JP2021020867A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用感が良好で、充分な耐衝撃性を有した固形粉末化粧料を、湿式成型方法により製造する方法を提供する。【解決手段】下記成分(A)、(B)及び(C)を含有する粉末と油剤とを混合することにより調製される化粧料基材と、水性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去することを特徴とする固形粉末化粧料の製造方法。(A)球状シリカ(B)光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母(C)板状酸化亜鉛【選択図】なし

Description

本願発明は、粉末と油剤を混合することによって調製される化粧料基材を、水性溶剤と混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去することを特徴とする固形粉末化粧料の製造方法において、特定の粉末を含有することにより、使用感が良好で、充分な耐衝撃性を有した固形粉末化粧料の製造方法に関する。
固形粉末化粧料の製造方法には、粉末と油剤を混合したのち圧密成型する乾式成型方法と、粉末と油剤を混合した化粧料基材に揮発性溶剤を加えてスラリーとし、容器に充填した後、揮発性溶剤を乾燥除去して化粧料を得る湿式成型方法がある。湿式成型方法は、乾式成型方法と比較して粉末が整列しやすいため、使用時のスライド性(滑らかさ)に優れることが知られている(非特許文献1)。湿式成型方法においては、従来、揮発性シリコーンや低沸点炭化水素等の揮発性油剤を溶剤として用いてきたが、これらの揮発性油剤は危険物であるため管理が煩雑であり、また、環境保護の観点から除去した揮発性油剤を回収する必要があり、更に、安全性の観点から作業員の安全対策を講じる必要がある。このような背景から、水性溶剤を用いた製法が求められている。しかし、水性溶剤を用いた場合、揮発性油剤を用いた場合に比べ、得られる製品は粉の取れ量や塗布時の滑らかさが不充分であったり、耐衝撃性に劣るといった問題点があった。
このような課題を解決するため、結合成型性のある粉末と特定の複合粉末、炭化水素油を配合する方法(特許文献1)、疎水化処理粉末と多価アルコール、特定のシリコーンゲル組成物、特定の活性剤を配合する方法(特許文献2)、疎水化処理粉末と多価アルコール、特定の柔軟性有機樹脂粉末、特定の活性剤を配合する方法(特許文献3)、疎水化処理粉末と多価アルコール、抱水性油剤、特定の活性剤を配合する方法(特許文献4)、層状ケイ酸塩鉱物と親水性球状粉末、特定の油剤を配合する方法(特許文献5)が知られている。
松下 篤、「湿式充填を用いたパウダーファンデーションの開発」、Fragrance Journal、2006年6月、p.34−39
特許第4594075号公報 特許第5236380号公報 特許第5342195号公報 特許第5432656号公報 特開2014−141482号公報
しかしながら、上記湿式成型方法で得られた固形粉末化粧料は、いずれも耐衝撃性の点で充分ではなく、優れた使用感と耐衝撃性の両立の点でいまだに満足のいく固形粉末化粧料が得られていないのが現状であった。
本願発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記成分(A)〜(C)を化粧料基材に含有することにより、水性溶剤を用いた湿式成型方法により、パフへの取れや塗布時の滑らかさ等の使用感及び耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料が得られることを見出し、本願発明を完成するに至った。すなわち、本願発明は、下記成分(A)〜(C)を含有する化粧料基材と、水性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去することを特徴とする固形粉末化粧料の製造方法、及び該製造方法により得られた固形粉末化粧料を提供するものである。
(A)球状シリカ
(B)光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母
(C)板状酸化亜鉛
本願発明の固形粉末化粧料は、溶剤として水性溶剤を用いた湿式成型方法において、優れた使用感と耐衝撃性を有するものである。
以下、本願発明を詳細に説明する。本願発明に用いられる成分(A)の球状シリカは、通常化粧料に用いられるものであればよい。球状とは形状が球形であることであり、粉末の長径/短径の比が1.2以下のものが好ましい。また、球状であれば表面に凹凸があってもよい。
成分(A)の球状シリカの吸油量は、JIS K 5101測定法による吸油量測定において、100〜500ml/100gであることが好ましい。吸油量が100ml/100gよりも小さい又は500ml/100gより大きいと耐衝撃性が低下する。
このような球状シリカの市販品として、サンスフェアH−51やサンスフェアH−122(以上、AGCエスアイテック社製)等が挙げられる。また、本願発明に用いられる成分(A)は、表面処理を施して用いても未処理であってもよい。
