JP2022046873A - 蓄光積層体 - Google Patents

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由隆 石原
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Abstract

【課題】 本発明は、蓄光機能を有する黒色蓄光積層体の改良技術に関する。【解決手段】 衣類に一体化させて使用し、且つ、蓄光機能を有して暗所で燐光が生じる蓄光積層体10である。当該蓄光積層体10は、着色顔料を含んだ着色樹脂層14と、該着色樹脂層14の一面側に設けられた蓄光樹脂層12と、該着色樹脂層14の他面側に設けられ前記衣類と接する方向へ接着可能な接着層16と、を含んで形成される。前記蓄光樹脂層12は、前記着色樹脂層14に積層されたメイン蓄光樹脂層12aと、該メイン蓄光樹脂層12aに積層されたサポート蓄光樹脂層1bと、を含んで形成され、前記メイン蓄光樹脂層12aには50質量%~70質量%の蓄光剤が含まれ、前記サポート蓄光樹脂層12bには10質量%~40質量%の蓄光剤が含まれていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は衣類に一体化させて使用する積層体、特に蓄光機能を有する蓄光積層体の改良技術に関する。
近年、蓄光材料の高輝度技術は飛躍的な進歩を遂げている。このような背景のもと、蓄光材料を利用した製品開発が行われており、例えば蓄光材料をテープやシールに含有させることでさまざまな物品に対して簡単に蓄光機能を持たせることができるようになった。
ところで一般的な蓄光製品は、例えばアイボリー色(蓄光顔料そのものの色)等の明るい色を有していることが多い。これは蓄光材料の特性上、例えば黒色などの濃い色と合わせても蓄光が困難であり(蓄光材料における光エネルギーの吸収が妨げられてしまうため)、良好な燐光作用を得ることができないことによる。
一方で、昨今の高輝度化を背景として赤色や青色などさまざまな色の製品に対して蓄光機能を持たせたいというニーズが増えており、特に建築や衣類などの分野においては黒色の製品(黒色物品、黒色衣類)に蓄光機能を持たせたいというニーズがより一層高まっている。
しかしながら、上述のように蓄光材料の高輝度化が進んだとはいっても、例えば一般的な蓄光材料を黒色顔料とともにそのまま混合させたり、あるいは蓄光材料を黒色製品にそのまま貼り付けても、実際には蓄光材料は光エネルギーを吸収できなくなってしまうため(または吸収効率が著しく低下するため)良好な燐光作用を得ることは困難である。
そこで特許文献1には、樹脂材料にカーボンブラック0.5~1.5%及び着色顔料(焦げ茶、黒、灰色など)0.5~1.5%並びに蓄光材料(アルミン酸ストロンチウム母結晶にホウ素、ユーロピウム、ディスプロシウムを含む蓄光材料)10~40%を混合し、当該樹脂軟化点より10~50℃高い温度に加熱し、得られた樹脂混合物を成形することで、照明時における美観を損なわない蓄光性蛍光体材料からなる蓄光性幅木(蓄光機能を有する黒色の幅木)を実現できることが開示されている。
また、特許文献2には、着色層に含まれる蛍りん光体の粒子が単独又は複数が連続して前記着色層を厚み方向に貫通して存在することで(蛍りん光体が着色層の厚みよりも大きい粒子径を有することで)、着色層が金色、銀色、および黒色などであっても良好なりん光作用を得ることができる熱転写用積層体に関する技術が開示されている。
特開2007-132149号公報 特開平9-31869号公報
上記のとおり、特許文献1の技術を利用すれば蓄光機能を有する黒色製品は実現可能であるが、例えば柔軟性や耐洗濯性が要求される衣類等にはこの技術をそのまま利用することができない。特に本発明者らの調査では、蓄光材料が多く含まれた衣類等を洗濯すると、洗濯後に当該部分(蓄光材料が多く含まれている部分)が白化してしまうこと(白くなってしまうこと)が分かっている。
また、特許文献2は熱転写用積層体に関する技術であるが、着色層の厚みに対する蛍りん光体の粒子径が大きいため、すなわち、着色層から蛍りん光体がはみ出した状態で存在しているために耐洗濯性が要求される衣類等には利用することができない。
特に蛍りん光体粒子の複数が連続して着色層を貫通する状態においては、蛍りん光体の含有量を多くしなければならず、柔軟性や耐洗濯性に加えて上記白化の問題(白化現象とも呼ぶ)も生じてしまう。この蛍りん光体を有する部分が白化してしまえばそもそも熱転写用積層体の黒色は視認することができない。一方で、特許文献2において蛍りん光体の含有量を減らしてしまうと燐光作用を得ることができないため、特許文献2の技術では蓄光機能を有する黒色衣類や蓄光機能を有する黒色積層体は実現が不可能である。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、衣類などに印刷または貼り付けた後であっても、良好な柔軟性と燐光作用を維持しながら、且つ、耐洗濯性や視認性にも優れた蓄光積層体(および黒色蓄光積層体)を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る蓄光積層体は、
衣類に一体化させて使用し、且つ、蓄光機能を有して暗所で燐光が生じる蓄光積層体であって、
当該蓄光積層体は、着色顔料を含んだ着色樹脂層と、該着色樹脂層の一面側に設けられた蓄光樹脂層と、該着色樹脂層の他面側に設けられ前記衣類と接する方向へ接着可能な接着層と、を含んで形成され、
