JP6493125B2 - 車両用アウトサイドハンドル装置 - Google Patents
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Description
アウトサイドハンドルの長手方向の一端は、貫通孔を車内方向に貫通しかつフレームによって上下方向の回転軸まわりに回転可能に支持されている。アウトサイドハンドルは車両ドアに対して、初期位置と、初期位置よりも車外側に位置する操作位置と、の間を回転可能である。さらにアウトサイドハンドルには、車内側に向かって延びる押圧アームが設けられている。
この取付孔には支持部材が装着されている。支持部材の一部はアウタパネルの車外側に位置しており、支持部材の残りの一部はアウタパネルの車内側に位置している。
アウトサイドハンドルの押圧アームは、支持部材のハンドル用貫通孔を車内外方向(車両ドアの厚み方向)に相対移動可能として貫通している。
ベルクランクの一部は、アウトサイドハンドルの押圧アームと連係している。そのため、ベルクランクが初期位置に位置するときアウトサイドハンドルが初期位置に位置し、ベルクランクが操作位置に位置するときアウトサイドハンドルが操作位置に位置する。
ベルクランクとロック装置は連結レバーを介して互いに連係している。
特許文献1の支持部材はアウタパネルの取付孔に支持されている。
しかし、従来の支持部材と取付孔との間には、前後方向(車両ドアの長手方向)の微小な隙間が形成されていた。
従って、支持部材がアウタパネルに対して前後方向にがたつくおそれがある。仮に支持部材ががたつくと、支持部材が取付孔の内周面に接触することにより傷ついたり、車両ドアの意匠性が低下したりするおそれがある。
本発明は、車両ドアのアウタパネル又は該アウタパネルの車内側面に固定された固定部材に対して固定される支持部材と、前記支持部材に対して初期位置と該初期位置から車外側に移動した操作位置との間を相対回転可能でありかつ押圧部を有するアウトサイドハンドルと、前記アウタパネルの車内側に位置しかつ前記支持部材に回転可能に支持され、前記アウトサイドハンドルが前記初期位置から前記操作位置へ回転したときに、前記押圧部によって押圧されることにより回転して前記車両ドアに設けられたロック装置をラッチ状態からアンラッチ状態に移行させるベルクランクと、を備え、前記支持部材が、前記アウタパネル又は前記固定部材に設けられた固定孔の内周面に形成された第一被当接部に当接する当接部と、前記第一被当接部に対して車内外方向及び上下方向の双方に対して直交する方向に離間するように前記固定孔の内周面に形成された第二被当接部に、弾性変形しながら接触し前記支持部材を前記第一被当接部側に移動付勢する弾性変形部と、を備える。
さらにこの「直交する方向」とは、完全に直交する方向のみならず、略直交する方向も含む概念である。
固定孔の第一被当接部と第二被当接部は、車内外方向及び上下方向の双方に対して直交する方向に離間している。
そのため、ベルクランクを回転可能に支持するための支持部材がアウタパネル又は固定部材の取付孔に対して、車内外方向及び上下方向の双方に対して直交する方向にがたつくことを防止可能である。従って、支持部材のがたつきに起因して、支持部材が取付孔の内周面に接触することにより傷ついたり車両ドアの意匠性が低下したりすることはない。
図1に示す車両ドア10は、車体(図示略)に対して上下方向の回転軸まわりに回転可能として支持されており、車体の側面に形成された開口部を開閉可能である。即ち、車両ドア10はサイドドアである。
車両ドア10の下半部を構成するドア本体11の車外側面は金属板からなるアウタパネル12により構成されている。
車両ドア10の内部には、その一部が車両ドア10の後端面において露出するロック装置13が設けられている。このロック装置13は、ラッチやポールを備える周知の構造である。ロック装置13は、車両ドア10の車内側面を構成するトリム(図示略)の上端面に上下方向にスライド自在に設けられたロックノブ14と連係している。さらにロック装置13は、アウタパネル12に回転可能に支持されたアウトサイドハンドル21を具備するアウトサイドハンドル装置20と連係している。
