JP4736198B2 - 複合基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2枚の基板を接着剤を介して貼り合わせて作られる複合基板の製造方法に関し、より具体的には、種々の機能が付与された基板に接着剤を介して薄膜被覆材を貼り合わせて複合基板を製造するのに好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2枚の基板を接着剤を介して貼り合わせた複合基板は種々の分野で知られている。例えば、電子部品や光学部品においては、種々の機能を付与した基板(第2の基板)の表面に薄板ガラスなど(第1の基板)を薄膜被覆材として貼り合わせたものが用いられる。そのような部品においては、第1の基板である被覆に使用した薄板表面には高い平面性が要求される。
【0003】
そのような複合基板の改良された製造方法として特開2000−160107号公報には次のような製造方法が開示されている。すなちわ、回転塗布機に設置されているスピンナー上に平面性を高めた平坦面を持つ定盤を固定し、その上に薄板ガラス板やフィルムなどである厚みの薄い第1の基板を置く。次に、該第1の基板の表面に液状の接着剤を滴下し、該接着剤が未硬化の状態でその上から第1の基板よりも厚みの厚い第2の基板5を載置する。その状態で定盤を高速回転させて余剰の接着剤を遠心力により振り切り、第1の基板と第2の基板とが平行度の高い状態で接着剤を介して積層された複合基板を得る。その複合基板を、接着剤が熱硬化性のものであれば、ヒーターまたは温風等で加熱し、接着剤が電離放射線硬化性のものであれば、電離放射線放射線(例えば、電子線や紫外線)を照射して、接着剤を硬化させることにより、表面の平面性が高い薄板(第1の基板)で被覆された複合基板が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の製造方法において、接着剤は第1の基板のほぼ中央位置に山なりの状態に滴下される。その上に第2の基板を載置すると、第2の基板は山なり状態である接着剤の影響を受けてどうしてもわずかに傾斜した姿勢になる。その状態のままで、スピンナーを高速回転(通常1000〜5000rpm)させると、接着剤の遠心力による広がりが不均一となり、第1の基板上での接着剤の厚みが不均一となる(例えば、150mm角の面内で5μm程度の厚みムラが生じる)。その状態で接着剤を硬化させるので、製造された複合基板の第1の基板と第2の基板の平行度が不十分となり、製品として不良品となる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、2枚の基板を接着剤を介して貼り合わせて作られる複合基板、より具体的には、薄膜被覆材の表面に滴下した接着剤を介して種々の機能が表面に付与された基板を貼り合わせて複合基板を製造するに際して、該滴下された接着剤に起因して生じる2枚の基板間の平行度の不足を効果的に回避することができ、それにより、不良品が発生する確率を大きく低減することのできる複合基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明による複合基板の製造方法は、回転速度が可変とされかつ平面性を高めた平坦面を表面に持つ定盤の上に第1の基板を密着させる工程、前記第1の基板の上に接着剤を滴下する工程、前記接着剤の上から前記第1の基板の上に第2の基板を載置する工程、前記定盤の回転により前記第1と第2の基板を回転させ遠心力の作用により第1と第2の基板の間から余分な接着剤を除去する工程、とを順次行う複合基板の製造方法において、前記第1の基板上への接着剤を滴下を、少なくとも2本以上の線状体となるように、好ましくは、該第1の基板のほぼ中央位置から周辺部に向けて少なくとも2本以上の放射状の線状体となるようにして行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の製造方法によれば、第1の基板の上へ滴下された直後の接着剤は、実質的にほぼ同じ厚みとされた少なくとも2本以上の線状体として、より好ましくは、第1の基板のほぼ中央位置から周辺部に向けて延びる実質的にほぼ同じ厚みとされた少なくとも2本以上の放射状の線状体として形成されているので、滴下された接着剤の上から第1の基板の上に第2の基板を載置するときに、等量の接着剤が山なりの状態に滴下される従来方式と比較して、第2の基板の第1の基板に対する傾斜度は大きく低減し、実質的に両者は平行状態に維持される。そのために、第2の基板を載置した後に定盤を高速回転(通常1000〜5000rpm)させても、接着剤の遠心力による広がりは均一なものとなり、第1の基板上での接着剤の厚みは均一となる。結果として、接着剤の硬化後に製造される複合基板の第1の基板と第2の基板の平行度は非常に高くなり、不良品発生の歩留まり率は大きく低減する。
