JP2020199671A - 加飾シート及び加飾品 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体的な装飾効果や装飾の多様性を高めた加飾シートの提供。【解決手段】透光性を有するシート本体10の後面側に着色層52と厚盛り部56を備え、厚盛り部56の少なくとも一部は着色層52よりも小さな微細厚盛り部分55が集合してなり、少なくとも複数の微細厚盛り部分55の後面には金属的反射層57が配置されて金属的凹曲反射面59が構成され、前方から見た際、着色層52の中に、複数の微細厚盛り部分55の金属的凹曲反射面59からの反射光が視認される、加飾シート。【選択図】図1

Description

本発明は、高度な装飾性を備えた加飾シートと、この加飾シートを備えた加飾品に関するものである。
装飾性を備えたシートについては、種々の提案がされている。
例えば、特許文献1は本願出願人の提案に係るものであって、加飾樹脂シートの前面に突出する加飾用凸部を備えた加飾樹脂シートを備えた成形品が開示され、立体屈曲面を備えた加飾用凸部全体の金属的反射効果により立体的な装飾効果を高めた加飾樹脂シートを備えた成形品が提案された。
また特許文献2も、本願出願人の提案に係るものであって、加飾樹脂シートの後面に突出する厚盛り部を備えた加飾シートが開示され、金属的凹曲反射面を備えたシートの金属的反射効果により立体的な装飾効果を高める技術が提案された。
特許第6122563号公報 特許第6409153号公報
本発明は、特許文献1や2の技術を利用しながら、加飾シートの装飾性を高めたり装飾の多様性を高めたりすることを課題とする。
本発明は、透光性を有するシート本体と、前記シート本体の後面側に配置された金属的反射層とを備えた加飾シートを改良するものである。
本発明の加飾シートにあっては、前記シート本体の後面側には、着色層と厚盛り部とが配置されている。前記着色層は、前面側から見た際に、前記加飾シートに色彩を与えると共に文字、図形、模様などの視覚的表現をなすものである。また、前記厚盛り部は、前面側から見た際に、前記加飾シートに立体的な装飾効果を与えるものである。
前記金属的反射層は、前記加飾シートの少なくとも一部に配置される。前記厚盛り部は、前記シート本体の厚さ方向の断面において、後方に向かって突出しており、且つ、前記厚盛り部の周縁が湾曲部をなすものである。前記厚盛り部の少なくとも一部の前記湾曲部の後面に前記金属的反射層が配置される。これによって、金属的凹曲反射面が構成されて、前記加飾シートを前方から見た際、前記金属的凹曲反射面からの反射光を視認できる構成されたものである。
特に本発明の加飾シートにあっては、前記厚盛り部の少なくとも一部は細密厚盛り部であり、前記細密厚盛り部は、その前面側に配置された前記着色層よりも小さな微細厚盛り部分が集合した部分である。前記金属的反射層が少なくとも複数の前記微細厚盛り部分の後面に配置され、少なくとも複数の前記微細厚盛り部分に前記金属的凹曲反射面が設けられる。これによって、前記加飾シートを前方から見た際、前記細密厚盛り部の前面側の前記着色層の中に、複数の前記微細厚盛り部分における前記金属的凹曲反射面からの反射光が視認されるように構成されることができる。その結果、前記着色層が単一の平面的な着色であったとしても、複数の前記微細厚盛り部分による前記金属的凹曲反射面からの反射光が視認されることによって、輝きのある微細な立体模様を形成することができ、立体的な装飾効果や装飾の多様性を高めた加飾シートを提供することができる。
また本発明にあっては、前記厚盛り部の少なくとも一部は細密厚盛り部であり、前記細密厚盛り部は、点状又は線状の微細厚盛り部分が、1平方センチメートル当たり3個以上存在するものであることを特徴とするものを提供する。
さらに本発明にあっては、前記着色層と前記細密厚盛り部との組み合わせによって多彩な立体表現が可能であり、例えば前記着色層とその下に配置される前記細密厚盛り部とによって、シート本体の前面側から見た際に、錯視、モアレ又は干渉縞が生じる図形を構成しているものとして実施することもできる。例えば細かな線状の模様の前記着色層と、細かな線状の凹凸模様の前記細密厚盛り部とを組み合わせるとそれぞれ単独の模様では表現できないような錯視、モアレ又は干渉縞が、両者の細かな線状模様の相互作用によって生じるようにすることができる。
またさらに、本発明にあっては、前記細密厚盛り部とその前面側に重ねられた前記着色層は、平面視においてずれが生じており、平面視において下記の1)〜4)の部分が存在するものとして実施することもできる。
1)一致部分:前記着色層と前記厚盛り部と前記金属的反射層とが一致した部分
2)平面着色部分:前記着色層のみで前記厚盛り部と前記金属的反射層とが存在しない部分
3)無着色金属反射部分:前記厚盛り部と前記金属的反射層のみで前記着色層が存在しない部分
4)無着色非反射部分:前記着色層、前記厚盛り部及び前記金属的反射層が存在しない部分。
なお、加飾シートは、その最後面に透明または着色された調整層を配置して実施することができるものであり、着色された調整層を備える場合は、4)無着色非反射部分については調整層の色彩が見えることになる。
また本発明は、前記細密厚盛り部が線状の微細厚盛り部分の集合であり、前記細密厚盛り部の前面側に重ねられた前記着色層が線分の集合であるものとし、前記線状の微細厚盛り部分と前記着色層の前記線分とは平面視において交差しているものとして実施することもできる。これによって、平面視において上記の1)〜4)の部分が存在するものとなる。
