JP2020169008A - 車両のダンパーハウジング - Google Patents

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Abstract

【課題】ダンパーの上部の支持強度を効率良く高めることができる車両のダンパーハウジングを提供する。【解決手段】ダンパーハウジングは、上壁プレート15と上壁補強プレート25を備える。上壁プレート15と上壁補強プレート25の間には、ダンパー取付用の締結部材が挿通される複数のカラー26が介装される。カラー26は、ダンパー回りの円周上に配置される。ダンパー11の上部は、前記締結部材によって上壁補強プレート25と上壁プレート15とに締結固定される。上壁プレート15と上壁補強プレート25の少なくとも一方には、相手部材方向に膨出する窪み部28,29が設けられる。窪み部28,29は、カラー26の配置される円周上で、隣接するカラー26の間に配置される。上壁プレート15と上壁補強プレート25は、窪み部28において相手部材に結合される。【選択図】図6

Description

本発明は、サスペンションのダンパーの上部を支持する車両のダンパーハウジングに関するものである。
車両のサスペンションの支持部の構造として、ダンパーの上端部がダンパーハウジングに支持されたものが知られている。ダンパーハウジングは、例えば、車体のフロントサイドフレームとアッパメンバとに結合され、ダンパーから入力された荷重を車体に支持させる構造とされている。ダンパーハウジングは、上壁部を有し、上部壁にダンパーの上端部が締結固定されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のダンパーハウジングは、ダンパーの上部と周域を覆う下部ハウジングと、下部ハウジングの上壁に重ねられる上部ハウジングと、を備えている。上部ハウジングは、下部ハウジングの上壁に重ね合わせて接合されるカバー壁を有する。ダンパーの上端部は、下部ハウジングの上壁と上部ハウジングのカバー壁とにボルト締結されている。
独国特許出願公開第102014104838号明細書
特許文献1に記載のダンパーハウジングは、下部ハウジングの上壁に上部ハウジングのカバー壁を重ね合わせて接合され、その状態で両者にダンパーの上端部がボルト締結される構造とされている。このため、ダンパーの上部から入力される大きな荷重を、下部ハウジングの上壁と上部ハウジングのカバー壁とに効率良く分散支持させることがむずかしく、入力荷重を安定して支持するためには、下部ハウジングや上部ハウジングの肉厚を厚くせざるを得なかった。しかし、下部ハウジングや上部ハウジングの肉厚を厚くすると、車両重量の増加や製品コストの高騰を招く原因となり易いため、ダンパーの上部からの入力荷重をより効率良く支持できる構造の案出が望まれている。
そこで本発明は、ダンパーの上部の支持強度を効率良く高めることができる車両のダンパーハウジングを提供しようとするものである。
本発明に係る車両のダンパーハウジングは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両のダンパーハウジングは、サスペンションのダンパー(例えば、実施形態のダンパー11)から入力された荷重を支持する車両のダンパーハウジングであって、前記ダンパーの少なくとも上方を覆う上壁プレート(例えば、実施形態のダンパー11)と、前記上壁プレートの下方において、前記上壁プレートに結合される上壁補強プレート(例えば、実施形態の上壁補強プレート25)と、を備え、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの間に、ダンパー取付用の締結部材(例えば、実施形態のボルト20)が挿通される複数のカラー(例えば、実施形態のカラー26)が介装されるとともに、複数の前記カラーが前記ダンパーの中心軸線(例えば、実施形態の中心軸線o1)を中心とする円周上に配置され、前記ダンパーの上部は、前記カラーに挿通される前記締結部材によって前記上壁補強プレートと前記上壁プレートとに締結固定され、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの少なくとも一方に、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの対向する相手部材方向に膨出する第1の窪み部(例えば、実施形態の窪み部28,29)が設けられるとともに、前記第1の窪み部が前記カラーの配置される前記円周上で、隣接する前記カラーの間に配置され、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートとが、前記第1の窪み部において、前記相手部材に結合されていることを特徴とする。
上記の構成により、ダンパーの上部からの入力荷重は、複数のカラーを介して上壁補強プレートと上壁プレートとに分散支持される。このとき、ダンパーの上部からの入力荷重は、第1の窪み部での結合部を通して、上壁プレートおよび上壁補強プレートのカラーの配置される円周上の広い範囲に分散される。このため、本構成を採用した場合には、ダンパーの中心軸線o1を中心とする円周上に配置されたカラーと、カラーの配列と同じ円周上に配置された第1の窪み部での結合部と、により、上壁プレートおよび上壁補強プレートの面上の広い範囲に入力荷重が均等に分散伝達されることになる。したがって、軽量化のために上壁プレートや上壁補強プレートを肉厚の薄い板材によって形成しても、十分に大きなダンパー支持強度を得ることができる。
