JP2020531431A - チオカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の製造方法であって、a)少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物を出発材料として使用し、b)化合物を、ホスゲンまたはアルキルクロロホルメートと反応させ、それにより付加物を生成し、かつc)付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させ、それにより少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物を得る、方法。

Description

本発明の対象は、少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の製造方法であって、
a)少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物を出発材料として使用し、
b)化合物を、ホスゲンまたはアルキルクロロホルメートと反応させ、それにより付加物を生成し、かつ
c)付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させ、それにより少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物を得る、方法である。
モノチオカーボネートは、化合物の合成に有用な出発物質である。しかしながら、これまでのところ、モノチオカーボネートは、かなりの量で工業プロセスに使用されることはなかった。
モノチオカーボネートの合成のためのさまざまな方法が、最新技術に記載されている。
米国特許第3349100号明細書に開示されている方法によれば、エポキシドを硫化カルボニルと反応させることにより、アルキレンモノチオカーボネートが得られる。カルボニルスルフィドの入手可能性は限られている。得られたアルキレンモノチオカーボネートの収率および選択性は低い。M. Luo, X.-H. ZhangおよびD.J. Darensbourg, Cat. Sci. Techol. 2015年, 2015年8月17日刊行には、米国特許第3349100号明細書の方法で触媒としてグアニジンを使用することが記載されている。
出発物質としてホスゲンを使用する合成は、米国特許第2828318号明細書から知られている。ホスゲンは、ヒドロキシメルカプタンと反応する。モノチオカーボネートの収率は、まだ低く、かつ重合による副生成物が認められている。
米国特許第3072676号明細書および同第3201416号明細書の対象は、エチレンモノチオカーボネートを製造するための2段階プロセスである。第1の段階では、メルカプトエタノールとクロロカルボキシレートとを反応させてヒドロキシエチルチオカーボネートを生成し、これを第2の段階で金属塩触媒の存在下で加熱し、エチレンモノチオカーボネートを得る。
米国特許第3517029号明細書によれば、トリウムの触媒活性塩の存在下でメルカプトエタノールと炭酸ジエステルとを反応させることにより、アルキレンモノチオカーボネートが得られる。
Yoichi Taguchiら, Bull. Chem. Soc. Jpn., 1988年, 61, 921〜921頁には、トリメチルアミンの存在下で二硫化炭素と2,2ジメチルオキシランとを反応させることによるモノチオカーボネートの形成が開示されている。
Yutaka Nishiyamaら, Tetrahedron, 2006年, 62, 5803〜5807頁には、水素化ナトリウムの存在下で反応物としてエポキシド、硫黄および一酸化炭素を使用したモノチオカーボネートの形成が開示されている。
M. Luo, X.-H. ZhangおよびD. J. Darensbourg, Catalysis Science & Technology, 2015年, 2015年8月13日に受理された論文(DOI: 10.1039/c5cy00977d)には、カルボニル硫化物とエポキシドとのカップリング反応を介して得られたいくつかの特定の環状モノチオカーボネートが開示されている。
Yi-Ming Wang, Bo Li, Hui Wang, Zhi-Chao ZhangおよびXiao-Bing Lu, Appl. Organometal. Chem. 2012年, 26, 614〜618頁にも、硫化カルボニルとエポキシドとのカップリング反応を介して得られた特定の環状モノチオカーボネートが開示されている。
欧州特許出願公開第2468791号明細書の対象は、酸素および硫黄を含む5員環系を有する化合物を含むエポキシ組成物である。欧州特許出願公開第2468791号明細書および欧州特許出願公開第2468791号明細書に引用されたJ. Org. Chem. 1995年, 60, 473〜475頁に開示された化合物は、少なくとも2個の硫黄原子を含む5員環系を有する化合物である。1個の硫黄原子を有する化合物については言及されていない。
上記の方法はいずれも、それらの欠陥のために産業上の重要性を獲得していない。これらの方法の多くは、低可用性、高コストまたは問題のある特性の出発物質の使用を伴う。さらに、得られる収率および選択性、特に構造異性体の選択性は、工業規模での生産にはまだ満足のいくものではない。結果として、化学合成の中間体としてチオカーボネートが非常に重要であるにもかかわらず、商業的な量でのチオカーボネートの可用性は低い。
したがって、本発明の課題は、工業規模の生産に有用なチオカーボネートを生成する方法を提供することであった。この方法には、高価な出発物質または低可用性の出発物質を含めるべきではない。この方法は、実行が容易であり、可能な限り経済的であり、かつ高収率および高選択性でチオカーボネートを生成するべきである。
したがって、少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物を製造するための上記の方法が見出された。
5員環式モノチオカーボネート基は、5員の環系であり、そのうち3員は、モノチオカーボネート−O−C(=O)−S−に由来し、さらに2員は、5員環を閉じる炭素原子である。
方法について
a)エポキシ化合物
方法の出発化合物は、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物である。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物は、
i)グリシジル化合物
ii)非グリシジル化合物
である。
グリシジル化合物は、少なくとも1個のグリシジル基を有する化合物またはその誘導体である。i)の例は、エピクロロヒドリンまたはその誘導体であり、ここで、エピクロロヒドリンの塩化物は、ヒドロキシ基(グリシドール)エーテル基(グリシジルエーテル)、エステル基(グリシジルエステル)またはアミノ基(グリシジルアミン)またはイミド基(グリシジルイミド)で置き換えられる。
i)のさらなる例は、
− 少なくとも1個のグリシジル基および少なくとも1個の官能基、例えば、塩化物基またはヒドロキシ基を有する化合物、例えば、エピクロロヒドリンまたはグリシドールと、
− かかる官能基と反応する化合物と
を反応させることによって得られる任意の化合物である。
