JP2008231152A - ウェットマスターバッチ及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種多様なゴム組成物を容易に製造することが可能なウェットマスターバッチを提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合し、脱水し、乾燥して得られるウェットマスターバッチであって、前記カーボンブラックの配合量が、前記ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部を超え且つ1000質量部以下であることを特徴とするウェットマスターバッチである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウェットマスターバッチ及びその製造方法、並びに該ウェットマスターバッチを用いたゴム組成物に関し、特にカーボンブラックの含有率が高いウェットマスターバッチに関するものである。
従来、充填剤の分散性が良好で、加工性に優れたゴム組成物の製造方法としてゴム−充填剤ウェットマスターバッチを用いることが知られている。ここで、ウェットマスターバッチは、カーボンブラック、シリカ等の充填剤と水とを予め一定の割合で混合し、充填剤を水中に微分散させたスラリーと、ゴムのラテックスとを混合し、その後、酸、無機塩、アミン等の凝固剤を加えて凝固させた後、濾過回収、乾燥して得たものである。
例えば、特開2004−99625号(特許文献1)には、天然ゴムラテックスを用いたウェットマスターバッチの製造方法であって、天然ゴムラテックス中のアミド結合を分解した後に、天然ゴムラテックスと充填剤のスラリー溶液とを混合する方法が開示されている。そして、該方法によれば、加工性の良好な天然ゴムマスターバッチが得られ、更に、該マスターバッチを用いることで、加工性、補強性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物が得られることが知られている。
また、特開2006−169482号(特許文献2)には、天然ゴムラテックスを用いたウェットマスターバッチの製造方法であって、特定の物性のカーボンブラックを天然ゴムラテックス中の天然ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部の範囲で混合する方法が開示されている。そして、該方法によれば、カーボンブラックの分散性が良好な天然ゴムマスターバッチが得られ、更に、該マスターバッチを用いることで、耐摩耗性及び低発熱性に優れたゴム組成物が得られることが知られている。
特開2004−99625号公報 特開2006−169482号公報
しかしながら、従来のウェットマスターバッチは、粉状ではなく、また、高硬度であるため、他の配合剤との混練が難しかった。特に、ゴム成分や充填材をゴム配合段階で追加する場合、良好な分散状態を保つことが困難であった。そのため、従来のウェットマスターバッチを用いた場合、多種多様なゴム組成物を製造することが難しかった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、多種多様なゴム組成物を容易に製造することが可能なウェットマスターバッチ及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるウェットマスターバッチを用いた、カーボンブラックの分散性が良好である上、低発熱性、耐摩耗性、補強性が良好なゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ラテックスとカーボンブラックのスラリー溶液とを混合し、脱水し、乾燥して得られるウェットマスターバッチにおいて、カーボンブラックの配合量をウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部超1000質量部以下とすることで、乾燥して得られるウェットマスターバッチが粉状となり、該粉状のウェットマスターバッチを用いることで、多種多様なゴム組成物を容易に製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のウェットマスターバッチは、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合し、脱水し、乾燥して得られ、
前記カーボンブラックの配合量が、前記ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部を超え且つ1000質量部以下であることを特徴とする。
本発明のウェットマスターバッチにおいて、前記スラリー溶液中のカーボンブラックは、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で且つ90体積%粒径(D90)が30μm以下であることが好ましく、該スラリー溶液から乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが好ましい。
本発明のウェットマスターバッチは、粉状であることが好ましく、また、酸性化合物を含んでいることが好ましい。
また、本発明のウェットマスターバッチの製造方法は、カーボンブラックを水中に分散させてスラリー溶液を調製し、該スラリー溶液と天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスとを混合し、凝固させ、脱水し、乾燥することを特徴とする。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法において、前記スラリー溶液中のカーボンブラックは、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で且つ90体積%粒径(D90)が30μm以下であることが好ましく、該スラリー溶液から乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが好ましい。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法の好適例においては、前記凝固の段階で、酸性化合物を添加及び/又は加熱する。
本発明のウェットマスターバッチの製造方法の他の好適例においては、前記乾燥段階で、熱風又はキルン式乾燥機を用いる。
更に、本発明のゴム組成物は、上記のウェットマスターバッチを配合してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物においては、カーボンブラックの配合量が、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して10〜300質量部であることが好ましく、30〜100質量部であることが更に好ましい。