前記細密厚盛り部は、前記微細厚盛り部分同士が隙間を隔てて配列され、例えば、前記隙間は1mm以内の微細な隙間として実施することができる。
また本発明は、前記シート本体の後面側であって、平面視において前記微細厚盛り部分同士の間の部分に着色インキによる後面側着色層が存在するものとして、実施することもできる。
さらに本発明は、前記の加飾シートと、その後方側に配置される後方部材とを備え、前方から見た際、前記加飾シートが視認される位置に配置されたことを特徴とする加飾品を提供するものである。
本発明は、立体的な装飾効果や装飾の多様性を高めた加飾シートと、加飾シートを備えた加飾品とを提供することができたものである。
(A)は本発明の一実施形態に係る加飾シートの要部拡大平面図であり、(B)は同中央横断面図であり、(C)は従来の加飾シートの要部拡大平面図であり、(D)は同中央横断面図である。 (A)は本発明の他の実施形態に係る加飾シートの要部拡大横断面図であり、(B)は本発明のさらに他の実施形態に係る加飾シートの要部拡大横断面図であり、(C)はこれらの実施の形態に適用できる着色層の平面図であり、(D)はこれらの実施の形態に適用できる厚盛り部及び金属的反射層の平面図であり、(E)はこれらの実施の形態に適用できる着色層と、厚盛り部及び金属的反射層とを組み合わせた状態の平面図であり、(F)は図(E)の要部拡大図である。 (A)は本発明の実施形態に適用できる着色層の一例を示す平面図であり、(B)は同実施の形態に適用できる厚盛り部及び金属的反射層の一例を示す平面図であり、(C)は同実施の形態に係る加飾シートの一例を示す要部拡大平面図である。 (A)〜(D)はそれぞれ本発明の実施形態に適用することができる着色層と、厚盛り部及び金属的反射層との組み合わせの具体例を示す平面図である。 (A)は本発明の実施形態に適用できる加飾シートにおける着色層の一例を示す平面図であり、(B)は同実施の形態に適用できる厚盛り部及び金属的反射層の一例を示す平面図であり、(C)は同実施の形態に適用できる後面側着色層の一例を示す平面図であり、(D)は同実施形態に係る加飾シートの一例を示す平面図であり、(E)は同実施形態に係る加飾シートの一例を示す要部拡大平面図であり、(F)は同実施形態に係る加飾シートをさらに拡大した平面図である。 本発明の実施形態に適用することができる厚盛り部及び金属的反射層の具体例を示す平面図である。 本発明の実施形態に適用することができる着色層の具体例を示す平面図である。 (A)及び(B)はそれぞれ本発明の実施形態に係る加飾シートの一例を示す写真である。 (A)及び(B)はそれぞれ本発明の実施形態に係る加飾シートの一例を示す写真である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。なお図1などの各図は、説明のための図であるため各層の厚みなどの寸法を正確に示したものではない。
また、以下、「後面側に」とは「よりも後方に」との意味で用いられるものであり、例えば、「部材Xの後面側に部材Yを配置する」とは、部材Xの後面に部材Yを直接配置してもよいし、部材Xの後面と部材Yの前面との間に第3の部材Zを介在させてもよいことを意味する。「前面側に」も同様に「よりも前方に」との意味で用いられる。なおこの実施の形態では、前後方向は、加飾シート51の厚さ方向と同じ意味で用いられるもので、図1と図2の加飾シート51の各断面図においては、前面側を上方に後面側を下方に配置して描いている。
(加飾シート51について)
図1を参照して本発明の一実施形態に係る加飾シート51を説明する。
図1に示された加飾シート51は、透光性を有するシート本体10と、シート本体10の後面側に配置された透光性を有する着色インキによる着色層52と、厚盛り部56及び金属的反射層57とを備える。ここで、本発明において、「透光性を有する」とは、光を透過する性質を有することをいい、透明や半透明の材質のものを用いることができる。
(シート本体10について)
透光性を有するシート本体10には、セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製のフィルムやシートのほか、ガラス板等を用いることができ、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。シート本体10の厚さは、特に限定されないが、一般に50〜500μm、望ましくは100〜200μm程度とされる。
シート本体10は、透光性を有するものであって、後述するように、印刷や転写箔の手法等により、着色層52、厚盛り部56並びに金属的反射層57を形成できるものであれば、材質や厚みは問わない。基材として適切な強度や耐久性、印刷特性等を備えていることが望ましい。シート本体10は、加飾シート51並びに加飾シート51を備えた加飾品(図示ぜず)の物性、同加飾品を得るために後方部材(図示ぜず)と成形したり貼り合わせたりするなどの加工方法に応じて最適なものを選択することができる。
(着色層52について)
