JP2020117639A - インクジェット用水金液 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット印刷による無機基材表面への金加飾を実現する技術を提供する。【解決手段】ここで開示されるインクジェット用水金液は、インクジェット印刷による無機基材への金加飾に用いられる水金液である。かかるインクジェット用水金液は、金樹脂硫化バルサムと、金樹脂硫化バルサムを溶解する溶剤とを含み、金樹脂硫化バルサムの蛍光X線分析における硫黄元素(S)由来のピーク強度ISに対する金元素(Au)由来のピーク強度IAuの比(IAu/IS比)が8.5以上である。当該IAu/IS比が8.5以上の水金液は、金含有量を増加させても、粘度を低い状態に維持できるため、インクジェット印刷による無機基材への金加飾を実現することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用水金液に関する。詳しくは、インクジェット印刷による無機基材への金加飾に用いられる水金液に関する。
陶磁器、ガラス器、琺瑯器等の窯業器物の表面には、金色の装飾が施されたものがある。かかる金色の装飾は、優美または豪華な印象を与えるために、高級品や高付加価値品に主に施されている。この金色の装飾は、例えば、「水金液」と呼ばれる金を含む液体を装飾対象の表面に塗布した後に焼成することによって形成される。この水金液は、一般に、金樹脂硫化バルサム(金レジネート)と呼ばれる有機化合物を、所定の溶剤に溶解させたものである。この金樹脂硫化バルサムは、例えば、硫黄とテレピン油とを反応させた硫化バルサムと、金を王水に溶解させた塩化金酸とを反応させることによって生成される。かかる水金液の一例が特許文献1〜4に開示されている。
ところで、窯業器物等の無機基材の表面に装飾を施す手段として、従来から、刷毛塗りやスクリーン印刷等が用いられている。しかし、近年では、無機基材への表面装飾にインクジェット印刷を用いることが提案されている。このインクジェット印刷は、刷毛塗りのような熟練した職人的技術を必要とせず、スクリーン印刷よりも少量多品種生産に対応しやすいため、生産効率の向上に貢献できると考えられている。例えば、特許文献5には、陶磁器等を対象にしたインクジェット用記録液(インクジェット用インク)が記載されている。この特許文献5に記載のインクは、樹脂酸ビスマス等の樹脂酸金属塩を含んでおり、イエロー、シアン及びマゼンタのいわゆる減法混色における3原色や、その類似系統色(青色、赤色)を発色させるものである。また、この特許文献5に記載のインクは、発色性向上及び色相の調整能向上の観点から、金バルサム等の貴金属バルサム系化合物を含んでいる。
特許第2967742号 特許第3321063号 特開昭62−138379号 米国特許第2490399号 特開2004−182764号公報
しかしながら、金加飾用の水金液は、特許文献5に記載されているような3原色のインクや黒色のインクと異なり、インクジェット印刷を用いた塗布技術が未だ確立されておらず、依然として刷毛塗りやスクリーン印刷等によって無機基材への塗布が用いられている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、インクジェット印刷を用いた無機基材表面への金加飾を実現する技術を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明者は、インクジェット装置を用いて水金液を無機基材の表面に塗布することを試みた。その結果、水金液は、従来の3原色のインクや黒色のインクと異なり、インクジェット装置の吐出口から適切に吐出できるような粘度に調整することが困難であることが判明した。具体的には、美しい発色を呈する金色の装飾を形成するには、塗布した水金液を焼成した後に十分な厚み(例えば0.1μm〜50μm)の金膜が形成されることが求められる。このような金膜を形成するには、十分な量の金が水金液中に含有されている必要がある。しかし、金含有量を多くすると、水金液の粘度が上昇して吐出口から吐出させることが困難になる。この対策として、金含有量が少ない水金液を調製し、同一箇所に向かって水金液を吐出する回数(印刷回数)を増やすことが考えられる。しかし、印刷回数を増やすと印刷時間が長くなるため、生産効率の向上というインクジェット印刷の目的に反することになる。また、吐出した液滴の付着位置がずれることによって、隣接した液滴同士の融合による印刷ムラも生じやすくなる。