特に好ましい実施形態では、化合物i)は、エピクロロヒドリン、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミンまたはグリシジルイミド、または少なくとも1個のグリシジル基もしくは少なくとも1個のグリシジルエーテル基もしくは少なくとも1個のグリシジルエステル基もしくは少なくとも1個のグリシジルアミノ基もしくは少なくとも1個のグリシジルイミド基を有する化合物から選択される。
化合物は、エポキシ基を1個だけ有する化合物であってもよく、かかるエポキシ化合物は、通常、5000g/モル未満、特に1000g/モル未満、より具体的には500g/モル未満の分子量を有する低分子量化合物である。エポキシ基を1個だけ有する化合物は、例えば、エピクロロヒドリンまたはグリシジルエーテルまたはグリシジルエステルまたはプロピレンオキシドであり得る。
化合物は、1個を上回るエポキシ基を含み得る。かかる化合物は、例えば、エポキシ基に変換された少なくとも2個の不飽和基を有する脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪アルコールである。少なくとも2個のエポキシ基を有するさらなる化合物は、ポリグリシジルエーテル、特にジグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールジグリシジルエーテルである。ポリマーまたはオリゴマーである化合物は、多数のエポキシ基を含み得る。かかる化合物は、例えば、エポキシ基を有するモノマーの重合または共重合により、またはポリマーの官能基をエポキシ基に変換することにより得られる。1個を上回るエポキシ基を有する化合物は、例えば、1000個まで、特に500個まで、好ましくは100個までのエポキシ基を含み得る。エポキシ基を有するさらなるポリマーは、例えば、それらをエピクロルヒドリンと反応させることによってノボラック−ポリグリシジルエーテルにエポキシ化されたノボラックである。
ii)の例は、オレフィン、ジオレフィンまたはトリオレフィン、または環状オレフィン、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪アルコールを酸化することにより得られる1個、2個または3個のエポキシ基を有する化合物である。
好ましい実施形態では、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物は、1〜100個、より好ましくは1〜10個、最も好ましい実施形態では1〜3個、特に1個または2個のエポキシ基を有する化合物である。
b)第1の工程段階、付加物の形成
第1の工程段階では、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物は、ホスゲンまたはアルキルクロロホルメートと反応し、それにより付加物を生成する。好ましくは、これはホスゲンと反応する。ホスゲンという用語には、ホスゲン代替物が含まれ;ホスゲン代替物は、遊離ホスゲンを生成する化合物である。ホスゲン代替物は、例えば、トリホスゲンである。
以下に、反応物としてRおよびホスゲンにより置換された特定のエポキシ化合物について、工程b)の反応を例示的に示す。
Figure 2020531431
β−クロロアルキルクロロホルメートの2つの構造異性体AおよびBが得られる。本発明の利点は、生成物が構造異性体に関して高い選択性を有することである。特に、付加物の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、通常少なくとも95%が、異性体Aに対応する。
少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物は、任意の化学量論比でホスゲンまたはアルキルクロロホルメートと反応し得る。好ましくは、非常に高過剰の少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物は避けられる。なぜなら、このような高過剰によって、得られる生成物組成物の後処理中に除去しなければならない多量の未反応出発化合物が生じるからである。
好ましくは、ホスゲン、またはクロロホルメートは、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物の各エポキシ基1モル当たり0.1〜5モル、特に0.5〜2モルの量で使用される。特に好ましい実施形態では、ホスゲン、またはクロロホルメートが、過剰に使用される。
少なくとも等モル量のホスゲン、またはクロロホルメートを使用する場合、未反応のままのエポキシ基が回避され得る。したがって、好ましい実施形態では、ホスゲン、またはクロロホルメートは、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物の各エポキシ基1モル当たり0.9〜5モル、より好ましくは1〜2モル、特に1〜1.5モルの量で使用される。
エポキシ基をなお含む生成物が望ましい場合、各エポキシ基1モル当たり等モル量未満のホスゲン、またはクロロホルメートが好ましくは使用される。代替的に、所望量のエポキシ基がまだ反応していない場合、反応が停止されてもよい。
得られた生成物は、まだエポキシ基を含み得る。
当該の特定の生成物は、例えば、1個のエポキシ基および1個の5員環式モノチオカーボネート基を含む化合物であり得る。このような化合物が望ましい場合、例えば、各エポキシ基1モル当たり0.5モルのホスゲン、またはクロロホルメートが使用され得る。1個のエポキシ基および1個の5員環式モノチオカーボネート基を含む化合物の例として、ジエポキシドから出発し、1個のモノチオカーボネートを有し、さらに1個のエポキシド基を有する化合物が得られる、以下の反応スキームを参照されたい。
Figure 2020531431
ホスゲンおよびクロロホルメートは、好ましくは式II
Figure 2020531431
[式中、Xは、ホスゲンの場合はCl、または基O−Rであり、Rはクロロホルメートの場合C〜Cアルキル基を表す]の化合物である。
好ましい実施形態では、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物はホスゲンと反応する。
好ましくは、反応は、触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、第四級アンモニウムカチオンとの塩、例えば、テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、特に塩化物、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウムまたは塩化トリオクチルメチルアンモニウムである。
さらに適切な触媒は、例えば、ヘキサ−アルキルグアニジウムハロゲン化物、特に塩化物、第四級ホスホニウムハロゲン化物、特に塩化物、ピリジンまたは窒素を含む環系を有する他の化合物、例えば、イミダゾールまたはアルキル化イミダゾールである。
好ましい触媒は、第四級アンモニウムカチオンとの塩、特にテトラアルキルアンモニウムの塩、例えば、塩化テトラ(n−ブチル)アンモニウムである。
好ましくは、触媒は、エポキシ基1モル当たり0.001〜0.1モルの量、特に0.005〜0.05モルの量で使用される。
ホスゲンまたはアルキルクロロホルメートは、好ましくは、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物に添加される。反応は発熱性であるため、ホスゲンまたはアルキルクロロホルメートの添加は、好ましくは、反応混合物の温度が所望の値に維持されるようにゆっくり行われる。好ましくは、反応混合物は、添加中に冷却される。
