JP2020143479A - ユニットトラス - Google Patents

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Abstract

【課題】全体の製作コストの多くを占める接合部のディテールを簡潔にすることで、ユニットトラス全体の製作コストを抑えるユニットトラスを提供する。【解決手段】上弦材の格子状の上弦節点と、下弦材2bの格子状の下弦節点3bと、上弦節点及び下弦節点3bとを接続する斜材4とが構面内に平面トラスを形成し、上弦節点には交差する上弦材が集合し、下弦節点3bには交差する下弦材2bと、隣接する下弦節点3b同士を斜めに交差して接続する水平ブレース5とを集合させることで、束材を省略し、下弦節点3bの接合ディテールを簡潔にした。【選択図】図1

Description

本発明は、ユニットトラスに係り、特に、上弦材、下弦材、斜材、及び水平ブレースから構成される立体トラスであって、立体トラスをユニットに分割して工場製作し、建設現場に搬入して組み立てるユニットトラスに関する。
トラス構造とは、直線的な部材であって三角形を単位として構成される構造骨組の一種で、各部材の端部節点が総てピン接合であるものをいい、大架構を支持する構造形式である。トラス構造には、すべての部材が一つの平面内に存在する平面トラスと、一つの節点に部材が三次元的に集まる立体トラスとがある。ユニットトラスは、平面トラスを補剛材等で連結して立体トラスを形成するトラス構造であり、この立体トラスをユニットに分割して工場製作し、建設現場に搬入して組み立てるトラス構造である。
トラス構造は、支持する屋根材等の固定荷重、人や物による積載荷重、風圧による風荷重、地震による地震荷重等に耐えるように設計される。トラス構造は、上弦材及び下弦材が発生する曲げモーメントを負担し、斜材が発生するせん断力を負担するように設計される。そして、束材は、荷重が集中的に加わる荷重点に設けられる。
このトラス構造は、トラス構造を構成する部材と、その部材が集中する接合部とからなる。トラスを構成する部材の重量は接合部の重量に比べて圧倒的に大きいのが一般的である。一方、トラスを構成する部材の加工費は、接合部の加工費に比べて圧倒的に小さいのが一般的である。
一般的に鉄骨構造の価格は、鉄骨全体の重量に単価をかけて算出する重量算定方式が採用されている。一方、トラス構造の場合、トラス屋根の面積に単価をかけて算出する面積算定方式が採用されている。つまり、トラス構造の場合、上述したように、接合部の加工費の割合がトラス全体の加工費に比べて圧倒的に大きく、重量算定方式では実際のコストを正確には反映できないためである。一方、材料費に関しては、接合部の重量の割合は、トラス全体の重量に比べて圧倒的に小さく、面積算定方式でも問題ないためである。トラス構造のトータルコストは、主に材料費と加工費から構成される。従って、トラス構造のトータルコストをみる場合は、この材料費と加工費とのバランスに注目する必要がある。
(ユニットトラスの従来技術)
図10に、従来トラスの部材構成、及び下弦材接合部のディテールを説明図及び平面図で示す。また、本明細書では、従来のトラス構造を以下「従来トラス1´」と称する。図10(a)には、従来トラス1´の部材構成を示し、図10(b)には、下弦節点3b´の接合部のディテールを示す。図10(a)に示すように、従来トラス1´では、上弦節点3a´と下弦節点3b´とを接続する束材6´が設けられていた。また、図10(b)に示すように従来トラス1´では、上弦面に水平ブレース5´が設けられていた。そのため、上弦節点3a´の接合部のディテールには、束材6´が貫通する束材貫通部22´があり、この貫通穴を形成するためにガセットプレート27´に「切欠き14´」が設けられていた。また、4本の水平ブレース交点19´は、2本ずつが交わり水平ブレース交点19a´及び水平ブレース交点19b´を形成し、補剛材10´は上弦材2a´及び下弦材2b´において補剛材交点20´を形成している。しかし、水平ブレース交点19a´,19b´,及び補剛材交点20´のどれもが構造芯21´と交差しておらず偏芯している。これは、束材6´の貫通により偏芯が生じるためである。また、図11に、従来トラス1´の下弦材2b´の接合ディテールを斜視図で示す。従来トラス1´の下弦節点3b´において、束材6´が束材貫通部22´を形成するため、切欠き14´が設けられている。また、ユニット間接合金物13´により隣接するユニット同士が接続されている。
特許文献1には、ユニット建物及びその構築方法が開示されている。ここでは、箱状の屋根ユニットの上部に補強用屋根トラスが設置されている。また、この補強用屋根トラスは「ハウトラス」と称されているトラス構造であり、束材を用いずに屋根トラスが形成されている。
また、特許文献2には、屋根ユニットを大型化できる屋根トラスユニット、及び屋根トラス構造体が開示されている。ここでは、束材を用いた変形の「ダブルハウトラス」というトラス構造が開示されている。また、特許文献2の図6には、山形トラスの部材構成例が各種記載されている。
また、特許文献3には、施工工数の低減を図る建物の屋根構造が開示されている。特許文献3の図2,図7に束材が設けられたトラス構造が記載されている。
