以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の車両用ドアロック装置1(以下、単に「ドアロック装置1」と呼ぶ。)は、本発明の車両用ドアロック装置の具体的態様の一例である。ドアロック装置1は、図示は省略するが、自動車、バス、産業車両等の車両の車体に対して開閉可能なドアに固定されている。そして、ドアロック装置1は、車体に固定されたストライカS1(図8〜図11参照)を保持することによって、車体に対してドアを閉じた状態で保持可能である。
図1及び図2では、車体の左側面に設けられたドアの後端側の内部に配設されたドアロック装置1を図示している。なお、ドアロック装置1が車体の右側面に設けられたドアの後端側に固定される場合には、勝手違いになるだけである。さらに、ドアロック装置1は、テールゲート等にも設けられ得る。
図1及び図2に示す前後方向及び上下方向は、車両の前後方向及び上下方向を基準としている。また、図1及び図2に示す車両内外方向は、車両の車室内に搭乗する者を基準として、車両の左側面側を車両外側とし、その反対側を車両内側としている。図3〜図19に示す前後方向、上下方向及び車両内外方向は、図1及び図2に対応させて表示している。
図1に示すように、ドアロック装置1が固定された図示しないドアの外面には、外側ドアハンドルH1及びキーシリンダH2が配設されている。ドアの車室内に露出する内面には、室内ロックノブH3及び内側ドアハンドルH4が配設されている。
外側ドアハンドルH1には、伝達ロッドC1の上端部が連結されている。ドアロック装置1は、ドアの内部において外側ドアハンドルH1よりも下方に配設されている。伝達ロッドC1の下端部は、ドアロック装置1のO/Sオープンレバー20に連結されている。O/Sオープンレバー20は、本発明の「操作部」の一例である。
キーシリンダH2は、ドアロック装置1の上端部に回動可能に設けられたキーシリンダ保持部C2Aに一体回転可能に保持されている。これにより、図1及び図2に示すように、キーシリンダ保持部C2Aは、搭乗者等がキー(図示略)を用いてキーシリンダH2に開錠操作を行えば第1揺動軸心X1回りでD91方向に揺動する。また、キーシリンダH2に施錠操作を行えば、キーシリンダ保持部C2Aは、第1揺動軸心X1回りでD92方向に揺動する。
キーシリンダH2は、ドアに設けられた状態で図2に示すリンクロッドC2Bよりも後方に位置する。これにより、キーシリンダ保持部C2Aは、前方でリンクロッドC2Bの上端部に連結されている。リンクロッドC2Bの下端部は、リンクレバーC2Cの前方が連結されている。リンクレバーC2Cの後方は、図5等を示して後述する第1O/Sロックレバー30又は第2O/Sロックレバー31に対して、ハウジング1の外側で接続されている。こうして、図2に示すように、リンクレバーC2Cは、後述する作動ハウジング7の外側に配置された状態で、第2揺動軸心X2回りで揺動可能となっている。図2に実線で示すリンクレバーC2Cの位置は中立位置である。リンクレバーC2Cは、本発明の「外部キーレバー」の一例である。また、第2揺動軸心X2は、本発明の「揺動軸心」の一例である。
ここで、キーシリンダ保持部C2Aの前方がリンクロッドC2Bに接続されることにより、キーシリンダH2の開錠操作によって、キーシリンダ保持部C2Aが第1揺動軸心X1回りでD91方向に揺動すれば、リンクロッドC2Bは、リンクレバーC2Cの前方をドアロック装置1の上方に引き上げる。このため、リンクレバーC2Cは、第2揺動軸心X2周りでD93方向に揺動し、中立位置から図2に二点鎖線で示す第1位置201となる。また、キーシリンダH2の施錠操作によって、キーシリンダ保持部C2Aが第1揺動軸心X1回りでD92方向に揺動すれば、リンクロッドC2Bは、リンクレバーC2Cの前方をドアロック装置1の下方に押し下げる。このため、リンクレバーC2Cは、第2揺動軸心X2周りでD94方向に揺動し、中立位置から図2に二点鎖線で示す第2位置202となる。以下、このようなリンクレバーC2Cの揺動を基本状態という。なお、リンクレバーC2Cは、キーシリンダH2が開錠操作も施錠操作もされていないときには、キーシリンダH2に内蔵された図示しないリターンスプリングによって、図2に実線で示す中立位置に復帰するように付勢されている。
図1に示すように、室内ロックノブH3には、伝達ケーブルC3の一端部が接続されている。内側ドアハンドルH4には、伝達ケーブルC4の一端部が接続されている。図2に示すように、伝達ケーブルC3の他端部は、ドアロック装置1内に引き込まれており、図4等を示して後述するI/Sロックレバー35に接続されている。図2に示すように、伝達ケーブルC4の他端部は、ドアロック装置1内に引き込まれており、図4等を示して後述するI/Sオープンレバー25に接続されている。
ドアロック装置1は、図1〜図3に示すラッチハウジング9と、図1、図2、図4、図5及び図7に示す作動ハウジング7とを備えている。図1及び図2に示すように、作動ハウジング7は、ラッチハウジング9に組み付けられている。ラッチハウジング9及び作動ハウジング7は、本発明の「ハウジング」の一例である。
作動ハウジング7は、図1に示す第1ハウジング70と図2に示す第2ハウジング80とを有している。これらの第1、2ハウジング70、80は樹脂製である。図1に示すように、第1ハウジング70は、第1基壁部71と、第1基壁部71を囲む第1周縁部73とを有している。図2に示すように、第2ハウジング80は、第2基壁部81と、第2基壁部81を囲む第2周縁部83とを有している。第1基壁部71と第2基壁部81とが対向し、第1周縁部73と、第2周縁部83とが溶着されることによって、第2ハウジング80が第1ハウジング70に組み付けられている。これにより、作動ハウジング7の内部に、図4及び図7等に示す収納室7Aが形成されている。収納室7A内には、作動機構6が収納されている。