本願発明で用いられる成分(A)の含有量は、より優れた耐衝撃性と滑らかな使用感が得られる点から、化粧料基材中に0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
本願発明に用いられる成分(B)の光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母は、通常化粧料に用いられるものであればよい。ここで言う雲母とは天然雲母、合成雲母のいずれでもよく、具体的には、白雲母、金雲母、絹雲母、紅雲母、黒雲母、合成金雲母等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化クロム、水酸化クロム等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を被覆してもよい。このような金属酸化物被覆雲母の市販品として、酸化チタン被覆雲母であるSTA−20C(三信鉱工社製)やMTS−C(鈴木油脂工業社製)等が挙げられる。その中でも酸化チタン及び酸化鉄を雲母表面上に被覆した金属酸化物被覆雲母が耐衝撃性の点から好ましい。
本願発明における被覆とは、雲母表面上に金属酸化物の粒子が複合化されていることである。
前記雲母に金属酸化物を被覆する方法は特に限定されないが、例えば金属アルコキシを用いたゾルゲル法、母粉体と子粒子の静電気力を利用して雲母と金属酸化物の分散体を噴霧乾燥機で噴霧乾燥させる方法などが挙げられる。
本願発明に用いられる成分(B)の金属酸化物の被覆率は10〜30重量%が好ましい。前述で好ましいとした酸化チタン及び酸化鉄を雲母表面上に被覆した金属酸化物被覆雲母の酸化チタンの被覆率は5〜15重量%、酸化鉄の被覆率が5〜15重量%が好ましい。被覆率は金属酸化物被覆雲母を100重量%としたときの数値である。
光輝性の有無は以下の測色方法で測定する。先ず、LENETA社製OPACITY CHARTSの黒い部分にニトムズ社製両面テープ30mm幅を貼付し、化粧用ブラシにて均一に複合粉末を塗布する。塗布したサンプルを、スガ試験機社製デジタル変角光沢計にて入射角45度に固定し、受光角20度の光沢強度(I20)と45度の光沢強度(I45)を測定し、I45/I20を算出してこの比により
I45/I20=2.0以上 :光輝性あり
I45/I20=2.0未満 :光輝性なし
とする。
本願発明に用いられる成分(B)の含有量は、より優れた耐衝撃性が得られる点から、化粧料基材中に1〜20重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。
本願発明に用いられる成分(B)は、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等の通常公知の表面処理剤により表面処理を施して用いても良い。その中でも、より優れた使用感が得られる点から、シリコーン化合物で表面処理されていることが好ましい。
本願発明に用いられる成分(C)の板状酸化亜鉛は、より優れた耐衝撃性が得られる点から、平均粒子径が0.01〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。また、アスペクト比が2.5以上のものである。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定を行ったときのメジアン径である。このような板状酸化亜鉛の市販品として、XZ−100F−LPやXZ−300F−LP(以上、堺化学工業社製)等が挙げられる。また、本願発明に用いられる成分(C)は、表面処理を施して用いても未処理であってもよい。
本願発明に用いられる成分(C)の含有量は、より優れた耐衝撃性が得られる点から、化粧料基材中に0.1〜5重量%が好ましく、1〜3重量%がより好ましい。
本願発明の固形粉末化粧料において、上記成分以外の化粧料基材は、通常の化粧料に用いられるものであればいずれも使用することができ、上記以外の粉末及び油剤等を用いることができる。
上記以外の粉末としては、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、成分(A)以外のシリカ、硫酸バリウム、アルミナ、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化鉄、成分(C)以外の酸化亜鉛等の無機粉末、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー等の有機粉末等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉末はフッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いてもよい。
油剤としては、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ラノリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ビーズワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、鎖状又は環状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の油剤が挙げられる。
