JP2009230790A - 光ディスク用紫外線硬化型組成物及び光ディスク - Google Patents

光ディスク用紫外線硬化型組成物及び光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 高温高湿環境下における反り変化が少なく、耐摩耗性に優れた硬化膜を与える紫外線硬化型組成物を提供する。
【解決手段】 硬化物のクリープ挙動において仕事量が小さいウレタン(メタ)アクリレートを含有し、ガラス転移温度の高いモノマーの含有量が少なく、かつ、(メタ)アクリロイル基濃度が4mmol/g以下の紫外線硬化型組成物により、光ディスクの反りの原因となる紫外線照射時の硬化収縮を低減し、反りの少ない硬化膜を実現できる。さらに、硬化物のクリープ挙動において仕事量が小さいウレタン(メタ)アクリレートを使用し、ガラス転移温度の高いモノマーの含有量を抑制することで、柔軟で優れた耐磨耗性の硬化膜を実現できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、少なくとも光反射層と光透過層とが形成され、前記光透過層を通してレーザー光を入射して情報の再生を行う光ディスクの光透過層に使用する紫外線硬化型組成物、および当該光ディスク用紫外線硬化型組成物を光透過層として使用した光ディスクに関する。
高密度記録可能な光ディスクとして主流となっているDVD(Digital Versatile Disc)は厚さ0.6mmの2枚の基板を接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVDにおいては高密度化を達成するため、CD(Compact Disc)に比べ短波長の650nmのレーザーを用い、光学系も高開口数化している。
しかし、HDTV(high definition television)に対応した高画質の映像等を記録または再生する為には更なる高密度化が必要となる。DVDの次世代に位置する更なる高密度記録の方法及びその光ディスクの検討が行われており、DVDよりも更に短波長のブルーレーザー及び高開口数の光学系を用いる新しい光ディスク構造による高密度記録方式が提案されている。
この新しい光ディスクはポリカーボネート等のプラスチックで形成される透明又は不透明の基板上に記録層を形成し、次いで記録層上に約100μmの光透過層を積層してなり、該光透過層を通して記録光又は再生光が、あるいはその両方が入射する構造の光ディスクである。この光ディスクの光透過層には、生産性の観点から、紫外線硬化型組成物を使用することがもっぱら研究されている。
ブルーレーザーを使用した光ディスクは長期に安定した記録再生特性を保持する必要がある。このため、光透過層には形状安定性に優れるものが望まれ、また最外層として使用する場合には優れた耐磨耗性を有することが求められる。ブルーレーザーにより記録又は再生を行う光ディスクの光透過層に使用する紫外線硬化型組成物としては、例えば、エポキシアクリレートとウレタンアクリレートとを併用し、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使用した紫外線硬化型組成物が開示されている(特許文献1参照)。当該紫外線硬化型組成物は、耐久性と高光透過率とを有する硬化膜を与えるものであるが、高温高湿環境下における反り変化の更なる低減が望まれていた。
初期および耐久時の寸法安定性に優れる硬化物層を形成し得る光硬化型組成物として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有し、硬化膜の弾性率が100〜600MPaの組成物が開示されている(特許文献2参照)。また、光透過層の反りの発生を防止した光ディスクに使用される紫外線硬化型組成物として、弾性率と膜厚の積が7×10MPa・μmとなる光透過層を形成する紫外線硬化型組成物が開示されている(特許文献3参照)。しかし、これら組成物の硬化物は耐摩耗性が十分でなく、光ディスクの最外層の光透過層として適用すると傷つきが生じる場合があった。
特開2002−109785号公報 特開2007−80448号公報 特開2007−102980号公報
本発明が解決しようとする課題は、高温高湿環境下における反り変化が少なく、耐摩耗性に優れた硬化膜を与える紫外線硬化型組成物、及び高温高湿環境下においても光透過層の反りが少なく耐摩耗性に優れた光ディスクを提供することにある。
本発明の紫外線硬化型組成物は、硬化物のクリープ挙動において仕事量が小さいウレタン(メタ)アクリレートを含有し、ガラス転移温度の高いモノマーの含有量が少なく、かつ、(メタ)アクリロイル基濃度が4mmol/g以下の紫外線硬化型組成物である。当該構成の紫外線硬化型組成物によれば、官能基濃度が低いため光ディスクの反りの原因となる紫外線照射時の硬化収縮を低減し、反りの少ない硬化膜を実現できる。さらに、硬化物のクリープ挙動において仕事量が小さいウレタン(メタ)アクリレートを使用し、ガラス転移温度の高いモノマーの含有量を抑制することで、柔軟で優れた耐磨耗性の硬化膜を実現できる。
すなわち本発明は、基板上に、少なくとも光反射層と、光透過層とが積層され、前記光透過層側からレーザー光を入射して情報の再生を行う光ディスクの光透過層に使用する紫外線硬化型組成物であって、
ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリレートモノマーとを含有し、
前記ウレタン(メタ)アクリレートが、ウレタン(メタ)アクリレートとフェノキシエチルアクリレートとを、ウレタン(メタ)アクリレート/フェノキシエチルアクリレート=60/40の質量比で混合した組成物を用いて、紫外線硬化後の膜厚が100±10μmである硬化膜を形成した際に、当該硬化膜に、25℃条件下、四角錐のダイヤモンドビッカース圧子を用いて、15秒間かけて荷重1000mNとなるよう荷重を与え、荷重が1000mNに達したところで7秒間保持して押し込み深さを測定した際に、(荷重×押し込み深さ)で表される仕事量が、1.35×10−6J以下となるウレタン(メタ)アクリレートであり、
前記紫外線硬化型組成物に含まれる(メタ)アクリレートモノマーのうち、ガラス転移温度が150℃を超える一分子中に二個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の15質量%以下であり、
