JP2021017583A - 光硬化型接着剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明は、ポリエーテルポリオール(A)と有機ポリイソシアネート(B)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを含む構成原料を反応して得られるポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)及び光重合開始剤(Z)を含む光硬化型接着剤の製造方法であり、 前記反応を下記一般式(1)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の存在下で行い、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の重量割合が、前記(A)の重量に基づいて0.2〜1重量%である接着剤の製造方法である。
(1)接着性に優れる。
(2)光硬化型接着剤の硬化物は、低温下での外観に優れる。
(3)光硬化型接着剤の硬化物は、耐熱性に優れる。
本発明におけるポリエーテルポリオール(A)は、活性水素基を2つ以上有する化合物(a)にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物である。
本発明における活性水素基とは、他の化合物との反応性を有する水素原子を有する基であり、好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びリン原子のいずれかと結合した水素原子を有する基である。
前記活性水素基を有する化合物(a)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
2〜8価アルコールとしては、2価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及び2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等]、3価アルコール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)、4〜8価のアルコール(ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース及びショ糖等)が挙げられる。
アミン類としては、アンモニア、炭素数1〜20のアルキルアミン類(ブチルアミン等)、モノアミン類(アニリン等)等が挙げられる。
ポリアミン類としては、脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等)、複素環式ポリアミン類(ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等)、脂環式ポリアミン(ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、芳香族ポリアミン(フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエーテルジアミン及びポリフェニルメタンポリアミン等)等が挙げられる。
また、活性水素基を2つ以上有する化合物(a)が有する活性水素基の数は、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは2〜3個、とくに好ましくは2個である。
これらの内、接着剤の耐水性及び柔軟性の観点から好ましくは、POである。
AOを併用する場合、その付加様式はブロック付加であっても、ランダム付加であっても良い。
本発明における水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
CPR値とは、塩基性度ともいい、ポリオキシアルキレン化合物中に含まれる微量塩基性物質の含有量を意味する。本発明において用いるCPR値は、JIS K1557−4:2007 プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験法−第4部:塩基性度に記載の方法によって測定される。
本発明における有機ポリイソシアネート(B)としては、特に限定されるものではないが、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(b1)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。
有機ポリイソシアネート(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)としては、水酸基及び少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に限定はないが、1つの(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシノルマルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等]及び2つ以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する(メタ)アクリレート[ペンタエリスリトールトリアクリレート等]等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
一般式(1)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)としては、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート(商品名:Irganox 1010、BASF社製、IRGANOXはBASF社の登録商標)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオン酸−n−オクタデシル(商品名:Irganox 1076、BASF社製)、及び3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)プロピオン酸オクチル(商品名:Irganox 1135、BASF社製)等が挙げられる。
これらの内、接着剤の耐熱性の観点から、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート[一般式(1)におけるR1及びR2がtert−ブチル基、R3がメチレン基、nが4]が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。
