JP2021002478A - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐屈曲性に優れる透明導電性フィルムを提供すること。【解決手段】本発明による透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とを順に備える。ガラス基材2の厚みは、150μm以下である。透明導電層3が結晶性である。透明導電層3の残留応力が、−100MPa未満であるか、または、100MPaを超過する。これにより、表面抵抗率が低く、可撓性、耐屈曲性に優れた透明導電性フィルムを得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電性フィルムに関し、詳しくは、光学用途に好適に用いられる透明導電性フィルムに関する。
従来から、インジウムスズ複合酸化物(ITO)からなる透明導電層を所望の電極パターンに形成した透明導電性フィルムが、タッチパネルなどの光学用途に用いられる。
このような透明導電性フィルムは、通常、基材と透明導電層とを順に備えている。
従来、基材として、比較的厚いガラス基材を用いることが知られている。
しかし、基材として、比較的厚いガラス基材を用いると可撓性が低下するため、可撓性を向上させる観点から、基材として、高分子フィルムを用いることが検討されている。
一方で、先に基材の温度を上昇させてから、成膜することで、成膜と同時にITOを結晶化(「アズデポ結晶化」とも呼ばれる)させることができる。かかるアズデポ結晶化によって、一度アモルファスで成膜した後に、結晶化するよりも、透明電極層の表面抵抗値を低くできることが知られている。しかし、このような場合には、基板の温度を高温にして成膜するため、高分子フィルムの耐熱性の観点から、高分子フィルムを使用することはできない。
そこで、可撓性を向上しつつ、表面抵抗値を低くする観点から、基材として、薄ガラスを用いることが検討されている。
例えば、極薄ガラス透明基板と、透明導電性酸化物層とを備える透明積層基材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−106124公報
しかるに、高分子フィルムに比べて、薄ガラスは、曲げ応力に対する強度が低いため、特許文献1のように、基材として、薄ガラスを用いると、耐屈曲性が低くなるという不具合がある。
とりわけ、薄ガラスは、屈曲によって破損する場合があるため、高分子フィルムと比べて、より一層、耐屈曲性が要求される。
本発明は、耐屈曲性に優れる透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明[1]は、ガラス基材と、透明導電層とを順に備え、前記ガラス基材の厚みは、150μm以下であり、前記透明導電層が結晶性であり、前記透明導電層の残留応力が、−100MPa未満であるか、または、100MPaを超過する、透明導電性フィルムである。
本発明[2]は、前記透明導電層の表面抵抗値が、30Ω/□以下である、請求項1に記載の透明導電性フィルムを含んでいる。
本発明[3]は、前記透明導電層は、金属酸化物を含有する、上記[1]または[2]に記載の透明導電性フィルムを含んでいる。
本発明[4]は、前記金属酸化物がインジウムスズ複合酸化物であることを特徴とする、上記[3]に記載の透明導電性フィルムを含んでいる。
本発明の透明導電性フィルムは、ガラス基材と、透明導電層とを順に備え、ガラス基材の厚みは、150μm以下である。そのため、可撓性に優れる。
また、この透明導電性フィルムにおいて、透明導電層が結晶性である。そのため、表面抵抗値を低くできる。また、この透明導電性フィルムにおいて、透明導電層の残留応力が、−100MPa未満であるか、または、100MPaを超過する。これにより、透明導電層が曲げ応力を緩和することができ、その結果、耐屈曲性に優れる。
図1は、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態の断面図を示す。
図1を参照して、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態を説明する。
図1において、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側)である。また、紙面左右方向および奥行き方向は、上下方向に直交する面方向である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
1.透明導電性フィルム
透明導電性フィルム1は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)を有し、厚み方向と直交する面方向に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材や電磁波シールドなどの一部品であり、つまり、画像表示装置ではない。すなわち、透明導電性フィルム1は、画像表示装置などを作製するための部品であり、OLEDモジュールなどの画像表示素子を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
具体的には、図1に示すように、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とをこの順に備える。透明導電性フィルム1は、より具体的には、ガラス基材2と、ガラス基材2の上面(厚み方向一方面)に配置される透明導電層3とを備える。
