JP2021015776A - リチウムイオン電池用正極活物質スラリー、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用正極活物質スラリー、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を安定して得ることができるリチウムイオン電池用正極活物質スラリーを提供すること。【解決手段】正極活物質と電解液とを含むリチウムイオン電池用正極活物質スラリーであって、直径50mmのパラレルプレートを用いて回転粘度計で測定した上記正極活物質スラリーのせん断速度0.01/秒の定せん断速度における、25℃での粘度が2.0×106〜5.0×107mPa・sであり、上記電解液の電解質濃度が2.5〜4mol/Lであることを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池用正極活物質スラリー、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池に関する。
近年、環境保護のため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池に注目が集まっている。
このようなリチウムイオン電池を製造する方法として、例えば、特許文献1には、正極集電体及び負極集電体上に正極活物質粒子と結着剤とを溶剤に溶解分散して得られる正極スラリーと負極活物質粒子と結着剤とを溶剤に溶解分散して得られる負極スラリーとをそれぞれ塗布して塗膜を形成した後、塗膜を乾燥、焼結等することなく、集電体に正極電極組成物又は負極電極組成物を直接配置することでリチウムイオン電池を得るリチウムイオン電池の製造方法が開示されている。
特開2017−10937号公報
特許文献1に記載された方法では、電極活物質スラリーを塗布して塗膜を形成した後、塗膜を乾燥、焼結等をする必要が無いので、リチウムイオン電池を効率よく製造することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、正極活物質スラリーにおいて正極活物質の比重が大きいために、長期間貯蔵すると、固液分離を起こしたり、導電助剤が凝集したりすることがあった。そのため、上記正極活物質スラリーを用いて得られるリチウムイオン電池の電極の耐久性、電池容量及び電気抵抗値にバラツキが生じることがあり、改善の余地があった。
以上の状況を踏まえて、本発明は、耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を安定して得ることができるリチウムイオン電池用正極活物質スラリーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、正極活物質スラリーの粘度と電解質濃度を調整することにより、正極活物質スラリーの貯蔵安定性を向上することができ、正極活物質スラリーの固液分離や導電助剤の凝集といった問題を解決でき、本発明の正極活物質スラリーを用いることにより、耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を安定して得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、正極活物質と電解液とを含むリチウムイオン電池用正極活物質スラリーであって、直径50mmのパラレルプレートを用いて回転粘度計で測定した上記正極活物質スラリーのせん断速度0.01/秒の定せん断速度における、25℃での粘度が2.0×10〜5.0×10mPa・sであり、上記電解液の電解質濃度が2.5〜4mol/Lであることを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質スラリー;集電体上に、上記リチウムイオン電池用正極活物質スラリーにより形成された正極活物質層を有することを特徴とするリチウムイオン電池用正極;上記リチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明によれば、耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を安定して得ることができるリチウムイオン電池用正極活物質スラリーを提供することができる。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、正極活物質と電解液とを含む。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1−xCo、LiMn1−yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜35μmであることがより好ましく、2〜30μmであることが更に好ましい。
本明細書において、体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
正極活物質は、導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆正極活物質であることが好ましい。
正極活物質の周囲が被覆用樹脂で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
導電助剤としては、金属系導電助剤[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、炭素系導電助剤[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電助剤及びこれらの混合物であり、更に好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電助剤であり、特に好ましくは炭素系導電助剤である。
またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電助剤として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μm程度であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
被覆用樹脂と導電助剤の比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で被覆用樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤が1:0.01〜1:50であることが好ましく、1:0.2〜1:3.0であることがより好ましい。
被覆用樹脂としては、特開2017−054703号公報に非水系二次電池活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
