JP5735344B2 - 複合体及びその製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

複合体及びその製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、複合体及びその製造方法、並びに該複合体を含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
無機フィラーをゴム材料に配合することでゴム組成物の物性が大幅に改善されることが知られているが、なかでも、低発熱性などが良好であるという観点から、シリカが汎用されている。しかし、シリカは、表面にシラノール基を有し、親水性を示すため、一般に疎水性を示すゴムとの親和性が低く、更に自己凝集性も強いため、ゴム中に均一に分散させることは容易ではない。
例えば、特許文献1には、ゴムラテックスに水ガラスから製造される微粒子シリカを液体状態で混合し、複合体を製造する方法が開示されているが、シリカの分散性という点で更なる改善が求められている。
また、タイヤ工業などで汎用されているシリカは球状であり、それを分散したゴム組成物ではあらゆる方向に平均的に力学的特性が改善されるが、その一方で特定方向に優れた力学的特性を有するゴム組成物も求められている。従って、このような作用を持つフィラーを均一に分散させ、特定方向のゴム物性を改善したゴム材料の提供が望まれている。
特開2009−51955号公報
本発明は、前記課題を解決し、棒状シリカが微細に分散し、特定方向の力学的特性が改善された複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、該複合体を用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、平均幅3〜35nm及び平均長さ50nm〜5μmの棒状シリカをゴム成分中に分散させた複合体に関する。
上記棒状シリカは、セピオライトに酸処理を施して得られるものが好ましい。
上記複合体は、界面活性剤の存在下で、ゴムラテックスと上記棒状シリカの分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られるものが好ましい。また、上記界面活性剤は、ポリオキシエチレン基及び炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤であることが好ましい。更に、上記棒状シリカの分散液は、超音波処理が施されて調製されたものであることが好ましい。
本発明は、界面活性剤の存在下でゴムラテックスと棒状シリカの分散液とを混合して配合ラテックスを調製する工程1、及び上記工程1で得られた配合ラテックスを凝固させる工程2を含む上記複合体の製造方法に関する。
本発明は、上記複合体を含むゴム組成物に関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、平均幅3〜35nm及び平均長さ50nm〜5μmの棒状シリカをゴム成分中に分散させた複合体であるので、特定方向に優れたゴム物性を付与できる。また、該複合体の使用により、同様のゴム物性を持つゴム組成物及び空気入りタイヤを提供できる。
棒状シリカ(セピオライト)の概略構造を示す模式図である。 酸処理セピオライトのSEM写真である。 比較例1のTEM写真である。 実施例1のTEM写真である。 実施例1のTEM写真(A部の拡大)である。 実施例2のTEM写真である。
<複合体>
本発明の複合体は、平均幅3〜35nm及び平均長さ50nm〜5μmの棒状シリカをゴム成分中に分散させたものである。該棒状シリカを使用することで、特定方向に優れた力学的特性を有する複合体が得られる。
上記複合体は、例えば、界面活性剤の存在下でゴムラテックスと上記棒状シリカの分散液とを混合して配合ラテックスを調製する工程1、及び上記工程1で得られた配合ラテックスを凝固させる工程2を含む製造方法により得られる。
(工程1)
工程1で使用されるゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)などが挙げられる。なかでも、低燃費性、ゴム強度に優れるという理由から、天然ゴムラテックスが好ましい。
天然ゴムラテックスとしては、従来公知のものを用いることができ、例えば、天然のゴムの木から得られるフィールドラテックスのほかアンモニア処理ラテックス(たとえばハイアンモニアタイプの天然ゴムラテックス)などを用いることができる。なお、天然ゴムラテックスは、ゴム固形分が10〜70質量%のものを使用することが好ましい。