透明導電性フィルム1の厚みは、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下であり、また、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上である。
2.ガラス基材
ガラス基材2は、透明導電性フィルム1の機械強度を確保するための透明な基材である。すなわち、ガラス基材2は、透明導電層3を支持している。
ガラス基材2は、フィルム形状を有する。ガラス基材2は、透明導電層3の下面に接触するように、透明導電層3の下面全面に、配置されている。
ガラス基材2は、可撓性を有し、透明なガラスから形成されている。
ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどが挙げられる。
ガラス基材2の厚みは、150μm以下、好ましくは、120μm以下、より好ましくは、100μm以下である。また、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上である。ガラス基材2の厚みが上記上限以下であれば、可撓性に優れる。また、ガラス基材2の厚みが上記下限以上であれば、機械的強度に優れ、搬送時の破損を抑制することができる。
ガラス基材2の厚みは、ダイヤルゲージ(PEACOCK社製、「DG−205」)を用いて測定することができる。
ガラス基材2の全光線透過率(JIS K 7375−2008)は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上である。
3.透明導電層
透明導電層3は、結晶質であり、優れた導電性を発現する透明な層である。
透明導電層3は、フィルム形状を有する。透明導電層3は、ガラス基材2の上面全面に、ガラス基材2の上面に接触するように、配置されている。
透明導電層3の材料としては、例えば、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属酸化物が挙げられる。金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子をドープしていてもよい。
透明導電層3としては、具体的には、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)などのインジウム含有酸化物、例えば、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などのアンチモン含有酸化物などが挙げられ、好ましくは、インジウム含有酸化物、より好ましくは、ITOが挙げられる。
透明導電層3の材料としてITOを用いる場合、酸化スズ(SnO)含有量は、酸化スズおよび酸化インジウム(In)の合計量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。酸化スズの含有量が上記下限以上であれば、ITO層の耐久性をより一層良好にすることができる。酸化スズの含有量が上記上限以下であれば、ITO層の結晶転化を容易にし、透明性や比抵抗の安定性を向上させることができる。
本明細書中における「ITO」とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)とを含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分としては、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、具体的には、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、Cr、Gaなどが挙げられる。
透明導電層3は、結晶質である。
透明導電層3が、結晶質であれば、後述する表面抵抗率を低くできる。
透明導電層3の結晶質性は、例えば、透明導電性フィルム1を塩酸(20℃、濃度5質量%)に15分間浸漬し、続いて、水洗および乾燥した後、透明導電層3側の表面に対して15mm程度の間の端子間抵抗を測定することにより判断できる。上記浸漬・水洗・乾燥後の透明導電性フィルム1において、15mm間の端子間抵抗が10kΩ以下である場合、透明導電層は結晶質であり、一方、上記抵抗が10kΩを超過する場合、透明導電層3は非晶質である。
透明導電層3の上面の比抵抗は、例えば、2.0×10−4Ω・cm以下、好ましくは、1.8×10−4Ω・cm以下、より好ましくは、1.5×10−4Ω・cm以下、さらに好ましくは、1.2×10−4Ω・cm以下であり、また、例えば、1.0×10−4Ω・cm以上である。比抵抗は、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定することができる。
透明導電層3の上面の表面抵抗率は、例えば、30Ω/□以下、好ましくは、15Ω/□以下、より好ましくは、13Ω/□以下、さらに好ましくは、12Ω/□以下であり、また、例えば、1Ω/□以上、好ましくは、10Ω/□以上である。表面抵抗率は、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定することができる。
表面抵抗率が、上記上限以下であれば、この透明導電性フィルム1を大型のタッチパネルなどに好適に用いることができる。
