JP2021017041A - ハニカムコア接着剤塗布装置と方法 - Google Patents
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ハニカムコアは、その構造から空隙率が高く軽量で、しかも圧縮強度が高い特長を有する。
さらに、ハニカムコアの片面又は両面に表面材を貼合し、あらかじめパネル形状にしたものを「ハニカムコアパネル」と呼ぶ。
そこで、これを実施する手段として、例えば、特許文献1,2が提案されている。
特許文献1の方法は、接触工程(A)、加熱工程(B)、及び破裂工程(C)を有する。接触工程(A)では、ハニカムコア1の表面網状構造に接着剤材料からなるフィルム接着剤2を接触させる。加熱工程(B)では、表面網状構造の少なくとも一部分を覆うフィルム接着剤2を加熱して加熱部分3を生じさせる。破裂工程(C)では、ハニカムコア1のセル1aを通して加熱部分3に上向きに空気流4を注入し、フィルム接着剤2の加熱部分3をハニカムコア1の表面から外側(上方)に膨らませて破裂させる。
なお、セル1aとは、ハニカムコア1の内側に形成された1つの空洞を意味する。また図中の矢印5は、ハニカムコア1の移動方向を示している。
特許文献2の方法は、ドーム化工程(A)、破断工程(B)、及び熱溶着工程(C)を有する。ドーム化工程(A)では、ハニカムコア1の芯材の上面に敷設した平坦なフィルム接着剤2に対し、下方から上方に向かってセル内へ上昇熱風6を圧送して各セルの上面にドーム状の接着層7を形成させる。破断工程(B)では、上方からドーム状の接着層7の頂点近傍に向かって下降熱風8を圧送して破断させる。熱溶着工程(C)では、溶融性と表面張力を利用してセルの上面縁部に均等な接着層を形成する。
また、ドーム化工程(A)の前に、フィルム接着剤2がハニカムコア1の端面に密着していない場合、上昇熱風6でフィルム接着剤2が端面からさらに浮き上がってしまい、端面に接着剤が塗布されない部分(b)が多発し、不良率が上昇する。
水平に支持された前記ハニカムコアに対し、前記ハニカムコアの幅方向に延びる上流側の軟化領域と、前記軟化領域の下流側に位置する破断領域とを、互いに同期して、下流側から上流側に移動する押付軟化装置及び膨張破断装置を備え、
前記網状端面の上面全体に敷設されたフィルム接着剤に対し、
前記押付軟化装置は、前記軟化領域に下降熱風を吹き付け、前記軟化領域の前記フィルム接着剤を前記網状端面に押し付けて密着させ、かつ前記軟化領域の前記フィルム接着剤を軟化させ、
前記膨張破断装置は、前記破断領域に前記セルを通して上昇熱風を圧送し、前記フィルム接着剤の軟化部分を前記網状端面から上方に膨らませて破裂させる、ハニカムコア接着剤塗布装置が提供される。
水平に支持された前記ハニカムコアに対し、前記ハニカムコアの幅方向に延びる上流側の軟化領域と、前記軟化領域の下流側に位置する破断領域とを、互いに同期して、下流側から上流側に移動するように位置決めする領域決定工程(A)と、
前記網状端面の上面に敷設されたフィルム接着剤に対し、前記軟化領域に下降熱風を吹き付け、前記軟化領域の前記フィルム接着剤を前記網状端面に押し付けて密着させ、かつ前記軟化領域の前記フィルム接着剤を軟化させる押付軟化工程(B)と、
前記破断領域に前記セルを通して上昇熱風を圧送し、前記フィルム接着剤の軟化部分を前記網状端面から上方に膨らませて破裂させる膨張破断工程(C)と、を有し、
(D)前記押付軟化工程と前記膨張破断工程を、前記網状端面の上面全体に敷設された前記フィルム接着剤に対し、下流側から上流側に並行して実施する、ハニカムコア接着剤塗布方法が提供される。
