JP2020157946A - フード構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、凸部が変形しないため、所望の衝突エネルギの吸収特性が得られないといった問題があった。
本発明は、衝突エネルギの吸収特性を向上させることができるフード構造を提供することを目的とする。
フード部材2は、開口部の左右後縁部に配置されるフードヒンジ3,3によって上下方向に回動し、意匠面を構成するフードアウタパネル4と、フードアウタパネル4の下側面に配置されるフードインナパネル5とを備えている。
フードアウタパネル4には、左右両側の側縁部4a,4aに沿って、外側に向かうほど低くなるように、フードアウタパネル4の稜線14,14が左右一対延設されている。
フードアウタパネル4の稜線14は、上方に向けて凸設されるとともに、フードヒンジ3,3が装着されている部分から、フードアウタパネル4の前縁部4bまでそれぞれ延設されている。
この凸部7は、上面7aに形成される開口部8と、開口部8から凸部7の稜線7bを越えて、斜面7cを切欠き形成するスリット部7dとを有している。本実施形態のスリット部7dは、長手方向と直交する幅方向に一定の幅寸法を有している。
そして、図6に示すように、舌部9a〜9fは、開口部8の周縁8aから先端までの長さLa〜Lfがそれぞれ異なるように構成されている。
また、図8に示すように、開口部8から凸部7の稜線7bを越えて、斜面7cを切欠くスリット部7dが形成されている部分や、舌部9d,9fのように短い箇所(Ld,Lf<La,Lb,Lc,Le,)では、外板剛性を低く設定できる。
このため、舌部9a〜9fの先端までの長さLa〜Lfをそれぞれ異ならせて、所望の箇所に所望の外板剛性を与えることができる。たとえば、必要最低限の箇所での外板剛性を確保ながら、凸部7が変形しにくくなることを防止できる。
また、凸部7のふもと部7eの下縁に沿って、ふもと部7eの前側および一般面6間に第2段差線16が延設されている。
そして、第1段差線15および第2段差線16間の幅方向寸法は、車幅方向中央に向かうにつれて大きくなるように設定されている。たとえば、フードインナパネル5の左右側縁の第1段差線15および第2段差線16間の幅方向寸法をaと、フードインナパネル5の幅方向中央部の第1段差線15および第2段差線16間の幅方向寸法をbとすると、車幅方向中央に向かうにつれて大きくなる(a<b)ように設定されている。
図9に示すように、ブラケット部材10は、平板状でフードアウタパネル4の裏面側4cに連結される天板部10aと、フードインナパネル5の上面側5bに連結される左右一対の支持脚状の連結部10b,10bとを有している。天板部10aには、複数の肉抜孔10fが開口形成されている。
そして、図10に示すように、連結部10bは、側面視略くの字状に屈曲されることにより、車両前方に向かうにつれて下方に傾斜する脆弱部10cを設けている。本実施形態の脆弱部10cは、脚柱部10hの上下方向でほぼ中央に位置する屈曲している部分から更に屈曲し易いように形成されている。
また、図1に示すように、左,右一対のスリット部7d,7dは、車幅方向でブラケット部材10の車幅方向端部10e,10eよりも外側に設けられている。すなわち、車幅方向端部10e,10e間の範囲Wにスリット部7d,7dが存在しないように構成されている。
図1に示すように、本実施形態のフード構造を採用する車両1は、フード部材2としてフードアウタパネル4とフードアウタパネル4の裏面側4cに配置されるフードインナパネル5とを備えている。
図2に示すように、フードインナパネル5は、フードアウタパネル4の裏面側から離間して配置される一般面6と、一般面6からフードアウタパネル4方向に膨出する凸部7と、凸部7の上面7aに形成される開口部8とを有している。また、フードインナパネル5は、図4に示すように、開口部8から凸部7の稜線7bを越えて、斜面7cを切欠き形成するスリット部7dを有している。
このため、障害物等の衝突により、フードアウタパネル4に荷重が加わると、裏面側4cに配置されているフードインナパネル5の凸部7がスリット部7dから変形しやすい。したがって、衝突エネルギの吸収特性を向上させることができる。
稜線14,14間の車幅方向内側には、凸部7,7およびスリット部7d,7dが設けられている。
このため、フードアウタパネル4の稜線14,14よりも車幅方向内側に障害物等が衝突した場合でも、スリット部7dによって凸部7を変形しやすくできる。また、フードアウタパネル4の稜線14は、上方に凸となる形状によってせん断応力を増大させて、稜線14自身でフードアウタパネル4の外板剛性の低下を抑制することができる。
このため、複数の舌部9a〜9fにより所望の外板剛性を確保できる。また、舌部9a〜9fの長さLa〜Lfを異ならせることによって、必要最低限度の部分での外板剛性を確保できる。したがって凸部7が変形しにくくなることを防ぐことができる。
