JP2001039092A - 窯業製品の製造方法 - Google Patents

窯業製品の製造方法

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JP2001039092A
JP2001039092A JP11216475A JP21647599A JP2001039092A JP 2001039092 A JP2001039092 A JP 2001039092A JP 11216475 A JP11216475 A JP 11216475A JP 21647599 A JP21647599 A JP 21647599A JP 2001039092 A JP2001039092 A JP 2001039092A
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Satoru Nozaki
哲 野崎
Mitsue Hattori
美津江 服部
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Narumi China Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オリジナルな絵柄をそのまま厳密に再現した転
写紙を作製し,経時的な変色のない窯業製品を,1個か
らでも低コストで製造する方法を提供する。 【解決手段】画像入力手段によって取り込んだ電子画像
を,剥離層を有する転写台紙上に,窯業用絵具を具備す
るプリンター装置で出力して転写紙とし,該転写紙に形
成された絵柄を窯業製品に貼付し,550℃以上で焼成
したことを特徴とする窯業製品の製造方法。プリンター
装置としては,インクジェットプリンターをもちいる。
転写台紙は,窯業用の水貼り転写台紙であり、転写紙に
は,カバーコート層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,窯業製品の製造方
法に係り,特に,画像入力手段によって取り込んだ任意
の電子画像を,窯業用絵具を具備したインクジェットプ
リンターで出力して転写紙を作製する,窯業製品の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,従来からの製造業者の提供する絵
柄の窯業製品とは別に,自分だけのオリジナルな絵柄の
窯業製品を得たいとのニーズが高まってきている。マイ
カップ,マイプレートといったものである。
【0003】さらに,オリジナルな絵柄は,製造業者に
作ってもらうのではなく,自分で創作しそれをそのまま
窯業製品にして,永久に記念に残したいというニーズも
ある。たとえば,結婚,赤ちゃん誕生,入学,卒業など
のメモリアル品や,特に親しい人たちへのオリジナルギ
フトといったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,素人
が,窯業製品に,直接,窯業用絵具を用いて絵柄を描く
ことは,画用紙に水彩画を描くようにはいかず,非常に
難しい。そこで,あらかじめ,紙や電子画像で絵柄を創
作しておき,これを製造業者に依頼して,パッド印刷や
スクリーン印刷により窯業製品に付けるという方法があ
る。
【0005】パッド印刷は,まず,エッチング等により
絵柄を刻み込んだ平板に,窯業用絵具をドクターブレー
トなどを用いてかき込む。次にこの絵柄の上に柔軟な凸
面を有するシリコーン樹脂製パッドを押しあてて平板上
の絵柄をパッドの表面に移し取る。そして,このパッド
上の絵柄を窯業製品上に転写するというものである。
【0006】しかし,パッド印刷は,平板上の絵柄をパ
ットの表面に移し取り,これを窯業製品上に転写するた
め,当初の絵柄を完全に窯業製品に転写することができ
ない。さらに,一度に移し取ることができる色は一色の
ため,複数の色を移し取るためには,先の色が乾いてか
らおこなわなければならならず,完成品を得るには時間
がかかるという問題がある。
【0007】一方,スクリーン印刷は,紫外線硬化樹脂
を塗布したスクリーンメッシュにポジフィルムを通して
露光し,露光した部分を溶解ないし残留させてスクリー
ンを露出させて版を形成し,しかる後,陶磁器顔料,ガ