本発明によれば、カーボンブラックの配合量がウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部を超え且つ1000質量部以下であり、多種多様なゴム組成物を容易に製造することが可能なウェットマスターバッチ及びその製造方法を提供することができる。また、かかるウェットマスターバッチを用いた、カーボンブラックの分散性が良好である上、低発熱性、耐摩耗性、補強性が良好なゴム組成物を提供することができる。
<ウェットマスターバッチ及びその製造方法>
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のウェットマスターバッチは、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合し、脱水し、乾燥して得られ、前記カーボンブラックの配合量が、前記ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部を超え且つ1000質量部以下であることを特徴とし、該ウェットマスターバッチは、例えば、カーボンブラックを水中に分散させてスラリー溶液を調製し、該スラリー溶液と天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスとを混合し、凝固させ、脱水し、乾燥することで製造できる。
本発明のウェットマスターバッチは、カーボンブラックの配合量がウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部を超えるため、乾燥後の形態が粉状である。そのため、本発明のウェットマスターバッチは、他の配合剤との混練が容易であり、本発明のウェットマスターバッチを粉状の配合剤として用いることで、既存の混練設備を利用して多種多様なゴム組成物を容易に製造することが可能となる。
また、本発明のウェットマスターバッチを粉状の配合剤として用いた場合、カーボンブラックの分散性が向上して、ゴム組成物の発熱性を低減しつつ、耐摩耗性及び補強性を向上させることもできる。更に、本発明のウェットマスターバッチを粉状の配合剤として用いる場合、微粒径且つ低ストラクチャーのカーボンブラックを用いた場合にも、高い分散性を確保することができる。また更に、本発明のウェットマスターバッチを粉状の配合剤として用いることで、カーボンブラックの飛散を抑制して、製造現場の汚染を防止することができる。なお、物理的な吸着を利用したカーボンブラックの造粒工程で造粒剤としてラテックスを使用した例があるが、該技術は、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性及び補強性を向上させる技術ではなく、一方、本発明は、カーボンブラックとゴム成分との間に化学的相互作用を持たせることで、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性及び補強性を向上させ、ゴム組成物としての性能を向上させる技術である。
但し、本発明のウェットマスターバッチにおいて、前記カーボンブラックの配合量がウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部以下では、乾燥後に得られるウェットマスターバッチが粉状とならず、一方、1000質量部を超えると、ゴム組成物の発熱性を低減したり、耐摩耗性を向上させる効果が得られず、また、カーボンブラックが飛散して、製造現場の汚染を防止することができない。
本発明のウェットマスターバッチに用いる天然ゴムラテックス及び合成ゴムラテックスにおいて、ラテックス中のゴム成分の濃度は、5〜70質量%の範囲が好ましく、10〜40質量%の範囲が更に好ましい。また、合成ゴムラテックスとしては、スチレンブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらラテックスは、適宜水で希釈してもよい。
本発明のウェットマスターバッチに用いるスラリー溶液は、カーボンブラックを予め水中に分散させてなる。ここで、スラリー溶液の製造は、公知の方法で行うことができ、例えば、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等の混合機を用いることができる。例えば、コロイドミルに水を入れ、撹拌しながらカーボンブラックをゆっとり滴下し、その後、ホモジナイザーにて界面活性剤と共に、一定圧力、一定温度で循環させることで、当該スラリー溶液を調製することができる。また、カーボンブラックと水を一定の割合で混合し、細長い導管の一端からこれらの混合液を導入し、激しい水力撹拌の条件下で、均質な組成を有するスラリーの連続した流れを生成させることもできる。なお、上記スラリー溶液中のカーボンブラックの濃度は、スラリー溶液の0.5〜60質量%の範囲が好ましく、1〜40質量%の範囲が更に好ましく、2〜10質量%の範囲が特に好ましい。
また、上記スラリー溶液中のカーボンブラックは、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で且つ90体積%粒径(D90)が30μm以下であることが好ましく、体積平均粒子径(mv)が20μm以下で且つ90体積%粒径(D90)が25μm以下であることが更に好ましく、スラリー溶液から乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量は、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが好ましく、96%以上保持していることが更に好ましい。ここで、24M4DBP吸油量は、ISO 6894に準拠して測定される値であり、体積平均粒子径及び90体積%粒径は、レーザー回折型粒度分布計を用い、水の屈折率1.33、カーボンブラックの屈折率1.57として測定した値である。スラリー溶液中のカーボンブラックの粒径(体積平均粒子径及び90体積%粒径)が大きすぎると、ラテックス及びスラリー溶液の混合液中でのカーボンブラックの分散性が悪化し、補強性及び耐摩耗性が悪化することがある。また、粒径を小さくするためにスラリー溶液に過度のせん断力をかけると、カーボンブラックのストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こすため、スラリー溶液から乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが好ましい。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。なお、本発明のウェットマスターバッチは、微粒径且つ低ストラクチャーのカーボンブラックを用いた場合にも、高い分散性を確保することができ、ここで、微粒径且つ低ストラクチャーのカーボンブラックとは、窒素吸着比表面積(N2SA)が105m2/g以上、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が120mL/100g以下のカーボンブラックを指す。
