JP2020187224A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体を使用したトナーにおいて、低温定着性能への阻害を抑制し、かつ、過酷環境での長期使用時におけるカブリなどの画像弊害を抑制する。【解決手段】結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA1とし、該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以上400nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA2としたとき、該面積比率A1が38%以上85%以下であり、該面積比率A2が0%以上37%以下であり、該面積比率A1に対するA2の比(A2/A1)が0以上0.75以下であることを特徴とするトナー。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法などの画像形成方法に使用されるトナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどの電子写真画像形成装置には、より高速化、長寿命化、省エネルギー化、小型化が求められており、これらに対応する為に、トナーに対しても種々の性能のより一層の向上が求められている。特にトナーに対しては、長寿命化の観点から、より一層の品質安定性の向上が要求されている。この長寿命化においては、長期耐久使用においても品質が大きく変化しないことが重要である。
その一方で、更なる省エネルギー化も要求されており、特にトナーに対しては、低温定着性能の向上が急務となっている。
しかし、長期耐久使用における品質安定性能の向上と低温定着性能の向上はトレードオフの関係になりやすい。長期耐久使用における品質安定性能向上の手法として、個数平均粒径の大きなシリカ微粒子や異形シリカ微粒子を添加する方法や、トナー粒子表面を硬い表層で覆う方法がある。しかし、これらの手法は、トナーの紙に対する濡れ広がりを阻害し、低温定着性能を低下させてしまう場合があった。特に、モノクロトナーの低温定着性能は、トナーの紙に対する濡れ広がりによる影響が大きい為、従来、トナーの低温定着性能を阻害せずに、長期耐久使用における品質安定性能の向上を行うことは、困難な課題であった。
この為、結晶性ポリエステルなど低温定着性能を向上させる材料をトナー内部に使用したトナーにおいて、トナー粒子表面近傍に磁性体を偏在させ、低温定着性能と長期耐久使用時における品質安定性能の両立を図った手法が提案されている(特許文献1、2)。
特開2008−15232号公報 特開2017−102398号公報
しかしながら、上記特許文献の手法においても、低温定着性能、長期耐久使用時の品質安定性能は不十分である。特に、磁性体の存在状態には未だ検討の余地があり、更なる改善が必要であることがわかった。
本発明の目的は、上記問題点を解消したトナーを提供することにある。具体的には、磁性体を使用したトナーにおいて、低温定着性能への阻害を抑制し、かつ、過酷環境での長期使用時におけるカブリなどの画像弊害を抑制することを目的とする。
結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、
該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA1とし、
該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以上400nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA2としたとき、
該面積比率A1が38%以上85%以下であり、
該面積比率A2が0%以上37%以下であり、
該面積比率A1に対するA2の比(A2/A1)が0以上0.75以下であることを特
徴とするトナー。
本発明によれば、磁性体を使用したトナーにおいて、低温定着性能への阻害を抑制し、かつ、過酷環境での長期使用時におけるカブリなどの画像弊害を抑制できるトナーを得ることができる。
トナー内部における磁性体の存在状態を示す模式図の一例 磁性体による応力伝播のイメージ図 画像処理に用いるマスクのイメージ図
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
先に述べたとおり、低温定着性能と長期耐久使用時における品質安定性能を両立する手法として、例えば、トナー粒子表面近傍に磁性体を偏在させたトナーが提案されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記の手法だけでは、高速かつ軽圧の定着手段で、ラフ紙のような凹凸の大きな紙を使用した場合において、定着性を良化させにくいことが分かった。
これは定着ニップ内において、紙の凹んだ部分のトナーに圧力や熱が伝わりにくく、定着ニップ内における紙の凹んだ部分のトナーの変形や溶融広がりが妨げられ、紙とトナーとの密着性が下がるためであることを明らかにした。
このため、紙の凹んだ部分においては、上述のような形態で、トナー粒子表面近傍の磁性体密度を増加させてしまうと、トナーの溶け広がりを阻害してしまい、耐久性と低温定着性の両立を図ることが困難になってしまう。
さらに、本発明者らの検討によれば、上記の手法だけでは、過酷環境における長期耐久使用時の品質安定性能は良化させにくいことが分かった。
これは、上述の手法では、磁性体が高い密度で存在する領域が、トナーの厚み方向に広く分布しており、部位によって、磁性体による硬さの向上効果を得ることが困難なためである。これにより、低温定着性能を向上させたトナーにおいて、過酷環境、即ち高温環境で、トナーが繰り返しトナー間や現像機内の部材との間で摺擦を受けた場合、トナー粒子表面に存在する外添剤がトナー粒子へ埋め込まれてしまう。
外添剤が埋め込まれたトナー粒子は、他のトナー粒子や外添剤との接触頻度が増加し、トナーの流動性が低下し、帯電不足による画質低下、即ちカブリなどの画像弊害が生じてしまう。
これらの事象を鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、トナー粒子断面の輪郭から、特定の距離の範囲内に、磁性体を高密度に存在させ、そのさらに内側に磁性体を疎に存在させることが、上記2つの課題を、両立して解決するために必要だと着想した。
そして、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、トナー粒子の表面近傍に、外力に対する応答性をもった層(以下、応答層)を配置し、かつ、前述の層の下層には、溶け広がり易い層(以下、溶融層)を配置することで、低温定着性と品質安定性を両立可能になることを見出した。
本発明者らは、この効果に関して、以下の様に考えている。
まず、応答層に関して記載する。現像機内におけるトナー同士やトナーと部材間で生じる摺擦により、トナー粒子の表面に固着された外添剤は、トナー粒子の内部方向へ外力が加えられ、内部へ入り込もうとする。しかし、トナー粒子の表面近傍に、密度高く磁性体
が配置されている場合、外添剤によってトナー粒子に伝えられる応力は、磁性体に伝播、反射される。
このため、外添剤の押し込みに対し、トナー粒子は擬似的に固くなり、外添剤の埋め込みは抑制される。また、磁性体が外添剤直下に存在しない場合においても、この効果は発現する。なぜならば、外添剤からトナー粒子に伝えられる応力は、放射状に広がるため、磁性体の密度が一定以上にあれば、周囲にある磁性体から、応力の反射を受け、前述のような埋め込み抑制効果を得ることができるからである。
次に、溶融層に関して記載する。トナーの紙への定着性は、紙への溶け広がりの大きさに依存する。特に、ラフ紙のような凹凸の大きな紙で、定着工程におけるニップ時間が短い場合において、無加圧時の溶け広がりが支配的な因子である。また、この効果は、トナー粒子の表面から400nm程度までの距離に存在する部位の溶け広がり性能に依存していると考えている。
よって、この部位の溶け広がり性能を向上させることが、上記の低温定着性を向上させることにつながる。しかし、前述の応答層による無加圧時のトナーの溶け広がりへの阻害が懸念される。このため、応答層より内側の領域で、かつ、トナー粒子の表面から400nm程度までの距離に相当する部位の溶け広がりを向上させる必要がある。この方法として、応答層である磁性体層より内側の領域で、かつ、トナー粒子表面から400nmまでの領域(溶融層)の、磁性体密度を一定以下にすることで、無加圧時のトナー溶け広がり性能を向上させることが可能になったと考えている。
これらの事象を鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、トナー粒子断面の輪郭から、特定の距離の範囲内に、磁性体が高密度に存在する磁性体層を形成させ、磁性体層の内側に磁性体を疎に存在させることで、上記2つの課題を、両立して解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明のトナーは、結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、
該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA1とし、
該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以上400nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA2としたとき、