透光性を有する着色インキによる着色層52は、シート本体10の後面側に配置される。また、着色層52は、平面状のシート本体10に沿って、平面状に配置される。透光性を有する着色インキには、色を有しかつ透光性を有する印刷用のインキを用い、無色透明のインキを含んでもよい。着色層52の厚みは、1〜20μm程度の範囲が好ましいものであるが、適宜変更して実施し得る。着色層52は、加飾シート51の前面側に色彩を与えると共に文字、図形、模様などの視覚的表現をなすもので、従来の印刷技術の適用により1回または複数回の印刷が施されることによってモノクロームまたは多色の印刷層による着色層52が形成される。
着色層52は、後述する厚盛り部56が後面側に配置されていない第1着色領域53(図2(A)(B)参照)と、厚盛り部56が後面側に配置されている第2着色領域54とを備えてもよく、第1着色領域53と第2着色領域54とは、色相、明度、彩度のうち少なくとも一種が異なる違った色に着色されていてもよい。第1着色領域53と第2着色領域54も含め着色層52は一色に限らず複数色を用いてもよい。
着色層52は、透光性を有する着色インキを用いて、後述する金属的反射層57に対して入出力する光を前方の看者に届くようにするものであるが、一部には透光性のないインキを用いることもできるものであり、例えば、装飾効果を高める観点から金属的光沢のある部分とない部分とを混在させたい場合や、看者に見せたくない装置等を隠蔽するために、一部に透光性のないインキを用いることができる。
(厚盛り部56について)
透光性を有する厚盛り部56は、着色層52の少なくとも一部の後面を含む位置に配置され、着色層52の後面側から後方に突出している。透光性を有する厚盛り部56は、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂やこれらの混合物又は化合物などの合成樹脂製の厚盛インキによって形成され、透光性を有するものであれば、透明であってもよく、着色インキと同様に顔料などで着色されたものであってもかまわない。
厚盛り部56は、その厚みや幅が加飾シート51の装飾効果を左右する大きな要因となるため、厚みは75μm以上であることが好ましく、80μm以上がより好ましい。この厚みは、大きくすればするだけ立体的な装飾効果を高めることはできるが、大きくするに従ってその精度維持や量産が困難になったり、使用できる素材に制限が生じたりするため150μm以下が適当であり100μm以下がより安定するが、150μmを超える厚みで実施することを妨げるものではない。幅は、シャープな装飾効果を高めるには0.3mm〜3mmが適当である。ただし、描かれる図形や文字によって決定されるものであるため、大きな面積に金属的反射や立体的な装飾効果を得る場合にはこれに限るものではない。なお、厚盛り部56の幅は、シート本体10と接する厚盛り部56の基端側の幅を指す。
着色層52と金属的反射層57のみでは、その装飾効果は平面的に止まるものであるが、厚盛り部56が配置されることにより、立体的な装飾効果に高めることができる。
(金属的反射層57について)
金属的反射層57は、金属箔やホログラム箔などの反射箔を含んでもよく、厚盛り部56の少なくとも一部の後面に配置される。金属的反射層57は、鏡面状の反射や金属的光沢を与える。
金属的反射層57は、転写箔の手法により、金属箔やホログラム箔などの反射箔を転写して形成されるものであることが好ましい。また、金属的反射層57は、シルク印刷(銀ペーストインキやミラーインキ)やホットスタンプ、蒸着、スパッタリングで実施してもかまわないが、転写箔を用いる方が高い金属的反射の効果が得られる点で有利である。より詳しくは、転写箔は、シルク印刷(銀ペーストインキやミラーインキ)より鏡面性がより高く、シルク印刷には作れないホログラム箔の使用も可能である点で、転写箔を用いる方が有利である。また、転写箔の手法を用いて金属的反射層57を形成する際、転写用のバインダ層(図示せず)を形成してもよい。バインダ層は、反射箔を定着させるものであればよく、例えば透明なシルクインキで形成することができる。特に、経時変化でバインダ層の割れやクラックを起こさないインキを使用することが適当である。金属的反射層57の厚みは、適宜変更して実施し得るが、0.03〜0.05μm程度の範囲が好ましい。
(金属的凹曲反射面59について)
厚盛り部56は、上述のとおり、着色層52の少なくとも一部の後面を含む位置に配置され、着色層52の後面側から後方に突出している。また、着色層52の後面側から後方に突出している厚盛り部56の、少なくともその周縁は、表面張力により、シート本体10の厚さ方向の断面において、後方に向かって湾曲した凹曲部58を備える。この凹曲部58の少なくとも一部の後面に金属的反射層57が配置され、金属的反射層57が金属的凹曲反射面59を構成する。従って、金属的凹曲反射面59は、シート本体10の厚さ方向の断面において、後方に向かって湾曲した面となる。
金属的反射層57は、上述のとおり、凹曲部58の少なくとも一部の後面に配置すればよく、厚盛り部56の後面と完全に一致する部分に配置してもよく、凹曲部58の少なくとも一部の後面と厚盛り部56に隣接する着色層52の少なくとも一部の後面に配置しても構わないことは、特許文献2に係る発明と同様である。
加飾シート51を前方から見た際、金属的凹曲反射面59からの反射光が視認できるが、金属的反射層57は着色層52の後面側から後方に突出した厚盛り部56の少なくとも一部の後面に配置されることから、金属的凹曲反射面59からの反射光が奥行き感を持って視認される。