また、特許文献4には、建築構造、建築物及び建築工法が開示されている。ここでは、平行弦トラスが直交方向に組み合わされたトラス構造が開示されている。この立体トラスは、束材がない「フィンクスタイプ」というトラス構造ではあるが、下部の柱材の上部には柱材を延長した位置に束材に相当する部材が設けられている。
また、特許文献5には、トラス構造の接合構造が開示されている。ここでは、束材の上端と下端に接合されるガセットプレートのうち、少なくともせん断力の影響の小さい一方のガセットプレートを束材に溶接せず、これにより溶接作業を省略することが記載されている。
また、特許文献6には、屋根構造が開示されている。ここでは、屋根フレームの外周部に水平ブレースを設けて水平剛性を上げることが記載されている。
特願2005-307642号公報 特願2015-172290号公報 特願2013-221295号公報 特許第6433107号公報 特願平10−252141号公報 特開平11−256749号公報
ユニットトラス全体の製作コストを落とすには、接合部の加工度を低減して加工費を削減するのが有効である。そして、接合部の加工度を低減するには接合部に取付く部材数を削減するのが効果的である。しかし、接合部に取付く部材数を削減すると、トラス構造全体に発生する応力が再配分されて部材断面が大きくなる虞がある。その結果、トラスの部材重量が増加してユニットトラス全体の価格が上がる、という問題がある。
一方、ユニットトラス全体の製作コストを落とすために、トラス構造を構成する部材を厳密に設計して重量を極限にまで落とすと、トラス構造の接合部にしわ寄せが発生して構造安全性が損なわれる虞がある。また、トラス構造の剛性が低下するためトラス構造の建方にしわ寄せが発生し、トラス建方での精度及び安全性が損なわれる虞がある。
本願の第1の目的は、かかる課題を解決し、トラス構造全体の製作コストの大半を占める接合部のディテールの簡略化により、トラス構造全体の製作コストを低減したユニットトラスを提供することである。
また、本願の第2の目的は、かかる課題を解決し、上述した接合部のディテールの簡略化により生じるトラス構造の重量増に対し、トラス構造に発生する応力を低減させてトラス構造の重量増を相殺し、総合的にコストメリットのあるユニットトラスを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るユニットトラスは、上弦面に構成された格子状の上弦節点と、下弦面に構成された格子状の下弦節点と、上弦節点と下弦節点とを接続する斜材とが立体トラスを形成し、上弦節点には上弦材と、上弦材に直交する繋ぎ材とが集合し、下弦節点には下弦材と、下弦材に直交する補剛材と、下弦面に構成された格子状の下弦節点同士を下弦面内において斜めに交差して接続する水平ブレースとが集合することを特徴とする。
上記構成により、従来トラスでは上弦節点及び下弦節点間に取り付いていた束材を省略し、接合部に取付く部材数を削減する。これにより、特に、下弦節点の接合ディテールが簡略化され、接合部の加工度を低減することができる。しかし、接合部に取付く部材数を削減するとトラスの構造全体に発生する応力が再配分されてトラス重量が増加する。そこで、上弦節点に接続されていた水平ブレースを下弦節点に移動する。このように、上弦材の圧縮応力に水平ブレースからの圧縮応力が付加され、より大きな圧縮応力への対応が必要だった従来トラスについて、ユニットトラスとしたことで部材重量が減少し、前述した接合部の加工度の低減による部材重量増が相殺される。すなわち、ユニットトラスの接合部の簡潔化によりユニットトラスを構成する部材重量が増加したものの、ユニットトラスの水平ブレースの位置を上弦面から下弦面に移動したことで、ユニットトラスの全重量の増減はほとんど無いことが明らかになった。この結果により、ユニットトラスについて重量清算される材料費はほとんど増減がなく、ユニットトラスの加工費は、ユニットトラスの改善されたディテールにより減少している。そして、材料費と加工費とを合算したトータルコストは減額されている。
また、ユニットトラスは、上弦節点と下弦節点とを接続する束材を削除することで、下弦節点に集合する水平ブレース同士の交点、及び下弦節点に接続する補剛材同士の交点と、下弦節点に接続する下弦材同士の交点と、の間に発生する偏芯を消滅させることが好ましい。これにより、偏芯により下弦節点に発生する局部的な曲げモーメントが消滅するため、下弦材、斜材、水平ブレースなどの部材重量が低減される。
また、ユニットトラスは、上弦節点と下弦節点とを接続する束材を削除することで、下弦節点のガセットプレートに設けられていた束材貫通部を形成するための切欠きを消滅させることが好ましい。これにより、ガセットプレートに切欠きを設ける加工コストが低減され、ガセットプレート板厚の減少により接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、下弦節点においてガセットプレートに接続されるユニット間接合金物は、ガセットプレートの板座屈に対する補剛材を兼ねることが好ましい。これにより、ガセットプレート板厚の減少により接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、上下方向に独立して壁面に取り付けられる壁パネルと小屋小壁パネルとの接続部には、J型接続金物が用いられるが好ましい。