JP2020157540A - 応力発光積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】応力発光機能を有する積層体を衣類等に印刷または貼り付けた後にも良好な柔軟性と応力発光機能を維持し、且つ、耐洗濯性にも優れた応力発光積層体を提供する。【解決手段】衣類に一体化させて使用し、且つ、応力を加えることで発光する応力発光積層体10であり、当該応力発光積層体10は1層以上の樹脂層12、14、16から形成されており、前記樹脂層のうち少なくとも1層は、10質量%以上の応力発光剤18と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物12であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は衣類に一体化させて使用する積層体、特に応力を加えることで発光する応力発光積層体の改良技術に関する。
昨今、応力発光材料を利用した様々な製品の開発が行われている。特に応力を加えることで発光する応力発光機能を有する表示媒体等は各種分野において利用可能性が高まっており、各メーカーや研究機関は普及に向けてより一層の製品開発に取り組んでいる。
例えば特許文献1には、応力発光層に応力発光性無機材料を添加して応力発光を可能とすることで、特別の装置や器具を必要とせずに各種の表示用途に利用可能な応力発光表示媒体が開示されている。このような技術は、セキュリティラベルや圧力偏り評価シートなどの各種表示媒体としての応用が期待されている。また、特許文献2には基材と応力発光層との間に室温でゴム弾性を示す中間層を備えることで、従来よりも広範囲の応力発光を実現できる応力発光積層体に関する技術が開示されている。
特開2013−120363号公報 特開2010−180280号公報
ところで、特許文献1のように表示媒体に応力発光性無機材料を添加した応力発光層を備えることで応力発光表示媒体を実現でき、さらに特許文献2のようにゴム弾性を示す中間層を備えることで従来よりも広範囲の応力発光を実現することは出来る。しかしながら、これらの技術は応力発光表示媒体自体の改良技術であり、例えば他の製品等に貼り付けた場合など、すなわち応力発光表示媒体と他の製品(特に柔軟性を有する製品等)とを組み合わせた場合における良好な応力発光機能等については検討されておらず、まだまだ改良の余地がある。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、応力発光機能を有する積層体を衣類等に印刷または貼り付けた後にも良好な柔軟性と応力発光機能を維持し、且つ、耐洗濯性にも優れた応力発光積層体を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る応力発光積層体は、
当該応力発光積層体は、1層以上の樹脂層から形成されており、
前記樹脂層のうち少なくとも1層は、10質量%以上の応力発光剤と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物であることを特徴とする。
また、本発明に係る応力発光積層体は、
前記樹脂混合物は、1〜10質量%の顔料を含んでいることを特徴とする。
また、本発明に係る応力発光積層体は、
当該応力発光積層体は、表面層と中間層と接着層を含んで形成されており、
前記中間層の一面側に表面層が設けられ、他面側に接着層が設けられ、
前記接着層は、前記衣類と接する方向へ接着可能であって、
前記表面層は、10質量%以上の応力発光剤と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物であることを特徴とする。
また、本発明に係る応力発光積層体は、
前記中間層は、50質量%以上の軟質系樹脂を含む樹脂混合物であることを特徴とする。
また、本発明に係る応力発光積層体は、
前記応力発光剤は、ユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウムを含んでいることを特徴とする。
また、本発明に係る応力発光積層体は、
前記表面層の積層方向への厚さは、10μm〜100μmであって、
前記中間層の積層方向への厚さは、10μm〜60μmであることを特徴とする。
本発明によれば、応力発光積層体が備える樹脂層を10質量%以上の応力発光剤と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物とすることで、衣類に印刷または貼り付けた後にも良好な柔軟性と応力発光機能を維持し、且つ、耐洗濯性にも優れた応力発光積層体を提供できる効果を奏する。
本発明の実施形態に係る応力発光積層体の断面図を示す。 本発明の実施形態に係る応力発光積層体を衣類に貼り付ける工程の概略図を示す。 衣類へ直接印刷して形成された応力発光積層体の断面および印刷工程の概略イメージ図を示す。