好ましくは、反応混合物の温度は、−40〜60℃、特に5〜50℃に維持される。
通常、少なくとも1個のエポキシ基を有する低分子化合物は液体であり;したがって、追加の溶媒は必要とされない。好ましくは、21℃で固体である少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物の場合、溶媒が使用される。適切な溶媒は、特に非プロトン性溶媒である。適切な溶媒は、例えば、芳香族炭化水素を含む炭化水素、および塩素化炭化水素、例えば、トルエン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンである。
エポキシ基を有する固体化合物の好ましい溶媒は、エポキシ基を有する追加の液体化合物である。液体化合物は、固体化合物と一緒に、工程段階b)およびc)に記載されているように反応する。液体化合物から得られるモノチオカーボネートは、通常、液体でもあり、したがって、少なくとも1個のエポキシ基を有する固体化合物から得られる最も可能性の高い固体モノチオカーボネートの溶媒としても機能するだろう。
反応が完了すると、未反応のホスゲンまたはクロロホルメートが蒸留により混合物から除去され得る。これ以上の作業は必要ない。得られた生成物混合物は、少なくとも1個のβ−クロロアルキルクロロホルメート基を有する化合物を含む。次の工程段階がすぐに続いてもよい。
c)第2の工程段階、モノチオカーボネート基の形成
以下に、反応物としてRおよびホスゲンにより置換された特定のエポキシ化合物について、b)での反応を例示的に示す。上記で形成されたβ−クロロアルキルクロロホルメートから出発して、第2の工程段階c)は、以下のようにNaSを反応物として例示的に示すことができる:
Figure 2020531431
この工程では、第1の工程で得られた構造異性体AおよびBの比率、したがって選択性が保持される。
好ましくは、b)で得られた生成物混合物は、さらなる後処理なしに工程段階c)で使用される。
工程c)で溶媒が添加されてもよい。適切な溶媒は、特に、非プロトン性溶媒である。適切な溶媒は、例えば、芳香族炭化水素および塩素化炭化水素を含む炭化水素、または親水性非プロトン性溶媒、例えば、エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ポリエーテル、例えば、グリム、アセトニトリルまたはジメチルスルホキシドである。
工程b)から得られた生成物混合物は、アニオン性硫黄を含む化合物と反応する。アニオン性硫黄を含む化合物は、好ましくは塩である。
アニオン性硫黄は、好ましくはS2−、式(S2−のポリスルフィドであり、ここで、pは2〜200の整数、好ましくは2〜10の整数、またはHS1−である。
塩のカチオンは、任意の有機または無機カチオンであり得る。好ましくは、これは無機カチオン、特に金属である。通常の金属カチオンは、例えば、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のカチオンである。
好ましい塩は、NaS、KS、NaSHまたはKSHまたはそれらの任意の水和物である。
塩は、塩基性化合物、特に、特にNaOHまたはKOHなどの金属水酸化物と組み合わせて使用され得る。このような追加の塩基性化合物は、好ましくはSHとの塩の場合にアニオンとして使用される。
アニオン性硫黄は、硫黄または非イオンの形で硫黄を含む化合物から出発して、その場で生成することもできる。例えば、HSは、アニオン性硫黄の供給源として使用され得る。塩基性化合物、例えばNaOH(上記参照)の存在下で、アニオン性硫黄は、その場でHSから得られる。
アニオン性硫黄との塩、またはアニオン性硫黄がその場で生成される化合物(本明細書では一緒に硫黄化合物と呼ぶ)は、好ましくはb)で得られた生成物混合物に添加される。硫黄化合物は、そのままで、または例えば水などの適切な溶媒中の溶液として添加され得る。本発明の好ましい実施形態では、硫黄化合物は、溶媒、特に水に溶解し、溶液が添加される。
硫黄化合物が水溶液として添加される場合、有機相と水相とを含む二相系が得られ、このような二相系で反応が起こる。それよりも一相系が望ましい場合、水相と有機相とを再び一相に合わせるための中間体として作用する適切な溶媒が添加され得る。適切な溶媒は、親水性非プロトン性溶媒、例えば上に挙げた親水性非プロトン性溶媒であり得る。
反応は同様に発熱性であるため、塩、または塩の溶液の添加は、好ましくは、反応混合物の温度が所望の値に維持されるようにゆっくり行われる。好ましくは、反応混合物は、添加中に冷却される。
反応物は、任意の順序で添加または組み合わされ得る。例えば、硫黄化合物が、上記のようにβ−クロロアルキルクロロホルメートに添加され得る。代替的に、β−クロロアルキルクロロホルメートが、アニオン性硫黄を含む化合物に添加され得る。
好ましくは、反応混合物の温度は、−40〜60℃、特に−10〜50℃に維持される。
好ましくは、塩は、少なくとも1個のβ−クロロアルキルクロロホルメート基を有する化合物のそれぞれのβ−クロロアルキルクロロホルメート基1モル当たり0.5〜2.0モルの量で添加される。
好ましくは、塩は、少なくとも1個のβ−クロロアルキルクロロホルメート基を有する化合物のそれぞれのβ−クロロアルキルクロロホルメート基1モル当たり1.0〜2.0モルの量で添加される。
最も好ましい実施形態では、すべてのβ−クロロアルキルクロロホルメート基の迅速かつ完全な反応を得るために、塩は著しく過剰に必要とされないので、塩は、少なくとも1個のβ−クロロアルキルクロロホルメート基を有する化合物のそれぞれのβ−クロロアルキルクロロホルメート基1モル当たり1.0〜1.3モルの量で添加される。
塩との反応によりβ−クロロアルキルクロロホルメート基は、5員環式モノチオカーボネート基に変換される。5員環系は、3個の炭素原子、1個の酸素および1個の硫黄から形成され、さらに酸素は、環系の酸素と硫黄との間にある炭素原子に二重結合している。
必要であれば、触媒の存在下で第2の工程段階が実施され得る。このような触媒は、例えば、アンモニウム塩、複素環式アンモニウム塩およびホスホニウム塩などの相間移動触媒である。
c)で得られた最終製品は、親水性溶媒、好ましくは水で抽出することにより後処理され得る。上記のアニオン性硫黄の塩が水溶液の形で使用されている場合、さらに水が必要になることもない。有機相と水相は、分離される。有機相は、好ましくは4〜10のpH、特に少なくとも7のpHを有する水で洗浄され得る。有機相は、少なくとも1個のモノチオカーボネート基を有する化合物を含む。水相は、未反応の硫化/硫化水素塩および/またはNaClならびに少なくとも部分的に添加された触媒を含む。
蒸留により有機相から溶媒が除去され得る。少なくとも1個のモノチオカーボネート基を有する得られた化合物は、蒸留によりさらに精製され得るか、さらに精製されずに使用され得る。
したがって、少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物は、上記の方法により得られる。
1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の製造について
