JP2020150956A - ソフトチョコレート - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示の課題は、焼成複合食品生地に含まれて焼成されても、常温での可塑性または流動性を有するソフトチョコレートを提供することである。【解決手段】油脂の連続相を有し、糖類を含有する、ソフトチョコレートであって、前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で4〜34%、20℃で2〜24%、および30℃で0〜4%であり、0.25〜1.3質量%のリン脂質を含む、前記ソフトチョコレートが提供される。さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む、ソフトチョコレートが提供される。【選択図】なし
Description
本開示は、焼成後も軟らかい食感が維持される、ソフトチョコレートに関する。
チョコレートの食感は、焼成されることにより変化する。通常は、焼成により、チョコレートの表面は硬く変質する。そのため、焼成されたチョコレートは、手に取ってもべとつかないという利点がある。しかし、焼成により、チョコレートの食感も硬く変質してしまう。チョコレートを含むベーカリー生地を焼成することにより得られる、多くの焼成複合食品には、チョコレートの食感が焼成により変化しないことが求められる。特に、ベーカリー生地に包餡されたソフトチョコレートは、焼成後もソフトな食感を維持することが必要である。
特開昭58−60944号公報には、0.1〜0.7重量%のHLB10以上の蔗糖脂肪酸エステルが配合されたチョコレートが開示されている。当該チョコレートは、焼菓子のドウに混入されて、焼成されても、その型崩れも、油滲みも、硬化も生じない。また、特開平11−225674号公報には、0.05〜1重量%のポリグリセリンオレイン酸モノエステル及び0.05〜1重量%のHLB5以下のポリグリセリンオレイン酸エステルが添加されたチョコレート類が開示されている。当該チョコレート類は、スナック菓子生地中に入れて焼成されても、その硬化により食感が損なわれることがない。
しかしながら、上記特許文献に記載のチョコレートは、常温で固形のチョコレートである。そのため、この文献に開示の技術を常温で可塑性または流動性を有するソフトチョコレートに適用しても、得られる効果が乏しい。
本開示の課題は、焼成複合食品生地に含まれて焼成されても、常温での可塑性または流動性を有するソフトチョコレートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、チョコレートに含まれる油脂が、特定の固体脂含有量(SFC)を有し、特定量のリン脂質を含有することにより、本課題が解決できることが見いだされた。これにより、本開示のソフトチョコレートが完成するに至った。
すなわち、本開示は、以下のソフトチョコレートおよび当該ソフトチョコレートを含有する焼成複合食品を提供する。
(1)油脂の連続相を有し、糖類を含有する、ソフトチョコレートであって、
前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で4〜34%、20℃で2〜24%、および30℃で0〜4%であり、
0.25〜1.3質量%のリン脂質を含む、
前記ソフトチョコレート。
(2)さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む、(1)のソフトチョコレート。
(3)前記糖類が、乳糖を含有する、(1)または(2)のソフトチョコレート。
(4)(1)〜(3)の何れか1つのソフトチョコレートを含む、複合食品。
(5)包餡されたのち、焼成された(1)〜(3)の何れか1つのソフトチョコレートを含む焼成複合食品。
(1)油脂の連続相を有し、糖類を含有する、ソフトチョコレートであって、
前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で4〜34%、20℃で2〜24%、および30℃で0〜4%であり、
0.25〜1.3質量%のリン脂質を含む、
前記ソフトチョコレート。
(2)さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む、(1)のソフトチョコレート。
(3)前記糖類が、乳糖を含有する、(1)または(2)のソフトチョコレート。
(4)(1)〜(3)の何れか1つのソフトチョコレートを含む、複合食品。
(5)包餡されたのち、焼成された(1)〜(3)の何れか1つのソフトチョコレートを含む焼成複合食品。
本開示によれば、焼成複合食品生地に含まれて焼成されても、常温での可塑性または流動性を有するソフトチョコレートを提供することができる。また、当該ソフトチョコレートを含む焼成複合食品生地、および、当該生地を焼成して得られる焼成複合食品、を提供することができる。