前記蓄光樹脂層は、前記着色樹脂層に積層されたメイン蓄光樹脂層と、該メイン蓄光樹脂層に積層されたサポート蓄光樹脂層と、を含んで形成され、
前記メイン蓄光樹脂層には、50質量%~70質量%の蓄光剤が含まれ、
前記サポート蓄光樹脂層には、10質量%~40質量%の蓄光剤が含まれていることを特徴とする。
また、前記本発明に係る蓄光積層体において、
前記着色樹脂層には前記着色顔料として黒色顔料が含まれ、該黒色顔料にはカーボンブラックが含まれることを特徴とする。
また、前記本発明に係る蓄光積層体において、
前記メイン蓄光樹脂層には、平均粒径40μm~60μmの粗粒子蓄光剤と平均粒径10μm~30μmの細粒子蓄光剤が混合され、
前記サポート蓄光樹脂層には、前記粗粒子蓄光剤と前記細粒子蓄光剤が混合されていることを特徴とする。
また、前記本発明に係る蓄光積層体において、
前記粗粒子蓄光剤は、前記細粒子蓄光剤に対して2倍以上の平均粒径を有することを特徴とする。
本発明によれば、蓄光樹脂層をメイン蓄光樹脂層と該メイン蓄光樹脂層に積層されたサポート蓄光樹脂層として形成し、メイン蓄光樹脂層には50質量%~70質量%の蓄光剤が含有されるとともにサポート蓄光樹脂層には10質量%~40質量%の蓄光剤が含有されることで、良好な柔軟性と燐光作用を維持し、且つ、耐洗濯性や視認性にも優れた蓄光積層体を提供することができる。
例えば、着色樹脂層に黒色顔料を含有させることで、従来は実現不可能であった良好な柔軟性と燐光作用を維持し、且つ、耐洗濯性や視認性にも優れた黒色蓄光積層体を得ることができる。
本発明の実施形態に係る蓄光積層体の断面図を示す。 本発明の実施形態に係る蓄光積層体における蓄光樹脂層の変形例を示す。 本発明の実施形態に係る蓄光積層体を衣類に貼り付ける工程の概略説明図を示す。 衣類へ直接印刷して形成された蓄光積層体の断面図および印刷工程の概略を示す。
以下、本発明の蓄光積層体について図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を超えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。
図1には、本実施形態に係る蓄光積層体10の断面図を示す。同図に示すように蓄光積層体10は、蓄光樹脂層12、着色樹脂層14、接着層16を含んで形成されている。図1に示すように、着色樹脂層14の一面側には蓄光樹脂層12が設けられ、他面側には接着層16が設けられている。
また、本実施形態に係る蓄光樹脂層12は、着色樹脂層14に積層されたメイン蓄光樹脂層12aと、該メイン蓄光樹脂層12aに積層されたサポート蓄光樹脂層12bと、を含んで形成されている。
図1における蓄光樹脂層12は2層構造(メイン蓄光樹脂層12aおよびサポート蓄光樹脂層12b)として形成されているが、例えば蓄光樹脂層12を3層以上で形成することもできる。
蓄光樹脂層12をこのような多層構造として形成することで、衣類に当該蓄光積層体10を貼り付けた際に耐洗濯性や視認性(例えば照明時の黒色蓄光積層体の視認性)を維持しながらより良好な燐光作用を得ることができる。
蓄光樹脂層12には、暗所において燐光作用が得られる蓄光剤18が含有されている。つまり、蓄光樹脂層12は当該蓄光積層体10に蓄光機能を持たせるために設けられている。なお、本明細における蓄光とは照射された光エネルギーを蓄えることを意味し、燐光とは蓄光性を持つ物質が暗所で発光する光のことを意味する。
着色樹脂層14には着色顔料20が含有されており、当該蓄光積層体10を所定の色に着色するために設けられている。また、接着層16は当該蓄光積層体10を例えば衣類などに貼り付けるために設けられている。
そして図2には、本実施形態に係る蓄光積層体10における蓄光樹脂層12の変形例を示す。同図に示すように着色樹脂層14に積層されたメイン蓄光樹脂層12aには、暗所において燐光作用が得られる蓄光剤18として粗粒子蓄光剤18aと、該粗粒子蓄光剤18aよりも小さい粒子径を有する細粒子蓄光剤18bと、が混合されている。同様に、メイン蓄光樹脂層12aに積層されたサポート蓄光樹脂層12bには、前記粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bが混合されている。
図2におけるメイン蓄光樹脂層12aには、例えば粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bとが1:1の割合で混合されていることが好ましい。
この場合、サポート蓄光樹脂層18bには、該サポート蓄光樹脂層12b全体の質量に対して20質量%~30質量%の蓄光剤18(粗粒子蓄光剤18aおよび細粒子蓄光剤18b)が混合されていることが好ましく、特に15質量%~25質量%の蓄光剤18が混合されていることが好適である。
図3には、本実施形態に係る蓄光積層体10を衣類100に貼り付ける工程の概略説明図を示す。蓄光積層体10を衣類100の所定位置に配置させた後、蓄光樹脂層12側(サポート蓄光樹脂層12b側)から熱が加えられる(図3(a))。その熱によって接着層16を溶かした後に当該蓄光積層体10を冷却することで、該蓄光積層体10を備えた衣類100を得ることができる(図3(b))。
