JP6931904B2 - 屋根トラスユニットを組合せた木造建築物、及びその建築方法 - Google Patents

屋根トラスユニットを組合せた木造建築物、及びその建築方法 Download PDF

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本発明は、屋根トラスユニットを用いた木造建築物及びその建築方法に関するものである。
周知のとおり、切妻屋根を有する木造建築物の木造軸組構法において、容易に屋根組を構築するための手段として、屋根ユニット部材をあらかじめ工場で製造し、現場で屋根ユニット部材をクレーンで吊り上げて軒桁上に設置する工法が採用されてきた。
これらの工法においては、屋根組を容易に構築するだけでなく、充分な強度を確保することも求められる。そのため、従来から、木造建築物の構築の容易化を図りつつ、充分な強度を確保するための技術として、ユニット化した屋根トラスに関する種々の技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、本件出願人も、以前にトラス構造にガセット板を包含して構成した屋根トラスユニットに関する技術を提案し(特許文献2参照)、これによって、強度に優れた屋根組を有する木造建築物を構築することができ、しかも、屋根トラスユニットの運搬及び施工作業を容易化して安全性の向上及び工期の短縮も図れることができるようになった。
これらの技術において、屋根トラスユニットの強度を向上させるためには、トラス腹材やガセット板などの部材を付加していくため、重量が重たくなる傾向になる。
しかしながら、同じ屋根トラスユニットを複数並べて屋根組の構築をする場合、一番大きな荷重のかかる箇所に対応できる強度を有する屋根トラスユニットを全箇所に使用するため、強度、重量の面において余計な労力やコストをかけている場合があるという問題があった。
一方、従来においては、屋根トラスユニットを配置する箇所によって、違う構造の屋根トラスユニットを選択的に用いる技術が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、この技術に関しては、小屋束の有る屋根トラスユニットの数だけ小屋梁を設ける必要があるため、強度を向上させようとするほど、屋根組より下の軸組部分の構築に手間がかかり、コストも高くなる。
また、全ての箇所を小屋束の無い屋根トラスユニットで構成した場合、屋根組の強度が著しく低下し、屋根が倒壊する危険性があるため、母屋を入れて母屋束を立てる構造にする必要がある等、同様に屋根組の構築に手間がかかり、コストも高くなるという問題があった。
特開2007−63764号公報 特許5174786号公報 特開2005−146644号公報
本発明は、従来技術に前記問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、軽量でも強度が確保でき、かつ容易に建築できて省力化、低コスト化を図ることができるだけでなく、重量の重い屋根葺き材にも対応できる屋根トラスユニットを組み合わせた木造建築物、及びその建築方法を提供することにある。
本発明者が前記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
即ち、本発明は、桁行方向に2列に並設された柱4・4…上に軒桁5を列毎に載置し、桁行方向両端の柱4′・4′の位置には軒桁5・5間を繋ぐ梁材6をそれぞれ配設して成る一方、前記屋根組は、複数の屋根トラスユニット1・2・3を、前記軒桁5上の前記柱4の位置毎に立設し、前記屋根トラスユニット1・2・3は、山型に組み合わされた垂木部材11・21・31と;この垂木部材11・21・31の内股部を繋ぐ横架材12・22・32と、この横架材12・22・32と前記垂木部材11・21・31の頂部とを、横架材12・22・32に略垂直に連結する真束材13・23・33と;この真束材13・23・33の下方部両側から垂木部材11・21・31側に斜設された斜材14・24・34とから構成し、妻側両端の屋根トラスユニット1の横架材12は、他の屋根トラスユニット2・3の横架材22・32よりも前記頂部寄りの位置に配設し、少なくともひとつの他の屋根トラスユニット2・3の横架材22・32は、軒桁5上に載置される位置に配設した点に特徴がある。
また、妻側両端の屋根トラスユニット1を、他の屋根トラスユニット2・3よりも軽量であることとするという技術的手段を採用することもできる。