単官能(メタ)アクリレート(E)とは、分子中にアクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートであって、後述の水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)以外のものを指す。
単官能(メタ)アクリレート(E)としては、特に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート(以下、IBOAと略記)、イソボルニルメタクリレート、n−オクチルアクリレート(以下、NOAと略記)n−オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート及びシクリヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの内、反応性の観点から、好ましくはNOAである。
上記(X)の重量割合が、0.2重量%より小さいときは接着剤の耐熱性が不良となり、1重量%を超えると接着剤の外観が不良となる。接着剤の耐熱性及び外観の観点から、好ましいのは0.3〜0.6重量%である。
<2>ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)及び光重合開始剤(Z)を含む光硬化型接着剤の製造方法であり、ポリエーテルポリオール(A)及び有機ポリイソシアネート(B)を反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)を得る第一反応工程と、前記ウレタンプレポリマー(P)を含む前記第一反応工程で得られた反応混合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)を反応させてポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)を得る第二反応工程とを有し、前記第二反応工程が、下記一般式(1)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の存在下で行われる工程であり、前記第二反応工程において存在する前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の重量割合が、前記第一反応工程で得られた反応混合物を得るために必要な前記(A)の重量に基づいて0.2〜1重量%である製造方法が好ましい。
光硬化型接着剤とは、光(可視光、紫外線、赤外線及び電子線等の活性エネルギー線)を照射することにより硬化する接着剤であり、本発明の製造方法で得られる光硬化型接着剤として好ましいものとしては、紫外線硬化型接着剤及び電子線照射型接着剤等があげられる。
本発明の光硬化型接着剤の製造方法は、ポリエーテルポリオール(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)を得る第一反応工程を有する。すなわち、本発明における第一反応工程とは、ポリエーテルポリオール(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)を含む反応混合物(以下、第一反応工程で得られた反応混合物と略記することがある)を得る工程である。
単官能(メタ)アクリレート(E)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
ポリエーテルポリオール(A)及び/又は有機ポリイソシアネート(B)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)とを混合する場合、均一に混合させる観点から、110〜150℃の温度範囲で混合するのが好ましく、化合物の劣化(酸化及び着色等)を防止する観点から、酸素濃度5000ppm以下で混合するのが好ましい。
本発明の光硬化型接着剤の製造方法は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)を含む第一反応工程で得られた反応混合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させてポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)を得る第二反応工程を有する。すなわち、本発明における第二反応工程は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)を含む第一反応工程で得られた反応混合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させることにより、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)を得る工程である。
なお、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを反応させる際に、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と同時にアルコール(D)を使用しても良い。
本発明におけるアルコール(D)としては、炭素数1〜20のアルコール[1−ブタノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、ノルマルオクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサンメタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)及びステアリルアルコール等]が挙げられる。これらの内、沸点、入手容易性の観点から2−エチルヘキシルアルコールが好ましい。
アルコール(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。
なお、アルコール(D)を併用する場合は、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とアルコール(D)との水酸基のモル数の合計のウレタンプレポリマー(P)のイソシアネート基のモル数に対する比率は、接着性の観点から、好ましくは1.0〜1.1であり、更に好ましくは1.0〜1.05である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)を第二反応工程で添加する場合、前記第一反応工程で得られた反応混合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との少なくともいずれか一方に添加してから第二反応工程を行ってもよく、前記第一反応工程で得られた反応混合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と別に添加して第二反応工程を行ってもよい。