後述する正極活物質スラリーの粘度を好適に調整する観点から、リチウムイオン電池用正極活物質スラリーの重量に対して、正極活物質の重量割合は、60〜80重量%であることが好ましく、65〜75重量%であることが更に好ましい。
電解液としては、電解質及び溶媒を含む。
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO及びLiN(FSO等の無機アニオンのリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機アニオンのリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiN(FSOである。
溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
ラクトン化合物としては、5員環(γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ−バレロラクトン等)等を挙げることができる。
環状カーボネートとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−トリフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン及び2−メトキシエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状カーボネート、鎖状カーボネート及びリン酸エステルであり、更に好ましいのはラクトン化合物、環状カーボネート及び鎖状カーボネートであり、特に好ましいのは環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合液、又は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合液である。
また、溶媒の内、電極の耐久性を好適に付与する観点から、電解液の全溶媒に対する環状カーボネートの体積比率が、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることが更に好ましい。
電解液は、電解質濃度が2.5〜4mol/Lである。
このような電解液を用いることにより、正極活物質スラリーが固液分離を起こしたり、導電助剤が凝集したりすることを抑制することができるので、耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を安定して得ることができる。
電解液は、電解質濃度が2.7〜4.0mol/Lであることが好ましく、3.0〜4.0mol/Lであることが更に好ましい。
電解液は、25℃での粘度が、30〜100mPa・sであることが好ましく、50〜95mPa・sであることが更に好ましい。
電解液の粘度をこのような範囲とすることにより、電解液の液膜が正極活物質表面に保持され、正極活物質の分散状態を好適に維持することができる。
なお、「電解液の粘度」とは、JIS K7117−2:1999「プラスチック−液状、乳濁状又は分散状の樹脂−回転円時計による定せん断速度での粘度の測定方法」に準拠し、コーンプレート型回転粘度計(治具半径24mm、角度1.34°)(例えば、東機産業(株)製のTV25型粘度計)を用いて測定された25℃における粘度を意味する。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、被覆正極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでもよい。
導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
炭素系導電助剤は、正極活物質スラリーの固液分離や導電助剤の凝集を抑制する観点及び正極の電子抵抗を低減する観点から、リチウムイオン電池用正極活物質スラリーの被覆正極活物質の重量に対して、炭素系導電助剤の重量割合が0.1〜10重量%であることが好ましく、3〜7重量%であることが更に好ましい。
なお、炭素系導電助剤の含有量は、リチウムイオン電池用正極活物質スラリーの被覆正極活物質の重量に対する含有量であり、被覆正極活物質に含まれる炭素系導電助剤の含有量と、被覆正極活物質以外に含まれる炭素系導電助剤の含有量を合計した含有量である。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、増粘剤を含んでもよい。
増粘剤としては、例えば、無機系粘度調整剤(ケイ酸ソーダやベントナイト等)、セルロース系粘度調整剤(Mnが20,000以上のメチルセルロール、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等)、タンパク質系粘度調整剤(カゼイン、カゼインソーダ及びカゼインアンモニウム等)、アクリル系(Mnが20,000以上のポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸アンモニウム等)及びビニル系粘度調整剤(Mnが20,000以上のポリビニルアルコール等)が挙げられる。
増粘剤の含有量は、正極活物質スラリーの全量に対して、3重量%以下であることが好ましい。
このような含有量であれば、正極活物質スラリーに粘度を付与できるが、正極活物質の位置を固定する結着剤(バインダ)としては作用しない。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、上述した材料を混合し、混錬することにより得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、せん断速度0.01/秒の定せん断速度における、25℃での粘度が2.0×10〜5.0×10mPa・sである。
このような粘度とすることにより、正極活物質スラリーが固液分離を起こしたり、導電助剤が凝集したりすることを抑制することができるので、耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を安定して得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、せん断速度0.01/秒の定せん断速度における、25℃での粘度が3.0×10〜2.0×10mPa・sであることが好ましく、5.0×10〜1.0×10mPa・sであることが更に好ましい。