ダンパーハウジングは、前記上壁プレートの車幅方向外側位置において、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートを車両側部のアッパメンバ(例えば、実施形態のアッパメンバ9)に連結する側方部材(例えば、実施形態の外縁連結プレート24)をさらに備え、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートは略矩形状の平面視形状に形成され、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの少なくとも一方には、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの対向する相手部材方向に膨出する第2の窪み部(例えば、実施形態の窪み部32)が設けられるとともに、前記第2の窪み部が前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの車幅方向外側寄りの角部の近傍に配置され、前記側方部材は、前記第2の窪み部に隣接する位置において、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの少なくとも一方に結合されるようにしても良い。
第2の窪み部での結合部がない場合には、カラーや第1の窪み部の配置される円周と、上壁プレートと上壁補強プレートの角部の間に剛性の低い領域ができ、上壁プレートと上壁補強プレートの角部には、ダンパーの上部からの入力荷重が伝達されにくくなる。しかし、本構成では、上壁プレートと上壁補強プレートの車幅方向外側寄りの角部の近傍に、第2の窪み部での結合部が配置されているため、上壁プレートと上壁補強プレートの車幅方向外側寄りの角部の近傍の剛性が高まり、当該角部の近傍にも、ダンパーの上部からの入力荷重が均等に伝達され易くなる。そして、側方部材は、第2の窪み部に隣接する位置において、上壁プレートと上壁補強プレートの少なくとも一方に結合されているため、ダンパーの上部からの入力荷重は、側方部材を通して効率良くアッパメンバに伝達される。
ダンパーハウジングは、前記ダンパーの少なくとも前方を覆う前壁プレート(例えば、実施形態の前壁プレート16)と、前記ダンパーの少なくとも後方を覆う後壁プレート(例えば、実施形態の後壁プレート17)と、をさらに備え前記上壁プレートは、前記ダンパーの上端部を支持する略平坦な上壁本体部(例えば、実施形態の上壁本体部15a)と、前記上壁本体部の端部から下方に屈曲して延びる上壁屈曲部(例えば、実施形態の上壁屈曲部15b)と、を有し、前記前壁プレートは、前記ダンパーの前方を覆う前壁本体部(例えば、実施形態の前壁本体部16a)と、前記前壁本体部の車幅方向内側の端部から後方に屈曲して延びる前壁屈曲部(例えば、実施形態の前壁屈曲部16b)と、を有し、前記後壁プレートは、前記ダンパーの後方を覆う後壁本体部(例えば、実施形態の後壁本体部17a)と、前記後壁本体部の車幅方向内側の端部から前方に屈曲して延びる後壁屈曲部(例えば、実施形態の後壁屈曲部17b)と、を有し、前記前壁プレートと前記後壁プレートが前記前壁屈曲部と前記後壁屈曲部で相互に結合されるとともに、前記上壁プレートが前記上壁屈曲部で前記前壁プレートと前記後壁プレートに結合されるようにしても良い。
上記の構成により、上壁プレート、前壁プレート、後壁プレートの三つのプレート部材は、平坦な本体部と、本体部の端縁から屈曲して延びる屈曲部を有する基本構成とされる。ダンパーハウジングは、前記三つプレート部材が相互に結合されて構成される。このため、ダンパーハウジングは、成形が容易な小型で簡素な構成の部品の組み合わせによって形成することができる。
前記上壁本体部は、車幅方向内側で車両前後方向に略沿って延びる側辺(例えば、実施形態の側辺15as)と、車両前後方向の前方側で車幅方向に略沿って延びる前辺(例えば、実施形態の前辺15af)と、車両前後方向の後方側で車幅方向に略沿って延びる後辺(例えば、実施形態の後辺15ar)と、を有し、前記上壁屈曲部は、前記側辺から下方に屈曲して延びる側部屈曲片(例えば、実施形態の側部屈曲片15bs)と、前記前辺から下方に屈曲して延びる前屈曲片(例えば、実施形態の前屈曲片15bf)と、前記後辺から下方に屈曲して延びる後屈曲片(例えば、実施形態の後屈曲片15br)と、を有し、前記側部屈曲片と前記前屈曲片と前記後屈曲片の隣接するもの同士が一体構造とされ、前記上壁本体部、前記側部屈曲片、前記前屈曲片による相互に略直角な三面合わせ部(例えば、実施形態の三面合わせ部22f)と、前記上壁本体部、前記側部屈曲片、前記後屈曲片による相互に略直角な三面合わせ部(例えば、実施形態の三面合わせ部22r)の各近傍部にサスペンション支持部材(例えば、実施形態の支持ブラケット30F,30R)が取り付けられるようにしても良い。
この場合、上壁プレートの剛性の高い前後の三面合わせ部の近傍部にサスペンション支持部材が取り付けられる。このため、サスペンションは、サスペンション支持部材を介してダンパハウジングに高い剛性をもって支持される。
前記上壁補強プレートは、前記上壁本体部の下方に対向して配置される上壁補強本体部(例えば、実施形態の上壁補強本体部25a)と、前記上壁補強本体部の端縁から下方に屈曲して延びる上壁補強屈曲部(例えば、実施形態の上壁補強屈曲部25b)と、を有し、前記上壁補強屈曲部が前記上壁屈曲部に結合されるようにしても良い。
この場合、上壁補強プレートと上壁プレートは、端縁の屈曲部において一体に結合され、より強固な支持構造体を構成する。
ダンパーハウジングは、前記上壁本体部と前記前壁本体部の上部位置との間と、前記上壁本体部と前記後壁本体部の上部位置との間の少なくとも一方に配置されて、前記上壁プレートを車両側部のアッパメンバ(例えば、実施形態のアッパメンバ9)に接続するアッパ接続プレート(例えば、実施形態の前側アッパ接続プレート23F,後側アッパ接続プレート23R)をさらに備え、前記アッパ接続プレートは、前記上壁プレートの前側または後側の位置で前記上壁屈曲部に接合される接合フランジ(例えば、実施形態の接合フランジ35)を有し、前記上壁屈曲部と前記接合フランジの間には、前記前壁屈曲部または前記後壁屈曲部から車幅方向外側に向かって延びるサスペンション支持部材(例えば、実施形態の支持ブラケット30F,30R)が介装され、前記接合フランジは、切欠き部(例えば、実施形態の切欠き部40)を有し、前記サスペンション支持部材は、前記接合フランジの切欠き部内において、前記上壁屈曲部と前記上壁補強屈曲部の少なくとも一方の部材に接合されるとともに、前記切欠き部の存在しない部位において、前記接合フランジと前記上壁屈曲部のうちの少なくとも前記接合フランジに接合されるようにしても良い。