以下、本開示について順を追って記述する。
なお、本開示において特に説明のない場合、A(数値)〜B(数値)は、A(数値)以上B(数値)以下を意味する。
なお、本開示において特に説明のない場合、A(数値)〜B(数値)は、A(数値)以上B(数値)以下を意味する。
本開示においてチョコレートとは、チョコレート類の表示に関する日本の公正競争規約(全国チョコレート業公正取引協議会)または法規に規定されているチョコレートに限定されない。本開示におけるチョコレートは、食用油脂、並びに、糖類を主原料とする。主原料には、必要に応じて、カカオ成分(カカオマス、ココアパウダーなど)、乳製品、香料、または乳化剤などが加えられる。かかるチョコレートは、チョコレートの製造工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、および、冷却工程など)の全部または一部を経て製造されうる。また、本開示におけるチョコレートは、ダークチョコレートおよびミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレートおよびカラーチョコレートも含む。
本開示のソフトチョコレートは、上記チョコレートにおいて、油脂を連続相とし、チョコレートに含まれる油脂が、以下の固体脂含有量(SFC)を満たすチョコレートである。本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂のSFCは、10℃で4〜34%、20℃で2〜24%、30℃で0〜4%であり、好ましくは、10℃で4〜28%、20℃で2〜14%、30℃で0〜3%であり、より好ましくは、10℃で4〜16%、20℃で3〜11%、30℃で0〜2%であり、さらに好ましくは、10℃で5〜12%、20℃で3〜9%、30℃で0〜2%である。本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂のSFCが上記範囲内にあると、ソフトチョコレートは常温(15〜30℃)でソフトな食感を有する。なお、油脂のSFCは、IUPAC法2.150a Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定できる。
本開示のソフトチョコレートの油脂含有量は、好ましくは25〜55質量%であり、より好ましくは25〜45質量%であり、さらに好ましくは27〜38質量%であり、ことさらに好ましくは28〜35質量%であり、最も好ましくは29〜34質量%である。なお、本開示におけるチョコレートに含まれる油脂は、配合される油脂以外に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、および全脂粉乳など)由来の油脂(ココアバター、および乳脂など)も含む。例えば、一般的に、カカオマスの油脂(ココアバター)含有量は、55質量%(含油率0.55)である。ココアパウダーの油脂(ココアバター)含有量は、11質量%(含油率0.11)である。全脂粉乳の油脂(乳脂)含有量は、25質量%(含油率0.25)である。そのため、チョコレートに含まれる油脂の含有量は、各原料のチョコレート中の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせて得られる値を合計した値となる。
本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂は、上記SFCを満たす限り、特に限定されない。本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂は、通常の食用油脂を使用できる。例えば、ココアバター、パーム油、パーム分別油、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、マンゴー分別油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、豚脂および乳脂などの動植物油脂、あるいは、これらに混合、分別、エステル交換、および水素添加など処理のうちの1種以上を適用することにより得られる加工油脂、の中から1種以上を選択して使用できる。
本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂は、好ましくは、非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部としての、油脂Aを含有する。ここで、非ラウリン系油脂とは、その油脂の構成脂肪酸の全量に占める炭素数16以上の脂肪酸の含有量が90質量%以上である油脂を意味する。非ラウリン系油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油、パーム油や、これらの混合油、これらの油脂の加工油脂(エステル交換油、分別油、及び水素添加油など)、および、これら混合油脂の加工油脂(エステル交換油、分別油、及び水素添加油など)が挙げられる。油脂Aは、好ましくはヨウ素価が62以上である。また、油脂Aは、好ましくは以下の(a)から(d)の条件を満たす。