該面積比率A1が38%以上85%以下であり、
該面積比率A2が0%以上37%以下であり、
該面積比率A1に対するA2の比(A2/A1)が0以上0.75以下であることを特徴とする。
トナー粒子内部の磁性体の存在状態は、トナーを切片に加工した後、TEMを用いて観察する。TEM観察により得られたトナーの断面画像において、トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以下の領域(応答層)とは、以下のようにして求められる範囲である。
すなわち、TEMの拡大倍率と解像度から、単位画素あたりの長さを算出し、これに基づき、200nmに相当する画素数を算出する。次に、トナー粒子断面の輪郭から、該断面の重心方向に200nmに相当するピクセル数の距離に境界線を引く。この境界線からトナー粒子表面までの領域を、トナー粒子断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以下の領域(以下、領域Aと記載)とする。
同様にして、トナー粒子断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以上400nm以下の領域(溶融層。以下、領域Bと記載)を決定する(図1参照)。詳細な手順については後述する。
領域Aの面積のうち磁性体が占める面積比率をA1とした際に、A1の値は38%以上85%以下であることが必要である。好ましくは45%以上85%以下である。
面積比率A1が38%以上である場合、トナー粒子の表面近傍に位置する磁性体は適度な距離で分布し、かつ、表面から極近い距離に存在している。この為、外添剤を埋め込む力に対し、応力伝播の効果により、擬似的にトナー粒子表面近傍が硬くなる(図2参照)。
これにより、トナー粒子表面に存在する外添剤は、長期耐久使用時に、トナー同士や部材との摺擦による埋め込みに対する抵抗力が高まり、外添剤の埋没を抑制することができる。また、この効果は、外添剤が外力を受けた際のみに生じる。すなわち、トナー同士やトナーと部材間での摺擦が生じた際のみに、この効果が生じる為、定着性を重視したトナー材料の選択が可能になる。
一方、A1の値が38%未満である場合、領域Aに存在する磁性体間の距離が長く、磁性体への応力伝播による、埋め込み抑制の効果を得ることができず、過酷環境における長期耐久使用時に、カブリが発生しやすくなる。
さらに、A1の値が85%を超えた場合、トナー粒子の表面近傍に、結着樹脂などの樹脂成分がほとんどなくなるため、紙とトナーの接点が磁性体になり、トナーの紙に対する溶け広がりを阻害してしまう。
また、領域Bの面積のうち磁性体が占める面積比率をA2とした際に、A2の値は0%以上37%以下であることが必要である。好ましくは0%以上29%以下である。
面積比率A2が37%以下である場合、領域Bに存在する磁性体量が少なく、領域Bの定着時における粘性を低くすることができる。このため、領域AとBを合わせた領域の定着時における粘性が低下し、紙への溶け広がりを良化させることができる。
一方で、A2が37%を超える場合は、領域Bに存在する磁性体量が多く、密度が高い為、領域AとBを合わせた領域の定着時における粘性が増加する。このため、トナーが紙へ溶け広がりにくくなる。
また、面積比率A1に対するA2の比率(A2/A1)の値が、0以上0.75以下であることが必要である。好ましくは、0以上0.60以下である。
A2/A1が0.75以下である場合、領域Aにおける応力伝播の効果と、領域Bにおける溶け広がり良化の効果とを両立することができる。一方で、A2/A1の値が0.75より大きい場合、領域Aに存在する磁性体量に対し、領域Aと領域Bを合わせた領域に存在する磁性体量が増加してしまう。これにより、定着ニップ内におけるトナー粒子表面近傍の粘度が増加し、トナーの溶け広がりを阻害してしまう。
トナー粒子断面の輪郭から該断面の重心方向へ400nm以上の領域(領域Bの内側の領域)における、磁性体が占める面積比率をA3とした際に、面積比率A3が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。10%以下である場合、トナーが定着ニップ内で熱と圧力を受け変形する際に、変形しやすく、定着性をより良化させることができる。下限は特に制限されないが、好ましくは0%以上である。
トナーの個数平均粒径D1は、4.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上9.0μm以下であることがより好ましい。
上記範囲にあることで、紙の凹部に存在するトナーの界面張力による粘性変形が主な現象となり、前述のA2の値による定着性良化の効果を向上させることができる。
結着樹脂は、特に限定されるものではなく、トナー用の公知の樹脂を用いることができる。また、結着樹脂は、主たる成分として、樹脂Bを含有することが好ましく、結着樹脂が樹脂Bであることがより好ましい。例えば、結着樹脂中の樹脂Bの含有量は、50質量%〜100質量%であることが好ましく、80質量%〜100質量%であることがより好
ましく、90質量%〜100質量%であることがさらに好ましい。
樹脂Bの具体例としては、ビニル樹脂が挙げられる。
ビニル樹脂の製造に使用可能なモノマーとしては、以下のモノマーが挙げられる。
脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン;アルカジエン類、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン。
脂環式ビニル炭化水素:モノ−又はジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えば、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えば、ピネン、リモネン、インデン。
芳香族ビニル炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン;及びビニルナフタレン。
カルボキシ基含有ビニル系モノマー及びその金属塩:炭素数3以上30以下の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1以上27以下)エステル。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸のカルボキシ基含有ビニル系モノマー。
ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1以上22以下のアルキル基(直鎖若しくは分岐)を有するアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルアクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、エイコシルアクリレート、エイコシルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレートなど)、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル、2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル、2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリアリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン)、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー(ポリエチレングリコール(分子量300)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノメタクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物メタクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物メタクリレー
ト)、ポリアクリレート類及びポリメタクリレート類(多価アルコール類のポリアクリレート及びポリメタクリレート:エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート)。
カルボキシ基含有ビニルエステル:例えば、炭素数3以上20以下のアルキル鎖を有するカルボキシアルキルアクリレート、炭素数3以上20以下のアルキル鎖を有するカルボキシアルキルメタクリレート。
中でも、芳香族ビニル炭化水素とビニルエステルとの共重合体が好ましく、樹脂Bがスチレンアクリル樹脂を含むことがより好ましい。スチレンアクリル樹脂は、炭素数1以上22以下のアルキル基(直鎖若しくは分岐)を有するアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも一、並びにスチレンの共重合体であることが好ましい。
トナー粒子は磁性体を含有する。
磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらの中でも、マグネタイトが好ましく、その形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、燐片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形などの異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性体の一次粒子の個数平均粒径は、100nm以上300nm以下であることが好ましく、150nm以上250nm以下であることがより好ましい。
