JP2021008726A - ロック機構 - Google Patents
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Abstract
Description
グローブボックスは、車両のインストルメントパネルに取付けられ、当該インストルメントパネルに設けられた開口を閉じる閉位置と、当該開口を開く開位置との間を状態変化する。サイドロック機構は、グローブボックスに取付けられ、グローブボックスを閉位置にロックする。
このようなサイドロック機構においては、係止位置にあるロッドが、インストルメントパネルにおいてリッドの両サイドに設けられた係止受け部と係止することで、グローブボックスを閉位置にロックする。また、このとき、ユーザーの操作によりノブが位置変化し、それに伴いロータが回動することで、ロッドもまた係止位置から解除位置に位置変化する。すると、ロッドと係止受け部との係止が解除されて、グローブボックスのロックが解除される。つまり、このときグローブボックスは、開位置に状態変化可能となる。
特許文献1に紹介されているような回動型のノブであれば、ノブを小型化する場合には、充分な状態変化量を確保するために、ノブの回動角度を大きくする必要がある。この場合、ノブの操作に要するユーザーの動作量が増大し、サイドロック機構の使用感が損なわれる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、動作性の向上したロック機構を提供することを目的とする。
ロータ回動軸と、前記ロータ回動軸に対して径方向の外側にある一対のロッド接続部と、前記ロータ回動軸に対して径方向の外側にある受圧面と、を有し、前記ロータ回動軸を中心として係止入力位置と解除入力位置との間を回動するロータと、
ノブ回動軸と、前記ノブ回動軸に対して径方向外側にある押圧部と、を有し、前記ノブ回動軸を中心として通常位置と解除操作位置との間を回動するノブと、
前記一対のロッド接続部の一方および他方に各々に接続される一対のロッドを有し、前記ロータの前記係止入力位置と前記解除入力位置との間の回動に伴って係止状態と解除状態との間を状態変化する係止部と、
前記ロータを前記係止入力位置に付勢するロータ付勢部材と、
前記ノブを前記通常位置に付勢するノブ付勢部材と、を具備し、
前記ノブが前記通常位置から前記解除操作位置まで回動する開操作時において、
前記ノブの前記押圧部が前記ロータの前記受圧面上を摺動しつつ前記受圧面を押圧して、前記ロータを前記係止入力位置から前記解除入力位置に回動させ、
下記(A)と(B)との関係が(A)≧0.8×(B)である、ロック機構である。
(A)前記受圧面における前記押圧部の摺動軌跡を、前記ロータの軸直方向断面上に投影した長さ、
(B)前記押圧部が実際に位置変化した長さ。
本発明のロック機構においては、ノブの押圧部がロータの受圧面上を摺動しつつ受圧面を押圧する。このため、押圧部が受圧面上を摺動することで、ノブの回動により生じるトルクは受圧面に滑らかに伝達される。換言すると、本発明のロック機構においては、ノブの操作に過大な力を必要としない。
(A)前記受圧面における前記押圧部の摺動軌跡を、前記ロータの軸直方向断面上に投影した長さ、
(B)前記押圧部が実際に位置変化した長さ。
よって、本発明のロック機構においては、例えばノブの回動角度が小さくても、ロータを充分に回動させ得るということができ、このような本発明のロック機構は動作性に優れるといい得る。
ロータは、ロータ回動軸、受圧面および一対のロッド接続部を有し、ロータ回動軸を中心に回動する。ロータ回動軸はロータの回動中心を意味し、その形状は特に限定されない。例えば、ロータ回動軸は実際にシャフト状をなしても良いし、或いは孔状をなしても良い。受圧面およびロッド接続部は、ロータ回動軸に対して径方向の外側にある。したがって、ロータの回動と、受圧面およびロッド接続部の位置変化とは、互いに連動する。
なお、本明細書において「軸直方向」とは、軸方向に直交する方向を意味する。
ノブは、通常位置と、解除操作位置との間を回動する。ノブが通常位置から解除操作位置まで回動する開操作時において、ノブの押圧部がロータの受圧面上を摺動しつつ受圧面を押圧して、ロータを係止入力位置から解除入力位置に回動させる。したがって、開操作初期においてノブの押圧部は上記した受圧面の第1端部に当接し、その後、当該押圧部は受圧面上を第2端部に向けて摺動するといえる。
このように動作するノブの回動軸、すなわち、ノブ回動軸は、ロータ回動軸とは交差する方向に延びれば良い。
よって、受圧部は、曲面状であるのが好ましく、曲率一定の弧面状であるのがより好ましいといい得る。