(a)L3含有量が5質量%未満
(b)L2X含有量が10〜40質量%
(c)LX2含有量が45〜75質量%
(d)X3含有量が2〜22質量%
上記の(a)から(d)の条件において、L、X、L3、L2X、LX2およびX3は、それぞれ以下を意味する
L:炭素数16〜18の直鎖飽和脂肪酸
X:炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸
L3:Lが3分子結合しているトリグリセリド
L2X:Lが2分子、Xが1分子結合しているトリグリセリド
LX2:Lが1分子、Xが2分子結合しているトリグリセリド
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
なお、油脂に含まれるトリグリセリドは、例えば、ガスクロマトグラフィー法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993))に準じて測定できる。
(a)L3含有量が5質量%未満
(b)L2X含有量が10〜40質量%
(c)LX2含有量が45〜75質量%
(d)X3含有量が2〜22質量%
上記の(a)から(d)の条件において、L、X、L3、L2X、LX2およびX3は、それぞれ以下を意味する
L:炭素数16〜18の直鎖飽和脂肪酸
X:炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸
L3:Lが3分子結合しているトリグリセリド
L2X:Lが2分子、Xが1分子結合しているトリグリセリド
LX2:Lが1分子、Xが2分子結合しているトリグリセリド
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
なお、油脂に含まれるトリグリセリドは、例えば、ガスクロマトグラフィー法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993))に準じて測定できる。
上記油脂Aの1種または2種以上を用いることができる。油脂Aの具体例として、以下に説明する油脂A−1、油脂A−2、油脂A−3が挙げられる。油脂A−1は、パーム油、パーム分別油、あるいはそれらの混合油を分別して得られるヨウ素価が62以上である低融点部である。油脂A−1は、好ましくは、パーム油を2回以上分別して得られる低融点部(パームスーパーオレイン)である。分別方法は、例えば、通常、パーム油の分別に用いられる、乾式分別、乳化分別(湿式分別)、および溶剤分別のうちから、適宜選択される方法を適用することができる。
上記油脂A−2は、原料としてのパーム系油脂を40質量%以上含むエステル交換油脂を単独で分別して得られる、ヨウ素価が62以上である低融点部である。あるいは、該エステル交換油脂40〜90質量%と、パーム系油脂10〜60質量%と、の混合油を分別して得られる、ヨウ素価が62以上である低融点部である。エステル交換方法としては、従来公知の方法を適用することができる。分別方法としては、上記と同様の方法を適用することができる。ここで、パーム系油脂の例としては、パーム油および、パーム油の加工油脂(エステル交換油、分別油、及び水素添加油など)挙げることができる。パーム系油脂の具体例としては、パーム油、パームオレイン、パームミッドフラクション、パームステアリン、および極度硬化パーム油を挙げられる。
上記油脂A−2の原料油脂である、分別前の上記エステル交換油脂は、好ましくは、その構成脂肪酸の全量に占めるパルミチン酸含有量が30〜50質量%、ステアリン酸含有量が10〜29質量%、オレイン酸含有量が20〜40質量%、そして、リノール酸とリノレン酸の含有量の合計が15質量%未満である。より好ましくは、その構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が2質量%未満、パルミチン酸含有量が33〜47質量%、ステアリン酸含有量が13〜27質量%、オレイン酸含有量が23〜37質量%、そして、リノール酸とリノレン酸の含有量の合計が12質量%未満である。さらに好ましくは、その構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が1質量%未満、パルミチン酸含有量が35〜45質量%、ステアリン酸含有量が15〜25質量%、オレイン酸含有量が25〜35質量%、そして、リノール酸とリノレン酸の合計含有量が10質量%未満である。
上記の、油脂A−1および油脂A−2の、LX2含有量に対するL2X含有量の質量比(L2X/LX2)は、好ましくは0.48〜0.92であり、より好ましくは0.50〜0.86である。
