JP5474721B2 - 建物の屋根構造 - Google Patents

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本発明は、建物の屋根構造に関する。
従来の木造軸組構法では、土台の上に複数本の柱が立設され、これらの柱の上に、桁と呼ばれる複数本の水平材・横架材が架け渡されるとともに、桁と直交するように、梁と呼ばれる複数本の水平材・横架材が架け渡されて、主要構造が構築される。そして、この主要構造の上に、小屋組と呼ばれる屋根構造が構築される。
特に、桁のうち、建物の外壁線に沿って設けられるものは、軒桁と呼ばれる。
また、梁のうち、建物の外壁線に沿って設けられるものは、妻梁と呼ばれ、また、建物の内側に設けられて屋根の荷重を支えるものは、小屋梁と呼ばれる。
そして、従来の木造軸組構法では、屋根構造は、以下のようにして構築される。
まず、妻梁や小屋梁の上に、小屋束が立設される。次に、小屋束の上に、棟木と呼ばれる水平材・横架材や、母屋と呼ばれる複数本の水平材・横架材が架け渡される。棟木や母屋は、軒桁と平行に設けられる。屋根構造における最も高い位置に設けられる水平材・横架材が、棟木である。逆に、屋根構造における最も低い位置に設けられる水平材・横架材が、軒桁である。また、複数本の母屋は、軒桁から棟木に向かうに従って高さが次第に高くなるように設けられる。次に、屋根の勾配に沿って、かつ棟木、複数本の母屋、及び軒桁と直交するように、これらの上に、垂木と呼ばれる複数本の長尺の部材が架け渡される。そして、複数本の垂木の上に、これらに跨るようにして、野地板と呼ばれる面材が貼り付けられる。このようにして、主要構造の上に、小屋組と呼ばれる屋根構造が構築される。
また、従来の木造軸組構法では、水平構面を確保するために、桁と梁とによって形成される入隅部に、火打ち梁と呼ばれる部材が、桁及び梁の双方に対して斜めに設けられる。
特開2005−120647号公報
ところで、最上階の室内上部の空間を広く開放的にするために、最上階の室内上部における、本来であれば桁や梁が設けられる位置に、これらを設けたくない場合がある。
しかし、最上階の室内上部における、本来であれば桁や梁が設けられる位置に、これらを設けないようにすると、桁と梁との入隅部も形成されないことから、火打ち梁を設けることもできなくなってしまう。
一方で、最上階の室内上部から桁や梁をなくしたとしても、十分な水平構面を確保する必要がある。
そこで、本発明は、最上階の室内上部の空間を広く開放的にするために、最上階の室内上部から桁や梁をなくすとともに、桁と梁との入隅部に設けるべき火打ち梁をなくしても、十分な水平構面を確保できる建物の屋根構造を提供することを目的とする。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、建物の屋根構造であって、軒桁60と、軒桁60と平行に、かつ軒桁60よりも高い位置に設けた棟木100と、軒桁60と棟木100との間に、かつこれらと平行に、かつ所定間隔を空けて設けた複数本の母屋110とを備え、軒桁60、棟木100、及び複数本の母屋110によって、屋根構面の水平材が構成され、複数本の母屋110は、軒桁60側のものから棟木100側のものになるに従って高さが段階的に高くなるように配置され、屋根構面の水平材と直交するように設けた複数本の登り梁70を備え、屋根構面の水平材、及び複数本の登り梁70によって、軒桁60側から棟木100側に向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜した格子状の構造体が形成され、格子状の構造体における、屋根構面の水平材と登り梁70とによって形成される入隅部には、一端を屋根構面の水平材の所定位置に、他端を登り梁70の所定位置に、それぞれ固定された火打ち梁120が設けられ、屋根構面の水平材と直交するように、かつ各登り梁70と平行に設けた複数本の垂木130を備え、各垂木130は、屋根構面の水平材にそれぞれ固定され、複数本の垂木130に跨るように設けた複数枚の面材140を備え、各面材140は、それが跨ぐ各垂木130にそれぞれ固定され、登り梁70として、建物の外壁線上に設けた特定登り梁70を備え、軒桁60及び特定登り梁70は、同一の高さの位置で直交し、軒桁60及び特定登り梁70によって形成される入隅部には、軒桁及び特定登り梁の双方の下面より上方、かつ双方の上面より下方に位置するように、火打ち梁120が設けられ、特定登り梁70と同一の外壁線上であって軒桁60及び特定登り梁70より低い位置に、妻梁80が設けられていることを特徴とする。