上述の問題を考慮し、本発明者は、インクジェット印刷による金加飾を実現するためには、金含有量が多く、かつ、粘度が低い水金液を調製する必要があると考えた。そして、この考えに基づいて種々の実験と検討を行った結果、水金液中の金樹脂硫化バルサムの蛍光X線分析における硫黄元素(S)由来のピーク強度Iに対する金元素(Au)由来のピーク強度IAuの比(IAu/I比)を高くすると、驚くべきことに、金含有量を多くしても、粘度を低い状態に維持できることを発見した。
ここに開示される水金液は、上述の知見に基づいてなされたものであり、インクジェット印刷による無機基材への金加飾に用いられるインクジェット用水金液である。このインクジェット用水金液は、金樹脂硫化バルサムと、金樹脂硫化バルサムを溶解する溶剤とを含み、金樹脂硫化バルサムの蛍光X線分析における硫黄元素(S)由来のピーク強度Iに対する金元素(Au)由来のピーク強度IAuの比(IAu/I比)が8.5以上である。
かかるインクジェット用水金液は、金含有量を増加させても、粘度を低い状態に維持できるため、インクジェット印刷による無機基材への金加飾を実現することができる。
ここで開示されるインクジェット用水金液の好ましい一態様では、金含有率が5wt%〜20wt%である。ここに開示される技術によれば、このような金含有量が多い水金液を調製した場合でも、粘度を低い状態に維持し、インクジェット装置の吐出口から好適に吐出させることができる。
ここで開示されるインクジェット用水金液の好ましい一態様では、粘度が25mPa・S以下である。ここに開示されるインクジェット用水金液は、粘度を25mPa・S以下に調節した場合でも、十分な量の金を含んでいるため、質の高い金色の装飾を効率よく形成することができる。
ここで開示されるインクジェット用水金液の好ましい一態様では、溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも一種を含む。これらの溶剤は、金樹脂硫化バルサムを好適に溶解することができるため、大粒子によって吐出口に目詰まりが生じることを防止できる。
また、本発明によると、印刷物の製造方法が提供される。この製造方法は、無機基材を準備する工程と、上述したいずれかの態様に係るインクジェット用水金液をインクジェット装置の吐出口から吐出させ、当該インクジェット用水金液を無機基材の表面に付着させる工程と、インクジェット用水金液が付着した無機基材を焼成する工程とを含む。
ここに開示される製造方法は、上述したいずれかの態様に係るインクジェット用水金液を用いているため、インクジェット印刷によって無機基材の表面に金色の装飾を形成できる。このため、質の高い金色の装飾が施された印刷物を高い生産効率で製造できる。
インクジェット用水金液中の金(Au)の状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法に用いられるインクジェット装置を模式的に示す全体図である。 図2に示すインクジェット装置のインクジェットヘッドを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造された印刷物の金装飾を拡大した写真である。 サンプル1〜13のIAu/I比と金含有率(wt%)と粘度(mPa・S)との関係を示すグラフである。 サンプル14〜23のIAu/I比と金含有率(wt%)と粘度(mPa・S)との関係を示すグラフである。 サンプル24〜33のIAu/I比と金含有率(wt%)と粘度(mPa・S)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
1.インクジェット用水金液
本実施形態に係るインクジェット用水金液は、インクジェット印刷による無機基材への金加飾に用いられる。かかるインクジェット用水金液は、金樹脂硫化バルサムと、当該金樹脂硫化バルサムを溶解する溶剤とを含む。以下、本実施形態に係るインクジェット用水金液に含まれる各材料について説明する。
(1)金樹脂硫化バルサム
