JP2012107211A - シリカ・天然ゴム複合体及びその製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

シリカ・天然ゴム複合体及びその製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】シリカが微細に分散した天然ゴム・シリカ複合体及びその製造方法を提供する。また、該複合体を用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】界面活性剤の存在下で、天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られるシリカ・天然ゴム複合体に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリカ・天然ゴム複合体及びその製造方法、並びに該複合体を含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤの低燃費化のために充填剤としてシリカを配合し、良好な低発熱性を得ることが検討されているが、シリカは、表面にシラノール基を有し、親水性を示すため、一般に疎水性を示すゴムとの親和性が低く、更に自己凝集性も強いため、ゴム中に均一に分散させることは容易ではない。
シリカをゴム中に分散させる方法として、天然ゴムラテックスにシリカスラリーを添加、攪拌した後、酸を添加して天然ゴムを凝固させる方法が知られている。この方法によれば、天然ゴムとシリカをドライ状態で混合する方法に比べて、シリカの分散性が良くなるものの、その分散性は未だ充分とはいえず、シリカのロスも多い。
また、特許文献1にもゴムラテックスに水ガラスから製造される微粒子シリカを液体状態で混合し、複合体を製造する方法が開示されているが、シリカの分散性、ロスという点で改善の余地がある。
特開2009−51955号公報
本発明は、前記課題を解決し、シリカが微細に分散した天然ゴム・シリカ複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、該複合体を用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
天然ゴムラテックスとシリカスラリーの混合物のpHを酸性側に調整して凝固させる方法では、ゴムが大きなブロックとなり、シリカがゴムに十分に取り込まれないため、シリカとゴムが分離してしまう。その結果、シリカが大きな凝集塊となるので、シリカが均一に微分散した複合体を得られない。また、分離により、シリカの充填量が低くなり、シリカのロスも生じてしまう。
他方、凝固時のpHを中性付近に調整してゴムの凝固速度を遅くすることでシリカの取り込みを促進することも考えられるが、一般に、凝固(固化)に長時間を要し、実用的に問題がある。
本発明者は、シリカが微細に分散した天然ゴム・シリカ複合体の調製について検討したところ、界面活性剤の存在下において天然ゴムラテックスと微粒子シリカ分散液とを混合することにより、シリカとゴムの相互作用を高めた状態で凝固させ、シリカの分散性を向上できることを見出し、本発明を完成した。これにより、シリカとゴムの分離、シリカの凝集が抑制され、シリカが微分散した複合体を得ることができる。また、シリカや天然ゴムのロスも抑制できる。
すなわち、本発明は、界面活性剤の存在下で、天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られるシリカ・天然ゴム複合体に関する。
上記界面活性剤が、非イオン性又は陽イオン性界面活性剤であることが好ましい。
上記界面活性剤が、ポリオキシエチレン基及び炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤であることが好ましい。
上記界面活性剤が、第4級アンモニウム基及び炭化水素基を有する陽イオン性界面活性剤であることが好ましい。
本発明はまた、界面活性剤の存在下で天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して配合ラテックスを調製する工程1、及び上記工程1で得られた配合ラテックスのpHを5〜7に調整し、凝固させる工程2を含む上記シリカ・天然ゴム複合体の製造方法に関する。
本発明はまた、上記シリカ・天然ゴム複合体を含むゴム組成物に関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、界面活性剤の存在下で天然ゴムラテックスと特定粒径の微粒子シリカ分散液とを混合して調製した配合ラテックスを用いているので、ゴム成分中にシリカを微細に分散したシリカ・天然ゴム複合体を得ることができる。また、製造時のシリカや天然ゴムのロスも抑制できる。
<シリカ・天然ゴム複合体>
本発明のシリカ・天然ゴム複合体は、界面活性剤の存在下で、天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られる。
上記複合体は、例えば、界面活性剤の存在下で天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して配合ラテックスを調製する工程1、及び上記工程1で得られた配合ラテックスのpHを5〜7に調整し、凝固させる工程2を含む製造方法により得られる。
(工程1)
工程1では、天然ゴムラテックスが使用される。
天然ゴムラテックスとしては、従来から公知の天然ゴムラテックスを用いることができ、例えば、天然のゴムの木から得られるフィールドラテックスのほかアンモニア処理ラテックス(たとえばハイアンモニアタイプの天然ゴムラテックス)などを用いることができる。なお、天然ゴムラテックスは、ゴム固形分が10〜70質量%のものを使用することが好ましい。
