JP2021038403A - ゴム組成物の製造方法、及びゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率を向上する方法 - Google Patents

ゴム組成物の製造方法、及びゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率を向上する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリカの歩留まり比率が高いゴム組成物の製造方法を提供する。【解決手段】ゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物は、ゴムラテックス(A)100質量部(固形分換算)に対して、シリカ粒子(B)の使用量が20〜200質量部(固形分換算)であり、水溶性高分子化合物(C)の使用量が0.05〜10質量部(固形分換算)であり、凝固剤(D)の使用量が10質量部未満(固形分換算)であり、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を、水溶性高分子化合物(C)、又は水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)に接触させて共凝固させる共凝固工程を含み、前記共凝固工程が、(1)〜(6)のいずれかの条件を含む、方法。前記条件の例として、(1)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。【選択図】なし

Description

本発明は、シリカの歩留まり比率が高いゴム組成物の製造方法に関する。また、本発明は、該製造方法により得られるゴム組成物、該ゴム組成物を含有する配合物、及び、該ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率向上方法に関する。
各種ゴム材料の強度や耐摩耗性を向上させる目的で、固形ゴムとカーボンブラック粒子を混練りしたゴム組成物(以下、カーボンドライマスターバッチと呼称し、C−DMBと略称する。)が古くから様々な分野で利用されてきた。また、固形ゴムとシリカ粒子を混練りしたゴム組成物(以下、シリカドライマスターバッチと呼称し、Si−DMBと略称する。)も古くからC−DMBと類似の性能を有する材料として広く知られていた。
1990年代前半にタイヤメーカーによって、Si−DMBをタイヤトレッドゴムに利用した場合、エネルギーロスが少なく、燃費を節約できる効果を有していることが見出され、それ以来、Si−DMBは、エネルギーロスの少ないゴム組成物として、繰り返し変形を受けるタイヤトレッドゴムや動力伝動系のゴム製品などに広く利用されるようになった。
しかしながら、シリカ粒子はカーボンブラック粒子に比べて固形ゴムに対する化学的親和性が低いため、Si−DMBはシリカ粒子を固形ゴム中に均一に分散させる工程、すなわち混練工程で多大な時間と動力エネルギーを必要とされ、その大幅な低減が強く望まれてきた。
そのひとつの手段として、固形ゴムの替わりに、合成ゴムラテックスや天然ゴムラテックス等の水分散性ゴムラテックスとシリカ粒子の水分散スラリーとをあらかじめ液状状態で均一に混合させ、その後、酸や無機金属塩などで凝固し、沈殿、脱水、洗浄、乾燥工程を順次経て、ゴム組成物を製造させる方法が提案されている。この方法により製造されたゴム組成物(以下、シリカウエットマスターバッチと呼称し、Si−WMBと略称する)は、1970年代以降、多くの先行技術により良く知られた技術概念である。
例えば、特許文献1〜11には、シリカ粒子の性状、シリカ粒子の水分散スラリーの撹拌方法、シランカップリング剤の利用、塩析剤の種類や使用方法など、Si−WMBについて多面的な技術情報が開示されている。
特表平11−507981号公報 特開2006−169292号公報 特表2007−508961号公報 特表2009−533495号公報 特表2010−510342号公報 特開2013−185102号公報 特開昭53−71147号公報 特表平10−512323号公報 特開2006−96906号公報 特開2008−56860号公報 特開2012−57074号公報
本発明の目的は、シリカの歩留まり比率が高いゴム組成物、及び、その製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、当該ゴム組成物を含有する配合物を提供することにある。さらに、本発明の目的は、ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率向上方法を提供することにある。
本発明は、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)及び水溶性高分子化合物(C)を含み、塩化物イオンと硫酸イオンの含有量の合計が26000ppm以下であるゴム組成物を提供する。
上記ゴム組成物は、ゴムラテックス(A)100重量部に対して、シリカ粒子(B)を20〜200重量部含有することが好ましい。また、上記ゴムラテックス(A)が、乳化重合共役ジエン系ゴムを含むことが好ましい。上記水溶性高分子化合物(C)が、ポリアルキレンオキサイドを含むことが好ましい。
また、本発明は、上記ゴム組成物を含有するトレッドゴム用配合物も提供する。