図4には、本実施形態において衣類100へ直接印刷して形成された蓄光積層体30の断面および印刷工程の概略イメージ図を示す。はじめに衣類100の所定位置へ着色樹脂層14を印刷する(図4(a))。乾燥工程の後、着色樹脂層14の上方(図4を正面から見た場合の上方)にメイン蓄光樹脂層12aを印刷する(図4(b))。そして再度の乾燥工程を経て、メイン蓄光樹脂層12aの上方にサポート蓄光樹脂層12bを印刷する(図4(c))。
図4に示すとおり本実施形態に係る蓄光積層体30は、衣類100へ直接印刷することで形成されていることから、図1~図3に示された蓄光積層体10における接着層16に相当する層はなくてもよい。
蓄光樹脂層
本実施形態に係る蓄光樹脂層12は、蓄光剤18(18a、18b)が混合される樹脂として例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、1液型樹脂、2液型樹脂などを利用することができる。蓄光樹脂層12に含まれる蓄光剤18の大きさは特に限定されるものではないが、例えば蓄光樹脂層12には平均粒径40μm~60μmの粗粒子蓄光剤18aと平均粒径10μm~30μmの細粒子蓄光剤18bとが混合されていることが好ましく、特に好ましくは平均粒径45μm~55μmの粗粒子蓄光剤18aと平均粒径15μm~25μmの細粒子蓄光剤18bとが混合されていることが好適である。さらに粗粒子蓄光剤18aは、細粒子蓄光剤18bに対して2倍以上の平均粒径を有することが好ましい。
なお、本明細書における平均粒径とは、測定対象の粒子について、レーザ回析・散乱法を用いて得られる個数基準による粒度分布の50%積算値(粒度分布における平均粒径D50)を意味するものである。
ここで、上述したように蓄光樹脂層12に対する蓄光剤18の含有量が多すぎると白化現象が生じてしまう。一方で蓄光剤18の含有量が少なすぎると燐光作用を得ることができない。
そこで本実施形態に係る蓄光積層体10には、白化現象を抑制しながら良好な燐光作用や耐洗濯性を得るために、所定量の蓄光剤18が含有されたメイン蓄光樹脂層12aと該メイン蓄光樹脂層12aよりも少ない量の蓄光剤18が含有されたサポート蓄光樹脂層12bと、を形成しているのである。
このような観点から本実施形態に係るメイン蓄光樹脂層12aには該メイン蓄光樹脂層12a全体の質量に対して50質量%~70質量%の蓄光剤18が含まれ、サポート蓄光樹脂層12bには該サポート蓄光樹脂層12b全体の質量に対して10質量%~40質量%の蓄光剤18が含まれていることが好ましい。より好ましくは、メイン蓄光樹脂層12aには55質量%~65質量%の蓄光剤18が含まれ、サポート蓄光樹脂層12bには12質量%~35質量%の蓄光剤18が含まれていることが好適である。
そして、図2に示したように本実施形態における蓄光樹脂層12では粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bを利用することもできる。メイン蓄光樹脂層12aおよびサポート蓄光樹脂層12bに粗粒子蓄光剤18aとともに細粒子蓄光剤18bを混合させることで、さらに良好な燐光作用(および白化現象の抑制効果)を得ることができる。
このような観点から蓄光樹脂層12には、該蓄光樹脂層12全体の質量に対して10質量%~50質量%の粗粒子蓄光剤18aと5質量%~25質量%の細粒子蓄光剤18bが含まれていることが好ましい。より好ましくは、蓄光樹脂層12には15質量%~40質量%の粗粒子蓄光剤18aと7質量%~20質量%の細粒子蓄光剤18bが含まれていることが好適である。
また、本実施形態に係るメイン蓄光樹脂層12aには該メイン蓄光樹脂層12a全体の質量に対して50質量%~70質量%の蓄光剤18(粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bを混合したもの)を含有し、サポート蓄光樹脂層12bには該サポート蓄光樹脂層12b全体の質量に対して10質量%~40質量%の蓄光剤18(粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bを混合したもの)を含有させることが好ましい。
より好ましくは、メイン蓄光樹脂層12aには55質量%~65質量%の蓄光剤18(粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bを混合したもの)を含有し、サポート蓄光樹脂層12bには12質量%~35質量%の蓄光剤18(粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bを混合したもの)を含有させることが好適である。
加えて、本実施形態に係る蓄光樹脂層12は、例えばエンボス加工が施されていても良い。蓄光樹脂層12(サポート蓄光樹脂層12b)にエンボス加工を施すことで照明時における反射を抑制できるので、例えば黒色蓄光積層体においてはツヤ消しの効果(マット調)が期待できる。
<熱硬化性樹脂>
本明細書における熱硬化性樹脂とは、初期重合物を加熱することで架橋反応を起こし、硬化する樹脂をあらわしている。したがって、熱硬化性樹脂は架橋反応後(加熱後)に再度加熱をしても軟化しなくなる性質を持つ。前記熱硬化性樹脂としては、例えばウレタン樹脂(PU)、エポキシ樹脂(EP)、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、シリコン樹脂(SI)、ポリイミド樹脂(PI)などを挙げることができる。その中でも、柔軟性等の樹脂特性やコスト等の観点から特にウレタン樹脂(PU)が好適である。なお、上記熱硬化性樹脂は単独に限定されるものではなく、2種類以上の樹脂を併用(混合)して利用することもできる。