本発明は、建物の屋根構造に係るものであり、特に、傾斜した屋根、すなわち、勾配屋根に係るものである。
また、本発明は、勾配が「2.5/10」以下の屋根に適用することが好ましく、特に、勾配が「0.5/10」〜「1/10」程度の屋根に適用することが好ましい。
また、勾配屋根としては、「片流れ屋根」や「切妻屋根」などがあるが、本発明は、これらのいずれにも適用できるものである。
ここで、「軒桁60」は、屋根構造における最も低い位置に設けられる水平材・横架材である。
また、「棟木100」は、屋根構造における最も高い位置に設けられる水平材・横架材である。棟木100は、軒桁60と平行に、かつ軒桁60よりも高い位置に設けられる。
また、「母屋110」は、軒桁60と棟木100との間に、かつこれらと平行に設けられる水平材・横架材である。軒桁60と棟木100との間には、複数本の母屋110が設けられ、これら複数本の母屋110は、所定間隔を空けて配置される。また、これら複数本の母屋110は、軒桁60側のものから棟木100側のものになるに従って高さが段階的に高くなるように配置される。
そして、軒桁60、棟木100、及び複数本の母屋110によって、「屋根構面の水平材」が構成される。
また、「登り梁70」は、屋根の勾配に沿って、屋根構面の水平材と直交するように設けられる長尺の部材である。また、登り梁70は、複数本設けられる。そのうち2本は、建物の外壁線に沿って設けられる特定登り梁70であるすなわち、「特定登り梁70」とは、建物の外壁線に沿って設けられる登り梁70をいう。また、建物の両外壁線の間の所定位置に設けられる登り梁70もある。
そして、屋根構面の水平材、及び複数本の登り梁70によって、軒桁60側から棟木100側に向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜した「格子状の構造体」が形成される。
また、「火打ち梁120」は、格子状の構造体における、屋根構面の水平材と登り梁70とによって形成される入隅部に、水平材及び登り梁70の双方に対して斜めに設けられる部材である。すなわち、火打ち梁120は、一端を屋根構面の水平材の所定位置に、他端を登り梁70の所定位置に、それぞれ固定される。これにより、屋根構面の強度の向上が図られる。
また、「垂木130」は、屋根の勾配に沿って、屋根構面の水平材と直交するように、これらの上に架け渡される長尺の部材である。また、垂木130は、各登り梁70とは平行に設けられる。また、垂木130は、複数本設けられ、各垂木130は、屋根構面の水平材にそれぞれ固定される。
また、「面材140」は、野地板などと呼ばれるものである。また、面材140は、複数枚設けられ、各面材140は、複数本の垂木130に跨るように配置されて、それが跨ぐ各垂木130にそれぞれ固定される。これにより、屋根構造の基本骨格が構築される。特に本発明では、火打ち梁120と面材140(野地板)とが同一構面に配置されるため、屋根構面の強度の更なる向上が図られる。
そして、本発明では、この屋根構面が、水平構面としても機能する。
すなわち、最上階の室内上部の空間を広く開放的にするために、最上階の室内上部から桁や梁をなくし、それに伴い、桁と梁との入隅部に設けるべき火打ち梁120をなくすと、本来であれば水平構面が設けられる位置に、水平構面を設けることができなくなるが、本発明は、この本来設けられるべき水平構面の機能を、屋根構面に担わせることができるようにしたものである。
また、軒桁60及び特定登り梁70は、同一の高さの位置で直交している。そして、軒桁60と特定登り梁70とによって形成される入隅部には、軒桁及び特定登り梁の双方の下面より上方、かつ双方の上面より下方に位置するように、火打ち梁120が設けられている。これにより、屋根構面を、水平構面として機能させることができる。