前記紫外線硬化型組成物の(メタ)アクリロイル基濃度が4mmol/g以下であることを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供するものである。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、高温高湿環境下においても反り変化が少ない硬化膜を形成することができるため、高温高湿環境下においても、特性劣化の少ない光ディスクを実現できる。また、当該組成物の硬化膜は耐摩耗性に優れることから、光透過層を最外層として適用できるため、その表層にハードコート層を設けなくとも傷つきの少ない光ディスクを実現できる。このような組成物の硬化膜を光透過層とする光ディスクは、高温高湿環境下においても特性の低下が生じにくく、傷つきが少ないため、信号特性の劣化が少なく、短波長のブルーレーザーによっても好適に情報の記録・再生が可能である。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートは、当該ウレタン(メタ)アクリレートとフェノキシエチルアクリレートとを、ウレタン(メタ)アクリレート/フェノキシエチルアクリレート=60/40の質量比で混合した組成物を調整し、当該組成物により、紫外線硬化後の膜厚が100±10μmの硬化膜を形成した際に、当該硬化膜のクリープ挙動において、その仕事量が、1.35×10−6J以下となるウレタン(メタ)アクリレートである。本発明においては、当該ウレタン(メタ)アクリレートを使用することで、反りの少ない柔軟な硬化膜であっても優れた耐磨耗性を実現できる。また、ウレタン(メタ)アクリレートの有するウレタン結合により、凝集性が向上し、凝集破壊が生じにくくなるため、得られる硬化物は好適な密着性を有すると共に、酸素移動を抑制できることから、表面硬度の向上にも貢献する。
上記クリープ挙動における仕事量は、作成した硬化膜に、25℃条件下、四角錐のダイヤモンドビッカース圧子(面角136°)を有する微小硬度計(フィッシャースコープH100:ヘルムートフィッシャー社製)を用いて硬化塗膜に最大荷重1000mNの加重を15秒間かけて徐々に与え、加重が1000mNに達したところで7秒間保持する。加重により生じた硬化塗膜の歪み量(押し込み深さ)からクリープ挙動における仕事量を、[荷重(1000mN)×押し込み深さ]で表される式により算出する。
クリープ仕事量を小さくする紫外線硬化型樹脂組成物としては、一般に、極端な高硬度塗膜と極端な軟質塗膜が適するが、高硬度塗膜を設計した場合、硬化塗膜の架橋密度を高く設計する必要があり、架橋密度を過度に高く設計した結果、高温高湿環境下に於いて光ディスクに反りが生じるという悪影響を引き起こすため好ましくない。一方軟質塗膜を設計した場合、これも高温高湿環境下に保存した際、光ディスクの信号エラーが増加する要因となり好ましくない。これに対し、ウレタン(メタ)アクリレートは高温高湿環境下に於いて光ディスクに反りが生じるという悪影響を引き起こさない程度に架橋密度を低く設計しても、分子骨格中に靱性および弾性に優れたウレタン結合を有するため、クリープ仕事量を少なくすることが可能である。こういったクリープ仕事量を小さくするウレタン(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリロイル基濃度が3mmol/g以下であるウレタン(メタ)アクリレートであり、分子中に含まれる(メタ)アクリレート基の数が2〜3であることが好ましい。架橋密度が過度に高くないことで硬化時における分子の運動性を過度に制限しないため、ウレタン結合同士の水素結合を効果的に誘発でき、かかるウレタン結合同士による擬似架橋を引き起こすことが可能となる。すなわち、上述した構造のウレタン(メタ)アクリレートを使用することで、硬化塗膜の架橋密度を過度に高くせずともクリープ仕事量を低くすることが可能となる。
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物とから得られるウレタン(メタ)アクリレートを好ましく使用できる。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどのジイソシアネ−ト化合物が挙げられる。いずれの化合物も特に限定無く使用できるが、なかでも、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、さらにイソホロンジイソシアネートを用いた紫外線硬化型組成物は、光ディスクの光反射膜に及ぼす色相の悪化が無く、かつ光線透過性も低下することがないため特に好ましい。
また、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、ジイソシアネ−ト化合物から得られるアダクト型ポリイソシアネート化合物、イソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物、ウレットジオン型ポリイソシアネート化合物、ビュレット型ポリイソシアネート化合物等のポリイソシアネート化合物も好ましく使用できる。これらポリイソシアネート化合物を使用すると低弾性率で反り変化が少なく、好適な耐磨耗性を有する硬化膜を得やすい。
ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等、あるいは2個以上のヒドロキシキル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる化合物でも良く、例えばグリシジルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物、グリコール化合物のモノ(メタ)アクリレート体等が挙げられる。さらに、これらのヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物のヒドロキシル基の一部あるいは全てをε−カプロラクトンで変性した化合物でも良い。
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、ポリオール類が好ましく用いられ、その具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、エオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のアルキレンポリオール類、
さらに、上記したアルキレンポリオール類とマレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等の多塩基酸との反応やカプロラクトン等の環状エステルの開環重合により得られるエステル結合を有するポリエステルポリオール類、
例えば、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環重合体としてのポリテトラメチレングリコール等、及び、前記アルキレンポリオール類の、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイドの付加物等エーテル結合を有するポリエーテルポリオール類、