トナー粒子中に存在する磁性体の一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。
具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナーを十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させて硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万〜4万倍の拡大倍率の画像を撮影し、画像中の100個の磁性体の一次粒子の投影面積を測定する。そして、投影面積に等しい円の相当径を磁性体の一次粒子の粒子径とし、100個の平均値を磁性体の一次粒子の個数平均粒径とする。
磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、40質量部以上180質量部以下であることが好ましい。磁性体の含有量が上記範囲にあることで、上述した面積率A1及びA2を制御しやすくなる。
なお、トナー中の磁性体の含有量は、パーキンエルマー社製熱分析装置TGA Q5000IRを用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃までトナーを加熱し、100℃〜750℃の減量質量を、トナーから磁性体を除いた成分の質量とし、残存質量を磁性体量とする。
磁性体の製造方法として、以下を例示することができる。
第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウムなどのアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上に
維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5〜10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。このとき、任意のpH及び反応温度、攪拌条件を選択することにより、磁性体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5未満にしない方が好ましい。このようにして得られた磁性酸化鉄粒子を定法により濾過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
磁性体は下記式(I)で示される、アルキルトリアルコキシシランカップリング剤を疎水化処理剤として用いて疎水化処理された疎水化処理磁性体Aであることが好ましい。疎水化処理磁性体Aは、磁性体と、該磁性体表面の疎水化処理剤とを有する。
2p+1−Si−(OC2q+1 (I)
式(I)中、pは4以上16以下の整数を示し、qは1以上3以下の整数を示す。
上記式におけるpが4以上であることで疎水性を十分に付与することができ、一方でpが16以下であることで、磁性体表面において均一に処理させることができ、磁性体の合一を抑制できるため好ましい。
疎水化処理剤の添加量は、未処理の磁性体100質量部に対し0.3質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは1.5質量部以下であり、さらに好ましくは1.3質量部以下である。
上記シランカップリング剤を用いる場合、単独で処理する、又は複数を併用して処理することが可能である。複数を併用する場合、それぞれのカップリング剤で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。またその他としてチタンカップリング剤などを併用してもよい。
疎水化処理の方法は特に制限されないが、以下の方法が好ましい。
該疎水化処理剤を磁性体の粒子表面に均一に反応させて高い疎水性を発現させると同時に、磁性体の粒子表面の水酸基を完全に疎水化せずに一部残存させることを目的として、ホイール形混練機又はらいかい機によって、乾式にて疎水化処理を施すことが好ましい。
ここでホイール形混練機としては、ミックスマラー、マルチマル、ストッツミル、逆流混練機、アイリッヒミル等が適用でき、ミックスマラーを適用することが好ましい。
ホイール形混練機又はらいかい機を用いた場合には、圧縮作用、せん断作用、へらなで作用という3つの作用を発現させることができる。
圧縮作用によって磁性体の粒子間に存在する疎水化処理剤を磁性体の表面に押しつけ、粒子表面との密着性、反応性を高めることができる。せん断作用によって疎水化処理剤と磁性体それぞれにせん断力を加え、疎水化処理剤を引き延ばしとともに、磁性体の粒子をばらばらにして凝集を解すことができる。さらに、へらなで作用により磁性体粒子表面に存在する疎水化処理剤をへらでなでるように均一に広げることができる。
上記3つの作用が連続的かつ繰り返し発現することによって、磁性体粒子の凝集を解して再凝集させることなく、一つ一つの粒子に解しながら個々の粒子の表面を偏りなく疎水化処理することができる。
通常、式(I)で示される比較的炭素数の大きい疎水化処理剤は、分子が大きくて嵩高いために磁性体の粒子表面において分子レベルで均一に処理することは難しい傾向にあるが、上記の手法による処理であれば安定的に処理することが可能となるため好ましい。
そしてホイール形混練機又はらいかい機によって、式(I)で示される疎水化処理剤を
用いて磁性体の疎水化処理をした場合、磁性体の粒子表面において、疎水化処理剤と反応した部分と反応せずに残った水酸基価が交互に存在して共存する状態を形成できる。
磁性体の粒子表面をこのような状態とすることで、疎水性を高めながら、一定の水分吸着性を持たせることができ、磁性体の極性を制御することができる。
トナー粒子は、樹脂Cを含有することが好ましい。
樹脂Cは、非晶性ポリエステルであることが好ましい。
樹脂Cの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部〜50質量部であることが好ましく、1質量部〜20質量部であることがより好ましく、2質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造には、公知のモノマーを使用しうる。例えば、2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールが挙げられる。これらモノマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸などの二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。これらジカルボン酸の低級アルキルエステルや酸無水物も使用できる。
また、3価以上のカルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、アルキレングリコール(1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール及び1,20−イコサンジオール。);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物、ビスフェノール類(ビスフェノールA)のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)が挙げられる。
アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は、直鎖であっても分岐であってもよい。分岐構造のアルキレングリコールが好ましい。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオール。
また、3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸などの1価
の酸や、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールなどの1価のアルコールも使用することができる。
中でもビスフェノール類のアルコールを用いた非晶性ポリエステルが好ましい。
また、非晶性ポリエステルはイソソルビドが縮合した構造を含むことが好ましい。イソソルビドが縮合した構造は下記式(A)で表される。非晶性ポリエステルがこのような構造を含むことで、領域Aにより多くの、磁性体を均一に存在させることが可能となる。イソソルビドが縮合した構造を含むことによって、磁性体と結着樹脂、樹脂Cの関係性を適正に保ち易いためこのような効果が生じると想定している。
非晶性ポリエステルは、例えば、二価のカルボン酸又はその無水物と、イソソルビド及び二価のアルコールとを縮合させることで調製される。具体的には、カルボキシル基が残存する組成比率で、窒素雰囲気中、180℃〜260℃の反応温度で脱水縮合する方法などにより調製することができる。また、必要に応じてイソソルビド以外の一価又は二価以上のアルコールを併用してもよい。また、一価や、三価以上のカルボン酸成分又はその無水物などを用いてもよい。
Figure 2020187224
トナーは、結晶性材料を含有することが好ましい。
結晶性材料としては、低温定着性の観点から、エステル系の結晶性材料を含有することが好ましい。結晶性材料の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して、1.0質量部以上35.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以上30.0質量部以下であることがより好ましい。