透明導電層3の残留応力は、−100MPa未満、好ましくは、−200MPa以下、より好ましくは、−300MPa以下、さらに好ましくは、−400MPa以下であり、また、例えば、−1000MPa以上、好ましくは、比抵抗を低減させる観点から、−800Pa以上である。
また、透明導電層3の残留応力は、100MPaを超過し、好ましくは、300MPa以上であり、また、例えば、1000MPa以下である。
なお、負の残留応力は、圧縮方向の残留応力を意味し、正の残留応力は、伸長方向の残留応力を意味する。
透明導電層3の負の残留応力が、上記上限未満であれば、透明導電層3の残留応力が大きくなり、耐屈曲性が向上する。
一方、透明導電層3の負の残留応力が、上記上限以上であれば、透明導電層3の残留応力が小さくなり、耐屈曲性が低下する。
また、透明導電層3の正の残留応力が、上記下限を超過すれば、透明導電層3の残留応力が大きくなり、耐屈曲性が向上する。
一方、透明導電層3の負の残留応力が、上記下限以下であれば、透明導電層3の残留応力が小さくなり、耐屈曲性が低下する。
なお、残留応力は、後述する実施例で詳述するが、X線回折法によって求めることができる。
具体的には、残留応力は、特開2017−106124号公報の残留応力の測定方法に準拠して求めることができる。
また、残留応力は、詳しくは後述するが、後述する反応性ガス導入量、後述する成膜圧力、および、後述する基材温度を所定の範囲に調整することで、上記した範囲に調整される。
透明導電層3の厚みは、例えば、15nm以上、好ましくは、30nm以上、より好ましくは、100nm以上であり、また、例えば、300nm以下、好ましくは、250nm以下、より好ましくは、150nm以下である。透明導電層3の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて、透明導電性フィルム1の断面を観察することにより測定することができる。
4.透明導電性フィルムの製造方法
透明導電性フィルム1を製造するには、例えば、ロールトゥロール工程において、ガラス基材2の上面に、透明導電層3を設ける。具体的には、長尺なガラス基材2を送出ロールから送出して搬送方向下流側に搬送しながら、ガラス基材2の上面に透明導電層3を設け、巻取ロールにて導電性フィルム1を巻き取る。以下、詳述する。
まず、送出ロールに巻回された長尺なガラス基材2を用意し、巻取ロールに巻回されるようにガラス基材2を搬送する。
搬送速度は、例えば、0.1m/分以上、好ましくは、0.2m/分以上であり、また、例えば、1.0m/分以下、好ましくは、0.5m/分以下である。
その後、必要に応じて、ガラス基材2と透明導電層3との密着性の観点から、ガラス基材2の表面に、例えば、スパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を実施することができる。また、溶剤洗浄、超音波洗浄などによりガラス基材2を除塵、清浄化することができる。
次いで、ガラス基材2の上面に透明導電層3を設ける。例えば、乾式方法により、ガラス基材2の上面に透明導電層3を形成する。
乾式方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。この方法により、薄膜であり、かつ、厚みが均一である透明導電層3を形成することができる。
スパッタリング法は、真空チャンバー内にターゲットおよび被着体(ガラス基材2)を対向配置し、ガスを供給するとともに電源から電圧を印加することによりガスイオンを加速しターゲットに照射させて、ターゲット表面からターゲット材料をはじき出して、そのターゲット材料を被着体表面に積層させる。
スパッタリング法としては、例えば、2極スパッタリング法、ECR(電子サイクロトロン共鳴)スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法などが挙げられる。好ましくは、マグネトロンスパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材料としては、透明導電層3を構成する上述の金属酸化物などが挙げられ、好ましくは、ITOが挙げられる。ITOの酸化スズ濃度は、ITO層の耐久性、結晶化などの観点から、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。
ガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。また、必要に応じて、酸素ガスなどの反応性ガスを併用することができる。
不活性ガスに対する反応性ガスの導入割合(以下、反応性ガス導入量とする。)は、例えば、0.1体積%以上、好ましくは、1体積%以上であり、また、例えば、10体積%以下、好ましくは、7体積%以下、より好ましくは、5体積%以下である。
スパッタリング時の気圧(以下、成膜気圧とする。)は、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.5Pa以下であり、また、例えば、0.1Pa以上、好ましくは、0.2Pa以上である。
電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
そして、このスパッタリングでは、スパッタリング前に、ガラス基材2を予め高温に加熱する。これにより、ガラス基材2の表面において透明導電層3を形成する粒子は高いエネルギー状態に置かれ、スパッタリングによる成膜と同時に結晶化(アズデポ結晶化)できる。
ガラス基材2の加熱温度(以下、基材温度とする。)は、例えば、250℃以上、好ましくは、350℃以上であり、また、例えば、600℃以下、好ましくは、550℃以下である。