又は、前記アルキレンポリオール類と、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、又は、ジフェニルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチルジフェニルカーボネート、2−トリル−4−トリルカーボネート、4,4’−ジエチルジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピルジフェニルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート、あるいは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等のジアルキルカーボネート等との反応物等カーボネートとの反応により得られるカーボネート結合を有するポリカーボネートポリオール類が挙げられる。
これらポリオール類の少なくとも一部、好ましくはポリオール類全量中の15モル%以上、更に好ましくはポリオール類全量中の30モル%以上は、分子量500〜2500であるのが好ましい。
上記ポリオールのなかでも、ポリエーテルポリオールを使用することで、得られる紫外線硬化型組成物の硬化膜のクリープ特性を好適な範囲に制御しやすくなる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)としては、1000〜10000であることが好ましく、2000〜8000であることがより好ましく、2500〜5000であることがさらにより好ましい。これにより、本発明の紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクの耐久性及び耐光性がより優れたものとなる。なお、GPCは東ソー(株)社製 HLC−8020を用い、カラムはGMHxl−GMHxl−G200Hxl−G1000Hxlwを使用するものとし、溶媒はTHFを用い、1.0ml/minの流量でカラム温度が40℃、検出器温度が30℃、分子量は標準ポリスチレン換算で測定を行うものとする。
上記のウレタン(メタ)アクリレートのなかでも、下式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリレートは、架橋点となる2〜3個の(メタ)アクリロイル基を有し、各架橋点間の距離を一定の範囲に保持できるため、形状保持に優れ、透湿性の低い硬化被膜を形成できるため特に好ましく使用できる。また、脂肪族又は脂環族ジイソシアネート化合物由来の骨格を有することにより、光ディスクを構成する各層、特に金属薄膜からなる光反射層と好適な接着性を確保でき、また高温高湿環境下でも変色を生じない硬化被膜を形成できる。
Figure 2009230790
(式(1)中、Xはポリイソシアネート化合物のイソシアナート基を除く残基であり、Rは炭素原子数2〜12のアルキレン基であり、Rは炭素原子数2〜16のアルキレン基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、mは2〜3の整数、nは0〜10の整数である。)
式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート基を3個以上有する化合物と分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られる化合物が挙げられ、式(1)中のXとして、式(2)および(3)で表される構造が挙げられる。
Figure 2009230790
(式(2)中R、R及びRは、各々独立して炭素数2〜16の分岐を有していてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表す。)
Figure 2009230790
(式(3)中R、R及びRは、各々独立して炭素数2〜16の分岐を有していてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表す。)
なかでも、式(3)で表される基は、特に低弾性率であり接着力や耐久性に優れた硬化被膜を形成できるため好ましい。
また、上記式(2)及び(3)中のR〜Rは優れた耐光性のため、炭素数4〜10の鎖状の炭化水素基又は下記式(4)で表される環状の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜8の鎖状の炭化水素基がより好ましい。
Figure 2009230790
また、反りを発生しにくくするため、式(1)中のRは炭素原子数3〜7のアルキレン基が好ましく、炭素原子数5の直鎖状のアルキレン基がより好ましくい。また同様にRとしては、炭素原子数2〜5のアルキレン基が好ましく、炭素原子数2の直鎖状のアルキレン基がより好ましい。さらにnとしては、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、単独のウレタン(メタ)アクリレートのみを使用しても、複数種を併用しても良い。複数種のウレタン(メタ)アクリレートを併用する場合には、混合したウレタン(メタ)アクリレートがウレタン(メタ)アクリレート/フェノキシエチルアクリレート=60/40の質量比で混合した組成物を用いて、紫外線硬化後の膜厚が100±10μmである硬化膜を形成した際に、当該硬化膜に25℃条件下、微小硬度計を用いて1000mNの加重を7秒間かけた際に引き起こされる歪みから算出される仕事量が、1.35×10−6J以下となるウレタン(メタ)アクリレートを使用する。
本発明の紫外線硬化型組成物中のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の40〜85質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることが特に好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの含有量を当該範囲とすることで硬化膜に適度な柔軟性を付与することが可能となり、特に湿度ショックを与えたときの反り変化が小さくなる。
また、本発明の紫外線硬化型組成物には、上記ウレタン(メタ)アクリレート以外のウレタン(メタ)アクリレートや、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の他の(メタ)アクリレートオリゴマーを含有してもよい。これらウレタン(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する場合には、その含有量が紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の55質量%以下とすることが好ましく、45質量%以下とすることが好ましい。