また上記成分に加えて、化粧料において一般的に用いられるその他の成分を含有してもよく、例えば、界面活性剤、香料、薬効成分、清涼剤、紫外線吸収剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、美容成分等が挙げられる。
本願発明の化粧料基材は、通常の粉末化粧料を製造する装置を使用し、上記成分を攪拌混合して、調製される。具体的には、まず油剤を混合し、必要に応じて加熱溶解する。一方、成分(A)、(B)及び(C)を含む粉末を均一に混合する。この粉末に油剤を加えて均一に分散させ、粉砕することにより調製される。このようにして得られる化粧料基材と、水性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去することにより、固形粉末化粧料を得ることができる。
化粧料基材との混合に用いる水性溶剤は、水又はエチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低沸点アルコールを1種又は2種以上を含む水性溶剤が好ましく、水単独又はエチルアルコールを水に溶解したエチルアルコール水溶液がより好ましい。
本願発明において、化粧料基材と水性溶剤を用いてスラリーを調製する場合、スラリーが充填に適した流動性を有する点から、化粧料基材100重量部に対して水性溶剤50〜100重量部を用いることが好ましい。
本願発明において、化粧料基材と水性溶剤を混合した後、容器に充填し、加熱乾燥によって溶剤を除去する際、加熱温度、乾燥時間及び装置は限定されないが、全ての溶剤を乾燥留去するためには50℃以上、8時間以上であることが好ましい。
本願発明における固形粉末化粧料は、ファンデーション、プレストパウダー、アイカラー、フェイスカラー等として適用することができる。特に、先行技術と比較して耐衝撃性が非常に優れているため、成型品の面積が大きく、持ち運び使用する機会の多いファンデーションに好適である。
次に、実施例をあげて、本願発明をより詳細に説明する。本願発明はこれにより制限されるものではない。なお、表中の数値は、含有量(重量%)を示す。
実施例1〜24及び比較例1〜6:パウダーファンデーション
表2に示す処方及び下記製法により、パウダーファンデーションを調製し、以下に示す評価方法及び判定基準により評価した。これらの結果を併せて表2に示した。
(金属酸化物被覆雲母製造例)
本実施例で使用する金属酸化物被覆雲母P及びQは表1に示す処方及び下記製法により調製した。
※1:TAROX 合成酸化鉄 LL−100P(チタン工業社製)
※2:TAROX 合成酸化鉄 R−516P(チタン工業社製)
※3:MT−500H(テイカ社製)
※4:セリサイト FSE(三信鉱工社製)
(製造方法)
以下に示す(1)〜(3)の工程により分散体を得て、(4)の工程により複合化することで調製した。
工程(1):上記表1の成分3を、固形分濃度15重量%となるように分散媒と混合した後、ビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015;広島メタル&マシナリー社製)を用いて下記条件にて微細化処理を行う。
分散媒:蒸留水
粉砕媒体:ジルコニアビーズ(ジルコニアビーズDZB、平均粒子径30μm;大研化学工業社製)
ローター回転速度:4170rpm
送液速度:120mL/分
処理時間:30分
工程(2):上記表1の成分1及び2を、固形分濃度15重量%となるように分散媒と混合した後、ビーズミルを用いて工程(1)と同条件(処理時間のみ60分に変更)にて微細化処理を行う。
工程(3):上記表1の成分4の水分散体に、まず工程(2)で得られた成分1及び2の分散体を添加し、次いで工程(1)で得られた成分3の分散体を添加する。この際、最終的な分散体の固形分濃度を18重量%となるように調整する。
工程(4):工程(3)で得られた分散体を噴霧乾燥機(MDL−050B型;藤崎電機社製)に供し、雲母表面上に酸化チタン及び酸化鉄を被覆した金属酸化物被覆雲母P及びQを得る。なお、成分4の分散や、成分1〜4の混合物の分散はホモミキサー、又はビーズミルを用いて行う。
蛍光線X分析(ZSX PrimusII;リガク社製)により、金属酸化物被覆雲母P及びQにおける酸化チタン及び酸化鉄の含有量を定量した。金属酸化物被覆雲母Pは酸化チタンの定量値が10.13%、酸化鉄の定量値が10.93%、金属酸化物被覆雲母Qは酸化チタンの定量値が5.91%、酸化鉄の定量値が6.96%であった。走査型電子顕微鏡(JSM−6701F;日本電子社製)により、成分4に成分1〜3が被覆されていることを確認した。また、光輝性の有無を確認したところ、金属酸化物被覆雲母PはI45/I20が1.20であり、金属酸化物被覆雲母QはI45/I20が1.27であった。金属酸化物被覆雲母P及びQはいずれもI45/I20の値が2.0未満であった。
※5:サンスフェア H−122(AGCエスアイテック社製)
※6:シリカマイクロカプセル(日本インシュレーション社製)
※7:STA−20C(三信鉱工社製)
※8:XZ−300F−LP(堺化学工業社製)
※9:XZ−2000F−LP(堺化学工業社製)
※10:サンラブリーC(AGCエスアイテック社製)