工程1では、特定形状の棒状シリカが液中に分散された分散液(棒状シリカの分散液)が使用される。上記分散液は、公知の方法で製造でき、例えば、棒状シリカと水性媒体(水など)の混合液を、公知の方法で分散することで調製できる。なかでも、分散性の点から、超音波ホモジナイザーなどを用いて超音波処理を施して分散することが好ましい。
超音波処理の時間は、棒状シリカが充分に分散されるという点から、好ましくは30分〜5時間である。なお、該処理時には、分散性の点から、分散液のpHを7〜9に調整することが好ましい。pHの調整は公知の方法で実施できる(酸やアルカリの添加など)。ここで、上記分散液中の棒状シリカの含有量は特に限定されないが、分散液(100質量%)中での均一分散性の点から、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%である。
上記棒状シリカは、球状の形状を有する通常のシリカとは異なり、棒状又は針状の形状を有し、その表面にシラノール基を有する無機材料(シリカ)である。棒状シリカとしては、例えば、セピオライト、パリゴルスカイト、アタパルジャイト、シロタイル、ラフリナイト、ファルコンドアイト、イモゴライトなどが挙げられる。なかでも、不純物が少なく、シラノール基が多いという理由から、セピオライト、アタパルジャイトが好ましい。棒状シリカ表面のシラノール基により、シランカップリング剤を介してゴム分子と棒状シリカが結合し、棒状シリカの配合による効果が充分に得られる。なお、本明細書では、単にシリカと記載する場合には、特に言及しない限り、球状のシリカをいう。
棒状シリカとしては、繊維状材料であるセピオライト鉱物[MgSi1230(OH)(HO)・8(HO)]を解繊して得られたものを好適に使用できる。セピオライト鉱物の構造は、Si−O四面体が3本連結して繊維方向に平行なSi−O四面体リボンを形成し、このリボンは八面体配位のマグネシウムイオンによって結び付けられ、タルク構造に似た2:1型を形成する。これらが互いに粘着して繊維束を形成しており、凝集物を形成し得る。
上記凝集物は工業的工程、例えば微粉化(粉砕)または化学的修飾(例えば、欧州特許第170299号公報を参照)などで分裂(解繊)可能であり、それによって直径がナノメートルの繊維、即ち剥離(解繊)した棒状シリカ(セピオライト)が生じ得る。本発明では、セピオライト鉱物の解繊方法は特に限定されないが、棒状シリカ(セピオライト)の繊維としての形状を実質的に壊すことなく解繊することが好ましい。このような解繊方法としては、例えば、湿式粉砕法(例えば、欧州特許第170299号公報、特開平5−97488号公報、欧州特許第85200094−4号公報などに記載の方法)などが挙げられる。
湿式粉砕法の一例を具体的に説明する。まず、水分を含んだ状態の棒状シリカ(セピオライト)を2mm以下の粒度になるまで粉砕後、懸濁液の固形分濃度が5〜25%となるように水を加えた後、分散剤(例えば、ヘキサメタリン酸アルカリ塩)を添加する。次に、高せん断力を有する撹拌機を使用して懸濁液を5〜15分間撹拌する。撹拌の際には、まず、低速回転で2〜7分間撹拌し、次に、高速回転で2〜8分間撹拌する。続いて、上澄みをデカンテーション又は遠心分離により分離することにより、繊維としての形状を実質的に壊すことなく解繊された棒状シリカ(セピオライト)を得ることができる。
なお、本発明におけるセピオライトは、アタパルジャイト(パリゴルスカイトとしても知られる)も含む。アタパルジャイトは、アタパルジャイトが有する単位格子の方が若干小さい(繊維長が小さい)以外はセピオライトと構造的及び化学的にほとんど同一である。
上記棒状シリカとして、セピオライトに酸処理を施して得られるもの(酸処理セピオライト)を使用することが好ましい。酸処理により、Mgイオンが溶出し、組成がSiOになった棒状シリカが得られるため、該棒状シリカ表面にシランカップリング剤との反応サイトであるシラノール基が多量に生成される。このため、表面活性が高まり、ゴムとの相互作用が向上する。
酸処理は、酸と棒状シリカを接触させる方法であれば特に限定されないが、例えば、酸水溶液に棒状シリカを添加し、所定温度で一定時間、撹拌する方法などが挙げられる。酸処理セピオライトは、表面活性が高く、凝集力が強いが、ゴムとの複合前に上記超音波処理を施すことで充分にほぐれ、ゴムと混合し易くなる。
酸処理において、酸としては、ギ酸、硫酸、塩酸、酢酸などの無機酸及び有機酸が挙げられ、硫酸、塩酸が好ましい。塩酸を使用する場合、棒状シリカ表面の親水性をより高められる。