金樹脂硫化バルサムは、金(Au)と硫黄(S)とを含む有機化合物である。ここに開示される水金液において金樹脂硫化バルサムを調製する手順は、特に限定されず、従来から知られている方法を特に制限なく適用できる。かかる金樹脂硫化バルサムの調製手順の一例は、次のとおりである。まず、王水(濃塩酸:濃硝酸=3:1)に金を溶解させて塩化金酸(HAuCl)を得る。次に、テレピン油、ロジン、ラベンダー油等の精油と硫黄とを反応させて硫化バルサムと呼ばれるテルペン系硫化物を調製する。そして、これらの塩化金酸と硫化バルサムを反応させることによって、金樹脂硫化バルサムが得られる。
そして、本実施形態に係る水金液に含まれる金樹脂硫化バルサムは、蛍光X線分析(XRF:X−Ray Fluorescence)における硫黄元素由来のピーク強度Iに対する金元素由来のピーク強度IAuの比(IAu/I比)が8.5以上である。このIAu/I比が8.5以上の金樹脂硫化バルサムを用いることによって、水金液中の金含有量を多くしても、粘度を低い状態に維持することができるため、インクジェット印刷を用いた無機基材への金加飾を実現できることが実験により確認されている。特に限定して解釈されるものではないが、IAu/I比が8.5以上の金樹脂硫化バルサムがこのような効果を発揮する理由は、次のように考えられる。図1に示すように、金樹脂硫化バルサム中では、金(Au)と、硫化バルサムとして高分子化した精油成分(R)とが、硫黄(S)を介して結合していると考えられる。この場合、上記IAu/I比が大きくなると、金(Au)と結合する硫黄(S)の数が減少するため、当該硫黄(S)を介して金(Au)の周囲に結合される精油成分(R)の分子量が減少する。この結果、精油成分(R)を介した金(Au)同士の凝集を抑制し、当該金(Au)を好適に分散させることができるため、水金液中の金含有量を多くしても粘度を低い状態に維持できると考えられる。
上記「金樹脂硫化バルサムのIAu/I比」は、XRFを用いた金樹脂硫化バルサムの元素分析の結果に基づいて算出される。このIAu/I比を求める具体的な手順は次のとおりである。まず、粉末状の金樹脂硫化バルサムをアルミニウム製リング内に薄く塗り拡げ、セルロースパウダーを用いて円板状に加圧成型した測定用試料に対して、以下の条件で蛍光X線分析を行う。そして、Au−Lα分析線のピーク強度(kcps)と、S−Kα1,2分析線のピーク強度(kcps)とを測定する。そして、Au−Lα分析線のピーク強度をS−Kα1,2分析線のピーク強度で割ることによって、金樹脂硫化バルサムのIAu/I比を求めることができる。なお、後述する試験例においても、同様の手順で各サンプルのIAu/I比を算出している。
<XRFの条件>
測定機器 :RIGAKU社製の蛍光X線分析装置(型式:ZSX PrimusII)
測定雰囲気:真空
<金(Au)の分析条件>
X線管球 :Rh管球
管電圧 :50kV
印加電流 :60mA
フィルタ :Be30
スリット :S2
分光結晶 :LiF(反射面200)
検出器 :シンチレーションカウンタ(SC)
PHA条件:波高値100〜300
<硫黄(S)の分析条件>
X線管球 :Rh管球
管電圧 :30kV
印加電流 :100mA
フィルタ :Be30
スリット :S4
分光結晶 :Ge
検出器 :ガスフロー型プロポーショナルカウンタ(PC)
PHA条件:波高値150〜300
また、本発明者が行った実験によって、上記IAu/I比が大きくなるにつれて、金含有量の増加にともなう粘度上昇の程度が緩やかになるという傾向が確認されている。この観点から、IAu/I比は、8.9以上であることが好ましい。一方、IAu/I比の上限は、水金液の粘度を低い状態に維持するという観点からは特に限定されず、100以下であってもよく、75以下であってもよく、50以下であってもよい。但し、IAu/I比が大きくなりすぎる(金(Au)と結合する硫黄(S)の数が減少しすぎる)と、硫黄(S)を介して金と結合する高分子が少なくなりすぎて、金同士の結合によって金の大粒子が生じる恐れがある。また、塩化金酸と反応する硫化バルサムの量が不足して金樹脂硫化バルサムの生成量が低下する可能性がある。これらの点を考慮すると、IAu/I比の上限は、40以下にすることが好ましく、30以下にすることがより好ましく、25以下にすることがさらに好ましく、20以下(例えば19.5以下)にすることが特に好ましい。なお、上記IAu/I比を所望の値にする手段としては、例えば、塩化金酸水溶液と硫化バルサムとの混合比を調整するという手段を採用することができる。