【0008】
好ましい態様において、本発明による複合基板の製造方法は、前記定盤の回転により余分な接着剤を除去する工程の前工程として、滴下した接着剤を第1と第2の基板の間で周辺部近傍にまで行き渡らせる工程をさらに含むようにされる。本発明者らの実験によれば、そのような前工程を行うことにより、第1と第2の基板の間での接着剤の膜厚がさらに均一となり、気泡が含まれることもなく、双方の基板の平行度はさらに高くなることを確認できた。そして、第1の基板がきわめて薄い(50μm程度)ものである場合にも、高い平坦度は確保された。また、滴下した接着剤が第1と第2の基板の間で周辺部近傍にまで行き渡るのに要する時間は、等量の接着剤を第1の基板のほぼ中央に山なりの状態に滴下する従来方式の場合と比較して、本発明による場合には大きく短縮され、複合基板の製造に要する時間を短縮することが可能となった。
【0009】
滴下した接着剤を第1と第2の基板の間に周辺部近傍にまで行き渡らせるには、基本的には、第2の基板の重さを接着剤に作用させて接着剤を延伸させることによって行う。上位となる第2の基板は通常厚みの厚いものでありある程度の質量を有するので、接着剤の延伸はスムースに進行する。他の処理を同時に行って時間を短縮することもできる。他の処理としては、例えば、接着剤を加熱してその粘性を下げる処理や接着剤に振動を与えるような処理でもよく、遠心力の作用により余分な接着剤を除去するときの回転数よりも遅い回転数(100〜500rpm程度)で前記スピンナーを回転させるようにしてもよい。複数の処理を同時に行ってもよい。
【0010】
上記のようにして製造された複合基板は、次いで、接着剤を硬化する工程におかれる。用いる接着剤の種類に応じた最適の硬化処理が施されるが、硬化の一律性と迅速性から、接着剤として電離放射線硬化性の接着剤を用い、硬化処理を電離放射線照射によって行うことは特に好ましい態様である。
【0011】
本発明の方法は、2枚の基板がその間に接着剤を介して積層されている任意の複合基板の製造方法に用いることができ、2枚の基板に特に制限はないが、前記のように、下位となる第1の基板がごく薄いものであり、上位となる第2の基板が厚く質量の大きいものである場合に、特に有効な製造方法となる。例えば、第2の基板が光学フィルムなどの機能性材料を貼り合せた機能性を有する基板であり、第1の基板が薄板ガラス板やフィルムなどである薄膜被覆材である場合に、本発明の製造方法は有効であり、表面の均平度が高くかつ2枚の基板の平行度も高くされた複合基板を、容易かつ迅速に、また、高い再現性下で製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は本発明の製造方法を工程順に説明する図である。この例において、装置としては、スピンナー1を備える回転塗布機を使用している。スピンナー1の一端には真空吸引により塗布体が固定される。塗布液は別の加圧タンクに溜めておき、電磁弁の開閉時間の調整により一定量の塗料を吐出させて被塗布体上に滴下し、滴下後、スピンナー1を高速回転させて、遠心力により滴下された塗料を被塗布体表面に拡げる。このような回転塗布機は、比較的小型の板状体に塗布を行うのに適し、電子部品等の製造においてレジストの塗布等によく使用されているものである。以下の例では上記装置を接着剤の滴下装置として用いている。
【0013】
最初に、図1aに示すように、スピンナー1上に定盤2を固定する。通常、この種のスピンナー1は、図示しない駆動装置と制御機構とにより、停止状態から10000rpm程度の高速回転までの間の任意の回転数で回転できるようにされている。定盤2の固定は、機械的に行うなど、真空吸引以外の手段で固定しても構わない。定盤2の表側の面、すなわち、スピンナー1で固定したのとは反対側の面は、平面性を高めた平坦面とされている。定盤2としては、好ましくは、平面度が0.5μm以下である石英ガラス製のものを使用する。このように平面性を高めることにより、定盤2と第1の基板3(本発明でいう、「第1の基板」に相当する、以下、第1の基板3という)が隙間無しに接するので、真空吸引を続けるような操作を伴うことなく、定盤2と第1の基板3との密着が保たれる。
【0014】