ロータ付勢部材は、ロータを係止入力位置に付勢できるものであれば良い。このようなロータ付勢部材としては、例えば、ねじりコイルバネやつる巻きバネ等の公知の付勢部材を用いれば良い。ロータ付勢部材は、ロータに取付けられても良いが、係止部に取付けられても良い。係止部を付勢することで、間接的に、ロータを付勢することが可能なためである。
ノブ付勢部材は、ノブを通常位置に付勢できるものであれば良く、上記したロータ付勢部材と同様に、ねじりコイルバネやつる巻きバネ等の公知の付勢部材を用いれば良い。
実施例1のロック機構は、グローブボックスのサイドロック機構である。
車両に搭載した実施例1のロック機構および当該ロック機構を具備するグローブボックスを模式的に表す説明図を図1に示す。実施例1のロック機構を分解した様子を模式的に表す説明図を図2に示す。実施例1のロック機構におけるノブおよびロータの動作を模式的に表す説明図を図3〜図7に示す。実施例1のロック機構におけるノブおよびロータの動作の推移を模式的に表す説明図を図8に示す。
以下、上、下、左、右、前、後とは、図1および図2に示す上、下、左、右、前、後を意味するものとする。
したがって、以下必要に応じて、図3、図5および図6をロータの軸直方向断面を表す図とみなす場合がある。
さらに、図3は、ノブが通常位置にあり、ロータが係止入力位置にある実施例1のロック機構を表す。また図6は、ノブが解除操作位置にあり、ロータが解除入力位置にある実施例1のロック機構を表す。図5は、ノブが通常位置と解除操作位置との間のノブ所定位置にあり、ロータが係止入力位置と解除入力位置との間のロータ所定位置にある実施例1のロック機構を表す。図4は、図3に示すようにノブが通常位置にあり、ロータが係止入力位置にある実施例1のロック機構を、A−A位置で切断した様子を表す。図7は、図6に示すようにノブが解除操作位置にあり、ロータが解除入力位置にある実施例1のロック機構を、A−A位置で切断した様子を表す。
ロータ2、ノブ4、係止部6、ロータ付勢部材80およびノブ付勢部材85は、何れも、ベース7に直接的または間接的に取付けられる。ベース7は、グローブボックス90のリッド92における前側の面(つまり裏面)に取付けられる。図1に示すように、リッド92には窓部92Wが設けられており、ベース7における後側の面に取付けられたノブ4は、当該窓部92Wを通じてリッド92における後側の面(つまり表面)に露出する。
付勢支持部71は、ベース7の底壁7Bの後面から後方に向けて突起するリブ状をなす。付勢支持部71には、つる巻きバネ状のノブ付勢部材85が装着される。
ロータ軸支部72は、ベース7の底壁7Bの前面から前方に向けて突起するシャフト状をなす。
第1腕部21および第2腕部22は長尺状をなし、受圧部23は弧面を有する略扇形状をなす。
第1腕部21の突出端部には前方に向けて突起するシャフト状の第1ロッド接続部21Cが設けられている。第2腕部22の突出端部には前方に向けて突起するシャフト状の第2ロッド接続部22Cが設けられている。第1ロッド接続部21Cおよび第2ロッド接続部22Cは、本発明のロック機構1におけるロッド接続部に相当する。
なお、ロータ軸孔部20にはロータ付勢部材80が装着される。ロータ付勢部材80はねじりコイルばね状をなし、その一端がロータ軸孔部20に固定される。ロータ付勢部材80の他端はベース7に固定される。
操作桿40は、長尺の略板状をなし、その長手方向を左右に向ける。
なお、実施例1のロック機構1では、ノブ4がノブ回動軸4Aを中心に回動すると、図3、図5および図6に示すように、ノブ4の押圧部43は、ロータ回動軸2Aの軸直方向断面においてロータ回動軸2Aを通る直線LA上を位置変化する。
リッド92が図1に示す閉位置にある時に、ロック機構1のノブ4はノブ付勢部材85に付勢されており、図2、図3および図4に示す通常位置にある。ロータ2はロータ付勢部材80に付勢されており、図2、図3および図4に示す係止入力位置にある。
すると、ノブ4の押圧部43は、ロータ2の受圧面23Rを右側から左側に向けて押圧する。既述したように、ノブ4の押圧部43は、ロータ回動軸2Aの軸直方向断面においてロータ回動軸2Aを通る直線LA上を位置変化するため、このときノブ4はロータ2の受圧面23Rをロータ回動軸2Aに向けて押圧するともいえる。
(A)受圧面23Rにおける押圧部43の摺動軌跡をロータ2の軸直方向断面上に投影した長さ(つまり、図3に示す受圧面23Rの第1当接点23FPから第2当接点23SPまでの長さ)と、
(B)押圧部43が実際に位置変化した長さとは、ほぼ(A)=(B)の関係となる。
さらに、ノブ4の押圧部43がロータ2の受圧面23R上を摺動することで、ノブ4の操作に過大な力を必要としない。
よって、実施例1のロック機構1によると、係止部6を、解除状態になるまでしっかりと動作させることができ、開操作によってグローブボックス90のロックが信頼性高く解除される。