(2)溶剤
溶剤は、金樹脂硫化バルサムを溶解し得る有機溶剤であればよく、水金液の溶剤として使用されているものを特に制限なく使用できる。かかる溶剤は、例えば、1,4−ジオキサン、1,8−シネオール、2−ピロリドン、2−フェニルエタノール、N−メチル−2−ピロリドン、p−トルアルデヒド、安息香酸ベンジル、安息香酸ブチル、オイゲノール、カプロラクトン、ゲラニオール、サリチル酸メチル、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シクロペンチルメチルエーテル、シトロネラール、ジ(2−クロロエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジヒドロカルボン、ジブロモメタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ピロリドン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プレゴン、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、等を少なくとも一種以上含んでいると好ましい。また、上述の具体例のなかでも、ベンジルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、ベンズアルデヒドは、金樹脂硫化バルサムをより好適に溶解できるため、大粒子による吐出口の目詰まりをより適切に防止できる。なお、溶剤は、上述の具体例に限定されるものではなく、金樹脂硫化バルサムの溶解性が低い材料を一部含んでいてもよい。
また、水金液中における溶剤の含有量は、未溶解の粒子による吐出口の目詰まりを防止するという観点から、溶解対象の質量(例えば、金樹脂硫化バルサムと後述の添加物との合計質量)の2倍以上が適当であり、2.5倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましく、4倍以上がさらに好ましい。一方で、適切な金含有量を維持して生産効率の低下や印刷ムラの発生を防止するという観点から、溶剤の含有量の上限は、溶解する対象の質量の20倍以下が適当であり、15倍以下が好ましく、10倍以下がより好ましく、7.5倍以下がさらに好ましい。例えば、溶剤の含有量は溶解対象の質量の5倍程度が特に好ましい。
(3)水金液の粘度
上記したように、本実施形態に係る水金液は、IAu/I比が8.5以上に調整されているため、金含有量を多くしても、粘度を低い状態に維持できる。このとき、水金液の粘度は、25mPa・S以下、好ましくは15mPa・S以下、より好ましくは13mPa・S以下、さらに好ましくは11mPa・S以下、特に好ましくは10mPa・S以下、例えば8mPa・S以下に調節される。これにより、インクジェット装置の吐出口から水金液を好適に吐出することができる。なお、水金液の好適な粘度は、インクジェット装置の性能や吐出口の口径などによって変化するため、これらの点を考慮して適宜調節すると好ましい。本実施形態に係る水金液によると、好適な吐出を行うために求められる粘度に対して、高い濃度の金を含有させることができる。
なお、本明細書における「水金液の粘度」は、調製後25℃で48時間保持した試料に対して、以下の条件の下で測定したものである。なお、後述の試験例においても同様の条件が採用される。
<粘度の測定条件>
測定機器 :Brookfield社製のデジタル粘度計(型式:LVDV−3T、UL低粘度アダプター付き)
温度 :25℃
回転数 :10rpm
(4)金の含有量
本実施形態に係るインクジェット用水金液の効果は、金含有率を5wt%以上とした場合に特に好適に発揮される。具体的には、美しい発色を呈する金色の装飾を効率良く形成するには、水金液の金含有率を5wt%以上にすることが好ましい。通常、金含有量が多い水金液を調製すると、粘度が大幅に上昇して吐出口から吐出させることが困難になる。しかし、本実施形態に係るインクジェット用水金液は、金含有量の増加による粘度上昇が抑制されているため、5wt%以上という金を含んでいるにもかかわらず、吐出口から好適に吐出させることができる。なお、印刷回数をより少なくして生産効率を向上させるという観点から、金含有量は、5.5wt%以上であるとより好ましく、7.5wt%以上であるとさらに好ましく、10wt%以上であると特に好ましい。また、吐出口からの吐出性をより向上させるという観点から、金含有率の上限は、20wt%以下が好ましく、18wt%以下がより好ましく、17wt%以下がさらに好ましく、16wt%以下が特に好ましい。かかる金含有量は、例えば、15wt%に設定され得る。