[(メタ)アクリレートモノマー]
本発明の紫外線硬化型組成物に使用する(メタ)アクリレートモノマーとしては、ガラス転移温度が150℃を超える一分子中に二個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の15質量%以下となるよう配合されれば、使用する種類は特に制限されず、一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(以下、単官能(メタ)アクリレートと称する)や、一分子中に二個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(以下、二官能の(メタ)アクリレートと称する。)、更には一分子中に三以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(以下、多官能の(メタ)アクリレートモノマーと称する。)を使用でき、これらを適宜配合することで、所望の粘度、硬化後の弾性率を有する組成物を得ることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタンアダマンチル(メタ)アクリレート、などを使用できる。
中でも、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレートを用いた場合、膜厚変化量が少なく、反り変化量も少なくなるため、好ましい。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式の二官能(メタ)アクリレートとして、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等を使用できる。
なかでも、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等が好ましく、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、硬化後の弾性率を高く調整したい場合に、三官能以上の(メタ)アクリレートを使用してもよく、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、等を使用できる。
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルエーテルモノマー等の紫外線硬化性化合物も必要に応じて使用できる。
本発明における紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物全量中の単官能(メタ)アクリレートの含有量としては、3〜45質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることが好ましい。二官能(メタ)アクリレートの含有量は3〜40質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることが好ましい。また、三官能以上の(メタ)アクリレートの含有量は、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが好ましい。
[開始剤、添加剤]
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物中には、上記(メタ)アクリレートオリゴマーや(メタ)アクリレートモノマー以外に、公知の光重合開始剤、及び熱重合開始剤等を用いる事が出来る。
本発明に使用できる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤等がある。
本発明の紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ホスファイト等の酸化防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を使用することもできる。また、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用でき、更に、前記の光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
[紫外線硬化型組成物]
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、上記のウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリレートモノマーとを含有し、ガラス転移温度が150℃を超えるの(メタ)アクリレートモノマーの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の15質量%以下であり、紫外線硬化型組成物の(メタ)アクリロイル基濃度が4mmol/g以下の紫外線硬化型組成物である。
本発明においては、ガラス転移温度が150℃以上の二官能の(メタ)アクリレートモノマーの含有量を15質量%範囲以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることで、磨耗時に削れ難い硬化膜を形成でき、柔軟でありながら優れた耐磨耗性の硬化膜の形成が可能となる。また、上記ガラス転移温度は、より低いものが好適であり、120℃を越える(メタ)アクリレートモノマーを当該含有量以下とすることが好ましく、100℃を越える(メタ)アクリレートモノマーを当該含有量以下とすることがより好ましい。
また、本発明の紫外線硬化型組成物においては、その(メタ)アクリロイル基濃度を4mmol/g以下、好ましくは3.5mmol/g以下、より好ましくは3mmol/g以下とする。(メタ)アクリロイル基濃度を当該範囲とすることで、柔軟で硬化収縮の少ない硬化膜を形成できるため、光ディスクに適用した際に反りを低減できる。
紫外線硬化型組成物中の(メタ)アクリロイル基濃度とは、紫外線硬化型組成物1g中に含まれる(メタ)アクリロイル基の濃度(mmol)をいう。詳細には、(メタ)アクリレート成分を任意の複数成分含んでいる紫外線硬化型組成物においては、下式により算出される濃度である。
[紫外線硬化型組成物の(メタ)アクリロイル基濃度]=[Σm/Σm](mmol/g)
:紫外線硬化型組成物に含まれる成分iの配合量(g)
:成分iの(メタ)アクリロイル基濃度(mmol/g)
また、個々の(メタ)アクリレート成分であるi成分の(メタ)アクリロイル基濃度は、下式により算出される。
[成分iの(メタ)アクリロイル基濃度]=[F×10/M](mmol/g)
F:成分iの1分子あたりの(メタ)アクリロイル基数
M:成分iの1分子あたりの分子量