<熱可塑性樹脂>
本明細書における熱可塑性樹脂とは、熱硬化性樹脂のように高分子間で架橋する構造ではなく、一定の温度以上(100℃~300℃)に加熱することで軟化して可塑性をもち、冷却すると固化する樹脂をあらわしている。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂(PU)、ポリエステル(PEs)、ABS樹脂(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネイト(PC)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリスルホン(PSF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)などを挙げることができる。その中でも特に柔軟性等の樹脂特性やコスト等の観点からポリウレタン樹脂(TPU)が好適である。なお、上記熱可塑性樹脂は単独に限定されるものではなく、2種類以上の樹脂を併用(混合)して利用することもできる。また、樹脂特性を改良するために上記熱可塑性樹脂と任意の架橋剤を反応させて架橋反応を行っても良い。
<1液型樹脂>
本明細書における1液型樹脂とは、空気中の湿気を吸湿して、あるいは蒸発・乾燥して架橋反応を起こし、硬化する樹脂をあらわしている。したがって、1液型樹脂は架橋反応後には再度軟化しなくなる性質を持つ。1液型樹脂としては、例えば湿気硬化型樹脂、蒸発乾燥型樹脂などを挙げることができる。その中でも特に柔軟性等の樹脂特性やコスト等の観点から蒸発乾燥型樹脂が好適である。なお、上記1液型樹脂は単独に限定されるものではなく、2種類以上の樹脂を併用(混合)して利用することもできる。
<2液型樹脂>
本明細書における2液型樹脂とは、主剤に硬化剤(架橋剤)を混ぜ合わせることで架橋反応を起こし、硬化する樹脂をあらわしている。したがって、2液型樹脂は架橋反応後には再度軟化しなくなる性質を持つ。2液型樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂などを挙げることができる。その中でも特に柔軟性等の樹脂特性やコスト等の観点からウレタン系樹脂が好適である。なお、上記2液型樹脂は単独に限定されるものではなく、2種類以上の樹脂を併用(混合)して利用することもできる。
<蓄光剤>
本明細書における蓄光剤とは、光エネルギーを蓄えることで光照射を止めた後に暗所で燐光作用が得られる物質をあらわしている。蓄光剤18の主成分としては、例えばアルミン酸ストロンチウム、ユウロピウム、ジスプロシウム、硫化カルシウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウムなどを利用することができる。本実施形態では、燐光時間などの観点からアルミン酸ストロンチウムを蓄光剤18(粗粒子蓄光剤18aおよび細粒子蓄光剤18b)として利用することが好ましい。
着色樹脂層
本実施形態に係る着色樹脂層14は、上記蓄光樹脂層12と同様に着色顔料20が混合される樹脂として熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、1液型樹脂、2液型樹脂などを利用することができる。本実施形態では、着色樹脂層14に例えば熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。また、本実施形態に係る着色樹脂層14には、該着色樹脂層14全体の質量に対して5質量%~80質量%の着色顔料20が混合されている。
<着色顔料>
本明細書における着色顔料20は、当該蓄光積層体10を所定の色に着色するための粉末顔料である。本実施形態における着色顔料20は特に限定されるものではないが例えば黒色顔料、茶色顔料、紺色顔料、赤色顔料、青色顔料、白色顔料などであり、その中でも特に着色顔料20が黒色顔料であることが好ましい。黒色顔料としては例えばカーボンブラック、活性炭、黒酸化鉄、グラファイトなどを利用することができる。本実施形態における着色顔料20は、カーボンブラックを含んだ黒色顔料であることが好ましい。
接着層
本実施形態に係る接着層16は、蓄光積層体10を衣類100に貼り付けるための接着作用を発揮できればよく、市販されている接着材などを利用することも出来る。但し、蓄光積層体10は洗濯時の負荷および洗濯時に使用する洗剤への耐薬剤性を有している必要があるため、接着層16には熱可塑性材料またはホットメルト材料を使用することが好ましい。
更に、その熱可塑性材料の中でも、蓄光樹脂層12や着色樹脂層14との相溶性の観点から、接着層16にはウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂が好ましく、特に熱可塑性ポリウレタン系樹脂を使用することが好適である。
具体的な熱可塑性材料としては、ホットメルトパウダー、ホットメルトフィルム、ホットフィルムシート(エーテル系、エステル系)などを使用することができる。また、接着層16の形態は、例えば加熱により流動化可能な熱可塑性材料を着色樹脂層14に塗布することも可能であるが、本実施形態では熱可塑性ポリウレタン系樹脂を厚さ30μm~150μm、特に好ましくは50μm~120μm程度の範囲となるように塗工している。