(5)他の添加物
本実施形態に係るインクジェット用水金液には、上述した金樹脂硫化バルサムおよび溶剤以外に、種々の添加物が含まれていてもよい。以下、インクジェット用水金液への添加物の一例について説明する。
上記添加物の一例として、金(Au)以外の金属元素が挙げられる。水金液に添加され得る金以外の金属元素としては、例えば、ロジウム(Rh)、ビスマス(Bi)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)などが挙げられる。水金液にロジウムを添加することにより、焼成中の金粒子の生成を抑制し、強度が高い金膜を形成できる。かかるロジウムの添加量は、金100重量部に対して0.1重量部〜2重量部であると好ましい。また、ビスマスを添加することにより、金膜と無機基材との間に中間層を形成し、金膜の接着性を向上できる。ビスマスの添加量は、金100重量部に対して1重量部〜10重量部であると好ましい。また、クロムを添加すると、アルカリなどの不純物の混入による焼成不良を抑制できる。クロムの添加量は、金100重量部に対して0.1重量部〜2重量部であると好ましい。また、高温での焼成が難しい無機基材(例えばガラス器等)が装飾対象である場合には、バナジウムを添加することにより金膜の固着強度を向上させることができる。バナジウムの添加量は、金100重量部に対して0.1重量部〜2重量部であると好ましい。また、モリブデン、ジルコニウム、亜鉛を添加すると、焼成温度の低下と焼成時間の短縮に貢献できる。なお、上述した金以外の金属元素はいずれも、金と同様に、硫化バルサムと反応させた状態(金属樹脂硫化バルサム)で水金液に添加されていると好ましい。
また、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)などを水金液に混合することもできる。これらの金属元素を含む水金液を焼成すると、美しい銀色を呈する装飾を無機基材の表面に形成できる。これらの銀色発色用の金属元素の添加量は、金100重量部に対して0.5重量部〜5重量部であると好ましい。また、0.5重量部未満の白金、パラジウム、銀を添加することにより、金膜の発色を調整することもできる。なお、これらの銀色発色用の金属元素も同様に、金属樹脂硫化バルサムの状態で水金液に添加すると好ましい。
また、水金液は、ケイ素(Si)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)等を含んでいてもよい。これらの元素が水金液に含まれていると、非導電性の金膜を形成できるため、電子レンジでの使用耐性等を付与できる。但し、これらの元素の添加量が多くなりすぎると、焼成後の金膜の発色性が低下する可能性がある。このことを考慮すると、ケイ素の添加量は、金100重量部に対して3重量部〜20重量部であると好ましい。またインジウムの添加量は、金100重量部に対して2重量部〜15重量部であると好ましい。カルシウムの添加量は、金100重量部に対して2重量部〜20重量部であると好ましい。
また、本実施形態に係るインクジェット用水金液への添加物は、上記した材料以外に限定されず、従来から使用され得る添加物を特に制限なく使用できる。すなわち、本実施形態に係るインクジェット用水金液には、水金液用の添加物だけでなく、3原色および黒色のインクジェット用インク用の添加物として従来から使用され得る材料を、本発明の効果を損なわない範囲で特に制限なく使用することができる。
2.印刷物の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係る印刷物の製造方法を図2〜図4を参照しながら説明する。図2は本実施形態に係る製造方法に用いられるインクジェット装置を模式的に示す全体図である。図3は図2に示すインクジェット装置のインクジェットヘッドを模式的に示す断面図である。また、図4は本実施形態に係る製造方法によって製造された印刷物の金装飾部分の拡大写真である。
