JP2014017128A - 透明導電性基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】当該透明導電層とパターン導電層とを、それぞれ蒸着法および塗工液の塗布という別の形成方法により形成してもなお、これら各層と基材との密着強度が低下することがない、新たな透明導電性基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】透明な基材上に、シランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層が形成された、透明基板を準備する工程と、前記プライマー層上に、導電性金属または導電性金属化合物を含むパターン導電層形成用塗工液を塗布し、その後乾燥することにより、パターン導電層を形成する工程と、前記プライマー層上に、透明導電性金属酸化物を蒸着することにより、透明導電層を形成する工程と、により透明導電性基板を製造する。
【選択図】図3

Description

本発明は、透明導電性基板の製造方法に関する。
近年、フラットディスプレイが多くの分野、場所で使われており、情報化が進む中でますますその重要性は高まってきている。
現在、フラットディスプレイの中で中心的な存在は、液晶ディスプレイ(LCD)と言えるが、液晶ディスプレイ(LCD)とは異なる表示原理に基づくフラットディスプレイとして、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ライトエミッティングダイオード表示装置(LED)、蛍光表示管表示装置(VFD)、およびフィールドエミッションディスプレイ(FED)などの開発も活発に行われている。
そして、液晶ディスプレイ(LCD)を含め、上記の各種フラットディスプレイのほとんどすべてには透明導電性基板が用いられている。
従来、透明導電性基板は、透明な基材と、当該基材上に位置し、透明導電性金属酸化物を蒸着することで得られる透明導電層と、から構成されていた。しかしながら、近年は、フラットディスプレイの大型化に伴い、透明導電層のみでは電圧降下が生じてしまうことを解決するため、透明な基材上に、透明導電層のみならず、導電性金属酸化物を含むパターン導電層を塗布により形成することが行われている。このようにパターン導電層を形成することにより、当該パターン導電層が電流のパスとなり、フラットディスプレイの大型化に伴う電圧降下の発生を防止することができる。
なお、本願発明に関連すると思われる先行技術として、下記特許文献1が挙げられる。
特開2006−107996号公報
しかしながら、上記のように、基材上に透明導電層とパターン導電層という2種類の層を形成した場合、これらの層は形成方法が異なっているため、つまり透明導電層は蒸着法により形成され、パターン導電層は塗工液の塗布により形成されるため、これら各層と基材との密着強度が異なってしまい、最終的な製品としての完成度が低下してしまうといった問題が生じうる。なお、塗布により形成されたパターン導電層と、蒸着により形成された透明導電層との密着強度が異なる理由については必ずしも明確ではないが、塗布により形成する場合には、基材上に塗布された段階では未だ「層」ではなく、その後乾燥されることにより徐々に層となっていくのに対し、蒸着により形成する場合には、基材上に直接「層」として形成されることから、寸法変化や基材へ与えるダメージの大小などにより、密着強度が異なってくるものと考えることができる。また、基材表面に存在する官能基との相性、および基材表面の濡れ性なども密着性に影響があるものと考えることもできる。つまり、基材表面に存在する官能基とパターン導電性を形成するための塗工液中の固形分の相性が良い場合であっても、蒸着により形成される透明導電層を構成する物質との相性が悪い場合には、良好な密着性が得られないことが想定できる。さらには、蒸着により形成した層は塗工によって形成した層に比べて残留応力が高いのが一般的であり、そうすると、透明電極層の残留応力がパターン導電層のそれよりも高いことが考えられ、この残留応力の差が密着性に影響していると考えることもできる。
なお、当該問題を解決するために、透明導電層とパターン導電層とを同一の形成方法により、つまり、例えば各層ともに蒸着法で形成するか、あるいは各層ともに塗工液の塗布により形成することも考えられるが、こうした場合、形成方法によって各層の材質等が制約されてしまい、各層の性能が低下したり、コスト高となってしまい、好ましくない。