なお、「正極活物質スラリーの粘度」は、JIS K 7117:1999「プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法」に記載の円すい−平板システムに準拠した回転粘度計、例えば、アントンパール社製レオメータ・MCR502を用い、作製5分後のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーをスパチュラ等で容器から適量取得して測定ステージにとり、ステージ上の試料を直径50mmの円盤形状のパラレルプレートで挟み、円盤形状のパラレルプレートからはみ出した余分な試料をスキージ等で取り除いた上で、ステージの温度が25℃に達した後、せん断速度0.01/秒の定せん断速度で測定した粘度(本明細書においては、初期粘度ともいう)を意味する。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、正極活物質スラリーの固液分離や導電助剤の凝集を好適に抑制する観点から、粘度維持率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることが更に好ましい。
なお、「粘度維持率」とは、本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーを得た直後の初期粘度と、露点−45℃、温度25℃のドライエアー環境下で3時間静置後の粘度とを上述した「正極活物質スラリーの粘度」に準拠した方法により測定し、(初期粘度)/(3時間静置後の粘度)により求めることができる。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーは、集電体上に付与されることにより、正極活物質層を形成することができる。
このような、集電体上に、本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーにより形成された正極活物質層を有することを特徴とするリチウムイオン電池用正極もまた、本発明の一態様である。
集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。なかでも、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウムである。また集電体は、導電性高分子材料からなる樹脂集電体であることが好ましい。
集電体の形状は特に限定されず、上記の材料からなるシート状の集電体、及び、上記の材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。
集電体の厚さは、特に限定されないが、50〜500μmであることが好ましい。
樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては例えば、導電性高分子や、樹脂に必要に応じて導電剤を添加したものを用いることができる。
導電性高分子材料を構成する導電剤としては、被覆用樹脂の任意成分である導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、更に好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
本発明のリチウムイオン電池用正極を製造する方法としては、例えば、本発明のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーを、集電体上にバーコーター等の塗工装置で塗布後、不織布を活物質上に静置して吸液すること等で、溶媒を除去し、必要によりプレス機でプレスする方法等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン電池用正極は、電気抵抗及び電池容量の観点から、空隙率が40%以下であることが好ましく、38%以下であることが更に好ましい。
なお、「空隙率」とは、リチウムイオン電池用正極が電解液を含浸していない状態で正極活物質層が有する空隙のことを指す。空隙率は正極活物質層をX線コンピュータ断層撮影(CT)等による画像解析で求めることもできる。
ただし、正極活物質層が電解液や他の成分を含んでおり、空隙を含む正極活物質層のX線CT画像を得られない場合には、以下の方法により測定するものとする。
一定体積の正極活物質層を構成する各固体成分(電解質を除く)の重量を各成分の真密度でそれぞれ除して得られる各成分の体積値の合計値を正極活物質層の体積から引いて得られる値をさらに正極活物質層の体積で除することにより算出することができる。
本発明のリチウムイオン電池用正極の厚みは、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用正極を用いたリチウムイオン電池は、対極となる電極を組み合わせて、セパレータと共にセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することで得られる。
また、集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成してバイポーラ(双極)型電極を作製し、バイポーラ(双極)型電極をセパレータと積層してセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することでも得られる。
このような本発明のリチウムイオン電池用正極を用いてなるリチウムイオン電池もまた、本発明の一態様である。
負極としては、負極活物質、導電助剤及び集電体等を含むものが挙げられる。
負極活物質としては、公知のリチウムイオン電池用負極活物質が使用でき、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素−炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素−アルミニウム合金、珪素−リチウム合金、珪素−ニッケル合金、珪素−鉄合金、珪素−チタン合金、珪素−マンガン合金、珪素−銅合金及び珪素−スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
また、負極活物質は、上述した被覆正極活物質と同様の被覆用樹脂により被覆されていてもよい。
また、導電助剤は、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤を好適に用いることができる。
集電体としては、上述した正極を構成する集電体と同様のものが挙げられ、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、銅であることが好ましい。
また、樹脂集電体であってもよく、上述した正極を構成する集電体と同様のものを好適に用いることができる。
集電体の厚さは、特に限定されないが、10〜60μmであることが好ましい。
セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用のセパレータが挙げられる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
以下の実施例で使用した材料は下記の通りである。
<製造例1>
[電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを3.0mol/Lの割合で溶解させて電解液(E−1)を準備した。
なお、電解液(E−1)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、40mPa・sであった。
<製造例2>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを2.5mol/Lの割合で溶解させて電解液(E−2)を準備した。
なお、電解液(E−2)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、30mPa・sであった。
<製造例3>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを4.0mol/Lの割合で溶解させて電解液(E−3)を準備した。
なお、電解液(E−3)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、86mPa・sであった。
<製造例4>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを2.0mol/Lの割合で溶解させて電解液(E−4)を準備した。
なお、電解液(E−4)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、16mPa・sであった。
<製造例5>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを5.0mol/Lの割合で溶解させて電解液(E−5)を準備した。
なお、電解液(E−5)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、125mPa・sであった。
<製造例6>
電解液(E−4)100重量部に、増粘剤(東亜合成製アルフォンUP−1110)を5重量部添加し、溶解させて電解液(E−6)を準備した。
なお、電解液(E−6)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、56mPa・sであった。
<製造例7>
電解液(E−1)100重量部に、増粘剤(東亜合成製アルフォンUP−1110)を5重量部添加し、溶解させて電解液(E−7)を準備した。
なお、電解液(E−7)について、東機産業(株)製のTVE−25型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、132mPa・sであった。
<実施例1>
[被覆用樹脂を構成する高分子化合物の作製]
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF150.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸メチル10.0部、アクリル酸90.0部及びDMF50部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF30部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度30%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して150℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の高分子化合物を得た。
[被覆正極活物質の作製]
電極活物質粉末(LiNi0.8Co0.15Al0.05粉末、体積平均粒子径4μm)100部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、得られた高分子化合物をDMFに3.0重量%の濃度で溶解して得られた高分子化合物溶液10.0部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤としてアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]6.2部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を150℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、被覆正極活物質を得た。
[正極活物質スラリーの作製]
上記被覆活物質99部と製造例1で作製した電解液(E−1)46部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<実施例2>
上記被覆活物質99部と製造例2で作製した電解液(E−2)47部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<実施例3>
上記被覆活物質99部と製造例3で作製した電解液(E−3)45部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<実施例4>
上記被覆活物質99部と製造例3で作製した電解液(E−3)40部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<比較例1>
上記被覆活物質99部と製造例4で作製した電解液(E−4)45部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<比較例2>
上記被覆活物質99部と製造例5で作製した電解液(E−5)51部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<比較例3>
上記被覆活物質99部と製造例6で作製した電解液(E−6)49部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<比較例4>
上記被覆活物質99部と製造例7で作製した電解液(E−7)53部と炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]1部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。
<正極活物質スラリーの粘度測定>
(初期粘度)