さらに、特定登り梁70と同一の外壁線上であって軒桁60及び特定登り梁70より低い位置に、妻梁80が設けられている。これにより、特定登り梁70と妻梁80とが互いに干渉しないようにすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の建物の屋根構造において、特定登り梁70は、耐力壁を構成する複数本の柱によって直接支持されていることを特徴とする。
すなわち、本発明では、耐力壁を構成する複数本の柱が、特定登り梁70を直接支持する。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の建物の屋根構造において、軒桁と同一の外壁線上であって妻梁と同一の高さの位置には、建物の構造躯体を構成する横架材が設けられていないことを特徴とする。
従来の木造軸組構法であれば、建物の妻側の外壁線上に立設される複数本の柱は、同じ高さとされる。そして、これら複数本の柱の上に、妻梁80が水平に架け渡され、この妻梁80の上に、複数本の小屋束90が立設される。反対側の妻側についても同様である。そして、両側の妻梁80の上に立設された、対応する小屋束90と小屋束90との間に、軒桁60と平行になるように(妻側の外壁線と直交するように)、母屋110が架け渡される。すなわち、従来の木造軸組構法では、建物の妻側の外壁線上に立設された複数本の柱が直接支持するのは、妻梁80である。そして、この妻梁80が、小屋束90を介して、母屋110を間接的に支持する。
これに対し、本発明では、建物の妻側の外壁線上に立設される複数本の柱は、軒桁60側のものから棟木100側のものになるに従って、上端の高さが次第に高くなる。そして、これらの柱の上に、妻側の外壁線に沿って(妻側の外壁線と平行に)、かつ軒桁60側から棟木100側へ向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜して、特定登り梁70が架け渡される。このように、本発明では、建物の妻側の外壁線上に立設された複数本の柱が、特定登り梁70を直接支持する。そして、この特定登り梁70が、小屋束90を介することなく、母屋110を直接支持する。さらに特定登り梁70を直接支持する柱、耐力壁を構成する柱とされている。このため、屋根構面から耐力壁への水平力の伝達を確実にすることができる。
なお、特定登り梁70は、少なくとも建物の妻側の外壁線上に立設された複数本の柱によって直接支持されていれば、それに加えて妻梁80及びその上に立設された小屋束90によって支持されていてもよい。すなわち、特定登り梁70は、通し柱30及び管柱40のみならず、小屋束90によって支持されていてもよい。
また必ずしも特定登り梁70を直接支持するすべての柱を、耐力壁を構成する柱とする必要はない。すなわち、特定登り梁70を直接支持する柱の中に、耐力壁を構成しない柱があってもよい。
また、建物の両外壁線の間の所定位置に設けられる登り梁70も、建物の内側に立設された複数本の柱によって直接支持される。そして、この場合においても、登り梁70を直接支持する柱を、耐力壁を構成する柱とすれば、屋根構面から耐力壁への水平力の伝達を確実にすることができる。もちろん、登り梁70を直接支持するすべての柱を、耐力壁を構成する柱とする必要はない。
さらに、建物の妻側の外壁線上に立設される複数本の柱を同じ高さにして、これらの柱の上に妻梁80を架け渡すとする。そして、妻梁80の上に複数本の小屋束90を立設して、これらの小屋束90の上に登り梁70を架け渡すとする。そうすると、軒桁60の位置において、妻梁80と登り梁70とが互いに干渉してしまうが、本発明では、建物の妻側の外壁線上に立設した複数本の柱で特定登り梁70を直接支持するので、妻梁80と特定登り梁70との干渉の問題を解消しやすくすることができる。
すなわち、本発明では、建物の軒桁60側の両隅に位置する通し柱30が、その上端で、軒桁60及び特定登り梁70を直接支持する。このため、建物の軒桁60側の両隅において、軒桁60及び特定登り梁70が同じ高さになるので、軒桁60と登り梁70とによって形成される入隅部に、火打ち梁120を設けることができる。また、従来の木造軸組構法であれば、建物の軒桁60側の両隅において、軒桁60と妻梁80とによって形成される入隅部に、火打ち梁120を設けていたが、この火打ち梁120をなくすことができる。加えて、妻梁80、軒桁60及び特定登り梁70よりも低い位置に設けることにより、妻梁80と特定登り梁70とが干渉しないようにすることができる。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、最上階の室内上部の空間を広く開放的なものにするために、最上階の室内上部から桁や梁をなくすとともに、桁と梁との入隅部に設けるべき火打ち梁をなくしても、その位置に設けるべき水平構面の機能を、屋根構面に担わせることができるので、建物の十分な強度を確保することができる。