酸の濃度、酸処理の温度、時間は適宜設定すればよく、設定により部分的な酸処理も可能である。酸の濃度は、Mgイオンの溶出が良好に進行するという点から、好ましくは1〜6mol/Lである。酸処理の温度は、Mgイオンの溶出が充分に進行しうる範囲で適宜設定でき、通常30〜90℃、好ましくは55〜85℃である。酸処理の時間は、好ましくは5分〜24時間、より好ましくは0.5〜3時間である。
なお、上記方法などで得られた酸処理セピオライトは、通常、水洗などの方法で洗浄され、乾燥させることなく、前述の方法で棒状シリカ分散液(酸処理セピオライトの分散液)を調製し、工程1に供することが好ましい。これにより、酸処理セピオライトの凝集を防止でき、ゴム中に良好に分散できる。
本発明における棒状シリカの平均幅は、3nm以上、好ましくは5nm以上である。3nm未満であると、表面積が大きくなり、ゴムへの分散が悪くなる傾向がある。棒状シリカの平均幅は、35nm以下、好ましくは30nm以下である。35nmを超えると、補強剤としての機能が低下する傾向がある。
棒状シリカの平均長さは、50nm以上、好ましくは100nm以上、より好ましくは300nm以上である。50nm未満であると、特定方向に優れた力学的特性を示さなくなる傾向がある。棒状シリカの平均長さは、5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下である。5μmを超えると、破壊の起点になるため、ゴム強度が悪化する傾向がある。
棒状シリカのアスペクト比(平均長さ/平均幅)は、好ましくは2以上、より好ましくは5以上である。2未満であると、特定方向についての力学的特性が充分に得られないおそれがある。棒状シリカのアスペクト比の上限は特に限定されず、上記形状の範囲内で、大きいほど好ましい。
図1は、棒状シリカ(セピオライト)の概略構造を示す模式図である。図1に示すように、棒状シリカ(セピオライト)は、針状又は長い繊維状(棒状)の形状を有している。セピオライトの幅、厚み、長さは、それぞれ図1のX、Y、Zに相当する。言い換えると、セピオライトの幅(X)とは、主面(平面視したときに面積が最大となる面)の短辺の長さであり、セピオライトの厚み(Y)とは、主面に対する法線方向の長さであり、セピオライトの長さ(Z)とは、主面の長辺の長さである。
なお、本明細書において、棒状シリカの平均幅は、透過型電子顕微鏡により測定した棒状シリカのXの平均値(例えば、100個の棒状シリカのXを測定し、算出した平均値)である。また、本明細書において、棒状シリカの平均長さは、透過型電子顕微鏡により測定した棒状シリカのZの平均値(例えば、100個の棒状シリカのZを測定し、算出した平均値)である。
棒状シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは200m/g以上、より好ましくは300m/g以上である。200m/g未満では、ゴム強度が悪化する傾向がある。該NSAは、好ましくは500m/g以下、より好ましくは350m/g以下である。500m/gを超えると、分散性が低下する傾向がある。
なお、棒状シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
工程1の混合工程は、界面活性剤の存在下で行われる。界面活性剤の使用で棒状シリカとゴムの相互作用が高められ、棒状シリカの凝集を抑制できる。このため、棒状シリカの良好な分散性が得られる。界面活性剤としては、分散性を良好に改善できるという理由から、非イオン性、陽イオン性界面活性剤が好ましく、非イオン性界面活性剤がより好ましい。
非イオン性界面活性剤としては特に限定されず、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリブチレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルケニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;高級脂肪酸アルカノールアミドなど、従来公知のものを使用できる。なかでも、ポリオキシエチレン基により棒状シリカ表面との水素結合力が高められるという点から、親水性基としてポリオキシエチレン基、疎水性基として炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤を好適に使用できる。
このような非イオン性界面活性剤として、棒状シリカを良好に分散できるという点から、下記式(I)で表される化合物を好適に使用できる。