上記油脂A−3は、SX2を50質量%以上含有する油脂である。ここで、Sは、ステアリン酸を意味する。SX2は、Sが1分子、Xが2分子結合しているトリグリセリドを意味する。油脂A−3の具体例としては、カカオ代用脂の原料油脂としての、サル脂、シア脂、モーラー脂、マンゴー核油、アランブラッキア脂、あるいはペンタデスマ脂などのSOS(1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール)を30質量%以上含有する油脂を分別して得られる低融点部が挙げられる。また、油脂は、既知の方法に基づいて、例えば、以下の方法により調製してもよい。この方法では、まず、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いて、ハイオレイックヒマワリ油と、ステアリン酸エチルエステルと、の混合物のエステル交換反応が行われる。次いで、反応物から脂肪酸エチルエステルを蒸留により除去して、前述のSOSを30質量%以上含有する油脂が得られる。分別方法としては、上記と同様の方法を適用することができる。油脂A−3の、LX2含有量に対するL2X含有量の質量比(L2X/LX2)は、好ましくは0.10〜0.22であり、より好ましくは0.13〜0.20である。
本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂は、好ましくは、油脂Bを含有する。油脂Bのヨウ素価は、5以下であり、更に、油脂Bの構成脂肪酸の全量に占める炭素数16以上の飽和脂肪酸の含有量は、90質量%以上である。油脂Bは、好ましくは非ラウリン系の天然油脂の極度硬化油である。非ラウリン系の天然油脂の極度硬化油の例としては、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油、パーム油、およびパーム分別油などの極度硬化油が挙げられる。非ラウリン系の天然油脂の極度硬化油は、好ましくは菜種油の極度硬化油であり、より好ましくはハイエルシン酸菜種油の極度硬化油である。
本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂に占める上記油脂Aの含有量は、好ましくは60〜99質量%であり、より好ましくは70〜98質量%であり、さらに好ましくは80〜97質量%である。また、本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂に占める上記油脂Bの含有量は、好ましくは0.3〜4質量%であり、より好ましくは0.5〜3質量%であり、さらに好ましくは0.7〜2質量%である。本開示のソフトチョコレートに含まれる油脂に占める油脂Aおよび/または油脂Bの含有量が上記範囲内にあると、焼成によるチョコレートのベーカリー生地への浸み込みが少ない。
本開示のソフトチョコレートは、糖類を含有する。本開示のソフトチョコレートに含まれる糖類の例として、砂糖(ショ糖)、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、還元糖ポリデキストロース、ラフィノース、ラクチュロース、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、およびトレハロースなどが挙げられる。また、糖類は、糖アルコールであってもよい。本開示のソフトチョコレートに含まれる糖類の含有量は、好ましくは20〜70質量%であり、より好ましくは30〜65質量%であり、さらに好ましくは35〜60質量%であり、ことさらに好ましくは40〜55質量%である。なお、本開示のソフトチョコレートに含まれる糖類には、糖類以外の原材料に含まれる糖類(例えば、粉乳に含まれる乳糖など)の量は含まれない。
本開示のソフトチョコレートは、好ましくは、糖類の1つとしてショ糖を含有する。本開示のチョコレートに含まれるショ糖の含有量は、好ましくは25〜55質量%であり、より好ましくは28〜50質量%であり、さらに好ましくは30〜46質量%である。また、本開示のソフトチョコレートは、好ましくは、糖類の1つとして乳糖を含有する。本開示のソフトチョコレートに含まれる乳糖の含有量は、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは5〜16質量%であり、さらに好ましくは7〜13質量%である。本開示のソフトチョコレートに含まれるショ糖および/または乳糖の含有量が上記範囲内にあると、ソフトチョコレートは焼成複合食品生地に含まれて焼成された後にソフトな食感を維持できる。