なお、上記算出に際し、(メタ)アクリレートを製造する際に用いる触媒や添加剤等の非反応成分の質量は計算の際に考慮しないものとする。
本発明の紫外線硬化型組成物は、紫外線を照射した後の硬化膜の弾性率が、1〜1000MPa(25℃)となるように調整することが好ましい。中でも5〜900MPaとなる組成であることがより好ましい。弾性率がこの範囲となる組成であると、硬化時の歪みが緩和され易く、高温高湿環境下に長時間曝されても反りの変化量が少ない光ディスクを得ることができる。
本発明の紫外線硬化型組成物は、上記紫外線硬化性化合物を調整し、粘度を1000〜3000mPa・s、好ましくは1400〜2500mPa・sとすることで、厚膜の光透過層を好適に形成できる。
[光ディスク]
本発明の光ディスクは、基板上に、少なくとも光反射層と光透過層とが形成され、光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクであって、光透過層が、上記の紫外線硬化型組成物の硬化物からなるものである。本発明の光ディスクは、光透過層として、上記した紫外線硬化型組成物を使用することにより、高温高湿下でも、銀又は銀合金を反射膜として使用した場合に、優れた耐久性を得ることができるため、良好に情報の記録・再生を行うことができる。
本発明の光ディスクにおける光透過層は、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましく、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクにおける光透過層の厚みは70〜110μmであることが好ましい。光透過層の厚みは、通常、約100μmに設定されるが、厚みは光透過率や信号の読み取り及び記録に大きく影響を及ぼすため、十分な管理が必要である。光透過層は、当該厚さの硬化層単層で形成されていても、複数層が積層されていてもよい。
光反射層としては、レーザー光を反射し、記録・再生が可能な光ディスクを形成できるものであればよく、例えば、金、銅、アルミニウムなどの金属又はその合金、シリコンなどの無機化合物を使用できる。なかでも、400nm近傍の光の反射率が高いことから銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。光反射層の厚さは、10〜60nm程度の厚さとすることが好ましい。
基板としては、ディスク形状の円形樹脂基板を使用でき、当該樹脂としてはポリカーボネートを好ましく使用できる。光ディスクが再生専用の場合には、基板上に情報記録を担うピットが光反射層と積層される表面に形成される。
また、書込可能な光ディスクの場合には、光反射層と光透過層との間に情報記録層が設けられる。情報記録層としては、情報の記録・再生が可能であればよく、相変化型記録層、光磁気記録層、あるいは有機色素型記録層のいずれであってもよい。
情報記録層が相変化型記録層である場合には、当該情報記録層は通常、誘電体層と相変化膜から構成される。誘電体層は、相変化層に発生する熱を緩衝する機能、ディスクの反射率を調整する機能を求められ、ZnSとSiOの混合組成が用いられる。相変化膜は、膜の相変化により非晶状態と結晶状態で反射率差を生じるものであり、Ge−Sb−Te系、Sb−Te系、Ag−In−Sb−Te系合金を用いることができる。
本願発明の光ディスクは、情報記録部位が二つ以上形成されていても良い。例えば、再生専用光ディスクの場合には、ピットを有する基板上に、第一の光反射層、第一の光透過層が積層され、当該第一の光透過層上又は他の層を積層し、当該層上に第二の光反射層、第二の光透過層を形成してもよい。この場合には第一の光透過層やこれに積層する他の層上にピットが形成される。また、記録・再生可能な光ディスクの場合は、基板上に、情報記録層、光反射層及び光透過層が積層された構成を有するものであるが、当該光透過層上に更に、第二の光反射層、第二の情報記録層、第二の光透過層を形成して二層の情報記録層を有する構成、あるいは、同様に層を積層して三層以上の情報記録層を有する構成としてもよい。複数層を積層する場合には、各層の層厚さの和が上記の厚さになるように適宜調整すればよい。
また、本発明の光ディスクにおいては、光透過層が最表面の層であってもよいが、更にその表層に表面コート層を設けてもよいが、光透過層を最表層とすることで工程が簡略化できるため好ましい。
本発明の光ディスクは、100μm厚の光透過層を有する光ディスクを、80℃85%RH240時間の高温高湿環境下に曝露した後の反射率変化量が、4.0%以下であることが好ましく、2.0%以下であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクは、100μm厚の光透過層を有する光ディスクを、80℃85%RH240時間の高温高湿環境下に曝露した後の反り変化量が±1.0°以内であることが好ましく、±0.5°以内であることが特に好ましい。さらに、25℃85%RHから25℃30%RHのように湿度のみを急激に変化させた場合の反り変化量のついても、±1.0°以内であることが好ましく、±0.5°以内であることが特に好ましい。
また、光透過層を10日間蛍光灯暴露した際の反射率変化量化が、4.0%以内であることが好ましく、2.0%以内であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクには、再生専用のディスクと、記録・再生可能なディスクがある。再生専用のディスクは、1枚の円形樹脂基板を射出成形する際に、情報記録層であるピットを設け、次いで該情報記録層上に光反射層を形成し、更に、該光反射層上に紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。また、記録・再生可能なディスクは、1枚の円形樹脂基板上に光反射層を形成し、次いで相変化膜、又は光磁気記録膜等の情報記録層を設け、更に、該光反射層上に紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。
光反射層上に塗布した紫外線硬化型組成物を紫外線照射することにより硬化させる場合、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
紫外線を照射する場合、積算光量は0.05〜1J/cmとなるようにコントロールするのが好ましい。積算光量は0.05〜0.8J/cmであることがより好ましく、0.05〜0.6J/cmであることが特に好ましい。本発明の光ディスクに使用する紫外線硬化型組成物は、積算光量が少量であっても、十分に硬化し、光ディスク端面や表面のタックが発生せず、更に光ディスクの反りや歪みが発生しない。
[実施態様]
以下、本発明の光ディスクの具体例として、単層型光ディスク及び二層型光ディスクの具体的構成の一例を以下に示す。