以上の協働により、実施例1のロック機構1は動作性に優れる。
実施例2のロック機構は、ノブの形状、ロータの形状、および押圧部と受圧面との位置関係以外は、実施例1のロック機構と概略同じである。
実施例2のロック機構におけるノブおよびロータを説明する説明図を図9および図10に示す。なお、図9および図10は、実施例1の図3、図5および図6と同様に、実施例2のロック機構を前側から見た様子を表す。当該図9、図10における各要素の位置関係は、図3、図5および図6と同様に、ロータの軸直方向断面における各要素の位置関係と同じであるため、実施例2においても、必要に応じて、図9および図10をロータの軸直方向断面を表す図とみなす。
(A)受圧面23Rにおける押圧部43の摺動軌跡をロータ2の軸直方向断面上に投影した長さ(つまり、図9に示す受圧面23Rの第1当接点23FPから第2当接点23SPまでの長さ)と、
(B)押圧部43が実際に位置変化した長さとは、ほぼ(A)=(B)の関係となる。
また、上記(A)、(B)の関係はほぼ(A)=(B)となる。
このため、実施例2のロック機構1は実施例1のロック機構1と同様に動作性に優れるといい得る。
当該移動軌跡上において、ノブ4が通常位置にある時の押圧部43の位置をN、ノブ4が解除操作位置にある時の押圧部43の位置をO、ノブ4が通常位置と解除操作位置との間のノブ所定位置にある時の押圧部43の位置をHとすると、押圧部43は当該移動軌跡上においてN→H→Oの順に移動するといえる。また、直線LL上において、通常位置からノブ所定位置までの押圧部43の移動量は図10中のL1であり、通常位置から解除操作位置までの押圧部43の移動量は図10中のL2である。
押圧部43が図10中の直線LL上をNからHにまで長さL1だけ位置変化する際に、ロータ2は、係止入力位置からロータ所定位置にまで回動角度θ1だけ回動するといえる。また、押圧部43が図10中の直線LL上をNからOにまで長さL2だけ位置変化する際に、ロータ2は、係止入力位置から解除入力位置にまで回動角度θ2だけ回動するといえる。
そして、上記のH’を、ロータ回動軸2Aを中心として、係止入力位置からロータ所定位置までのロータ2の回動角度θ1だけ回動させてH’’とする。また、上記のO’を、ロータ回動軸2Aを中心として、係止入力位置から解除入力位置までのロータ2の回動角度θ2だけ回動させて、O’’とする。
N’、H’’およびO’’を曲線で滑らかに繋ぎ、当該曲線を含む曲面を、ロータ2の受圧面23Rとする。
なお、特に説明しないが、実施例1のロック機構1における受圧面23Rも同様の方法で設計されたものである。
2A:ロータ回動軸
21C:第1ロッド接続部(ロッド接続部)
22C:第2ロッド接続部(ロッド接続部)
23R:受圧面 4:ノブ
4A:ノブ回動軸 43:押圧部
6:係止部 61:第1ロッド(ロッド)
62:第2ロッド(ロッド) 80:ロータ付勢部材
85:ノブ付勢部材 90:グローブボックス
Claims (4)
- ロータ回動軸と、前記ロータ回動軸に対して径方向の外側にある一対のロッド接続部と、前記ロータ回動軸に対して径方向の外側にある受圧面と、を有し、前記ロータ回動軸を中心として係止入力位置と解除入力位置との間を回動するロータと、
ノブ回動軸と、前記ノブ回動軸に対して径方向外側にある押圧部と、を有し、前記ノブ回動軸を中心として通常位置と解除操作位置との間を回動するノブと、
前記一対のロッド接続部の一方および他方に各々に接続される一対のロッドを有し、前記ロータの前記係止入力位置と前記解除入力位置との間の回動に伴って係止状態と解除状態との間を状態変化する係止部と、
前記ロータを前記係止入力位置に付勢するロータ付勢部材と、
前記ノブを前記通常位置に付勢するノブ付勢部材と、を具備し、
前記ノブが前記通常位置から前記解除操作位置まで回動する開操作時において、
前記ノブの前記押圧部が前記ロータの前記受圧面上を摺動しつつ前記受圧面を押圧して、前記ロータを前記係止入力位置から前記解除入力位置に回動させ、
下記(A)と(B)との関係が(A)≧0.8×(B)である、ロック機構。
(A)前記受圧面における前記押圧部の摺動軌跡を、前記ロータの軸直方向断面上に投影した長さ、
(B)前記押圧部が実際に位置変化した長さ。 - 前記開操作時において、前記押圧部は前記ロータ回動軸に向けて位置変化する、請求項1に記載のロック機構。
- 前記受圧面は曲面状をなす、請求項1または請求項2に記載のロック機構。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のロック機構を具備する、グローブボックスのサイドロック機構。
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