本実施形態に係る印刷物の製造方法では、上述した実施形態に係るインクジェット用水金液が用いられる。具体的には、図2に示すように、本実施形態に係る製造方法で使用されるインクジェット装置1は、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、ブラック(K)、ゴールド(G)の5種類のインクジェットヘッド10を備えている。これらのうち、ゴールド(G)用のインクジェットヘッド10に、上述した実施形態に係るインクジェット用水金液が貯蔵されている。
インクジェットヘッド10には、例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドが用いられる。このピエゾ型のインクジェットヘッド10は、図3に示すように、水金液を貯蔵する貯蔵部13が形成されたケース12を備えている。このケース12の貯蔵部13は、送液経路15を介して吐出部16と連通している。吐出部16には、吐出口17とピエゾ素子18とが設けられている。ピエゾ素子18は、吐出口17に対向するように配置されており、このピエゾ素子18が振動することによって、吐出部16内の水金液が吐出口17から吐出される。
また、インクジェットヘッド10は、印刷カートリッジ40の内部に収容されている。この印刷カートリッジ40には、ガイド軸20が挿通されている。印刷カートリッジ40は、このガイド軸20に沿って水平方向Xに往復動できるように構成されている。また、図示は省略するが、インクジェット装置1は、ガイド軸20を垂直方向Yに往復動させる移動手段を備えている。インクジェット装置1は、この水平方向Xと垂直方向Yの往復動の組み合わせによって、所望の位置にインクジェットヘッド10を移動させることができる。
次に、このインクジェット装置1を用いた印刷物の製造方法を説明する。
本実施形態に係る製造方法では、まず、無機基材Wを準備する。この無機基材Wは、表面に水金液やインクを吸収する層を有しておらず、後述する焼成工程によって水金液(インク)を表面に定着させる必要がある印刷対象を指す。かかる無機基材Wの用途、厚み、形状、色、硬さは特に限定されず、陶磁器、ガラス器、琺瑯器等の窯業器物だけでなく、電子回路や反射膜等の基板であってもよい。すなわち、本実施形態に係るインクジェット用水金液は、窯業器物への金加飾の他に、電子回路や反射膜等の形成に用いることもできる。
本実施形態では、次に、上述したインクジェット用水金液をインクジェット装置1の吐出口17から吐出させ、インクジェット用水金液を無機基材Wの表面に付着させる。具体的には、まず、無機基材Wをインクジェット装置1のステージ(図示省略)上に配置し、インクジェットヘッド10が無機基材Wの上方に配置されるように、印刷カートリッジ40を移動させる。そして、形成する模様の形状に応じて印刷カートリッジ40を移動させながら吐出口17から水金液を吐出させる。これにより、無機基材Wの表面に、微小なドット状の液滴から構成された模様が描画される。このとき、本実施形態では、水金液の粘度が低い状態に維持されているため、吐出口17から水金液を好適に吐出させることができる。また、吐出口17から吐出される水金液は、非常に微量(1pl〜80pl程度)である。このため、インクジェット装置1は、焼成後に所望の厚みの金膜が形成されるように、同一箇所に向かって水金液を複数回吐出する。このとき、本実施形態では、水金液に十分な量の金が含まれているため、同一箇所に向かって水金液を吐出する回数(印刷回数)を少なくすることができる。この結果、生産効率を向上させるとともに、無機基材W表面においてドット状の液滴同士が融合することによる印刷ムラを防止できる。
なお、他の3原色および黒色のインクも、上述した水金液の吐出と同様の手順で無機基材Wに向かって吐出される。なお、水金液以外のインクの吐出は、本発明を限定するものではないため詳細な説明を省略する。
そして、水金液によって所望の模様が描画された無機基材Wを、所定の温度で焼成する。これによって、微細なドット状の金膜(例えば、直径200μm以下の略円形の金膜)によって構成された金色の装飾が無機基材Wの表面に形成される(図4参照)。このとき、本実施形態では、水金液に十分な量の金が含まれているため、十分な厚み(50nm〜100nm)の金膜が集合した美しい発色の金色の装飾が形成される。