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、電圧降下の発生を防止するために、透明導電層に加えパターン導電層が形成された透明導電性基板の製造方法に関し、当該透明導電層とパターン導電層とを、それぞれ蒸着法および塗工液の塗布という別の形成方法により形成してもなお、これら各層と基材との密着強度が低下することがない、新たな透明導電性基板の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための発明は、透明導電性基板の製造方法であって、透明な基材上に、シランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層が形成された、透明基板を準備する工程と、前記プライマー層上に、導電性金属または導電性金属化合物を含むパターン導電層形成用塗工液を塗布し、その後乾燥することにより、パターン導電層を形成する工程と、前記プライマー層上に、透明導電性金属酸化物を蒸着することにより、透明導電層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記の発明にあっては、前記透明な基材における前記プライマー層が形成される表面には、珪素化合物またはアルミニウム化合物を含むガスバリア層が存在してもよい。
本発明の透明導電性基板の製造方法によれば、第一に、透明な基材上に透明導電層に加えパターン導電層を形成しているため、電圧降下を生じさせることなく、フラットディスプレイの大型化の要請に応えることができる。第二に、前記パターン導電層を塗工液の塗布により形成する一方、透明導電層は蒸着法により形成しているため、つまり、各層に応じた形成方法を採用しているため、材料選択を制限されることもなく、コスト高となることもない。第三に、透明な基材上にはシランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層が形成されているため、当該プライマー層中のシランカップリング剤の働きにより、前記透明導電層とパターン導電層とを、それぞれ蒸着法および塗工液の塗布という別の形成方法により形成してもなお、これら各層と基材との密着強度が低下することを防止することができる。
透明基板を準備する工程において準備される基材の概略断面図である。 図1(a)に示した透明基板上にパターン導電層を形成した際の概略断面図である。 図2に示したパターン導電層が形成された後の透明基板上に透明導電層を形成した際の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する形態に限定されることはなく、技術思想を逸脱しない範囲において種々変形を行なって実施することが可能である。また、添付の図面においては、説明のために上下、左右の縮尺を誇張して図示することがあり、実際のものとは縮尺が異なる場合がある。
本発明の透明導電性基板の製造方法は、(1)透明な基材上に、シランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層が形成された、透明基板を準備する工程と、(2)前記プライマー層上に、導電性金属または導電性金属化合物を含むパターン導電層形成用塗工液を塗布し、その後乾燥することにより、パターン導電層を形成する工程と、(3)前記プライマー層上に、透明導電性金属酸化物を蒸着することにより、透明導電層を形成する工程と、を含んでいる。以下、各工程について説明する。
(1)透明基板を準備する工程
図1は、この工程において準備される基材の概略断面図である。
図1(a)に示すように、この工程において準備される透明基板10は、透明な基材11と、当該基材11上に、シランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層12と、から構成されている。このように、シランカップリング剤を含むプライマー層12を存在せしめることにより、塗布により形成されるパターン導電層と、蒸着法により形成される透明導電層の双方との密着性を強固にすることができる。
ここで、透明基板10を構成する基材11の材質としては、特に限定されることはなく、所望の透明度を有しており、従来の透明導電性基板において用いられていたものを適宜選択して用いればよい。具体的には、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英などのリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
また、基材11の厚さについても特に限定することはなく、従来と同様、例えば50〜300μm程度とすればよい。
図1(b)は、透明基板10を構成する基材11の別の態様を示している。図1(a)に示した基材11は、単層構造であったが、当該単層構造に限定されることはなく、図1(b)に示すように、積層構造であってもよい。なお、図1(b)は、二層構造である。
基材11を積層構造とする場合にあっては、これを構成する各層の材質や厚さについては特に限定することはなく、上記の基材11として選択可能な各種材質を、所望の性能を発揮するように適宜積層すればよい。