中でも、第一反応工程で得られた反応混合物中に含まれる第一反応工程において存在したヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)であると、接着性、外観及び耐熱性がさらに良好となり好ましい。
触媒としては、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、塩化スズ等を用いることができるが、反応速度面からジブチルスズジラウレートが好ましい。
触媒の添加量は、生成するポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)の重量に基づいて、1〜3000ppmが好ましく、更に好ましくは50〜1000ppmである。
光重合開始剤(Z)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irganox184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート及びベンジル及びカンファーキノン等が挙げられる。
光重合開始剤(Z)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
なお、「樹脂分」とは、光硬化型接着剤に含まれる硬化性樹脂成分を意味し、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)及び必要に応じて用いる単官能(メタ)アクリレート(E)を指す。なお、光重合開始剤(Z)、溶剤及び後述する必要により用いる添加剤は樹脂分には該当しない。樹脂分の重量は、光硬化型接着剤を得るための反応に用いる原料の重量を合計して得ることができる。
これらの添加剤の含有量は、光硬化型接着剤の樹脂分全量100重量部に対して0〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5重量部である。
攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに、プロピレングリコール76.1部と水酸化カリウム4.1部を仕込んだ。次に、酸素濃度60ppmで、プロピレンオキサイド1983.9部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールをケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムを用いてアルカリ除去したのち、130℃、圧力3.0kPaで脱水を行った。得られたポリエーテルポリオールにリン酸を0.0036部投入し、混合してポリエーテルポリオール(A−1)を得た。得られたポリエーテルポリオール(A−1)は官能基数2、水酸基価56.1、水分100ppm、CPR0.1であった。
製造例1で得られたポリエーテルポリオール(A−1)と、表1に示す所定量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)とを混合して、ポリエーテルポリオール(A−1)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物(AX−1)〜(AX−3)を得た。
攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに、グリセリン61.4部と水酸化カリウム4.1部を仕込んだ。次に、酸素濃度60ppmで、プロピレンオキサイド1998.6部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールをケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムを用いてアルカリ除去したのち、130℃、圧力3.0kPaで脱水を行った。得られたポリエーテルポリオールにリン酸を0.0036部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)としてIrganox 1076を10.3部投入し、混合してポリエーテルポリオール(A−4)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物(AX−4)を得た。混合物に含まれる得られたポリエーテルポリオール(A−4)は官能基数3、水酸基価56.1、水分100ppm、CPR0.1であった。
攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに、ショ糖97.8部と水酸化カリウム4.1部を仕込んだ。次に、酸素濃度60ppmで、プロピレンオキサイド1962.2部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールをケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムを用いてアルカリ除去したのち、130℃、圧力3.0kPaで脱水を行った。得られたポリエーテルポリオールにリン酸を0.0036部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)としてIrganox 1010を18.5部投入し、混合してポリエーテルポリオール(A−5)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物(AX−5)を得た。混合物に含まれる得られたポリエーテルポリオール(A−5)は官能基数8、水酸基価64.1、水分100ppm、CPR0.1であった。
攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに、プロピレングリコール38.1部と水酸化カリウム4.1部を仕込んだ。次に、酸素濃度60ppmで、プロピレンオキサイド1983.9部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールをケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムを用いてアルカリ除去したのち、130℃、圧力3.0kPaで脱水を行った。得られたポリエーテルポリオールにリン酸を0.0036部投入し、混合してポリエーテルポリオール(A−6)を得た。得られたポリエーテルポリオール(A−6)は官能基数2、水酸基価28.1、水分100ppm、CPR0.1であった。