図3に示すように、ラッチハウジング9は、樹脂製である第3ハウジング90と、それぞれ鋼板製であるベースプレート99及びバックプレート98とを有している。第3ハウジング90にフォーク揺動軸11S及びポール揺動軸12Sを挿通し、第3ハウジング90の後方にベースプレート99を配置し、第3ハウジング90の前方にバックプレート98を配置する。そして、フォーク揺動軸11S及びポール揺動軸12Sのそれぞれの後端部をベースプレート99に加締め固定し、フォーク揺動軸11S及びポール揺動軸12Sのそれぞれの前端部をバックプレート98に加締め固定することによって、ラッチハウジング9の内部に、ラッチ室9Aが形成されている。ラッチ室9Aには、ラッチ部8が収納されている。
図4及び図7に示すように、第1ハウジング70には、2本の支持部76P、76Qが形成されている。支持部76Pは、第1ハウジング70の第1周縁部73における後方、かつ上方の端部の近傍で、第1基壁部71に凸設されている。支持部76Qは、第1ハウジング70の第1周縁部73における後方、かつ下方の端部の近傍で、第1基壁部71に凸設されている。支持部76P、76Qは、第2ハウジング80の第2基壁部81に向かって延びている。
図3に示すように、第3ハウジング90には、2つの挿通孔96P、96Qが形成されている。挿通孔96Pは、第3ハウジング90の上端側で、車両内外方向に貫設されている。挿通孔96Qは、第3ハウジング90の下端側で、車両内外方向に貫設されている。また、図示を省略するものの、第2ハウジング80には、第1ハウジング70の支持部76Pの先端部及び支持部76Qの先端部にそれぞれ整合する2つの抜止部位が凹設されている。
第2ハウジング80が第1ハウジング70に組み付けられる前に、第3ハウジング90を第1ハウジング70に仮り組みする。ここで、図4及び図7等に示すように、第1ハウジング70には、第1基壁部71の後端部に、溝状のガイド部71Jが凹設されている。また、図3に示すように、第3ハウジング90の車両外側、かつ上方の端面には、リブ90Jが凸設されている。そして、ガイド部71Jによってリブ90Jを案内させながら、第3ハウジング90を第1ハウジング70に接近させることにより、第3ハウジング90が適正位置で第1ハウジング70に仮り組みされる。その結果、第1ハウジング70の支持部76Pの中間部が第3ハウジング90の挿通穴96Pに挿通される。第1ハウジング70の支持部76Qの中間部が第3ハウジング90の挿通穴96Qに挿通される。
次に、第2ハウジング80が第1ハウジング70に組み付けられる際、第1ハウジング70の支持部76Pの先端部及び支持部76Qの先端部を第2ハウジング80の各抜止部位にそれぞれ嵌入させる。そして、第1ハウジング70の第1周縁部73と、第2ハウジング80の第2周縁部83とを溶着することにより、第3ハウジング90が第1ハウジング70及び第2ハウジング80と接合される。
図2及び図3に示すように、ベースプレート99には、複数の固定穴99Hと、進入口99Aとが形成されている。図示しない複数の止めネジがドアの後端面に挿通され、さらに、ベースプレート99の各固定穴99Hに捩じ込まれることによって、ドアロック装置1は、進入口99Aをドアの後端面に露出させた状態でドアに固定される。進入口99Aには、ドアの開閉に伴ってドアロック装置1が移動する際、車体に固定されたストライカS1が相対的に進入又は離脱する。
図3に示すように、ラッチ部8は、フォーク11とポール12とを有している。フォーク11は、進入口99Aに対して上方に位置するフォーク揺動軸11Sに揺動可能に支持されている。フォーク揺動軸11Sには、捩じりコイルバネ11Tが装着されている。ポール12は、進入口99Aに対して下方に位置するポール揺動軸12Sに揺動可能に支持されている。ポール揺動軸12Sには、捩じりコイルバネ12Tが装着されている。
図8〜図11に示すように、フォーク11は、捩じりコイルバネ11Tにより、フォーク揺動軸11S周りでD11方向に揺動するように付勢されている。フォーク11の進入口99A側に位置する部位は、内側凸部11Aと外側凸部11Bとに分岐している。そして、内側凸部11Aと外側凸部11Bとの間に形成された切り欠き部11Cには、進入口99A内に進入したストライカS1が収まるようになっている。フォーク11は、図8、図10及び図11に示す状態では、進入口99Aの底部でストライカS1を保持している。内側凸部11Aのポール12に対面する先端側には、後述するストッパ面12Aと当接可能なラッチ面11Dが形成されている。
ポール12は、捩じりコイルバネ12Tにより、ポール揺動軸12S周りでD12方向に揺動するように付勢されている。これにより、ポール12は、図8、図10及び図11に示す姿勢を保持している。
ポール12における進入口99Aの底部側に位置する部位には、ストッパ面12Aが形成されている。ストッパ面12Aは、上述のラッチ面11Dに対面するように形成されている。ストッパ面12Aを構成する円弧は、フォーク11側で途切れており、そこからポール揺動軸12S側に延びる摺動面12Cが形成されている。一方、ポール12におけるポール揺動軸12Sを挟んでストッパ面12Aとは反対側には、当接凸部12Bが形成されている。図3に示すように、当接凸部12Bは、前方に向かって柱状に突出している。当接凸部12Bの前端は、ラッチ室9Aから第3ハウジング90を通過して前向きに突出し、収納室7A内に進入するようになっている。
図8、図10及び図11に示すように、ポール12は、フォーク11が進入口99Aの底部でストライカS1を保持した状態で、内側凸部11Aのラッチ面11Dにストッパ面12Aが当接することにより、フォーク11をD11方向に揺動させないように固定する。図8、図10及び図11に示すフォーク11の位置は、進入口99A内にストライカS1を保持するラッチ位置である。