ラス成分および有機ビヒクルからなるペーストを,スク
リーンを通じて,窯業製品に直接印刷するか,あるいは
水溶性高分子を塗布した転写台紙に印刷して,目的とす
る絵柄を形成するというものである。
【0008】しかし,スクリーン印刷は,得ようとする
絵柄について,まず,色分解し,色別にポジフィルムを
作成し,これにもとづいて色別にスクリーン版を作製す
るという製造工程を経たのち,色別に印刷しなければら
ず,製造工程が長い。また,印刷に際しては,有機溶剤
を使用するため,作業環境を悪化させるなどの問題を有
している。
【0009】また,パッド印刷,スクリーン印刷のいず
れの方法においても,窯業製品に付ける絵柄の版は,製
造業者によって作製されるため,必ずしも発注者の意図
するものができるとは限らない。そのため,発注者の意
図する絵柄を得るためには,版ができた段階で打ち合わ
せをおこない,版を修正する等の手間がかかる。
【0010】さらに,パッド印刷やスクリーン印刷は,
1個作る場合でも,大量に作る場合でも,転写紙を作製
するための資材,備品,工程は同じである。そのため,
小量生産でも大がかりな設備や,印刷にともなう多くの
材料が必要であり,また複雑な工程のために多大な時間
が必要となる。同じ絵柄の製品が大量生産される場合に
は,これらのコストが製品コストを引き上げる要因には
ならないが,オリジナル絵柄を得るという少量生産をお
こなう場合には,できあがった製品は,相当に高価なも
のとなってしまうという問題がある。
【0011】そこで,オリジナルな絵柄を簡単に形成す
る方法として,ビデオカメラやスキャナー等の画像入力
手段によって取り込んだ画像を昇華型熱転写方式等のカ
ラープリンターによって印画紙に熱転写し,その印画紙
に熱転写された画像を窯業製品にヒートプレスを用いて
再転写するようにした画像転写システムがある。しか
し,この方法は,窯業用絵具を用いないため,窯業製品
に焼き付けることができず,時間が経つにつれて,絵柄
が変色してしまうという問題がある。
【0012】本発明は,上記問題点を解決するためにな
されたものであって,オリジナルな絵柄を,そのまま厳
密に再現した転写紙を簡単に作製し,経時的に変色のな
い窯業製品を,1個からでも低コストで製造する方法を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め,本発明は,画像入力手段によって取り込んだ電子画
像を,剥離層を有する転写台紙上に,窯業用絵具を具備
するプリンター装置で出力して転写紙とし,該転写紙に
形成された絵柄を窯業製品に貼付し,550℃以上で焼
成したことを特徴とする窯業製品の製造方法にある。
【0014】なお,本発明において,絵柄とは,たとえ
ば線画,イラスト画,模様画,写真画,電子画などをい
い,窯業製品上に図柄として形成できるすべての画像を
含む。
【0015】本発明の電子画像は,コンピューターに取
り込むことができる画像あるいはコンピューターに取り
込んで通信回線を通じて送信できる画像であれば,すべ
て本発明の電子画像として利用できる。具体的には,C
ADやCGで作成した画像,スキャナーで取り込んだ画
像,ビデオカメラやデジタルカメラ出取り込んだ画像な
どである。
【0016】電子画像は,取り込んだコンピューターか
ら,インターネットなどで,汎用通信回線,あるいは専
用通信回線を通じて窯業用転写紙を作製できるプリンタ
ーに接続しているコンピューターに転送され蓄積され
る。
【0017】あるいは,通信回線を使用しない場合に
は,画像を取り込んだコンピューターで,画像情報をF
D(フロッピーディスク),CD−ROM(光記録媒
体),MO(磁気記録媒体)等のデータ蓄積媒体に取り
込み,これを窯業用転写紙を作成できるプリンターに接
続されたコンピューターのあるところに,郵送等で送付
し,ここで,データ蓄積媒体より窯業用転写紙を作成で
きるプリンターに接続されたンピューターに取り込むと
いう方法がある。
【0018】さらには,紙や写真に描かれたアナログ画
像を,窯業用転写紙を作成できるプリンターに接続され
たコンピューターに送付し,そこで,デジタルカメラや
ビデオカメラで取り込むか,スキャナーで取り込むかし