より具体的には、例えば、図1(b)に示すように、基材11を二層構造とする場合には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英などのリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材などからなる層11aと、珪素化合物またはアルミニウム化合物を含むガスバリア層11bとを積層した構造とし、当該ガスバリア層11b上に後述するプライマー層12を形成してもよい。
このように、基材11と後述するプライマー層12との界面に位置する部分に、ガスバリア層11bを設けておくことにより、基材11を構成する層11aからの出ガスが発生した場合に、これがプライマー層12に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
当該ガスバリア層11bとしては、珪素化合物またはアルミニウム化合物を含み、所望のガスバリア性を発揮する層であれば特に限定されることはなく、例えば、従来公知の、スパッタリング法や真空蒸着法により形成された酸化珪素層や酸化アルミニウム層などを用いることができる。
このような基材11の表面、より具体的には、この後の工程において、パターン導電層および透明導電層のいずれか一方または双方が形成される面に、シランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層12が形成されている。
当該プライマー層を構成する硬化性樹脂としては、一般的な熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、さらには電子線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いればよく、特に限定されることはないが、工業生産性を考慮すると、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂を用いた場合、熱や電子線によって基材11にダメージを与えてしまう場合があるからである。
紫外線硬化性樹脂の中でも、アクリルモノマーを主成分とする樹脂を用いることが好ましく、具体的には、アクリレート系官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー、反応性希釈剤等が挙げられる。これらのうち、工業生産等を考慮すると、ポリエステルアクリレートを用いることが好ましい。より具体的には、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトーリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。
上記樹脂に含まれ、プライマー層12を構成するシランカップリング剤としては、特に限定されることはなく、従来公知のシランカップリング剤を適宜選択して用いることができる。その中でも、上記で好ましい例として挙げたポリエステルアクリレートを硬化性樹脂として用いた場合においては、エチレン性不飽和二重結合を有するシランカップリング剤を用いることが好ましく、具体的には、ビニル系シランカップリング剤、メタクリロキシ系シランカップリング剤、およびアクリロキシ系シランカップリング剤から選択される少なくとも1つであることが好ましい。これらは工業的に得やすいシランカップリング剤だからであり、さらに安全性を考慮すると、メタクリロキシ系シランカップリング剤が特に好ましい。
ビニル系シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランを挙げることができる。メタクリロキシ系シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを挙げることができる。アクリロキシ系シランカップリング剤としては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらのうち、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−503)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBE−502)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBE−503)が、安全性や工業的に好ましい。
上記のようなシランカップリング剤の含有量は、プライマー層12の質量に対して10質量%以上25質量%以下とすることが好ましい。すなわち、プライマー層12の質量を100質量%としたときに、シランカップリング剤の含有量が10質量%以上25質量%以下となるように制御されていることが好ましい。シランカップリング剤の含有量を10質量%以上とすることにより、シランカップリング剤により形成されるシリコンを有する基が、当該プライマー層12とこの上に形成されるパターン導電層および透明導電層との界面に充分に存在することとなり、経時での密着性持続の効果が得られやすくなる。一方で、25質量%以下とすることで、前記密着性に寄与しないシランカップリング剤の含有量を制御することができる。