また、図9に示すように、後述する慣性レバー29がポール12の当接凸部12Bに当接して押し上げると、ポール12は、捩じりコイルバネ12Tの付勢力に抗しつつ、ポール揺動軸12S周りでD12方向とは逆方向に揺動する。この際、ストッパ面12Aがラッチ面11Dから離間するので、ポール12がフォーク11の揺動を開放する。これにより、フォーク11は、捩じりコイルバネ11Tの付勢力によりフォーク揺動軸11S周りでD11方向に揺動し、進入口99A内からストライカS1が離反することを許容するアンラッチ位置に変位する。
逆に、ストライカS1が進入口99A内に進入する場合、ストライカS1が外側凸部11Bを押すので、フォーク11がD11方向とは逆方向に揺動し、図9に示すアンラッチ位置から、図8、図10及び図11に示すラッチ位置に復帰する。この際、外側凸部11B及び内側凸部11Aの先端が順次、摺動面12Cに摺接する。そして、内側凸部11Aが摺動面12Cから離間すると、ポール12は、D12方向に揺動して、図8、図10及び図11に示す姿勢に復帰する。このため、ストッパ面12Aがラッチ面11Dと当接し、ラッチ位置にあるフォーク11の揺動を固定する。その結果、ラッチ部8は、車体に対してドアを閉じた状態で保持する。
図3に示すように、第3ハウジング90の収納室7A側の面の上部には、フォーク追従レバー59が揺動可能に支持されている。フォーク追従レバー59の一端部には、凸部59Aが形成されている。図8〜図11に示すように、フォーク追従レバー59の凸部59Aは、フォーク11の外周面に当接している。これにより、フォーク追従レバー59は、フォーク11がラッチ位置とアンラッチ位置との間で変位する際に、フォーク11に追従して揺動する。図3に示すように、フォーク追従レバー59の他端部には、凸部59Bが形成されている。凸部59Bは、収納室7A内に突出するようになっている。
図4〜図7に示すように、作動機構6は、O/Sオープンレバー20、I/Sオープンレバー25、慣性レバー29、I/Sロックレバー35、ロックレバー40、電動モータM1、ウォームホイール39、スイッチSW1、スイッチSW2、第1O/Sロックレバー30及び第2O/Sロックレバー31を有している。
慣性レバー29及びI/Sオープンレバー25も、本発明の「操作部」の一例である。また、第1、2O/Sロックレバー30、31は、本発明の「内部キーレバー」の一例である。より詳しくは、第1O/Sロックレバー30は、本発明の「第1内部キーレバー」の一例であり、第2O/Sロックレバー31は、本発明の「第2内部キーレバー」の一例である。ドアロック装置1では、第1O/Sロックレバー30又は第2O/Sロックレバー31のいずれかが選択される。第1、2O/Sロックレバー30、31の選択については、後述する。なお、図4及び図7では、第2O/Sロックレバー31が選択された場合を図示している。
図5に示すように、第1ハウジング70において、第1基壁部71における後方かつ下方の部位には、O/Sオープンレバー揺動軸20Sが後向きに凸設されている。O/Sオープンレバー20は、O/Sオープンレバー揺動軸20Sに揺動可能に支持されている。O/Sオープンレバー揺動軸20Sには、捩じりコイルバネ20Tが装着されている。図8〜図11に示すように、O/Sオープンレバー20は、捩じりコイルバネ20Tにより、O/Sオープンレバー揺動軸20S周りでD20方向に揺動するように付勢されている。
図1及び図8等に示すように、O/Sオープンレバー20の一端部は、作動ハウジング7の外部に突出しており、その一端部に、伝達ロッドC1の下端部が連結されている。
図4、図5及び図7に示すように、慣性レバー29は、前後方向に延びる第3揺動軸心X29周りで揺動可能にO/Sオープンレバー20の他端部20Bに支持されている。慣性レバー29は、捩じりコイルバネ29Tによって、図8〜図11に示すように、揺動軸心X29周りでD29方向に揺動するように付勢されている。
図1に示す外側ドアハンドルH1が開操作されて伝達ロッドC1が下降すると、図9に示すように、O/Sオープンレバー20の一端部が押し下げられて、O/Sオープンレバー20がD20方向とは逆方向に揺動し、慣性レバー29を上昇させる。
図4、図5及び図7に示すように、I/Sオープンレバー25は、第1軸部75Pに揺動可能に支持されている。I/Sオープンレバー25における第1軸部75Pから下方に離間する一端部25Aには、図1及び図2に示す伝達ケーブルC4の他端部が連結されている。つまり、I/Sオープンレバー25は、伝達ケーブルC4を介して、内側ドアハンドルH4に連結されている。
図4、図5及び図7に示すように、I/Sオープンレバー25の一端部25Aよりも上方の部位には、作用部25Bが形成されている。I/Sオープンレバー25は、内側ドアハンドルH4に対する開操作により、図4及び図7の紙面に向かって反時計方向に揺動する。これにより、作用部25BがO/Sオープンレバー20の他端部20Bを押し上げ、慣性レバー29を上昇させる。
図5に示すように、第1O/Sロックレバー30や第2O/Sロックレバー31は、O/Sロックレバー揺動軸30Sに支持される。第1O/Sロックレバー30は、車両内側に向かって突出する連結軸部30Jを有している。また、第2O/Sロックレバー31は、車両内側に向かって突出する連結軸部31Jを有している。図2に示すように、連結軸部30J、31Jは、第2ハウジング80の外部に突出している。連結軸部30J、31Jの先端部には、リンクレバーC2Cが一体回転可能に固定されている。こうして、第1O/Sロックレバー30や第2O/Sロックレバー31は、リンクレバーC2Cと連結される。これにより、第1O/Sロックレバー30や第2O/Sロックレバー31は、リンクレバーC2Cと連動し、収納室7A内において、第2揺動軸心X2周りで揺動可能となっている。