本発明の光ディスクのうち、単層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図1に示したように、基板1上に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う構成が例示できる。図中の凹凸は、記録トラック(グルーブ)を模式的に表したものである。光透過層3は、本発明の紫外線硬化型組成物の硬化物からなる層であり、その厚さは100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
図2は図1に示した構成の最表層にハードコート層4を設けた構成である。本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、最表層にハードコート層を設けることなく耐摩耗性に優れる光透過層を得ることが出来るが、必要により最表層にハードコート層を設けても良い。ハードコート層は、高硬度で、耐摩耗性に優れる層であることが好ましい。ハードコート層の厚さは、1〜10μmであることが好ましく、3〜5μmであることがより好ましい
多層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図3に示したように、基板1上に、光反射層5と、光透過層6とが積層され、さらにその上に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、光透過層3側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う二層型光ディスクの構成が例示できる。光透過層3及び光透過層6は、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる層であり、少なくともいずれかの層が本発明の紫外線硬化型組成物からなる層である。層の厚さとしては、光透過層3の厚さと光透過層6の厚さの和が100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
当該構成の二層型光ディスクにおいては、記録トラック(グルーブ)が、光透過層6の表面にも形成されるため、光透過層6は、接着性に優れる紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層の上に、記録トラックを好適に形成できる紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層を積層した複層で形成されていてもよい。また当該構成においても必要に応じて、最表層にハードコート層が設けられていてもよい。
図1に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形することによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層2を成膜する。この上に本発明の紫外線硬化型組成物を塗布し、ディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させ、光透過層3を形成し、図1の光ディスクを作製する。図2の光ディスクの場合には、この上に更にスピンコート等によりハードコート層4を形成する。
図3に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形にすることによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に、基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層6を成膜する。
この上に、本発明の紫外線硬化型組成物又は任意の紫外線硬化型組成物の光透過層5を形成するが、その際に型を用いて表面に記録トラック(グルーブ)を転写する。記録トラック(グルーブ)を転写する工程は次の通りである。基板1に形成された光反射層6上に紫外線硬化型組成物を塗布し、その上に記録トラック(グルーブ)を形成するための型と貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させる。その後、型を剥離して、光透過層5の記録トラック(グルーブ)を有する側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層2を成膜し、この上に、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線照射により硬化させ、光透過層3を形成することで、図3の光ディスクを作製できる。また、光反射層に相変化型記録層を用いる場合でも上記と同様の方法により光ディスクを作成することができる。
次に、合成例及び実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
合成例1〔ウレタン(メタ)アクリレート(UA1)の合成〕
撹拌機、ガス導入管、コンデンサーおよび温度計を備えた1リットルのフラスコに、コスモネートT−100〔三井化学ポリウレタン(株)製:トリレンジイソシアネート(計算分子量;174)〕243部、ジブチル錫ジアセテート0.1部、スミライザーBHT〔住友化学工業(株)製酸化防止剤〕1.8部およびメトキノン〔精工化学工業(株)製重合禁止剤〕0.4部を加え、均一に混合しながら徐々に昇温した。60℃に達したところで、ヒドロキシエチルアクリレート(計算分子量;116)を162部加えて3時間反応した後、PTMG850〔保土谷化学(株)製:ポリテトラメチレングリコール、水酸基価;132(計算分子量;850)〕594部を加え、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレート(UA1)〔オリゴマー/キシレン=60/40%希釈時のガードナー粘度;G(25℃)、ガードナーカラー;1以下、イソシアネート基含有率;0%、重量平均分子量;3,500、計算分子量;1,430、(メタ)アクリロイル基濃度=1.40mmol/g〕1,000部を得た。
合成例2〔ウレタン(メタ)アクリレート(UA2)の合成〕
合成例1と同様の反応装置に、バーノックDN−980S〔大日本インキ化学工業(株)製イソシアヌレート型ポリイソシアネート、イソシアネート基含有率;21.0%(計算分子量;600)〕368部、ジブチル錫ジアセテート0.1部、スミライザーBHT1.6部およびメトキノン0.3部を加え、均一に混合しながら徐々に昇温し、60℃に達したところでプラクセルFA2D〔ダイセル化学工業(株)製;ε−カプロラクトン2モル付加型ヒドロキシエチルアクリレート、水酸基価;326mgKOH/g(計算分子量;344)〕632部を加えた後、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレート(UA2)〔ガードナー粘度;Z6−Z7(25℃)、ガードナーカラー;1以下、イソシアネート基含有率;0%、重量平均分子量;4,700、計算分子量;1,632、(メタ)アクリロイル基濃度=1.84mmol/g〕1,000部を得た。