さらに、本発明は、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を含有するゴム組成物の製造方法であって、当該ゴム組成物は、ゴムラテックス(A)100重量部(固形分換算)に対して、シリカ粒子(B)の使用量が20〜200重量部(固形分換算)であり、水溶性高分子化合物(C)の使用量が0.05〜10重量部(固形分換算)であり、凝固剤(D)の使用量が10重量部未満(固形分換算)であり、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を、水溶性高分子化合物(C)、又は水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)に接触させて共凝固させる共凝固工程を含み、上記共凝固工程が、下記(1)〜(6)のいずれかの条件を含む、方法を提供する。
(1)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
(2)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量及び凝固剤(D)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
(3)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
(4)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入し、さらにその後に凝固剤(D)の全量を投入する。
(5)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量及び凝固剤(D)の全量を同時に投入する。
(6)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、凝固剤(D)の全量を投入し、さらにその後に水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
上記ゴム組成物の製造方法において、凝固剤(D)の使用量が0を超える場合、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を凝固剤(D)に接触させる前に、水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)とを予め混合し、水溶性高分子化合物(C)の存在下でゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を凝固剤(D)に接触させることが好ましい。
また、上記共凝固工程で共凝固させた共凝固物を濾過した際の濾液のpHが6.5〜10.0であることが好ましい。
さらに、本発明は、ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率を向上する方法であって、当該ゴム組成物は、ゴムラテックス(A)100重量部(固形分換算)に対して、シリカ粒子(B)の使用量が20〜200重量部(固形分換算)であり、水溶性高分子化合物(C)の使用量が0.05〜10重量部(固形分換算)であり、凝固剤(D)の使用量が10重量部未満(固形分換算)であり、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を水溶性高分子化合物(C)、又は水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)に接触させて共凝固させる共凝固工程を含み、上記共凝固工程が、下記(1)〜(6)のいずれかの条件を含む、方法も提供する。
(1)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
(2)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量及び凝固剤(D)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
(3)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
(4)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入し、さらにその後に凝固剤(D)の全量を投入する。
(5)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量及び凝固剤(D)の全量を同時に投入する。
(6)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、凝固剤(D)の全量を投入し、さらにその後に水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
また、本発明は、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)及び水溶性高分子化合物(C)を含み、塩化物イオンと硫酸イオンの含有量の合計が26000ppm以下であるゴム組成物に、加硫剤を混練する、トレッドゴム用配合物の製造方法を提供する。該方法において、加硫促進剤を更に混練することが好ましい。