て,デジタル画像に変換し,取り込むという方法があ
る。
【0019】このようにして,製造者側に取り込まれた
電子画像は,そのまま原版となり,窯業用絵具を具備す
るプリンター装置によって,転写台紙上に出力される。
このとき,具体的な窯業製品である被転写体の大きさに
あわせて,電子画像を拡大,縮小することができる。
【0020】また,電子画像は,プリンターから直接転
写台紙上に印刷されるので,スクリーン印刷のように,
原版の作成,印刷版の作製,印刷,版替え,色あわせと
いう煩雑な工程が不要となる。
【0021】画像を出力するプリンター装置としては,
熱転写プリンター,レーザープリンター,インクジェッ
トプリンターがある。フルカラー対応であればいずれを
用いてもよい。しかしながら,画像の鮮明さ,焼成され
た絵柄の発色性など,画像の再現性の点から,インクジ
ェットプリンターが好ましい。
【0022】転写台紙は,窯業用の水貼り用転写台紙で
ある。転写台紙は,紙またはプラスチックフィルムが用
いられる。転写台紙上には剥離層が形成されている。剥
離層の上に,窯業絵具で画像を出力して絵柄層を形成し
たものが転写紙である。剥離層は,窯業製品の表面への
画像の転写を容易にするものである。剥離層は,剥離層
の上に形成される絵柄層の成分によって分解されないこ
とを条件とし,それを満たすもののなかから選ばれる。
すなわち,絵柄層の成分によって剥離層が分解される
と,画像が転写台紙からはがれにくくなり,鮮明な転写
像が得られないおそれがある。例えば,水貼り転写によ
る場合には,剥離層はデキストリンやポリビニルアルコ
ール等の水溶性糊層からなる。
【0023】転写紙には,カバーコート層が形成されて
いることが好ましい。該カバーコート層は,樹脂フィル
ムよりなる。該カバーコート層は,転写台紙から絵柄層
をはがす際,画像が崩れることを防ぐ効果がある。さら
に,焼成中に絵具層が飛散することも防止する。カバー
コート層は,絵柄層に印刷するか,スプレーするか,塗
布するかして形成する。カバーコート剤としてはアクリ
ル樹脂を用いる。また,このようにして形成したカバー
コート層は,焼成時には焼失してしまうので,絵柄に何
ら悪影響を与えることはない。
【0024】プリンター装置に具備されている窯業用絵
具は,無機顔料とガラス成分,金属粉末および金属酸化
物粉末等を含むものよりなる絵具,貴金属レジネート,
貴金属レジネートと微粉末貴金属とよりなる貴金属彩絵
具がある。このどちらの絵具も使用できる。
【0025】無機顔料としては,Y(イエロー),M
(マゼンダ),C(シアン),Bk(ブラック)の4色
を基本色として,公知のものがいずれも使用できる。無
機顔料としては,金属酸化物として弁柄,クロムグリー
ン,金属酸化物の固溶体として,マンガンピンク,クロ
ムアルミナグリーン,クロムチタンイエロー,バナジウ
ムスズイエロー,アンチモンスズ灰味青,ライラック,
バナジウムジルコニウムイエローなど,複酸化物として
(Zn,Co)O・Al23,ZnO・(Al,Cr)
23,(Zn,Co)O・(Al,Cr)23,ZnO
・(Al,Cr,Fe)23,(Mn,Co)O・(C
r,Fe)23,CuO・Cr 23など,複酸化物の固
溶体として,アンチモンイエローなどがあげられる。ま
た,珪酸塩として,コバルトオリピン,ニッケルオリピ
ン,ウバロバイトなど,珪酸塩の固溶体としてクロムス
ズピンク,バナジウムブルー,トルコブルー,プラセオ
ジムイエロー,コーラルレッドなど,硫化物としてカド
ミウムオレンジなど,硫セレン化物としてカドミウムレ
ッド,セレンレッド,マンダリンなどが用いられる。
【0026】ガラス成分としては,無機顔料を窯業製品
に固着させるためのものであり,例えば,珪素,アルミ
ニウム,カルシウム,マグネシウム,ホウ素,アルカリ
金属,亜鉛,ジルコニウムなどの酸化物等が用いられ
る。これにより,無機顔料の融着性が向上する。
【0027】インクジェットプリンターのインクとして
窯業用絵具を使用する場合には,このほかに,溶剤と樹
脂を用いる。溶剤は,転写台紙の剥離層を溶かさないも
のを用いる必要がある。たとえば,n−ヘキサン,n−
ヘプタン,ミネラルスピリット等の脂肪属炭化水素類,