なお、プライマー層12とこの上に形成されるパターン導電層および透明導電層との界面にシリコンを含有する基が存在することと、プライマー層とパターン導電層および透明導電層との密着性との関係については必ずしも明確ではないが、本願発明者の研究によれば、両者には何らかの関係があり、プライマー層12の表面にシリコンを含有する基を存在せしめることが好ましいと考えられる。プライマー層12の表面に存在するシリコンを含有する基の量については、特に限定することはないが、例えば0.1原子%以上0.25%以下で存在させることが好ましい。なお、この量はプライマー層12の表面をESCA(X線光電子分光法)分析してシリコンの量(原子%)を求めることにより得ることができる。
プライマー層12の形成方法については特に限定することはなく、公知の方法を適宜選択して用いることができる。例えば、プライマー層形成用塗工液を用い、これを塗布、硬化することによって形成してもよい。
プライマー層形成用塗工液は、上述した硬化性樹脂、シランカップリング剤の他、重合開始剤や光増感剤を含有することができ、粘度調整の観点から各種溶剤を含有してもよい。さらには各種添加剤、例えば熱安定剤、ラジカル捕捉剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、色素、体質顔料、光拡散剤などを含有してもよい。
なお、プライマー層12は必ずしも形成しなければならないものではなく、上記のようなプライマー層12が予め形成された透明基板10があれば、これを購入しても構わない。
このようなプライマー層12の厚さについても特に限定することはなく、例えば0.1μm以上20μm以下としてもよく、0.5μm以上10μm以下とすることが特に好ましい。
(2)パターン導電層形成工程
図2は、図1(a)に示した透明基板10上にパターン導電層20を形成した際の概略断面図である。
図2に示すように、本発明の透明導電性基板の製造方法においては、準備された透明基板10におけるプライマー層12に、導電性金属または導電性金属化合物を含むパターン導電層形成用塗工液を塗布し、その後乾燥することにより、パターン導電層20を形成する工程が行われる。
当該工程において用いられるパターン導電層形成用塗工液に含まれる導電性金属または導電性金属化合物としては、従来公知のものを適宜選択して用いればよく、特に限定させることはないが、例えば、Cu、Ag、Au、Pt、Al、Cr、Coといった金属やそれらの合金、あるいは前記金属の酸化粒や窒化物を挙げることができる。また、MAM(モリブデン/アルミニウム・ネオジウム合金/モリブデン)に代表される複層金属膜等を挙げることができる。
さらに、パターン導電層形成用塗工液中には、有機化合物および溶剤の他、分散剤などを含有することができる。
このようなパターン導電層形成用塗工液の塗布方法についても、特に限定されることはなく、各種印刷法、例えばインクジェット方式の印刷法などを適宜選択して用いればよい。
(3)パターン導電層形成工程
図3は、図2に示したパターン導電層が形成された後の透明基板上に透明導電層を形成した際の概略断面図である。
図3に示すように、本発明の透明導電性基板の製造方法においては、準備された透明基板10におけるプライマー層12上に、透明導電性金属酸化物を蒸着することにより、透明導電層30を形成する工程が行われる。
当該工程において蒸着される透明導電性金属酸化物としては、すでに一般的に用いられているものを適宜選択して用いればよく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第二錫等を挙げることができる。
また、具体的な蒸着方法についても特に限定されることはなく、従来公知の蒸着方法を用いればよい。
なお、図3に示す透明導電層30は、プライマー層12上のみならずパターン導電層20上にも形成されているが、この態様に限定されることはなく、少なくともプライマー層12上に形成されていればよい。
上記の説明においては、(1)(2)(3)の順で製造される場合を説明したが、(2)と(3)、つまり(2)パターン導電層形成工程と、(3)透明導電層形成工程とは、必ずしもこの順で行われる必要はなく、(3)透明導電層形成工程を行った後に、(2)パターン導電層形成工程を行ってもよい。
(実施例1)
透明基板を構成する透明な基材として、PEN基板(Q65−FA、帝人デュポン社、300mm幅、300m、125umt)を準備し、これを水洗、乾燥することにより、当該基材の表面を洗浄した。
次いで、下記に示すプライマー層形成用塗工液を準備し、これを洗浄した基材の表面にスロットダイコート法により塗布し乾燥することで、厚さ1μmのプライマー層を形成した。なお、プライマー層の表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定したところ、Ra=2nmであり、非常に平坦な表面であることを確認した。