本発明によれば、シリカの歩留まり比率が高いゴム組成物、及び、当該ゴム組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、シリカの歩留まり比率が高いゴム組成物を含有する配合物を提供することもできる。さらに、本発明によれば、ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率を向上する方法を提供することができる。
製造例1の配合物のシリカ分散性を示す写真である。 製造例2の配合物のシリカ分散性を示す写真である。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)及び水溶性高分子化合物(C)を含み、塩化物イオン(Cl)と硫酸イオン(SO 2−)の含有量の合計が26000ppm以下である。
ゴムラテックス(A)は、溶媒中にゴム系ポリマーの微粒子を安定に分散したエマルジョンであればよく、必要に応じて乳化剤をさらに含有するものであってもよい。ゴムラテックス(A)としては、乳化重合共役ジエン系ゴムラテックス、天然ゴムラテックスやその変性ラテックスが挙げられる。更に、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合ポリブタジエンゴム、溶液重合アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの固形ゴムを各ゴムの良溶媒で溶解し、それを乳化剤や界面活性剤を用いて水中で強制乳化物としたゴムラテックス等も挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。中でも、ゴムラテックス(A)は、乳化重合共役ジエン系ゴムラテックスを含むことが好ましい。
乳化重合共役ジエン系ゴムラテックスとしては、公知のポリブタジエン乳化重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン系乳化共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系乳化共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン系乳化共重合体ラテックスなどを1種または2種以上使用することができる。乳化重合共役ジエン系ゴムラテックスは、スチレン−ブタジエン系乳化共重合体ラテックスが特に好ましい。
また、乳化共重合体ラテックスを得るに際し、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、ビニルピリジンに加え、官能基を有する公知の共重合可能なモノマーを共重合させることも可能である。そのようなモノマーとして具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸単量体並びにこれらの無水物、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ系単量体、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有不飽和単量体等を挙げることができ、それぞれ1種または2種以上使用することができる。
ゴムラテックス(A)に含まれるゴム系ポリマーの光子相関法による平均粒子径は、10nm〜200nmであることが好ましく、20nm〜100nmであることがより好ましい。ゴムラテックスの光子相関法による平均粒子径は、ゴムラテックスの重合において使用する各種乳化剤、重合開始剤の種類及びその使用量や添加方法、重合水の使用割合等を適宜調整することにより調製することが可能である。
シリカ粒子(B)は、湿式法で調製されたシリカであればよい。シリカ粒子(B)としては、珪酸ナトリウム水溶液、すなわち水ガラスに酸を添加することや、炭酸ガスを吹き込むことで、シリカ粒子を析出させて製造した湿式法のシリカ水分散スラリー、湿式法のシリカ水分散スラリーから乾燥して得られたシリカ粉体を再度水に分散したシリカ水分散スラリー、乾式法で製造された乾式シリカ粉体を水に分散させたシリカ水分散スラリーが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
水溶性高分子化合物(C)は、粘度平均分子量が10万〜2000万である化合物である。水溶性高分子化合物(C)の粘度平均分子量は、50万〜1500万であることがより好ましい。水溶性高分子化合物(C)としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド、アクリルアミド−不飽和カルボン酸塩共重合体、アルカリ可溶型アクリル系エマルジョン、およびそれらの変性物が挙げられ、これらを1種、または2種以上使用することができる。水溶性高分子化合物(C)は、好ましくはポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド、アクリルアミド−不飽和カルボン酸塩共重合体である。水溶性高分子化合物(C)は、特にポリアルキレンオキサイドを含むことが好ましい。水溶性高分子化合物(C)は、さらに好ましくは、ポリエチレンオキサイドである。
塩化物イオンと硫酸イオンの含有量の合計が、26000ppm以下であることが好ましく、20000ppm以下であることがより好ましく、5000ppm以下であることがさらに好ましい。また、硫酸イオンの含有量は、800ppm以上であることが好ましく、1000ppm以上であることがより好ましい。