本開示のソフトチョコレートは、0.25〜1.3質量%のリン脂質を含有する。本開示のソフトチョコレートに含まれるリン脂質は、特に限定はされない。しかし、実用上は、レシチンに含まれるリン脂質が適用できる。レシチンは、動植物界に広く存在する界面活性能を有する数種のリン脂質の混合物である。レシチンは、工業的には、大豆あるいは菜種などの油糧種子、または、卵黄などの動物原料から得られる。例えば、大豆レシチンには、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノ−ルアミン、ホスファチジルイノシト−ル、およびホスファチジルセリンなどのリン脂質が混合状態で含まれている。また、市販のレシチンは、一般的な粗製レシチン以外にも、これを脱油して得られる精製粉末レシチン、レシチンの成分を分画して得られる分画レシチン、レシチンに酵素を作用させて得られる酵素処理レシチン、あるいはレシチンを水素添加して得られる水素添加レシチンなども使用できる。
本開示のソフトチョコレートに含まれるリン脂質としてレシチンを適用する場合、リン脂質の含有量が0.25〜1.3質量%となるように、レシチンの使用量を調整すればよい。例えば、リン脂質含有量が65質量%である粗製大豆レシチンを使用する場合、ソフトチョコレートに含まれる粗製大豆レシチンの含有量が1質量%であれば、ソフトチョコレートに含まれるリン脂質の含有量は、約0.65質量%である。本開示のソフトチョコレートに含まれるリン脂質の含有量は、好ましくは0.32〜0.84質量%であり、より好ましくは0.38〜0.54質量%であり、さらに好ましくは0.41〜0.52質量%である。本開示のソフトチョコレートに含まれるリン脂質の含有量が上記範囲内にあると、粗製レシチンを使用しても、チョコレートは風味がよく、焼成後もソフトな食感を維持する。
なお、粗製レシチンに含まれるリン脂質含有量は、例えば、アセトン不溶物含有量として求めることができる。レシチンのアセトン不溶物含量は、例えば、次のようにして求められる。試料2gをビーカーに計りとり、氷冷したアセトン300ミリリットルを加え、十分攪拌して30分間放置する。上澄み液を質量既知のガラス濾過器で吸引ろ過し、さらに氷冷したアセトン30ミリリットルで3回不溶物を洗浄して、不溶物の全量をガラス濾過器に移し入れる。ガラス濾過器に氷冷したアセトンを満たし、吸引した後、ガラス濾過機を減圧下で乾燥させ、質量を測定する。ガラス濾過機の質量の増加分が、アセトン不溶物の質量である。(不溶物の質量/試料採取量)×100がアセトン不溶物(質量%)となる。
本開示のソフトチョコレートは、さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有してもよい。本開示のソフトチョコレートに含まれるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量は、好ましくは0.05〜0.4質量%であり、より好ましくは0.08〜0.3質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.2質量%である。本開示のソフトチョコレートに含まれるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量が上記範囲内にあると、焼成後のチョコレートは、ソフトな食感を維持し、良好な艶を有する。
本開示のソフトチョコレートは、油脂、糖質、およびリン脂質以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用することができる。具体的な原料の例として、全脂粉乳および脱脂粉乳などの乳製品、カカオマスおよびココアパウダーなどのカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末およびコーヒー粉末などの各種粉末、ガム類、澱粉類、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤、酸化防止剤、着色料、および香料などが挙げられる。
本開示のソフトチョコレートは、従来公知の方法により製造できる。本開示のソフトチョコレートは、例えば、油脂、糖類、カカオ成分、乳製品、並びに、レシチンなどの原材料を使用して、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、および、冷却工程などの、一部または全部を経て、製造することができる。精錬工程の後で、必要に応じて、テンパリング処理が行われてもよい。