逆に言えば、請求項1記載の発明によれば、水平構面の機能を、屋根構面に担わせることができるので、最上階の室内上部から桁や梁をなくすとともに、桁と梁との入隅部に設けるべき火打ち梁もなくして、最上階の室内上部の空間を広く開放的なものにすることができる。
また、請求項1記載の発明では、軒桁と、建物の外壁線上に設けた特定登り梁とが、同一の高さの位置で直交している。そして、軒桁と特定登り梁とによって形成される入隅部には、軒桁及び特定登り梁の双方の下面より上方、かつ双方の上面より下方に位置するように、火打ち梁が設けられている。このため、従来の木造軸組構法であれば、建物の軒桁側の両隅において、軒桁と妻梁とによって形成される入隅部に、火打ち梁を設けていたが、この火打ち梁をなくすことができる。
また、請求項1記載の発明では、特定登り梁と同一の外壁線上であって軒桁及び特定登り梁より低い位置に、妻梁が設けられている。このため、妻梁と特定登り梁とが互いに干渉しないようにすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明では耐力壁を構成する複数本の柱が、特定登り梁を直接支持する。そして、この特定登り梁が、小屋束を介することなく、母屋を直接支持する。このため屋根構面から耐力壁への水平力の伝達を確実にすることができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明では軒桁と同一の外壁線上であって妻梁と同一の高さの位置には、建物の構造躯体を構成する横架材を設けていない。
本発明の実施の形態に係る建物の平面図(小屋伏図)。 本発明の実施の形態に係る建物の妻側の側面図(軸組図)。 本発明の実施の形態に係る建物の屋根の棟木側の分解斜視図。 本発明の実施の形態に係る建物の屋根の軒桁側の分解斜視図。 本発明の実施の形態に係る建物の一部切り欠き斜視図。
本発明の実施の形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
(建物)
図1に示すように、本実施形態では、建物は、平面視矩形とされている。
また、図2に示すように、本実施形態では、屋根は、一端から他端へ向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜した、いわゆる片流れ屋根とされている。そして、屋根構造における最も低い位置に設けられている水平材・横架材が、軒桁60であり、また、屋根構造における最も高い位置に設けられている水平材・横架材が、棟木100である。また、本実施形態では、屋根の勾配は、「0.5/10」とされている。
(基礎10・土台20)
また、本実施形態では、建物は、地面に打設された基礎10と、基礎10の上に載置され基礎10に対してアンカーボルトで固定された土台20とを備えている。
(通し柱30・管柱40)
また、土台20は、建物の外壁線に沿って設けられている。また、土台20の上には、複数本の通し柱30が立設されるとともに、複数本の1階の管柱40が立設されている。
また、通し柱30は、土台20から屋根構造(本実施形態では、軒桁60又は登り梁70)まで至る、途中に継ぎ目のない柱である。また、1階の管柱40は、土台20から胴差50まで至る柱である。すなわち、1階の管柱40は、土台20の上に立設され、胴差50を支持する柱である。
(胴差50)
また、胴差50は、建物の外周部分を周回するように設けられる水平材・横架材である。胴差50は、1階の管柱40によって支持されるとともに、隣り合う通し柱30と通し柱30との間に設けられて、これらを繋ぐものである。すなわち、1階の管柱40の上に載せるように、かつ隣り合う通し柱30同士を繋ぐように、胴差50が架け渡されている。また、胴差50は、通し柱30の側面に刺さるようにして、通し柱30に固定されている。
(軒桁60)