本発明の他の実施形態は、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を含有するゴム組成物の製造方法であって、当該ゴム組成物は、ゴムラテックス(A)100重量部(固形分換算)に対して、シリカ粒子(B)の使用量が20〜200重量部(固形分換算)であり、水溶性高分子化合物(C)の使用量が0.05〜10重量部(固形分換算)であり、凝固剤(D)の使用量が10重量部未満(固形分換算)であり、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を、水溶性高分子化合物(C)、又は水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)に接触させて共凝固させる共凝固工程を含み、上記共凝固工程が、下記(1)〜(6)のいずれかの条件を含む、方法である。
(1)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
(2)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量及び凝固剤(D)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
(3)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
(4)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入し、さらにその後に凝固剤(D)の全量を投入する。
(5)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量及び凝固剤(D)の全量を同時に投入する。
(6)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、凝固剤(D)の全量を投入し、さらにその後に水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
ここで、共凝固させる原料系とは、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)及び水溶性高分子化合物(C)、必要に応じて、凝固剤(D)を容器中で混合する際に、当該容器中に存在する混合液(反応系)を意味する。
ゴムラテックス(A)の使用量は、ゴム組成物全質量100質量部に対して、30〜90質量部(固形分換算)であり、40〜80質量部(固形分換算)であることが好ましく、40〜70質量部(固形分換算)であることがより好ましい。
シリカ粒子(B)の使用量は、ゴムラテックス(A)100質量部に対して、20〜200質量部(固形分換算)であり、30〜150質量部(固形分換算)であることが好ましく、50〜150質量部(固形分換算)であることがより好ましい。
水溶性高分子化合物(C)の使用量は、ゴムラテックス(A)100質量部に対して、0.05〜10質量部(固形分換算)であり、0.1〜5質量部(固形分換算)であることが好ましく、0.1〜3質量部(固形分換算)であることがより好ましい。
凝固剤(D)としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムの硫酸塩又は塩化物が挙げられる。凝固剤(D)は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム又は硫酸アルミニウムが好ましく、塩化ナトリウムがより好ましい。
凝固剤(D)の使用量は、ゴムラテックス(A)100質量部に対して、10質量部未満であり、0.1〜5質量部(固形分換算)であることが好ましく、0.1〜3質量部(固形分換算)であることがより好ましい。本発明において、凝固剤(D)の使用量が上記範囲であると、ゴム組成物における塩化物イオン及び硫酸イオンの含有量の合計を、26000ppm以下とすることができる。本実施形態において、凝固剤(D)は使用しなくてもよい。
また、上記ゴム組成物の製造方法において、凝固剤(D)の使用は必須ではない。通常、ゴム組成物中のイオンの含有量を低下させるためには、水洗等の工程を追加する必要がある。しかしながら、水洗等の工程を行うことにより、ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率の低下を生じる可能性がある。本実施形態では、凝固剤(D)の使用量を低減することにより、ゴム組成物を水洗する工程を省略することができる。さらにゴム組成物の水洗工程を省略することにより、生産性がより向上するだけでなく、ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率をさらに高めることができる。また、水洗工程を省略することにより、均一に分散したシリカ粒子の流出を抑制することができ、均一にシリカ粒子が分散したゴム組成物をより再現性よく得ることができる。凝固剤(D)として、鉱酸、酢酸等の酸、アルカリ金属、アルカリ土類又はアルミニウム等の金属水酸化物などを併用してもよい。
また、ゴム組成物は、通常、熱(熱酸化劣化)、光(光酸化劣化)、オゾン、残留塩素、金属イオン又は溶剤膨潤等による劣化を生じる可能性がある。凝固剤(D)の使用量が多いと、ゴム組成物中に含まれる金属イオンの含有量が増加する傾向がある。凝固剤(D)として酸の使用量を低減すると、加熱時に品質が低下する可能性をより抑制することができる。また、凝固剤(D)として金属水酸化物の使用量を低減すると、ゴムの加水分解をより抑制することができ、耐久性がより向上する。本実施形態において、好ましい凝固剤(D)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムの硫酸塩又は塩化物である。