上記の構成により、サスペンション支持部材は、上壁屈曲部と接合フランジとに挟み込まれた状態において、上壁屈曲部と上壁補強屈曲部の少なくとも一方と、アッパ接続プレートの接合フランジとに強固に接合される。サスペンション支持部材は、望ましくは、切欠き部内において、上壁補強屈曲部と上壁屈曲部とに三枚重ねで接合され、切欠き部の存在しない部位において、上壁屈曲部と接合フランジとに三枚重ねで接合される。この場合、各部材は、三枚重ねで接合されるため、スポット溶接等の抵抗溶接手段によって容易に接合することができる。
前記アッパ接続プレートは、クランク状の断面形状が車幅方向に略沿って延出するようにしても良い。
この場合、ダンパーやその他のサスペンション部材から、上壁プレートや前壁プレート、後壁プレート等に入力された荷重は、剛性の高いクランク状断面のアッパ接続プレートを通してアッパメンバに効率良く支持されることになる。このため、上壁プレートの車幅方向外側に連結する側方部材を薄肉化したり、肉抜き孔を追加する等して側方部材を軽量化することができる。
前記後壁プレートと前記前壁プレートは、車両のフロントサイドフレーム(例えば、実施形態のフロントサイドフレーム4)の上部に配置され、前記フロントサイドフレームは、車両前後方向から衝撃荷重が入力されたときに変形の起点となる折れ起点部(例えば、実施形態の折れ起点部45)を有し、前記前壁屈曲部と前記後壁屈曲部は、相互に重なり合って接合され、前記前壁屈曲部と前記後壁屈曲部の重なり部の車両前後方向の端部(例えば、実施形態の端部48)は、前記折れ起点部と車両前後方向の略同一位置に配置されるようにしても良い。
この場合、車両前後方向から衝撃荷重が入力されて、フロントサイドフレームが折れ起点部を中心として変形を開始すると、折れ起点部のほぼ直上位置に配置されている前壁屈曲部と後壁屈曲部の重なり部の端部がダンパーハウジングの変形開始点となる。このため、車両前後方向からの衝撃荷重の入力時には、ダンパーハウジングがフロントサイドフレームとともに変形することにより潰れ領域を拡大して、入力衝撃を柔軟に吸収することができる。したがって、本構成を採用した場合には、通常使用時におけるサスペンションに対する剛的な支持特性と、車両前後方向からの衝撃入力時における柔軟な衝撃吸収特性とを両立させることができる。
ダンパーハウジングは、車両左右のダンパー支持部の捩じれを抑制するタワーバー(例えば、実施形態のタワーバー6)の連結点(例えば、実施形態の連結点50)を備え、前記連結点は、前記上壁本体部の前記三面合わせ部の近傍に配置されるようにしても良い。
この場合、タワーバーが剛性の高い三面合わせ部の近傍に連結されるため、車両左右のダンパー支持部の捩じれを効率良く抑えることが可能になる。また、ダンパーの中心軸線を中心とした円周上に配置されるダンパー上部の締結箇所から外れた位置にタワーバーの連結点が配置されるため、ダンパー上部の締結部位によってタワーバーの配置が制約を受けることがない。
本発明によれば、ダンパーの上部からの入力荷重を、複数のカラーを介して上壁補強プレートと上壁プレートにとに分散支持させ、かつ、第1の窪み部での結合部により上壁補強プレートと上壁プレートの面の広い範囲に荷重を均等に分散伝達することができる。したがって、本発明を採用した場合には、ダンパーの上部の支持強度を効率良く高めることができる。
実施形態の車両の骨格部の上面図である。 実施形態のダンパーハウジングの取付部の斜視図である。 実施形態のダンパーハウジングの斜視図である。 実施形態のダンパーハウジングを図2のIV−IV線に沿って断面した部分断面上面図である。 実施形態のダンパーハウジングを図2のV−V線に沿って断面した部分断面斜視図である。 実施形態のダンパーハウジングを図2のVI−VI線に沿って断面した部分断面斜視図である。 他の実施形態のダンパーハウジングの斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の適所には、車両1の前方を指す矢印FRと、車両1の上方を指す矢印UPと、車両1の左側方を指す矢印LHが記されている。
図1は、実施形態の車両1の前部側の骨格部を上方から見た図であり、図2は、本実施形態のダンパーハウジング10の取付部を車両1の右前部上方から見た図である。なお、図2は、車両左側に配置されるダンパーハウジング10が示されている。
図中の符号2は、車室の前方に配置されたエンジンルームである。エンジンルーム2の下部側の車幅方向両側には、車両前後方向に略沿って延出する一対のフロントサイドフレーム4が配置されている。左右のフロントサイドフレーム4の後端部は、クロスメンバ(図示せず)等を介装して左右のサイドシル(図示せず)に連結されている。
また、エンジンルーム2の上部側の車幅方向両側には、左右のフロントピラー(図示せず)から車体の前部下方に向かって湾曲して延出するアッパメンバ9が配置されている。各アッパメンバ9の前端部は、フロントサイドフレーム4の前端部の近傍まで湾曲して延出している。左右の各アッパメンバ9は、左右の各フロントサイドフレーム4に対し車幅方向外側にオフセットして配置されている。各アッパメンバ9の前端部は連結部材(図示せず)を介して左右の対応するフロントサイドフレーム4の前端部に結合されている。
左右の各アッパメンバ9の後部寄りの車幅方向内側領域には、フロントサスペンション100のダンパー11(図3,図4参照)の上部を支持するダンパーハウジング10が配置されている。ダンパーハウジング10は、下端側がベース部材12を介して左右の対応するフロントサイドフレーム4に結合されるとともに、上部側の車幅方向外側の縁部が左右の対応するアッパメンバ9に結合されている。また、車両左右のダンパーハウジング10の上面同士は、車幅方向に沿って延びるタワーバー6によって相互に連結されている。タワーバー6は、左右のサスペンション支持部の捩じれを抑制する。また、車両左右のダンパーハウジング10の各上面は、補助連結バー7を介して車室前部の隔壁8にも連結されている。
図3は、車両左側のダンパーハウジング10を左前部上方から見た図であり、図4は、図2のIV−IV線に沿う断面図である。