以下、実施例により、本発明についてさらに具体的に説明を行うが、本発明の趣旨を超えない限り何ら以下の実施例に限定されるものではない。
ここでは、本発明に係る蓄光積層体10の洗濯後における燐光作用の有無、白化現象の有無、および耐洗濯性を確認するための試験を行った。具体的には、実施例1~実施例10、および比較例1~比較例6に係る蓄光積層体10を張り付けた生地に対して以下の条件による耐洗濯性試験を行い、その後に燐光作用の有無および白化現象の有無についてそれぞれ目視確認を行った。

・試験方法
洗濯方法:JIS L 0217 103法
洗濯機:二層式家庭用電気洗濯機
洗濯方法詳細:浴比 :1:30
水流 :強
洗い :5分(水温:40℃)
すすぎ回数 :2回(水温:30℃以下)
洗濯洗剤 :洗濯用合成洗剤(市販品)
乾燥 :脱水後、吊干し
実施例1
熱可塑性樹脂(日本シーマ株式会社製:MREシリーズ)に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18a(栄ホールディングス株式会社製:RZS-YGシリーズのLM-YG-50)が24質量%となるように含有して、サポート蓄光樹脂層12bをシルクスクリーン印刷により製作する(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して10gの粗粒子蓄光剤を混合)。
その後、熱可塑性樹脂(日本シーマ株式会社製:MREシリーズ)に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18a(栄ホールディングス株式会社製:RZS-YGシリーズのLM-YG-50)が31質量%、および平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18b(根本特殊化学株式会社製:N夜光(ルミノーバ)シリーズのGLL300M)が31質量%となるように混合して、上記サポート蓄光樹脂層12bにメイン蓄光樹脂層12aをシルクスクリーン印刷により製作する(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して25gの粗粒子蓄光剤と25gの細粒子蓄光を混合)。
この時、剥離可能なフィルム上に蓄光樹脂層12(サポート蓄光樹脂層12b)を印刷する。その上から(メイン蓄光樹脂層12aの上から)、着色樹脂層14をシルクスクリーン印刷により製作する(着色樹脂層14の総量に対して23質量%のカーボンブラックを配合)。その後、図1に示すような接着層16をシルクスクリーン印刷により製作し、乾燥工程を経て、蓄光積層体10を製作した。
実施例1では、蓄光樹脂層12の厚さ(12aと12bを合わせた厚さ)は120μm、着色樹脂層14の厚さは30μm、接着層の厚さは90μmとした。また、上記のとおり粗粒子蓄光剤18aの大きさは平均粒径50μm、細粒子蓄光剤18bの大きさは平均粒径25μmとした。
このようにして製作した蓄光積層体10を150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで、蓄光積層体10を貼り付けた生地が得られた。本実施例における蓄光積層体10はシルクスクリーン印刷で製作されているが、これに限られず、例えばロールコーター等の別の方法で製作しても良い。
実施例2
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの細粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に14質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して5gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例3
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの細粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に24質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して10gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例4
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの細粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に33質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して15gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例5
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に14質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して5gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例6