結晶性を有するとは、示唆走査熱量測定DSCにおいて明確な吸熱ピーク(融点)が観察されることを指す。
結晶性材料は低温定着性の観点からワックス(離型剤)を含有してもよい。
ワックスとしては、公知のワックスを用いることができる。ワックスの具体例として以下のものが挙げられる。
炭化水素ワックス(例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体)、カルナバワックス、キャンデリラワックスなど天然ワックス及びその誘導体、エステルワックスなど。
ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
また、エステルワックスとしては、1分子中にエステル結合を1つ含有するモノエステル化合物、1分子中にエステル結合を2つ含有するジエステル化合物をはじめ、1分子中にエステル結合を4つ含有する4官能エステル化合物や、1分子中にエステル結合を6つ含有する6官能エステル化合物などの多官能エステル化合物を用いることができる。
その中でも、モノエステル化合物及びジエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。
さらに、モノエステル化合物は、エステル化合物が直鎖状になりやすく、スチレン系樹脂との相溶性が高くなるため、より低温定着性に優れる。
モノエステル化合物の具体例としては、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどのような脂肪酸エステル類から酸成分の一部又は全部を脱酸したもの、植物性油脂の水素添加などによって得られるもの、ヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニルなどの飽和脂肪酸モノエステル類が挙げられる。
また、ジエステル化合物の具体例としては、セバシン酸ジベヘニル、ノナンジオールジベヘネート、テレフタル酸ベヘネート、テレフタル酸ステアリルなどが挙げられる。なお、ワックスは、上記化合物以外の公知の他のワックスを含有させることができる。また、ワックスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
結晶性材料は低温定着性の観点から結晶性ポリエステルを含有してもよい。
結晶性ポリエステルは、脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸を反応させて得られるものが好ましい。中でも炭素数2以上12以下の脂肪族ジオール、及び/又は炭素数2以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を含有するモノマーの縮重合体が好ましい。
炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールとしては、以下の化合物が挙げられる。
1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。
二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオール。
炭素数2以上12以下の脂肪族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。
蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸。これら脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステルや酸無水物も使用できる。
これらのうち、セバシン酸、アジピン酸及び1,10−デカンジカルボン酸、並びにそれらの低級アルキルエステルや酸無水物が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、芳香族カルボン酸を用いることもできる。芳香族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸。これらの中でも、テレフタル酸が入手の容易性や低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。
また、二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。二重結合を有するジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを抑制するために好適に用いることができる。
このようなジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸及び3−オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル及び酸無水物も挙げられる。これらの中でも、フマル酸及びマレイン酸がより好ましい。
結晶性ポリエステルの製造方法としては、特に制限はなく、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させる一般的なポリエステルの重合法によって製造することができる。例えば、直接重縮合法又はエステル交換法を用い、単量体の種類によって使い分けて製造することができる。
結晶性材料は、炭化水素ワックス、エステルワックス及び結晶性ポリエステルからなる群から選択される少なくとも一を含有することが好ましく、エステルワックス及び結晶性ポリエステルからなる群から選択される少なくとも一、並びに炭化水素ワックスを含有することがより好ましい。
透過型電子顕微鏡によるトナー粒子の断面観察において、領域Bに、結晶性材料のドメインが存在し、ドメインの個数平均径が、20nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上100nm以下であることがより好ましい。領域Bにおける結晶性材料のドメインの個数が、10個以上100個以下であることが好ましく、10個以上80個以下であることがより好ましい。
結晶性材料のドメインの個数平均径が20nm以上であることで、結晶状態を維持でき、定着性に効果を発揮する。また該個数平均径が300nm以下であることで、結晶性材料と結着樹脂の界面を多くすることができ、定着時に瞬時に可塑させるこができるため、低温定着性が向上し、光沢ムラを抑制できる。
結晶性材料の平均径は結晶性材料の種類、トナー製造時に結晶性材料が結着樹脂と相溶した状態から瞬時に冷却して結晶化させる製法などにより制御が可能である。
結晶性材料のドメインの個数は10個以上であることで、結晶性材料と結着樹脂の界面を多くすることができ、定着時に瞬時に可塑させるこができるため、低温定着性が向上し、光沢ムラを抑制できる。またドメインの個数が100個以下であることで定着時以外に結着樹脂を可塑する可能性を低減でき、保存性を向上させることができる。
ドメインの個数は結晶性材料の種類、組み合わせやトナー製造時に結晶性材料が結着樹脂と相溶した状態から瞬時に冷却して結晶化させる製法を用いることで制御が可能である。
次に、トナーを構成する材料間の関係性について記載する。
磁性体が疎水化処理磁性体Aを含有し、結着樹脂が樹脂Bを含有し、トナー粒子が樹脂Cを含有することが好ましい。そして、処理磁性体Aのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項をa(MPa1/2)、樹脂Bのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項をb(MPa1/2)、樹脂Cのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項をc(MPa1/2)とした時に、下記式(1)で示される関係を満たすことが好ましい。
b<a<c (1)
ここで、「ハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項」とは、ハンセン溶解度パラメータを構成する三つのパラメータのうち、双極子の相互作用によるエネルギーを表す分極項δpを意味する。なお、本明細書に記載されたハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項a,b及びcの単位はMPa1/2である。
式(1)の関係式を満たすようハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項を制御することで、樹脂Bを含む結着樹脂、疎水化処理磁性体、及び樹脂Cをトナー粒子中で最適な位置に配置しやすくなる。材料間の双極子相互作用項の大きさが上記式(1)の序列になることで、各材料間での分極が誘起され、各材料が渾然一体となって配置されることを防ぐため、このような効果が生じると考えられる。また、高温高湿環境(温度:32.5℃、湿度:80%)で長期使用した際にも後端オフセットを良化させつつ、カブリの発生を抑制することができると考えられる。
aは、1.0〜3.0であることが好ましい。bは、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.4であることがより好ましい。また、cは、4.0〜8.0であることが好ましい。
aは、磁性体の表面処理材料や、その処理方法により制御できる。また、b及びcは、樹脂の主成分や、側鎖などの分子構造により制御できる。