1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物を製造するための好ましい方法は、
a)式Ia
Figure 2020531431
[式中、R1a〜R4aは、互いに独立して、水素または50個までの炭素原子を有する有機基を表し、それによって、代替的に、R2a、R4aおよびエポキシ基の2個の炭素原子は、一緒になって5〜10員の炭素環を形成してもよい]のエポキシ化合物を、出発物質として使用すること、
b)エポキシ化合物を、式II
Figure 2020531431
[式中、XはCl(ホスゲン)または基O−Rであり、ここでRは、C〜Cアルキル基(クロロホルメート)を表す]の化合物と反応させて、式IIIa
Figure 2020531431
[式中、R1a〜R4aは、上記の意味を有する]の付加物を生成すること、および
c)式IIIaの付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させて式IVa
Figure 2020531431
[式中、R1a〜R4aは、上記の意味を有する]のモノチオカーボネートを得ること
を含む。
1a〜R4aのうちのいずれかが有機基を表す場合、かかる有機基は、好ましくは、30個までの炭素原子を有する有機基である。さらに好ましい実施形態では、R2aおよびR4aは、エポキシ基の2個の炭素原子と一緒に5〜10員の炭素環を形成しない。
1a〜R4aのうちのいずれかが有機基を表す場合、かかる有機基は、炭素および水素以外の元素を含み得る。特に、これは酸素、窒素、硫黄および塩化物を含み得る。好ましい実施形態では、有機基は、酸素または塩化物を含み得る。R1a〜R4aは、例えば、エーテル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケト基またはカルボキシ基の形で酸素を含み得る。
好ましくは、式Ia中のR1a〜R4a、およびそれに応じて式IIIaおよびIVa中のR1a〜R4aのうちの1個は、水素ではない。
より好ましくは、式Ia中のR1a〜R4a、およびそれに応じて式IIIaおよびIVa中のR1a〜R4aのうちの2個およびまたは3個は、水素を表し、かつR1a〜R4aの残りの基は、有機基を表す。
最も好ましくは、式Ia中のR1a〜R4a、およびそれに応じて式IIIaおよびIVa中のR1a〜R4aのうちの3個は、水素を表し、かつR1a〜R4aの残りの基は、有機基を表す。
好ましい実施形態では、R1aまたはR2aは、有機基を表す残りの基である。
1a〜R4aの残りの基は、好ましくは、酸素、窒素または塩化物、特に酸素を含み得る30個までの炭化水素基を表す。
好ましい実施形態では、残りの基は、−CH−O−Rまたは−CH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRを表し、ここで、R〜Rは、30個までの炭素原子、好ましくは20個までの炭素原子を有する有機基である。特に、R〜Rは、例えば、エーテル基の形の、酸素を含み得る、脂肪族基、脂環式基または芳香族基を表す。好ましい実施形態では、R〜Rは、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、アルコキシ基、ポリアルコキシ基またはアルケニル基を表す。最も好ましい実施形態では、R〜Rは、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基またはアルケニル基を表す。
最も好ましい実施形態では、残りの基は、−CH−O−Rまたは−CH−O−C(=O)−Rの基を表す。
この方法によって得られた1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する好ましい化合物として、以下が挙げられ得る:
Figure 2020531431
さらに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートから選択されるエポキシドから得られるモノチオカーボネート化合物が挙げられる。
工程段階b)およびc)に関するこの特許出願のすべての開示は、1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の上記製造に適用される。
式IVa
Figure 2020531431
[式中、R1a〜R4aのうちの2個または3個は水素を表し、水素ではない基R1a〜R4aは、基CH−O−Rまたは−CH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRを表し、ここで、R〜Rは、最大30個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、アルコキシ基、ポリアルコキシ基またはアルケニル基である]の化合物は、従来技術の方法によって製造されておらず、現在、本明細書で請求されている新規な方法によって利用可能である。
従来技術から知られているモノチオカーボネートの製造方法によって、通常、構造異性体の混合物が生成される。本発明の方法により、構造異性体の含有量は著しく減少する。非常に少量のBを含む異性体AおよびBの混合物が得られる。上記を参照されたい。
好ましい実施形態では、式IVaの化合物は、式IVaの2つの構造異性体化合物AおよびBの混合物であり、ここで、異性体Aは、R1aがCH−O−RまたはCH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRであり、かつR2a、R3aおよびR4aが水素である化合物であり、異性体Bは、R3aが基CH−O−RまたはCH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRであり、かつR1a、R2aおよびR4aが水素である化合物であり、混合物は、AおよびBの合計を基準として、90〜99.9重量%のAおよび0.1〜10重量%のBで構成されている。好ましくは、混合物は、95〜99.9重量%、または95〜99.5重量%のAおよび0.1〜5重量%、または0.5〜5重量%のBからなる。
式IVaの特に好ましい化合物は、式IVa中のR2a〜R4aは、水素を表し、かつR1aは、基−CH−O−Rまたは基−CH−O−C(=O)−Rまたは基−CH−NRであり、ここで、R〜Rは、C〜C14アルキル基、好ましくはC〜C14アルキル基である。
1個を上回る5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の製造について
1個を上回る5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の製造に関する好ましい方法は、
a)式Ib
Figure 2020531431
[式中、R1b〜R4bは、互いに独立して、水素または50個までの炭素原子を有する有機基を表し、これにより、代替的に、R2b、R4bおよびエポキシ基の2個の炭素原子は、一緒になって5〜10員の炭素環を形成してもよく、基R1b〜R4bのうちの1個は、Zへの連結基であり、nは、少なくとも2の整数を表し、かつZは、n価の有機基を表す]のエポキシ化合物を、出発物質として使用すること、
b)化合物を、式II
Figure 2020531431
[式中、Xは、Cl(ホスゲン)または基O−Rであり、ここでRは、C〜Cアルキル基(クロロホルメート)を表す]の化合物と反応させて、式IIIb
Figure 2020531431