本開示のソフトチョコレートは、そのまま喫食されてもよい。しかし、本開示のソフトチョコレートは、その他の食品にトッピング、コーティング、あるいは包餡されてもよい。このようにして、本開示のソフトチョコレートを、複合食品の製造に適用することができる。本開示のソフトチョコレートと組み合わされる食品は、特に限定されない。しかし、好ましくは、ドライフルーツおよびナッツなどの乾燥食品、菓子およびパンなどのベーカリー食品である。ベーカリー食品の具体例としては、シュー菓子(エクレア、シュークリームなど)、パイ、およびワッフルなどの洋生菓子;ショートケーキ、ロールケーキ、デコレーションケーキ、トルテ、およびシフォンケーキなどのスポンジケーキ類;パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、およびカステラなどのバターケーキ類;ビスケット、クッキー、クラッカー、プレッツェル、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン、およびラスクなどの焼菓子;食パン、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、およびクロワッサンなどのパン類、が挙げられる。
本開示のソフトチョコレートは、また、ベーカリー食品の生地(ベーカリー生地)にトッピング、コーティング、あるいは包餡された状態で焼成されてもよい。このようにして、焼成複合食品に適用されてもよい。本開示のソフトチョコレートは、焼成複合食品生地に含まれて焼成されても、常温での可塑性または流動性を有する。本開示のソフトチョコレートは、好ましくは、ベーカリー生地に包餡されて、焼成される。本開示のソフトチョコレートが含まれる複合食品生地の焼成は、好ましくはソフトチョコレートの温度が70〜100℃程度に達するように、例えば、オーブン、マイクロ波、あるいは過加熱蒸気を用いて実施できる。例えば、本開示のソフトチョコレートが包餡されたベーカリー生地を、オーブンを使用して、例えば、160〜210℃、6〜15分間程度の条件で、好適に焼成できる。
次に、実施例および比較例を挙げ、本開示をさらに詳しく説明する。しかし、本開示はこれらに何ら制限されない。
<使用油脂>
ソフトチョコレートの原料油脂として以下の油脂を使用した。
(油脂A−1)
2段分別パームオレイン(ヨウ素価:65.7、L3含有量:0.3質量%、L2X含有量:33.2質量%、LX2含有量:56.3質量%、X3含有量:7.8質量%)を油脂A−1として使用した。
(油脂A−2)
8.8質量部のハイオレイックヒマワリ油、48.4質量部のパームステアリン(ヨウ素価36)、18.8質量部の極度硬化大豆油、および24.0質量部のパーム油を混合した。得られた混合油(パルミチン酸含有量40.9質量%、ステアリン酸含有量20.0質量%、オレイン酸含有量30.6質量%、リノール酸含有量6.3質量%、リノレン酸含有量0.2質量%、およびトランス型脂肪酸含有量0質量%)を、ランダムエステル交換反応することにより、エステル交換油脂が得られた。エステル交換反応は、常法に従って行った。すなわち、十分に乾燥した原料油脂に対して、ナトリウムメトキシドを0.2質量%添加した。添加後、減圧下、120℃で0.5時間、攪拌しながら、反応を行った。得られたエステル交換油脂を、36〜38℃でドライ分別した。これにより、高融点部が除去され、低融点部が得られた。得られた低融点部を0〜2℃で溶剤分別(アセトン使用)した。これにより、高融点部が除去され、低融点部が得られた。得られた低融点部を脱臭処理して、油脂A−2(ヨウ素価:64.9、L3含有量:0.1質量%、L2X含有量:28.4質量%、LX2含有量:55.4質量%、X3含有量:10.9質量%)を得た。
(油脂A−3)
ハイオレイックヒマワリ油40質量部に、ステアリン酸エチルエステル60質量部を混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を添加してエステル交換反応を行った。ろ過処理によりリパーゼ製剤を除去し、得られた反応物を薄膜蒸留にかけ、反応物から脂肪酸エチルエステルを除去して蒸留残渣を得た。得られた蒸留残渣を乾式分別により高融点部を除去し、得られた低融点部からアセトン分別により2段目の高融点部を除去して低融点部を得た。得られた低融点部を常法によりアセトン除去および脱色、脱臭処理して、油脂A−3(ヨウ素価:64.0、L3含有量:0.3質量%、L2X含有量:11.3質量%、LX2含有量:68.0質量%、X3含有量:17.4質量%、SX2含有量:62.0質量%)を得た。
(油脂a−1)
パーム油(ヨウ素価:52.1、L3含有量:8.1質量%、L2X含有量:47.8質量%、LX2含有量:36.4質量%、X3含有量:4.8質量%)を油脂a−1として使用した。
(油脂a−2)
一段分別パームオレイン(ヨウ素価:56.4、L3含有量:1.4質量%、L2X含有量:49.1質量%、LX2含有量:41.5質量%、X3含有量:5.7質量%)を油脂a−2として使用した。
(油脂a−3)
一段分別パームオレインのランダムエステル交換油脂(ヨウ素価:56.3、L3含有量:10.7質量%、L2X含有量:36.5質量%、LX2含有量:37.8質量%、X3含有量:12.6質量%)を油脂a−3として使用した。
(油脂a−4)
菜種油(ヨウ素価:114、L3含有量:0.0質量%、L2X含有量:0.6質量%、LX2含有量:15.5質量%、X3含有量:82.0質量%)を油脂a−4として使用した。