上記3成分の関係性を考える上で、トナー粒子を懸濁重合法によって製造する場合について述べる。好ましくは、トナー粒子は、樹脂C、疎水化処理磁性体A、及び樹脂Bを形成し得る重合性単量体を含有する磁性トナー組成物を水系媒体中で造粒し、重合性単量体を重合することによって製造される。そのため、これらの材料を混合、溶解、造粒する工程がある。しかしながら、樹脂や重合性単量体と磁性体とは、疎水性や比重の違いから、溶解強度を高めたとしても不均一になりやすくトナー構造の制御がしにくい。
そこで、本発明者らは、トナー粒子の構造を形成する、樹脂B、疎水化処理磁性体A、樹脂Cの親和性のバランスを保つことによって、トナー粒子の表面近傍を特定の構造へと制御した、良好なトナーが得られると考えている。具体的には、トナー粒子の最表面が樹脂Cの層であり、第二層目が疎水化処理磁性体Aを含む層で形成されたシェル構造である。
上記3成分が式(1)の関係式を満たすことで、特定のシェル構造を形成させやすくなるため、トナー粒子表面の硬さが十分になり、高温高湿環境で長期使用した場合、外添剤の埋め込みを抑制できる。このため、高温高湿環境で長期使用する際のカブリを抑制できる。その結果、高温高湿環境で長期使用しても、現像性の低下をさらに抑制することができる。
トナーは、外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、酸化亜鉛微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子、酸化セリウム微粒子及び炭酸カルシウム微粒子の金属酸化物微粒子(無機微粒子)を挙げることができる。また、2種類以上の金属を用いた複合酸化物微粒子を用いることもできるし、これらの微粒子群の中から任意の組み合わせで選択される2種以上を用いることもできる。
また、樹脂微粒子や、樹脂微粒子と無機微粒子の有機無機複合微粒子を用いることもできる。
外添剤は、シリカ微粒子及び有機無機複合微粒子からなる群から選択される少なくとも一種を有することがより好ましい。
シリカ微粒子は、ゾルゲル法で作製されるゾルゲルシリカ微粒子、水性コロイダルシリカ微粒子、アルコール性シリカ微粒子、気相法により得られるフュームドシリカ微粒子、溶融シリカ微粒子などが挙げられる。
樹脂微粒子としては、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂のような樹脂粒子が挙げられる。
有機無機複合微粒子としては、樹脂微粒子と無機微粒子で構成された有機無機複合微粒子が挙げられる。
外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
外添剤は、疎水化処理剤により疎水化処理がされていてもよい。
疎水化処理剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどのクロロシラン類;テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン類;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザンなどのシラザン類;ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイルなどのシリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンなどのシロキサン類;脂肪酸及びその金属塩として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸、前記脂肪酸と亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシシラン類、シラザン類、シリコーンオイルは、疎水化処理を実施しやすいため、好ましく用いられる。これらの疎水化処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
トナーは、トナーの流動性や帯電性を向上させるために、複数種の外添剤を含んでいてもよい。
以下に、トナーの製造方法について例示するが、これに限定されない。
本発明において、面積比率A1、A2及びA3、並びにA2/A1を前述の範囲にするための製造方法として、特に限定は無いが、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法など、水系媒体中でトナー粒子を製造することが好ましい。懸濁重合法は、トナー粒子の表面近傍に磁性体を存在させやすいために、好適な物性を満たしたトナーが得られやすくより好ましい。すなわち、トナー粒子が懸濁重合トナー粒子であることが好ましい。
懸濁重合法では、例えば、結着樹脂(樹脂B)を形成しうる重合性単量体、及び磁性体、並びに、必要に応じて、樹脂C、結晶性材料、着色剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤を、均一に分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に、適当な攪拌器を用いて、得られた重合性単量体組成物を分散・造粒し、重合開始剤を用いて重合反応を行い、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
重合性単量体としては前述のビニル樹脂のモノマーとして記載したものを用いることができる。好ましくは、以下のものが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンなどのスチレン系単量体。
アルキルアクリレート(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリルなど)、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類。
アルキルメタクリレート(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなど)、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類。
その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの単量体が挙げられる。これらの単量体は単独で、又は混合して使用し得る。
上述の単量体の中でも、スチレン系単量体を単独で、又はアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類など他の単量体と混合して使用することがトナー構造を制御し、トナーの現像特性及び耐久性を向上させやすい点から好ましい。特に、結着樹脂がスチレンアクリル樹脂を50質量%以上含有することが好ましい。
重合法によるトナー粒子の製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5時間以上30時間以下であるものが好ましい。また、重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下の添加量で用いることが好ましい。そうすると、分子量5000以上50000以下の間に極大を有する重合体を得ることができ、トナーに好ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。
具体的な重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(セカンダリーブチル)パーオキシジカーボネートなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
この中でも、t−ブチルパーオキシピバレートが好ましい。
トナーを重合法により製造する場合は、架橋剤を添加してもよい。
架橋剤は、応力伝播効果を得やすい観点から、フェニレン基などの芳香族炭化水素基のように、剛直性の高い構造は含まない架橋剤であることが好ましい。
架橋剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、0.05質量部以上15.00質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上3.00質量部以下であることがより好ましく、0.20質量部以上2.50質量部以下であることがさらに好ましい。
重合性単量体組成物が分散される水系媒体には分散安定剤を含有させてもよい。
分散安定剤としては、公知の界面活性剤、有機分散剤、及び無機分散剤が使用できる。
中でも無機分散剤は、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好ましく使用できる。
無機分散剤の具体例としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機化合物が挙げられる。
無機分散剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。また、分散安定剤は単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。さらに、0.001質量部以上0.1質量部以下の界面活性剤を併用してもよい。
無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用してもよいが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて無機分散剤の微粒子を生成させて用いることができる。
