取得される車両情報は、情報取得エリア13で検出される車両1の重量情報をさらに含む。選択部442は、車両情報取得部441により取得される重量情報に基づいて、使用する複数の搬送装置3を選択する。これにより、搬送能力が異なる複数種類の搬送装置を配備することが可能となるため、例えば搬送能力の小さい安価で小回りが利く搬送装置を積極的に活用することができる。
(4)車両情報取得部441が取得する重量情報は、車両1の前後の重量情報を含む。選択部442は、車両情報取得部441により取得される車両1の前後の重量情報に基づいて、使用する複数の搬送装置3を選択する。これにより、前後の重量が異なる車両1の駐車も容易に対応可能となる。
(5)サーバ装置4は、駐車場11における駐車スペースの位置情報を記憶する地図情報データベース431をさらに備える。車両情報取得部441により取得される車両情報は、車両1の大きさに関する大きさ情報をさらに含む。搬送指示部443は、地図情報データベース431に記憶される位置情報および車両情報取得部441により取得される車両1の大きさ情報に基づいて、選択部442により選択された複数の搬送装置3に、駐車スペース12および駐車スペース12までの搬送経路を出力する。これにより、タイヤ位置情報と同時に車両1の大きさ情報を取得するため、追加の設備を備えることなく、最適な経路や駐車場所(駐車スペース)を算出することができる。
(6)サーバ装置4は、選択部442により選択された複数の搬送装置3と、搬送指示部443により指示された駐車スペース12および搬送経路とを記憶する搬送情報データベース432をさらに備える。搬送指示部443は、搬送情報データベース432に記憶された複数の搬送装置3、駐車スペース12および搬送経路に基づいて、車両1を駐車スペース12からの搬出指令を出力する。これにより、搬出時(退場時)にあらためて車両情報を取得する必要が無くなり、車両情報の取得(測定)に必要な設備コストの削減や、搬出時間(退場時間)の短縮につなげることができる。
(7)車両1の各タイヤ10を持ち上げて駐車場11の駐車スペース12に搬送する複数の搬送装置3を駆動制御する制御方法である。制御方法は、情報取得エリア13で検出される車両1の各タイヤ10の位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、車両情報取得ステップにて取得される車両1の各タイヤ10の位置情報に基づいて、タイヤ10を持ち上げて搬送する搬送能力の異なる複数種類の搬送装置3の中から、使用する複数の搬送装置3を選択する選択ステップと、選択ステップにて選択された複数の搬送装置3に、車両1の駐車スペース12への搬送指令を出力する搬送指示ステップと、を備える。
これにより、ドライバが運転する車両1を案内する駐車スタッフを配置したり、ドライバの待合室等を準備したりする必要がなくなり、駐車場11の経営が効率化される。また各タイヤ10の位置情報を取得し、これに基づいて、車両1を持ち上げ可能な複数の搬送装置3を選択してから車両1に派遣させることで、効率的に、車両1の自動駐車を行うことができる。
(8)駐車システムは、上述のサーバ装置4と、情報取得エリア13で車両1の各タイヤ10の位置情報を含む車両情報を検出する車両情報検出装置2と、車両1の各タイヤ10を持ち上げて、車両1を駐車場11の駐車スペース12に搬送する複数の搬送装置3と、を備える。これにより、駐車場11に常駐する駐車スタッフが不要になり、従来よりも車両1同士を密着させた高密度な駐車も可能になる。その結果、駐車場11の経営が効率化され、駐車場11の収益の向上が見込まれる。
上記実施形態では、車両情報取得部441は、タイヤ位置情報取得部441aと、重量情報取得部441bと、大きさ情報取得部441cとを備える構成を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば車両情報取得部441は、タイヤ位置情報取得部441aを備えていればよい。
上記実施形態では、選択部442は、タイヤ位置情報取得部441aにより取得される車両1の各タイヤ10の位置情報および重量情報取得部441bにより取得される車両1の重量情報に基づいて、複数の搬送装置を選択したが、本発明はこれに限定されない。例えば選択部442は、タイヤ位置情報取得部441aにより取得される車両1の各タイヤ10の位置情報に基づいて、複数の搬送装置3を選択してもよい。また選択部442は、重量情報取得部441bにより取得される車両1の重量情報に基づいて、複数の搬送装置3を選択してもよい。
また上記実施形態では、タイヤ位置情報取得部441aは、車両情報検出装置2にて検出された車両1の車両1の総重量情報に加え、車両1の前輪311から入力される重量情報、および後輪312から入力される重量情報を取得したが、本発明はこれに限定されない。例えばタイヤ位置情報取得部441aは、車両情報検出装置2にて検出された車両1の車両1の総重量情報を取得する構成であればよい。
上記実施形態では、前側当接部321および後側当接部322を前後方向に相対移動させる相対移動機構323としてボールネジ機構を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の相対移動機構を用いる構成であってもよい。
上記実施形態では、搬送装置3の位置を検出するセンサとしてGPS衛星からの信号を受信するGPSセンサ371を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば屋内の駐車場でGPS衛星からの信号が受信できない場合は、室内ビーコン装置や天井から疑似的なGPS信号を発信する屋内GPS装置、さらに、撮像センサによって天井を撮影して予め備えたSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)地図と照合することで自己位置を推定する装置を用いる構成であってもよい。
上記実施形態では、搬送装置3のバッテリ33について交換可能となる構成を用いて説明していないが、複数の搬送装置3に備えられるバッテリ33は脱着可能(交換可能)に形成されてもよい。その場合、脱着可能に形成されたバッテリ33は、小型搬送装置3A、中型搬送装置3B、大型搬送装置3Cで共用可能なように大きさや電気特性を共通に設計することがより望ましい。このように設計することで、図2の駐車場11内に設けられる待機エリア14でバッテリ33の充電をおこなわずに、バッテリ33を交換するだけでよいため、待機エリア14に比較的高額である充電のための設備を複数備える必要が無くなり、設備コストを削減することができる。なお、共通のバッテリ33を用いることで大きさの異なる搬送装置3の電力が不足する場合には、例えば小型搬送装置3Aには1つのバッテリ33を、中型搬送装置3Bには2つのバッテリ33を、大型搬送装置3Cには3つのバッテリ33を収納可能に設計する等、利用するバッテリ33の個数を変更することで対応可能となる。
上記実施形態では、図4Bに示したように、車両1の4つのタイヤ10それぞれに同じ機構を持つ搬送装置3が移動してタイヤ10を持ちあげているが、搬送装置3の機構を例えば2台のみ簡略化することも可能である。具体的には、2台の搬送装置3については車両1まで自走可能程度に簡略化されたオムニホイール又はメカナムホイールでよく、車両1を搬送する際には残る2台の駆動力で搬送する。このような構成とすることで、高価なオムニホイール又はメカナムホイールを備えた搬送装置3の台数を減らすことが可能となる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態により本発明が限定されるものではない。