本実施形態のゴム組成物の製造方法では、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)、水溶性高分子化合物(C)、及び、必要に応じて凝固剤(D)を混合し、共凝固させた後、例えば、得られた共凝固物を濾過することによりゴム組成物を得ることができる。ゴム組成物を濾過した際の濾液のpHが、6.0〜11.0であることが好ましく、6.5〜10.0であることがより好ましい。pHが上記範囲であると、シリカの歩留まり比率を向上させることができる。
上記ゴム組成物の製造方法において、凝固剤(D)の使用量が0を超える場合、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を凝固剤(D)に接触させる前に、水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)とを予め混合し、水溶性高分子化合物(C)の存在下でゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を凝固剤(D)に接触させることが好ましい。
本実施形態のゴム組成物の製造方法において、共凝固工程の後に、さらに水洗、脱水、乾燥等の工程を行ってもよい。これらの工程については特に制限はなく、当業界で一般的な方法を用いることができる。また、シリカの歩留まり比率をさらに高めることができる点から、本実施形態の方法は、ゴム組成物中に含まれる金属イオン量が少ないことから、水洗を必要としない。水洗工程を行わずにゴム組成物を製造することにより、得られたゴム組成物におけるシリカの含有量は、より高くなる傾向がある。
本実施形態のゴム組成物は、公知の添加剤を含有してもよい。公知の添加剤としては、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤、シランカップリング剤、可塑剤、老化防止剤などが挙げられる。これらの添加剤を単独または2種以上の混合物として使用することができる。
加硫剤としては、例えば、硫黄、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、4,4’−ジチオジモルホリンなどの有機含硫黄化合物などが挙げられる。
加硫促進剤としては、例えば、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−フェニル−N−エチル−ジチオカルバミン酸亜鉛、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ビス(ベンゾチアゾール−2−イルチオ)亜鉛等が挙げられる。具体的には、加硫促進剤としては、住友化学(株)製の商品名「ソクシノールDM」(MBTS)、同社製の商品名「ソクシノールPX」(ZnEPDC)、同社製の商品名「ソクシノールPZ」(ZnMDC)、同社製の商品名「ソクシノールEZ」(ZnEDC)、同社製の商品名「ソクシノールBZ」(ZnBDC)、同社製の商品名「ソクシノールMZ」(ZnMBT)、同社製の商品名「ソクシノールTT」(TMTD)、大内新興化学工業(株)製の商品名「ノクセラーDM−P」(MBTS)、同社製の商品名「ノクセラーPX」(ZnEPDC)、同社製の商品名「ノクセラーPZ」(ZnMDC)、同社製の商品名「ノクセラーEZ」(ZnEDC)、同社製の「ノクセラーBZ−P」(ZnBDC)、同社製の商品名「ノクセラーMZ」(ZnMBT)、同社製の商品名「ノクセラーTT−P」(TMTD)、三新化学工業(株)社製の商品名「サンセラーDM−G」(MBTS)、同社製の商品名「サンセラーMZ」(ZnMBT)等がある。
加硫促進助剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物などが挙げられる。
充填剤としては、例えば、カーボンブラック、カオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ藻土などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、パラフィン系オイル、エステル系オイル、オレフィン系オイル等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノール類等が挙げられる。具体的には、老化促進剤としては、大内新興化学工業(株)製の商品名「ノクラックPA」(PAN)、同社製の商品名「ノクラックWhite」(DNPD)、同社製の商品名「ノクラック810−NA」(IPPD)、同社製の商品名「ノクラック6C」(6PPD)、川口化学工業(株)製の商品名「Antage 3C」(IPPD)、同社製の商品名「Antage 6C」(6PPD)等が挙げられる。