上記ラテックスと上記スラリー溶液との混合方法としては、例えば、ブレンダーミル中にスラリー溶液を入れ、撹拌しながら、上記ラテックスを滴下する方法や、逆に上記ラテックスを撹拌しながら、これに上記スラリー溶液を滴下する方法が挙げられる。また、一定の流量比のラテックス流とスラリー流とを激しい水力撹拌条件下で混合する方法等でもよい。ここで、上記ラテックス中のゴム成分100質量部に対する上記スラリー溶液中のカーボンブラックの配合量は、100質量部を超え且つ1000質量部以下である。
上記ウェットマスターバッチは、上記ラテックス及びスラリー溶液を混合した後、通常、凝固させ、脱水し、更に乾燥させて製造することができる。ここで、上記ラテックスと上記スラリー溶液との混合液の凝固は、通常、ギ酸、硫酸等の酸性化合物や、塩化ナトリウム等の塩等の凝固剤を添加して行われる。但し、凝固剤を添加せずとも、ラテックスとスラリー溶液とを混合することによって、凝固がなされる場合もあり、この場合は、凝固剤を用いなくてもよい。また、凝固においては、凝固剤の添加の有無に関わらず、ラテックスとスラリー溶液との混合液を加熱してもよい。
また、上記凝固の後には、通常、得られた凝固物を回収し、遠心分離等によって脱水し、更に、乾燥を行う。ここで、乾燥には、熱風乾燥機又はキルン式乾燥機を用いることが好ましい。なお、乾燥前のマスターバッチ中の水分は10%以上であることが好ましい。乾燥前のマスターバッチ中の水分が10%未満であると、乾燥工程でのカーボンブラックの分散性の改良幅が小さくなることがある。
本発明のウェットマスターバッチには、上記ラテックス及びスラリー溶液及びの他に、老化防止剤、着色剤、分散剤等の添加剤を加えることができる。また、凝固に、ギ酸、硫酸等の酸性化合物を用いた場合、本発明のウェットマスターバッチは酸性化合物を含んでもよく、この場合、該酸性化合物の含有量は、凝固後脱水前の段階において、pHで3〜7の範囲が好ましい。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上記ウェットマスターバッチを配合してなることを特徴とし、該ウェットマスターバッチは、上述のようにカーボンブラックの分散性が良好なため、本発明のゴム組成物は、カーボンブラックの分散性が良好である上、低発熱性、耐摩耗性及び補強性に優れる。なお、本発明のゴム組成物には、上記ウェットマスターバッチの他に、更に、ゴム成分、カーボンブラック等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等のゴム工業で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。本発明のゴム組成物は、ウェットマスターバッチに、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。なお、本発明のゴム組成物には、上記ウェットマスターバッチが配合されるため、製造時のカーボンブラックの飛散が防止して、製造現場の汚染を防止することができる。
また、本発明のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100質量部に対して10〜300質量部であることが好ましく、30〜100質量部であることが更に好ましい。カーボンブラックの配合量が10質量部未満では、十分な補強性が得られない場合があり、一方、300質量部を超えると加工性が悪化する場合がある。また、カーボンブラックの配合量が30〜100質量部であれば、補強性及び加工性が良好となる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<スラリー溶液の調製>
カーボンブラック(N110)850gと水 16.15kgとを混ぜ、ローター・ステーター間隙0.3mmの高せん断ミキサーを利用して、室温、回転数5000rpmで10分間撹拌し、カーボンブラックのスラリー溶液(1)を得た。なお、使用したカーボンブラックの24M4DBP吸油量をISO 6894に準拠して測定したところ、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量が99mL/100gで、スラリー溶液から乾燥回収した後の24M4DBP吸油量が96mL/100g(保持率:97%)であった。また、スラリー溶液中のカーボンブラックの粒度分布を、分散後直ちにレーザー回折型粒度分布計[MICROTRAC FRA型]を使用し、水の屈折率1.33、カーボンブラックの屈折率1.57として測定したところ、体積平均粒子径(mv)が5.2μmで且つ90体積%粒径(D90)が8.2μmであった。
<ラテックスの調製>
入手した天然ゴムラテックス(ゴム成分31.5質量%)を水で希釈し、ゴム成分20質量%のラテックス(2)500gを得た。
<ギ酸水溶液の調製>
市販の工業用ギ酸(有効ギ酸含量約75%)を水で希釈し、9%のギ酸水溶液(3)を得た。
<混合及び凝固>
上記カーボンブラックのスラリー溶液(1)とラテックス(2)とを混合し、室温、回転数300rpmで10分間撹拌した。その後、pHメーターでpH値を確認しながら、pHが4.7になるまでギ酸水溶液(3)を投入し、凝固させ、粉状生成物を得た。
<乾燥>
得られた粉状生成物を不織布フィルタを用いて回収し、遠心脱水した後、熱風乾燥機を用い、110℃で3時間乾燥して、ウェットマスターバッチを得た。
(実施例2〜4及び比較例1)
表1に示す種類のカーボンブラック及びラテックスを用いて、実施例1と同様にしてウェットマスターバッチを作製した。
Figure 2008231152
*1 昭和キャボット社製N110, N2SA=144m2/g, DBP吸油量=115mL/100g, 体積平均粒子径(mv)=5.2μm, 90体積%粒径(D90)=8.2μm, 水中に分散させる前の24M4DBP吸油量=99mL/100g, スラリー溶液から乾燥回収した後の24M4DBP吸油量=96mL/100g, 保持率=97%