定盤2と第1の基板3とは平坦度が高いことからそのままでも密着するが、密着性をより良好にするために、第1の基板上から加圧するようにしてもよい。定盤2の表面は高度の平面性が保たれているために、ここに密着した第1の基板3は、第1の基板3自身の厚みムラや多少のたわみがあっても、定盤2により矯正され、第1の基板3の下面、すなわち、定盤2に接している面が、定盤2の持つ平面性を持つようになる。その状態で、第1の基板3の表面に少なくとも2本以上の線状体となるようにして液状の接着剤4を滴下し(図1b)、その上に、機能性材料層6と第2の基板5との積層板5aを機能性材料層6が第1の基板3側として載置する。なお、接着剤4の滴下の態様については、後に詳細に説明する。
【0015】
好ましくは、その状態でしばらく放置し、積層板5aの重量により接着剤4が延伸して、図1cに示すように、接着剤4が第1の基板3と積層板5aの間にその周辺部近傍にまで行き渡らるようにする。それにより、接着剤4は第1の基板3と積層板5aとの間に一層均一な厚さで広がり、かつ、第1の基板3と積層板5a(第2の基板5)との平行度も一層高く確保される。放置の間に、延伸の補完的手段として、接着剤の種類に応じて、適宜の振動発生手段により接着剤4に振動を与えてもよく、接着剤4を加熱してその粘性を下げるような処理を行ってもよい。さらに、前記スピンナー1を100〜500rpm程度の低速で回転させ、それにより、第1の基板3と積層板5aの間で遠心力の作用によって接着剤4を延伸させるようにしてもよい。上記の処理を複数同時に行ってもよい。
【0016】
上記のようにして、接着剤4が第1の基板3と積層板5aの間にその周辺部近傍にまで広がった段階(図1cの状態)で、スピンナー1を高速回転(1000〜5000rpm程度)させると、接着剤4の第1の基板3と積層板5aとの間の厚みが均一に減少していき、余剰の接着剤4は周囲よりはみ出して、遠心力により振り切られる(図1d)。なお、このとき、接着剤の粘度、経過時間に対する回転数(rpm)および回転時間を調整することにより、接着剤4の厚みを適宜制御することができる。以上の工程により、第1の基板3と第2の基板5(積層板5a)が接着剤4により積層される。
【0017】
高速回転終了後、接着剤が熱硬化性のものであれば、ヒーターまたは温風等で加熱し、接着剤が電離放射線硬化性のものであれば、電離放射線放射線を照射して、接着剤を硬化させる(図1e)。この後、第2の基板5(積層板5a)と第1の基板3が一体になった複合基板Bをエアブロウまたはプラスチック製のへラのようなセパレーター7を用いて定盤2から剥離する(図1f)。そして、剥離後の複合基板8をオーブンなどに入れて、加熱処理(例えば、120℃、1時間)を加え、接着剤を完全硬化させる。上記の工程を経ることにより、本発明による複合基板は作られる。
【0018】
次に、第1の基板3の表面に液状の接着剤4を滴下する態様と、滴下に用いる滴下装置とについて説明する。図2は接着剤滴下装置の一実施の形態を示している。図2において、10は先端に接着剤吐出ノズル11を備えたディスペンサーであり、内部に液状の接着剤の吐出開始と停止及び吐出量の調整を行う流量調整開閉弁や液状接着剤の流路としての配管類などを備えている。なお、ディスペンサー10自体は従来知られたものである。
【0019】
前記ディスペンサー10はコンピュータ制御される3軸(XYZ)方向移動ステージ20に支持されており、被滴下材である平板3(実際の例では、本発明でいう「第1の基板」、以下、第1の基板3という)上の任意の位置に移動できるようX軸、Y軸方向(水平方向)に移動可能に、また、第1の基板3の表面から所定の高さまでノズル11の先端位置を調整できるようにZ軸方向(上下方向)にも移動可能とされている。このような3軸(XYZ)方向移動ステージ20も従来知られたものであり、詳細な説明は省略する。
【0020】
30は液状接着剤を収容するタンクであり、内部に加圧装置(不図示)を備えていて、収容した液状接着剤をタンク内圧力により送出できるようになっている。このような液送圧力タンクも従来知られたものであってよい。ディスペンサー10とタンク30とは液送配管31により接続されており、ディスペンサー10に配置した流量調整開閉弁を制御することにより、所定量の接着剤がディスペンサー10のノズル11から吐出される。
【0021】
40はシステムコントローラであり、図3に示すように、前記3軸方向移動ステージ20を制御する制御回路41と、ディスペンサー10の流量調整開閉弁の開閉タイミング及び開度を制御するディスペンサー制御回路42とを備えるとともに、前面パネルには、入力用キーボート43やディスプレー44などが備えられている。
【0022】