図6に示すように、第1O/Sロックレバー30には、O/Sロックレバー揺動軸30Sが挿通される挿通部30Aが形成されている。また、第1O/Sロックレバー30には、挿通部30Aよりも後方に突出する第1爪部30B及び第2爪部30Cが形成されている。第1爪部30Bと第2爪部30Cとの間には、挿通部30A側に向かって後方から凹む係合凹部30Dが凹設されている。また、第1O/Sロックレバー30において、挿通部30Aよりも前方には、スイッチ操作部30Eが形成されている。
第2O/Sロックレバー31には、O/Sロックレバー揺動軸30Sが挿通される挿通部31Aが形成されている。また、第2O/Sロックレバー31には、挿通部31Aよりも前方に突出する第1爪部31B及び第2爪部31Cが形成されている。第1爪部31Bと第2爪部31Cとの間には、挿通部31A側に向かって前方から凹む係合凹部31Dが凹設されている。また、第2O/Sロックレバー31において、挿通部31Aよりも前方には、スイッチ操作部31Eが形成されている。このように、第2O/Sロックレバー31では、第1爪部31B、第2爪部31C及び係合凹部31Dが第1O/Sロックレバー30とは反対方向に設けられている。
図12〜図15に示すように、スイッチ操作部30Eやスイッチ操作部31Eは、スイッチSW1の操作を行う。つまり、スイッチ操作部30E、31Eは、キーシリンダH2に対する開錠操作に対応してスイッチSW1内の一つの接点をONにし、キーシリンダH2に対する施錠操作に対応してスイッチSW1内の別の接点をONにする。スイッチSW1の2つの接点のON/OFF信号は、ドアの施錠/開錠の制御及びドアロック装置1の状態把握に利用される。なお、図12〜図15では、説明を容易にするため、スイッチSW2等の図示を省略している。後述する図16〜図19についても同様である。
ドアロック装置1では、キーシリンダH2の開錠操作又は施錠操作によるリンクレバーC2Cの揺動が基本状態である場合には、第1O/Sロックレバー30が選択される。これにより、第1O/Sロックレバー30とリンクレバーC2Cとが連結される。
図4〜図7に示すように、I/Sロックレバー35は、第2軸部75Qに揺動可能に支持されている。I/Sロックレバー35の一端部35Aには、図1及び図2に示す伝達ケーブルC3の他端部が連結されている。つまり、I/Sロックレバー35は、伝達ケーブルC3を介して、室内ロックノブH3に連結されている。I/Sロックレバー35は、室内ロックノブH3に対する施錠操作により、図4に示す位置から、図7に示す位置に揺動する。また、I/Sロックレバー35は、室内ロックノブH3に対する開錠操作により、図7に示す位置から、図4に示す位置に揺動する。
図4〜図7に示すように、I/Sロックレバー35の上部には、カム35Cが形成される。図6に示すように、I/Sロックレバー35の車両外側を向く面には、作用部35Bが車両外側を向かって凸設されている。
図4〜図7に示すように、ウォームホイール39は、第3軸部75Rに回動可能に支持されている。図6に示すように、ウォームホイール39の車両外側を向く面には、I/Sロックレバー35のカム35Cと係合可能なカム部39Cが形成されている。リモコンキー等に対する施錠操作又は開錠操作により、電動モータM1が作動すると、ウォームホイール39は、電動モータM1に回転駆動されて、図4及び図7の紙面に向かって時計方向又は反時計方向に回動する。そして、ウォームホイール39は、カム部39Cとカム35Cとの係合により、I/Sロックレバー35を図4に示す位置と、図7に示す位置との間で揺動させる。
図4、図6及び図7に示すように、ロックレバー40には、仮想線Lが規定されている。図4及び図7に示すように、仮想線Lは、ドアロック装置1の上下方向に延びており、第2揺動軸心X2を通過している。ロックレバー40は、本体部400と、第1突出部401と、第2突出部402とを有している。本体部400は、仮想線Lに沿って略上下方向に延びている。本体部400には、略上下方向に延びる長穴40Hが形成されている。また、本体部400の下端部には、凹部40Bが凹設されている。さらに、図6に示すように、本体部400において、長穴40Hよりも上方には、スイッチ操作部40Fが形成されている。
また、図6及び図8〜図11に示すように、本体部400における長穴40Hと凹部40Bとの間には、第1面44A、第2面44B及び第3面44Cが形成されている。第1面44A、第2面44B及び第3面44Cは、ロックレバー40の車両外側を向く面に形成されている。第1面44A及び第3面44Cはそれぞれ、上下方向に延在する平坦面であり、第1面44Aが第3面44Cよりも車両内側にずれている。第2面44Bは、第1面44Aの下端と、第3面44Cの上端とに接続する傾斜面である。
図4、図6及び図7に示すように、第1突出部401及び第2突出部402は、本体部400の上方に位置している。より詳しくは、第1突出部401と第2突出部402とは、本体部400における第2揺動軸心X2側の端部、すなわち、本体部400の上端部から分岐しており、仮想線Lを挟んで互いに対向するように突出している。これにより、第1突出部401は本体部400の後方に位置しており、第2突出部402は本体部400の前方に位置している。また、第1突出部401と第2突出部402との間には、本体部400に向かって凹む凹部403が形成されている。これらの本体部400、第1突出部401及び第2突出部402により、ロックレバー40は、長穴40Hよりも上方で二股となる略「Y」字形状である。