なお、押付軟化装置20及び膨張破断装置30を定位置に固定し、ハニカムコア1を上流側から下流側に移動させてもよい。
以下、押付軟化装置20と膨張破断装置30の移動方向をX方向、ハニカムコア1の幅方向をY方向と呼ぶ。
上部中空本体22は、この例では幅方向(Y方向)に伸び断面が中空の矩形体である。上部中空本体22の側面には幅方向(Y方向)に延びる線状ノズル22aが設けられている。
上部ヒータ24は、上部中空本体22の内側に幅方向(Y方向)に挿入され、吸込口25から吸引した空気を加熱する。温度センサー26は加熱された空気の温度を計測する。
空気の吸引は、後述する上昇熱風W2と同様にブロアを用いてもよく、或いは工場エアを用いてもよい。
また、押付軟化装置20は、上部中空本体22の軸心を中心に自由に回転させて、回転位置を固定できるようになっている。
これにより、軟化領域XBのフィルム接着剤2を網状端面1bに押し付けて密着させ、かつ軟化領域XBのフィルム接着剤2を軟化させる。
この構成により、下降熱風W1が破断領域XCに当たるのを防止して上昇熱風W2との干渉を無くし、かつ下降熱風W1が軟化領域XBより上流に流れてその部分のフィルム接着剤2を予熱することができる。
この例で、ハニカムコア1の幅方向両端に支持部材12が固定されている。また、支持部材12のX方向両端部が図示しない固定部分に固定され、ハニカムコア1の全体が上下に隙間を空けて両端支持されている。
セル1aは、隔壁1cで囲まれた空間であり、上端と下端は開放されている。
網状端面1bは、隔壁1cの上端であり、この例では、六角形の「蜂の巣」形状であるが、網状端面1bの形状はこれに限定されず、その他の形状であってもよい。
点ノズル32aは、この例では図5の破断領域XCのセル1aの中心に位置する貫通穴である。点ノズル32aは、鉛直上方に向けて上昇熱風W2を複数のセル1aの中心を通してそれぞれ圧送するようになっている。
点ノズル32aは、この例では、破断領域XCの幅方向に2列設けられているが、2列以上であってもよい。また、点ノズル32aの直径(例えば、1〜3mm)は、全ての点ノズル32aから噴射する上昇熱風W2の速度が実質的に同一となるように、設定されている。
下部中空本体32の内部圧は、ブロア36から供給された空気量で一定に保持され、これにより、全ての点ノズル32aから噴射する上昇熱風W2の速度が実質的に同一となる。
この例で、ハニカムコア1は下面が水平に位置決めされ、上面はY方向に傾斜している。すなわち、網状端面1bは、Y方向に一定の角度で傾斜している。
また、網状端面1bの傾斜に対応して、押付軟化装置20も同じ角度で傾斜しており、線状ノズル22aも同様に傾斜している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
本発明のハニカムコア接着剤塗布方法は、領域決定工程S1、押付軟化工程S2、及び膨張破断工程S3を有する。
領域決定工程S1では、図5に示すように、水平に支持されたハニカムコア1に対し、ハニカムコア1の幅方向に延びる上流側の軟化領域XBと、軟化領域XBの下流側に位置する破断領域XCとを、互いに同期して、下流側から上流側に移動するように位置決めする。
なお、下降熱風W1と上昇熱風W2の吹付位置がオフセットしている限りで、下降熱風W1を真下に吹き付ける構成であってもよい。なおオフセットとは位置が異なることを意味する。
この下降熱風W1の吹付けにより、軟化領域XBのフィルム接着剤2を網状端面1bに押し付けて密着させ、かつ吹付け部のフィルム接着剤2を軟化させる。
押付軟化工程S2により、軟化して網状端面1bに押し付けられたフィルム接着剤2は、閉じた形状(例えば6角形)の網状端面1bに周囲が付着し、その内側が軟化した状態となる。