ガラス基材2の加熱時間は、例えば、10秒以上、好ましくは、20秒以上であり、また、例えば、120秒以下、好ましくは、60秒以下である。
そして、上記した透明導電層3の残留応力を上記した所定の範囲に調整する観点から、好ましくは、上記した反応性ガス導入量、成膜圧力、および、基材温度を所定の範囲に調整する。
具体的には、基材温度が250℃以上350℃未満である場合には、反応性ガス導入量が、例えば、1体積%以上3体積%以下であり、また、成膜圧力が、例えば、0.1Pa以上0.5Pa以下である。
また、基材温度が350℃以上550℃以下である場合には、反応性ガス導入量が、例えば、2.5体積%以上3.5体積%未満であり、また、成膜圧力が、例えば、0.2Pa以上0.5Pa以下である。または、基材温度が350℃以上550℃以下である場合には、反応性ガス導入量が、例えば、5体積%以上7体積%以下であり、また、成膜圧力が、例えば、0.1Pa以上0.2Pa以下である。
これにより、上記した透明導電層3の残留応力を上記した所定の範囲に調整することができる。
そして、透明導電層3の加熱後に、透明導電層3を冷却する。
これにより、ガラス基材2の上面に透明導電層3を形成され、ガラス基材2と、透明導電層3とを順に備える透明導電性フィルム1が得られる。
得られる透明導電性フィルム1の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
5.作用効果
透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とを順に備え、ガラス基材2の厚みは、150μm以下である。そのため、可撓性に優れる。
また、透明導電性フィルム1において、透明導電層3が結晶性である。そのため、表面抵抗値を低くできる。
また、透明導電性フィルム1において、透明導電層3の残留応力は、−100MPa未満であるか、または、100MPaを超過する。
そのため、透明導電性フィルム1に、曲げ応力を与えても、透明導電層3がその応力を緩和することができる。その結果、この透明導電性フィルム1は、耐屈曲性に優れる。
6.変形例
上記した説明では、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とからなるが、ガラス基材2と透明導電層3と間に中間層を介在させることもできる。
中間層としては、ハードコート層が挙げられる。
ハードコート層は、透明導電性フィルム1を製造する際に、ガラス基材2に傷が発生することを抑制するための保護層である。また、ハードコート層は、透明導電性フィルム1を積層した場合に、透明導電層3に擦り傷が発生することを抑制するための耐擦傷層である。
ハードコート層は、例えば、ハードコート組成物から形成される。
ハードコート組成物は、樹脂成分を含有する。
樹脂成分としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられる。
また、ハードコート組成物は、粒子を含有することもできる。
粒子としては、架橋アクリル系粒子などの有機粒子、シリカ粒子などの無機粒子などが挙げられる。
ハードコート層の厚みは、耐擦傷性の観点から、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、3μm以下である。ハードコート層の厚みは、例えば、瞬間マルチ測光システム(例えば、大塚電子社製、「MCPD2000」)を用いて観測される干渉スペクトルの波長に基づいて算出することができる。
また、中間層としては、光学調整層が挙げられる。
光学調整層は、透明導電層3のパターン視認を抑制したり、透明導電性フィルム1内の界面での反射を抑制しつつ、透明導電性フィルム1に優れた透明性を確保するために、透明導電性フィルム1の光学物性(例えば、屈折率)を調整する層である。
光学調整層は、例えば、光学調整組成物から形成される。
光学調整組成物は、上記の樹脂成分および上記の粒子を含有する。
光学調整層の厚みは、例えば、5nm以上、好ましくは、10nm以上であり、また、例えば、200nm以下、好ましくは、100nm以下である。光学調整層の厚みは、例えば、瞬間マルチ測光システムを用いて観測される干渉スペクトルの波長に基づいて算出することができる。
つまり、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と透明導電層3と間に、ハードコート層または光学調整層を介在させることもでき、また、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と透明導電層3と間に、ハードコート層および光学調整層を介在させることもできる。
好ましくは、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と透明導電層3と間に、光学調整層を介在させ、より好ましくは、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と透明導電層3と間に、ハードコート層および光学調整層を介在させず、すなわち、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とからなる。