更に、複数の屋根トラスユニット1・2・3の少なくともひとつを、垂木部材11・21・31の頂部と、この頂部から垂木部材11・21・31が軒桁5上に載置される位置までの任意の部分とによって形成される三角形状の部分の前後両面に固定された、前記三角形状の部分と略同形状のガセット板16・26とを包含して構成するという技術的手段を採用することもできる。
また更に、少なくともひとつの他の屋根トラスユニット3を、左右の斜材34と垂木部材31とのそれぞれの連結部と横架材32とを、横架材32に略垂直に連結する小屋束材36を有することとするという技術的手段を採用することもできる。
また更に、複数の屋根トラスユニット1・2・3の少なくともひとつを、柱4と垂木部材11・21・31を連結する方杖板7を有することとするという技術的手段を採用することもできる。
また更に、妻側両端以外の柱4の少なくともひとつの位置に、妻側両端の屋根トラスユニット1と同じ屋根トラスユニットを配設するという技術的手段を採用することもできる。
一方、桁行方向に2列に並設された柱4・4…上に軒桁5を列毎に載置し、桁行方向両端の柱4′・4′の位置には軒桁5・5間を繋ぐ梁材6をそれぞれ配設して成る木造建築物の屋根組以外の部分に、予め複数製作された屋根トラスユニット1・2・3のうち、妻側両端の屋根トラスユニット1を軒桁5・5上の妻側の柱4′・4′の位置に、他の屋根トラスユニット2・3を軒桁上の他の柱4・4の位置にそれぞれ立設し、各々の屋根トラスユニット1・2・3の隣り合う垂木部材11・21・31…同士の対向面に連結板8を固定して、屋根トラスユニット1・2・3同士を連結するという技術的手段を採用することもできる。
本発明では、横架材の配置の違う屋根トラスユニットを前記位置に立設したことで、軒桁中央付近では屋根トラスユニットにより充分な強度が確保できると共に、妻側両端付近では屋根トラスユニットだけでなく、壁と梁材によっても荷重を支えることができ、瓦などの重量の重い屋根葺き材にも対応できる。
また、部分的に軽量な屋根トラスユニットを使用できるから、屋根組を容易に建築できて省力化、低コスト化を図ることができる。
また、垂木部材の三角形状の部分の前後両面に、三角形状の部分と略同形状のガセット板を設けることで、重量の増加は軽微でありながらも、強度を向上させることができる。
また、他の屋根トラスユニットにおいて、左右の斜材と横架材とを、連結する小屋束材を設けることで、更に強度を向上させることができる。
更に、柱と垂木部材を連結する方杖板を設けることで、更に強度を向上させることができる。
他方、他の屋根トラスユニットの少なくともひとつを、妻側両端の屋根トラスユニットと同一にすることで、必要な箇所にのみ強度の高い屋根トラスユニットを配置し、それ以外の箇所には軽量の屋根トラスユニットを設けることができる。
一方、予め複数製作された屋根トラスユニットを現場で順次立設する建築方法により、部材の運搬が容易で、建築現場において施工作業の容易化及び工期の短縮を図ることができる。
以上のように、本発明によって、軽量で強度が確保でき、かつ容易に建築できて省力化、低コスト化を図ることができるだけでなく、重量の重い屋根葺き材にも対応できる屋根トラスユニットを組み合わせた木造建築物、及びその建築方法を提供できることから、本発明の実用的価値は頗る高い。
本発明の実施例1における木造建築物を表わす全体斜視図である。 本発明の第一の屋根トラスユニットを表わす全体斜視図及び分解斜視図である。 本発明の第二の屋根トラスユニットを表わす全体斜視図及び分解斜視図である。 本発明の各屋根トラスユニットを軒桁上に設置した状態を表わす正面図である。 本発明の実施例1における木造建築物の屋根組の構造を表した分解斜視図である。 本発明の実施例2における木造建築物を表わす全体斜視図である。 本発明の実施例3における木造建築物を表わす全体斜視図である。 本発明の第三の屋根トラスユニットを表わす全体斜視図及び分解斜視図である。
『実施例1』
本発明の実施例1を、図1から図5に基づいて以下に説明する。ちなみに同図において、符号1で指示するものは、第一の屋根トラスユニットであり、符号2で指示するものは、第二の屋根トラスユニットである。また符号4で指示するものは、柱であり、符号5で指示するものは、軒桁であり、符号6で指示するものは、梁材である。更に、符号7で指示するものは、方杖板であり、符号8で指示するものは、連結板であり、符号Aで指示するものは木造建築物である。
[木造建築物の構成]
[1]木造建築物の基本構成について