アウトサイドハンドル装置20は大きな構成要素としてアウトサイドハンドル21、回転支持部材30、ベルクランク支持部材40、パッド57、ベルクランク60、連係レバー73、捩じりコイルバネ75及び回転支持ピン79を具備している。
アウトサイドハンドル21は、平面視略U字形をなす本体部22と、本体部22の後端部から車内側に向かって延びる押圧アーム23(押圧部)と、本体部22の前端部から車内側に向かって延びる回転支持アーム25と、を一体的に備えている。本体部22の車外側面は曲面によって構成されている。押圧アーム23の上面には係合溝24が凹設されている。回転支持アーム25の平面形状は略L字形である。回転支持アーム25には、回転支持アーム25を上下方向に貫通する回転軸27が固定されている。
ベース板31には雌ネジ孔32が設けられている。
支持部33は、共に略水平な天井板34及び底板35と、天井板34及び底板35の車内側縁部どうしを接続する側面板36と、を有している。天井板34及び底板35には互いに同軸をなす回転支持孔37がそれぞれ穿設されている。さらに支持部33の前部には逃がし孔38が形成されている。
アウトサイドハンドル21と回転支持部材30が一体化すると、アウトサイドハンドル21は回転軸27及び回転支持孔37を中心にして回転支持部材30に対して相対回転可能となる。具体的には、図1、図2及び図11に実線で示す初期位置と、図11に仮想線で示す操作位置と、の間を水平方向に回転可能となる。さらに図11に示すように、回転支持アーム25の前端部が逃がし孔38を通り抜け、本体部22の前端部の車内側面がベース板31と対向する。
本体部41の車内側面の前部には前後一対の支持片42、43が車内側に向けて突設されている。前後の支持片42、43には互いに同軸をなす断面円形のピン支持孔44が穿設されている。図8及び図9に示すように、支持片42の支持片43との対向面にはストッパ42aが突設されている。さらに図3、図8及び図9に示すように、支持片43の支持片42との対向面には円弧状突起43aが突設されている。さらに支持片42側のピン支持孔44の前縁部にはテーパ面44aが形成されている。
本体部41の車内側面の前部には支持片42、43の直下に位置するアーム受容部46が車内側に向けて突設されている。さらにベルクランク支持部材40の車内側面の前部及びアーム受容部46には、これらを車幅方向(車内外方向)に貫通するアーム用貫通孔47が形成されている。
本体部41の車内側面の支持片43より後方に位置する部位は中空形状である。本体部41の前後方向の中央部の内面には円筒状の円筒部49が車内側に向けて突設されている。円筒部49の車内側端面には雌ネジ孔49aが形成されている。
さらにベルクランク支持部材40の車内側面の後部の内面には、車内側延長部51が車内側に向けて突設されている。図4に示すように、車内側延長部51の先端部は本体部41の車内側面より車内側に位置している。さらに車内側延長部51には切り起こしにより弾性変形部52が形成されている。即ち、弾性変形部52の車内側端部は、車内側延長部51の車内側端部に接続している。弾性変形部52は図12及び図13に示す断面形状である。弾性変形部52の後面の先端近傍部には抜止め部53が突設されている。弾性変形部52の先端部は、抜止め部53よりも車外側に位置する押圧部54により構成されている。さらに弾性変形部52の中間部は傾斜部55により構成されている。図13に示すように、弾性変形部52が自由状態にあるとき押圧部54は本体部41の後端部の車内側面と微小隙間を形成しながら対向する。
パッド57は複数の孔を備えている。パッド57は、ベルクランク支持部材40の支持片42、43、アーム受容部46、車内側延長部51等の各突部を各孔を通してパッド57の車内側に突出させながら、本体部41の車内側面を塞いでいる。
さらにパッド57の前端部には係止突起58(当接部)が突設されている。