※11:COLORONA GOLD PLUS MP−25(メルク社製)
※12:FINEX 25(堺化学工業社製)
※13:MT−500B(テイカ社製)のメチコン2%処理品
(製造方法)
A:油剤成分20〜22を混合し、80℃まで加熱して溶解する。
B:粉末成分1〜19を均一に混合する。
C:BにAを加えて均一分散させ、粉砕後、化粧料基材を得る。
D:Cの化粧料基材100重量部と水性溶剤70重量部を均一混合してスラリーを調製する。前記水性溶剤は、水90重量部とエタノール10重量部をあらかじめ混合し使用する。
E:Dを金皿に充填し、真空吸引しながら圧縮成型する。
F:成型品を70℃乾燥機内で10時間乾燥して、パウダーファンデーションを得る。
(評価方法1;パフへの取れ)
20〜40代の化粧品専門パネル5名に、上記実施例及び比較例のパウダーファンデーションを使用してもらい、パフへの取れについて、以下の評価基準により評点を付し、パウダーファンデーションごとに評点の平均点を算出して、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔パフへの取れ〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
(評価方法2;塗布時の滑らかさ)
20〜40代の化粧品専門パネル5名に、上記実施例及び比較例のパウダーファンデーションを使用してもらい、塗布時の滑らかさについて、以下の評価基準により評点を付し、パウダーファンデーションごとに評点の平均点を算出して、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔塗布時の滑らかさ〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
(評価方法3;耐衝撃性)
上記実施例及び比較例のパウダーファンデーション各5枚について、100cmの高さから塩ビ板上に水平に落下させた。これをひびや割れが生じるまで繰り返し、ひびや割れが生じるまでの落下回数について5枚で平均をとり、以下の判定基準に従って判定した。
<判定基準>
◎:3.0回以上
○:2.0以上3.0回未満
△:1.0以上2.0回未満
×:1.0回未満
実施例1〜24は、パフへの取れ、塗布時の滑らかさ及び耐衝撃性が良好であった。その中でも特に実施例3〜4、11、及び20はパフへの取れ、塗布時の滑らかさ及び耐衝撃性が非常に良好であった。また、吸油量が300ml/100gの球状シリカを含有した実施例3〜4は吸油量が550ml/100gの球状シリカを含有した実施例7〜8に比べパフへの取れ、塗布時の滑らかさ及び耐衝撃性が良好であった。酸化チタン及び酸化鉄を被覆した金属酸化物被覆雲母Pを含有した実施例14〜15は酸化チタンを被覆した金属酸化物被覆雲母を含有した実施例16〜17に比べ耐衝撃性が良好であった。ジメチコン3%処理金属酸化物被覆雲母Pを含有した実施例3及び11は金属酸化物被覆雲母Pを含有した実施例14〜15に比べパフへの取れ、塗布時の滑らかさが良好であった。平均粒子径が0.3μmの板状酸化亜鉛を含有した実施例3及び20は平均粒子径が2μmの板状酸化亜鉛を含有した実施例23〜24に比べ耐衝撃性が良好であった。それに対し、球状シリカを含有していない比較例1及び金属酸化物被覆雲母を含有していない比較例2は耐衝撃性が充分ではなかった。板状酸化亜鉛を含有していない比較例3は使用感は良好であったが、耐衝撃性が充分ではなかった。また、板状シリカを含有した比較例4、光輝性を有する金属酸化物被覆雲母を含有した比較例5は耐衝撃性が充分ではなかった。粒状酸化亜鉛を含有した比較例6はパフへの取れ及び塗布時の滑らかさが充分ではなかった。このことから、球状シリカ、光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母及び板状酸化亜鉛を含有することの必然性が明らかとなった。
実施例25
プレストパウダー処方
成分 含有量(重量%)
(1) 球状シリカ※5 2.00
(2) 金属酸化物被覆雲母P 5.00
(3) 板状酸化亜鉛※8 3.00
(4) タルク 残量
(5) 黄酸化鉄 0.10
(6) ベンガラ 0.10
(7) 黒酸化鉄 0.02
(8) 防腐剤 0.50
(9) コハク酸ジエチルヘキシル 4.00
(10)リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
(11)ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル) 1.00
(12)酸化防止剤 適量
(13)香料 適量
合計 100.00
(製造方法)
A:油剤成分9〜12を混合し、加熱して溶解する。冷却後、成分13を加える。
B:粉末成分1〜8を均一に混合する。
C:BにAを加えて均一分散させ、粉砕後、化粧料基材を得る。
D:Cの化粧料基材100重量部と水70重量部を均一混合してスラリーを調製する。
E:Dを金皿に充填し、真空吸引しながら圧縮成型する。
F:成型品を70℃乾燥機内で10時間乾燥して、プレストパウダーを得る。
実施例26
アイシャドウ処方
成分 含有量(重量%)
(1) 球状シリカ※5 1.00