フロントサスペンション100は、図4に示すように、前輪(図示せず)を上下に揺動可能に支持する複数のサスペンションアーム13と、前輪から入力された衝撃を吸収するサスペンションスプリング(図示せず)と、前輪から入力された衝撃を減衰するダンパー11と、を備えている。図4では、前輪ナックル14の上部を支持する上部側のサスペンションアーム13が示されている。サスペンションアーム13は、基端側が車両前後方向で二股に分岐し、分岐した二つのアーム部13f,13rの端部がダンパーハウジング10の内部に回動可能に軸支されてる。ダンパー11は、二つのアーム部13f,13rの間に起立して配置され、上端部がダンパーハウジング10の上壁に連結されている。
ダンパーハウジング10は、金属製の複数のプレート材が接合されて構成されている。具体的には、ダンパーハウジング10は、ダンパー11の上方側を主に覆う上壁プレート15と、ダンパー11の車両前方側を主に覆う前壁プレート16と、ダンパー11の車両後方側を主に覆う後壁プレート17と、を備えている。
上壁プレート15は、平面視が略矩形状にされ、中央領域でダンパー11の上端部を支持する略平坦な上壁本体部15aと、上壁本体部15aの端縁から下方に屈曲して延びる上壁屈曲部15bと、を有している。上壁本体部15aは、中央領域にダンパー11の上部のボス部11aが挿入される略円形状の開口部18が形成され、開口部18の周縁部にダンパー11の上端のダンパベース11b(図6参照)が締結固定されている。図2中の符号19は、ダンパベース11bに突設されたボルト20が挿入されるボルト挿通孔であり、図3中の符号21は、ボルト挿通孔19に挿入されたボルト20の軸部に螺合されたナットである。ボルト挿通孔19は、ダンパー11の中心軸線o1(開口部18の中心位置)を中心とする円周上に等間隔に離間して複数(本実施形態では、3つ)配置されている。
なお、上壁本体部15aから上方に突出した車両後部側のボルト20には、タワーバー6と補助連結バー7の端部がナット21によって共締め固定されている。
また、本実施形態においては、ボルト20がダンパー取付用の締結部材を構成している。
上壁本体部15aは、車幅方向内側で車両前後方向に略沿って延びる側辺15asと、車両前後方向の前方側で車幅方向に略沿って延びる前辺15afと、車両前後方向の後方側で車幅方向に略沿って延びる後辺15arと、を有する。上壁屈曲部15bは、側辺15asから下方に屈曲して延びる側部屈曲片15bsと、前辺15afから下方に屈曲して延びる前屈曲片15bfと、後辺15arから下方に屈曲して延びる後屈曲片15brと、を有する。側部屈曲片15bsと前屈曲片15bfと後屈曲片15brとは切れ目のない一体構造とされている。したがって、上壁本体部15a、側部屈曲片15bs、前屈曲片15bfの三者は、互いに略直交する前側の三面合わせ部22fを構成しており、上壁本体部15a、側部屈曲片15bs、後屈曲片15brの三者は、互いに直交する後側の三面合わせ部22rを構成している。
前壁プレート16は、ダンパー11の上部前方を覆う平坦な前壁本体部16aと、前壁本体部16aの車幅方向内側の端縁から車両後方側に略直角に屈曲して延びる前壁屈曲部16bと、を有している。前壁本体部16aは、上壁本体部15aの前辺15af(前屈曲片15bfの前面)に対して車両前方側に所定距離離間して配置されている。前壁屈曲部16bは、上壁本体部15aの側辺15asとほぼ重なる車幅方向位置において、車両後方に延び、ダンパー11の上部の車幅方向内側の前方側略半分の領域を覆っている。
後壁プレート17は、ダンパー11の上部後方を覆う平坦な後壁本体部17aと、後壁本体部17aの車幅方向内側の端縁から車両前方側に略直角に屈曲して延びる後壁屈曲部17bと、を有している。後壁本体部17aは、上壁本体部15aの後辺15ar(後屈曲片15brの後面)に対して車両後方側に所定距離離間して配置されている。後壁屈曲部17bは、上壁本体部15aの側辺15asとほぼ重なる車幅方向位置において、車両前方に延び、ダンパー11の上部の車幅方向内側の後方側略半分の領域を覆っている。後壁屈曲部17bは、前壁プレート16の前壁屈曲部16bと車両前後方向で一部重なり、前壁屈曲部16bの車幅方向内側の面に重ねられた状態で、スポット溶接等により一体に結合されている。これにより、前壁プレート16と後壁プレート17とは、車幅方向外側に開口する略コ字状の水平断面形状を形成している。
また、上壁プレート15の側部屈曲片15bs(上壁屈曲部15b)の車幅方向内側に向く面は、前壁屈曲部16bと後壁屈曲部17bの車幅方向外側の面に重ねられ、その状態で前壁屈曲部16bと後壁屈曲部17bにスポット溶接等によって一体に結合されている。
前壁本体部16aの上端部と上壁プレート15の前辺15afの間には、上壁プレート15の前縁部をアッパメンバ9に接続する前側アッパ接続プレート23Fが配置されている。同様に、後壁本体部17aの上端部と上壁プレート15の後辺15arの間には、上壁プレート15の後縁部をアッパメンバ9に接続する後側アッパ接続プレート23Rが配置されている。また、上壁プレート15(上壁本体部15a)の車幅方向外側の縁部の上面には、外縁連結プレート24の一端部が重ねられ、その状態で外縁連結プレート24がスポット溶接等によって接合されている。外縁連結プレート24は、上壁プレート15の車幅方向外側位置において、上壁プレート15をアッパメンバ9に連結している。本実施形態では、外縁連結プレート24が側方部材を構成している。また、本実施形態では、前側アッパ接続プレート23Fと後側アッパ接続プレート23Rがアッパ接続プレートを構成している。前側アッパ接続プレート23Fと後側アッパ接続プレート23Rの詳細構造については後に説明する。
図5は、ダンパーハウジング10を図2のV−V線に沿って断面した部分断面斜視図であり、図6は、ダンパーハウジング10を図2のVI−VI線に沿って断面した部分断面斜視図である。