以下、本発明の実施形態に係る応力発光積層体について図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を超えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。
図1に本発明の実施形態に係る応力発光積層体の断面図を示す。同図に示すように、本実施形態に係る応力発光積層体10は3層の樹脂層で構成されており、具体的には表面層12、中間層14、接着層16を有して構成されている。表面層12は硬質系樹脂と軟質系樹脂を含んだ樹脂混合物であり、該樹脂混合物には応力発光剤18が含まれている。
本実施形態に係る応力発光積層体10では表面層12に応力発光剤18が含まれているが、表面層12および中間層14に応力発光剤18を含むようにしても良い。中間層14は、所定量の軟質系樹脂を含んだ樹脂混合物で構成されている。また、本実施形態に係る応力発光積層体10では表面層12と中間層14と接着層16を有して構成されているが、当該応力発光積層体10の使用態様によっては表面層12と接着層16とで構成することも出来る。
図2には、本発明の実施形態に係る応力発光積層体10を衣類30に貼り付ける工程の概略図を示す。応力発光積層体10を衣類30の所定位置に配置させた後、表面層12側から熱が加えられる(図2(a))。その熱によって、接着層16を溶かした後、冷却することで、応力発光積層体10を備えた衣類30を得ることが出来る(図2(b))。
ここで、本実施形態では応力発光積層体10の耐湿性や堅牢度を上げるため、表面層12には表面処理を施している。この表面処理により表面層12の上端面は被膜化されるため、該表面層12に水等の溶液が溶出することもなく、良好な応力発光および堅牢度を維持することが出来る。本実施形態では、例えば湿式でリン酸系処理などの表面処理を施すことができる。また、表面層12の樹脂混合物に熱硬化する材料等を含めることで、熱圧着時に適度に硬化するようにしても良い。
本実施形態に係る接着層16は、衣類30に応力発光積層体10を接着させるために設けられ、具体的には100℃〜180℃の温度で加熱することで衣類30と応力発光積層体10とを良好に接着させることが出来る。また、衣類30と応力発光積層体10とを接着させた後は、再度、接着層16に熱を加えない限り、衣類30から当該応力発光積層体10が簡単にはがれないようになっている。
図3には、本実施形態において衣類へ直接印刷して形成された応力発光積層体の断面および印刷工程の概略イメージ図を示す。はじめに衣類30の所定位置へ樹脂層としての中間層14を印刷する(図3(a))。乾燥工程の後、中間層14の上に表面層12を印刷する(図3(b))。
さらに衣類30へ直接印刷することで完成した応力発光積層体20に、所定の後処理(例えば、ベーキング乾燥や空気中の湿気による効果反応待機等)を行うとともに、図2と同様のリン酸系処理等による被膜化を施すことにより応力発光積層体20の堅牢度を上げている。図3に示すとおり応力発光積層体20は、衣類30へ直接印刷することで形成されていることから、図1(および図2)に示された応力発光積層体10における接着層16に相当する層はなくてもよい。
表面層および中間層
本実施形態に係る応力発光積層体10において樹脂層である表面層12は、硬質系樹脂と軟質系樹脂を含んだ樹脂混合物からなることを特徴としている。加えて表面層12は応力発光剤18を有しており、該応力発光剤18には例えばユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウムが含まれている。表面層12の積層方向への厚さは、10μm〜100μmであることが好ましく、より好ましくは30μm〜80μmであることが好適である。
この樹脂混合物には、他にも硬化剤としての架橋剤(例えばポリイソシアネート変性体75質量%と酢酸エチル25質量%とを配合)や硬化促進剤(鉄化合物1〜5質量%とメチルエチルケトン95〜99質量%とを配合)、1液型樹脂、消泡剤(例えば鉱油、アクリル系コポリマー、およびそれらの混合物)等を含んで構成されている。
本実施形態に係る表面層12は、例えば10質量%以上の応力発光剤18と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物であることが好ましい。
本実施形態では、表面層12に30質量%以上の応力発光剤18を含めることで大きな応力発光効果が期待できる。さらに表面層12は、30質量%以上の応力発光剤18と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜0.7倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物であることが好適である。