また、図1及び図4に示すように、建物の2階部分における軒桁60側の外壁線上には、7本の柱が配置されている。そのうち3本は、土台20の上に立設された通し柱30である。特に、両隅の2本は、通し柱30である。また、残りの4本は、胴差50の上に立設された2階の管柱40である。また、これら7本の柱は、上端がいずれも同じ高さとされている。そして、これらの柱の上に、外壁線に沿って(外壁線と平行に)、かつ水平に、軒桁60が架け渡されている。
(登り梁70)
また、図1〜図4に示すように、建物の2階部分における妻側の外壁線上には、9本の柱が配置されている。そのうち2本は、土台20の上に立設された通し柱30である。特に、軒桁60側の端の1本は、通し柱30である。また、残りの7本は、胴差50の上に立設された2階の管柱40である。さらに、7本ある2階の管柱40のうち2本は、登り梁70(特定登り梁70)まで至るものとなっている。すなわち、建物の2階部分における妻側の外壁線上に配置されている、2本の通し柱30及び2本の管柱40は、登り梁70(特定登り梁70)まで至るものとなっている。
さらに、これら2本の通し柱30及び2本の管柱40は、軒桁60側のものから棟木100側のものになるに従って、上端の高さが次第に高くなる。そして、これら2本の通し柱30及び2本の管柱40の上に、妻側の外壁線に沿って(妻側の外壁線と平行に)、かつ軒桁60側から棟木100側へ向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜して、登り梁70(特定登り梁70)が架け渡されている。
このように、本実施形態では、建物の妻側の外壁線上に立設された複数本の柱が、登り梁70(特定登り梁70)を直接支持している。反対側の妻側についても同様である。すなわち、本実施形態では、登り梁70は、3本設けられているが、そのうち2本は、建物の妻側の外壁線に沿って設けられている。そして、後述するように、この登り梁70(特定登り梁70)が、小屋束90を介することなく、母屋110を直接支持している。さらに、図示しないが、本実施形態では、登り梁70(特定登り梁70)を直接支持するこれらの柱は、耐力壁を構成する柱とされている。このため、屋根構面から耐力壁への水平力の伝達が確実に行えるようになっている。
なお、登り梁70を直接支持するすべての柱が、耐力壁を構成する柱とされているわけではない。すなわち、登り梁70を直接支持する柱の中には、耐力壁を構成する柱もあるが、耐力壁を構成しない柱もある。
また、図1、図3及び図4に示すように、本実施形態では、建物の両妻側の外壁線の間の所定位置にも、1本の登り梁70が設けられている。そして、これら3本の登り梁70は、屋根構面の水平材、すなわち、軒桁60、棟木100及び母屋110と直交する。
(妻梁80)
また、図2及び図4に示すように、本実施形態では、建物の妻側の外壁線上に、妻梁80が設けられている。上述したように、建物の2階部分における妻側の外壁線上には、7本の2階の管柱40が立設されており、そのうち2本は、登り梁70(特定登り梁70)まで至るが、残りの5本は、登り梁70(特定登り梁70)までは至らない。また、これら5本の2階の管柱40は、上端がいずれも同じ高さとされている。さらに、これら5本の管柱40の上端の高さは、本来妻梁80が設けられる高さよりもやや低い位置、具体的には、軒桁60の高さよりもやや低い位置とされている。
そして、これら5本の管柱40の上に、妻側の外壁線に沿って(外壁線と平行に)、かつ水平に、妻梁80が架け渡されている。このため、妻梁80は、軒桁60よりも低い位置に設けられている。また、妻梁80は、通し柱30の側面や、登り梁70(特定登り梁70)まで至る管柱40の側面に刺さるようにして、これらに固定されている。さらに、妻梁80の上には、小屋束90が立設されている。この小屋束90は、登り梁70(特定登り梁70)まで至り、通し柱30や2階の管柱40とともに、登り梁70(特定登り梁70)を支持している。また、上述したように、妻梁80が、本来設けられる高さよりもやや低い位置、すなわち、軒桁60よりも低い位置に設けられていることにより、軒桁60の位置において、妻梁80と登り梁70(特定登り梁70)とが互いに干渉しないようになっている。反対側の妻側についても同様である。