なお、上記焼成の温度は、無機基材Wの軟化温度よりも低い温度に設定される。例えば、無機基材Wが陶磁器である場合の焼成温度は750℃〜850℃の範囲内に設定され、ガラス器である場合の焼成温度は450℃〜600℃の範囲内に設定される。また、無機基材Wの表面に釉薬を塗布している場合には、当該釉薬の軟化温度も考慮して焼成温度を設定することが好ましい。
以上のように、本実施形態に係る製造方法によれば、微細なドット状の金膜によって構成された装飾が無機基材Wの表面に形成された印刷物を製造することができる。このインクジェット印刷を用いた製造方法は、刷毛塗りのような熟練した職人的技術を必要とせず、スクリーン印刷よりも少量多品種生産に対応しやすいため、印刷物の生産効率を大幅に向上させることができる。
[試験例]
以下、本発明に関する試験例を説明するが、当該試験例は本発明を限定することを意図したものではない。
A.第1の試験
1.サンプルの準備
本試験では、後述の表1に示すように、IAu/I比と金含有率(wt%)とが異なる12種類の水金液(サンプル1〜12)を準備した。
(1)水金液の調製
サンプル1〜12の水金液を調製した手順を以下に説明する。
まず、硫黄華22.5g、ロジン100g、テレピン油150gを混合し、165℃で約2時間加熱した。そして、上記混合物の重量が200gになるまで蒸留を行うことにより未反応物を除去し、硫化バルサムを作製した。一方、王水(濃塩酸:濃硝酸=3:1)に純金を溶解させて塩化金酸水溶液を調製した。そして、塩化金酸水溶液に塩化カリウムを添加した後、水分が蒸発するまで加温して塩化金酸カリウムの結晶を得た。次に、塩化金酸カリウムをメタノールに溶解させた後に、溶液を冷却しながら所定量の硫化バルサムを徐々に添加した。ここで、本試験では、サンプル1〜12の各々で、塩化金酸カリウム溶液と硫化バルサムとの混合比を異ならせた。その後、60gの固形物が得られるまで加温し、得られた固形物をクロロホルムに溶解させ、溶液に無水炭酸ナトリウムを添加して遊離塩酸を中和した後、振盪しながら約1日放置した。次に、溶液をろ過して炭酸ナトリウムを除去した後に、加温して未反応のクロロホルムを除去した。そして、不純物を除去した溶液を、約1000mlのメチルアルコールに添加し、金樹脂硫化バルサムを含む沈殿物を生成した。そして、沈殿物を採集して35℃で真空乾燥を行うことによって、硫黄の含有量に対する金の含有量が異なる12種類の金樹脂硫化バルサムの粉末を得た。次に、各々の金樹脂硫化バルサム粉末(5g)を20gのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解させた。さらに、サンプル毎で異なる量のNMPを添加し、金含有率が異なる12種類の水金液(サンプル1〜12)を得た。各サンプルの金含有率を表1に示す。
(2)IAu/I比の測定
サンプル1〜12の水金液に使用されている各々の金樹脂硫化バルサム粉末に対して、蛍光X線分析を用いた元素分析を実施し、分析結果に基づいてIAu/I比を求めた。各サンプルにおけるIAu/I比を表1に示す。なお、IAu/I比を求める際の詳細な条件は既に説明しているため、ここでの記載を省略する。
2.評価試験
サンプル1〜12の水金液の粘度を測定した。また、本試験では、比較対象として、NMPの粘度も測定し、これをサンプル13とした。なお、粘度の測定条件は既に説明しているため、ここでの説明を省略する。粘度の測定結果を表1に示すと共に、IAu/I比と金含有率(wt%)と粘度(mPa・S)の関係を図5のグラフに示す。図5中の縦軸が粘度(対数表示)であり、横軸が金含有率である。そして、図5中の「×」のプロットがIAu/I比=5.8のサンプル1〜3を示し、「○」のプロットがIAu/I比=8.5のサンプル4〜6を示す。また、「△」のプロットがIAu/I比=8.9のサンプル7〜9を示し、「□」のプロットがIAu/I比=19.5のサンプル10〜12を示す。