(プライマー層形成用塗工液)
・メタクリロキシ系シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−503):8質量部
・ポリエステルアクリレート(重合性化合物、東亞合成株式会社製、商品名:M−8030):15質量部
・フルオレンアクリレート(重合性化合物、新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステル A−BPEF):15質量部
・メチルエチルケトン:30質量部
・トルエン:30質量部
・オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン](光重合開始剤、lamberti社製、商品名:ESACURE ONE):2質量部
次いで、パターン導電層形成用塗工液として、銀ナノコロイド溶液(ハリマ化成、NPS−J)を準備し、インクジェット印刷(塗工)により、前記プライマー層上にパターン状に印刷を行い、その後、大気下で120℃・15分間の乾燥させることでパターン導電層を形成した。乾燥後のパターン導電層の厚さは200nmであった。
次いで、スパッタリング法(蒸着法)によりITOからなる透明導電層を形成することで、本発明の実施例1の製造方法による透明導電性基板を得た。なお、透明導電層の厚さは100nmであった。
(実施例1の評価)
上記実施例1の製造方法による透明導電性基板を用い、有機太陽電池を製造した。すなわち、透明導電性基板上に、正孔輸送層としてのPEDOT−PSS(Clevious,AI−4083)および光電変換層としてのP3HT/PCBM層をグラビア印刷法により形成し、電子輸送層としてCa、対向電極としてAlを蒸着形成し、有機薄膜太陽電池素子を製造した。有機薄膜太陽電池形成プロセスでは、PEDOT−PSS乾燥工程において150℃・15分の加熱工程および、光電変換層の乾燥工程にて150℃・15分の加熱工程が行われたが、透明導電性基板の状態は良好であった。
また、上記で製造したした有機薄膜太陽電池を所定のサイズに切断し、250mm幅、20mmの短冊状の単セルを得、これをAM1.5Gの擬似太陽光を照射し、太陽電池特性を評価した結果、変換効率:4%の太陽電池特性が得られた。
(比較例1)
実施例1と同じ透明な基材を準備し、これを実施例1と同じように洗浄した。洗浄後の基材の表面に対し、易接着処理を施し、易接着処理面に対し、実施例1と同じパターン導電層形成用塗工液を用いて、実施例1と同じ条件にてパターン導電層を形成した。
次いで、実施例1と同じ条件にて、ITOからなる透明導電層を形成することで、比較例1の製造方法による透明導電性基板を得た。つまり、比較例1においては、プライマー層は設けられていない。
(比較例1の評価)
比較例1の製造方法による透明導電性基板を用い、上記実施例1と同じ評価を行ったところ、透明な基材から透明導電層が剥離してしまい、透明導電層にクラックは発生していた。有機薄膜太陽電池としては不適であった。
(比較例2)
実施例1と同じ透明な基材を準備し、これを実施例1と同じように洗浄した。洗浄後の基材の表面に、実施例1と同じパターン導電層形成用塗工液を用いて、実施例1と同じ条件にてパターン導電層を形成した。つまり、比較例2においては、プライマー層は設けられておらず、易接着処理も施されていない。
(比較例2の評価)
パターン導電層を形成した後にその表面を観察すると、複数の箇所にてパターン導電層が透明な基材から剥離していることが分かった。よって、透明導電層を形成するまでもなく、透明導電性基板としては不適であり、有機薄膜太陽電池を製造することもできなかった。
10…透明基板
11…透明な基材
12…プライマー層
20…パターン導電層
30…透明導電層

Claims (2)

  1. 透明な基材上に、シランカップリング剤を含む硬化性樹脂を硬化させることにより得られるプライマー層が形成された、透明基板を準備する工程と、
    前記プライマー層上に、導電性金属または導電性金属化合物を含むパターン導電層形成用塗工液を塗布し、その後乾燥することにより、パターン導電層を形成する工程と、
    前記プライマー層上に、透明導電性金属酸化物を蒸着することにより、透明導電層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする透明導電性基板の製造方法。
  2. 前記透明な基材における前記プライマー層が形成される表面には、珪素化合物またはアルミニウム化合物を含むガスバリア層が存在していることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板の製造方法。
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