[式中、R1b〜R4b、Zおよびnは、上記の意味を有する]の付加物を生成すること、および
c)式IIIbの付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させて、少なくとも2個のモノチオカーボネート基を含む式IVb
Figure 2020531431
[式中、R1b〜R4b、Zおよびnは、上記の意味を有する]の化合物を得ること
を含む。
1b〜R4bのうちのいずれかが有機基を表す場合、かかる有機基は、好ましくは、30個までの炭素原子を有する有機基である。さらに好ましい実施形態では、R2bおよびR4bは、エポキシ基の2個の炭素原子と一緒に5〜10員の炭素環を形成しない。
1b〜R4bのうちのいずれかが有機基を表す場合、かかる有機基は、炭素および水素以外の元素を含み得る。特に、これは酸素、窒素、硫黄および塩化物を含み得る。好ましい実施形態では、有機基は、酸素または塩化物を含み得る。R1b〜R4bは、例えば、エーテル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケト基またはカルボキシ基の形で酸素を含み得る。
基R1b〜R4bのうちの1個は、Zへの連結基である。
好ましくは、連結基は、単に結合であるか、または基CH−O−またはCH−O−C(=O)−またはCH−NR20−であり、ここで、R20は、脂肪族基、特に最大20個の炭素原子を有するアルキル基であるか、または基C(=O)−O−または基R21−C(=O)−O−であり、ここで、R21は有機基、好ましくは20個までの炭素原子を有する炭化水素基である。
より好ましくは、連結基は、単に結合であるか、または基CH−O−または基CH−O−C(=O)−である。
最も好ましい実施形態では、連結基は、基CH−O−である。
好ましくは、式Ib中の基R1b〜R4bおよびそれに応じて式IIIbおよびIVb中の基R1b〜R4bのうちの2個または3個が、水素である。
最も好ましい実施形態では、基R1b〜R4bのうちの3個が、水素を表し、R1b〜R4bの残りの基は、Zへの連結基である。
最も好ましい実施形態では、基R1bまたはR2bは、Zへの連結基である。
連結基CH−O−またはCH−O−C(=O)−またはCH−NR20−、およびR1b〜R4bうちの3個が水素である好ましい実施形態では、式Ibの括弧内の基は、式
Figure 2020531431
のグリシジルエーテル基または式
Figure 2020531431
のグリシジルエステル基または式
Figure 2020531431
のグリシジルアミノ基になる。
最も好ましい実施形態では、式Ibの括弧内の基は、上記のグリシジルエーテル基またはグリシジルエステル基である。
2bおよびR4bがエポキシ基の2個の炭素原子と一緒に5〜10員の炭素環を形成する実施形態では、上記の連結基は、代替的に環系の炭素原子に結合し得る。
nは、少なくとも2の整数を表す。例えば、nは、2〜1000、特に2〜100、または2〜10の整数であり得る。
好ましい実施形態では、nは、2〜5の整数であり、特に、nは、2または3である。
最も好ましい実施形態では、nは、2である。
Zは、n価の有機基を表す。nが、例えば、10〜1000などの高い数値である場合、Zは、例えば、エチレン性不飽和モノマーのラジカル重合、重縮合または重付加などの重合または共重合によって得られたポリマーのポリマー主鎖であり得る。例えば、ポリエステルまたはポリアミドのようなポリマーは、水またはアルコールの除去下で重縮合により得られ、例えば、ポリウレタンまたはポリ尿素は、重付加により得られる。
式Ibの化合物は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和モノマーのラジカル重合または共重合によって得られるエポキシ基を有するポリマー、またはノボラックと、例えば、エピクロロヒドリンまたはメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとを反応させることによって得られるノボラック−ポリグリシジルエーテルである。
好ましい実施形態では、Zは、50個までの炭素原子、特に30個までの炭素原子を有するn価の有機基であり、これは炭素および水素以外の元素を含んでもよく、nは、2〜5、特に2または3、最も好ましくは2の整数である。
特に好ましい実施形態では、Zは、50個までの炭素原子、特に30個までの炭素原子を有するn価の有機基であり、この有機基は、炭素、水素および任意に酸素を含み、さらなる元素をわずかにおよび全く含まず、nは、2〜5、特に2または3、最も好ましくは2の整数である。
好ましい実施形態では、Zは、式G1
(V−O−)
[式中、Vは、C〜C20アルキレン基を表し、mは、少なくとも1の整数である]のポリアルコキシレン基である。好ましくは、C〜C20アルキレン基は、C〜Cアルキレン基、特にエチレンまたはプロピレンである。mは、例えば、1〜100、特に1〜50の整数であり得る。末端アルキレン基Vは、連結基に結合されており、これは基R1b〜R4bのうちの1個であり、上記を参照されたい。
さらに好ましい実施形態では、Zは式G2
Figure 2020531431
[式中、Wは、最大10個の炭素原子を有する二価有機基であり、nは、2であり、かつR10〜R17は、互いに独立してHまたはC〜Cアルキル基を表す]の基である。好ましくは、R10〜R17のうちの少なくとも6個は、水素である。最も好ましい実施形態では、R10〜R17のすべてが水素である。
Wに対してパラ位の2個の水素原子は、基R1b〜R4bのうちの1個である、連結基への結合によって置き換えられる。上記を参照されたい。
基Wは、例えば、以下のものである:
Figure 2020531431
好ましくは、Wは、炭素および水素のみからなる有機基である。
最も好ましいWは、
Figure 2020531431
であり、これはビスフェノールAの構造に対応している。
さらに好ましい実施形態では、Zは、基G3であり、ここで、G3は、アルキレン基、特にC〜Cアルキレン基を表し;このようなアルキレン基の好ましい例は、エチレン(CH−CH)、n−プロピレン(CH−CH−CH)、および特にn−ブチレン(CH−CH−CH−CH)を表す。
1個を上回る5員環式モノチオカーボネート基化合物と関連する化合物の例は、特に、以下のエポキシ化合物のすべてのエポキシ基を5員環式モノチオカーボネート基に変換することにより得られるものである:
非グリシジルエポキシド:
1,2:5,6−ジエポキシヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−ビニルシクロヘキセンジオキシド、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ジシクロペンタジエンジオキシド、大豆油由来化合物などのエポキシ化植物油またはエポキシ化脂肪エステル、またはポリオールとメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとの反応生成物。