ここで、例えば外部からの応力を掛けやすくするために硬質な応力発光積層体として構成してしまうと、衣類30に貼り付けた後の洗濯時にひび割れが生じてしまったたり、あるいは低度な伸縮によっても応力発光積層体10に亀裂が入りやすくなってしまう。
一方で、洗濯時のひび割れや亀裂等を防止することを目的として単に応力発光積層体10に柔軟性を与えるのみでは、応力発光積層体10にうまく応力が掛けられず結果的に発光しにくくなってしまう恐れがある。そこで本実施形態では表面層12を所定条件の硬質系樹脂と軟質系樹脂との樹脂混合物とすることで、ある程度の伸びにも対応でき、且つ、発光に必要な応力を効率良く与えることが可能な応力発光積層体10を実現できる。
また、本実施形態に係る表面層12は、例えば1〜10質量%の顔料を含むようにしても良い。表面層12に透明カラー色や蛍光の顔料が含まれることで、使用者が希望する所定のカラーに調整された応力発光を実現することが出来る。
本実施形態に係る応力発光積層体10において樹脂層である中間層14は、所定条件の軟質系樹脂を含んだ樹脂混合物からなることを特徴としている。本実施形態では良好な応力発光が実現できる表面層12に加えてさらに中間層14を設けることにより、衣類30へ貼り付けられた際により良好な応力発光および耐久性を実現することができる。また、応力発光積層体10に中間層14を設けることで衣類30の伸縮に追従できるので、当該応力発光積層体10が衣類30から剥がれにくくなる効果も期待できる。中間層14の積層方向への厚さは、10μm〜60μmであることが好ましく、より好ましくは20μm〜50μmであることが好適である。
本実施形態に係る中間層14は、例えば50質量%以上の軟質系樹脂を含んだ樹脂混合物であることが好ましい。さらに中間層14は、60質量%以上の軟質系樹脂を含んだ樹脂混合物であることが好適である。
<硬質系樹脂>
本明細書における硬質系樹脂とは、引張ひずみ(単に伸び率とも呼ぶ)が360%未満に配合調整された樹脂混合物のことをいう。ここで本実施形態における引張ひずみとは、JIS K 7127に準拠した引張強度試験において、標線間距離(二つの標線の間の距離)の増加量をはじめの標線間距離で除した値のことをいう。
硬質系樹脂は、例えばポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂を含んだ樹脂混合物を伸び率360%未満となるように配合調整することで得ることができる。ポリエステル系樹脂としては、飽和共重合ポリエステル、シクロヘキサノン等が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、ポリウレタン、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、MEK(メチルエチルケトン)等が挙げられる。
<軟質系樹脂>
本明細書における軟質系樹脂とは、引張ひずみ(単に伸び率とも呼ぶ)が、360%以上に配合調整された樹脂混合物のことをいう。軟質系樹脂は、例えばポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂を含んだ樹脂混合物を伸び率360%以上となるように配合調整とすることで得ることができる。ポリエステル系樹脂としては、飽和共重合ポリエステル、シクロヘキサノン等が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、ポリウレタン、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、MEK(メチルエチルケトン)等が挙げられる。
<応力発光剤>
本明細書における応力発光剤とは、外部からの機械的な刺激により発光する発光材料である。機械的な刺激の種類としては、例えば圧力、摩擦、衝撃、圧縮、引っ張り、ねじりなどがある。応力発光剤としては、例えばユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウム、遷移金属や希土類をドープした硫化亜鉛、チタン酸バリウム・カルシウム、アルミン酸カルシウム・イットリウムなどを利用することが出来る。
本実施形態では応力発光剤としてユーロピウムをドープし構造制御したアルミン酸ストロンチウムを含んで構成されているが、これに限定されるものではなく上記の応力発光材料および従来公知の応力発光材料を含んで構成することも出来る。また、本明細書におけるドープとは、結晶の物性を変化させるために少量の不純物を添加することをいう。
<1液型樹脂>
本明細書における1液型樹脂とは、空気中の湿気を吸湿して、あるいは蒸発・乾燥して架橋反応を起こし、硬化する樹脂をあらわしている。したがって、1液型樹脂は架橋反応後には再度軟化しなくなる性質を持つ。1液型樹脂としては、例えば湿気硬化型樹脂、蒸発乾燥型樹脂などを挙げることができる。なお、上記1液型樹脂は単独に限定されるものではなく、特性の異なる2種類以上のものを併用しても良い。