これにより、壁パネル相互の接続に適した特殊金物を使用することで、接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、ユニット間接合において、端部におけるJ型接続金物と水平ブレースとの接続にはアングル材が用いられ、中央部におけるユニット間接合には、チャンネル材が用いられることが好ましい。これにより、J型接続金物と水平ブレースとの接続に適したユニット間接合金物を適材適所に使用することで、接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、輸送時において、パラペット支持材が取り付くユニットは、パラペット支持材が取り付かないユニットの下部に配置し、パラペット支持材が取り付くユニット同士を上下に積重ねる場合は、パラペット支持材が取り付く側を互いに逆方向に配置して一方のユニットが他方のユニットに接触しない位置に配置することが好ましい。これにより、パラペット支持材の位置を隣接するユニットに接触させないように外すことで、パラペット支持材の破損や変形を回避でき、かつ、荷積みを道路交通法で規定されている高さ制限以内に収めることができる。
さらに、ユニットトラスは、ユニットトラスを構成する上弦材、下弦材、斜材のいずれかが薄板軽量形鋼からなることが好ましい。これにより、ユニットトラスの構成部材自体の重量も効率の良い薄板軽量形鋼の使用により接合部が軽量化できる。
以上のように、本発明に係るユニットトラスによれば、ユニットトラス全体の製作コストの大半を占める接合部ディテールを簡潔にすることで、全体の製作コストが低減するユニットトラスを提供することができる。
また、本発明に係るユニットトラスによれば、上述した接合部ディテールの簡潔化によるトラス構造の重量増に対して、トラス構造に発生する応力を低減させて重量増を軽減し、総合的にコストメリットのあるユニットトラスを提供することができる。
本発明に係るユニットトラスの一つの実施形態の概略構成を示す斜視図である。また、荷重を受けた際に、ユニットトラスに発生する応力を示す。 図1のユニットトラスの正面図、平面図、及び側面図である。 ユニットトラスのユニットの一つの分割方法を示す説明図である。 ユニットトラスの部材構成、及び下弦節点の一つの接合ディテールを示す説明図及び平面図である。 ユニットトラスの下弦節点の一つの接合ディテールを示す斜視図である。 ユニットトラスの上弦節点の接合ディテールを示す平面図である。 ユニットトラスの束材を省略した上弦材、下弦材、及び斜材の構成を示す側面詳細図である。 ユニットトラスと、小屋小壁パネル及び壁パネルの一つの接合部を示す斜視図及び、従来トラス、及びユニットトラスの小屋小壁パネル及び壁パネルの接合部を比較して示す説明図である。 ユニットトラスの搬送方法の一つの実施例を示す説明図である。 図4に対応する、従来トラスの部材構成、及び下弦材接合部のディテールを示す説明図及び平面図である。 図5に対応する、従来トラスの下弦節点接合部のディテールを示す斜視図である。
(ユニットの構成)
以下に、図面を用いて本発明に係るユニットトラス1の一つの実施形態の概略構成につき、詳細に説明する。図1は、本発明に係るユニットトラス1の一つの実施形態の概略構成を示す斜視図である。図1(a)は、妻側32の上部にパラペット(図示せず)が設けられ、そのためパラペット支持材31がトラス構造に取り付けられる場合のユニット1Aを示す。また、繋ぎ材9と補剛材10との構面には補強用斜材11が設けられている。この繋ぎ材9は母屋を兼用する。また、図1(b)は、平側33の上部に、屋根仕上材が取り付くパラペット(以下、図示せず)があるためパラペット支持材31がトラス構造に取り付けられる場合のユニット1Bを示す。図1(c)は、パラペットが無いため下部にパラペット支持材31のみがある場合のユニット1Cを示す。このように、ユニットトラス1は、ユニット1Cをトラス構造の基本ユニットとし、建物の外観、設備、意匠等の設計条件に応じてパラペット支持材31等の様々な部材がトラス構造に取り付けられる。また、ユニットトラス1の実施形態では、これらのユニット1A,ユニット1B,及びユニット1Cを組み合わせて屋根構造を形成するが、これらのユニット1A,ユニット1B,及びユニット1Cに限定されない。なお、ユニット1Cを複数個組み合わせて屋根構造を形成しても良い。
このユニットトラス1は、ユニット1A,1B,1Cに分割した屋根パネルを工場にて製作し、工事現場に搬送し、工事現場で屋根面に取り付ける工法であることを特徴とし、主として、商業施設、オフィスビル、工場等の建物に用いられるトラスシステムである。
図2は、図1のユニットトラス1の正面図、平面図、及び側面図を示す。図2(a)は正面図であり、図2(b)は平面図であり、図2(c)は側面図である。図2(c)には、補強用斜材11が取り付けられている。このユニットトラス1の下部構造は、薄板軽量形鋼が用いられるが、これに限らず、他の下部構造、例えば、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、木構造等であっても良い。屋根仕上材は、基本的に折板屋根を標準とするが、これに限らず、他の屋根材、例えば、デッキプレートを介したコンクリート屋根、膜屋根等であっても良い。外壁は、窯業系サイディングが標準であるが、これに限らず、他の外壁材、例えば、ALC板、ブロック、レンガ等であっても良い。