(2) 金属酸化物被覆雲母Q 3.00
(3) 板状酸化亜鉛※8 2.00
(4) タルク 残量
(5) 赤色226号 0.30
(6) グンジョウ 1.00
(7) 雲母チタン 10.00
(8) 防腐剤 0.50
(9) ジメチコン 5.00
(10)スクワラン 6.00
(11)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリ
チル 2.00
(12)酸化防止剤 適量
(13)香料 適量
合計 100.00
(製法)
A:油剤成分9〜12を混合し、加熱して溶解する。冷却後、成分13を加える。
B:粉末成分1〜8を均一に混合する。
C:BにAを加えて均一分散させ、粉砕後、化粧料基材を得る。
D:Cの化粧料基材100重量部と水70重量部を均一混合してスラリーを調製する。
E:Dを樹脂皿に充填し、真空吸引しながら圧縮成型する。
F:成型品を70℃乾燥機内で10時間乾燥して、アイシャドウを得る。
実施例27
チークカラー
成分 含有量(重量%)
(1) 球状シリカ※5 2.00
(2) 金属酸化物被覆雲母Q 3.00
(3) 板状酸化亜鉛※8 2.00
(4) タルク 残量
(5) 赤色226号 0.30
(6) 黄色5号 0.35
(7) ベンガラ 0.80
(8) ベンガラ被覆雲母チタン 5.00
(9) 防腐剤 0.20
(10)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 10.00
(11)トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン 0.50
(12)セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.50
(13)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル
/ベヘニル) 1.50
(14)酸化防止剤 適量
(15)香料 適量
合計 100.00
(製法)
A:油剤成分10〜14を混合し、加熱して溶解する。冷却後、成分15を加える。
B:粉末成分1〜9を均一に混合する。
C:BにAを加えて均一分散させ、粉砕後、化粧料基材を得る。
D:Cの化粧料基材100重量部と水80重量部を均一混合してスラリーを調製する。
E:Dを樹脂皿に充填し、真空吸引しながら圧縮成型する。
F:成型品を70℃乾燥機内で10時間乾燥して、チークカラーを得る。
実施例25〜27はいずれも、使用感、耐衝撃性ともに良好な化粧料であった。
本願発明の固形粉末化粧料は、球状シリカ、光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母及び板状酸化亜鉛を化粧料基材に含有することにより、溶剤として水性溶剤を用いた湿式成型方法において、優れた使用感と耐衝撃性を有することができる。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含有する化粧料基材を、水性溶剤と混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去することを特徴とする固形粉末化粧料の製造方法。
    (A)球状シリカ
    (B)光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母
    (C)板状酸化亜鉛
  2. 成分(A)の含有量が化粧料基材総量の0.1〜10重量%、成分(B)の含有量が化粧料基材総量の1〜20重量%、成分(C)の含有量が化粧料基材総量の0.1〜5重量%である請求項1記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  3. 成分(A)の球状シリカが、吸油量が100〜500ml/100gである請求項1又は2記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  4. 成分(B)の光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母が、酸化チタン及び酸化鉄が雲母表面上に被覆されてなる請求項1〜3のいずれか一項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  5. 成分(B)の光輝性を有さない金属酸化物被覆雲母が、シリコーン化合物で表面処理されている請求項1〜4のいずれか一項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  6. 成分(C)の板状酸化亜鉛が、平均粒子径10μm以下である請求項1〜5のいずれか一項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  7. 製造する固形粉末化粧料がファンデーションである請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の製造方法によって製造された固形粉末化粧料。














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