図6に示すように、第1突出部401には、第1係合部40Cが車両外側に向かって略円柱状に凸設されている。第2突出部402には、第2係合部40Dが車両外側に向かって略円柱状に凸設されている。これらの第1係合部40Cと第2係合部40Dとは、仮想線Lを挟んで互いに対向している。つまり、第1係合部40Cは本体部400の後方に位置しており、第2係合部40Dは本体部400の前方に位置している。なお、第1突出部40C及び第2突出部40Dの形状は適宜設計することができる。この際、第1係合部40C及び第2係合部40Dは、仮想線Lを対称軸とする線対称であっても良く、線対称でなくても良い。
また、第1突出部401において、第1係合部40Cよりも下方には、凸部40Eが車両外側に向かって凸設されている。長穴40H及び凸部40Eは、本発明の「ガイド」の一例である。なお、凸部40Eを第2突出部402に凸設しても良く、また、凸部40Eを第1突出部401及び第2突出部402の両方に凸設しても良い。
図5に示すように、ロックレバー40は、長穴40Hに第4軸部75Sが挿通されることによって、第4軸部75Sに往復移動可能に支持されている。また、凸部40Eが溝部71E内に配置される。これにより、図4及び図7に示すように、ロックレバー40は、収納室7A内において、略上下方向に往復移動可能となっている。この際、長穴40Hは第4軸部75Sを案内し、図5に示す凸部40Eは、溝部71Eによって案内される。これらのため、ロックレバー40は、略上下方向に往復移動可能となっている。また、図4及び図7に示すように、ロックレバー40の凹部40Bには、I/Sロックレバー35の作用部35Bが係合している。
ここで、図12及び図13に示すように、第1O/Sロックレバー30が選択されている場合には、ロックレバー40の凹部403内に第1O/Sロックレバー30の一部が配置される。この状態で、第1O/Sロックレバー30の係合凹部30D内には、ロックレバー40の第1係合部40Cが配置される。これにより、第1O/Sロックレバー30は、第1爪部30B及び第2爪部30Cを介して、第1係合部40Cと係合可能となっている。つまり、第1O/Sロックレバー30は、第1係合部40Cに係合可能な第1連結位置において、図2に示すリンクレバーC2Cに連結されている。
I/Sロックレバー35が室内ロックノブH3に対する施錠操作、又はリモコンキー等に対する施錠操作により、図4に示す位置から、図7に示す位置に揺動すると、凹部40B及び作用部35Bを介して、その変位がロックレバー40に伝達され、ロックレバー40が図4に示す位置から図7に示す位置に押し上げられる。
その一方、I/Sロックレバー35が室内ロックノブH3に対する開錠操作、又はリモコンキー等に対する開錠操作により、図7に示す位置から、図4に示す位置に揺動すると、凹部40B及び作用部35Bを介して、その変位がロックレバー40に伝達され、ロックレバー40が図7に示す位置から図4に示す位置に引き下げられる。
また、図4及び図7〜図11に示すように、慣性レバー29の前面には、突出部29Aが前向きに凸設されている。突出部29Aは、ロックレバー40の作動に応じて、第1面44A、第2面44B及び第3面44Cに摺接する。
図8〜図11に示すように、第3ハウジング90の収納室7A側には、慣性レバー案内面90Gが形成されている。慣性レバー案内面90Gは、ポール12の被当接部12Bよりも車両外側に位置する下向きの平坦面である。慣性レバー案内面90Gは、被当接部12Bから離間するように車両外側に向かって延びている。図8に示すように、O/Sオープンレバー20が揺動していない状態では、慣性レバー案内面90Gは、上下方向において、被当接部12Bの下端と、慣性レバー29の上端との間に位置している。
図8及び図9に示すロックレバー40の位置は、図4に示すロックレバー40の位置と同じである。図10及び図11に示すロックレバー40の位置は、図7に示すロックレバー40の位置と同じである。
ロックレバー40が図4、図8及び図9に示す位置にある状態では、慣性レバー29の突出部29Aがロックレバー40の第1面44Aに当接することにより、慣性レバー29が上向きに起立する状態に保持される。この場合において、図9に示すように、慣性レバー29が上昇すれば、被当接部12Bに当接して、ポール12にフォーク11を開放させる。
その一方、ロックレバー40が図7、図10及び図11に示す位置に変位すると、慣性レバー29の突出部29Aがロックレバー40の第2面44Bに摺接し、さらに、第3面44Cに当接することにより、慣性レバー29が車両外側に向かって傾斜する状態に保持される。この場合において、図11に示すように、慣性レバー29が上昇すれば、慣性レバー案内面90Gに当接して、慣性レバー29が被当接部12Bから離間し、ポール12がフォーク11を固定したままとなる。
図8及び図9に示す慣性レバー29の位置は、ポール12に作用可能なアンロック位置である。図10及び図11に示す慣性レバー29の位置は、ポール12に作用不能なロック位置である。ロックレバー40は、図7、図10及び図11に示す位置では、第3面44Cが突出部29Aに当接して慣性レバー29を傾斜させる。これにより、ロックレバー40は、慣性レバー29をロック位置に保持する。図7、図10及び図11に示すロックレバー40の位置は、施錠位置である。このように、ロックレバー40が施錠位置となり、慣性レバー29がロック位置となることにより、たとえ外側ドアハンドルH1の開操作によって、O/Sオープンレバー20が慣性レバー29を上昇させても、ポール12はフォーク11を固定したままとなる。同様に、内側ドアハンドルH4に対する開操作によって、I/Sオープンレバー25がO/Sオープンレバー20を介して慣性レバー29を上昇させたりしても、ポール12はフォーク11を固定したままとなる。つまり、ロックレバー40が施錠位置となることにより、ラッチ部8に対するO/Sオープンレバー20、I/Sオープンレバー25及び慣性レバー29の作動が無効化される。