(ユニットトラスの部材構成)
ユニットトラス1の基本的な部材構成は、上弦材2a,下弦材2b,斜材4,水平ブレース5である。従来トラス1´では、後述するように、束材6´が存在していたが、本発明により削除された。また、水平ブレース5は、従来トラス1´では、後述するように、上弦面に設けられていたが、本発明により下弦面に移動した。この下弦面の水平ブレース5は、図1に示すように、X型に交差している。また、上弦材2a,下弦材2b,及び斜材4からなる平行弦トラスは、隣接する平行弦トラス同士が繋ぎ材9及び補剛材10で連結されている。繋ぎ材9とは、屋根面の母屋を兼用して上弦節点3a同士を接続する部材であり、補剛材10とは、下弦節点3b同士を接続する部材である。斜材4は、この平行弦トラス及び補剛材10のそれぞれの上弦節点3aと下弦節点3bとを接続している。
図2(b)及び図2(c)に示すように、ユニットトラス1を構成する主要な構造部材は、上弦材2aと、下弦材2bと、斜材4と、水平ブレース材5と、繋ぎ材9及び補剛材10とから構成される。なお、図2には、図1(a)、図1(b)に示すパラペット支持材31が取り付く場合がある。また、図2(c)に示す側面図には小屋小壁パネル28の支持材が取り付く場合がある。図2(c)の側面図に示されるように屋根に水勾配が設けられるため、下弦材2bは水平であるのに対し、上弦材2aは、建物の裏面に向かって雨水を流すように傾斜している(図2(a)に矢印で示す)。図2(a)では、勾配は、1/100である。また、図2(a)に示すように、ユニットトラス1は、ユニット1A,1B,1Cの単位で工事現場に搬入して工事現場で他のユニット1A,1B,1C間を接続するため、各ユニット1A,1B,1Cの両側面の上弦材2a及び下弦材2bは、現場取付後には2本が重複することになる。この両端部の上弦材2a及び下弦材2bにより、ユニットトラス1の各ユニット1A,1B,1Cは、搬入時にトラスも形状が安定し、現場での接合精度が高くなる。なお、斜材4をラチス材と称する場合がある。
図3に、ユニットトラス1をユニット1A,1B,1Cに分割する方法を説明図で示す。図3(a)は、パラペットが、妻側32と平側33とに設置される建物の例である。図3(b)は、パラペットが設置されない建物の例である。これらの建物は、前面道路34aと側面道路34bとが交差している角地に建てられている例である。パラペットがある場合とは、図1(a)及び図1(b)に示すように、ユニット1A,1Bからパラペット支持材31が設けられる場合である。これは、ユニットトラス1を商業施設など意匠性のある建物に使用する場合、外部、特に建物の全面又は側面から屋根に設置される折板屋根、換気設備、空調設備、樋等の雨水排水設備に目隠しをするためである。
(ユニットトラスにおける第1の改良点)
図4(a)に示すユニットトラス1の部材構成、及び図5に示すユニットトラス1の下弦材2bの接合ディテールと、図10(a)に示す従来トラス1´の部材構成、及び、図11に示す従来トラス1´の下弦材2b´の接合ディテールとを比較する。そして、トラス部材重量、トラス加工度について分析する。
まず、図4(a)のユニットトラス1の部材構成と、図10(a)の従来トラス1´の部材構成とを比較する。ここで、従来のトラス構造を「従来トラス1´」と称する。そして、本発明の従来技術の一つである「ユニットトラス1」と対比して説明する。なお、従来トラス1´を構成する部材番号は、ユニットトラス1の部材番号にダッシュを付して区別する。
ユニットトラス1の第1の改良点は、上弦節点3aと下弦節点3bとを接続する束材6´を省略したことである。これにより、上弦材2aと下弦材2bとそれぞれの交点である上弦節点3a及び下弦節点3bのトラス交点に集合する部材数が削減される。
ここで、従来トラス1´における上弦材2a´、下弦材2b´、斜材4´、及び、束材6´に関し、トラス部材としての構造的役割を整理する。図1(d)に、従来トラス1´に等分布荷重が載荷された場合、トラス部材に発生する応力図を単純梁のモデルで示す。上弦材2a´と下弦材2b´とは、従来トラス1´に発生する曲げモーメント(M)に対して協同して曲げ剛性により抵抗する。図1(b)に示すように、上弦材2a´と下弦材2b´との距離をデプス(D)とすると、従来トラス1´のデプス(D)は、最大デプス(Dmax)から最小デプス(Dmin)まで変化する。これにより、従来トラス1´に発生する軸力(F)は、上弦材2a´、下弦材2b´共にその部材位置での曲げモーメント(M)/デプス(D)となる。
一方、斜材4´は、従来トラス1´に発生するせん断力(S)に対して抵抗する。束材6´は、主として従来トラス1´に作用する屋根材からの集中荷重を支持する。また、従来トラス1´の下部構造からの反力を支持する。すなわち、それらの集中荷重点において、集中荷重と同じ鉛直方向に設けられた束材6´は、局部的な応力を分散させる役割がある。また、上弦材2a´及び下弦材2b´はその位置でのデプス(D)を保持する役割もある。さらに、木造トラスでは、ハウトラスやフィンクトラスなどの構造形式において斜材4´と束材6´とで三角形を構成させて構造的な安定性を持たせている。このような流れで集中荷重点以外の束材6´を規則的なピッチで上弦材2a´と下弦材2b´とを束ねる部材として設けていた。なお、特許文献2及び特許文献4には、ハウトラス、フィンクトラスの部材構成が示されている。