例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速攪拌下、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性のリン酸カルシウムの微粒子を生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。
界面活性剤としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどが挙げられる。
重合性単量体を重合する工程において、重合温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上90℃以下の温度に設定するとよい。この温度範囲で重合を行うと、例えば、内部に封じられるべき離型剤などが相分離により析出して内包化がより完全となる。
重合性単量体を重合した後、以下のような冷却工程を行うことが好ましい。トナー粒子が水系媒体に分散した分散体を、結晶性材料の融点を超える温度まで昇温する。ただし、重合温度が該融点を超えている場合はこの操作は必要でない。
昇温後、結晶性材料の結晶化度を上げるために、該分散体を3℃/分〜200℃/分(好ましくは、3℃/分〜150℃/分)の冷却速度で室温付近まで冷却する。
また、該冷却工程の後、上記分散体を50℃程度まで加熱し、熱処理を施してもよい。
該熱処理は、1時間〜24時間程度であることが好ましく、より好ましくは2時間〜10時間程度である。
得られた重合体粒子を公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することによりトナー粒子が得られる。このトナー粒子をそのままトナーとして用いてもよい。トナー粒子に、外添剤を混合してトナー粒子の表面に付着させることで、トナーを得てもよい。また、製造工程に分級工程を入れ、トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉をカットすることも可能である。
本発明のトナーの各種物性の測定方法について以下に説明する。
<トナーの個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数25000にて行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180°ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の、液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散については、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「算術径」を個数平均粒径(D1)とする。
<磁性体の一次粒子の個数平均径>
エポキシ樹脂中へ観察すべき磁性体を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性酸化鉄の粒子径を測定する。そして、磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、個数平均径の算出を行う。なお、本手法は、原材料である磁性体の測定だけではなく、トナー内部に存在する磁性体を測定する場合にも、サンプルとしてトナーを用いることで同じ手法にて測定することが可能である。
<透過型電子顕微鏡(TEM)によるルテニウム染色処理されたトナー断面の観察方法>
トナーの透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察は以下のようにして実施することができる。トナー断面をルテニウム染色することによって観察する。例えば、トナーに含有される結晶性樹脂などは、結着樹脂のような非晶樹脂よりもルテニウムで染色されるため、コントラストが明瞭になり、観察が容易となる。染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では黒くなり、弱く染色される部分は、電子線が透過されやすく、観察像上では白くなる。
まず、カバーガラス(松波硝子社、角カバーグラス 正方形 No.1)上にトナーを
一層となるように散布し、オスミウム・プラズマコーター(filgen社、OPC80T)を用いて、保護膜としてトナーにOs膜(5nm)及びナフタレン膜(20nm)を施す。
次に、PTFE製のチューブ(内径Φ1.5mm×外径Φ3mm×3mm)に光硬化性樹脂D800(日本電子社)を充填し、チューブの上に前記カバーガラスをトナーが光硬化性樹脂D800に接するような向きで静かに置く。この状態で光を照射して樹脂を硬化させた後、カバーガラスとチューブを取り除くことで、最表面にトナーが包埋された円柱型の樹脂を形成する。
超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度0.6mm/sで、円柱型の樹脂の最表面からトナーの半径(重量平均粒径(D4)が8.0μmの場合は4.0μm)の長さだけ切削して、トナーの断面を出す。次に、膜厚250nmとなるように切削し、トナー断面の薄片サンプルを作製する。このような手法で切削することで、トナー中心部の断面を得ることができる。
得られた薄片サンプルを真空電子染色装置(filgen社、VSC4R1H)を用いて、RuOガス500Pa雰囲気で15分間染色し、TEM(JEOL社、JEM2800)を用いてTEM観察を行った。
TEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelにて画像を取得する。また、明視野像のDetector ControlパネルのContrastを1425、Brightnessを3750、Image ControlパネルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整する。
<結晶性材料のドメインの同定>
トナーの断面のTEM画像をもとに、結晶性材料のドメインの同定を、以下の手順により行う。結晶性材料(結晶性ポリエステル及び離型剤)を原材料として入手できる場合、それらの結晶構造を、上述のルテニウム染色処理された透過型電子顕微鏡(TEM)におけるトナー断面の観察方法と同様にして、観察し、原材料それぞれの結晶のラメラ構造の画像を得る。それらと、トナーの断面におけるドメインのラメラ構造を比較し、ラメラの層間隔が誤差10%以下であった場合、トナーの断面におけるドメインを形成している原材料を特定することができる。
(結晶性材料の単離)
結晶性材料(結晶性ポリエステル及び離型剤)の原材料を入手できない場合、次のように単離作業を行う。まず、トナーに対する貧溶媒であるエタノールにトナーを分散させ、結晶性ポリエステル及び離型剤の融点を超える温度まで、昇温させる。この時、必要に応じて、加圧してもよい。この時点で、融点を超えた結晶性ポリエステル及び離型剤が溶融している。その後、固液分離することにより、トナーから、結晶性ポリエステル及び離型剤の混合物を採取できる。この混合物を、分子量毎に分種することにより、結晶性材料の単離が可能である。
<結晶性材料のドメインの個数平均径の測定>
結晶性材料のドメインの個数平均径は、TEM画像をもとに、結晶性材料のドメインの長径から求める。
ルテニウム染色処理された透過型電子顕微鏡(TEM)におけるトナー断面の観察により得られたTEM画像をもとに、結晶性材料のドメインの長径を計測する。その際、100個以上のトナーの断面を観察する。全てのドメインを計測し、個数平均径を算出する。
<結晶性材料のドメインの個数の測定>
上述の結晶性材料のドメインの個数平均径の測定と同様にして、トナー断面当りに含まれる結晶性材料のドメインの個数を計測する。これを100個以上のトナーの断面につい
て行い、一つのトナー断面当りのドメインの個数を、結晶性材料のドメインの個数とする。
<面積比率A1、A2及びA3の測定>
透過型電子顕微鏡(TEM)で観察されるトナー粒子の断面における、磁性体の表面偏在度の測定方法は、以下の通りである。
まず、得られたTEM像に対し、画像処理ソフト「ImageJ」(https://imagej.Nih.gov/ij/より入手可能)を用いて、2値化する。その後、断面の2値化像から円相当径(投影面積円相当径)を求め、その値がトナーの個数平均粒径(D1)(μm)の±5%の幅に含まれる断面を選択する。
該当する粒子のTEM像から、「ImageJ」を用いて、測定に必要な部位以外をマスクし、トナー輪郭内部における、マスクされていない領域の面積と、マスクされていない領域に存在する磁性体の総面積とを算出する。この手法について、A1を例に具体的に述べる。
まず、取得したトナー粒子断面の輪郭のTEM画像(以下、画像1と記載)の輪郭及び内部が白、それ以外の背景にあたる部分が黒になる様に、2値化する(以下、画像2と記載)。
次に、マスクの倍率を算出する為、画像1において、単位画素数あたりの長さを算出する。次に、算出した値から、トナー粒子の輪郭から領域Aの境界線までの距離である200nmが何ピクセルにあたるかを算出する(以下、x1と記載)。同様に、前述の手法用いて測定したトナー粒径が何ピクセルに当たるかを算出する(以下、x2と記載)。そして、マスクの倍率Mを(x1−x2)/x1より算出する。
次に、画像2を、算出された倍率Mに縮小する(縮小された画像を画像3と記載)この際、トナー粒子輪郭、及び内部は、画像2とは異なり、黒にし、それ以外の背景にあたる部分は白になる様に(透明になる様に)設定しておく。
次に、画像2と画像3を足し合わせる。この際「ImageJ」の機能である「Image Calculator」を用いて画像2と画像3を足し合わせ、図3に示したような、トナー粒子断面の輪郭から、トナー粒子断面の重心に向かって200nmまでの領域が白く、その他の部位が黒い、画像4を作成する。この画像4における白い領域の面積S1を測定する。