グリシジルエーテル:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)、水素化BADGE、他のジ−、トリ−、テトラ−、およびポリオールのジグリシジルエーテル、例えば、ブタンジオール−ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン−トリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド。これには、オリゴマー/ポリマーグリシジルエーテル、例えば、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ノボラック−グリシジルエーテル、ビスフェノールAと過剰のエピクロルヒドリンとの反応により得られるオリゴマーまたはポリマーも含まれる。
グリシジルエステル:
テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、バーサティック酸グリシジルエステル、ジグリシジルオルトフタレート、グリシジルメタクリレート。
グリシジルアミン:
N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、テトラグリシジルメチレンジアニリン
グリシジルイミド:
トリグリシジルイソシアヌレート
工程段階b)およびc)に関するこの特許出願のすべての開示は、1個を上回る5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の上記製造に適用される。
式IVb
Figure 2020531431
[式中、R1b〜R4bは、互いに独立して、水素または50個までの炭素原子を有する有機基を表し、それにより、代替的に、R2b、R4bおよびエポキシ基の2個の炭素原子が一緒になって5〜10員の炭素環を形成してもよく、基R1b〜R4bのうちの1個は、Zへの連結基であり、nは、少なくとも2の整数を表し、Zは、n価の有機基を表す]の化合物は、従来技術の方法によって製造されたものではなく、現在、以下に請求されている新規な方法によって利用可能である。
これは、特に、nが2であり、かつZが式G1
(V−O−)
[式中、Vは、C〜C20アルキレン基を表し、mは、少なくとも1の整数であり、2つの末端アルキレン基Vの各基は、基R1b〜R4bのうちの1個である連結基に結合している]のポリアルコキシレン基である、化合物IVbに当てはまる。
これは、さらに特に、nが2であり、Zが式G2
Figure 2020531431
[式中、Wは、最大10個の炭素原子を有する二価の有機基であり、R10〜R17は、互いに独立してHまたはC〜Cアルキル基を表し、Wに対してパラ位の2個の水素原子は、基R1b〜R4bのうちの1個である連結基への結合によって置き換えられる]の基である、式IVbの化合物に当てはまる。
そして、これはさらに、nが2であり、かつZが、アルキレン基である基G3である、式IVbの化合物にも当てはまる。上記を参照されたい。
少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基と少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物の製造について
少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基および少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物の製造のための好ましい方法は、式Ibのエポキシ化合物で出発する方法である。しかしながら、式Ibの化合物は、等モル量未満の式IIの化合物と反応し、したがって、すべてのエポキシ基が式IIIbの括弧内に示される基に移されるわけではない。第1の工程の生成物として、式IIIcの化合物が得られる:
Figure 2020531431
第2の工程では、第1の工程の生成物が、式IVc:
Figure 2020531431
の最終化合物に変換される。
数値nおよびnは、整数であり、かつnおよびnの合計は、上記で定義されるようにnになる。
工程段階b)およびc)ならびに式IVbの化合物の製造に関する本特許出願のすべての開示は、本出願で別段の定めがない限り、式IVcの化合物の製造に適用される。式Ib〜IVb中のZおよびR1b〜R4bのすべての定義は、化合物IVcの製造に関し、同様に式IIIcおよびIVcに関する。
好ましい実施形態では、式IVcの化合物は、nおよびnの双方が1であり、かつ合計が2である化合物である。
少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基および少なくとも1個のエポキシ基を有する好ましい化合物は、Zが基G1またはG2(上記参照)であり、かつnおよびnの双方が1であり、合計が2である化合物である。
特に好ましい例は、以下の化合物である:
Figure 2020531431
最後に、少なくとも1個のモノチオカーボネート基を有する好ましい化合物は、式IVa)、IVb)、IVc)の化合物、
ならびに式IVa)、IVb)およびIVc)でカバーされず、かつオレフィン、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸エステルなどの少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する化合物または少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する脂肪アルコールの酸化によって得られる少なくとも2個のモノチオカーボネート基を含む化合物であると述べられている。
少なくとも1個のモノチオカーボネート基を有するより好ましい化合物は、式IVa)、IVb)の化合物、
ならびに式IVa)、IVb)およびIVc)でカバーされず、かつオレフィン、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸エステルなどの少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する化合物または少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する脂肪アルコールの酸化によって得られる少なくとも2個のモノチオカーボネート基を含む化合物である。
少なくとも1個のモノチオカーボネート基を有する最も好ましい化合物は、式IVa)およびIVb)の化合物である。
本発明は、少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の非常に経済的かつ効果的な製造方法を提供する。この方法は、工業規模の生産に適している。この方法には、高価な出発物質または低可用性の出発物質は含まれない。この方法により、少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物が、高収率および高選択性で得られる。
実施例1〜6、第1の部分:β−クロロアルキルクロロホルメートの合成
エポキシドを、反応器に装入し、−30℃に保った。エポキシドのモル量を、第1表に示す。エポキシド1モル当たり0.01モルのテトラ(n−ブチル)アンモニウムクロリドを添加した。その後、反応が発熱するため、ホスゲンをゆっくりと添加する。ホスゲンを添加する場合、温度は、表に記載された温度に冷却することにより維持した。ホスゲンの計量時間を、表に記載する。ホスゲンの総量は、エポキシド1モル当たり1.1モルであった。ホスゲンの添加が完了した場合、反応混合物をさらに約(2時間)撹拌した。未反応のホスゲンを、窒素ストリッピングにより除去した。さらなる後処理は必要ではなかった。得られたβ−クロロアルキルクロロホルメートを、次の工程で直接使用し、チオカーボネートを形成することができた。