図5,図6に示すように、ダンパーハウジング10は、上壁プレート15の下方において、上壁プレート15に結合される上壁補強プレート25を備えている。上壁補強プレート25は、上壁本体部15aの下方に対向して配置される上壁補強本体部25aと、上壁補強本体部25aの端縁から下方に略直角に屈曲して延びる上壁補強屈曲部25bと、を有する。上壁補強本体部25aは、上壁本体部15aよりも若干小さい略矩形状の平面視形状に形成されている。上壁補強屈曲部25bは、上壁屈曲部15bと同様に、上壁補強本体部25aの車幅方向内側の端縁と、車両前方側の端縁と、車両後方側の端縁とに配置され、全体が一体に繋がっている。上壁補強屈曲部25bは、上壁屈曲部15bの内側に重ねられ、スポット溶接等によって一体に接合されている。
また、上壁補強本体部25aの上面と上壁本体部15aの間には、三つのカラー26が配置されている。各カラー26は、上壁本体部15aのボルト挿通孔19の形成された位置の下方位置に配置されている。複数のカラー26は、ダンパー11の中心軸線o1を中心とする円周上に配置されている。また、上壁補強本体部25aのカラー26の設置位置にはボルト挿通孔27が形成されている。上壁補強本体部25aのボルト挿通孔27と、カラー26と、上壁本体部15aのボルト挿通孔19には、ダンパベース11bに突設されたボルト20の軸部が挿入され、ボルト20の軸部に上壁本体部15aの上方側からナット21が締め込まれている。ダンパー11は、これによって上壁補強プレート25と上壁プレート15とに締結固定されている。
上壁本体部15aの開口部18の周域には、下方側に向かって窪む複数の円形状の窪み部28(第1の窪み部)が形成されている。複数の窪み部28は、上壁本体部15aの複数のボルト挿通孔19の配列の円周上で(複数のカラー26の配置される円周上で)、隣接するボルト挿通孔19の間に配置されている。上壁補強本体部25aの上壁本体部15a側の窪み部28と対向する位置には、上方側に向かって窪む複数の窪み部29が形成されている。上壁本体部15a側の窪み部28と、上壁補強本体部25a側の窪み部29とは、相互に上下で突き合わされ、突き合わされた各部がスポット溶接等によって接合されている。
なお、窪み部28,29での接合は、スポット溶接に限らず、リベット接合や接着剤による接合であっても良い。また、窪み部は、上壁本体部15aと上壁補強本体部25aのいずれか一方のみに形成するようにしても良い。
図2,図3に示すように、上壁本体部15aの車幅方向外側寄りの前後の角部の近傍には、下方側に向かって窪む円形状の窪み部32(第2の窪み部)が形成されている。この各窪み部32は、上壁本体部15a上のボルト挿通孔19と窪み部28の配列のなす円周よりも径方向外側に位置されている。また、図示は省略されているが、上壁補強本体部25aの車幅方向外側寄りの前後の角部の近傍には、上方側に向かって窪む円形状の窪み部(第2の窪み部)が形成されている。上壁本体部15aの前後の角部の近傍の窪み部32と、上壁補強本体部25aの前後の角部の近傍の窪み部とは、上下方向で突き合わされ、スポット溶接等によって相互に接合されている。ここで、上壁本体部15aの車幅方向外側の端縁に重ねられた外縁連結プレート24は、前述のように上壁本体部15aにスポット溶接等によって接合されているが、外縁連結プレート24の一部は、上壁本体部15aの端縁のうちの、前後の窪み部32に隣接する位置に配置されている。外縁連結プレート24の一部は、上壁本体部15aの前後の窪み部32に隣接する部位に接合されている。
なお、本実施形態では、上壁本体部15aの前後の角部の近傍と、上壁補強本体部25aの前後の角部の近傍とにそれぞれ窪み部32が設けられているが、角部の近傍の窪み部32は、上壁本体部15aと上壁補強本体部25aのいずれか一方のみに形成するようにしても良い。
また、図3,図4等に示すように、前壁プレート16の前壁屈曲部16bの車幅方向外側の面と、後壁プレート17の後壁屈曲部17bの車幅方向外側の面には、サスペンションアーム13の前側のアーム部13fと後側のアーム部13rを回動可能に軸支するための支持ブラケット30F,30R(サスペンション支持部材)が接合されている。各支持ブラケット30F,30Rは、前壁本体部16aや後壁本体部17aと略平行になるように、車幅方向外側に向かって延びている。前側のアーム部13fの端部は、前壁本体部16aと支持ブラケット30Fの間に配置され、前壁本体部16aと支持ブラケット30Fとに回動可能に軸支されている。後側のアーム部13rの端部は、後壁本体部17aと支持ブラケット30Rの間に配置され、後壁本体部17aと支持ブラケット30Rとに回動可能に軸支されている。
図4に示す前側の支持ブラケット30Fの付根部(前壁屈曲部16bとの接合部)の上方位置には、上壁プレート15の前側の三面合わせ部22fが位置されている。三面合わせ部22fの側部屈曲片15bsは、支持ブラケット30Fの付根部と前壁屈曲部16bとに接合されている。したがって、支持ブラケット30Fは、前側の三面合わせ部22fの近傍部に取り付けられている。
同様に、後側の支持ブラケット30Rの付根部(後壁屈曲部17bとの接合部)の上方位置には、上壁プレート15の後側の三面合わせ部22rが位置されている。三面合わせ部22rの側部屈曲片15bsは、支持ブラケット30Rの付根部と後壁屈曲部17bとに接合されている。したがって、支持ブラケット30Rは、後側の三面合わせ部22rの近傍部に取り付けられている。
ここで、前側アッパ接続プレート23Fは、上壁プレート15の上壁本体部15aの上面よりも一段下がった高さ位置において、ダンパー11の前部側の上方を覆う接続プレート本体部23Faと、接続プレート本体部23Faの車両後方側の縁部から上方に屈曲して延びる接合フランジ35と、接続プレート本体部23Faの車幅方向内側の縁部と車両前方側の縁部から下方に屈曲して延びる接続プレート屈曲部23Fb(図2参照)と、を有する。接合フランジ35は、上壁プレート15の前屈曲片15bfの前面に重ねれ、前屈曲片15bfに接合されている。また、接続プレート屈曲部23Fbは、前壁プレート16の前壁本体部16aと前壁屈曲部16bとに接合されている。前側アッパ接続プレート23Fは、車両前後方向に沿う断面が接合フランジ35、接続プレート本体部23Fa、接続プレート屈曲部23Fbによってクランク状に形成され、その断面形状が車幅方向に略沿って延出している。