本実施形態のゴム組成物に追加のゴム成分を更に加えた配合物は、トレッドゴムを製造するのに適している。すなわち、本実施形態の配合物は、上記ゴム組成物と追加のゴム成分を含有しており、適宜成形することにより、トレッドゴムを製造することができる。本実施形態の配合物は、上記ゴム組成物(マスターバッチ)と追加のゴム成分、任意に加硫剤、加硫促進剤を混練することにより、上記ゴム組成物に含まれるシリカ粒子が配合物全体に均一に分散される。本実施形態の配合物により製造されたトレッドゴムは、シリカ粒子を均一に分散することができるだけでなく、従来の方法で製造されたトレッドゴムよりもシリカ粒子の含有量を高くすることができる。また、従来の混練工程で必要であった多大な時間と動力エネルギーを低減することができる。このようなトレッドゴムは、タイヤの材料として適しており、グリップ特性、耐摩耗性及び転がり抵抗がより優れる。
追加のゴム成分は、上記ゴムラテックスに由来するゴム成分と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。追加のゴム成分としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合ランダムスチレン−ブタジエン共重合ゴム、高トランススチレン−ブタジエン共重合ゴム、低シスポリブタジエンゴム、高シスポリブタジエンゴム、高トランスポリブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、溶液重合ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体などのブロック共重合体等の各種ジエン系ゴム等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本実施形態の配合物には、シリカ粒子(B)の他に、追加のフィラーを配合してもよい。追加のフィラーとしては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。
本実施形態の配合物は、トレッドゴム用配合物において一般に使用される各種添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤等が挙げられる。各添加剤は、上述したゴム組成物に配合できる公知の添加剤を使用することができる。
本実施形態の配合物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練することにより得られる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特段の断りが無い限り、%や部は質量を基準とする。
(ゴムラテックス(A)の製造)
ステンレス製耐圧重合反応機にて、減圧下で純水200質量部、不均化ロジン酸カリウム4.5質量部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物0.45質量部、ブタジエン74質量部、スチレン26部、t−ドデシルメルカプタン0.2質量部、第三リン酸ナトリウム0.65質量部、エチレンジアミン四酢酸0.07質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15質量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.10質量部、硫酸第一鉄7水和物0.05質量部を混合し、5℃で重合反応を開始した。重合開始から6時間後に重合転化率が57%に達したことを確認し、重合開始から7時間後にジエチルヒドロキシアミン0.5質量部を添加して重合反応を停止させた。反応停止時の重合転化率は62%であった。水蒸気蒸留によって未反応単量体を除去した後、純水で固形分濃度を20.0質量%に調整し、ゴムラテックス(A)を得た。ゴムラテックス(A)の光子相関法のよる平均粒子径は60nmであった。
(ゴムラテックス(A)の重合転化率の測定)
反応槽内より採取した反応液を秤量し、150℃で1時間乾燥後、再度秤量して固形分量を測定して、次式より算出することができる。
重合転化率(%)=[(固形分量(g)−反応液に含まれる単量体以外の固形分量(g))/反応系に添加した単量体成分量(g)]×100
(ゴムラテックス(A)の光子相関法による平均粒子径の測定)
得られたゴムラテックス(A)の光子相関法による平均粒子径を測定した。尚、測定に際しては、FPAR−1000(大塚電子製)を使用した(JIS Z8826)。
(シリカ粒子(B))
撹拌機付きステンレス容器に純水79質量部を用意し、撹拌しながら東ソー社製「ニプシールVN3」21質量部(約5質量%の水分を含む)を添加して、シリカ水分散スラリー(固形分濃度は20.0質量%)を得た。
(水溶性高分子化合物(C))
水99質量部に住友精化社製「PEO−8」1質量部を溶解して、1質量%ポリエチレンオキサイド水溶液を得た。
(凝固剤(D))
純水99質量部に塩化カルシウム1質量部を溶解して、1質量%塩化カルシウム水溶液を得た。
(老化防止剤乳化水分散液の製造)
撹拌機をセットしたジャケット付きステンレス容器に、スチレン化フェノール76.3質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム23.7質量部、純水160質量部を入れてジャケットに温水を流して60℃まで加温し、30分間撹拌して乳化させたのち室温まで冷却し、固形分濃度が38.5質量%の老化防止剤水分散液を製造した。
(ゴム組成物の製造方法)
実施例1
共凝固させる原料系に、表1に示す割合にて、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)、および老化防止剤乳化水分散液を混合した水分散溶液を添加して15分間撹拌し、水溶性高分子化合物(C)を添加後5分間撹拌した後、凝固剤(D)を添加して共凝固させた。その後、得られた共凝固物を100メッシュのステンレス金網で濾過し、メッシュ上に残った残渣を95℃、4時間乾燥させてゴム組成物を得た。