本実施例の木造建築物(図1参照)では、桁行方向に2列に並設された柱4・4…上に軒桁5を列毎に載置し、桁行方向両端の柱4′・4′の位置には軒桁5・5間を梁間方向に繋ぐ梁材6をそれぞれ配設している。ここで、軒桁5・5間は3間〜4間(およそ6m〜8m)であり、柱4・4…間は666mmである。なお、これらの寸法は一例であり、適宜変更することができる。
そして、後述する第一の屋根トラスユニット1を、軒桁5上の妻側両端の柱4′・4′の位置に立設している。この位置は屋根を上面側から見たときに、屋根トラスユニット1と梁材6、柱4′がちょうど重なるように見える位置であり、各々の中心が揃うように配設するのが好ましい。
また、後述する第二の屋根トラスユニット2を、軒桁5上の柱4・4…の位置に立設している。この位置は屋根を上面側から見たときに、屋根トラスユニット2と柱4がちょうど重なるように見える位置であり、前記同様、各々の中心が揃うように配設するのが好ましい。
更に、各屋根トラスユニット1・2…の後述する垂木部材11・21…に張り付けた垂木部材11・21…と同じ幅の板材から成る厚み調整材15・25…と、柱4′・4…とを、方杖板7で所定の角度で連結している(図1〜図4参照)。
この方杖板7は木造建築物Aに対して、梁間方向にかかる荷重に対する補強板であるが、強度的に許容できる場合には取付けなくてもよく、また部分的に取付けても良い。また、二枚の板材で垂木部材11、21を挟み込むように取り付けても良い。
また、後述する第二の屋根トラスユニット2は二枚の横架材22・22で垂木部材21を挟むように取り付けられているため、方杖板7はその横架材22・22に更に重なるように取り付けなければならない。そのため、第二の屋根トラスユニット2に方杖板7を取付ける際には、柱4と同じ幅の板材から成る柱の厚み調整材41を、柱4の軒桁寄りの位置に張り付け、この柱の厚み調整材41と垂木部材21に張り付けた厚み調整材25とを、方杖板7で所定の角度で連結している(図4b参照)。
そして、隣り合う屋根トラスユニット1・2、若しくは屋根トラスユニット2・2同士の対向面に、連結板8・8…を釘やビス等の止着部材(図示せず)で固定して、隣り合う屋根トラスユニット1・2、若しくは屋根トラスユニット2・2同士を連結している。
このとき、屋根の強度向上及び施工の容易化のため、連結板8・8…の固定位置を、屋根を上面側から見たときに、連結板8・8…のピッチの半分の位置に順次交互にずらして、千鳥配置とするのが好ましい(図1参照)。なお、連結板8・8…は千鳥配置でなく、直列に配置されていても構わない。
また、本実施例では、屋根トラスユニット1・2の頂部付近に、二本の連結板8・8を寄せて直列に配置することによって頂部付近の強度を高めている。そしてまた、本実施例では、前記連結板8に厚さ91mm以下の木板材を使用しているが、屋根の強度及び重量バランスを考慮して厚さ30〜76mmのものを使用するのがより好ましい。
なお、屋根トラスユニットの連結に関しては、必要に応じて横架材12・22…同士を振れ止め材(図示しない)で連結しても良いし、真束材13・23…同士を小屋筋交い(図示しない)で連結してもよい。
そして、屋根トラスユニット1・2…の上側に野地板R(部分省略図示)が張り付けられていることにより、任意の屋根葺き材(図示せず)を施工できるようになっている。屋根葺き材は、例えばアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のような軽量のものでも構わないし、瓦のような重量の重いものでも構わない。
[2]第一の屋根トラスユニットの基本構成について
本実施例の第一の屋根トラスユニット1(図2参照)は、二枚の板材を山型に組み合わせた垂木部材11と、垂木部材11の内股部を横架材12で連結すると共に、前記垂木部材11の頂部と横架材12の中央部には真束材13を連結し、更に真束材13の下部両側と垂木部材11とを斜材14・14で連結している。
そして、垂木部材11の頂部と、横架材12とによって形成される三角形状の部分の前後両面に固定された、前記三角形状の部分と略同形状のガセット板16・16を固定している。
なお、本実施例では、ガセット板16・16に安価で耐久性に優れた構造用合板を使用し、この構造用合板製のガセット板16・16を、三角形状の部分に重ね合わせて、その周縁部を10cm間隔で釘打ちすることにより固定している。
また、本実施例では、垂木部材11の頂部と、横架材12とによって形成される三角形状の部分にガセット板16・16を張り付けたが、垂木部材11の頂部と、この頂部から垂木部材11が軒桁5・5上に載置される位置までの任意の部分とによって形成される三角形状の部分内であれば、ガセット板の形状を変更しても良い。