接着層
本発明における接着層16は、応力発光積層体10を衣類30に貼り付けるための接着作用を発揮すればよく、市販されている接着剤などを利用することが出来る。但し、応力発光積層体10は洗濯時の負荷および洗濯時に使用する洗剤への耐薬剤性を有している必要がある。
そこで本実施形態では、接着層16には熱可塑性材料またはホットメルト材料を使用することが好ましい。さらに、その熱可塑性材料の中でも表面層12または中間層14との相溶性の観点から接着層16にはウレタン系樹脂を使用することが好ましく、特に熱可塑性ポリウレタン系樹脂を使用することが好適である。
具体的な熱可塑性材料としては、ホットメルトフィルム、ホットフィルムシート(エーテル系、エステル系)を使用することができる。また、接着層16の形態は、例えば加熱により流動化可能な熱可塑性材料を中間層14に塗布することも可能であるが、本実施形態では熱可塑性ポリウレタン系樹脂を厚さ30μm〜150μm、特に好ましくは60μm〜120μm程度の範囲となるように塗工することが好適である。
以下、実施例により本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を超えない限り何ら以下の実施例に限定されるものではない。
はじめに、本発明に係る応力発光積層体において、実施例を評価するために利用した評価方法について説明する。
(応力発光試験)
本発明に係る応力発光積層体の応力発光性能を確認するための試験を行った。実施例1から実施例4、および比較例1から比較例3を引張試験機(株式会社島津製作所製:精密万能試験機、型式:AG−20KNX)にセットし、200mm/minの試験速度で実施例1から比較例3に係る応力発光積層体を引っ張ることで発光に必要な応力を得た。この時の発光を光電子倍増管(PMT)で検出し、電圧値に換算して最大輝度(mcd/m)について確認をした。
(耐洗濯性試験)
応力発光積層体の耐洗濯性を確認するための試験を行った。実施例1から実施例5に係る応力発光積層体10を貼り付けた生地に対して以下の条件による洗濯試験を行った。
・試験方法
洗濯方法:JIS L 0217 103法
洗濯機:二層式家庭用電気洗濯機
洗濯方法詳細:浴比 :1:30
水流 :強
洗い :5分(水温:40℃)
すすぎ回数 :2回(水温:30℃以下)
洗濯洗剤 :洗濯用合成洗剤(市販品)
乾燥 :脱水後、吊干し
実施例1
硬質系樹脂(大日精化工業株式会社製:レザミンME、および株式会社セイコーアドバンス製:SG410メジューム)と軟質系樹脂(日本シーマ株式会社製:MRE)との樹脂混合物に応力発光剤(堺化学工業株式会社製:応力発光体粉末(耐水処理品))を入れて、表面層12をシルクスクリーン印刷により作成する(表面層12の総量に対して、硬質系樹脂30質量%、軟質系樹脂30質量%、応力発光剤30質量%、その他材料10質量%を配合)。この時、剥離可能なフィルム上に表面層12を印刷する。その上から、軟質系樹脂を含む樹脂混合物を中間層14としてシルクスクリーン印刷により作成する(中間層12の総量に対して60質量%の軟質系樹脂を配合)。その後、図1に示すような接着層16をシルクスクリーン印刷により作成し、乾燥工程を経て、応力発光積層体10を製作した。この実施例1に係る応力発光積層体10には、表面層12の上端面に表面処理(リン酸系処理)を施している。
この時の表面層12の厚さは50μm、中間層14の厚さは50μm、接着層16の厚さは120μmとした。このようにして製作した応力発光積層体10を、150℃に熱したアイロンで15秒間〜20秒間かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を貼り付けた生地が得られた。また、応力発光積層体10はシルクスクリーン印刷に限らず、例えばロールコーター等の別の方法で作成しても良い。
実施例2
硬質系樹脂53質量%と軟質系樹脂27質量%との樹脂混合物に、応力発光剤10質量%を入れて表面層12を製作し、60質量%の軟質系樹脂を含む樹脂混合物として中間層14を製作し、150℃に熱したアイロンで15秒間〜20秒間かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例3
硬質系樹脂40質量%と軟質系樹脂20質量%との樹脂混合物に、応力発光剤30質量%を入れて表面層12を製作し、60質量%の軟質系樹脂を含む樹脂混合物として中間層14を製作し、150℃に熱したアイロンで15秒〜20秒かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例4
硬質系樹脂30質量%と軟質系樹脂30質量%との樹脂混合物に、応力発光剤30質量%を入れて表面層12を製作し、50質量%の軟質系樹脂を含む樹脂混合物として中間層14を製作し、150℃に熱したアイロンで15秒間〜20秒間かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例1