実施例2
共凝固させる原料系に、表1に示す割合にて、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)、および老化防止剤乳化水分散液を混合した水分散溶液を添加して15分間撹拌し、水溶性高分子化合物(C)を添加後5分間撹拌した後、共凝固させた。その後、得られた共凝固物を100メッシュのステンレス金網で濾過し、メッシュ上に残った残渣を95℃、4時間乾燥させてゴム組成物を得た。
実施例3〜5
共凝固させる原料系に、表1に示す割合にて、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)、および老化防止剤乳化水分散液を混合した水分散溶液を添加して15分間撹拌し、水溶性高分子化合物(C)を添加後5分間撹拌した後、凝固剤(D)を添加し、共凝固させた。その後、得られた共凝固物を100メッシュのステンレス金網で濾過し、メッシュ上に残った残渣を95℃、4時間乾燥させてゴム組成物を得た。
比較例1〜3
共凝固させる原料系に、表1に示す割合にて、ゴムラテックス(A)、シリカ粒子(B)、および老化防止剤乳化水分散液を混合した水分散溶液を添加して15分間撹拌した後、凝固剤(D)を添加し、共凝固させた。その後、得られた共凝固物を100メッシュのステンレス金網で濾過し、メッシュ上に残った残渣を95℃、4時間乾燥させた。

表中の数字は、固形分の質量部を意味する。
(イオン含有量の測定方法)
加圧抽出/イオンクロマトグラフ法
実施例1〜5、比較例1〜3のゴム組成物を容積20mlの円筒形容器(内径2.5cm)に約0.05〜0.1g量りとり、超純水10mlを入れ、230℃、16時間加圧抽出を行った。得られた液を濾過した後、イオンクロマトグラフ法を用いて下記検出条件にて塩化物イオン(Cl)および硫酸イオン(SO 2−)を定量し、ゴム組成物の単位質量あたりの溶出量に換算した。得られた塩化物イオンおよび硫酸イオンの含有量を表2に示した。
<検出条件>
使用したカラム:AS9−HC(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)
溶出溶媒:炭酸カリウム
検出方法:電気伝導度検出器
(ゴム組成物中のシリカ粒子の歩留まり部数、シリカ粒子の歩留まり比率)
実施例1〜5、比較例1〜3のゴム組成物を空の白金るつぼに入れて秤量した後、白金るつぼを800℃に設定された電気炉に入れて10時間燃焼させる。10時間後に白金るつぼを電気炉から取り出して再度秤量する。そして、燃焼前の質量と燃焼後の質量の差をゴム組成物中のラテックスの歩留まり量、燃焼後の質量をシリカ粒子の歩留まり量とし、次式より、ラテックスの歩留まり部数100質量部に対するシリカ粒子の歩留まり部数(固形分換算)を算出した。得られたシリカ粒子の歩留まり部数の値を表2に示した。
シリカ粒子の歩留まり部数(質量部)=(シリカの歩留まり量(g)/ラテックスの歩留まり量(g))×100
次に、算出したシリカ粒子の歩留まり部数(固形分換算)とゴムラテックスの配合部数100質量部に対するシリカ粒子の配合部数(固形分換算)から、次式より、シリカ粒子の歩留まり比率を算出した。得られたシリカ粒子の歩留まり比率の値を表2に示した。
シリカ粒子の歩留まり比率=(シリカ粒子の歩留まり部数(質量部)/シリカ粒子の配合部数(質量部))
比較例1のゴム組成物は、共凝固が進行しなかった。
(加硫ゴムの製造)
加硫ゴムは、以下の手順で製造した。
(1)ラボプラストミルを用いて、表3に記載の材料を90℃で混練し、ゴム混練物を得た。表3中、数値は質量部を意味する。

シリカ: CARPLEX#80(商品名、DSL.ジャパン(株)製)
カーボンブラック: N330(商品名、東海カーボン(株)製)
シランカップリング剤: Si75(商品名、エボニックジャパン(株)製)
環境対応オイル: VivaTec500(商品名、H&R社製)
亜鉛華: 酸化亜鉛2種(ハクスイテック(株)製)
ステアリン酸: 日本精化(株)製
老化防止剤: ノクラック6C(商品名、大内新興化学工業(株)製)
(2)得られたゴム混練物に、表4に記載の加硫促進剤及び硫黄を加え、ロール混練することにより、加硫ゴム混練物を得た。表4中、数値は質量部を意味する。得られた加硫ゴム混練物を、160℃で12分間、熱プレスすることにより、厚さ2mmの加硫ゴムシートを製造した。

加硫促進剤1: ノクセラー CZ(商品名、大内新興化学工業(株)製)
加硫促進剤2: ノクセラー D(商品名、大内新興化学工業(株)製)
硫黄: オイル硫黄325M(商品名、細井化学工業(株)製)
(シリカ分散性の測定)
得られた加硫ゴムシートの一部を切り出し、集束イオン/電子ビーム加工装置(FIB−SEM装置)を用いて、以下の条件で3D−SEM測定を行うことによりシリカ分散性を評価した。
FIB−SEM装置:FEI製 Helios660
FIB加工条件:加速電圧30kV
SEM観察条件:加速電圧2kV
加工エリア:5μm×5μm
スライスStep:10nm
スライス枚数:300枚
試料の傾斜角:52°