一方、ロックレバー40は、図4、図8及び図9に示す位置では、第3面44Cが突出部29Aから離間して、慣性レバー29を図10及び図11に示すロック位置に保持しない。慣性レバー29は、捩じりコイルバネ29Tの付勢力によって、突出部29Aを第1面44Aに当接させる。また、慣性レバー29に衝撃が作用する場合、慣性レバー29は、突出部29Aを第1面44Aから離間させて、ロック位置に変位する。図4、図8及び図9に示すロックレバー40の位置は、開錠位置である。
ロックレバー40は開錠位置では、図8及び図9に示すように、慣性レバー29を起立させる。このように、ロックレバー40が開錠位置となれば、O/Sオープンレバー20やI/Sオープンレバー25が慣性レバー29を上昇させることで、ポール12にフォーク11を開放させることが可能となる。つまり、ロックレバー40が開錠位置となることにより、ラッチ部8に対するO/Sオープンレバー20、I/Sオープンレバー25及び慣性レバー29の作動が有効化される。
ロックレバー40は、図4に示すように、開錠位置に変位すると、スイッチ操作部40Fによって、スイッチSW2内の一つの接点をONにする。その一方、ロックレバー40は、図7に示すように、施錠位置に変位すると、スイッチ操作部40Fによって、スイッチSW2内の別の接点をONにする。スイッチSW2内の2つの接点のON/OFF信号は、ドアの施錠/開錠の制御及びドアロック装置1の状態把握に利用される。
また、ドアロック装置1では、図1に示すキーシリンダH2に対する開錠操作が行われれば、図12に示すように、第1O/Sロックレバー30がロックレバー40を開錠位置に変位させる。また、図1に示すキーシリンダH2に対する施錠操作が行われれば、図13に示すように、第1O/Sロックレバー30がロックレバー40を施錠位置に変位させる。
すなわち、キーシリンダH2に対する開錠操作により、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD93方向に揺動して第1位置201になれば、それに連動して、図12に示すように、第1O/Sロックレバー30が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって時計方向に揺動する。これにより、第1O/Sロックレバー30は、第1爪部30Bを介してロックレバー40の第1係合部40Cと係合しつつ、ロックレバー40を下方に押し下げる。これにより、ロックレバー40は、図4や図12に示す開錠位置に変位する。また、この際、図12に示すように、第1O/Sロックレバー30のスイッチ操作部30Eは、スイッチSW1内の一つの接点をONにする。なお、ロックレバー40が開錠位置に変位することにより、I/Sロックレバー35は、図4や図12に示す位置に揺動する。
一方、キーシリンダH2に対する施錠操作により、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD94方向に揺動して第2位置202になれば、それに連動して、図13に示すように、第1O/Sロックレバー30が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって反時計方向に揺動する。これにより、第1O/Sロックレバー30は、第2爪部30Cを介してロックレバー40の第1係合部40Cと係合しつつ、ロックレバー40を上方に引き上げる。これにより、ロックレバー40は、図7や図13に示す施錠位置に変位する。また、この際、図13に示すように、スイッチ操作部30Eは、スイッチSW1内の別の接点をONにする。なお、ロックレバー40が施錠位置に変位することにより、I/Sロックレバー35は、図7や図13に示す位置に揺動する。
ここで、ドアロック装置1では、キーシリンダH2がドアに設けられる位置によっては、キーシリンダ保持部C2Aは、作動ハウジング7において、図1及び図2に示す位置とは異なる位置に設けられる場合がある。これにより、キーシリンダ保持部C2Aは、後方でリンクロッドC2Bに接続される場合がある。また、キーシリンダH2の操作回転方向が図1及び図2に示す状態と反対に構成される場合がある。これらの場合、ドアロック装置1では、リンクレバーC2Cの第1位置201と第2位置202とが反転する。つまり、キーシリンダH2に対する開錠操作により、リンクレバーC2Cは第2揺動軸心X2周りでD94方向に揺動して第1位置201となる。そして、キーシリンダH2に対する施錠操作により、リンクレバーC2Cは第2揺動軸心X2周りでD93方向に揺動して第2位置202となる。以下、このようなリンクレバーC2Cの揺動を反転状態という。
この場合には、ドアロック装置1では、図4〜図7、図14及び図15に示す第2O/Sロックレバー31を選択する。図14及び図15に示すように、第2O/Sロックレバー31についても、その一部がロックレバー40の凹部403内に配置される。この状態で、第2O/Sロックレバー31では、係合凹部31D内にロックレバー40の第2係合部40Dが配置される。これにより、第2O/Sロックレバー31は、第1爪部31B及び第2爪部31Cを介して、第2係合部40Dと係合可能となっている。つまり、第2O/Sロックレバー31は、第2係合部40Dに係合可能な第2連結位置において、図2に示すリンクレバーC2Cに連結されている。