得られたポリエーテルポリオール(A−6)と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)を表1にしたがって混合して、混合物(AX−6)を得た。
攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに、プロピレングリコール152.2部と水酸化カリウム4.1部を仕込んだ。次に、酸素濃度60ppmで、プロピレンオキサイド1983.9部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールをケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムを用いてアルカリ除去したのち、130℃、圧力3.0kPaで脱水を行った。得られたポリエーテルポリオールにリン酸を0.0036部投入し、混合してポリエーテルポリオール(A−6)を得た。得られたポリエーテルポリオール(A−7)は官能基数2、水酸基価112.2、水分100ppm、CPR0.1であった。
得られたポリエーテルポリオール(A−7)と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)を表1にしたがって混合して、混合物(AX−7)を得た。
製造例1で得られたポリエーテルポリオール(A−1)と、表1に示す所定量の酸化防止剤とを混合して、ポリエーテルポリオール(A−1)と酸化防止剤との混合物(比AX−1)〜(比AX−2)を得た。
酸素濃度60ppmの条件下、撹拌装置を備えたフラスコにIPDI99.2部とヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)としてIrganox 1010を2.1部加えて混合し、有機ポリイソシアネートとヒンダードフェノール系酸化防止剤(Z)との混合物(BX−1)を得た。
Irganox 1010:[BASFジャパン株式会社製]
BHT:(ジブチルヒドロキシトルエン)[本州化学工業株式会社製]
Irganox 1135:[BASFジャパン株式会社製]
Irganox 1076:[BASFジャパン株式会社製]
撹拌装置及び温度計を備えた四つ口フラスコに、200.0部(20重量%分)のNOAを加え、50℃まで昇温した後、99.2部のIPDIを投入した。系内を均一化した後、0.1部(100ppm)のジブチルスズジラウレートを投入した。次いで、系内を70℃に昇温し、製造例3で得られたポリエーテルポリオール(A−1)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物(AX−2)700.9部を2時間かけて滴下した後、その温度を1時間維持して反応液のイソシアネート基濃度が1.73%以下になるまで第一反応工程を行い、ウレタンプレポリマーを得た。
第一反応工程で得られたウレタンプレポリマーを含む反応液全量に、0.1部(100ppm)のジブチルスズジラウレート及び20.2部の2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を投入し、イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になるまで70℃で3時間反応を行って第二反応工程を行い、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートを得た。
得られたポリエーテルウレタンアクリレートと、光重合開始剤(Z)としてIrganox 184を30.6部混合して、光硬化型接着剤(S−1)を得た。
光硬化型接着剤(S−2)〜(S−6)、(S−8)〜(S−9)>
表2に示す所定量の原料に変更したこと以外は実施例1と同様にして第一反応工程及び第二反応工程と、光重合開始剤(Z)の混合とを行い、各光硬化型接着剤(S)を得た。
撹拌装置及び温度計を備えた四つ口フラスコに、200.0部(20重量%分)のNOAを加え、50℃まで昇温した後、99.2部のIPDIを投入した。系内を均一化した後、0.1部(100ppm)のジブチルスズジラウレートを投入した。次いで、系内を70℃に昇温し、ポリエーテルポリオール(A−1)698.8部を2時間かけて滴下した後、その温度を1時間維持して反応液のイソシアネート基濃度が1.73重量%以下になるまで第一反応工程を行い、ウレタンプレポリマーを得た。
第一反応工程で得られたウレタンプレポリマーを含む反応液の全量に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)としてIrganox1010を2.1部加え混合後、0.1部(100ppm)のジブチルスズジラウレート及び20.2部の2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を投入し、イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になるまで70℃で3時間反応して第二反応工程を行い、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートを得た。
得られたポリエーテルウレタンアクリレートと、光重合開始剤(Z)としてIrganox 184を30.6部混合して、光硬化型接着剤(S−7)を得た。
撹拌装置及び温度計を備えた四つ口フラスコに、200.0部(20重量%分)のNOAを加え、50℃まで昇温した後、99.2部のIPDIを投入した。系内を均一化した後、0.2部(200ppm)のジブチルスズジラウレートを投入した。
次いで、系内を70℃に昇温し、(AX−2)700.9部と2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)20.2部とを2時間かけて滴下した後、3時間反応を行ってポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートを得た。
得られたポリエーテルウレタンアクリレートと、光重合開始剤(Z)としてIrganox 184を30.6部混合して、光硬化型接着剤(S−10)を得た。
なお、表2では、便宜上、(S−10)は、各原料の仕込み量、(A)の重量に基づく、(X)の含有量(0.30重量%)と記載した。
表2に示す所定量の原料を用い、実施例1と同様にして第一反応工程及び第二反応工程と、光重合開始剤(Z)の混合とを行い、比較の光硬化型接着剤(比S−1)〜(比S−3)を得た。