膨張破断工程S3により、閉じた形状(例えば6角形)の網状端面1bに周囲が付着したままで、その内側の軟化部分が、上昇熱風W2により上方に膨らみ、中央が薄くなって破断する。
XC 破断領域、XD 塗布完了領域、W1 下降熱風、W2 上昇熱風、
Z 網状接着剤、1 ハニカムコア、1a セル、1b 網状端面、
1c 隔壁、2 フィルム接着剤、3 加熱部分、4 空気流、
5 移動方向、6 上昇熱風、7 接着層、8 下降熱風、12 支持部材、
20 押付軟化装置、22 上部中空本体、22a 線状ノズル、
24 上部ヒータ、26 温度センサー、30 膨張破断装置、
32 下部中空本体、32a 点ノズル、34 下部ヒータ、
36 ブロア、100 ハニカムコア接着剤塗布装置
Claims (6)
- 複数のセルが隣接して平面状に位置するハニカムコアの網状端面に接着剤を塗布するハニカムコア接着剤塗布装置であって、
水平に支持された前記ハニカムコアに対し、前記ハニカムコアの幅方向に延びる上流側の軟化領域と、前記軟化領域の下流側に位置する破断領域とを、互いに同期して、下流側から上流側に移動する押付軟化装置及び膨張破断装置を備え、
前記網状端面の上面全体に敷設されたフィルム接着剤に対し、
前記押付軟化装置は、前記軟化領域に下降熱風を吹き付け、前記軟化領域の前記フィルム接着剤を前記網状端面に押し付けて密着させ、かつ前記軟化領域の前記フィルム接着剤を軟化させ、
前記膨張破断装置は、前記破断領域に前記セルを通して上昇熱風を圧送し、前記フィルム接着剤の軟化部分を前記網状端面から上方に膨らませて破裂させる、ハニカムコア接着剤塗布装置。 - 前記押付軟化装置は、前記下降熱風を前記軟化領域に対して、下流側から上流側に向かって斜め下方に吹き付ける、請求項1に記載のハニカムコア接着剤塗布装置。
- 前記押付軟化装置は、その移動方向に直交し、前記ハニカムコアの上面に沿って前記幅方向に延びる線状ノズルを有し、前記下降熱風を前記軟化領域に線状に吹き付ける、請求項1に記載のハニカムコア接着剤塗布装置。
- 前記膨張破断装置は、その移動方向に直交する前記幅方向に間隔を隔てた複数の点ノズルを有し、前記上昇熱風を複数の前記セルを通して前記破断領域にそれぞれ圧送する、請求項1に記載のハニカムコア接着剤塗布装置。
- 複数のセルが隣接して平面状に位置するハニカムコアの網状端面に接着剤を塗布するハニカムコア接着剤塗布方法であって、
水平に支持された前記ハニカムコアに対し、前記ハニカムコアの幅方向に延びる上流側の軟化領域と、前記軟化領域の下流側に位置する破断領域とを、互いに同期して、下流側から上流側に移動するように位置決めする領域決定工程(A)と、
前記網状端面の上面に敷設されたフィルム接着剤に対し、前記軟化領域に下降熱風を吹き付け、前記軟化領域の前記フィルム接着剤を前記網状端面に押し付けて密着させ、かつ前記軟化領域の前記フィルム接着剤を軟化させる押付軟化工程(B)と、
前記破断領域に前記セルを通して上昇熱風を圧送し、前記フィルム接着剤の軟化部分を前記網状端面から上方に膨らませて破裂させる膨張破断工程(C)と、を有し、
(D)前記押付軟化工程と前記膨張破断工程を、前記網状端面の上面全体に敷設された前記フィルム接着剤に対し、下流側から上流側に並行して実施する、ハニカムコア接着剤塗布方法。 - 前記押付軟化工程(B)において、前記下降熱風を前記軟化領域に対して、下流側から上流側に向かって斜め下方に吹き付ける、請求項5に記載のハニカムコア接着剤塗布方法。
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