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に24質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して10gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例7
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に33質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して15gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例8
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合)、平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に14質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して5gの粗粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例9
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合)、平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に24質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して10gの粗粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例10
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aが62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合)、平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18bを熱可塑性樹脂に33質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して15gの粗粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例1
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの細粒子蓄光を混合、サポート蓄光樹脂層12bなし)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例2
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを49質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して30gの細粒子蓄光を混合、サポート蓄光樹脂層12bなし)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例3
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを24質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して10gの細粒子蓄光を混合、サポート蓄光樹脂層12bなし)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例4
熱可塑性樹脂に平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを49質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して30gの細粒子蓄光剤を混合)、平均粒径25μmの細粒子蓄光剤18bを24質量%となるように入れてサポート蓄光樹脂層12bを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して10gの細粒子蓄光剤を混合)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例5
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aを49質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して30gの粗粒子蓄光剤を混合、サポート蓄光樹脂層12bなし)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
比較例6
熱可塑性樹脂に平均粒径50μmの粗粒子蓄光剤18aを62質量%となるように入れてメイン蓄光樹脂層12aを製作し(固形分31質量%の樹脂溶液100gに対して50gの粗粒子蓄光剤を混合、サポート蓄光樹脂層12bなし)、150℃に熱したアイロンで15秒間~20秒間かけて生地に熱圧着することで蓄光積層体10を貼り付けた生地を得た。それ以外の工程は実施例1と同様である。
実施例1~実施例10の条件
実施例1