このようにすることで、第一の屋根トラスユニット1に加わる荷重は、垂木部材11と横架材12の内側に設けた真束材13や斜材14・14およびガセット板16・16 により効果的に分散吸収できる。
一方、垂木部材11の各長手方向における中央部よりも軒桁5・5側の一部分には、方杖板7を取付けるための厚み調整材15・15が取り付けられている。この厚み調整材15は、垂木部材11の厚みが柱4′の厚みよりも薄い板材を使用しているため、各々の取り付け面が略面一となるように、垂木部材11側の厚みを調整する目的で取付けるものである。
[3]第二の屋根トラスユニットの基本構成について
本実施例の第二の屋根トラスユニット2(図3参照)は、前記第一の屋根トラスユニット1同様、二枚の板材が山型に組み合わせた垂木部材21と、垂木部材21の内股部を横架材22で連結すると共に、前記垂木部材21の頂部と横架材22の中央部には真束材23を連結し、更に真束材23の下部両側と垂木部材21とを斜材24・24で連結している。
ここで、横架材22は二枚の薄板材から成り、垂木部材21、真束材23を挟み込むようにして垂木部材21の内股部を連結している。
また、本実施例では斜材24・24は、真束材23と横架材22とが交差する位置から垂木部材21側に、所定の角度で斜設されている。なお、本実施例では斜材24・24は、横架材22とは重ならないように斜設されているが、重なるように斜設しても構わない。
更に、横架材22は、軒桁5上に立設する際に、ちょうど軒桁5上に載置される位置に配設されている。即ち、横架材22の下面側が、軒桁5の上面側と同じ位置になるように、取付ける(図4b参照)。
このようにすることで、第二の屋根トラスユニット2の下側に梁材が無くとも、横架材22が梁材の代わりとなって、木造建築物Aの強度を全体的に高めている。
[4]屋根トラスユニットの組合せについて
本実施例では、妻側両側の柱4′・4′の位置の屋根トラスユニットには第一の屋根トラスユニット1を、それ以外の柱4・4の位置の屋根トラスユニットには第二の屋根トラスユニット2を用いている(図1参照)。ここで、各屋根トラスユニットの間隔は、柱4・4…間と同じ666mmに設定されている。
第一の屋根トラスユニット1の横架材12は軒桁5上には載置されていないが、第一の屋根トラスユニット1の下には梁材6が通っており、この梁材6と柱4′・4′によって形成される壁(図示しない)によっても、第一の屋根トラスユニット1に加わる荷重を受けることができる。
したがって、妻側両端に立設される第一の屋根トラスユニット1には、第二の屋根トラスユニット2ほどの耐荷重は求められなくてもよく、横架材12の取り付け位置を頂部寄りに設定することで短くし、軽量化を図っている。
これにより、強度、重量の面において過剰とならず、部材の運搬、施工等において、省力化、低コスト化を図ることができる。
「木造ユニット式建築構造体の建築方法」
次に、上記木造建築物Aの建築方法について説明する。まず、本実施形態では、土台B状に柱4・4…を桁行方向に2列に並設する。そして、柱4・4…上に軒桁5を列毎に載置する。更に、桁行方向両端の柱4′・4′の位置には軒桁5・5間を梁間方向に繋ぐ梁材6をそれぞれ配設する(図5参照)。
更に、第一の屋根トラスユニット1を軒桁5上の妻側の一端の柱4′・4′の位置に立設し、第二の屋根トラスユニット2をその隣の柱4・4の位置に立設し、それを順次繰り返して、妻側の他端の柱4′に第一の屋根トラスユニット1を立設して屋根トラスユニットの設置を完了する。
次に、隣り合う屋根トラスユニット1・2、若しくは屋根トラスユニット2・2同士の対向面に、連結板8・8…を釘やビス等の止着部材(図示せず)で固定して、隣り合う屋根トラスユニット1・2、若しくは屋根トラスユニット2・2同士を連結する。
更に、各屋根トラスユニット1・2…の垂木部材11・21…に張り付けた厚み調整材15・25…と、柱4′・4…とを、方杖板7で所定の角度で連結する(図4a、図4b、図5参照)。
そして、屋根トラスユニット1・2…の上側に野地板R(部分省略図示)を張り付け、任意の屋根葺き材(図示せず)を施工する。これにより効率的に木造建築物の構築を行うことが可能となる。
なお、本実施例では、屋根トラスユニットを一つずつクレーンで吊り上げて配置しているが、地上で予め屋根トラスユニット同士を連結板8によって連結しておき、それをクレーンで吊り上げることもできる。また、工場で予め屋根トラスユニット同士を連結板8によって連結した屋根ユニットにして、それを運搬、設置することもできる。
『実施例2』