図2に示すように、滴下作業の開始に当たり、作業台(定盤)上に第1の基板3をセットする。そして、第1の基板3における接着剤の滴下開始位置r(1個又は複数個)と滴下停止位置R(1個又は複数個)とを座標入力し、次いで、吐出開始信号を入力する。それにより、ディスペンサー10は開始位置rへ移動し、到達後に、ディスペンサー10のノズル11が降下して所定の高さで接着剤の吐出が開始する。接着剤の吐出を継続しながら、ディスペンサー10は停止位置Rへ移動し、そこで接着剤の吐出を停止する。それにより、例えば図4B−1に示すように、第1の基板3のほぼ中央を通過し、かつ、一方の辺近傍から他方の辺近傍に向けて延びる、接着剤による第1の線状体L1が形成される。次に、第1の基板3を90度回転させるか、ディスペンサー10を90度変位させた後、同じ滴下操作を行う。それにより、第1の線状体L1の長手方向のほぼ中央位置において90度の角度で交差する第2の線状体L2が形成される。
【0023】
図2に示した装置を用い、滴下開始位置rと滴下停止位置Rの座標位置を適宜設定することにより、第1の基板3の上に実質的にほぼ同じ厚みとされた2本以上の線状体、好ましくは第1の基板3のほぼ中央位置から周辺部に向けて延びる実質的にほぼ同じ厚みとされた少なくとも2本以上の放射状の線状体として、接着剤4を滴下することが可能となる。図4C−1は、第1の基板3の対角線上を走る2本の放射状の線状体として接着剤を滴下した態様であり、図4D−1は全体としてYの字となる3本の放射状の線状体として接着剤を滴下した態様である。他にも多くの態様をとることができる。滴下された接着剤は、静置しておくことにより、例えばB−1→B−2→B−3のように、次第に第1の基板3の周辺部近傍にまで広がっていく。
【0024】
【実施例】
次に、実施例により本発明を説明する。
[実施例1]第1の基板3に相当する薄板ガラス(AF45:ショット社製、熱膨張係数45×10−7/℃、厚さ50μm、140mm角)を定盤2(AL硝子:旭硝子社製、熱膨張係数37×10−7/℃、厚さ6.35mm、140mm角、平坦性5μm以下)に貼り付け、第1の基板3側を上にして、平坦性を有する定盤2をスピンナー1上に固定した。定盤2、第1の基板3の双方共、洗浄済のものを使用し、貼り付け時に、異物等の混入を防ぐためクリーンルーム内の清浄度の高いクリーンベンチ内で行った。
【0025】
次に、第1の基板3の上にディスペンサー(エッペンドルフ社製:マルチペット4980)を用いて前記したようにX形、Y形に接着剤4(ノーランド社製ノーランド65、粘度1000[cps]23℃)を4g滴下した。滴下後、その上に機能性を有する第2の基板5(ブランクス(石英:旭ガラス社製、厚さ2.3mm、150mm角、平坦度5μm以下))を積載した。その状態でしばらく放置した後、回転チャック1を高速回転(1000〜5000rpm)させると接着剤は完全に複合基板全体に均一に行き渡り、それに伴って接着剤の厚みが減少し複合基板からはみ出た接着剤は複合基板を汚すことなく周辺に振り切れた。接着剤4の硬化後、定盤2から複合基板をエアブロウを用いて剥離した。以上の工程より複合基板10が完成した。
【0026】
[実施例2]実施例1におけるディスペンサーによる接着剤4gの滴下を、図4B−1,図4C−1,図4D−1に示す形状となるように行った。そのまま静止状態で放置し、接着剤が有効領域(この例では、150mm角の第1の基板内の110m角の領域)まで行き渡る時間(実質的に、図4B−3,図4C−3,図4D−3に示される状態となるまでの時間)を測定した。その結果を表1に示す。
【0027】
[実施例3]実施例1におけるディスペンサーによる接着剤4gの滴下を、図4B−1,図4C−1,図4D−1に示す形状となるように行い、その上に機能性を有する第2の基板5(ブランクス(石英:旭ガラス社製、厚さ2.3mm、150mm角、平坦度5μm以下)を積載して4分間放置した。その後、回転チャック1を高速回転(1000〜5000rpm)させて余分な接着剤を振り切った後、電離放射線を照射して接着剤を硬化させて、複合基板を完成した。それぞれについて、接着剤膜厚の均一性σと平均膜厚を測定した。また、2枚の基板間の平行度も測定した。その結果を表1に示す。
【0028】
[比較例1]基板の中央に同じ接着剤4gを図4A−1に示すように山なりに滴下し、以下、実施例2及び3と同様にして、有効利用域に行き渡るまでの時間、膜厚均一性、平均膜厚、平行度を測定した。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0004736198