従って、従来トラス1´からこの束材6´を省略するということは、トラスの構成部材に応力の再分配が発生し、従来トラス1´に流れていた応力が他の部材に流れることになる。その結果、ユニットトラス1の各部材はサイズアップし、総重量は増加する傾向にある。例えば、ある建物の屋根での試算によるとトラス重量が一割程度増加することが報告されている。
(ユニットトラスにおける第2の改良点)
ユニットトラス1の第2の改良点は、上弦面に設けられていた水平ブレース5´を下弦面に移動させたことである。図4(a),(b)は、ユニットトラス1の下弦材2bの接合ディテールを示す説明図及び平面図である。また、図10(a),(b)は、図4に対応する、従来トラス1´の構成、及び下弦材2b´の接合ディテールを示す説明図及び平面図である。従来トラス1´における水平ブレース5´の役割は、水平方向に入力される地震力に水平剛性で抵抗し、発生した小屋組の地震力を、壁構造等を通じて地盤に流すという役割がある。従って、本来、水平ブレース5´は上弦面,下弦面のどちらにあっても水平抵抗要素としては変わりがない。しかし、地震力が発生する屋根面により近い上弦面に水平ブレース5´を配置したほうが、屋根面と上弦面との距離により局部的に発生する曲げモーメント(M)が少ない。そのため、従来から水平ブレース5´は上弦面に配置するのが慣習であった。
従来トラス1´において水平ブレース5´が上弦面に配置された場合と、ユニットトラス1において水平ブレース5を下弦面に配置した場合との荷重条件を整理する。長期荷重では、発生する応力は上弦材2aが圧縮力であり、下弦材2bが引張力である。長期荷重に雪荷重が付加した場合と、長期荷重に風荷重による吹き下げが付加した場合と、長期荷重に地震力が水平ブレース5を介して水平方向に付加された場合とがあり、どちらの場合も発生する応力は上弦材2aが圧縮力であり、下弦材2bが引張力である。短期荷重時において、風荷重による吹き上げが発生した場合は、上弦材2aには引張力が発生し、下弦材2bには圧縮力が発生するが、上弦材2aに発生する引張力は、長期荷重により発生する圧縮力により減少される。従って、長期荷重時に圧縮力が発生している上弦材2aに地震力が水平ブレース5を介してその圧縮力を付加する方向に載荷された場合が問題となる。このように、上弦面に水平ブレース5が取り付けられている場合は、下弦面に水平ブレース5が取り付けられている場合に比べてトラス部材の重量は、大きくなる傾向がある。
このように、ユニットトラス1の第1の改良点である、接合部の簡潔化によるユニットトラス1を構成する部材重量の増加に対して、ユニットトラス1の第2の改良点である水平ブレース5の位置を上弦面から下弦面に移動したことで、ユニットトラス1の全重量の増減はほとんど無いことが明らかになった。この結果により、ユニットトラス1について重量清算される材料費はほとんど増減がなく、ユニットトラス1の加工費は、ユニットトラス1の第1の改良点により改善されたディテールにより減少している。そして、材料費と加工費とを合算したトータルコストは減額されている。
図5に、ユニットトラス1の下弦節点3bの接合ディテールを斜視図で示す。この図5は、特に、ユニットトラス1中間部におけるユニット1A,1B,1C間の接合を示している。水平ブレース5が取り付くガセットプレート27には、先置きユニット1A,1B,1Cと後置きユニット1A,1B,1Cとを接合するチャンネル材からなるユニット間接合金物13が設けられる。このユニット間接合金物13には、先置きユニット1A,1B,1C用ネジ孔38と後置きユニット1A,1B,1C用のネジ孔38とが2列に設けられている。後置きユニット1A,1B,1Cは、加工工場にてユニット間接合金物13が取り付けられて工事現場に搬入される。そして、先置きユニット1A,1B,1Cにユニット間接合金物13をねじ固定し、接続が完了する。これにより、工事現場においてユニット1A,1B,1Cのねじ止め作業の手間が半減する。なお、ユニットトラス1端部におけるユニット1A,1B,1C間の接合は本明細書の図8に示す。図5に対応する、従来トラス1´の下弦節点3bの接合ディテールを図11の斜視図で示す。図11で示した束材6´が図5のユニットトラス1では削除されたため、ガセットプレート27´の切欠き14´が省略でき、ユニット間接合金物13のみが下弦節点3bに設けられた。また、上弦材2a及び下弦材2bの接合部において偏芯のない納まりとなった。
(ユニットトラスの他の詳細)
図6に、ユニットトラス1の上弦節点3aの接合ディテールを平面図で示す。従来トラス1´では上弦節点3a´には、水平ブレース5´が接続されていたが、ユニットトラス1では、水平ブレース5は下弦節点3bに移動した。そのため、上弦節点3aには、上弦材2aと、繋ぎ材9のみが接続することになった。このように、上弦節点3aの接合ディテールも極めて簡素になった。
図7に、ユニットトラス1の束材6´を省略した上弦材2a、下弦材2b、及び斜材4の構成を側面詳細図で示す。束材6´は省略されたため、上弦材2aと下弦材2bとは、斜材4で接続されている。このように、束材6´が省略されたため、上弦節点3a、下弦節点3b共に簡素なディテールとなった。