次に、作成した画像4と前述のTEM画像を、同様に「Image Calculator」を用いて足し合わせ、測定部位以外をマスクした画像5を作成する。この画像5を2値化し、マスク内部の磁性体面積S2を測定する。
最後に、領域Aにおける磁性体の占める面積率A1をS2/S1×100により算出する。
面積率A2、A3に関しては、領域の範囲をA2においては、200nm〜400nm、A3においては400nmから重心までに変更し、その他は同様の手順で算出する。100個のトナー粒子断面を観察しその相加平均値を採用する。
<ハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項の測定方法>
疎水化処理磁性体A,樹脂B及び樹脂Cのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項は以下のように算出する。
原材料を入手している場合は、まず、疎水化処理磁性体Aは、疎水化処理剤の原材料の分子構造を、樹脂B、樹脂Cに関しては、それぞれの原材料の分子構造を、SDSなどから特定する。その構造式を元に、計算ソフトHSPiP(http://pirika.com/JP/HSP/index.htmlから入手可能)から、算出することが可能である。
また、原材料を直接入手できない場合や、既存のトナーに関して測定をする場合には、核磁気共鳴装置(NMR)や、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)などの
、分析機器により、構成材料を同定することで、算出することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は何らこれに制限されるものではない。以下の処方において、部は特に断りのない限り質量基準である。
<樹脂C1の製造例>
無水トリメリット酸以外の原材料モノマーを、下記表1に示した仕込み量で混合した混合物100部と、触媒であるジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部とを、窒素導入ラインと、脱水ラインと、攪拌機と、を装備した重合タンクに入れた。次に、重合タンク内を窒素雰囲気にした後、200℃で加熱しながら6時間かけて重縮合反応を行った。
さらに、210℃に昇温した後、無水トリメリット酸を添加し、重合タンク内を40kPaまで減圧した後で更に縮合反応を行った。得られた樹脂C1のハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項cを表1に示す。
<樹脂C2、C3の製造例>
下記表1の原材料モノマー仕込み量にて、樹脂C1と同様の操作を行い、樹脂C2、樹脂C3を製造した。得られた樹脂のハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項cを表1に示す。
Figure 2020187224

表中の略称は以下の通り。
BPA(PO2モル):ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物
EG:エチレングリコール
TPA:テレフタル酸
TMA:無水トリメリット酸
また、下記の表も含め、ハンセン双極子相互作用項の単位は(MPa1/2)である。
<結晶性材料D1の製造例>
・セバシン酸 100.0部
・1,9−ノナンジオール 100.0部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
上記材料を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した。その後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性材料D1を得た。
<結晶性材料D2〜D4>
結晶性材料D2〜D4について、表2に示す。
Figure 2020187224
<結晶性材料E1>
結晶性材料E1として、炭化水素ワックス(HNP−51:日本精蝋(株)製)を用いた。
<磁性酸化鉄1の製造例>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子100部あたり珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過、洗浄、更にイオン交換水にてリスラリーを行った。
このリスラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して個数平均径が200nmの磁性酸化鉄1を得た。
<磁性酸化鉄2の製造例>
磁性酸化鉄1の製造例において、磁性酸化鉄1の製造条件を変更して、球状マグネタイト粒子であり、一次粒子の個数平均粒径が160nmである磁性酸化鉄2を得た。
<磁性酸化鉄3の製造例>
磁性酸化鉄1の製造例において、磁性酸化鉄1の製造条件を変更して、球状マグネタイト粒子であり、一次粒子の個数平均粒径が300nmである磁性酸化鉄2を得た。
<磁性酸化鉄4の製造例>
磁性酸化鉄1の製造例において、磁性酸化鉄1の製造条件を変更して、球状マグネタイト粒子であり、一次粒子の個数平均粒径が350nmである磁性酸化鉄4を得た。
<磁性酸化鉄5の製造例>
磁性酸化鉄1の製造例において、磁性酸化鉄1の製造条件を変更して、球状マグネタイト粒子であり、一次粒子の個数平均粒径が260nmである磁性酸化鉄5を得た。
<シラン化合物1の製造>
n−デシルトリメトキシシラン30部をイオン交換水70部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度55℃に保持し、ディスパー翼を用いて、周速0.46m/sで120分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうしてシラン化合物1を含有する
水溶液を得た。
<シラン化合物2〜5の製造>
表3に記載するアルコキシシランを用い、シラン化合物1の製造方法と同様の方法により、シラン化合物2〜5をそれぞれ含有する水溶液を得た。
Figure 2020187224
<疎水化処理磁性体A1の製造>
シンプソン・ミックスマーラ(新日東興業株式会社製 型式MSG−0L)に該磁性酸化鉄1を10.0kg投入し、30分間解砕処理を行った。
その後、同装置内にシランカンプリング剤として、シラン化合物1を含有する水溶液を95g添加し、1時間作動することにより、上記磁性酸化鉄1の粒子表面を上記シランカップリング剤で疎水化処理することで疎水化処理磁性体A1を得た。物性を表4に示す。
<疎水化処理磁性体A2〜A7の製造>
疎水化処理磁性体A1の製造方法において、シラン化合物の種類を表4に記載したように適宜変更し、シラン化合物の噴霧量を適宜変更した。これにより、所望の「シラン化合物に由来する炭素量」が調整された疎水化処理磁性体A2〜A7を得た。物性をそれぞれ下記表4に示す。
なお、処理方法に関しFMは、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株))による乾式の処理方法を、湿式は、液中での処理を示す。
Figure 2020187224

シラン化合物に由来する炭素量の単位は「質量%」である。
<疎水化処理磁性体A8の製造>
磁性酸化鉄1を三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株))に入れた後、回転速度34.5m/sで磁性酸化鉄1を分散させた状態で、シラン化合物1(疎水化処理磁性体の1.12質量%になる量)を噴霧させながら加えた。
次に、そのまま10分間分散させた後、シラン化合物1が吸着した磁性体を取り出し、
160℃で2時間静かに置いた状態で乾燥すると共にシラン化合物1の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を疎水化処理磁性体A8として得た。物性を表4に示す。
<疎水化処理磁性体A9の製造>
磁性酸化鉄5(100部)に対して、シランカップリング剤として、シラン化合物1を1.50部添加し、十分攪拌した。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥した。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を疎水化処理磁性体A9として得た。物性を表4に示す。
<トナー粒子1の製造>
イオン交換水720部に0.1mol/L−NaPO水溶液450部を投入し温度60℃に加温した後、1.0mol/L−CaCl水溶液67.7部を添加して分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン: 72.0部
・n−ブチルアクリレート: 28.0部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート: 1.5部
・樹脂C1: 5.0部
・負荷電制御剤 T−77(保土ヶ谷化学製): 1.0部
・疎水化処理磁性体A1: 65.0部
上記材料をアトライタ(日本コークス工業(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を温度60℃に加温し、そこに以下の材料を混合/溶解し、重合性単量体組成物とした。
・結晶性材料D1: 10.0部
・結晶性材料E1: 5.0部
・重合開始剤: 10.0部