硬質系樹脂30質量%と軟質系樹脂30質量%との樹脂混合物に、応力発光剤30質量%を入れて表面層12を製作し、40質量%の軟質系樹脂を含む樹脂混合物として中間層14を製作し、150℃に熱したアイロンで15秒間〜20秒間かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例2
硬質系樹脂60質量%と軟質系樹脂30質量%との樹脂混合物に、応力発光剤を入れずに表面層12を製作し、50質量%の軟質系樹脂を含む樹脂混合物として中間層14を製作し、150℃に熱したアイロンで15秒間〜20秒間かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例3
表面層12および中間層14ともに実施例1と同じ配合であるがリン酸系処理(耐水処理)を施さずに150℃に熱したアイロンで15秒間〜20秒間かけて熱圧着することで、応力発光積層体10を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例1〜比較例3の条件
実施例1
表面層:硬質系樹脂30%/軟質系樹脂30%/応力発光剤30%/他10%、
中間層:軟質系樹脂60%、リン酸系処理あり
実施例2
表面層:硬質系樹脂53%/軟質系樹脂27%/応力発光剤10%/他10%、
中間層:軟質系樹脂60%、リン酸系処理あり
実施例3
表面層:硬質系樹脂40%/軟質系樹脂20%/応力発光剤30%/他10%、
中間層:軟質系樹脂60%、リン酸系処理あり
実施例4
表面層:硬質系樹脂30%/軟質系樹脂30%/応力発光剤30%/他10%、
中間層:軟質系樹脂50%、リン酸系処理あり
比較例1
表面層:硬質系樹脂30%/軟質系樹脂30%/応力発光剤30%/他10%、
中間層:軟質系樹脂40%、リン酸系処理あり
比較例2
表面層:硬質系樹脂60%/軟質系樹脂30%/応力発光剤0% /他10%、
中間層:軟質系樹脂50%、リン酸系処理あり
比較例3
表面層:硬質系樹脂30%/軟質系樹脂30%/応力発光剤30%/他10%、
中間層:軟質系樹脂60%、リン酸系処理なし
−応力発光効果の試験結果−
[表1]
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例2 比較例3
最大輝度 228 70 543 249 304 測定不可 253
(mcd/m2)
上記表1に示すように、実施例1、実施例2、実施例3、および実施例4はいずれも応力発光効果が得られていることが分かる。特に実施例3では、実施例1、実施例2、実施例4よりも非常に優れた応力発光効果が得られている。これは、表面層12に含まれる硬質系樹脂の割合が実施例1や実施例4に比べて多いことによる効果であると考えられる。
上述のとおり、応力発光効果を得ようとして単に硬い表面層としてしまうと、応力発光積層体10を衣類30に貼り付けた際にひび割れ等の原因となってしまう。本発明に係る実施例3は、表面層12が柔軟性を保ちながらちょうど良い硬度に調整されているので、非常に優れた応力発光効果が得られたものと推認できる。
また実施例2では応力発光効果は得られているものの、実施例1、実施例3、実施例4に比べて応力発光効果が少ないことが分かる。これは実施例2の表面層には実施例3と同様の割合で硬質系樹脂が含有されているが、実施例1、実施例3、実施例4に比べて応力発光剤の配合量が少ないからであり、このことから、応力発光剤の含有量によって得られる応力発光効果が変わることが分かった。
これに対し、比較例1および比較例3では応力発光効果を得られているが、比較例2では応力発光剤が入っていないので応力発光効果を得ることが出来なかった。後述する耐洗濯性試験では応力発光効果が得られていない比較例1において、中間層に含まれる軟質系樹脂の割合が低いにもかかわらずある程度の応力発光効果が得られているのは、表面層の樹脂混合物(硬質系樹脂と軟質系樹脂の割合)が良好な効果を与えているものと考えられる。
また、比較例1と同様に後述する耐洗濯性試験では応力発光効果が得られていない比較例3においては、リン酸系処理が施されていないもののその他は実施例1と同様であるため、洗濯前においては応力発光効果が得られているものと考えられる。
上記の応力発光の試験結果によって、表面層ないし中間層に特定条件の樹脂が混合されている場合であって、且つ、所定量の応力発光剤が含まれている時にのみ、安定した応力発光効果が得られることが分かった。
−耐洗濯性の試験結果−
[表2]
洗濯回数 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例2 比較例3
0 ○ ○ ○ ○ ○ × 〇
5 ○ ○ ○ ○ × × ×
10 ○ ○ ○ ○ × × ×
全体評価 良い 良い 良い 良い 悪い 悪い 悪い