アウトサイドハンドル21とベルクランク支持部材40が一体化しかつアウトサイドハンドル21が回転支持部材30に対して初期位置に位置するとき、図1、図2及び図11の実線で示すように、本体部22の曲面からなる車外側面が本体部41の曲面からなる車外側面と連続する。
図5及び図6(図5及び図6ではベルクランク60の一部を破断して示している)に示すように本体部61は、前後方向に延びる円筒部62を有している。円筒部62の内部は本体部61全体を前後方向に貫通するピン挿入孔63となっている。図8及び図9に示すように、ピン挿入孔63の前縁部にはテーパ面63aが形成されている。さらに、図5に示すように、本体部61の車外側面には断面円弧状の円弧状突起64が突設されている。円弧状突起64の曲率は円弧状突起43aと略同一である。
被押圧突起66は、本体部61の下端部から車内側に向かって延びている。
レバー支持部68にはレバー支持凹部69が凹設されている。さらに、レバー支持部68の前壁及び後壁には、互いに同軸をなしかつレバー支持凹部69と連通する断面円形の嵌合孔70が設けられている。
捩じりコイルバネ75はベルクランク60の円筒部62の外周面に装着されており、一方の係止片76はベルクランク60に係止されている(図8及び図9参照)。
この一体物をベルクランク支持部材40に装着するには、図5に示すように当該一体物を上方からベルクランク支持部材40に接近させて、円弧状突起64を円弧状突起43aの車外側に位置させながら(図8、図9参照)、支持片42と支持片43の間の空間に本体部61を挿入する。すると、図6に示すように被押圧突起66が押圧アーム23の係合溝24に嵌合し、さらに図9に示すようにベルクランク60のピン挿入孔63が支持片42及び支持片43のピン支持孔44と略同軸をなす。
図8に示すように、鍔部80の外径は支持片42のピン支持孔44(テーパ面44a)の外径より大きい。そのため鍔部80と支持片42の前面とによって、回転支持ピン79の支持片42に対する後方への相対移動が規制される。また、支持片43のピン支持孔44を後方に貫通した抜止め突起83の前端部は、支持片43のピン支持孔44の外周側において支持片43と対向する。そのため抜止め突起83と支持片43の後面とによって、回転支持ピン79の支持片43に対する前方への相対移動が規制される。従って、ベルクランク60、連係レバー73及び捩じりコイルバネ75の一体物は、支持片42及び支持片43のピン支持孔44並びに回転支持ピン79を中心にしてベルクランク支持部材40に対して相対回転可能となる。
さらに捩じりコイルバネ75の回転付勢力は、ベルクランク60を初期位置側に付勢する力である。そのため、アウトサイドハンドル21に対して捩じりコイルバネ75の付勢力以外の外力を及ぼさないとき、アウトサイドハンドル21及びベルクランク60は初期位置に保持される。
図1、図2及び図11に示すようにアウタパネル12には凹部構成部12aが形成されている。凹部構成部12aの車外側には凹部が形成されている。さらにアウタパネル12には第一貫通孔12b、第二貫通孔12c(固定孔)及び第三貫通孔12d(固定孔)がそれぞれ穿設されている。第二貫通孔12cの前縁部は第一被当接部12c1により構成されており、第三貫通孔12dの後縁部は第二被当接部12d1により構成されている。さらにアウタパネル12には円形貫通孔12e、12fが穿設されている。
さらに図11に示すように、押圧アーム23、アーム受容部46、ベルクランク60、捩じりコイルバネ75及び回転支持ピン79を第二貫通孔12cを通してアウタパネル12の車内側に位置させ、係止突起58を第二貫通孔12cの第一被当接部12c1に係合させる。
図12に示すように、第二被当接部12d1よりも車内側に位置する抜止め部53がアウタパネル12に対して車内側から対向している。従って、仮止め状態においてベルクランク支持部材40に車外側への移動力が掛かっても、抜止め部53がアウタパネル12の車内側面に当接することにより、ベルクランク支持部材40及びパッド57の第三貫通孔12d及び第二貫通孔12cに対する車外側への脱落が防止される。
