JP6281556B2 - 車両の下部車体構造 - Google Patents
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そこで、特許文献2では、フロアトンネルを挟んで車両の床面を車幅方向に連結するトンネルクロスメンバによって、車両側方からの入力荷重に対する車体下部の剛性を向上している。
ところが、特許文献1のようにプロペラシャフトの車両下方に排気管が配設された場合、排気管からの輻射熱によって、センターサポートベアリングが冷却され難くなる。
上記熱脆弱部は、例えば、3ジョイントプロペラシャフトにおけるセンターサポートベアリングやユニバーサルジョイント、各種電子部品、あるいは合成樹脂部品などとすることができる。
具体的には、排気管の揺動範囲と重合する部分を切り欠いた切欠き部により、車両の下部車体構造は、排気管が干渉する部分を車両上方に突設した突設部をクロスメンバ本体に設けた場合に比べて、車両側方からの入力荷重に対して応力集中部位となり易い屈曲部分を低減することができる。
つまり、車両の下部車体構造は、排気管からの輻射熱を遮熱する遮熱板として覆い部材を機能させることができ、熱脆弱部に輻射熱が直接的に伝達されることを抑制できる。
この発明により、車両の下部車体構造は、輻射熱から熱脆弱部をより確実に保護することができる。
さらに、内燃機関に近い位置に触媒が配設されるため、例えば、触媒を大型化した場合、触媒を含めた排気管の一部が車体に近接することで、少なくともクロスメンバ本体の前端に切欠き部が形成されることになる。
従って、車両の下部車体構造は、クロスメンバ本体の前端に形成された切欠き部に覆い部材を配置したことにより、輻射熱から熱脆弱部をより確実に保護することができる。
この発明により、車両の下部車体構造は、車両側方からの入力荷重によるトンネルクロスメンバの変形を抑制するとともに、トンネルクロスメンバの軽量化を図ることができる。
具体的には、応力集中し易い切欠き部の隅部及び角部に、覆い部材の脚部が接合された場合、車両側方からの荷重がトンネルクロスメンバに加わると、切欠き部と覆い部材の脚部との接合箇所がより応力集中し易い部位となり、接合箇所を起点とした破損が生じるおそれがあった。
本実施形態における車両1は、車両前部に配設されたエンジン(図示省略)の駆動力によって、少なくとも後輪(図示省略)が回転駆動する後輪駆動車、あるいは四輪駆動車である。この車両1の下部車体構造について、図1から図8を用いて詳しく説明する。
加えて、図5(a)は第1トンネルクロスメンバ40の正面図を示し、図5(b)は第1トンネルクロスメンバ40における車両左側を拡大した正面図を示している。
なお、フロントフロアパネル8の上面には、車両前後方向における所定位置において、フロアトンネルパネル7を介して、サイドシル5を車幅方向に連結するフロアクロスメンバ10を配設している。
加えて、車両1の下部車体には、車両前後方向におけるフロアクロスメンバ10の位置と略同位置において、フロアトンネルパネル7の下端を車幅方向に連結する第1トンネルクロスメンバ40を配設している。
フロアトンネルパネル7は、図2及び図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面における断面形状が車両上方に突出した断面略ハット状を、車両前後方向に延設した形状に形成している。
側壁部72における車幅方向外側の面には、一端がサイドシル5に連結されたフロアクロスメンバ10の他端が、断面逆L字状の補強部材11を介して連結されている。
第2トンネルクロスメンバ50は、図3及び図4に示すように、車両前後方向に所定の長さを有する高剛性部材であって、車両前後方向におけるフロアクロスメンバ10の位置と略同位置に配置されている。
車体側ハンガー12は、図2に示すように、車両前後方向におけるフロアクロスメンバ10の位置よりも車両前方側において、フロアトンネルパネル7のフランジ部71に接合している。
弾性支持部材232は、例えば合成ゴムなどの弾性を有する合成樹脂製で、前部シャフト21を揺動可能に弾性支持している。
ブッシュ235は、例えば、ゴムなどの弾性を有する合成樹脂で、溶着ボルト54が挿通する内径を有する略筒状体に形成している。このブッシュ235は、支持ブラケット52に締結された状態のセンターサポートベアリング23を、弾性支持可能に構成している。