(油脂B)
ハイエルシン酸菜種油の極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を油脂Bとして使用した。
ソフトチョコレートの原料油脂として以下の油脂を使用した。
(油脂A−1)
2段分別パームオレイン(ヨウ素価:65.7、L3含有量:0.3質量%、L2X含有量:33.2質量%、LX2含有量:56.3質量%、X3含有量:7.8質量%)を油脂A−1として使用した。
(油脂A−2)
8.8質量部のハイオレイックヒマワリ油、48.4質量部のパームステアリン(ヨウ素価36)、18.8質量部の極度硬化大豆油、および24.0質量部のパーム油を混合した。得られた混合油(パルミチン酸含有量40.9質量%、ステアリン酸含有量20.0質量%、オレイン酸含有量30.6質量%、リノール酸含有量6.3質量%、リノレン酸含有量0.2質量%、およびトランス型脂肪酸含有量0質量%)を、ランダムエステル交換反応することにより、エステル交換油脂が得られた。エステル交換反応は、常法に従って行った。すなわち、十分に乾燥した原料油脂に対して、ナトリウムメトキシドを0.2質量%添加した。添加後、減圧下、120℃で0.5時間、攪拌しながら、反応を行った。得られたエステル交換油脂を、36〜38℃でドライ分別した。これにより、高融点部が除去され、低融点部が得られた。得られた低融点部を0〜2℃で溶剤分別(アセトン使用)した。これにより、高融点部が除去され、低融点部が得られた。得られた低融点部を脱臭処理して、油脂A−2(ヨウ素価:64.9、L3含有量:0.1質量%、L2X含有量:28.4質量%、LX2含有量:55.4質量%、X3含有量:10.9質量%)を得た。
(油脂A−3)
ハイオレイックヒマワリ油40質量部に、ステアリン酸エチルエステル60質量部を混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を添加してエステル交換反応を行った。ろ過処理によりリパーゼ製剤を除去し、得られた反応物を薄膜蒸留にかけ、反応物から脂肪酸エチルエステルを除去して蒸留残渣を得た。得られた蒸留残渣を乾式分別により高融点部を除去し、得られた低融点部からアセトン分別により2段目の高融点部を除去して低融点部を得た。得られた低融点部を常法によりアセトン除去および脱色、脱臭処理して、油脂A−3(ヨウ素価:64.0、L3含有量:0.3質量%、L2X含有量:11.3質量%、LX2含有量:68.0質量%、X3含有量:17.4質量%、SX2含有量:62.0質量%)を得た。
(油脂a−1)
パーム油(ヨウ素価:52.1、L3含有量:8.1質量%、L2X含有量:47.8質量%、LX2含有量:36.4質量%、X3含有量:4.8質量%)を油脂a−1として使用した。
(油脂a−2)
一段分別パームオレイン(ヨウ素価:56.4、L3含有量:1.4質量%、L2X含有量:49.1質量%、LX2含有量:41.5質量%、X3含有量:5.7質量%)を油脂a−2として使用した。
(油脂a−3)
一段分別パームオレインのランダムエステル交換油脂(ヨウ素価:56.3、L3含有量:10.7質量%、L2X含有量:36.5質量%、LX2含有量:37.8質量%、X3含有量:12.6質量%)を油脂a−3として使用した。
(油脂a−4)
菜種油(ヨウ素価:114、L3含有量:0.0質量%、L2X含有量:0.6質量%、LX2含有量:15.5質量%、X3含有量:82.0質量%)を油脂a−4として使用した。
(油脂B)
ハイエルシン酸菜種油の極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を油脂Bとして使用した。
<ソフトチョコレートを包餡したクッキーの製造>
表1、2、および3の配合にしたがって、原材料を混合し、常法にしたがって、微粒化(リファイニング)、および精練(コンチング)の各工程を経ることにより、例1から例15の融液状のチョコレートを得た。例1から例15の融液状のチョコレートを冷凍庫で固化させた。次いで、30質量部の砂糖、70質量部のマーガリン、100質量部の薄力粉、および0.5質量部のベーキングパウダーを混合してクッキー生地を調製した。10gずつに分割したクッキー生地を、冷蔵庫で2時間以上保持した後、室温に戻した。10gのクッキー生地に、4gの冷凍庫で固化させたソフトチョコレートを包餡した。ソフトチョコレートを包餡したクッキー生地を天板に並べ、コンベクションオーブンで、180℃で7分間、焼成した。
表1、2、および3の配合にしたがって、原材料を混合し、常法にしたがって、微粒化(リファイニング)、および精練(コンチング)の各工程を経ることにより、例1から例15の融液状のチョコレートを得た。例1から例15の融液状のチョコレートを冷凍庫で固化させた。次いで、30質量部の砂糖、70質量部のマーガリン、100質量部の薄力粉、および0.5質量部のベーキングパウダーを混合してクッキー生地を調製した。10gずつに分割したクッキー生地を、冷蔵庫で2時間以上保持した後、室温に戻した。10gのクッキー生地に、4gの冷凍庫で固化させたソフトチョコレートを包餡した。ソフトチョコレートを包餡したクッキー生地を天板に並べ、コンベクションオーブンで、180℃で7分間、焼成した。