*2 昭和キャボット社製N220, N2SA=111m2/g, DBP吸油量=115mL/100g, 体積平均粒子径(mv)=6.1μm, 90体積%粒径(D90)=10.1μm, 水中に分散させる前の24M4DBP吸油量=99mL/100g, スラリー溶液から乾燥回収した後の24M4DBP吸油量=96mL/100g, 保持率=97%
*3 N2SA=210m2/g, DBP吸油量=72mL/100g, 体積平均粒子径(mv)=4.9μm, 90体積%粒径(D90)=9.3μm, 水中に分散させる前の24M4DBP吸油量=68mL/100g, スラリー溶液から乾燥回収した後の24M4DBP吸油量=65mL/100g, 保持率=96%
*4 天然ゴムラテックス
*5 スチレン-ブタジエン共重合体ゴムラテックス, JSR製SBラテックス, S2990A
<ゴム組成物の調製及び評価>
上記ウェットマスターバッチを用い、東洋精機製のラボプラストミルで、表2に示す配合のゴム組成物を作製し、作製時のカーボンブラックの飛散性を評価した。また、得られたゴム組成物に対して、分散性、発熱性、耐摩耗性、耐テア性を下記の方法で評価した。また、比較として、ウェットマスターバッチを用いずにゴム組成物を作製し(比較例2、4及び5)、同様の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(1)分散性
得られたゴム組成物におけるカーボンブラックの分散性を目視で評価し、評点をつけた。評点が大きい程、カーボンブラックの分散性が良好であることを示す。
(2)発熱性
TOYOSEIKI(株)製スペクトロメーターを用い、歪:1%、周波数:52Hz、温度:25℃で損失正接(tanδ)を測定し、比較例2、4又は5を100として指数表示した。指数値が大きい程、発熱性が小さく、良好であることを示す。
(3)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率40%での摩耗量を測定し、比較例2、4又は5の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
(4)耐テア性
JIS K6252:2001に従って、切り込みありアングル形試験片を用いて、試験片が切断に至るまでの最大引裂力を測定し、比較例2、4又は5を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐テア性に優れることを示す。
Figure 2008231152
*1〜3 表1に同じ
*6 汎用天然ゴム, TSR20
*7 JSR製, スチレン-ブタジエン共重合体ゴム, #1500
*8 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン
*9 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド
*10 ジフェニルグアニジン
*11 N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド
*12 ジベンゾチアジルジスルフィド
表2から、実施例のゴム組成物は、比較例のゴム組成物に比べて、製造時のカーボンブラックの飛散が抑制されており、また、カーボンブラックの分散性が良好で、低発熱性、耐摩耗性及び耐テア性に優れることが分かる。

Claims (11)

  1. 天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合し、脱水し、乾燥して得られるウェットマスターバッチであって、
    前記カーボンブラックの配合量が、前記ウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して100質量部を超え且つ1000質量部以下であることを特徴とするウェットマスターバッチ。
  2. 前記スラリー溶液中のカーボンブラックは、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で且つ90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、該スラリー溶液から乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることを特徴とする請求項1に記載のウェットマスターバッチ。
  3. 粉状であることを特徴とする請求項1に記載のウェットマスターバッチ。
  4. 酸性化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のウェットマスターバッチ。
  5. カーボンブラックを水中に分散させてスラリー溶液を調製し、該スラリー溶液と天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックスとを混合し、凝固させ、脱水し、乾燥することを特徴とする請求項1に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  6. 前記スラリー溶液中のカーボンブラックは、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で且つ90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、該スラリー溶液から乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることを特徴とする請求項5に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  7. 前記凝固の段階で、酸性化合物を添加及び/又は加熱することを特徴とする請求項5に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  8. 前記乾燥段階で、熱風又はキルン式乾燥機を用いることを特徴とする請求項5に記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のウェットマスターバッチを配合してなるゴム組成物。
  10. カーボンブラックの配合量が、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して10〜300質量部であることを特徴とする請求項9に記載のゴム組成物。
  11. カーボンブラックの配合量が、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して30〜100質量部であることを特徴とする請求項10に記載のゴム組成物。
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