−O−(EO)−H (I)
(式(I)において、Rは炭素数3〜50のアルキル基又は炭素数3〜50のアルケニル基を表す。EOはオキシエチレン基を表す。平均付加モル数xは3〜100である。)
上記Rの炭素数は、好ましくは10〜40、より好ましくは20〜35である。
上記xは、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜30である。
工程1の混合工程では、界面活性剤の存在下でゴムラテックスと棒状シリカとを、公知の方法により混合し、その後、配合ラテックスが均一な溶液になるまで十分に攪拌することで、配合ラテックス(混合液)を調製できる。
上記混合工程では、ゴム100質量部(固形分)に対して棒状シリカが5〜150質量部となるように棒状シリカ分散液を混合することが好ましい。5質量部未満であると、棒状シリカの配合量が少なく、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。150質量部を超えると、棒状シリカの均一分散性が低下する傾向がある。該混合量の下限はより好ましくは30質量部以上であり、上限はより好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。
上記混合工程において、界面活性剤の添加量は、棒状シリカ100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、界面活性剤の配合量が少なく、分散性の改善効果が充分に得られないおそれがある。30質量部を超えると、棒状シリカの均一分散性が低下する傾向がある。該添加量の下限はより好ましくは3質量部以上であり、上限はより好ましくは20質量部以下である。
(工程2)
工程2では、工程1で得られた配合ラテックスを凝固させる。凝固は公知の方法により実施できるが、配合ラテックスのpHを5〜7(好ましくは6〜7)に調整することが好ましい。pHが5未満であると、ラテックスが急速に凝固するため、棒状シリカとゴムが分離してしまい、棒状シリカの分散が悪化する傾向がある。またpHが7を超えると、ラテックスの凝固反応が遅く実用的でない傾向がある。
pH5〜7に調整し、配合ラテックスを凝固させる方法としては、通常、酸が使用され、これを配合ラテックスに添加することで凝固する。凝固させるための酸としては、硫酸、塩酸、蟻酸、酢酸などが挙げられる。
得られた凝固物(凝集ゴム及び棒状シリカを含む凝集物)を公知の方法でろ過、乾燥させ、更に乾燥後、2軸ロール、バンバリーなどでゴム練りを行うと、棒状シリカがゴムマトリックスに均一に分散した複合体を得ることができる。
なお、本発明の複合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分を含んでもよい。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上記複合体を含有する。上記複合体はマスターバッチとして使用できる。上記複合体はゴム中に棒状シリカが均一に分散しているので、他の成分と混合したゴム組成物においても棒状シリカを均一に分散できる。そのため、効果的な性能の向上が期待できる。
本発明のゴム組成物には、上記複合体以外に、タイヤ工業において一般的に用いられているカーボンブラックなどの充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤、別途配合する他のゴム成分等の各種材料を適宜配合できる。
<空気入りタイヤ>
本発明のゴム組成物は空気入りタイヤに好適に使用できる。上記空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形することにより未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:ハイアンモニアタイプ(ゴム固形分濃度60質量%)
天然ゴム:TSR20
セピオライト(棒状シリカ):TOLSA社製のPANGEL(長さ:200〜2000nm、幅:5〜30nm、NSA:320m/g、純度99%以上、スペイン産、セピオライト鉱物の湿式粉砕品)
界面活性剤(1):ハンツマン(株)製のteric 16A29(CH(C16(OC29−OH)
界面活性剤(2):花王(株)製のPD−430(R−(OC(OC−OH:R=長鎖アルキル基)
界面活性剤(3):花王(株)製のEmulgen420(C17CH=CHC16(OC−OH)
界面活性剤(4):エボニックデグッサ社製のSi363(下記式で表される界面活性剤)