工程1では、平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液が使用される。即ち、シリカの粉末ではなく、特定粒径のシリカが水中に分散した分散液(スラリー)が使用される。分散液に含まれる微粒子シリカとしては、特に制限はないが、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられ、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。微粒子シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記分散液において、微粒子シリカの平均粒子径は、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。1μmを超えると、シリカの補強性能が悪化する傾向がある。該平均粒子径は、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上である。0.005μm未満であると、微粒子シリカが強く凝集する傾向がある。
なお、本明細書において、微粒子シリカの平均粒子径の測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察が用いられる。具体的には、微粒子を透過型電子顕微鏡で写真撮影し、微粒子の形状が球形の場合には球の直径を粒子径とし、針状又は棒状の場合には短径を粒子径とし、不定型の場合には中心部からの平均粒径を粒子径とし、微粒子100個の粒径の平均値を平均粒子径とする。
上記分散液において、微粒子シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましい。40m/g未満では、シリカの補強性が悪化する傾向がある。また、該NSAは220m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。220m/gを超えると、微粒子シリカが強く凝集する傾向がある。
なお、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠した方法により測定することができる。
上記微粒子シリカ分散液は、公知の方法で製造でき、特に限定されず、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等を用いて、微粒子シリカを分散させることで調製できる。ここで、上記分散液中の微粒子シリカの含有量は特に限定されないが、分散液(100質量%)中での均一分散性の点から、1〜10質量%が好ましい。
工程1の混合工程は、界面活性剤の存在下で行われる。界面活性剤としては、シリカの分散性を高められるという理由から、非イオン性、陽イオン性界面活性剤が好ましく、非イオン性界面活性剤がより好ましい。
非イオン性界面活性剤としては特に限定されず、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリブチレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルケニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;高級脂肪酸アルカノールアミドなど、従来公知のものを使用でき、ポリオキシエチレン基によりシリカ表面との水素結合力を増加できる点から、親水性基としてポリオキシエチレン基、疎水性基として炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤を好適に使用できる。
このような非イオン性界面活性剤として、本発明の効果が良好に得られるという点から、下記式(I)〜(III)で表される化合物を好適に使用でき、下記式(I)で表される化合物が特に好適である。
−O−(EO)−H (I)
(式(I)において、Rは炭素数3〜50のアルキル基又は炭素数3〜50のアルケニル基を表す。EOはオキシエチレン基を表す。平均付加モル数xは3〜100である。)
上記Rの炭素数は、好ましくは5〜30、より好ましくは8〜20である。
上記xは、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜30である。
−O−(EO)(AO)−H (II)
(式(II)において、Rは炭素数3〜50のアルキル基又は炭素数3〜50のアルケニル基を表す。EOはオキシエチレン基、AOはオキシプロピレン基又はオキシブチレン基を表す。平均付加モル数yは3〜100、平均付加モル数zは3〜100である。)
上記Rの炭素数は、好ましくは5〜30、より好ましくは8〜20である。
上記yは、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜30である。
上記zは、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜30である。
なお、EOとAOの配列はブロックでもランダムでもよい。
Figure 2012107211
(式(III)において、R〜Rは、同一若しくは異なって、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルケニル基又は炭素数1〜30のアルコキシ基を表す。Rは炭素数1〜30のアルキレン基を表す。EOはオキシエチレン基を表す。平均付加モル数aは0〜50、平均付加モル数bは0〜50、平均付加モル数cは1〜50である。)
上記R及びRの炭素数は、好ましくは1〜25であり、上記Rの炭素数は、好ましくは1〜25である。
また、上記Rの炭素数は、好ましくは3〜8である。
上記a及びbは、好ましくは0〜30、より好ましくは10〜30であり、上記cは、好ましくは1〜30、より好ましくは10〜30である。
陽イオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型、すなわち4級アンモニウム基及び炭化水素基を有する界面活性剤が好ましい。具体的には下記式(IV)で表される化合物が挙げられる。
[R10N] (IV)
(式中、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、かつ該R及びRの少なくとも一方は炭素数が4以上である。R及びR10は、炭素数1〜3のアルキル基を表す。Xは1価の陰イオンを表す。)
上記式(IV)において、R及びRは、一方がメチル基、他方が炭素数6〜18のアルキル基であることが好ましい。R及びR10は、メチル基が好ましい。