(なお、滴下時での室温は22℃、滴下時間はすべて10秒で行った。膜厚は有効領域110mm角の面内16箇所(碁盤目状)のポイントを測定した。)
【0030】
表1から、従来の滴下方法(図4A−1)に対して、本発明による滴下方法では、接着剤が行き渡るまでの時間が短縮され、かつ、得られる複合基板の膜厚均一性、平行度ともに向上する結果となっていることがわかる。
【0031】
なお、前記平行度の測定には、フィゾー干渉計(フジノン社製:Fuji Fix05)を使用した。平行度の測定は、複合基板の底面の反射光の情報が得られるように平坦性を有する白紙の上に複合基板を置き、薄板表面反射光と複合基板底面反射光との干渉による干渉縞の本数をカウントし、平行度を算出した。測定位置は、複合基板中央の有効領域(110mm角)のうち8箇所の設定領域(25H×35W[mm])の干渉縞本数を測定した。また、干渉縞のカウントは、一旦、画像を静止画像としてビデオプリンタに取り込みカウントした。また、2枚の基板間の接着剤の厚みは表面解析装置(キーエンス社製:LT8100,2点間モード)を用いて測定した。
【0032】
[実施例4]4gではなく3.5gの量の接着剤を図4B−1のパターンに滴下して、図4B−3に示す形状となるまでの時間を測定したところ、4分12秒であった。これは、図4A−1に示す従来例での所要時間とほぼ同じ時間であり、従来の製造速度でもって本発明の製造方法により複合基板を製造する場合には、より少ない接着剤量で所要の複合基板を製造できることを示している。この点からも、本発明の製造方法の有効性が示される。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、種々の機能が表面に付与された基板に接着剤を介して薄膜被覆材を貼り合わせて複合基板を製造するような場合に、接着剤の膜厚均一性が高く、かつ、2つの基板間の平行度の向上した複合基板をより短い時間で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の製造過程を説明するための図。
【図2】本発明の製造方法において用いられる接着剤滴下装置の一実施の形態を説明する図。
【図3】図3に示す接着剤滴下装置のシステムコントローラのブロック図。
【図4】第1の基板への接着剤の滴下態様とその広がり具合を説明する図であり、図4A−1〜図4A−3は従来のものを示しており、図4B−1〜図4B−3、図4C−1〜図4C−3、及び、図4D−1〜図4D−3は本発明によるものを示している。
【符号の説明】
1…スピンナー、2…定盤、3…第1の基板(薄板)、4…接着剤、5…第2の基板、10…ディスペンサー、11…ノズル、20…3軸(XYZ)方向移動ステージ、30…液状接着剤の収容タンク、40…システムコントローラ、r…接着剤滴下開始位置、R…接着剤滴下終了位置

Claims (5)

  1. 回転速度が可変とされかつ平面性を高めた平坦面を表面に持つ定盤の上に第1の基板を密着させる工程、前記第1の基板の上に接着剤を滴下する工程、前記接着剤の上から前記第1の基板の上に第2の基板を載置する工程、前記定盤の回転により前記第1と第2の基板を回転させ遠心力の作用により第1と第2の基板の間から余分な接着剤を除去する工程、接着剤を硬化させる工程とを順次行う複合基板の製造方法において、
    前記第1の基板上への接着剤を滴下を、少なくとも2本以上の線状体となるようにして行うことを特徴とする複合基板の製造方法。
  2. 前記第1の基板の上への接着剤を滴下を、該第1の基板のほぼ中央位置から周辺部に向けて少なくとも2本以上の放射状の線状体となるようにして行うことを特徴とする請求項1記載の複合基板の製造方法。
  3. 前記定盤の回転により余分な接着剤を除去する工程の前工程として、滴下した接着剤を第1と第2の基板の間で周辺部近傍にまで行き渡らせる工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2記載の複合基板の製造方法。
  4. 前記接着剤が電離放射線硬化型であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の複合基板の製造方法。
  5. 前記第2の基板が光学フィルムなどの機能性材料を貼り合せた機能性を有する基板であり、前記第1の基板が薄板ガラス板やフィルムなどである薄膜被覆材であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の複合基板の製造方法。
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