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤31%/細粒子蓄光剤31%
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤24%/細粒子蓄光剤なし
実施例2
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤62%
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤14%
実施例3
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤62%
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤24%
実施例4
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤62%
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤33%
実施例5
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤14%
実施例6
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤24%
実施例7
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤33%
実施例8
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤14%/細粒子蓄光剤なし
実施例9
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤24%/細粒子蓄光剤なし
実施例10
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤33%/細粒子蓄光剤なし
比較例1~比較例6の条件
比較例1
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤62%
比較例2
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤49%
比較例3
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤24%
比較例4
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤49%
サポート蓄光樹脂層:粗粒子蓄光剤なし /細粒子蓄光剤24%
比較例5
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤49%/細粒子蓄光剤なし
比較例6
メイン蓄光樹脂層 :粗粒子蓄光剤62%/細粒子蓄光剤なし
[表1]
燐光作用 白化現象 耐洗濯性(洗濯回数5回)
実施例1 ◎ ◎ 良い
実施例2 〇 ◎ 良い
実施例3 ◎ ◎ 良い
実施例4 ◎ 〇 良い
実施例5 〇 ◎ 良い
実施例6 ◎ ◎ 良い
実施例7 ◎ 〇 良い
実施例8 〇 ◎ 良い
実施例9 ◎ ◎ 良い
実施例10 ◎ 〇 良い
比較例1 ◎ × 良い
比較例2 × △ 良い
比較例3 × ◎ 良い
比較例4 × 〇 良い
比較例5 △ △ 良い
比較例6 ○ △ 良い
◎:目視確認により非常に良い結果(燐光作用が非常に良好、白化現象なし)が得ら
れていたことを示す。
○:目視確認により良い結果(燐光作用が良好、白化現象ほとんどなし)が得られて
いたことを示す。
△:目視確認によりやや悪い結果(燐光作用がほとんどない、白化現象が少しあり)
が得られていたことを示す。
×:目視確認により悪い結果(燐光作用がない、白化現象あり)が得られていたこと
を示す。
上記表1に示すように、実施例1ないし実施例10はいずれも良好な燐光作用が得られているとともに白化現象は生じておらず、さらに耐洗濯性も良い結果となっていることが分かる。実施例2ないし実施例10によれば、蓄光樹脂層12に粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bとを混合させなくても、蓄光樹脂層12をメイン蓄光樹脂層12aとサポート蓄光樹脂層12bの2層構造にすることで、良好な結果が得られていることが分かる。
すなわち、蓄光剤18の大きさに関わらず、それぞれ所定量の蓄光剤18をメイン蓄光樹脂層12aおよびサポート蓄光樹脂層12bに含有することで本発明に係る蓄光積層体10が得られる結果となった。特に蓄光樹脂層(メイン蓄光樹脂層12a)に粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bとが混合されている実施例1では、非常に良い結果(燐光作用、白化現象いずれも◎)が得られていることが分かる。
これに対し、1層構造であるとともに粗粒子蓄光剤18aを含まない比較例1~3では、細粒子蓄光剤18bの含有量が多ければ燐光作用を得ることができるが、その一方で白化現象があらわれてしまう結果となった(比較例1)。逆に細粒子蓄光剤18bの含有量を減らすことで白化現象は改善される傾向にあるが、燐光作用が得られなくなる結果となった(比較例2、比較例3)。つまり、比較例1~3では本発明に係る蓄光積層体10を得ることができなかった。