前側アッパ接続プレート23Fの接合フランジ35には、図3,図6に示すように、切欠き部40が設けられている。切欠き部40は、接合フランジ35の車幅方向内側領域に設けられ、上端部の高さが段差状に低くなっている。上壁プレート15の前屈曲片15bfと、接合フランジ35の車幅方向内側領域との間には、前壁プレート16の前壁屈曲部16bから車幅方向外側に向かって延出する前側の支持ブラケット30Fが介装されている。支持ブラケット30Fの上部領域の一部は、切欠き部40を通して外側に露出している。支持ブラケット30Fは、図6に示すように、接合フランジ35の切欠き部40の内側において、上壁プレート15の上壁屈曲部15bと、上壁補強プレート25の上壁補強屈曲部25bとに三枚重ねで、スポット溶接等によって接合されている。また、支持ブラケット30Fは、切欠き部40の下方の接合フランジ35の下方領域において、接合フランジ35と、上壁プレート15の上壁屈曲部15bとに三枚重ねで、スポット溶接等によって接合されている。
なお、本実施形態では、支持ブラケット30Fが、切欠き部40の内側において、上壁屈曲部15b(上壁プレート15)と上壁補強屈曲部25b(上壁補強プレート25)とに三枚重ねで接合されているが、支持ブラケット30Fは、切欠き部40の内側において、上壁屈曲部15b(上壁プレート15)のみに接合されるようにしても良い。また、支持ブラケット30Fは、上壁屈曲部15bに適宜切欠きや開口を設け、切欠きや開口を通して上壁補強屈曲部25b(上壁補強プレート25)のみに接合されるようにしても良い。さらに、本実施形態では、支持ブラケット30Fが、切欠き部40のない部位において、接合フランジ35と上壁屈曲部15b(上壁プレート15)とに三枚重ねで接合されているが、支持ブラケット30Fは、切欠き部40のない部位において、接合フランジ35のみに接合されるようにしても良い。支持ブラケット30Fは、これらのいずれの接合構造を採用した場合にも、上壁屈曲部15bと接合フランジ35とに挟み込まれた状態において、上壁屈曲部15bと上壁補強屈曲部25bの少なくとも一方と、接合フランジ35とに強固に固定される。
後側アッパ接続プレート23Rは、詳細な図示は省略されているが、前側アッパ接続プレート23Fと同様の構造とされている。ただし、後側アッパ接続プレート23Rの接合フランジは、上壁プレート15の後屈曲片15brの後面に重ねられ、後屈曲片15brに接合されている。後側アッパ接続プレート23Rの接合フランジには、前側アッパ接続プレート23Fと同様に切欠き部が設けられている。そして、後側の支持ブラケット30Rは、上壁プレート15の後屈曲片15brと接合フランジの間に介装され、前側の支持ブラケット30Fと同様にして、上壁屈曲部15bと上壁補強屈曲部25bと接合フランジとにスポット溶接等によって接合されている。
また、図2に示すように、フロントサイドフレーム4には、車両前後方向から衝撃荷重が入力されたときに変形の起点となる折れ起点部45が設けられている。ベース部材12を介してフロントサイドフレーム4に結合されたダンパーハウジング10は、前壁プレート16の前壁屈曲部16bと後壁プレート17の後壁屈曲部17bの重なり部の車両前後方向の端部48が、折れ起点部45のほぼ直上位置に配置されている。つまり、前壁屈曲部16bと後壁屈曲部17bの重なり部の端部48は、フロントサイドフレーム4の折れ起点部45と車両前後方向の略同一位置に配置されている。
以上のように、本実施形態のダンパーハウジング10は、上壁プレート15と上壁補強プレート25の間に、ダンパー取付用のボルト20が挿通される複数のカラー26が介装され、複数のカラー26がダンパー11の中心軸線o1を中心とする円周上に配置されている。そして、ダンパー11の上部は、各カラー26に挿通されるボルト20によって上壁補強プレート25と上壁プレート15とに締結固定されている。このため、ダンパー11の上部からの入力荷重は、複数のカラー26を介して上壁補強プレート25と上壁プレート15とに分散支持される。
また、本実施形態のダンパーハウジング10では、上壁プレート15と上壁補強プレート25に夫々窪み部28,29が設けられるとともに、各窪み部28,29がカラー26の配置される円周上で、隣接するカラー26の間に配置され、上壁プレート15と上壁補強プレート25が窪み部28,29において相互に結合されている。このため、ダンパー11の上部からの入力荷重は、窪み部28,29での結合部を通して、上壁プレート15および上壁補強プレート25の、カラー26の配置される円周上の広い範囲に分散される。
したがって、本実施形態のダンパーハウジング10では、ダンパー11の中心軸線o1を中心とする円周上に配置されたカラー26と、カラー26の配列と同じ円周上に配置された窪み部28,29での結合部と、により、入力荷重を、上壁プレート15および上壁補強プレート25の面上の広い範囲に均等に分散伝達することができる。よって、本実施形態のダンパーハウジング10を採用した場合には、ダンパー11の上部の支持強度を効率良く高めることができ、軽量化のために上壁プレート15や上壁補強プレート25を肉厚の薄い板材によって形成した場合であっても、十分に大きなダンパー支持強度を得ることができる。
また、本実施形態のダンパーハウジング10は、上壁プレート15と上壁補強プレート25が略矩形状の平面視形状に形成され、上壁プレート15と上壁補強プレート25の車幅方向外側寄りの角部の近傍に、相互に対向する方向に膨出する窪み部32が設けられ、外縁連結プレート24が、窪み部32に隣接する位置において、上壁プレート15に結合されている。このため、上壁プレート15と上壁補強プレート25の車幅方向外側寄りの角部の近傍の剛性が高まり、当該角部の近傍にも、ダンパー11の上部からの入力荷重が均等に伝達され易くなる。したがって、本構成を採用した場合には、ダンパー11の上部からの入力荷重を、上壁プレート15に結合された外縁連結プレート24を通してアッパメンバ9に効率良く伝達することができる。
また、本実施形態のダンパーハウジング10は、上壁プレート15と前壁プレート16と後壁プレート17の三つのプレート部材が、平坦な本体部と、本体部の端縁から屈曲して延びる屈曲部とを有する基本構成とされ、三つプレート部材が相互に結合されて構成されている。このため、本実施形態のダンパーハウジング10を採用した場合には、成形が容易な小型で簡素な構成部品の組み合わせによって形成することができることから、生産効率を高めることができる。