エポキシド、得られたβ−クロロアルキルクロロホルメート、反応のさらなる詳細を、第1表に記載する。
β−クロロアルキルクロロホルメートが、2つの異なる構造異性体(立体異性体)aおよびbの形で得られる。
Figure 2020531431
aおよびbに関する選択性も同様に第1表に記載する。第1表に記載した総収率は、出発物質として使用したエポキシドを基準とする。
Figure 2020531431
実施例5および6では、収率および選択性を、1H−および13C−NMRにより求めた。
実施例1〜6、第2部:モノチオカーボネートの合成
1個の環状モノチオカーボネート環を有する化合物の合成:
実施例1〜4から得られたそれぞれのβ−クロロアルキルクロロホルメート(50g)およびジクロロメタン(50mL)を、KPG三日月形撹拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた500mLの4口丸底フラスコに入れる。溶液を氷浴で0℃まで冷却した後、NaS(1当量、15重量%の水溶液)をゆっくりと添加し、温度を5℃に維持した。添加完了後、氷浴を取り外し、反応混合物を室温まで温めた。2時間撹拌した後、相を分離し、水相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。溶媒を、合わせた有機相から減圧下で除去し、残留液をクーゲルロール(Kugelrohr)蒸留により精製し、所望の環状チオカーボネートを得た。
Figure 2020531431
2個の環状モノチオカーボネート環を有する化合物の合成:
それぞれのビス−β−クロロアルキルクロロホルメート(50g)およびジクロロメタン(50mL)を、KPG三日月形撹拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた500mLの4口丸底フラスコに入れる。溶液を氷浴で0℃に冷却した後、NaS(2当量、15重量%の水溶液)をゆっくりと添加し、温度を5℃に維持した。添加完了後、氷浴を取り外し、反応混合物を室温まで温めた。2時間撹拌した後、相を分離し、水相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。溶媒を、合わせた有機相から減圧下で除去し、所望の環状モノチオカーボネートを得た。
Figure 2020531431
実施例7:NaSの代わりにNaSHおよびNaOHを使用して、実施例3のモノチオカーボネートを製造する代替方法
1−クロロ−3−ブトキシイソプロピルクロロホルメート(20g)を、KPG三日月形撹拌機、滴下漏斗、温度計、および還流冷却器を備えた250mLの4口丸底フラスコに入れる。液体を氷浴で0℃に冷却した後、NaOH(1当量)を含むNaSHの溶液(1当量、15重量%の水溶液)を、ゆっくりと添加し、温度を5℃に維持した。添加完了後、氷浴を取り外し、反応混合物を室温まで温めた。反応をGCでモニターし、5分後にクロロホルメートの完全な変換を認めた。相を分離し、水相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。溶媒を、合わせた有機相から減圧下で除去し、純度が76%を上回る所望の環状チオカーボネートを得た。
実施例8:メタクリル−モノチオカーボネートの合成
Figure 2020531431
第1の工程
グリシジルメタクリレート(1モル)を反応器に装入し、−30℃に維持した。0.008モルのテトラ(n−ブチル)アンモニウムクロリドを添加した。その後、反応が発熱性であるように、ホスゲンをゆっくり添加する。ホスゲンを添加する場合、13〜18℃の間の温度で冷却することにより、温度を維持した。ホスゲンの総量は、エポキシド1モル当たり1.3モルであった。ホスゲンの添加が完了した場合、温度を25℃に上昇させながら、反応混合物をさらに約(1.5時間)撹拌した。未反応のホスゲンを、窒素ストリッピングにより除去した。さらなる後処理は必要ではなかった。得られたβ−クロロアルキルクロロホルメートは、モノチオカーボネートを形成する次の工程で直接使用することができた。
第2の工程
得られたβ−クロロアルキルクロロホルメート(50g)を、KPG三日月形撹拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた500mLの4口丸底フラスコに入れ、ジクロロメタン(250g)を添加した。液体を氷浴で0℃まで冷却した後、NaS(1当量、15重量%の水溶液)をゆっくりと添加し、温度を5℃に維持した。添加完了後、氷浴を取り外し、反応混合物を室温まで温めた。4時間撹拌した後、相が分離した。GC分析により、メタクリル−モノチオカーボネートの初期純度が78%であることが示される。メタノールからの再結晶により、純度が98%を超えるメタクリル−モノチオカーボネートが生じる。
Figure 2020531431
実施例9:無溶媒合成:
実施例1または3から得られるそれぞれのβ−クロロアルキルクロロホルメート(50g)を、KPG三日月形撹拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた250mLの4口丸底フラスコに入れた。溶液を氷浴で0℃まで冷却した後、NaS(1当量、15重量%の水溶液)をゆっくりと添加し、温度を5℃に維持した。添加完了後、氷浴を取り外し、反応混合物を室温まで温めた。2時間攪拌した後、相を分離し、水相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。溶媒を、合わせた有機相から減圧下で除去し、残留液体を蒸留により精製し、所望の環状チオカーボネートを得た。

Claims (25)

  1. 少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物の製造方法であって、
    a)少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物を出発材料として使用し
    b)前記化合物を、ホスゲンまたはアルキルクロロホルメートと反応させ、それにより付加物を生成し、かつ
    c)前記付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させ、それにより前記少なくとも1個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物を得る、方法。
  2. a)式Ia
    Figure 2020531431
    [式中、R1a〜R4aは、互いに独立して、水素または50個までの炭素原子を有する有機基を表し、それによって、代替的に、R2a、R4aおよびエポキシ基の2個の炭素原子は、一緒になって5〜10員の炭素環を形成してもよい]のエポキシ化合物を、出発物質として使用し、
    b)前記化合物を、式II
    Figure 2020531431
    [式中、XはClまたは基O−Rであり、ここでRは、C〜Cアルキル基を表す]の化合物と反応させて、式IIIa
    Figure 2020531431
    [式中、R1a〜R4aは、上記の意味を有する]の付加物を生成し、かつ
    c)式IIIaの前記付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させて式IVa