(t−ブチルパーオキシピバレート(25質量%トルエン溶液))
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、N雰囲気下においてT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株))にて回転数10000rpmで15分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌し、反応温度70℃にて300分間重合反応行った。
反応終了後、98℃に昇温して3時間蒸留させ反応スラリーを得た。その後、冷却工程として、懸濁液に0℃の水を投入し、100℃/分の速度で懸濁液を100℃から30℃まで冷却した後、50℃に昇温して6時間保持した。
その後、25℃まで室温で自然冷却した。その際の冷却速度は、1℃/分であった。その後、懸濁液に塩酸を加えて十分洗浄することで分散安定剤を溶解させ、濾過・乾燥してトナー粒子1を得た。処方を表5に示す。
Figure 2020187224
<トナー粒子2〜31の製造>
トナー粒子1の製造において、磁性体A、樹脂Bを構成するモノマー、樹脂C、結晶性樹脂D、及び結晶性樹脂Eの種類、並びに量、さらには冷却工程における冷却速度を、表5に示される通りに変更したこと以外は、同様に操作して、トナー粒子2〜31を得た。
<トナー1の製造例>
100部のトナー粒子1に、一次粒子の個数平均粒径が115nmのゾルゲルシリカ微粒子を0.3部添加し、FMミキサ(日本コークス工業株式会社製)を用い混合した。
その後、さらに一次粒子の個数平均粒径が12nmのフュームドシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET比表面積値が120m/gの疎水性シリカ微粒子0.9部を添加し、同様にFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)を用い混合し、トナー1を得た。物性を下記表6に示す。
<トナー2〜31の製造例>
表6に示すトナー粒子に変更すること以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2〜31を得た。得られたトナーの物性を表6に示す。
Figure 2020187224
<実施例1>
HP製プリンタ(HP LaserJet Pro M506dn)のプロセススピードを1.3倍となるように改造して評価用電子写真装置とした。
また、トナーカートリッジとしてはCF287Xを用い、トナー1を680g充填し、下記に示す評価を実施した。評価結果を表7に示す。
<評価1:こすり定着性の評価>
こすり定着性の評価は、低温定着性の評価に厳しい環境である、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)にて行った。これは、定着器の低温低湿環境では、昇温速度が遅いためである。
評価紙としてはラフ紙であるCOTTON BOND LIGHT COCKLE(坪
量90g/m)を使用し、紙の搬送方向に対して後端部に、ハーフトーン部を有する画像を配置して評価を行った。なお、ハーフトーン部の画像濃度が0.70となるように出力する。次に、得られた画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率を測定した。濃度低下率が低いほど定着性が良好であることを示す。なお、こすり定着性の判断基準は以下の通りである。評価結果を表7に記載する。
画像濃度の測定は、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いた。
A:濃度低下率 5.0%未満
B:濃度低下率 5.0%以上10.0%未満
C:濃度低下率 10.0%以上15.0%未満
D:濃度低下率 15.0%以上
<評価2:カブリの評価>
長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。このモードで、計20000枚の画出し試験を実施し、その後白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。なお、耐久評価は、外添剤の埋め込みなどが発生しやすい、過酷な高温高湿環境(40.0℃/80%Rh)にて行った。
一方、白画像形成前の転写紙についても同様に反射率を測定した。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)=転写紙の反射率(%)−白画像の反射率(%)
また、カブリの判断基準は以下の通りである。評価結果を表7に記載する。
A: 1.0%未満
B: 1.0%以上1.5%未満
C: 1.5%以上、2.5%未満
D: 2.5%以上
<実施例2〜26及び比較例1〜5>
実施例2〜26に相当するトナー2〜26、比較例1〜5に相当するトナー27〜31、について、実施例1と同様にして評価を行った結果を表7に示す。
Figure 2020187224
11・・・トナー粒子表面(輪郭線)、12・・・磁性体、13・・・(破線)輪郭から重心方向へ200nmの位置の境界線、14・・・(一点鎖線)輪郭から重心方向へ400nmの位置の境界線、15・・・トナー内部、21・・・外添剤、22・・・伝播する応力範囲のイメージ、23・・・磁性体

Claims (13)

  1. 結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    透過型電子顕微鏡による該トナーの断面観察において、
    該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA1とし、
    該トナー粒子の断面の輪郭から該断面の重心方向へ200nm以上400nm以下の領域における、該磁性体が占める面積比率をA2としたとき、
    該面積比率A1が38%以上85%以下であり、
    該面積比率A2が0%以上37%以下であり、
    該面積比率A1に対するA2の比(A2/A1)が0以上0.75以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記トナー粒子の断面の輪郭から前記断面の重心方向へ400nm以上の領域における、前記磁性体が占める面積比率をA3とした際に、
    該面積比率A3が10%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーの個数平均粒径D1が4.0μm以上10.0μm以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該磁性体の一次粒子の個数平均粒径が100nm以上300nm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記磁性体が疎水化処理磁性体Aを含有し、
    前記結着樹脂が樹脂Bを含有し、
    前記トナー粒子が樹脂Cを含有し、
    該疎水化処理磁性体Aのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項をa(MPa1/2)とし、
    該樹脂Bのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項をb(MPa1/2)とし、
    該樹脂Cのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項をc(MPa1/2)としたとき、
    下記式(1)の関係を満たす請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
    b<a<c …(1)
  6. 前記樹脂Bのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項b(MPa1/2)が、1.0〜3.0である請求項5に記載のトナー。
  7. 前記樹脂Bがビニル樹脂である請求項5又は6に記載のトナー。
  8. 前記樹脂Cのハンセン溶解度パラメータの双極子相互作用項c(MPa1/2)が、4.0〜8.0である請求項5〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記樹脂Cが非晶性ポリエステルであり、
    該非晶性ポリエステルはイソソルビドが縮合した構造を含む請求項5〜8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記トナー粒子が結晶性材料を含有し、
    透過型電子顕微鏡による前記トナーの断面観察において、
    前記トナー粒子の断面の輪郭から前記断面の重心方向へ200nm以上400nm以下の領域に存在する該結晶性材料のドメインの個数平均径が、20nm以上300nm以下
    であり、
    該領域に存在する該結晶性材料のドメインの個数が、10個以上100個以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
  11. 前記結晶性材料が、炭化水素ワックス、エステルワックス及び結晶性ポリエステルからなる群から選択される少なくとも一を含有する請求項10に記載のトナー。
  12. 前記トナーが、前記トナー粒子及び外添剤を含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記トナー粒子が、懸濁重合トナー粒子である請求項1〜12のいずれか一項に記載のトナー。
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