ソルベントナフタ,ソルベソ,テトラリン等の芳香族炭
化水素類,エチルアルコール,イソプロピルアルコー
ル,シクロヘキシルアルコール等のアルコール類,エチ
レングリコールモノエチルエーテル(ブチルセロソル
ブ),ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カル
ビトール),エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート(セロソルブアセテート)等のグリコール誘導
体類,酢酸−n−ブチルなどのエステル類,メチルイソ
ブチルケトン(MIBK),シクロヘキサノン(アノ
ン),メチルシクロヘキサノン等のケトン類を用いるこ
とができる。
【0028】樹脂は,転写台紙に対する定着剤である。
樹脂としては,上記溶剤に溶解し,550℃までに完全
に焼失し,塩素を含まないもので,たとえば,エチルセ
ルロース,ニトロセルロース等のセルロース誘導体,油
含量の分類でいうと,長油アルキッド,中油アルキッ
ド,短油アルキッド,油の種類でいうと乾性油変性アル
キッド,半乾性油変性アルキッド,半乾性油アルキッド
等の各種アルキッド樹脂,有機溶剤可溶なアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とし,アク
リル酸,メタクリル酸,スチレン,ビニルトルエン,ア
クリルアシド,n−メチロールアクリルアミド,メタク
リル酸グリンジル,アクリル酸ヒビロキシエチルなど各
種コモノマーを共重合させたアクリル樹脂,エチルセル
ロース,エチルヒドロキシエチルセルロース(EHE
C)等のエーテル類を使用することができる。
【0029】貴金属レジネートとは,油性の媒液中に可
溶性化合物の形で貴金属が含有されているものであり,
具体的には,金樹脂硫化バルサム,プラチナ樹脂酸塩,
ロジウム樹脂酸塩,クロム樹脂酸塩,ビスマス樹脂酸塩
などの樹脂酸貴金属と,樹脂バルサム,テレピン油,レ
ジン,ラベンダー油,ローズマリー油,ニトロブンセン
等の媒液とよりなる。微粉末貴金属とは,貴金属粉であ
り,粒径が5μm以下の金,プラチナなどの貴金属より
なる。
【0030】画像入力手段によって取り込んだ合成画像
を,窯業用絵具を有するプリンター装置で出力した転写
紙は,剥離層で台紙と絵柄層とをはがし,絵柄層を窯業
製品に貼り付ける。これを乾燥させた後,陶磁器の場合
には800℃〜850℃,ソーダガラスの場合には58
0℃〜600℃,結晶化ガラスの場合には830℃〜8
50℃,ほうろうの場合には約800℃で焼成する。焼
成時間,焼成温度は,窯業製品の種類によって選択され
る。これにより,窯業製品の表面に画像が強固に溶着
し,はがれ落ちたり,変色したりすることのない絵柄を
窯業製品に施すことができ,そういった窯業製品を得る
ことができる。
【0031】窯業製品とは,陶磁器,ガラス,ほうろ
う,石膏,セメントなどである。このうちで,その表面
に絵柄等の装飾がよく施されるのは,陶磁器,ガラス,
ほうろうであり,本発明は,陶磁器,ガラス,ほうろう
に対してより効果的に作用し好ましい。陶磁器として
は,石器,陶器,磁器等のすべてを含み,電子材料や機
能材料という機能に左右されない。ガラスは,素材とし
ては,ソーダガラス,結晶化ガラスや石英ガラス等があ
るが,すべての素材について,本発明は有効である。
【0032】
【実施形態例】実施形態例 本発明の実施形態例にかかる,絵柄付き陶磁器製の皿に
ついて,図3を用いて説明する。本例の絵柄は,パソコ
ンAで作成した太陽のCG画像112と,通常のカメラ
で撮影した子猫の写真をスキャナーBでコンピューター
に取り込み,デタル化した画像113を,コンピュータ
ーで合成した合成画像111である。この合成画像11
1は,陶磁器製の皿に付けるために作成したオリジナル
画像である。
【0033】オリジナル画像は,合成画像111をイン
ターネットの情報通信手段により,窯業用絵具を具備す
るプリンター装置に接続されたコンピューターに転送す
る。このとき,合成画像111をどのような窯業製品,
たとえば,磁器製の皿で,その直径は23cm,さらの
中央に画像を付けるというデータも併せて送る。