表2に示す所定量の原料を用い、実施例1と同様にして第一反応工程及び第二反応工程とを行った後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)としてIrganox 1010を2.1部及び光重合開始剤(Z)としてIrganox184を30.6部投入して混合し、比較の光硬化型接着剤(比S−4)を得た。
<試験片の作製>
ガラス板(厚さ1mm、5cm四方)の中心に、光硬化型接着剤(S)0.5gを正確に秤量して乗せた後、膜厚15μmとなるように均一に広げた。得られた接着剤付きガラス板の片面から高圧水銀灯を用いて下記の条件で紫外線照射を行って接着剤を硬化させ、接着剤層を有する試験片を得た。
<紫外線照射条件>
照射強度:120W/cm
照射距離:10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数:4回/片面
<接着性評価>
JIS K5600−5−6の付着性(クロスカット法)により、碁盤目100(10×10)個中、ガラス板上に残ったクロスカットした接着剤層を、以下に示す基準で評価した。
◎:クロスカットした接着剤層の剥離がゼロ
○:クロスカットした接着剤層の剥離が1個
×:クロスカットした接着剤層の剥離が2個以上
光硬化型接着剤(S)をマイナス30℃で1時間保管し、結晶化等による白濁、着色の有無を目視により、以下の基準で評価した。
○:目視により白濁又は着色が見られない
×:目視により白濁又は着色が見られる
<試験片の作製>
ガラス板(厚さ1mm、5cm四方)の中心に、光硬化型接着剤(S)0.5gを正確に秤量して乗せた。さらにその上から同形状のガラス板を乗せ、接着剤を4cm径の円状に広げた。得られたガラス積層体の片面から高圧水銀灯を用いて下記の条件で紫外線照射を行って接着剤を硬化させ、接着剤層を有するガラス積層体(試験片)を得た。
<紫外線照射条件>
・照射強度:120W/cm
・照射距離:10cm
・コンベア速度:5m/分
・照射回数:4回/片面
<耐熱性試験条件>
小型環境試験器(製品名:SH−641、エスペック社製)を用い、温度95℃で1300時間試験片を保管した。
分光式色彩計(日本電飾工業社製)を用いて、1000時間経過後と1300時間経過後の耐熱試験前後の試験片のAPHAを測定し、以下に示す基準で評価した。
◎:耐熱性試験前と耐熱性試験1300時間後のAPHAの増加分が15以上50未満
○:耐熱性試験前と耐熱性試験1000時間後のAPHAの増加分が15以上50未満
×:耐熱性試験前と耐熱性試験1000時間後のAPHAの増加分が50以上
1000時間経過後と1300時間経過後の耐熱性試験後の接着剤層の形状変化(そりの発生、しわの発生及びガラス板のズレ)を、以下に示す基準にて目視により評価した。
◎:耐熱性試験1300時間後の接着剤層に形状変化が見られない。
○:耐熱性試験1000時間後の接着剤層に形状変化が見られない。
×:耐熱性試験1000時間後の接着剤層に形状変化が見られる。
IPDI:
(イソホロンジイソシアネート)[エボニック社製]
NOA:
(n−オクチルアクリレート)[大阪有機化学社製]
IBOA:
(イソボルニルアクリレート)[ダイセル・オルネクス社製]
DBTDL:
(ジブチルスズジラウレート)[Tianjin Zhongxin Chemtech社製]
HEA:(2−ヒドロキシエチルアクリレート) [株式会社日本触媒製]
Irganox 1010:[BASFジャパン株式会社製]
Irganox 184:[BASFジャパン株式会社製]
Claims (4)
- ポリエーテルポリオール(A)と有機ポリイソシアネート(B)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)とを含む構成原料を反応して得られるポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)及び光重合開始剤(Z)を含む光硬化型接着剤の製造方法であり、 前記反応を下記一般式(1)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の存在下で行い、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の重量割合が、前記(A)の重量に基づいて0.2〜1重量%である接着剤の製造方法。
- 前記一般式(1)におけるR1及びR2がtert−ブチル基であり、R3がメチレン基であり、nが4である、請求項1記載の接着剤の製造方法。
- ポリエーテルポリオール(A)及び有機ポリイソシアネート(B)を反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P)を得る第一反応工程と、前記ウレタンプレポリマー(P)を含む前記第一反応工程で得られた反応混合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)を反応させてポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート(Q)を得る第二反応工程とを有し、
前記第二反応工程が、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の存在下で行われる工程であり、
前記第二反応工程において存在する前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)の重量割合が、前記第一反応工程で得られた反応混合物を得るために必要な前記(A)の重量に基づいて0.2〜1重量%である請求項1又は2記載の接着剤の製造方法。 - 前記第一反応工程が、
前記ポリエーテルポリオール(A)と前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物及び有機ポリイソシアネート(B)を反応させる工程、
前記有機ポリイソシアネート(B)と前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物及びポリエーテルポリオール(A)を反応させる工程、
又は、前記ポリエーテルポリオール(A)と前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物及び有機ポリイソシアネート(B)と前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(X)との混合物を反応させる工程である、請求項3記載の接着剤の製造方法。
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