上述したように、ユニットトラス1の第1の改良点及び第2の改良点により、ユニットトラス1の全重量は相殺されてユニットトラス1全体の製作コストはあまり変わらない。しかし、ユニットトラス1全体の製作コストの大半を占める接合部ディテールを簡潔にすることで、ユニットトラス1の接合部の加工費が減額する。一方、ユニットトラス1の部材の加工費は、ほとんど変わりがない。従って、総合的にコストメリットのあるユニットトラス1となる。
図8に、ユニットトラス1と、小屋小壁パネル28及び壁パネル23との接合部を示す。図8(a)は、ユニットトラス1と、小屋小壁パネル28及び壁パネル23との接合部の斜視図である。小屋小壁パネル28、及び壁パネル23は、図8(a)に破線で示す。図8(a)に示すように、小屋小壁パネル28は、小屋上枠18と、小屋下枠25と、小屋上枠18及び小屋下枠25を縦方向に連結する小壁たて枠24と形成されるフレームにより支持される外壁パネルである。図8(a)では、分かり易いように小屋上枠18、小屋下枠25、及び小壁たて枠24からなるフレームをユニットトラス1から離した位置に記載する。一方、壁パネル23は、小屋下枠25の下部に設置される。小屋小壁パネル28と壁パネル23との接続には、図8(c)に示すように、J型接続金物12に現場において接続用金物16が用いられている。
図8(b)は、従来トラスと小屋小壁パネル28´及び壁パネル23´との接合部を示す説明図である。図8(c)は、図8(b)に対応する、ユニットトラス1と小屋小壁パネル28及び壁パネル23との接合部を示す説明図である。図8(b)に示すように、従来トラス1´では、小屋小壁パネル28´と壁パネル23´との接合は、水平ブレース5´からの反力を受けるので一般的な形鋼を複数個使用し、その結果、ディテールが複雑となっていた。また、小屋小壁パネル28´と壁パネル23´とを接合するネジ35´の固定は、小屋小壁25´の壁下からの上向き作業となるため作業性が悪かった。図8(c)に示すように、ユニットトラス1では、小屋小壁パネル28と壁パネル23との接合は、J型接続金物12を活用することで複雑な断面を簡素にすることができた。また、小屋小壁パネル28と壁パネル23とを接合するネジ35の固定は、上からの下向き作業となるため作業性が改善した。このように、従来トラス1´では複雑な接合断面であった接合詳細を解消し施工性を改善した。また、従来トラス1´では作業性が悪かった小屋小壁パネル28´と壁パネル23´との接合を、上部からのネジ打ちでとすることで施工性を改善した。
(ユニットトラスの搬送方法)
図9に、ユニットトラス1の搬送方法の一つの実施例を示す説明図である。工場で製作されたユニットトラス1は、トラックなどの輸送車36に積まれ、ラック37で固定されて工事現場に搬入される。その輸送車36への荷積方法について説明する。図9は、パラペットが有るユニット1Aと及びユニット1Bと、パラペットがないユニット1Cとを上下に重ねて輸送車36に載荷した場合の例である。上述したように、ユニットトラス1には、パラペット支持材31が取り付いている場合がある。この場合、いかにより多数のユニット1A,1B,1Cを安全に搬送するかが問題となる。そこで、パラペット支持材31が取り付いているユニット1A,1B,1Cを前後交互に配置してパラペット支持材31の破損や変形を回避する。また、パラペット支持材31の位置を上方に隣接するユニット1A,1B,1Cに接触しないように外すことにより荷積みを道路交通法で規定されている高さ制限以内に収めながらより多数のユニット1A,1B,1Cを安全に搬送できる。このように、パラペット支持材31の位置を隣接するユニット1A,1B,1Cに接触させないように外すことで、パラペット支持材31の破損や変形を回避でき、かつ、荷積を道路交通法で規定されている高さ制限以内に収めることができる。これにより、ユニットトラス1の輸送効率が上がり輸送費を低減できる。
さらに、ユニットトラス1を構成する上弦材2a、下弦材2b、斜材4のいずれかは薄板軽量形鋼からなる。この薄板軽量形鋼は、厚さが3mm以下の薄板で形成されている。これにより、ユニットトラス1の構成部材自体の重量は、効率の良い薄板軽量形鋼の使用により軽量化できる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明のユニットトラス1が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1 ユニットトラス,1A (妻側のみにパラペット支持材が有る)ユニット,1B (平側のみにパラペット支持材が有る)ユニット、1C (いずれにもパラペット取付材がない)ユニット,1´ 従来トラス、2a 上弦材,2´ 上弦材,2b 下弦材、2´ 下弦材、3a 上弦節点,3a´ 上弦節点,3b 下弦節点,3b´ 下弦節点、4 斜材,4´ 斜材、5 水平ブレース,5´ 水平ブレース、6´ 束材、9 繋ぎ材、10,10´ 補剛材、11 補強用斜材、12 J型接続金物、13,13´ ユニット間接合金物、14´ 切欠き、16 接続用金物(アングル材)、18 小壁上枠、19´,19a´,19b´ 水平ブレース交点、20´ 補剛材交点、21´ 構造芯、22,22´ 束材貫通部、23,23´ 壁パネル、24 小壁たて枠、25,25´ 小壁下枠、26 ユニット間接合金物、27,27´ ガセットプレート、28,28´ 小屋小壁パネル、31 パラペット支持材、32 妻側、33 平側、34a 前面道路,34b 側面道路、35,35´ ネジ、36 輸送車、37 ラック、38 ネジ孔、D デプス,Dmax 最大デプス,Dmin 最小デプス、F 軸力、M 曲げモーメント、S せん断力。