観察して得られた画像(計300枚)を重ねて、三次元再構築を行うことで3D画像が得られる。図1及び図2に、三次元再構築前の試料の中央部分における平面写真を示す。図中、黒い部分がゴムを表し、白い部分がシリカを表す。製造例1の加硫ゴムシート(図1)では、シリカが分散していない部分の面積が大きかった。一方、製造例2の加硫ゴムシート(図2)では、写真の全体にわたってシリカが略均一に分散していた。すなわち、本実施形態のゴム組成物を使用することにより、加硫ゴムシート中のシリカの分散性が向上した。

Claims (4)

  1. ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を含有するゴム組成物の製造方法であって、
    該ゴム組成物は、ゴムラテックス(A)100質量部(固形分換算)に対して、シリカ粒子(B)の使用量が20〜200質量部(固形分換算)であり、水溶性高分子化合物(C)の使用量が0.05〜10質量部(固形分換算)であり、凝固剤(D)の使用量が10質量部未満(固形分換算)であり、
    ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を、水溶性高分子化合物(C)、又は水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)に接触させて共凝固させる共凝固工程を含み、
    前記共凝固工程が、下記(1)〜(6)のいずれかの条件を含む、方法。
    (1)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
    (2)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量及び凝固剤(D)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
    (3)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
    (4)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入し、さらにその後に凝固剤(D)の全量を投入する。
    (5)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量及び凝固剤(D)の全量を同時に投入する。
    (6)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、凝固剤(D)の全量を投入し、さらにその後に水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
  2. 凝固剤(D)の使用量が0を超え、ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を凝固剤(D)に接触させる前に、水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)とを予め混合し、水溶性高分子化合物(C)の存在下でゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を凝固剤(D)に接触させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記共凝固工程で共凝固させた共凝固物を濾過した際の濾液のpHが6.5〜10.0である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ゴム組成物におけるシリカの歩留まり比率を向上する方法であって、
    ゴムラテックス(A)100質量部(固形分換算)に対して、シリカ粒子(B)の使用量が20〜200質量部(固形分換算)であり、水溶性高分子化合物(C)の使用量が0.05〜10質量部(固形分換算)であり、凝固剤(D)の使用量が10質量部未満(固形分換算)であり、
    ゴムラテックス(A)及びシリカ粒子(B)を水溶性高分子化合物(C)、又は水溶性高分子化合物(C)と凝固剤(D)に接触させて共凝固させる共凝固工程を含み、
    前記共凝固工程が、下記(1)〜(6)のいずれかの条件を含む、方法。
    (1)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
    (2)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量及び凝固剤(D)の全量を投入し終わる時点と同時又はその前に、水溶性高分子化合物(C)の一部又は全量を投入する。
    (3)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
    (4)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量を投入し、さらにその後に凝固剤(D)の全量を投入する。
    (5)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、水溶性高分子化合物(C)の全量及び凝固剤(D)の全量を同時に投入する。
    (6)共凝固させる原料系にゴムラテックス(A)の全量及びシリカ粒子(B)の全量を投入した後に、凝固剤(D)の全量を投入し、さらにその後に水溶性高分子化合物(C)の全量を投入する。
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