    Figure 2020531431
    [式中、R1a〜R4aは、上記の意味を有する]のモノチオカーボネートを得る、請求項1記載の方法。
  3. 式Ia中のR1a〜R4aのうちの少なくとも1個が、水素ではない、請求項2記載の方法。
  4. 式Ia中のR1a〜R4aのうちの2個およびまたは3個が、水素を表し、かつ他の基R1a〜R4aが、有機基を表す、請求項2または3記載の方法。
  5. 水素ではない基R1a〜Rが、最大30個の炭素原子を有する有機基であるRおよびRを有する基CH−O−RまたはCH−O−C(=O)−Rを表す、請求項4記載の方法。
  6. a)式Ib
    Figure 2020531431
    [式中、R1b〜R4bは、互いに独立して、水素または50個までの炭素原子を有する有機基を表し、これにより、代替的に、R2b、R4bおよびエポキシ基の2個の炭素原子は、一緒になって5〜10員の炭素環を形成してもよく、基R1b〜R4bのうちの1個は、Zへの連結基であり、nは、少なくとも2の整数を表し、かつZは、n価の有機基を表す]のエポキシ化合物を、出発物質として使用し、
    b)前記化合物を、式II
    Figure 2020531431
    [式中、XはClまたは基O−Rであり、ここでRは、C〜Cアルキル基を表す]の化合物と反応させて、式IIIb
    Figure 2020531431
    [式中、R1b〜R4b、Zおよびnは、上記の意味を有する]の付加物を生成し、かつ
    c)式IIIbの付加物を、アニオン性硫黄を含む化合物と反応させて、少なくとも2個のモノチオカーボネート基を含む式IVb
    Figure 2020531431
    [式中、R1b〜R4b、Zおよびnは、上記の意味を有する]の化合物を得る、請求項1記載の方法。
  7. 基R1b〜R4bのうちの3個が、水素を表し、R1b〜R4bの残りの基が、Zへの連結基である、請求項6記載の方法。
  8. 前記連結基が、単に結合であるか、または基CH−O−または基CH−O−C(=O)−である、請求項6または7記載の方法。
  9. 式Ibの括弧内の基が、式
    Figure 2020531431
    を有するグリシジルエーテル基または式
    Figure 2020531431
    を有するグリシジルエステル基である、請求項8記載の方法。
  10. Zが、50個までの炭素原子を有するn価の有機基であり、かつ酸素を含んでよく、nが、2〜5の整数である、請求項6から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. nが、2である、請求項6から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. Zが、式G1
    (VO−)
    [式中、Vは、C〜C20アルキレン基を表し、mは、少なくとも1の整数であり、2つの末端アルキレン基Vの各基は、基R1b〜R4bのうちの1個である連結基に結合している]のポリアルコキシレン基である、請求項11記載の方法。
  13. Zが、式G2
    Figure 2020531431
    [式中、Wは、最大10個の炭素原子を有する二価の有機基であり、R10〜R17は、互いに独立してHまたはC〜Cアルキル基を表し、Wに対してパラ位の2個の水素原子は、基R1b〜R4bのうちの1個である連結基への結合によって置き換えられる]の基である、請求項11記載の方法。
  14. Wが、
    Figure 2020531431
    の基から選択される、請求項13記載の方法。
  15. 式IVa
    Figure 2020531431
    [式中、R1a〜R4aのうちの2個または3個は水素を表し、水素ではない基R1a〜R4aは、基CH−O−RまたはCH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRを表し、ここで、R〜Rは、最大30個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、アルコキシ基、ポリアルコキシ基またはアルケニル基である]の化合物。
  16. 前記化合物が、式IVaの2つの構造異性体化合物AおよびBの混合物であり、異性体Aが、R1aがCH−O−RまたはCH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRであり、かつR2a、R3aおよびR4aが水素である化合物であり、異性体Bが、R3aが基CH−O−RまたはCH−O−C(=O)−Rまたは−CH−NRであり、かつR1a、R2aおよびR4aが水素である化合物であり、前記混合物が、AおよびBの合計を基準として、90〜99.9重量%のAおよび0.1〜10重量%のBで構成されている、請求項15記載の化合物。
  17. 2a〜R4aが、水素を表し、かつR1aが、基−CH−O−Rまたは基−CH−O−C(=O)−Rまたは基−CH−NRであり、ここで、R〜Rが、C〜C14アルキル基である、請求項15記載のモノチオカーボネート。
  18. 少なくとも2個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物。
  19. 少なくとも2個の5員環式モノチオカーボネート基を有する化合物が、式IVb
    Figure 2020531431
    [式中、R1b〜R4bは、互いに独立して、水素または50個までの炭素原子を有する有機基を表し、それにより、代替的に、R2b、R4bおよびエポキシ基の2個の炭素原子が一緒になって5〜10員の炭素環を形成してもよく、基R1b〜R4bのうちの1個は、Zへの連結基であり、nは、少なくとも2の整数を表し、かつZは、n価の有機基を表す]の化合物である、請求項18記載の化合物。
  20. 前記連結基が、単に結合であるか、または基CH−O−または基CH−O−C(=O)−である、請求項19記載の化合物。
  21. 式IVbの括弧内の基が、式
    Figure 2020531431
    を有するグリシジルエーテル基または式
    Figure 2020531431
    を有するグリシジルエステル基である、請求項19または20記載の化合物。
  22. nが、2であり、かつZが、式G1
    (V−O−)
    [式中、Vは、C〜C20アルキレン基を表し、mは、少なくとも1の整数であり、2つの末端アルキレン基Vの各基は、基R1b〜R4bのうちの1個である連結基に結合している]のポリアルコキシレン基である、請求項19から21までのいずれか1項記載の化合物。
  23. nが2であり、Zが式G2
    Figure 2020531431
    [式中、Wは、最大50個の炭素原子を有する二価の有機基を表し、Wに対してパラ位の2個の水素原子は、基R1b〜R4bのうちの1個である連結基への結合によって置き換えられる]の基である、請求項19から21までのいずれか1項記載の化合物。
  24. Wが、
    Figure 2020531431
    の基から選択される、請求項23記載の化合物。
  25. Zが、アルキレン基である基G3である、請求項19から21までのいずれか1項記載の化合物。
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