【0034】サーバー側のコンピューターは,送られた
データに基づき,合成画像111をコンピューター上で
拡大あるいは縮小し,23cm皿70の中央にちょうど
よく納まるように加工した。これを完成画像データとし
た。この完成画像データを,窯業用絵具を有するプリン
ター装置であるインクジェットプリンターDを用いて出
力した。データの出力にあたっては,図2に示すよう
に,転写台紙31を被出力体とし,転写台紙上にはデキ
ストリンにより剥離層32を形成した。この上に,窯業
用絵具を用いて絵柄層11を形成した。さらに,絵柄層
11の表面にカバーコート層33を形成し,転写紙3と
した。
【0035】インクジェットプリンターのインクは,Y
(イエロー),M(マゼンダ),C(シアン),Bk
(ブラック)の4色を基本色とした無機顔料とガラス成
分とからなる陶磁器用絵具と,有機溶剤,樹脂を用い
た。インクに使用する陶磁器用絵具の無機顔料は,Y
(イエロー)を示す無機顔料としてTiO2−Cr23
−Sb25を用いた。M(マゼンダ)を示す無機顔料と
してMnO−Al23,Fe2−O3を用いた。C(シア
ン)の無機顔料としてCoO,ZrO−V23,Cr2
3−V25を用いた。Bk(ブラック)の無機顔料と
してCr23−CoO−Fe23−MnO2を用いた。
【0036】また,インクに使用する陶磁器用絵具のガ
ラス成分は,平均粒径3μmのガラスフリットであり,
酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化アルカリ土類金属か
らなるものを用いた。さらに,インクの有機溶剤として
酢酸−n−ブチルを,樹脂としてエチルセルロースを用
いた。
【0037】転写台紙31は紙製で,剥離層32として
デキストリンが塗布された水貼用転写台紙である。
【0038】カバーコート層33のカバーコート剤には
アクリル樹脂を用いた。そして絵柄層11に塗布した。
【0039】このようにして得た転写紙3を,水に浸
し,絵柄部分を台紙からはがして皿70に貼付した。こ
れを常温でしばらく乾燥させた後,800℃で焼成し
た。焼成によりカバーコート層33は完全に焼失し,図
1に示すように,絵柄層11が皿70に強固に溶着し,
オリジナル画像からなる絵柄1を形成した。これによ
り,オリジナルな絵柄1が強固に溶着した,経時的に変
色のない窯業製品70を,従来のスクリーン印刷のよう
な煩雑な工程を経ることなく,得ることができた。
【0040】比較例 実施形態例と同様の合成画像111をもちいて,スクリ
ーン印刷法により転写紙を作成し,焼き付けて絵柄付き
磁器製皿を作成し,これを比較例とした。その工程を図
4に示す。合成画像111は,実施形態例と同様,窯業
用絵具を具備するプリンター装置と接続したコンピュー
ターに転送する。サーバー側のコンピューターでは,送
られた画像データを拡大あるいは縮小し,これを完成画
像データとした。
【0041】この完成画像データを,まず,色分解し
た。色分解は,最低で4色,中間色を有する場合には6
色となる。さらに,特色赤や特色黄を用いるような場
合,写真などの画像をシャープに写し出そうとする場合
には20色前後に色分解する。比較例の場合には,6色
に色分解した。
【0042】色分解したデータをもとに,ポジを作成し
た。このポジは原版といわれるものであり,6色分のポ
ジ(原版)6枚を作成した。この原版を用いて,それぞ
れの色別に印刷版を作成した。印刷版は,紫外線硬化樹
脂を塗布したスクリーンメッシュにポジフィルムを通し
て露光し,露光した部分を溶解ないし残留させてスクリ
ーンを露出させた。
【0043】この印刷版により,まず,色あわせのため
の試し刷りをおこなった。これは,スクリーン印刷で
は,絵具を調合して色を作製するため,色合いが必ずし
も完成画像データの色合いと一致しないためである。完
成画像データの色合いと,絵具の色合いとが同じである
ことを確認して,転写紙への印刷を開始した。
【0044】実施形態例と同様に剥離層をなすデキスト
リンが塗布された転写台紙上に,窯業用絵具をもちい
て,スクリーン印刷をおこなった。印刷は,1色目を印
刷したら版を取り換えて2色目を印刷する。2色目を印
刷したら版を取り替えて3色目を印刷する,というよう