すなわち、図4に示すように、本実施形態では、建物の軒桁60側の両隅に位置する通し柱30が、その上端で、軒桁60及び登り梁70を直接支持している。このため、建物の軒桁60側の両隅において、軒桁60及び登り梁70が同じ高さになるので、軒桁60と登り梁70とによって形成される入隅部に、火打ち梁120を設けることができる。加えて、妻梁80は、軒桁60及び登り梁70よりも低い位置に設けられているので、妻梁80と登り梁70とが干渉しない。
(棟木100)
また、図1及び図3に示すように、建物の2階部分における棟木100側の端部には、3本の柱が配置されている。そのうち中間の1本は、土台20の上に立設された通し柱30である。通し柱30は、土台20から棟木100まで至り、棟木100を直接支持するものとなっている。また、両隅の2本は、胴差50の上に立設された2階の管柱40である。これら2本の2階の管柱40は、棟木100までは至らず、妻梁80までとなっている。そして、両隅の位置においては、妻梁80の上に、小屋束90がそれぞれ立設され、これらの小屋束90が、棟木100をそれぞれ支持するようになっている。すなわち、棟木100は、1本の通し柱30及び2本の小屋束90によって支持されている。また、棟木100は、軒桁60と平行に、すなわち水平に設けられており、かつ軒桁60よりも高い位置に設けられている。
(母屋110)
また、図1〜図4に示すように、軒桁60と棟木100との間には、これらと平行に、すなわち水平に、かつ所定間隔を空けて、6本の母屋110が設けられている。これら6本の母屋110は、登り梁70を支持する通し柱30や管柱40や小屋束90の位置に対応して設けられている。また、6本の母屋110は、軒桁60側のものから棟木100側のものになるに従って、屋根の勾配に従って、高さが段階的に高くなるように配置されている。
具体的には、6本の母屋110は、一方の妻側の外壁線から他方の妻側の外壁線まで至る、水平材・横架材である。そして、3本の登り梁70と直交するように、6本の母屋110が架け渡されている。また、母屋110は、登り梁70の上に載せられているのではなく、登り梁70と同じ高さの位置に設けられている。すなわち、母屋110及び登り梁70の天端は、ほぼ同じ高さになるようにしてある。これにより、母屋110と登り梁70とによって形成される入隅部に、火打ち梁120を設けやすくなっている。
(屋根構面の水平材・格子状の構造体)
ここで、軒桁60、棟木100、及び6本の母屋110を総称して、屋根構面の水平材とする。
本実施形態では、合計8本の屋根構面の水平材、及びこれらに直交する3本の登り梁70によって、軒桁60側から棟木100側に向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜した格子状の構造体が形成される。
(火打ち梁120)
図1〜図4に示すように、格子状の構造体における、屋根構面の水平材と登り梁70とによって形成される入隅部には、水平材及び登り梁70の双方に対して斜めに、火打ち梁120が設けられている。
すなわち、火打ち梁120は、一端を屋根構面の水平材の所定位置に、他端を登り梁70の所定位置に、それぞれ固定されている。これにより、屋根構面の強度の向上を図っている。
また、本実施形態では、火打ち梁120は、金属製とされている。
さらに、本実施形態では、火打ち梁120は、屋根構面の水平材(軒桁60、棟木100、母屋110)及び登り梁70の天端に近い位置に設けられている。本実施形態では、火打ち梁120のすぐ下方に、天井仕上げ板が設けられるが、火打ち梁120の位置を極力高く(天端近く)にすることにより、天井仕上げ板の位置を極力高くすることができ、ひいては最上階の上部空間を少しでも高くすることができる。
(垂木130)
図1、図3及び図4に示すように、屋根の勾配に沿って、屋根構面の水平材(軒桁60、棟木100、母屋110)と直交するように、これらの上に複数本の垂木130が架け渡されている。
また、複数本の垂木130は、各登り梁70とは平行に設けられている。
さらに、各垂木130は、屋根構面の水平材(軒桁60、棟木100、母屋110)の上に載せるようにして配置され、これらの水平材と交差する位置で、これらの水平材にそれぞれ固定されている。
(面材140)
図3及び図4に示すように、垂木130の上には、複数枚の面材140が設けられている。また、各面材140は、平面視矩形とされている。