詳しくは、透明導電性フィルム1では、基材として、ガラス基材2を用いるため、基材として、高分子フィルムを用いる場合と比べて、ガラス基材2と、透明導電層3との間に中間層(特に、ハードコート層)を介在させなくても、密着性および透過性に優れる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
1.透明導電性フィルムの製造
実施例1
ガラス基材として、ロール状に巻回された長尺な透明ガラス基材(厚み50μm、日本電気硝子社製、「G−Leaf」)を準備した。
この透明ガラス基材を送出ロールにセットして、搬送速度0.27m/分にて送り出し、スパッタリング装置(ターゲット部)を通過させて、巻取ロールに巻回した。DCスパッタリング法により、厚みが130nmであるITO層(透明導電層)をガラス基材の上面に形成した。スパッタリングは、アルゴンガス98%および酸素ガス2%(すなわち、酸素ガス導入量2体積%)を導入した気圧(成膜気圧)0.13Paの真空雰囲気下で、実施した。放電出力は、3kWとした。ターゲットは、87.5質量%の酸化インジウムおよび12.5質量%の酸化スズの焼結体を用いた。また、スパッタリング前に、スパッタリング装置内で、赤外線ヒータ(加熱部)を作動し、ヒーター温度(基材温度)を500℃に設定し、ガラス基材を25秒加熱した。
これにより、ガラス基材とITO層とを備え、ロール状に巻回された透明導電性フィルムを製造した。
実施例2〜実施例5および比較例1〜比較例4
表1に従って、基材温度、成膜気圧および酸素ガス導入量を変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを製造した。
2.評価
1)表面抵抗率
各実施例および各比較例のITO層の表面抵抗率を、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定した。その結果を表1に示す。
2)比抵抗
各実施例および各比較例のITO層の比抵抗を、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定した。その結果を表1に示す。
3)残留応力
各実施例および各比較例のITO層の残留応力を、X線散乱法により、ITO膜の結晶格子歪みから間接的に求めた。
具体的には、まず、株式会社リガク製の粉末X線回折装置により、測定散乱角2θ=59〜62°の範囲で0.04°おきに回折強度を測定した。各測定角度における積算時間(露光時間)は100秒とした。
そして、得られた回折像のピーク(ITOの(622)面のピーク)角2θ、およびX線源の波長λから、ITO膜の結晶格子間隔dを算出し、dを基に格子歪みεを算出した。算出にあたっては下記式(1)および下記式(2)を用いた。
Figure 2021002478
Figure 2021002478
ここで、λはX線源(Cu Kα線)の波長(=0.15418nm)であり、dは無応力状態のITOの格子面間隔(=0.15241nm)である。なお、dはICDD(The International Centre for Diffraction Data)データベースから取得した値である。
上記のX線回折測定を、フィルム面法線とITO結晶面法線とのなす角Ψが45°、50°、55°、60°、65°、70°、77°、90°のそれぞれについて実施し、それぞれのΨにおける格子歪みεを算出した。なお、フィルム面法線とITO結晶面法線とのなす角Ψは、TD方向を回転軸中心として試料を回転することによって、調整した。ITO膜面内方向の残留応力σは、sinΨと格子歪εとの関係をプロットした直線の傾きから下記式(3)により求めた。
Figure 2021002478
なお、上記式において、EはITOのヤング率(116GPa)、νはポアソン比(0.35)である。これらの値は、D.G. Neerinck and T.J.Vink、“Depth profiling of thin ITO films by grazing incidence X−ray diffraction”、Thin Solid Films、278(1996)、PP12−17.に記載されている既知の実測値である。
得られた残留応力を表1に示す。
4)耐屈曲性(2点曲げ試験)
各実施例および各比較例の透明導電性フィルムを、50mm×100mmに切断した。
切断した透明導電性フィルムを、長辺方向中央部を起点に屈曲させた際に、透明導電性フィルムが、割れた際の2点間の距離を測定した。2点間の距離とは、長辺方向中央部を起点に屈曲させたときの、長辺方向一方端と他方端との距離である。
その結果を表1に示す。
Figure 2021002478
1 透明導電性フィルム
2 ガラス基材
3 透明導電層

Claims (4)

  1. ガラス基材と、透明導電層とを順に備え、
    前記ガラス基材の厚みは、150μm以下であり、
    前記透明導電層が結晶性であり、
    前記透明導電層の残留応力が、−100MPa未満であるか、または、100MPaを超過することを特徴とする、透明導電性フィルム。
  2. 前記透明導電層の表面抵抗値が、30Ω/□以下であることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電層は、金属酸化物を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記金属酸化物がインジウムスズ複合酸化物であることを特徴とする、請求項3に記載の透明導電性フィルム
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