合成例3〔ウレタン(メタ)アクリレート(UA3)の合成〕
合成例1と同様の反応装置に、デュラネート24A−100〔旭化成(株)製ビュレット型ポリイソシアネート、イソシアネート基含有率;23.5%(計算分子量;536)〕342部、ジブチル錫ジアセテート0.1部、スミライザーBHT1.6部およびメトキノン0.3部を加え、均一に混合しながら徐々に昇温し、60℃に達したところでプラクセルFA1D〔ダイセル化学工業(株)製;ε−カプロラクトン1モル付加型ヒドロキシエチルアクリレート、水酸基価;244mgKOH/g(計算分子量;230)〕220部、プラクセルFA3D〔ダイセル化学工業(株)製;ε−カプロラクトン3モル付加型ヒドロキシエチルアクリレート、水酸基価;122mgKOH/g(計算分子量;458)〕438部を加えた後、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレート(UA3)〔ガードナー粘度;Z6−Z7(25℃)、ガードナーカラー;1以下、イソシアネート基含有率;0%、重量平均分子量;4,600、計算分子量;1,568、(メタ)アクリロイル基濃度=1.91mmol/g〕1,000部を得た。
合成例4〔ウレタン(メタ)アクリレート(UA4)の合成〕
合成例1と同様の反応装置に、コスモネートT−100を283部、ジブチル錫ジアセテート0.1部、スミライザーBHT1.8部およびメトキノン0.4部を加え、均一に混合しながら徐々に昇温した。60℃に達したところで、ヒドロキシエチルアクリレート(計算分子量;116)を189部加えて3時間反応した後、PTMG650〔保土谷化学(株)製:ポリテトラメチレングリコール、水酸基価;173(計算分子量;650)〕528部を加え、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレート(UA4)〔オリゴマー/酢酸ブチル=70/30%希釈時のガードナー粘度;N(25℃)、ガードナーカラー;1以下、イソシアネート基含有率;0%、重量平均分子量;3,010、計算分子量;1,230、(メタ)アクリロイル基濃度=1.63mmol/g〕1,000部を得た。
合成例5〔エポキシ(メタ)アクリレート(EP1)の合成〕
合成例1と同様の反応装置に、エピクロン850〔大日本インキ化学工業(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;185(計算分子量;370)〕719部、アクリル酸を281部、トリフェニルホスフィンを4部およびメトキノン0.3部を加え、均一に混合しながら徐々に昇温し、90℃で6時間反応させ、エポキシアクリレート(EP1)〔オリゴマー/トルエン=80/20希釈時のガードナー粘度;Y(25℃)、ガードナーカラー;1以下、酸価;0、重量平均分子量;1,580、計算分子量;514、(メタ)アクリロイル基濃度=3.89mmol/g〕1,000部を得た。
<粘度の測定方法>
下記表1に示した配合(表中の組成の数値は質量部を表す)により上記合成例1〜5を使用した紫外線硬化型組成物を調製した。各サンプルの25℃における粘度をB型粘度計((株)東京計器製、BM型)を用いて測定した。得られた結果を参考例1〜5として表1に示す。
<クリープの測定>
表1に示した配合で得られた紫外線硬化型組成物を、ガラス板上に硬化塗膜が100±10μmになるように塗布した後、高圧水銀灯(コールドミラー付き、ランプ出力120W/cm)を用いて窒素雰囲気中で1,000mJ/cmで硬化させた。各サンプルについて、25℃の測定温度条件下、四角錐のダイヤモンドビッカース圧子(面角136°)を有する微小硬度計(フィッシャースコープH100:ヘルムートフィッシャー社製)を用いて硬化塗膜に最大荷重1000mNの加重を15秒間かけて徐々に与え、加重が1000mNに達したところで7秒間保持する。加重により生じた硬化塗膜の歪み量(押し込み深さ)からクリープ挙動における仕事量を、[荷重(1000mN)×押し込み深さ]で表される式により算出した。得られた結果を参考例1〜5として表1に示す。
Figure 2009230790
下記表2に示した配合(表中の組成の数値は質量部を表す)により調整した各組成物を60℃で3時間加熱、溶解して、実施例1〜5及び応用比較例1〜2の各実施例及び比較例の紫外線硬化型組成物を調製した。得られた組成物について、下記の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
<光ディスクの作成条件>
直径120mm、厚さ1.2mmの光ディスク基板を準備し、銀を主成分とするビスマスとの合金を20〜40nmの膜厚でスパッタした後、該金属反射膜上に、表2の各紫外線硬化型組成物をスピンコーターで膜厚が硬化後に100±10μmになるように塗布し、コールドミラー付き高圧水銀灯120W/cmを用いて照射量500mJ/cm(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36)の紫外線を2回照射、硬化して試験用ディスクサンプルを得た。
<弾性率の測定方法>
各サンプルについて、ガラス板上に硬化塗膜が100±10μmになるように塗布した後、高圧水銀灯(コールドミラー付き、ランプ出力120W/cm)を用いて窒素雰囲気中で1,000mJ/cmで硬化させた。この硬化塗膜の弾性率をティー・エイ・インストルメント(株)社の自動動的粘弾性測定装置で測定し、25℃における動的弾性率E’を弾性率とした。
<光ディスクの耐久試験>
各サンプルについて環境試験器「PR−2PK」(エスペック(株))を使用して、80℃85%RH240時間の高温高湿環境下での曝露(耐久試験)を行った後、25℃50%で24時間保管した。
同様の試験前後のサンプルについて、Dr.Schwab社製 Argus Blu を用い、反りの変化量を測定した。半径位置が50mmから55mm位置でのRadial Tiltの平均値から反り変化量を測定し、下記基準に基づき評価を行った。
○:試験前後の反りの変化が±0.5°以内
×:試験前後の反りの変化が±0.5°を越える
<光ディスクの摩耗試験>
各サンプルについて、テーバー摩耗試験器ロータリアブレッサー((株)東洋精機製)にて摩耗輪CS−10Fを用い加重250gにて50回転摩耗した。その後、JIS K7105に従い、分光光度計「UV−3100」(島津製作所(株)製)にて405nmにおける全光線透過光量と拡散光量を測定し拡散透過率を算出し、摩耗試験前後の拡散透過率の差(△H)を計算し、下記基準に基づき評価を行った。