また、比較例4では、蓄光樹脂層12をメイン蓄光樹脂層12aとサポート蓄光樹脂層12bの2層構造として形成することで燐光作用を得ながら白化現象を改善できる傾向にあるが良好な結果であるとは言えず(×の結果が含まれている)、比較例1~3と同様に、すなわち、燐光作用と白化現象とのバランスが取れておらず(一方が良くなると他方は改善できない)、すなわち、比較例4における蓄光剤の含有量では本発明に係る蓄光積層体10を得ることができない結果となった。
そして、比較例5および比較例6では、蓄光剤18として粗粒子蓄光剤18aを使用することで細粒子蓄光剤18bを使用した比較例1~3と比べた場合には、燐光作用、白化現象ともに改善された結果が得られている。つまり、蓄光剤18として粗粒子蓄光剤18aを使用することで燐光作用を得ながら白化現象を抑えられる傾向がある。
しかしながら比較例5および比較例6の結果では、その効果は不十分であり(△の結果が含まれている)、本発明に係る蓄光積層体10を得るには至らなかった。また、比較例1~3、および比較例5、6によれば、蓄光樹脂層が単層構造の場合には蓄光剤の含有量に関わらず燐光作用と白化現象とのバランスをとることができなかった。
以上の試験結果から生地に貼り付けた黒色蓄光積層体においては、蓄光樹脂層12を2層構造(メイン蓄光樹脂層12aおよびサポート蓄光樹脂層12b)にして所定量の蓄光剤18を含有させることで、良好な黒色蓄光積層体となることが分かった。
さらに本発明では、(1)蓄光剤18の含有量を多くすれば燐光作用が得られる一方、白化現象が生じてしまい、(2)細粒子蓄光剤18bに比べて平均粒径が大きい粗粒子蓄光剤18aを利用することで少ない含有量であっても燐光作用が得られるので、その結果、燐光作用の効果に対して白化現象を抑制できる。そして上記のとおり(3)蓄光樹脂層12を2層構造(メイン蓄光樹脂層12aおよびサポート蓄光樹脂層12b)にして所定量の蓄光剤18を含有させることで、燐光作用が得られるとともに白化現象を抑制し、且つ、柔軟性や耐洗濯性を維持することができ、(4)蓄光樹脂層12に粗粒子蓄光剤18aと細粒子蓄光剤18bを含有させることで、さらに良好な黒色蓄光積層体となることが分かった。
このように本発明に係る蓄光積層体10によれば、着色樹脂層14に黒色顔料を含み、メイン蓄光樹脂層12aには50質量%~70質量%の蓄光剤18が含有されるとともにサポート蓄光樹脂層12bには10質量%~40質量%の蓄光剤18が含有されることで、良好な柔軟性と燐光作用を維持し、且つ、耐洗濯性や視認性にも優れた蓄光積層体10を得ることができる。
また、本実施形態では主に黒色の蓄光積層体について説明しているが、例えば茶系、紺色系、白系、黄緑系、水色系、ピンク系、および発色の良い他の色等であっても本発明と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る蓄光積層体は、印刷や熱圧着によって、スポーツウェア、ジャージ、ユニフォーム、Tシャツ類、シャツ類、パジャマ、タンクトップ、キャミソール、アンダーウェア、靴下、帽子などに簡単に形成することができ、且つ、着色樹脂層に黒色顔料が含まれていても白化現象を抑制しながら良好な燐光作用と耐洗濯性とを得ることができる。
10 30 蓄光積層体
12 蓄光樹脂層
12a メイン蓄光樹脂層
12b サポート蓄光樹脂層
14 着色樹脂層
16 接着層
18 蓄光剤
18a 粗粒子蓄光剤
18b 細粒子蓄光剤
20 着色顔料
100 衣類

Claims (4)

  1. 衣類に一体化させて使用し、且つ、蓄光機能を有して暗所で燐光が生じる蓄光積層体であって、
    当該蓄光積層体は、着色顔料を含んだ着色樹脂層と、該着色樹脂層の一面側に設けられた蓄光樹脂層と、該着色樹脂層の他面側に設けられ前記衣類と接する方向へ接着可能な接着層と、を含んで形成され、
    前記蓄光樹脂層は、前記着色樹脂層に積層されたメイン蓄光樹脂層と、該メイン蓄光樹脂層に積層されたサポート蓄光樹脂層と、を含んで形成され、
    前記メイン蓄光樹脂層には、50質量%~70質量%の蓄光剤が含まれ、
    前記サポート蓄光樹脂層には、10質量%~40質量%の蓄光剤が含まれていることを特徴とする蓄光積層体。
  2. 請求項1に記載の蓄光積層体であって、
    前記着色樹脂層には前記着色顔料として黒色顔料が含まれ、該黒色顔料にはカーボンブラックが含まれることを特徴とする蓄光積層体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蓄光積層体であって、
    前記メイン蓄光樹脂層には、平均粒径40μm~60μmの粗粒子蓄光剤と平均粒径10μm~30μmの細粒子蓄光剤が混合され、
    前記サポート蓄光樹脂層には、前記粗粒子蓄光剤と前記細粒子蓄光剤が混合されていることを特徴とする蓄光積層体。
  4. 請求項3に記載の蓄光積層体であって、
    前記粗粒子蓄光剤は、前記細粒子蓄光剤に対して2倍以上の平均粒径を有することを特徴とする蓄光積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7368033B1 (ja) 2023-06-13 2023-10-24 エルティーアイ株式会社 蓄光シート及びその製造方法

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