特開2005-307642号公報 特開2015-172290号公報 特開2013-221295号公報 特許第6433107号公報 特開平10−252141号公報 特開平11−256749号公報
本発明は、ユニットトラス、ユニットトラスの接合構造、及び、ユニットトラスの搬送方法に係り、特に、上弦材、下弦材、斜材、及び水平ブレースから構成される立体トラスであって、立体トラスをユニットに分割して工場製作し、建設現場に搬入して組み立てるユニットトラス、ユニットトラスの接合構造、及び、ユニットトラスの搬送方法に関する。
上記目的を達成するため、本発明に係るユニットトラスは、平面トラスを連結して立体トラスを形成するユニットトラスであって、上弦節点には上弦材と上弦材に直交する繋ぎ材とが集合し、下弦節点には下弦材と下弦材に直交する補剛材とが集合し、斜材は、上弦節点と下弦節点とを接続し、下弦節点同士を斜めに交差して接続する水平ブレースが下弦面に設けられる一方、上弦節点同士を斜めに交差して接続する水平ブレースと、上弦節点及び下弦節点を接続する束材とは省略されることを特徴とする。
また、ユニットトラスの接合構造は、下弦節点においてガセットプレートに接続されるユニット間接合金物は、ガセットプレートの板座屈に対する補剛材を兼ねることが好ましい。これにより、ガセットプレート板厚の減少により接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスの接合構造は、上下方向に独立して壁面に取り付けられる壁パネルと小屋小壁パネルとの接続部には、J型接続金物が用いられることが好ましい。これにより、壁パネル相互の接続に適した特殊金物を使用することで、接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスの接合構造は、ユニット間接合において、端部におけるJ型接続金物と水平ブレースとの接続にはアングル材が用いられ、中央部におけるユニット間接合には、チャンネル材が用いられることが好ましい。これにより、J型接続金物と水平ブレースとの接続に適したユニット間接合金物を適材適所に使用することで、接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスの搬送方法は、輸送時において、パラペット支持材が取り付くユニットは、パラペット支持材が取り付かないユニットの下部に配置し、パラペット支持材が取り付くユニット同士を上下に積重ねる場合は、パラペット支持材が取り付く側を互いに逆方向に配置して一方のユニットが他方のユニットに接触しない位置に配置することが好ましい。これにより、パラペット支持材の位置を隣接するユニットに接触させないように外すことで、パラペット支持材の破損や変形を回避でき、かつ、荷積みを道路交通法で規定されている高さ制限以内に収めることができる。
以上のように、本発明に係るユニットトラスによれば、ユニットトラス全体の製作コストの大半を占める接合部ディテールを簡潔にすることで、全体の製作コストが低減するユニットトラスを提供することができる。
また、本発明に係るユニットトラスによれば、上述した接合部ディテールの簡潔化によるトラス構造の重量増に対して、トラス構造に発生する応力を低減させて重量増を軽減し、総合的にコストメリットのあるユニットトラスを提供することができる。
本発明は、ユニットトラスに係り、特に、上弦材、下弦材、斜材、及び水平ブレースから構成される立体トラスであって、立体トラスをユニットに分割して工場製作し、建設現場に搬入して組み立てるユニットトラスに関する。
上記目的を達成するため、本発明に係るユニットトラスは、上弦節点を接続する上弦材と、下弦節点を接続する下弦材と、上弦節点及び下弦節点を接続する斜材と、水平ブレースとが立体トラスを形成するユニットトラスであって、上弦節点及び下弦節点を接続する束材は、コーナー部を除いて省略され、水平ブレースは、下弦面の下弦節点同士を斜めに接続し、下弦節点に集合する水平ブレースは、2本ずつが交わって水平ブレース交点を形成し、水平ブレースは共に下弦材と補剛材との構造芯の交点を通過し、下弦節点にはユニット間接合金物が設けられて隣接するユニット同士が連結されることを特徴とする。
また、ユニットトラスは、下弦節点においてガセットプレートに接続されるユニット間接合金物、ガセットプレートの板座屈に対する補剛材を兼ねることが好ましい。これにより、ガセットプレート板厚の減少により接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、上下方向に独立して壁面に取り付けられる壁パネルと小屋小壁パネルとの接続部には、J型接続金物が用いられることが好ましい。これにより、壁パネル相互の接続に適した特殊金物を使用することで、接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、ユニット間接合において、端部におけるJ型接続金物と水平ブレースとの接続にはアングル材が用いられ、中央部におけるユニット間接合には、チャンネル材が用いられることが好ましい。これにより、J型接続金物と水平ブレースとの接続に適したユニット間接合金物を適材適所に使用することで、接合部が軽量化できる。