これら複数枚の面材140は、野地板などと呼ばれるものであって、複数本の垂木130に跨るように配置されて、それが跨ぐ各垂木130にそれぞれ固定されている。本実施形態では、各垂木130は、455mm間隔で配置されている。また、各面材140の幅は、910mmとされている。このため、各面材140は、3本の垂木130に跨るように配置されて、これらに固定されている。
これにより、屋根構造の基本骨格が構築される。また、火打ち梁120と面材140(野地板)とを同一構面に配置することにより、屋根構面の強度の更なる向上を図っている。
(作用・効果)
そして、本実施形態では、屋根構面が、水平構面としても機能する。
すなわち、最上階の室内上部の空間を広く開放的にするために、最上階の室内上部から桁や梁をなくし、ひいては桁と梁との入隅部に設けるべき火打ち梁120をなくすと、本来であれば水平構面が設けられる位置に、水平構面を設けることができなくなるが、本実施形態では、この本来設けられるべき水平構面の機能を、屋根構面に担わせている。これにより、建物の十分な強度を確保することができる。
逆に言えば、本実施形態では、水平構面の機能を、屋根構面に担わせているので、最上階の室内上部から桁や梁をなくし、ひいては桁と梁との入隅部に設けるべき火打ち梁120もなくして、最上階の室内上部の空間を広く開放的なものにすることができる。
さらに、本実施形態では、建物の妻側の外壁線上に配置された複数本の柱が、登り梁70を直接支持している。そして、この登り梁70が、小屋束90を介することなく、母屋110を直接支持している。このため、登り梁70を直接支持する柱を、耐力壁を構成する柱とすることで、屋根構面から耐力壁への水平力の伝達を確実にすることができる。
10 基礎 20 土台
30 通し柱 40 管柱
50 胴差 60 軒桁
70 登り梁 80 妻梁
90 小屋束 100 棟木
110 母屋 120 火打ち梁
130 垂木 140 面材

Claims (3)

  1. 軒桁と、
    軒桁と平行に、かつ軒桁よりも高い位置に設けた棟木と、
    軒桁と棟木との間に、かつこれらと平行に、かつ所定間隔を空けて設けた複数本の母屋とを備え、
    軒桁、棟木、及び複数本の母屋によって、屋根構面の水平材が構成され、
    複数本の母屋は、軒桁側のものから棟木側のものになるに従って高さが段階的に高くなるように配置され、
    屋根構面の水平材と直交するように設けた複数本の登り梁を備え、
    屋根構面の水平材、及び複数本の登り梁によって、軒桁側から棟木側に向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜した格子状の構造体が形成され、
    格子状の構造体における、屋根構面の水平材と登り梁とによって形成される入隅部には、一端を屋根構面の水平材の所定位置に、他端を登り梁の所定位置に、それぞれ固定された火打ち梁が設けられ、
    屋根構面の水平材と直交するように、かつ各登り梁と平行に設けた複数本の垂木を備え、
    各垂木は、屋根構面の水平材にそれぞれ固定され、
    複数本の垂木に跨るように設けた複数枚の面材を備え、
    各面材は、それが跨ぐ各垂木にそれぞれ固定され
    登り梁として、建物の外壁線上に設けた特定登り梁を備え、
    軒桁及び特定登り梁は、同一の高さの位置で直交し、
    軒桁及び特定登り梁によって形成される入隅部には、軒桁及び特定登り梁の双方の下面より上方、かつ双方の上面より下方に位置するように、火打ち梁が設けられ、
    特定登り梁と同一の外壁線上であって軒桁及び特定登り梁より低い位置に、妻梁が設けられている
    ことを特徴とする建物の屋根構造。
  2. 特定登り梁は、耐力壁を構成する複数本の柱によって直接支持されている
    ことを特徴とする請求項1記載の建物の屋根構造。
  3. 軒桁と同一の外壁線上であって妻梁と同一の高さの位置には、建物の構造躯体を構成する横架材が設けられていない
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の建物の屋根構造。
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