図1に示すように、左,右一対のスリット部7d,7dは、ブラケット部材10の車幅方向端部10e,10eよりも車幅方向の外側に設けられている。すなわち、車幅方向端部10e,10e間の範囲Wにスリット部7d,7dが設けられていない。
凸部7よりも車両前方に配置されるブラケット部材10は、車両前方からの衝突エネルギの入力により凸部7に接触し、凸部7を変形させて衝突エネルギを吸収することができる。このように、ブラケット部材10は自らの変形に加えて凸部7の変形によって衝突エネルギをより効果的に吸収することができる。
本実施形態の脆弱部10cは、側面視略くの字状を呈していて、屈曲している部分から座屈し易い。このため、ブラケット部材10に衝突エネルギが加わると、連結部10bに設けられた脆弱部10cが屈曲変形する。そして、ブラケット部材10を容易に後退させて凸部7に当接させることができる。
したがって、衝突エネルギの入力により、脆弱部10cから連結部10bを確実に屈曲変形させて、ブラケット部材10を凸部7の方向に移動する。よって、ブラケット部材10は、凸部7に確実に当接する。このため、さらに効果的に衝突エネルギを吸収できる。
このうち、第1段差線15は、左右両端のフードヒンジ3,3間を連結するように、フードアウタパネル4の前縁部4bに沿って、一般面6および前縁部4bとの間に延設されている。
また、第2段差線16は、第1段差線15の内側で、左右両端のフードヒンジ3,3間を連結するように、凸部7のふもと部7eに沿って、一般面6およびふもと部7eの間に延設されている。
そして、第1段差線15および第2段差線16間の寸法は、車幅方向中央に向かうにつれて大きくなる(a<b)ように設定されている。
このため、フードアウタパネル4の裏面側とフードインナパネル5の一般面6との間に空間を形成することができる(図2等参照)。したがって、荷重がフードアウタパネル4に加わった際のフードアウタパネル4の変形量を増大させることができる。
しかしながら、特にこれに限らず、例えば、一つの凸部7にスリット部7dを2本以上の複数本、形成してもよい。また、スリット部7dの形状についても、本実施形態のスリット部7dの形状に拘らず、開口部8から凸部7の稜線7bを越えて、斜面7cを切欠き形成するスリット部であればよい。例えば、本実施形態のスリット部7dと比較して幅狭形状等、どのような形状のスリット部7dであってもよい。
5 フードインナパネル
6 一般面
7 凸部
7a 上面
7b 稜線
7c 斜面
7d スリット部
7e ふもと部
8 開口部
Claims (6)
- フードアウタパネルと、
前記フードアウタパネルの下側面に配置されるフードインナパネルとを備えるフード構造であって、
前記フードインナパネルは、前記フードアウタパネルの裏面側から離間して配置される一般面と、
前記一般面から前記フードアウタパネル方向に膨出する凸部と、
前記凸部の上面に形成される開口部と、
前記開口部から前記凸部の稜線を越えて、斜面を切欠き形成するスリット部とを有することを特徴とするフード構造。 - 前記フードアウタパネルは、車幅方向の両端部に前後方向にそれぞれ延設される稜線を有し、
前記稜線の車幅方向内側に前記凸部および前記スリット部とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のフード構造。 - 前記開口部の周縁には、開口内側に向けて伸びる複数の舌部を設け、
前記舌部は、それぞれ前記開口部の周縁からの長さが異なることを特徴とする請求項1または2に記載のフード構造。 - 前記フードインナパネルの前記凸部よりも車両前方に配置され、前記フードアウタパネルを下方から支持するブラケット部材を更に備え、
前記スリット部は、前記ブラケット部材の車幅方向端部よりも車幅方向の外側に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のフード構造。 - 前記ブラケット部材は、前記フードインナパネルに連結される連結部を有し、
前記連結部は、車両前方に向かうにつれて下方に傾斜する脆弱部を設けたことを特徴とする請求項4に記載のフード構造。 - 前記フードインナパネルは、前記フードアウタパネルの前端縁に沿って、前記一般面および前記前端縁との間に延びる第1段差線と、
前記凸部のふもと部に沿って、前記一般面および前記ふもと部の間に延びる第2段差線とを有し、
前記第1段差線および前記第2段差線間の前後方向寸法は、車幅方向中央に向かうにつれて大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のフード構造。
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