○:発光効果が得られており、ひび割れや亀裂等が生じていないことを指す。
×:発光効果が得られていない、または、ひび割れや亀裂等が生じていたことを指す。
上記表2に示すように、実施例1〜実施例4は洗濯回数が5回、10回の時でも、洗濯をしていない状態(洗濯回数が0回の時)と変わらず、良好な応力発光効果が得られており、耐洗濯性に優れていることが分かる。これに対し比較例1〜比較例3では、洗濯後には発光効果が得られないか、あるいは応力発光積層体にひび割れや亀裂が生じてしまい、耐洗濯性が維持できていないことが分かる。
比較例1は、洗濯前にはある程度の応力発光効果が得られていたが、洗濯後にはひび割れや亀裂が生じてしまった。これは中間層における軟質系樹脂の割合が実施例1〜4に比べて低いことが原因であると考えられる。
また、比較例3洗濯後にひび割れや亀裂等は生じていなかったものの、応力発光効果がほとんど見られなかった(洗濯前には応力発光効果が得られていた)。これは、表面層にリン酸系処理(またはその他の表面処理)が施されていないため、応力発光剤が洗濯により流れ落ちてしまった可能性がある。
このように、耐洗濯性においても表面層ないし中間層に特定条件の樹脂が混合されている場合であって、且つ、所定量の応力発光剤が含まれている時にのみ、安定した応力発光効果が得られることが分かった。
以上のように、応力発光積層体が備える樹脂層としての表面層12を10質量%以上の応力発光剤と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物とすることで、衣類30に印刷または貼り付けた後にも良好な柔軟性と応力発光機能を維持しつつ、さらに耐洗濯性にも優れた応力発光積層体を得ることが出来る。
また、本発明に係る応力発光積層体は、例えば従来の再帰反射機能を有する積層体と組み合わせて使用することも出来る。特に本発明に係る応力発光積層体は暗い場所のほうが、はっきりとした発光効果が得られるものであることから、再帰性反射機能を有する積層体と組み合わせることで表示媒体として相乗的な効果が期待できる。
本発明に係る応力発光積層体は、印刷や熱圧着によって、スポーツウェア、ジャージ、ユニフォーム、Tシャツ類、シャツ類、パジャマ、タンクトップ、キャミソール、アンダーウェアなどの衣類に簡単に形成することができ、また、同時に耐摩耗性、耐水性などの堅牢度も維持しながら応力発光効果を得ることができる特徴を持つものである。また、本発明に係る応力発光積層体は耐久性を有していることから、例えばシューズやカバン等に利用することも出来る。
10 20 応力発光積層体
12 表面層
14 中間層
16 接着層
18 応力発光剤
30 衣類

Claims (6)

  1. 衣類に一体化させて使用し、且つ、応力を加えることで発光する応力発光積層体であって、
    当該応力発光積層体は、1層以上の樹脂層から形成されており、
    前記樹脂層のうち少なくとも1層は、10質量%以上の応力発光剤と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物であることを特徴とする応力発光積層体。
  2. 請求項1に記載の応力発光積層体であって、
    前記樹脂混合物は、1〜10質量%の顔料を含んでいることを特徴とする応力発光積層体。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の応力発光積層体であって、
    当該応力発光積層体は、表面層と中間層と接着層を含んで形成されており、
    前記中間層の一面側に表面層が設けられ、他面側に接着層が設けられ、
    前記接着層は、前記衣類と接する方向へ接着可能であって、
    前記表面層は、10質量%以上の応力発光剤と、20〜60質量%の硬質系樹脂と、該硬質系樹脂に対して0.5〜1倍の質量%を有する軟質系樹脂と、を含む樹脂混合物であることを特徴とする応力発光積層体。
  4. 請求項3に記載の応力発光積層体であって、
    前記中間層は、50質量%以上の軟質系樹脂を含む樹脂混合物であることを特徴とする応力発光積層体。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の応力発光積層体であって、
    前記応力発光剤は、ユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウムを含んでいることを特徴とする応力発光積層体。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の応力発光積層体であって、
    前記表面層の積層方向への厚さは、10μm〜100μmであって、
    前記中間層の積層方向への厚さは、10μm〜60μmであることを特徴とする応力発光積層体。
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