上記表1および図5に示すように、IAu/I比が大きいサンプルの方が、金含有率の増加に伴う粘度上昇の程度が緩やかになることが確認された。そして、IAu/I比が5.8のサンプル1〜3と、IAu/I比が8.5のサンプル4〜6との間には、粘度上昇の抑制の効果に優位な差があることが確認された。この結果より、金樹脂硫化バルサムのIAu/I比を8.5以上にすることにより、粘度を低い状態に維持したまま、金含有量を増加できることが分かった。
B.第2の試験
1.サンプル14〜33の調製
本試験では、溶剤を変更したことを除いて第1の試験と同じ手順に従って、IAu/I比と金含有率が異なる24種類の水金液(サンプル14〜22およびサンプル24〜32)を調製した。具体的には、サンプル14〜22では、溶剤にベンジルアルコールを使用し、サンプル24〜32では、溶剤にベンズアルデヒドを使用した。また、本試験では、比較対象として、硫化バルサムをベンジルアルコールに溶解させたサンプル23と、硫化バルサムをベンズアルデヒドに溶解させたサンプル33も調製した。なお、各サンプルのIAu/I比は第1の試験と同じ手順で測定した。ベンジルアルコールを使用したサンプル14〜22のIAu/I比を表2に示し、ベンズアルデヒドを使用したサンプル24〜32のIAu/I比を表3に示す。
2.評価試験
上記第1の試験と同じ手順で、サンプル14〜33の粘度を測定した。溶剤にベンジルアルコールを使用したサンプル14〜23について、粘度測定の結果を表2に示すと共に、IAu/I比と金含有率(wt%)と粘度(mPa・S)の関係を図6に示す。なお、図6中の「×」のプロットはIAu/I比=5.8のサンプル14〜16を示し、「△」のプロットはIAu/I比=8.9のサンプル17〜19を示し、「□」のプロットはIAu/I比=19.5のサンプル20〜22を示す。
次に、溶剤にベンズアルデヒドを使用したサンプル24〜33について、粘度測定の結果を表3に示すと共に、IAu/I比と金含有率(wt%)と粘度(mPa・S)の関係を図7に示す。なお、図7中の「×」のプロットはIAu/I比=5.8のサンプル24〜26を示し、「△」のプロットはIAu/I比=8.9のサンプル27〜29を示し、「□」のプロットはIAu/I比=19.5のサンプル30〜32を示す。
表2、3および図6、7に示されるように、NMP以外の溶剤を使用した場合であっても、IAu/I比を大きくすることにより、粘度を低い状態に維持したまま、金含有量を増加できることが確認された。このことから、IAu/I比を大きくすることによる効果は、溶媒の種類にかかわらず、発揮されることが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 インクジェット装置
10 インクジェットヘッド
12 ケース
13 貯蔵部
15 送液経路
16 吐出部
17 吐出口
18 ピエゾ素子
20 ガイド軸
40 印刷カートリッジ
X 平行方向
Y 垂直方向

Claims (5)

  1. インクジェット印刷による無機基材への金加飾に用いられるインクジェット用水金液であって、
    金樹脂硫化バルサムと、前記金樹脂硫化バルサムを溶解する溶剤とを含み、
    前記金樹脂硫化バルサムの蛍光X線分析における硫黄元素(S)由来のピーク強度Iに対する金元素(Au)由来のピーク強度IAuの比(IAu/I比)が8.5以上である、インクジェット用水金液。
  2. 金含有率が5wt%〜20wt%である、請求項1に記載のインクジェット用水金液。
  3. 粘度が25mPa・S以下である、請求項1または請求項2に記載のインクジェット用水金液。
  4. 前記溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒドからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット用水金液。
  5. 無機基材を準備する工程と、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット用水金液をインクジェット装置の吐出口から吐出させ、当該インクジェット用水金液を前記無機基材の表面に付着させる工程と、
    前記インクジェット用水金液が付着した無機基材を焼成する工程と、
    を含む印刷物の製造方法。
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