また、金属的反射層57が凹曲部58の少なくとも一部の後面に配置されることによって、凹面鏡状の反射面が形成されるものであり、加飾シート51を前方から見た際、金属的凹曲反射面59の平面上の位置が変化するに従って、金属的凹曲反射面59までの深さが変化することから、この変化に応じて金属的凹曲反射面59から多様な方向に反射した光が視認され、看者の位置の変化により反射光が見える箇所が変化する。
さらに、厚盛り部56及び金属的反射層57が後面側に配置された加飾シート51で着色された金属的反射効果を有する領域と、厚盛り部56及び金属的反射層57が後面側に配置されていない加飾シート51で金属的反射効果を有しない平面的な領域とでは、金属的反射において異なっているものとすることができ、装飾表現に差異が生じる。
また、厚盛り部56が後面側に配置されていない領域と、厚盛り部56が後面側に配置された領域とを、色相、明度、彩度のうち少なくとも一種が異なる違った色に着色すると、装飾表現の差異がさらに強調され、立体的な装飾効果をさらに高めることができる。
以上のことから、厚盛り部56及び金属的反射層57を上記のように構成することにより、加飾シート51に新たな装飾効果を発現させることができる。
第2着色領域54と厚盛り部56と金属的反射層57は、第2着色領域54の後面側に厚盛り部56が配置され、金属的反射層57が凹曲部58の少なくとも一部の後面に配置されていれば、加飾シート51を前方から見た際、これら三者の外縁(平面視における外周線)は略一致していなくてもよく、平面視においてずれていてもよい。これら三者の外縁が平面視においてずれている例として、金属的反射層57が凹曲部58の一部の後面に配置される場合や、第2着色領域54が厚盛り部56の基端側の幅を超えて形成される場合が挙げられるが、そのずれ方には種々ある。
加飾シート51を前方から見た際、これら三者の外縁が略一致していることが望ましく、これら三者の外縁が完全に一致することが最も望ましいものであるが、完全に一致しなくとも加飾シート51を前方から見た際に、第2着色領域54のみが金属的反射を伴う光を発していると認識されるものであれば、略一致していると言えるものであり、完全に一致している必要はない。
この場合、より具体的には三者の外縁(外周線)の平面視におけるズレが3mm以内であることが好ましく、1mm以内であることがより好ましい。加飾シート51を前方から見た際、これら三者の外縁が略一致していることにより、第2着色領域54、厚盛り部56及び金属的反射層57の全体が金属的反射効果を備えることができる。
着色層52、厚盛り部56及び金属的反射層57はシート本体10の後面側に配置する方が好ましいが、加飾シート51が複数層の積層体の場合には、その層間に配置してもかまわない。なお、着色層52、厚盛り部56及び金属的反射層57は、イラストや写真等の種々の絵柄や文字を加飾シート51の前面に表示するためのものである。
(調整層について)
なお図示は省略するが、加飾シート51は、その最後面に調整層(図示せず)を配置してもよい。調整層の色は問わない。透明であってもよく、着色インキと同様に顔料などで着色されたものであってもかまわない。調整層は、粘着剤や接着剤の層とその後面に配置されたポリエチレンテレフタレート樹脂やポリカーボネート樹脂等の樹脂フィルムとから構成される。加飾シート51を備えた加飾品(図示せず)を形成する場合、加飾シート51の最後面に調整層を配置することが望ましい。加飾シート51の最後面に調整層を配置することにより、後方部材の色流れを抑えることができる。調整層の形成には、コーターでの塗布のほか、オフセット印刷やシルク印刷を用いることができる。
この調整層や粘着剤や接着剤は、加飾シート51の後面の凹凸(加飾シート51の厚盛り部56の有無による凹凸)を緩和することもできるものであり、加飾シート51又は粘着剤や接着剤の後面における凹凸の高さの差を、厚盛り部による凹凸の差よりも小さくすることができるものであり、調整層と、粘着剤や接着剤とを、併用することも可能である。
(表面の平滑性について)
この実施の形態では、加飾シート51の表面が平滑であるが、さらに表面が別個の平滑なシート(図示せず)を配置するなどしなくてもかまわない。また、後方部材に加飾シート51を貼り付けて加飾品を形成した場合、経時変化によって、後面の凹凸が表面側の平滑性に影響を与えることも考えられるが、前記のように加飾シート51の後面の凹凸を緩和させることによって、平滑性の影響の発生を抑制することができる。
この実施の形態に係る加飾シート51は、135℃の高温にも耐え得る耐熱性を有するものなど、素材の選択の自由度が高いものである。
本発明にあっては、厚盛り部56について、その少なくとも一部が細密厚盛り部50を備えていることが一つの特徴である。
図1(A)(B)に示されたように、細密厚盛り部50は、その前面側の一つの第2着色領域54よりも小さな微細厚盛り部分55が複数集合した部分であり、微細厚盛り部分55は、その形状は特に問わないが点状又は線状の細かなものであることが適当である。
全てのあるいは少なくとも複数の微細厚盛り部分55の後面には、前記した金属的反射層57が設けられている。これによって、それぞれの微細厚盛り部分55の少なくともの周縁は、シート本体10の厚さ方向の断面において、後方に向かって湾曲した凹曲部58を備え、この凹曲部58の少なくとも一部の後面に金属的反射層57が配置され、金属的反射層57が金属的凹曲反射面59を構成する。