また、本実施形態のダンパーハウジング10では、上壁プレート15の前後に三面合わせ部22f,22rが設けられ、剛性の高い各三面合わせ部22f,22rの近傍部に、サスペンションアーム13を支持するための支持ブラケット30F,30Rが取り付けられている。このため、本構成のダンパーハウジング10を採用した場合には、サスペンションアーム13をダンパーハウジング10に高い剛性をもって支持させることができる。
さらに、本実施形態のダンパーハウジング10では、上壁補強プレート25が、上壁本体部15aの下方に対向して配置される上壁補強本体部25aと、上壁補強本体部25aの端縁から下方に屈曲して延びる上壁補強屈曲部25bとを有し、上壁補強屈曲部25bが上壁屈曲部15bに結合されている。このため、上壁補強プレート25と上壁プレート15をより強固な支持構造体とすることができる。
また、本実施形態のダンパーハウジング10では、接合フランジ35を有する前側アッパ接続プレート23Fと後側アッパ接続プレート23Rに夫々切欠き部40が設けられ、各支持ブラケット30F,30Rが、切欠き部40内において、上壁屈曲部15bと上壁補強屈曲部25bとに接合されるとともに、切欠き部40の存在しない部位において、接合フランジ35と上壁屈曲部15bとに接合されている。このため、サスペンション支持部材である支持ブラケット30F,30Rを上壁補強プレート25の上壁補強屈曲部25bと、上壁プレート15の上壁屈曲部15bと、前側アッパ接続プレート23Fや後側アッパ接続プレート23Rの接合フランジ35とに強固に接合することができる。また、各プレート部材が三枚重ねで接合されるため、スポット溶接等の抵抗溶接によって容易に接合することができる。
さらに、本実施形態のダンパーハウジング10の場合、前側アッパ接続プレート23Fと後側アッパ接続プレート23Rの車両前後方向に沿った断面がクランク状に形成され、そのクランク状の断面形状が車幅方向に沿って延出している。このため、ダンパー11やサスペンションアーム13から、上壁プレート15や前壁プレート16、後壁プレート17等に入力された荷重を、前側アッパ接続プレート23Fと後側アッパ接続プレート23Rの高い剛性をもってアッパメンバ9に効率良く支持させることができる。したがって、本構成を採用した場合には、上壁プレート15の車幅方向外側に連結する外縁連結プレート24(側方部材)を薄肉化したり、肉抜き孔を追加する等して外縁連結プレート24を軽量化することができる。
また、本実施形態のダンパーハウジング10は、前壁プレート16の前壁屈曲部16bと後壁プレート17の後壁屈曲部17bの重なり部の端部48が、フロントサイドフレーム4の折れ起点部45と車両前後方向の略同一位置に配置されている。このため、車両前後方向からの衝撃荷重の入力時には、ダンパーハウジング10がフロントサイドフレーム4とともに変形することによって潰れ領域が拡大し、入力衝撃を柔軟に吸収することができる。したがって、本構成を採用した場合には、通常使用時におけるダンパーハウジング10の高い支持剛性の確保と、車両前後方向からの衝撃入力時における柔軟な衝撃吸収特性とを両立させることができる。
図7は、他の実施形態のダンパーハウジング110を左前部上方側から見た図3と同様の図である。
本実施形態のダンパーハウジング110は、基本的な構成は上記の実施形態とほぼ同様とされている。ただし、上壁プレート15上のタワーバー6の端部の連結される連結点50が上記の実施形態のものと異なっている。すなわち、上記の実施形態では、ダンパー11の上端部を上壁プレート15に結合するボルト20にタワーバー6の端部が共締め固定されていたが、本実施形態では、ボルト20の突出部から離間した上壁プレート15の車両後方側の三面合わせ部22rの近傍に連結点50が配置されている。
本実施形態の場合、タワーバー6の端部が剛性の高い三面合わせ部22rの近傍に連結されるため、左右のダンパー支持部の捩じれを効率良く抑えることができる。また、本構成では、ダンパー固定用のボルト20の突出位置から離間した部位にタワーバー6の連結点50が配置されるため、ダンパー固定用のボルト20によってタワーバー6の配置が制約を受けることがない。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
4…フロントサイドフレーム
6…タワーバー
9…アッパメンバ
10,110…ダンパーハウジング
11…ダンパー
15…上壁プレート
15af…前辺
15ar…後辺
15as…側辺
15bf…前屈曲片
15br…後屈曲片
15bs…側部屈曲片
16…前壁プレート
16a…前壁本体部
16b…前壁屈曲部
17…後壁プレート
17a…後壁本体部
17b…後壁屈曲部
20…ボルト(締結部材)
22f,22r…三面合わせ部
25…上壁補強プレート
25a…上壁補強本体部
25b…上壁補強屈曲部
26…カラー
28,29…窪み部(第1の窪み部)
30F,30R…支持ブラケット(サスペンション支持部材)
32…窪み部(第2の窪み部)
35…接合フランジ
40…切欠き部
45…折れ起点部
48…端部
50…連結点
o1…中心軸線

Claims (9)

  1. サスペンションのダンパーから入力された荷重を支持する車両のダンパーハウジングであって、
    前記ダンパーの少なくとも上方を覆う上壁プレートと、
    前記上壁プレートの下方において、前記上壁プレートに結合される上壁補強プレートと、を備え、
    前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの間に、ダンパー取付用の締結部材が挿通される複数のカラーが介装されるとともに、複数の前記カラーが前記ダンパーの中心軸線を中心とする円周上に配置され、
    前記ダンパーの上部は、前記カラーに挿通される前記締結部材によって前記上壁補強プレートと前記上壁プレートとに締結固定され、