<ソフトチョコレートに含まれる油脂のSFC測定>
ソフトチョコレートの原材料としての、ココアパウダーは、ココアバターを11質量%含有する。また、同じく原料としての全脂粉乳は、乳脂肪を25質量%含有する。この原材料配合から、ソフトチョコレートに含まれる油脂の組成を計算した。その計算結果にしたがって、調製された油脂の、SFCを測定した。例えば、93.6質量部の油脂A−1と、6.4質量部のココアバターと、が混合されて、例1のソフトチョコレートに含まれる油脂が調製される。
ソフトチョコレートの原材料としての、ココアパウダーは、ココアバターを11質量%含有する。また、同じく原料としての全脂粉乳は、乳脂肪を25質量%含有する。この原材料配合から、ソフトチョコレートに含まれる油脂の組成を計算した。その計算結果にしたがって、調製された油脂の、SFCを測定した。例えば、93.6質量部の油脂A−1と、6.4質量部のココアバターと、が混合されて、例1のソフトチョコレートに含まれる油脂が調製される。
<ソフトチョコレート包餡クッキーの評価>
3名の職人歴5年以上の菓子職人が、焼成後23℃に静置された例1から例15のクッキーに包餡されたソフトチョコレートを、以下の基準にしたがって、総合的に評価した。評価結果を、表1、2、および3に示した。
3名の職人歴5年以上の菓子職人が、焼成後23℃に静置された例1から例15のクッキーに包餡されたソフトチョコレートを、以下の基準にしたがって、総合的に評価した。評価結果を、表1、2、および3に示した。
<クッキーに包餡焼成されたソフトチョコレートの評価基準>
焼成後ソフトチョコレートの物性評価
(23℃でのソフトソフトチョコレート包餡クッキー割断面の観察評価)
◎◎:ゆるい流動性があり、かつ、光沢があり、非常に良好
◎ :ゆるい流動性があり、良好
○ :非常にソフトで可塑性があり、良好
△ :ソフトで可塑性がある
▲ :可塑性を有するが、やや硬い
× :可塑性を有するが、硬い、または、やわらか過ぎて流れ出る
クッキーに包餡焼成されたソフトチョコレートの風味評価
◎◎:異味異臭がなく、非常に良好
◎ :異味異臭がなく、良好
○ :異味異臭がほとんど感じられない
△ :異味異臭をやや感じる
▲ :異味異臭を感じる
× :異味異臭を強く感じる
クッキーに包餡焼成されたソフトチョコレートの口どけ評価
◎◎:滑らかで融け残りがなく、非常に良好
◎ :滑らかで融け残りがなく、良好
○ :融け残りがなく、良好
△ :わずかに融け残りを感じる
▲ :やや融け残りを感じる
× :融け残りを感じる
焼成後ソフトチョコレートの物性評価
(23℃でのソフトソフトチョコレート包餡クッキー割断面の観察評価)
◎◎:ゆるい流動性があり、かつ、光沢があり、非常に良好
◎ :ゆるい流動性があり、良好
○ :非常にソフトで可塑性があり、良好
△ :ソフトで可塑性がある
▲ :可塑性を有するが、やや硬い
× :可塑性を有するが、硬い、または、やわらか過ぎて流れ出る
クッキーに包餡焼成されたソフトチョコレートの風味評価
◎◎:異味異臭がなく、非常に良好
◎ :異味異臭がなく、良好
○ :異味異臭がほとんど感じられない
△ :異味異臭をやや感じる
▲ :異味異臭を感じる
× :異味異臭を強く感じる
クッキーに包餡焼成されたソフトチョコレートの口どけ評価
◎◎:滑らかで融け残りがなく、非常に良好
◎ :滑らかで融け残りがなく、良好
○ :融け残りがなく、良好
△ :わずかに融け残りを感じる
▲ :やや融け残りを感じる
× :融け残りを感じる
Claims (5)
- 油脂の連続相を有し、糖類を含有する、ソフトチョコレートであって、
前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で4〜34%、20℃で2〜24%、および30℃で0〜4%であり、
0.25〜1.3質量%のリン脂質を含む、
前記ソフトチョコレート。 - さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む、請求項1に記載のソフトチョコレート。
- 前記糖類が、乳糖を含有する、請求項1または2に記載のソフトチョコレート。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のソフトチョコレートを含む、複合食品。
- 包餡されたのち、焼成された、請求項1〜3の何れか1項に記載のソフトチョコレートを含む焼成複合食品。
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