これによって、一つの第2着色領域54の内部において、複数の微細厚盛り部分55による複数の金属的凹曲反射面59を配置することができる。その結果第2着色領域54においては単一の変化のない図形であったとしても、複数の微細厚盛り部分55によって多数の金属的凹曲反射面59が配置されるため、複雑な立体感や輝きを加飾シート51の表面にもたらすことができる。
これに対して、図1(C)(D)に示された従来のものは、複数の微細厚盛り部分55を備えた細密厚盛り部50がないため、図1(A)(B)に示されたものに比して単純なものとなっている。もちろん、本発明の実施に際して、図1(A)(B)に示されたものに加えて、図1(C)(D)に示されたものを併用することができるし、これによってより多彩な表現が可能となる。
上記の細密厚盛り部50は、微細厚盛り部分55が1平方センチメートル当たり3個以上存在するものであることが望ましい。微細厚盛り部分55が線状の場合は、1センチメートルの幅において3本以上の線が存在することが好ましく、1本の線の幅が0.3〜0.6mmであることが細密な装飾感を高める上で望ましい。微細厚盛り部分55が点状の場合は、1平方センチメートル当たり9個以上存在するものであることがより望ましく、1本の点の最大径が1.0〜3.0mmであることが細密な装飾感を高める上で望ましい。
また、微細厚盛り部分55同士の間隔は1mm以内であることが細密な装飾感を高める上で望ましく、0.3〜0.6mmがより望ましい。
例えば図3に示すように、微小な図形の中に多彩な立体感をもたらすことができる。
具体的には図3(A)にて矢印で示される二重円の着色層52は、一色で示された二重円の図形であるに止まるが、図3(B)にて矢印で示された二重円の細密厚盛り部50は、微細厚盛り部分55の集合によって構成されたものである結果、図3(C)にて矢印で示された二重円は、あたかも多くの宝玉によって構成されたものであるかの如く、細密な図形が立体感豊かに表現されたものとなっている。
なお図1に示されるように、微細厚盛り部分55の形状や大きさは均一である必要はなく、表現する図形によって図3(B)に示されるように様々なものを用いることができる。
図2は他の実施の形態を示すもので、この例では微細厚盛り部分55とその前面側に重ねられた第2着色領域54とが、平面視においてずれが生じているものとして実施したものである。
その結果、図2(E)(F)に示すように、平面において次の四つの部分が設けられることになる。
1)一致部分11:前記着色層と前記厚盛り部と前記金属的反射層とが一致した部分。
2)平面着色部分12:前記着色層のみで前記厚盛り部と前記金属的反射層とが存在しない部分。
3)無着色金属反射部分13:前記厚盛り部と前記金属的反射層のみで前記着色層が存在しない部分。
4)無着色非反射部分14:前記着色層、前記厚盛り部及び前記金属的反射層が存在しない部分。
その結果従来にも増して多彩な表現が可能となる。特に無着色非反射部分14をあえて設けることによって、一致部分11、平面着色部分12、無着色金属反射部分13の対比がより強調されることになる。
この図2の例では微細厚盛り部50は複数の線状の微細厚盛り部分55の集合であり、微細厚盛り部分55の前面側に重ねられた着色層52も複数の線分の集合である。この例では微細厚盛り部分55の方が着色層52よりも太いものとして実施されているが、逆に着色層52の方が太いものであっても構わないし、同じ太さであっても構わない。
着色層52と微細厚盛り部分55が平面視において交差しているものとすることによって、上記の四つの部分が形成されたものである。
なお図2(B)に示すように、平面視において微細厚盛り部分55同士の間の部分に着色インキによる62を設けて実施することもできる。
また、図4(A)に示すように、着色層52を線分とし、微細厚盛り部分55を線分と点との組み合わせとして実施することもできる。
さらに図4(B)(C)(D)に示すように、微細厚盛り部分55を不定形なドットの集合体として実施することもできる。
図5は、着色層52を線分とし、微細厚盛り部分55をドットの集合体と、線分の集合体として実施した例を示すものである。図5(A)は着色層の平面図であり、複数の色の異なる線分が縦の縞模様を構成するように配置されたもので、そのうち白く著された線分は着色が施されていない部分で、この部分には着色インキが存在しない。図5(B)は厚盛り部及び金属的反射層の平面図であり、中央に配置された斜め帯状のブランク部分と、このブランク部分の左側に配置されたドットの集合体部分と、このブランク部分の右側に配置された傾斜した線分の集合体部分とが3種類の領域を構成する配置されているものである。ブランク部分とドットの間に介在する部分と線分の間に介在する部分は、厚盛り部及び金属的反射層が全く存在していない。図5(C)は後面側着色層61の平面図であり、比較的淡い色のインキで全面が均一に着色されている。これらが組み合わされることによって、図5(D)(E)(F)に示すような多彩な表現の加飾シートを得ることができる。
図5(A)では着色層による縦の縞模様が表されていたに止まるが、図5(D)(E)(F)の加飾シートでは、着色層と厚盛り部と金属的反射層とが一致した一致部分11と、着色層のみで厚盛り部と金属的反射層とが存在しない平面着色部分12と、厚盛り部と金属的反射層のみで着色層が存在しない無着色金属反射部分13と、着色層、厚盛り部及び金属的反射層が存在しない無着色非反射部分14とによって、多彩な細密模様が形成されたものである。