これにより、キーシリンダH2に対する開錠操作によって、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD94方向に揺動して第1位置201になれば、それに連動して、図14に示すように、第2O/Sロックレバー31が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって反時計方向に揺動する。このため、第2O/Sロックレバー31は、第1爪部31Bを介してロックレバー40の第2係合部40Dと係合しつつ、ロックレバー40を下方に押し下げる。このため、ロックレバー40は、図4や図14に示す開錠位置に変位する。また、この際、図14に示すように、O/Sロックレバー31のスイッチ操作部31Eは、スイッチSW1内の一つの接点をONにする。
一方、キーシリンダH2に対する施錠操作により、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD93方向に揺動して第2位置202になれば、それに連動して、図15に示すように、第2O/Sロックレバー31が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって時計方向に揺動する。これにより、第2O/Sロックレバー31は、第2爪部31Cを介してロックレバー40の第2係合部40Dと係合しつつ、ロックレバー40を上方に引き上げる。これにより、ロックレバー40は、図7や図15に示す施錠位置に変位する。また、この際、図15に示すように、スイッチ操作部31Eは、スイッチSW1内の別の接点をONにする。このように、第2O/Sロックレバー31は、ロックレバー40を開錠位置と施錠位置とに変位させるに当たり、第1O/Sロックレバー30とは逆方向に揺動する。
こうして、ドアロック装置1は、車両の搭乗者の各種操作に応じて、車体に対してドアを閉じた状態で保持したり、ドアを開放させたり、ドアを閉じた状態で施錠又は開錠したりすることができる。
そして、ドアロック装置1では、キーシリンダH2がドアに設けられる位置や、キーシリンダH2の操作回転方向が様々な仕様であっても、第1O/Sロックレバー30又は第2O/Sロックレバー31のいずれかを選択することで対応することが可能となっている。その結果、ドアロック装置1では、部品点数を削減でき、複数品種を用意する手間を抑制することが可能となっている。
したがって、実施例1のドアロック装置1では、製造コストの低廉化を実現できる。
また、ドアロック装置1では、キーシリンダH2がドアに設けられる位置や、キーシリンダH2の操作回転方向が様々な仕様に対応できることから、搭載可能な車両や車種を多くすることが可能となっている。
また、第1O/Sロックレバー30は、ロックレバー40の第1係合部40Cに係合可能な第1連結位置において、リンクレバーC2Cに連結されるように形成されている。一方、第2O/Sロックレバー31は、ロックレバー40の第2係合部40Dに係合可能な第2連結位置において、リンクレバーC2Cに連結されるように形成されている。そして、第1O/Sロックレバー30及び第2O/Sロックレバー31には、それぞれスイッチ操作部30E、31Eが形成されている。このため、第1O/Sロックレバー30や第2O/Sロックレバー31では、ロックレバー40を施錠位置又は施錠位置に変位させる以外に、スイッチSW1の切替、つまり、2つの接点のON/OFF操作を行うことが可能となっている。このため、ドアロック装置1では、スイッチSW1の切替を行うための専用の部品が不要となっている。
また、ドアロック装置1では、ロックレバー40の凹部403内に第1O/Sロックレバー30や第2O/Sロックレバー31の一部が配置されるため、第1O/Sロックレバー30や第2O/Sロックレバー31をロックレバー40に近い位置に配置可能となっている。その結果、ドアロック装置1では、大型化を抑制することが可能となっている。
また、ロックレバー40は、長穴40H及び凸部40Eにより、円滑に略上下方向に往復移動可能となっている。そして、第1突出部401は、第1係合部40Cを支持することが可能となっており、第2突出部402は、第2係合部40Dを支持することが可能となっている。ここで、第1突出部401では、第1係合部40Cに加えて、凸部40Eも支持することも可能となっている。これにより、ロックレバー40では、凸部40Eを支持するための専用の部位が不要となっており、構成を簡素化することが可能となっている。
(実施例2)
実施例2のドアロック装置1では、第1、2O/Sロックレバー30、31に換えて、図16〜図19に示す第3O/Sロックレバー32を備えている。第3O/Sロックレバー32も、本発明の「内部キーレバー」の一例である。また、実施例2のドアロック装置1では、スイッチSW1が設けられていない。
第3O/Sロックレバー32には、O/Sロックレバー揺動軸30Sが挿通される挿通部32Aが形成されている。また、第3O/Sロックレバー32には、第1爪部32B及び第2爪部32Cが形成されている。第1爪部32Bと第2爪部32Cとの間には、係合凹部32Dが凹設されている。
詳細な図示を省略するものの、第3O/Sロックレバー32についても、第1、2O/Sロックレバー30、31と同様、O/Sロックレバー揺動軸30Sに支持される。そして、第3O/Sロックレバー32は、車両内側に向かって突出する連結軸部(図示略)によって、図2に示すリンクレバーC2Cと連結される。また、図16〜図19に示すように、第3O/Sロックレバー32は、その一部がロックレバー40の凹部403内に配置される。実施例2のドアロック装置1における他の構成は、実施例1のドアロック装置1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