    前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの少なくとも一方に、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの対向する相手部材方向に膨出する第1の窪み部が設けられるとともに、前記第1の窪み部が前記カラーの配置される前記円周上で、隣接する前記カラーの間に配置され、
    前記上壁プレートと前記上壁補強プレートとが、前記第1の窪み部において、前記相手部材に結合されていることを特徴とする車両のダンパーハウジング。
  2. 前記上壁プレートの車幅方向外側位置において、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートを車両側部のアッパメンバに連結する側方部材をさらに備え、
    前記上壁プレートと前記上壁補強プレートは略矩形状の平面視形状に形成され、
    前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの少なくとも一方には、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの対向する相手部材方向に膨出する第2の窪み部が設けられるとともに、前記第2の窪み部が前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの車幅方向外側寄りの角部の近傍に配置され、
    前記側方部材は、前記第2の窪み部に隣接する位置において、前記上壁プレートと前記上壁補強プレートの少なくとも一方に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のダンパーハウジング。
  3. 前記ダンパーの少なくとも前方を覆う前壁プレートと、
    前記ダンパーの少なくとも後方を覆う後壁プレートと、をさらに備え
    前記上壁プレートは、前記ダンパーの上端部を支持する略平坦な上壁本体部と、前記上壁本体部の端部から下方に屈曲して延びる上壁屈曲部と、を有し、
    前記前壁プレートは、前記ダンパーの前方を覆う前壁本体部と、前記前壁本体部の車幅方向内側の端部から後方に屈曲して延びる前壁屈曲部と、を有し、
    前記後壁プレートは、前記ダンパーの後方を覆う後壁本体部と、前記後壁本体部の車幅方向内側の端部から前方に屈曲して延びる後壁屈曲部と、を有し、
    前記前壁プレートと前記後壁プレートが前記前壁屈曲部と前記後壁屈曲部で相互に結合されるとともに、前記上壁プレートが前記上壁屈曲部で前記前壁プレートと前記後壁プレートに結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のダンパーハウジング。
  4. 前記上壁本体部は、車幅方向内側で車両前後方向に略沿って延びる側辺と、車両前後方向の前方側で車幅方向に略沿って延びる前辺と、車両前後方向の後方側で車幅方向に略沿って延びる後辺と、を有し、
    前記上壁屈曲部は、前記側辺から下方に屈曲して延びる側部屈曲片と、前記前辺から下方に屈曲して延びる前屈曲片と、前記後辺から下方に屈曲して延びる後屈曲片と、を有し、前記側部屈曲片と前記前屈曲片と前記後屈曲片の隣接するもの同士が一体構造とされ、
    前記上壁本体部、前記側部屈曲片、前記前屈曲片による相互に略直角な三面合わせ部と、前記上壁本体部、前記側部屈曲片、前記後屈曲片による相互に略直角な三面合わせ部の各近傍部にサスペンション支持部材が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両のダンパーハウジング。
  5. 前記上壁補強プレートは、前記上壁本体部の下方に対向して配置される上壁補強本体部と、前記上壁補強本体部の端縁から下方に屈曲して延びる上壁補強屈曲部と、を有し、
    前記上壁補強屈曲部が前記上壁屈曲部に結合されていることを特徴とする請求項3または4に記載の車両のダンパーハウジング。
  6. 前記上壁本体部と前記前壁本体部の上部位置との間と、前記上壁本体部と前記後壁本体部の上部位置との間の少なくとも一方に配置されて、前記上壁プレートを車両側部のアッパメンバに接続するアッパ接続プレートをさらに備え、
    前記アッパ接続プレートは、前記上壁プレートの前側または後側の位置で前記上壁屈曲部に接合される接合フランジを有し、
    前記上壁屈曲部と前記接合フランジの間には、前記前壁屈曲部または前記後壁屈曲部から車幅方向外側に向かって延びるサスペンション支持部材が介装され、
    前記接合フランジは、切欠き部を有し、
    前記サスペンション支持部材は、前記接合フランジの切欠き部内において、前記上壁屈曲部と前記上壁補強屈曲部の少なくとも一方の部材に接合されるとともに、前記切欠き部の存在しない部位において、前記接合フランジと前記上壁屈曲部のうちの少なくとも前記接合フランジに接合されていることを特徴とする請求項5に記載の車両のダンパーハウジング。
  7. 前記アッパ接続プレートは、クランク状の断面形状が車幅方向に略沿って延出していることを特徴とする請求項6に記載の車両のダンパーハウジング。
  8. 前記後壁プレートと前記前壁プレートは、車両のフロントサイドフレームの上部に配置され、
    前記フロントサイドフレームは、車両前後方向から衝撃荷重が入力されたときに変形の起点となる折れ起点部を有し、
    前記前壁屈曲部と前記後壁屈曲部は、相互に重なり合って接合され、
    前記前壁屈曲部と前記後壁屈曲部の重なり部の車両前後方向の端部は、前記折れ起点部と車両前後方向の略同一位置に配置されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の車両のダンパーハウジング。
  9. 車両左右のダンパー支持部の捩じれを抑制するタワーバーの連結点を備え、
    前記連結点は、前記上壁本体部の前記三面合わせ部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両のダンパーハウジング。
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