Xとしては、塩化物イオン、臭化物イオンなどのハロゲンイオンが挙げられる。
上記式(IV)で表される化合物の具体例としては、例えば、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらに対応するブロミドなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。なかでも、シリカの分散性を向上できる点から、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドが好ましい。
工程1の混合工程では、界面活性剤の存在下で天然ゴムラテックスと微粒子シリカ分散液とを公知の方法により混合し、その後、配合ラテックスが均一な溶液になるまで十分に攪拌することで、配合ラテックス(混合液)を調製できる。
上記混合工程では、天然ゴム100質量部(固形分)に対して微粒子シリカが5〜150質量部(SiO換算)となるように微粒子シリカ分散液を混合することが好ましい。5質量部未満であると、微粒子シリカの配合量が少なく、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。150質量部を超えると、シリカの均一分散性が低下する傾向がある。該含有量は、より好ましくは30質量部以上である。また、該含有量は、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。
上記混合工程において、界面活性剤の添加量は、天然ゴム100質量部(固形分)に対して、1〜20質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、界面活性剤の配合量が少なく、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。20質量部を超えると、シリカの均一分散性が低下する傾向がある。該含有量は、より好ましくは3質量部以上である。また、該含有量は、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。
(工程2)
工程2では、工程1で得られた配合ラテックスのpHを5〜7(好ましくは6〜7)に調整し、凝固させる。pHが5未満であると、ラテックスが急速に凝固するため、シリカとゴムが分離してしまい、シリカの分散が悪化する傾向がある。また該pHが7を超えると、ラテックスの凝固反応が遅く実用的でない傾向がある。
pH5〜7に調整し、配合ラテックスを凝固させる方法としては、通常、酸が使用され、これを配合ラテックに添加することで凝固される。凝固させるための酸としては、硫酸、塩酸、蟻酸、酢酸などが挙げられる。
得られた凝固物(凝集ゴム及びシリカを含む凝集物)を公知の方法でろ過、乾燥させ、更に乾燥後、2軸ロール、バンバリーなどでゴム練りを行うと、微粒子シリカが天然ゴムマトリックスに均一に分散した複合体を得ることができる。
なお、本発明のシリカ・天然ゴム複合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分を含んでもよい。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上記シリカ・天然ゴム複合体を含有する。上記シリカ・天然ゴム複合体は、マスターバッチとして使用できる。上記シリカ・天然ゴム複合体はゴム中にシリカが均一に分散しているので、他の成分と混合したゴム組成物においてもシリカを均一に分散できる。そのため、効果的な補強性の発揮が期待できる。
本発明のゴム組成物には、上記シリカ・天然ゴム複合体以外に、タイヤ工業において一般的に用いられている天然ゴム以外のゴム成分、カーボンブラックなどの充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤等の各種材料を適宜配合できる。また、上記ゴム組成物は、上記複合体の他に、別途天然ゴム成分、シリカなどを含んでもよい。
上記ゴム組成物において、全ゴム100質量部(固形分)に対して、全シリカの含有量は5〜150質量部であることが好ましい。また、カーボンブラックなどの他の配合剤の含有量も適宜設定できる。
上記ゴム組成物は、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。得られるゴム組成物は、低燃費性、耐摩耗性、破断強度、破断時伸びなど、タイヤの要求性能を備えている。そのため、上記ゴム組成物は、タイヤの各部材に好適に使用できる。
<空気入りタイヤ>
本発明のゴム組成物は空気入りタイヤに好適に使用できる。上記空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形することにより未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:ハイアンモニアタイプ(ゴム固形分濃度60質量%)
湿式シリカ:(株)トクヤマ製トクシールUSG(平均粒子径:18nm、NSA:170m/g)
界面活性剤(1):ハンツマン(株)製のteric 16A29(CH(C16(OC29−OH)
界面活性剤(2):花王(株)製のPD−430(R−(OC(OC−OH:R=長鎖アルキル基)
界面活性剤(3):花王(株)製のEmulgen420(C17CH=CHC16(OC−OH)
界面活性剤(4):エボニックデグッサ社製のSi363(下記式で表される界面活性剤)
Figure 2012107211
界面活性剤(5):へキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業(株)製、下記式で表される界面活性剤)
Figure 2012107211
10%硫酸:和光純薬工業(株)製
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラ−NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<実施例1〜5>
(シリカ分散液の調製)
湿式シリカ4.5gに純水85.5gを添加し、シリカ5%懸濁液を作製し、これを攪拌、及び超音波処理を10分間行い、シリカ分散液を得た。