図6は、微細厚盛り部分55の集合体からなる細密厚盛り部50の一例を示すものであり、種々のデザインで実施することができる。図7は、着色層52の一例を示すものであり、種々のデザインで実施することができる。そして両者を組み合わせることによって、多彩なデザインを創出することができる。例えば図8は図7の右上の着色層52による図形に対して、2種類の金属的反射層57を配置した例を示すものであり、図8(A)は図6の中段右側の金属的反射層57を配置し、図8(B)は図6の上段右側の金属的反射層57を配置した例を示すものである。このように、金属的反射層57の形態を変化させるだけで、同じ着色層52を用いても多彩な表現が可能である。
また細密厚盛り部50は、点状又は線状の細かな微細厚盛り部分55の集合によって錯視、モアレ又は干渉縞が生じる図形を構成しているものとすることができる。錯視としては、種々の幾何学的錯視が知られているが、何の錯視をもたらす図形であっても構わないが、立体的な錯視をもたらす図形であることが特に好ましい。幾何学的錯視の一例を示せば、ミュラー・リヤー錯視、ツェルナー錯視、ヘリング錯視、ポンゾ錯視、フィック錯視、ポッゲンドルフ錯視、デルブーフ錯視、オッペル・クント錯視、フレイザー錯視、ミュンスターバーグ錯視、カフェウォール錯視、エビングハウス錯視、ジャストロー図形などを上げることができるし、チェッカーシャドウ錯視であっても構わない。また図9に示すようなモアレ又は干渉縞が生じる図形であっても構わない。
(加飾シート51の製造)
次に上述の加飾シート51を製造する方法については、特許文献2に示す方法を採用することができる。
(加飾シート51を製造する工程の概要:第1の例)
加飾シート51を製造する工程は、透光性を有するシート本体10の後面側に透光性を有する着色インキによる着色層52を形成する着色ステップと、着色層52の後面側に透光性を有する厚盛り部56を形成する厚盛りステップと、厚盛り部56の後面側に金属的反射層57を形成する装飾ステップとを行うものである。
(着色ステップについて)
着色ステップは、透光性を有する着色インキを、種々の方法で、透光性を有するシート本体10の後面側に印刷することによって着色層52を形成する工程である。印刷にはオフセット印刷やシルク印刷やインクジェット印刷を用いることができるが、グラビア印刷等の他の印刷方法を用いることもできる。
この着色層52の厚みは、オフセット印刷の場合には1μm前後、シルク印刷の場合には10μm前後が適当であり、1〜20μm程度の範囲が好ましく4〜20μm程度の範囲がより好ましいものであるが、適宜変更して実施し得る。
また、着色層52として、厚盛り部56が後面側に配置されていない第1着色領域53と、厚盛り部56が後面側に配置されている第2着色領域54を形成してもよく、第1着色領域53と第2着色領域54とは、色相、明度、彩度のうち少なくとも一種が異なる違った色に着色されてもよい。
(厚盛りステップについて)
厚盛りステップは、着色層52の少なくとも一部の後面を含む位置に厚盛り部56を形成する工程である。
厚盛り部56は、着色層52と同様に透光性を有する厚盛インキを印刷することによって形成することができるが、他の手法によって形成してもよい。上述のとおり、厚盛り部56は、その厚み(t)や幅(l)が加飾シート51の装飾効果を左右する大きな要因となるため、厚み(t)好ましくは75〜150μm、より好ましくは80〜100μm、幅(l)0.3mm〜3.0mmが適当であるが、これに限るものではない。この厚みを得るために、層厚みの大きなシルクスクリ−ン印刷を行うことが有利である。その際、1回から、5回程度の複数回の印刷を施してもよい。部分的に印刷回数を変えるなどして厚みの異なる複数種類の厚盛り部56を形成してもよい。他方厚盛り部56の厚みを同じにすることによって、印刷を施す際の印刷の版を共通して用いることができ生産効率を高めることができる。
(装飾ステップについて)
装飾ステップは、厚盛り部56の少なくとも一部の後面に金属的反射層57を形成する工程である。厚盛りステップにて形成された厚盛り部56は、着色層52の後面側から後方に突出しており、厚盛り部56の少なくともその周縁は、表面張力により、シート本体10の厚さ方向の断面において、後方に向かって湾曲した凹曲部58を備える。そして、装飾ステップにて、この凹曲部58の少なくとも一部の後面に金属的反射層57を形成し、形成された金属的反射層57が金属的凹曲反射面59を構成するものである。
金属的反射層57は、転写箔の手法により、金属箔やホログラム箔などの反射箔を転写して形成されるものであることが好ましい。また、金属的反射層57は、シルク印刷(銀ペーストインキやミラーインキ)やホットスタンプ、蒸着、スパッタリングで実施してもかまわないが、転写箔を用いる方が高い金属的反射の効果が得られる点で有利である。より詳しくは、転写箔は、シルク印刷(銀ペーストインキやミラーインキ)より鏡面性がより高く、シルク印刷には作れないホログラム箔の使用も可能である点で、転写箔を用いる方が有利である。
また、転写箔の手法を用いて金属的反射層57を形成する際、転写用のバインダ層(図示せず)を形成してもよい。バインダ層は、反射箔を定着させるものであればよく、例えば透明なシルクインキで形成することができる。特に、経時変化でバインダ層の割れやクラックを起こさないインキを使用することが適当である。