に,印刷ごとに版を取り替える作業を繰り返しておこな
い,これを6回繰り返し,絵柄層を形成した。そして,
最後に版を洗浄し,絵具の印刷を終えた。
【0045】さらに,印刷された絵柄の上に,カバーコ
ート層を印刷した。カバーコート剤には,実施形態例と
同様にアクリル樹脂を用い,スクリーン印刷で印刷しカ
バーコート層とした。
【0046】このようにして得た転写紙を,実施例形態
例と同様に水貼りで皿に貼付し,800℃で焼成した。
これにより,オリジナル画像が強固に溶着した窯業製品
を得ることができた。
【0047】このように,スクリーン印刷では,転写紙
を1枚作製する場合でも大量に作製する場合でも,色分
解,原版作成,印刷版作成,版替えという工程は省略で
きず,常に同様におこなわなければならなかった。一
方,インクジェットプリンター法では,色分解,原版作
成,印刷版作成,版替えという工程は不要であるため,
サーバー側のコンピューターから直接プリンターに出力
することができ,製造工程を大幅に省略できた。
【0048】さらに,スクリーン印刷では,1枚作製す
る場合でも何百枚作製する場合でもランニングコストは
ほとんど変わらないので,小ロットの作製では非常なコ
スト高になってしまった。一方,インクジェットプリン
ターでは,1枚単位で作製できるため,作製枚数が少な
ければスクリーン印刷とは比べものにならないぐらいの
低コストで転写紙を作製することができた。従って,オ
リジナル画像付き窯業製品を安価で供給することができ
た。
【0049】
【発明の効果】このように,本発明によれば,オリジナ
ルな画像に手を加えることなく,1枚からでも安価に転
写紙を作製することができるので,オリジナル模様の付
いた窯業製品を安価に供給することができる。また,ス
クリーン印刷のような,色分解,原版作製,色あわせ,
印刷版作成,版替えという工程が不要のため,画像を受
け取ったらすぐに転写紙として出力し,焼き付けて,オ
リジナル画像製品を得ることができ,製造期間が大幅に
短縮できる。さらに,完成した窯業製品は,絵柄は窯業
用絵具で形成され,しかも焼き付けてあるので,発色が
よく,時間が経っても変色することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,陶磁器製皿の斜視図
【図2】実施形態例における,転写紙の断面図
【図3】実施形態例における,窯業製品ができるまでの
流れ図
【図4】比較例における,窯業製品ができるまでの流れ
【符号の説明】
1....絵柄 11...絵柄層 111..合成画像 112..CG画像 113..写真画像 3....転写紙 31...転写台紙 32...剥離層 33...カバーコート層 70...陶磁器製皿 A....コンピューター B....スキャナー C....サーバー D....インクジェットプリンター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像入力手段によって取り込んだ電子画像
    を,剥離層を有する転写台紙上に,窯業用絵具を具備す
    るプリンター装置で出力して転写紙とし,該転写紙に形
    成された絵柄を窯業製品に貼付し,550℃以上で焼成
    したことを特徴とする窯業製品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において,プリンター装置は,イ
    ンクジェットプリンター装置であることを特徴とする窯
    業製品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において,転写台
    紙は,窯業用の水貼り転写台紙であることを特徴とする
    窯業製品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて,該転写
    紙には,カバーコート層が形成されていることを特徴と
    する窯業製品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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