(シリカ・天然ゴム複合体の調製)
天然ゴムラテックス16.7gにシリカ分散液を添加し、更に表1に示す界面活性剤を0.45g添加し、1時間混合、攪拌した。攪拌後に硫酸を加え、pH5〜7に調整し、凝固物を得た。得られた凝固物をろ過し、乾燥してシリカ・天然ゴム複合体を得た。
<比較例1>
比較例1では、界面活性剤を添加しなかった他は実施例と同様の方法により、シリカ・天然ゴム複合体を得た。
得られたシリカ・天然ゴム複合体を用いて、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(ろ過操作)
上記複合体の調製におけるろ過操作性について、凝集塊が生成し、ろ過操作が可能であるか否かを評価した。
(ろ液の状態(シリカ・天然ゴムロス))
シリカ及び天然ゴムのロスについて、ろ過後のろ液の状態を観察し、下記基準で評価した。
透明又は半透明:ロスがほとんどない。
白濁:ロスが多い。
(乾燥後試料(天然ゴム・シリカ複合体))
乾燥後試料におけるシリカ分散性を下記基準により、目視で評価した。
半透明:シリカの分散性が良好である。
不透明:シリカの分散性が悪い。
Figure 2012107211
界面活性剤を用いた実施例では、凝集塊が生成し、ろ過性が良好であったのに対し、比較例1ではろ過しても固形分を回収できなかった。また、実施例のろ液の状態は透明又は半透明であり、シリカと天然ゴムのロスがほとんどなかったが、比較例では白濁し、ロスが多かった。
乾燥後試料について、非イオン性界面活性剤を用いた実施例1〜4では、試料が半透明であり、シリカが均一に分散していることがわかった。陽イオン性界面活性剤を用いた実施例5では、試料が不透明となり、シリカの分散性が他の実施例に比べて劣っていた。
<実施例6〜9、比較例2>
表2に示す配合に従って、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りした。次に、ロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫して加硫物を得た。
得られた加硫物を下記により評価し、結果を表2に示した。
(転がり抵抗)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合(加硫物)のtanδを測定し、比較例2のゴム試験片(基準試験片)のtanδを100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低燃費性)が優れる。
(転がり抵抗指数)=(基準試験片のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(摩耗試験)
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。更に、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例2のゴム試験片(基準試験片)の摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(摩耗指数)=(基準試験片の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
(破断強度・破断時伸び)
加硫物を用いて3号ダンベル型ゴム試験片を作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を行い、破断強度(TB)、破断時伸び(EB)を測定した。比較例2のゴム試験片(基準試験片)のTB指数、EB指数をそれぞれ100とし、下記計算式により、各配合のTB、EBを指数表示した。TB指数が大きいほど補強性に優れ、EB指数が大きいほど耐クラック性に優れることを示す。
(TB指数)=(各配合のTB)/(基準試験片のTB)×100
(EB指数)=(各配合のEB)/(基準試験片のEB)×100
Figure 2012107211
表2から、界面活性剤の存在下で、天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られるシリカ・天然ゴム複合体を用いた実施例6〜9は、比較例2に比べ、タイヤに要求される低燃費性、耐摩耗性、破断強度、破断時伸びが高い次元でバランスよく得られた。
特に、実施例4のシリカ・天然ゴム複合体(界面活性剤(4)(Si363)を用いて得られたシリカ・天然ゴム複合体)を用いた実施例9では、タイヤ用ゴム組成物製造時にシランカップリング剤を別途添加する必要がなく、コスト面からも優れていた。

Claims (7)

  1. 界面活性剤の存在下で、天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られるシリカ・天然ゴム複合体。
  2. 前記界面活性剤が、非イオン性又は陽イオン性界面活性剤である請求項1記載のシリカ・天然ゴム複合体。
  3. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン基及び炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤である請求項1記載のシリカ・天然ゴム複合体。
  4. 前記界面活性剤が、第4級アンモニウム基及び炭化水素基を有する陽イオン性界面活性剤である請求項1記載のシリカ・天然ゴム複合体。
  5. 界面活性剤の存在下で天然ゴムラテックスと平均粒子径1μm以下の微粒子シリカ分散液とを混合して配合ラテックスを調製する工程1、及び前記工程1で得られた配合ラテックスのpHを5〜7に調整し、凝固させる工程2を含む請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ・天然ゴム複合体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ・天然ゴム複合体を含むゴム組成物。
  7. 請求項6記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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