本発明の実施例2を図6に基づいて以下に説明する。ちなみに同図における符号は実施例1と共通である。
[木造建築物の構成]
[5]木造建築物の基本構成について
本実施例の木造建築物(図6参照)では、実施例1の基本構成に対して、妻側両端以外の柱4・4の位置の一部にも、第一の屋根トラスユニット1が立設されている点が異なっている。また、軒桁5・5間は実施例1同様3間〜4間(およそ6m〜8m)であるが、柱4・4…間は500mmである点においても、実施例1と異なっている。
[6]屋根トラスユニットの組合せについて
本実施例では、妻側両側の柱4′・4′の位置、及びその隣の柱4・4の位置の屋根トラスユニットには第一の屋根トラスユニット1を、更にその隣の柱4・4の位置の屋根トラスユニットには第二の屋根トラスユニット2を、そして桁行方向中央部の柱4・4の位置には第一の屋根トラスユニットを用いている。ここで、各屋根トラスユニットの間隔は、柱4・4…間と同じ500mmに設定されている。なお、これらの寸法は一例であり、適宜変更することができる。
本実施例では、実施例1よりも柱4・4…間及び屋根トラスユニット間の間隔が狭くなっており、屋根組の強度が高くなっている。そのため、妻側両端以外の柱4・4上の位置において、一部の位置では梁材6の代わりとなる横架材を軒桁6上に載置しなくても強度を確保することができる。
これにより、実施例1よりも第二の屋根トラスユニット2の使用量が減り、部材の運搬、施工等において、更に省力化、低コスト化を図ることができる
ここで、本実施例の屋根トラスユニットの組み合わせは、桁行方向中央部の第一の屋根トラスユニット1を中心として、桁行方向に対称になるように並設されているが、建築物内部の壁や梁の配置によっては、第一の屋根トラスユニット1と第二の屋根トラスユニット2を桁行方向に非対称になるように組み合わせても良い。
『実施例3』
本発明の実施例3を図7、図8に基づいて以下に説明する。ちなみに同図における符号3は第三の屋根トラスユニットであり、その他の符号は実施例1と共通である。
[木造建築物の構成]
[7]木造建築物の基本構成について
本実施例の木造建築物(図7参照)の基本構成は、実施例2と同様である。
[8]第三の屋根トラスユニットの基本構成について
本実施例の第三の屋根トラスユニット3(図8参照)は、実施例2同様、二枚の板材が山型に組み合わせた垂木部材31と、垂木部材31の内股部を横架材32で連結すると共に、前記垂木部材31の頂部と横架材32の中央部には真束材33を連結し、更に真束材33の下部両側と垂木部材31とを斜材34・34で連結している。
また、横架材32は二枚の薄板材から成り、垂木部材31を挟み込むようにして垂木部材31の内股部を連結しているが、真束材33は挟み込んでいない点が実施例2と異なっている。
ここで、垂木部材31の各長手方向において、頂部から横架材32までの部分には、方杖板7を取付けるための厚み調整材35・35が取り付けられており、真束材33は頂部の厚み調整材35と横架材32に重なるように取り付けられている。
また、斜材34・34は、真束材33と横架材32とが交差する位置から垂木部材31側に、所定の角度で斜設されている。ここで、斜材34は厚み調整材35と横架材32に重なるように取り付けられている。なお、本実施例では斜材34・34は、横架材32と重なるように斜設されているが、重ならないように斜設しても構わない。
そして、斜材34・34と垂木部材31・31とが交差する位置から横架材32側に、横架材32に垂直になるように小屋束材36・36が取り付けられている。ここで、小屋束材36は厚み調整材35と横架材32に重なるように取り付けられている。
このようにすることで、第三の屋根トラスユニット3には、第二の屋根トラスユニット2のようなガセット板が無くとも、充分な強度を確保することができる。
[9]屋根トラスユニットの組合せについて
本実施例では、実施例2に対して、第二の屋根トラスユニット2の部分を第三の屋根トラスユニット3に置き換えた点が異なる(図7参照)。
小屋束材36を有する第三の屋根トラスユニット3を用いていることにより、屋根からの垂直荷重を充分に支えることができるため、瓦等の重たい屋根葺き材を用いる場合だけでなく、積雪等による荷重が加わる場合等にとっても、より効果的である。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるもの
では決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例え
ば、第三の屋根トラスユニット3にガセット板を取り付ける等、求められる強度に応じて自由に変更することができる。