また、ユニットトラスは、輸送時において、パラペット支持材が取り付くユニット、パラペット支持材が取り付かないユニットの下部に配置し、パラペット支持材が取り付くユニット同士を上下に積重ねる場合は、パラペット支持材が取り付く側を互いに逆方向に配置して一方のユニットが他方のユニットに接触しない位置に配置することが好ましい。これにより、パラペット支持材の位置を隣接するユニットに接触させないように外すことで、パラペット支持材の破損や変形を回避でき、かつ、荷積みを道路交通法で規定されている高さ制限以内に収めることができる。
以上のように、本発明に係るユニットトラスによれば、ユニットトラス全体の製作コストの大半を占める接合部ディテールを簡潔にすることで、全体の製作コストが低減するユニットトラスを提供することができる。
また、本発明に係るユニットトラスによれば、上述した接合部ディテールの簡潔化によるトラス構造の重量増に対して、トラス構造に発生する応力を低減させて重量増を軽減し、総合的にコストメリットのあるユニットトラスを提供することができる。

上記目的を達成するために、本発明に係るユニットトラスは、上弦節点同士を接続する上弦材と、下弦節点同士を接続する下弦材と、上弦節点と下弦材とを接続する斜材と、下弦面のみに設けられた水平ブレースとが立体トラスを形成するユニットトラスであって、上弦節点には、上弦材と、上弦材に直交する繋ぎ材とが集合し、下弦節点には、下弦材と、上弦材に直交する補剛材とが集合し、上弦節点及び下弦節点を接続する束材は、コーナー部を除いて削除され、水平ブレースは、下弦面の下弦節点同士を斜めに接続し、下弦節点にはユニット間接合金物が設けられて隣接するユニット同士が連結され下弦節点に集合する水平ブレースは、2本ずつが交わって水平ブレース交点を形成し、下弦節点に接続する水平ブレース同士の交点、及び、下弦節点に接続する下弦材同士の交点と下弦節点に接続する補剛材同士の交点と、の間の偏芯を消滅させることを特徴とする。

Claims (8)

  1. 上弦面に構成された格子状の上弦節点と、下弦面に構成された格子状の下弦節点と、前記上弦節点と前記下弦節点とを接続する斜材とが立体トラスを形成し、前記上弦節点には上弦材と、前記上弦材に直交する繋ぎ材とが集合し、前記下弦節点には下弦材と、前記下弦材に直交する補剛材と、前記下弦面に構成された格子状の前記下弦節点同士を前記下弦面内において斜めに交差して接続する水平ブレースとが集合することを特徴とするユニットトラス。
  2. 請求項1に記載のユニットトラスであって、前記上弦節点と前記下弦節点とを接続する束材を削除することで、前記下弦節点に集合する前記水平ブレース同士の交点、及び前記下弦節点に接続する前記補剛材同士の交点と、前記下弦節点に接続する前記下弦材同士の交点と、の間に発生する偏芯を消滅させることを特徴とするユニットトラス。
  3. 請求項1又は2に記載のユニットトラスであって、前記上弦節点と前記下弦節点とを接続する束材を削除することで、前記下弦節点のガセットプレートに設けられていた束材貫通部を形成するための切欠きを消滅させることを特徴とするユニットトラス。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のユニットトラスであって、前記下弦節点においてガセットプレートに接続されるユニット間接合金物は、前記ガセットプレートの板座屈に対する補剛材を兼ねることを特徴とするユニットトラス。
  5. 請求項1に記載のユニットトラスであって、上下方向に独立して壁面に取り付けられる壁パネルと小屋小壁パネルとの接続部には、J型接続金物が用いられることを特徴とするユニットトラス。
  6. 請求項5に記載のユニットトラスであって、ユニット間接合において、端部における前記J型接続金物と水平ブレースとの接続にはアングル材が用いられ、中央部におけるユニット間接合には、チャンネル材が用いられることを特徴とするユニットトラス。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のユニットトラスであって、輸送時において、パラペット支持材が取り付くユニットは、前記パラペット支持材が取り付かないユニットの下部に配置し、前記パラペット支持材が取り付くユニット同士を上下に積重ねる場合は、前記パラペット支持材が取り付く側を互いに逆方向に配置して一方の前記ユニットが他方の前記ユニットに接触しない位置に配置することを特徴とするユニットトラス。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のユニットトラスであって、前記ユニットトラスを構成する上弦材、下弦材、斜材のいずれかは薄板軽量形鋼からなること特徴とするニットトラス。
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