○:試験前後の拡散透過率の差(△H)が 7.0以内
×:試験前後の拡散透過率の差(△H)が 7.0を越える
Figure 2009230790
表中の記号は以下のとおりである。
・ECA:エチルカルビトールアクリレート
・PHE:大阪有機化学工業(株)製 フェノキシエチルアクリレート
・TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
・TCDDA:トリシクロデカンジアクリレート
・EOTMPTA:エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート
・Irg184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
・TEGO Rad 2200N:反応性ポリシロキサン、degussa製、
表2に示すように、本発明の組成物を使用した実施例1〜5の光ディスクは、耐久試験後の反り変化が小さく、耐久試験において良好な結果を示した。また、耐摩耗性試験においても優れた耐摩耗性を示した。一方、比較例1の光ディスクは、耐久試験後の反り変化が大きく、耐摩耗性が劣るものであった。また、比較例2の光ディスクは耐摩耗性が良好でないものであった。
本発明の単層型光ディスクの一例を示す図である。 本発明の単層型光ディスクの一例を示す図である。 本発明の二層型光ディスクの一例を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 光反射層
3 紫外線硬化型組成物の光透過層
4 ハードコート層
5 光反射層
6 紫外線硬化型組成物の光透過層

Claims (10)

  1. 基板上に、少なくとも光反射層と、光透過層とが積層され、前記光透過層側からレーザー光を入射して情報の再生を行う光ディスクの光透過層に使用する紫外線硬化型組成物であって、
    ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリレートモノマーとを含有し、
    前記ウレタン(メタ)アクリレートが、ウレタン(メタ)アクリレートとフェノキシエチルアクリレートとを、ウレタン(メタ)アクリレート/フェノキシエチルアクリレート=60/40の質量比で混合した組成物を用いて、紫外線硬化後の膜厚が100±10μmである硬化膜を形成した際に、当該硬化膜に、25℃条件下、四角錐のダイヤモンドビッカース圧子を用いて、15秒間かけて荷重1000mNとなるよう荷重を与え、荷重が1000mNに達したところで7秒間保持して押し込み深さを測定した際に、(荷重×押し込み深さ)で表される仕事量が、1.35×10−6J以下となるウレタン(メタ)アクリレートであり、
    前記紫外線硬化型組成物に含まれる(メタ)アクリレートモノマーのうち、ガラス転移温度が150℃を超える一分子中に二個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の15質量%以下であり、
    前記紫外線硬化型組成物の(メタ)アクリロイル基濃度が4mmol/g以下であることを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  2. 前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の40〜85質量%である請求項1に記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  3. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物とから得られる重量平均分子量が1000〜10000のウレタン(メタ)アクリレートであり、前記分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物がポリエーテルポリオールである請求項1又は2のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  4. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、式(1)
    Figure 2009230790
    (式(1)中、Xはポリイソシアネート化合物のイソシアナート基を除く残基であり、Rは炭素原子数2〜12のアルキレン基であり、Rは炭素原子数2〜16のアルキレン基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、mは2〜3の整数、nは0〜10の整数である。)
    で表されるウレタン(メタ)アクリレートである請求項1又は2のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  5. 前記(メタ)アクリレートモノマーとして、ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−へキサンジアクリレートから選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  6. 前記(メタ)アクリレートモノマーの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の15〜55質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  7. 25℃におけるB型粘度が1000〜3000mPa・Sである請求項1〜6のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  8. 紫外線照射後の硬化膜の25℃における弾性率が1〜1000MPaである請求項1〜7のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物。
  9. 基板上に、少なくとも光反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる光透過層とが積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、前記紫外線硬化型組成物が、請求項1〜8のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスク。
  10. 前記光透過層の厚さが70〜110μmの範囲にある請求項9に記載の光ディスク。
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