金属的反射層57の厚みは、適宜変更して実施し得るが、0.3〜0.5μm程度の範囲が好ましい。
(加飾シート51を製造する工程の概要:第2の例)
本願の加飾シート51を製造する他の製造例は、透光性を有するシート本体10の後面側に装飾部60を形成する工程であって、透光性を有する着色インキによる着色層52を形成する着色ステップと、透光性を有する厚盛インキによる厚盛り部56を形成する厚盛りステップと、厚盛り部56の後面側に金属的反射層57を形成する装飾ステップとを行うものである。
そして、加飾シート51を製造する工程は、着色ステップ、厚盛りステップ、装飾ステップの順に実施する場合(以下、第1実施手順という)と、厚盛りステップ、着色ステップ、装飾ステップの順に実施する場合(以下、第2実施手順という)がある。
(着色ステップについて)
着色ステップは、透光性を有する着色インキを、種々の方法で、シート本体10の後面側に印刷することによって着色層52を形成する工程である。着色ステップにおいて、着色層52は、前方から見て、厚盛り部56が存在しない位置にある第1着色領域53と、厚盛り部56が存在する位置にある第2着色領域54とが形成され、第1着色領域53と第2着色領域54とは、色相、明度、彩度のうち少なくとも一種が異なる違った色に着色される。
加飾シート51を製造する工程が第1実施手順で実施された場合、第1着色領域53、第2着色領域54ともにシート本体10の後面側に形成され、第2実施手順で実施された場合、第1着色領域53はシート本体10の後面側に形成され、第2着色領域54はシート本体10の後面側に形成された厚盛り部56の後面側に形成される。
着色層52を形成するための印刷方法や着色層52の厚みは、本願の第1実施形態と同じであり、説明を省略する。
(厚盛りステップについて)
厚盛りステップは、シート本体10の後面側に厚盛り部56を形成する工程である。
加飾シート51を製造する工程が第2実施手順で実施された場合、厚盛り部56はシート本体10の後面側に形成され、第1実施手順で実施された場合、厚盛り部56はシート本体10の後面側に形成された第2着色領域54の後面側に形成される。
厚盛り部56を形成するための方法や、厚盛り部56の厚みや幅は、本願の第1実施形態と同じであり、説明を省略する。
(装飾ステップについて)
装飾ステップは、厚盛り部56の後面側に金属的反射層57を形成する工程である。金属的反射層57は前面側からの光を反射するものであり、また、装飾部60は、着色層52を透過した金属的反射層57からの反射光を前方の看者が視認するように構成されることから、金属的反射層57は、加飾シート51の最も後面側に形成される。
加飾シート51を製造する工程が第1実施手順で実施された場合、金属的反射層57は厚盛り部56の後面側に形成され、第2実施手順で実施された場合、金属的反射層57は厚盛り部56の後面側に形成された第2着色領域54の後面側に形成される。
金属的反射層57を形成するための方法や、金属的反射層57の厚みは、本願の第1実施形態と同じであり、説明を省略する。
転写箔の手法を用いて金属的反射層57を形成する際、厚盛り部56の後面側に形成された第2着色領域54と金属的反射層57との定着性を確保するために、両者の間に転写用のバインダ層(図示せず)を形成してもよい。バインダ層は、反射箔を定着させるものであればよく、例えば透明のシルクインキで形成することができる。特に、経時変化でバインダ層の割れやクラックを起こさないインキを使用することが適当である。
(加飾シート51の応用)
加飾シート51は、それ単独又は他の物品と併用して、種々の利用が可能である。例えば、シート製のパッケージングケースの定法に従って箱体に形成することができる。また、加飾シート51を他の物品に貼り付けて後方部材61を形成してもよく、例えば、化粧料容器や石鹸ケースなどの容器の本体や蓋のほか、弾球遊技機の走行面を構成するための表面シートやスロットマシーン遊技機の回転するリール、遊技機(弾球遊技機やスロットマシーン遊技機)のケーシングやエンブレムシートとして用いることができる。
紙やポリエチレンテレフタレート樹脂やポリカーボネート樹脂等の樹脂フィルム等を介在させて、加飾シート51と後方部材とを貼り付けてもよく、その場合、加飾シート51の後面側と後方部材の前面側とでは、種類の異なる粘着剤や接着剤を用いてもよい。また、粘着剤や接着剤の代わりに加飾シート51の後面の凹凸を緩和するための樹脂成分等を含むインクを加飾シート51の後面に印刷してもよい。
後面側に後方部材を貼り付けた加飾シート51を前方から見た際、加飾シート51が視認される位置に配置されており、金属的凹曲反射面59からの反射光を視認することができ、立体的な装飾効果を奏する。
またインモールド成形やアウトモールド成形によって、加飾シート51と後方部材とを一体化させることもできる。
本発明に係る加飾シートは、包装容器、アミューズメント機器、広告媒体、自動車部品、文具、日用品、電化製品、モバイル機器、転写シールを初めとして極めて多くの種類の物品の加飾に適用することができる。
10 シート本体
11 一致部分
12 平面着色部分
13 無着色金属反射部分
14 無着色非反射部分
50 細密厚盛り部
51 加飾シート