図14は比較例を示している。この比較例では、本体部41から弾性変形部が車内側に向かって延びている。そのため、弾性変形部と第二被当接部12d1との接触部から弾性変形部の基端部までの距離が短い。従って、この接触部と基端部との間において弾性変形部が撓み難くなっている。そのため、例えばアウトサイドハンドル装置20をアウタパネル12に仮止めした状態でベルクランク支持部材40に外力が掛かったり、弾性変形部を第三貫通孔12dに挿入する際に弾性変形部が第二被当接部12d1に接触して弾性変形部に大きな力が掛かったりしたときに、弾性変形部(特に基端部)が破損するおそれが大きい。
アウタパネル12の車内側からネジ85を円形貫通孔12eに挿入しかつネジ85を雌ネジ孔32に螺合させると、ベース板31がアウタパネル12の車外側面に接触した状態で回転支持部材30がアウタパネル12に対して固定される。また、アウタパネル12の車内側からネジ86を円形貫通孔12fに挿入しかつネジ86を雌ネジ孔49aに螺合させると、パッド57がアウタパネル12の車外側面に接触した状態でベルクランク支持部材40及びパッド57がアウタパネル12に対して固定される。
ベルクランク60が初期位置に位置するときはロック装置13はラッチ状態となる。その一方で、ロックノブ14をアンロック位置に位置させた上でアウトサイドハンドル21を操作位置まで回転させることによりベルクランク60を操作位置に移動させるとロック装置13がアンラッチ状態となる。
例えばサイドドア以外の車両ドア(例えばバックドア)に本発明を適用してもよい。バックドアに本発明を適用する場合は、バックドアのアウタパネルに形成した固定孔の内周面の二箇所に、左右方向(車内外方向及び上下方向の双方に対して直交する方向)に互いに離間する第一被当接部と第二被当接部を設ける。
第二貫通孔12cと第三貫通孔12dを一つの固定孔としてアウタパネル12に形成してもよい。
回転支持部材30とベルクランク支持部材40を一体化して一つの部材として構成してもよい。
Claims (3)
- 車両ドアのアウタパネル又は該アウタパネルの車内側面に固定された固定部材に対して固定される支持部材と、
前記支持部材に対して初期位置と該初期位置から車外側に移動した操作位置との間を相対回転可能でありかつ押圧部を有するアウトサイドハンドルと、
前記アウタパネルの車内側に位置しかつ前記支持部材に回転可能に支持され、前記アウトサイドハンドルが前記初期位置から前記操作位置へ回転したときに、前記押圧部によって押圧されることにより回転して前記車両ドアに設けられたロック装置をラッチ状態からアンラッチ状態に移行させるベルクランクと、
を備え、
前記支持部材が、
前記アウタパネル又は前記固定部材に設けられた固定孔の内周面に形成された第一被当接部に当接する当接部と、
前記第一被当接部に対して車内外方向及び上下方向の双方に対して直交する方向に離間するように前記固定孔の内周面に形成された第二被当接部に、弾性変形しながら接触し前記支持部材を前記第一被当接部側に移動付勢する弾性変形部と、
を備える、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項1に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
前記弾性変形部が、前記固定孔が形成された前記アウタパネル又は前記固定部材の車内側面に対して車内側から対向する抜止め部を備える、車両用アウトサイドハンドル装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用アウトサイドハンドル装置において、
前記支持部材が、
車内側に向かって延びる車内側延長部と、
該車内側延長部から車外側に向かって延びる前記弾性変形部と、
を備える、車両用アウトサイドハンドル装置。
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