第1触媒32は、フロントフロアパネル8の前端近傍に配置され、第1配管31の後端に前端を連結している。
第2配管33は、第1触媒32から車両斜め左後方へ延設したのち、車両後方へ向けて屈曲して延設した略円筒状に形成している。
第1トンネルクロスメンバ40は、後述するサービスホール46が、フロアトンネルパネル7の支持ブラケット52と車両上下方向で対向する位置において、フロアトンネルパネル7のフランジ部71に締結固定している。
この第1トンネルクロスメンバ40は、図3及び図4に示すように、第1クロスメンバ本体41と、第1クロスメンバ本体41の前端上面に接合された覆い部材42とで構成している。
この切欠き部43によって、第1クロスメンバ本体41の前部には、図7において二点鎖線で示した車両前方側に位置する左右一対の角部41aと、車両後方側に位置する左右一対の隅部41bとが形成されている。
具体的には、前方脚部422は、図5及び図8に示すように、上面部421の前部から車幅方向外側、かつ車両下方へ向けて延設した本体部分422aと、本体部分422aの下端から車幅方向外側へ延設した下端部分422bとで構成している。
つまり、車両1の下部車体構造は、排気管30からの輻射熱を遮熱する遮熱板として覆い部材42を機能させることができ、センターサポートベアリング23に輻射熱が直接的に伝達されることを抑制できる。
具体的には、内燃機関の回転数が高いほど、かつ内燃機関に近いほど、排気管30からの輻射熱が高温になり易い。
この発明のフロアトンネルは、実施形態のフロアトンネルパネル7に対応し、
以下同様に、
トンネルクロスメンバは、第1トンネルクロスメンバ40に対応し、
熱脆弱部は、センターサポートベアリング23に対応し、
熱害保護対象部材は、プロペラシャフト20に対応し、
クロスメンバ本体は、第1クロスメンバ本体41に対応し、
複数の脚部は、前方脚部422、及び後方脚部423に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
また、プロペラシャフト20のセンターサポートベアリング23を、熱害対策が所望される熱脆弱部として説明したが、これに限定せず、プロペラシャフト20のユニバーサルジョイントを熱脆弱部としてもよい。
また、第2トンネルクロスメンバ50にプロペラシャフト20を締結固定する構成としたが、これに限定せず、第1トンネルクロスメンバ40にプロペラシャフト20のセンターサポートベアリング23を締結固定する構成としてもよい。
7…フロアトンネルパネル
20…プロペラシャフト
23…センターサポートベアリング
30…排気管
40…第1トンネルクロスメンバ
41…第1クロスメンバ本体
42…覆い部材
43…切欠き部
421…上面部
422…前方脚部
423…後方脚部
Claims (4)
- 車両の車幅方向略中央を車両前後方向に延びるフロアトンネルと、
前記フロアトンネルを挟んで前記車両の床面を車幅方向に連結するトンネルクロスメンバと、
車両前部の内燃機関に連結されるとともに、車体に対して揺動自在に支持された排気管とを備え、
前記トンネルクロスメンバの車両下方に前記排気管が配置された車両の下部車体構造であって、
前記フロアトンネルの内部に、
熱に脆弱な熱脆弱部を有するとともに、該熱脆弱部が前記トンネルクロスメンバの車両上方に配設された熱害保護対象部材を備え、
前記トンネルクロスメンバを、
前記フロアトンネルを挟んで前記床面を車幅方向に連結するとともに、側面視において前記排気管の揺動範囲と重合する部分を切り欠いた切欠き部を有するクロスメンバ本体と、
前記排気管の揺動範囲を超えた車両上方の位置において、前記切欠き部を覆う覆い部材とで構成した
車両の下部車体構造。 - 前記覆い部材を、
前記クロスメンバ本体の前端に形成された切欠き部を覆う構成とした
請求項1に記載の車両の下部車体構造。 - 前記覆い部材を、
前記クロスメンバ本体の肉厚に比べて薄肉に形成した
請求項1または請求項2に記載の車両の下部車体構造。 - 平面視において、前記切欠き部を、
平面視略矩形、または平面視略台形状に構成し、
前記覆い部材を、
前記切欠き部に対して車両上方に位置する上面部と、
該上面部及び前記切欠き部の縁部を連結する複数の脚部とで一体形成した
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両の下部車体構造。
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