界面活性剤(5):へキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業(株)製、下記式で表される界面活性剤)
95%硫酸:和光純薬工業(株)製
10%硫酸:和光純薬工業(株)製
NaOH:関東化学(株)製
(酸処理セピオライトの調製)
95%硫酸150gを3mol/Lになるまで純水で希釈し、これにセピオライト150gを添加し、80℃で1時間攪拌した。その後、遠心分離により固形分を取り出し、該固形分を純水2Lに再分散し、攪拌することで余分な塩を除去した(洗浄)。この洗浄操作を3回行い、酸処理セピオライト(未乾燥)を得た。
(実施例1)
酸処理セピオライト(90g)を乾燥させずに、純水1700gに分散させた。分散液のpHが2となったので、NaOHを添加し、pHを8に調整した。これに、超音波ホモジナイザーを用いて、200W、1時間の条件で超音波を照射した(超音波処理)。
超音波処理後の分散液に、界面活性剤(1)9g、天然ゴムラテックス333g(ゴム固形分200g)を加えて1時間攪拌した。攪拌後、10%硫酸を加え、pH7に調整し、凝固物を得た。これをろ過(ろ紙#2)し、60℃で乾燥して酸処理セピオライト・天然ゴム複合体を得た。
(実施例2)
超音波処理をしなかった点以外は実施例1と同様の方法により、酸処理セピオライト・天然ゴム複合体を得た。
(比較例1)
天然ゴム100質量部に対して、乾燥した酸処理セピオライトを45質量部混合し、バンバリーを用いてゴム練りを行ない、酸処理セピオライト・天然ゴム複合体を得た。
得られた複合体を、ミクロトームを用いて、薄片を切り出し、TEM分析によりセピオライトの分散状態を観察した。
調製した酸処理セピオライトについては、SEM−EDXよりMgイオン成分の消失(溶出)を確認し、FT−IRのSiO骨格振動より棒状形態のSiOが残っていることを確認した(図2)。
なお、酸処理の反応は、下記反応式のようにすすむと考えられる。
(セピオライトの組成:Mg(Si11・8HO)
反応式
Mg(Si11・8HO+16H→8Mg2++12SiO+17H
図6(実施例2のTEM写真)から、界面活性剤(1)の存在下で、天然ゴムラテックスと酸処理セピオライトの分散液とを混合することで、酸処理セピオライトを良好に分散できることが明らかとなった。また、図4(実施例1のTEM写真)から、超音波処理を施すことで、酸処理セピオライトの分散性を一層向上できること、図5(実施例1のA部の拡大TEM写真)から、酸処理セピオライトが棒状形態のまま分散されることが明らかとなった。
なお、実施例1、2の界面活性剤(1)に代えて、界面活性剤(2)〜(5)を用いて得られた複合体も、酸処理セピオライトを良好に分散できること、酸処理セピオライトが棒状形態のまま分散されることを確認した。
一方、図3(比較例1のTEM写真)では、酸処理セピオライトの凝集塊が形成されていた。この結果から、酸処理セピオライトが乾燥することにより凝集塊が形成され、ゴム練りでは該凝集塊を分散できないことが明らかとなった。
以上より、実施例の複合体は、特定方向に優れたゴム物性を付与できると期待できる。また、分散性に優れるため、補強性などの性能改善も期待できる。

Claims (6)

  1. 界面活性剤の存在下で、ゴムラテックスと棒状シリカの分散液とを混合して調製された配合ラテックスから得られるものであり、
    前記棒状シリカが、棒状又は針状の形状を有し、平均幅3〜35nm及び平均長さ50nm〜5μmであり、セピオライトに酸処理を施して得られるものである複合体。
  2. 前記界面活性剤は、ポリオキシエチレン基及び炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤である請求項に記載の複合体。
  3. 前記棒状シリカの分散液は、超音波処理が施されて調製されたものである請求項又はに記載の複合体。
  4. 界面活性剤の存在下でゴムラテックスと棒状シリカの分散液とを混合して配合ラテックスを調製する工程1、及び前記工程1で得られた配合ラテックスを凝固させる工程2を含む請求項1〜のいずれかに記載の複合体の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の複合体を含むゴム組成物。
  6. 請求項に記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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