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた正極活物質スラリーについて、アントンパール社製レオメータ・MCR502を用いて、作製5分後の正極活物質スラリーをスパチュラで容器より適量取得しステージにとり、ステージ上の試料を直径50mmの円盤形状のパラレルプレートで挟み、円盤形状のパラレルプレートからはみ出した余分な試料をスキージ等で取り除いた上で、ステージの温度が25℃に達した後、せん断速度0.01/秒の定せん断速度で測定した。
(3時間経過後の粘度)
また、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた正極活物質スラリーを露点−45℃、温度25℃の環境下で3時間静置した後、アントンパール社製レオメータ・MCR502を用いて、正極活物質スラリーをスパチュラで容器より適量取得しステージにとり、ステージ上の試料を直径50mmの円盤形状のパラレルプレートで挟み、円盤形状のパラレルプレートからはみ出した余分な試料をスキージ等で取り除いた上で、ステージの温度が25℃に達した後、せん断速度0.01/秒の定せん断速度で測定した。
[リチウムイオン電池用正極の作製]
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた正極活物質スラリーを露点−45℃、温度25℃環境下に3時間静置した後、それぞれアルミニウム箔上に目付量が55mg/cmとなるよう塗布し、0.9MPaの圧力で約10秒プレスし、実施例1〜4及び比較例1〜4に係るリチウムイオン電池用正極(58mm×42mm)を作製した。
[リチウムイオン電池用負極の作製]
ハードカーボン[クレハ(株)製]、電解液(E−4)、炭素繊維[昭和電工(株)製VGCF:平均繊維長10μm、平均繊維径150nm]を遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合して、負極活物質スラリーを作製した。
得られた負極活物質スラリーを、銅箔上に目付量26mg/cmとなるよう塗布し、0.9MPaの圧力で約10秒プレスし、リチウムイオン電池用負極(60mm×44mm)を作製した。
<リチウムイオン電池用正極の空隙率測定>
正極活物質層をX線CT装置により測定して得たX線CT画像から以下の方法により空隙率を求めた。
まず、アラミドセパレータの厚さ方向及びこれに垂直な方向の2つの方向における断面画像としてX線CT画像を得る。その後、各方向の断面画像において無作為に10箇所抽出した50μm×50μmの領域について、領域全体のうち空隙が占める面積をそれぞれ求め、これを平均した値を空隙率とした。
なお、上記空隙率が小さい値である程、電気容量が大きいことを意味する。
[リチウムイオン電池の作製]
得られたリチウムイオン電池用正極を、セパレータ[セルガード製#3501]を介し、上記リチウムイオン電池用負極と組み合わせ、ラミネートセルを作製した。
<容量維持率>
得られたリチウムイオン電池について、25℃下、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で2.5Vまで放電し、この充放電を100サイクル繰り返した。
この時の初回充電時の電池容量(初期放電容量)と100サイクル目充電時の電池容量(100サイクル後放電容量)を測定した。下記式から放電容量維持率を算出した。結果を表1に示す。なお、数値が大きいほど、電池の劣化が少ないことを示す。
放電容量維持率(%)=(100サイクル目放電容量/1サイクル目放電容量)×100
<電気抵抗値の評価>
得られたリチウムイオン電池について、室温下、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で2.5Vまで放電した。
リチウムイオン電池の電気抵抗値は、1サイクル目の放電開始からの10秒間の電圧降下から算出した。
Figure 2021015776
表1より、実施例1〜4では、耐久性に優れたリチウムイオン電池用正極、電池容量及び電気抵抗値に優れたリチウムイオン電池を得ることができることが確認された。
一方で、電解液の電解質濃度及び正極活物質スラリーの粘度が所定の範囲では無い比較例1〜4では、リチウムイオン電池用正極の耐久性、リチウムイオン電池の電池容量及び電気抵抗値において実施例1〜4よりも劣ることが確認された。
本発明の正極活物質スラリーは、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられるリチウムイオン電池用の正極活物質スラリーとして有用である。

Claims (8)

  1. 正極活物質と電解液とを含むリチウムイオン電池用正極活物質スラリーであって、
    直径50mmのパラレルプレートを用いて回転粘度計で測定した前記正極活物質スラリーのせん断速度0.01/秒の定せん断速度における、25℃での粘度が2.0×10〜5.0×10mPa・sであり、
    前記電解液の電解質濃度が2.5〜4mol/Lである
    ことを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。
  2. 前記電解液の25℃での粘度が、30〜100mPa・sである請求項1に記載のリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。
  3. リチウムイオン電池用正極活物質スラリーの重量に対して、正極活物質の重量割合が60〜80重量%である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。
  4. 前記電解液の全溶媒に対する環状カーボネートの体積比率が、50体積%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。
  5. 前記正極活物質が、導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆正極活物質である請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。
  6. リチウムイオン電池用正極活物質スラリーの被覆正極活物質の重量に対して、炭素系導電助剤の重量割合が0.1〜10重量%である請求項5に記載のリチウムイオン電池用正極活物質スラリー。
  7. 集電体上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質スラリーにより形成された正極活物質層を有することを特徴とするリチウムイオン電池用正極。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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