52 着色層
53 着色領域
54 着色領域
55 微細厚盛り部分
56 厚盛り部
57 金属的反射層
58 凹曲部
59 金属的凹曲反射面
60 装飾部
61 後方部材

Claims (8)

  1. 透光性を有するシート本体と、前記シート本体の後面側に配置された金属的反射層とを備えた加飾シートであって、
    前記シート本体の後面側に、配置された着色層と厚盛り部とを備え、
    前記着色層は、前面側から見た際に、前記加飾シートに色彩を与えると共に文字、図形、模様などの視覚的表現をなすものであり、
    前記厚盛り部は、前面側から見た際に、前記加飾シートに立体的な装飾効果を与えるものであり、
    前記金属的反射層は、前記加飾シートの少なくとも一部に配置され、
    前記厚盛り部は、前記シート本体の厚さ方向の断面において、後方に向かって突出しており、且つ、前記厚盛り部の周縁が湾曲部をなし、
    前記厚盛り部の少なくとも一部の前記湾曲部の後面に前記金属的反射層が配置されることによって、金属的凹曲反射面が構成され、
    前記加飾シートを前方から見た際、前記金属的凹曲反射面からの反射光を視認できるように構成された加飾シートにおいて、
    前記厚盛り部の少なくとも一部は細密厚盛り部であり、
    前記細密厚盛り部は、その前面側の前記着色層よりも小さな微細厚盛り部分が集合した部分であり、
    前記金属的反射層が少なくとも複数の前記微細厚盛り部分の後面に配置され、少なくとも複数の前記微細厚盛り部分に前記金属的凹曲反射面が設けられ、
    前記加飾シートを前方から見た際、前記細密厚盛り部の前面側の前記着色層の中に、複数の前記微細厚盛り部分における前記金属的凹曲反射面からの反射光が視認されるように構成されたことを特徴とする加飾シート。
  2. 透光性を有するシート本体と、前記シート本体の後面側に配置された金属的反射層とを備えた加飾シートであって、
    前記シート本体の後面側に、配置された着色層と厚盛り部とを備え、
    前記着色層は、前面側から見た際に、前記加飾シートに色彩を与えると共に文字、図形、模様などの視覚的表現をなすものであり、
    前記厚盛り部は、前面側から見た際に、前記加飾シートに立体的な装飾効果を与えるものであり、
    前記金属的反射層は、前記加飾シートの少なくとも一部に配置され、
    前記厚盛り部は、前記シート本体の厚さ方向の断面において、後方に向かって突出しており、且つ、前記厚盛り部の周縁が湾曲部をなし、
    前記厚盛り部の少なくとも一部の前記湾曲部の後面に前記金属的反射層が配置されることによって、金属的凹曲反射面が構成され、
    前記加飾シートを前方から見た際、前記金属的凹曲反射面からの反射光を視認できるように構成された加飾シートにおいて、
    前記厚盛り部の少なくとも一部は細密厚盛り部であり、
    前記細密厚盛り部は、その前面側の前記着色層よりも小さな点状又は線状の細かな微細厚盛り部分が集合した部分であり、
    前記金属的反射層が少なくとも複数の前記微細厚盛り部分の後面に配置され、少なくとも複数の前記微細厚盛り部分に前記金属的凹曲反射面が設けられ、
    前記細密厚盛り部は、点状又は線状の微細厚盛り部分が、1平方センチメートル当たり3個以上存在するものであることを特徴とする加飾シート。
  3. 前記着色層と前記細密厚盛り部が、錯視、モアレ又は干渉縞が生じる図形を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の加飾シート。
  4. 前記細密厚盛り部とその前面側に重ねられた前記着色層とは、平面視においてずれが生じており、
    平面視において下記の1)〜4)の部分が存在することを特徴とする請求項1〜3の何かに記載の加飾シート。
    1)一致部分:前記着色層と前記厚盛り部と前記金属的反射層とが一致した部分
    2)平面着色部分:前記着色層のみで前記厚盛り部と前記金属的反射層とが存在しない部分
    3)無着色金属反射部分:前記厚盛り部と前記金属的反射層のみで前記着色層が存在しない部分
    4)無着色非反射部分:前記着色層、前記厚盛り部及び前記金属的反射層が存在しない部分。
  5. 前記細密厚盛り部は線状の微細厚盛り部分の集合であり、
    前記細密厚盛り部の前面側に重ねられた前記着色層は、線分の集合であり、
    前記線状の微細厚盛り部分と前記着色層の前記線分とは平面視において交差していることを特徴とする請求項1〜4の何かに記載の加飾シート。
  6. 前記細密厚盛り部は、前記微細厚盛り部分同士が隙間を隔てて配列され、前記隙間が1mm以内の微細な隙間であることを特徴とする請求項1〜5の何かに記載の加飾シート。
  7. 前記シート本体の後面側であって、平面視において少なくとも前記微細厚盛り部分同士の間の部分に着色インキによる後面側着色層が存在することを特徴とする請求項1〜6の何かに記載の加飾シート。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の加飾シートと、その後方側に配置される後方部材とを備え、
    前方から見た際、前記加飾シートが視認される位置に配置されたことを特徴とする加飾シートを備えた加飾品。
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