実施例2のドアロック装置1では、キーシリンダH2の開錠操作又は施錠操作によるリンクレバーC2Cの揺動が基本状態である場合、図16及び図17に示すように、第3O/Sロックレバー32は、第1爪部32B及び第2爪部32Cを後方に向けた状態とする。そして、この状態で第3O/Sロックレバー32をO/Sロックレバー揺動軸30Sに支持させつつ、リンクレバーC2Cと連結させる。
これにより、第3O/Sロックレバー32の係合凹部32D内には、ロックレバー40の第1係合部40Cが配置される。こうして、第3O/Sロックレバー32は、第1爪部32B及び第2爪部32Cを介して、第1係合部40Cと係合可能となっている。つまり、第3O/Sロックレバー32は、第1係合部40Cに係合可能な第1連結位置において、図2に示すリンクレバーC2Cに連結されている。
そして、キーシリンダH2に対する開錠操作により、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD93方向に揺動して第1位置201になれば、それに連動して、図16に示すように、第3O/Sロックレバー32が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって時計方向に揺動する。これにより、第3O/Sロックレバー32は、第1爪部32Bを介してロックレバー40の第1係合部40Cと係合しつつ、ロックレバー40を下方に押し下げる。これにより、ロックレバー40は図4や図16に示す開錠位置に変位する。
一方、キーシリンダH2に対する施錠操作により、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD94方向に揺動して第2位置202になれば、それに連動して、図17に示すように、第3O/Sロックレバー32が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって反時計方向に揺動する。これにより、第3O/Sロックレバー32は、第2爪部32Cを介してロックレバー40の第1係合部40Cと係合しつつ、ロックレバー40を上方に引き上げる。これにより、ロックレバー40は、図7や図17に示す施錠位置に変位する。
また、実施例2のドアロック装置1では、キーシリンダH2の開錠操作又は施錠操作によるリンクレバーC2Cの揺動が反転状態である場合には、リンクレバーC2Cの揺動が基本状態である場合から、第3O/Sロックレバー32のリンクレバーC2Cに対する第2揺動軸心X2周りの相対位置関係を変更する。つまり、図18及び図19に示すように、第3O/Sロックレバー32について、第1爪部32B及び第2爪部32Cを前方に向けた状態とする。そして、この状態で第3O/Sロックレバー32をO/Sロックレバー揺動軸30Sに支持させつつ、リンクレバーC2Cと連結させる。
これにより、第3O/Sロックレバー32の係合凹部32D内には、ロックレバー40の第2係合部40Dが配置される。このため、第3O/Sロックレバー32は、第1爪部32B及び第2爪部32Cを介して、第2係合部40Dと係合可能となっている。つまり、第3O/Sロックレバー32は、第2係合部40Dに係合可能な第2連結位置において、図2に示すリンクレバーC2Cに連結されている。
そして、キーシリンダH2に対する開錠操作によって、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD94方向に揺動して第1位置201になれば、それに連動して、図18に示すように、第3O/Sロックレバー32が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって反時計方向に揺動する。このため、第3O/Sロックレバー32は、第2爪部32Cを介してロックレバー40の第2係合部40Dと係合しつつ、ロックレバー40を下方に押し下げる。このため、ロックレバー40は、図4や図18に示す開錠位置に変位する。
一方、キーシリンダH2に対する施錠操作により、リンクレバーC2Cが第2揺動軸心X2周りでD93方向に揺動して第2位置202になれば、それに連動して、図19に示すように、第3O/Sロックレバー32が第2揺動軸心X2周りで紙面に向かって時計方向に揺動する。これにより、第3O/Sロックレバー32は、第1爪部32Bを介してロックレバー40の第2係合部40Dと係合しつつ、ロックレバー40を上方に引き上げる。これにより、ロックレバー40は、図7や図19に示す施錠位置に変位する。このように、第3O/Sロックレバー32は、リンクレバーC2Cに対する第2揺動軸心X2周りの相対位置関係を変更することにより、リンクレバーC2Cの揺動が基本状態である場合とは逆方向に揺動してロックレバー40を開錠位置と施錠位置とに変位させる。
こうして、実施例2のドアロック装置1では、1つの第3O/Sロックレバー32について、リンクレバーC2Cに対する第2揺動軸心X2周りの相対位置関係を変更するだけで、キーシリンダH2がドアに設けられる位置や、キーシリンダH2の操作回転方向に対応することが可能となる。つまり、実施例2のドアロック装置1では、キーシリンダH2がドアに設けられる位置や、キーシリンダH2の操作回転方向が様々な仕様であっても、第3O/Sロックレバー32を共通化することが可能となっている。このため、実施例2のドアロック装置1は、実施例1のドアロック装置1に比べて、部品点数を一層削減することが可能となっている。実施例2のドアロック装置1における他の作用は、実施例1のドアロック装置1と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、リンクレバーC2Cの揺動が基本状態である場合、ロックレバー40の第2係合部40Dは、第1O/Sロックレバー30や第3O/Sロックレバー32とは係合しない。このため、ロックレバー40の第2突出部402において、第2係合部40Dを含む部分を切除しても良い。