また、屋根トラスユニットの組み合わせは、図示の実施形態以外にも、妻側の屋根トラスユニット以外を全て第三の屋根トラスユニット3にすることもできる。また、建築物の桁行方向の長さによって、3以上の種類の屋根トラスユニットを組み合わせることもでき、上記の何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
近年、建築分野においては、屋根部材をユニット化して建築作業を容易にする技術が普及しているが、従来よりも更に容易でありながらも、充分な強度を確保でき、低コストで建築できる木造建築物や建築工法の開発が求められている。そのような中で、本発明の屋根トラスユニットを組み合わせた木造建築物、及びその建築方法は、軽量で強度が確保でき、かつ容易に建築できて省力化、低コスト化を図ることができるだけでなく、重量の重い屋根葺き材にも対応できる有用な技術であるため、その産業上の利用価値は非常に高い。
1 第一の屋根トラスユニット
11 垂木部材
12 横架材
13 真束材
14 斜材
15 厚み調整材
16 ガセット板
2 第二の屋根トラスユニット
21 垂木部材
22 横架材
23 真束材
24 斜材
25 厚み調整材
26 ガセット板
3 第三の屋根トラスユニット
31 垂木部材
32 横架材
33 真束材
34 斜材
35 厚み調整材
36 小屋束材
4 柱
41 柱の厚み調整材
4′桁行方向両端の柱
5 軒桁
6 梁材
7 方杖板
8 連結板
A 木造建築物
B 土台
R 野地板

Claims (7)

  1. 切妻屋根の屋根組を有する木造建築物であって、
    桁行方向に2列に並設された柱上に軒桁が列毎に載置され、桁行方向両端の柱の位置には軒桁間を繋ぐ梁材がそれぞれ配設されて成る一方、
    前記屋根組は、複数の屋根トラスユニットが、前記軒桁上の前記柱の位置毎に立設され、前記屋根トラスユニットは、山形に組み合わされた垂木部材と;この垂木部材の内股部を繋ぐ横架材と、この横架材と前記垂木部材の頂部とを、横架材に略垂直に連結する真束材と;この真束材の下方部両側から垂木部材側に斜設された斜材とから構成され、
    妻側両端の屋根トラスユニットの横架材は、他の屋根トラスユニットの横架材よりも前記頂部寄りの位置に配設され、
    少なくともひとつの他の屋根トラスユニットの横架材は、軒桁上に載置される位置に配設されていることを特徴とする木造建築物。
  2. 妻側両端の屋根トラスユニットは、他の屋根トラスユニットよりも軽量であることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物。
  3. 複数の屋根トラスユニットの少なくともひとつは、垂木部材の頂部と、この頂部から垂木部材が軒桁上に載置される位置までの任意の部分とによって形成される三角形状の部分の前後両面に固定された、前記三角形状の部分と略同形状のガセット板とを包含して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物。
  4. 少なくともひとつの他の屋根トラスユニットは、左右の斜材と垂木部材とのそれぞれの連結部と横架材とを、横架材に略垂直に連結する小屋束材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の木造建築物。
  5. 複数の屋根トラスユニットの少なくともひとつは、柱と垂木部材を連結する方杖板を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の木造建築物。
  6. 妻側両端以外の柱の少なくともひとつの位置に、妻側両端の屋根トラスユニットと同じ屋根トラスユニットが配設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の木造建築物。
  7. 桁行方向に2列に並設された柱上に軒桁が列毎に載置され、桁行方向両端の柱の位置には軒桁間を繋ぐ梁材がそれぞれ配設されて成る木造建築物の屋根組以外の部分に、予め複数製作された請求項1乃至6に記載の屋根トラスユニットのうち、妻側両端の屋根トラスユニットは軒桁上の妻側の柱の位置に、他の屋根トラスユニットは軒桁上の他の柱の位置に各々立設し、各々の屋根トラスユニットの隣り合う垂木部材同士の対向面に連結板を固定して、屋根トラスユニット同士を連結する木造建築物の建築方法。
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