JP3498984B2 - 描画焼成体の製造方法 - Google Patents

描画焼成体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陶磁器のような描画対象
素材の表面に耐久性に優れたカラー原画像の拡大画像を
描画できる描画焼成体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、陶磁器などの表面に彩色描画する
ための一般的な手法は、単品種大量生産方式と、多品種
少量生産方式とに大別される。単品種大量生産方式とし
ては、転写絵付法が知られている。この方法は、原画像
に対応する原盤を作製し、この原盤を用いて転写紙に印
刷した後、この転写紙を描画対象素材の表面に貼り付
け、その後、転写紙の紙片のみを剥離することにより、
描画対象素材の表面に描画を転写する方式である。描画
が転写された素材は、絵具が発色しかつ定着する温度で
焼成される。この手法は、原画像を忠実に再現した精密
な描画を形成できる利点はあるが、原盤の作製と印刷に
多額の費用と時間を要するため、一品種について多数の
製品を製作し、単価コストを低減し得る場合以外は利用
しにくい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、多品種少量生産
方式として、ゴム印絵付法,吹き絵付法,素描き法など
がある。これらの方法は、基本的に手作業で描画を行う
ため、高度な職人芸を必要としたり、精密な多色描画が
困難である等の欠点がある。そこで、本発明の目的は、
多品種少量生産に適し、安価でかつ精密なカラー描画像
を形成できる描画焼成体の製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は次の
3つの方法に大別される。第1の方法は、請求項1に記
載のように、表面に予めガラス質層が形成された描画対
象素材を準備する工程と、カラー原画像の各画素の色情
報に対応する色を発色する無機金属顔料を含む絵具を、
上記描画対象素材の表面の各画素に対応する位置にノズ
ルからドット状に噴射することにより、カラー原画像の
拡大画像を点描画する工程と、拡大画像が描画された描
画対象素材を、上記絵具に含まれる無機金属顔料が発色
し、かつ絵具が描画対象素材の表面に融着する温度で焼
成する工程とを含み、上記無機金属顔料の金属粒子径は
10μm以下であることを特徴とする描画焼成体の製造
方法である。第2の方法は、請求項2のように、描画対
象素材の表面に色素融着用の釉薬を膜状に塗布する工程
と、カラー原画像の各画素の色情報に対応する色を発色
する無機金属顔料を含む絵具を、上記釉薬が塗布された
描画対象素材の各画素に対応する位置にノズルからドッ
ト状に噴射することにより、カラー原画像の拡大画像を
点描画する工程と、拡大画像が描画された描画対象素材
を、上記釉薬が融着しかつ絵具に含まれる無機金属顔料
が発色する温度で焼成する工程とを含み、上記無機金属
顔料の金属粒子径は10μm以下であることを特徴とす
る描画焼成体の製造方法である。第3の方法は、請求項
3のように、カラー原画像の各画素の色情報に対応する
色を発色する無機金属顔料を含む絵具を、各画素に対応
する描画対象素材の位置にノズルからドット状に噴射す
ることにより、カラー原画像の拡大画像を点描画する工
程と、拡大画像が描画された描画対象素材上に色素融着
用の釉薬を膜状に塗布する工程と、拡大画像が描画され
た描画対象素材を、上記釉薬が融着しかつ絵具に含まれ
る無機金属顔料が発色する温度で焼成する工程とを含
み、上記無機金属顔料の金属粒子径は10μm以下であ
ることを特徴とする描画焼成体の製造方法である。
【0005】第1の方法の場合、表面に予めガラス質層
が形成された描画対象素材に絵具を直接ドット状に噴射
することにより、非接触方式で点描画する。その後焼成
することにより、絵具に含まれる無機金属顔料が酸化ま
たは還元発色し、描画時には鮮明でなかった描画像が鮮
やかに浮かび上がる。そして、焼成後の描画像は褪色や
摩耗の心配がないので、半永久的な描画像を得ることが
できる。第2の方法は上絵方式であり、描画対象素材の
表面に顔料の融着に適した釉薬を膜状に塗布し、その上
に絵具(顔料)で描画し、その後で釉薬と顔料を同時に
焼成する。この場合には、極めて鮮明で微細な点描画を
描くことが可能であり、顔料の定着性もよい。また、釉
薬が透明ユウに限らないので、焼成温度を低くでき(例
えば700〜800℃程度)、多彩な色調の顔料を使用
できる。第3の方法は下絵方式であり、描画対象素材の
表面に無機顔料を含む絵具で点描画し、その上に釉薬を
膜状に塗布、その後で釉薬と顔料を同時に焼成する。こ
の場合には、絵具の表面が釉薬によるガラス層で覆われ
るので、艶出しおよび耐久性の点で優れている。
【0006】描画対象素材としては、少なくとも絵具の
焼成温度以上の耐熱性を有するものであればよく、セラ
ミック材料,ガラス材料,ステンレスなどの金属材料等
が使用可能である。また、その形状も、平板のほか、単
純曲面体(例えば円筒形壺,円筒形花瓶,コーヒーカッ
プ等)であってもよい。タイルやほうろうのように描画
対象素材の表面に予めガラス質層が形成されたものを使
用すれば、絵具や釉薬の定着性がよいので、望ましい。
絵具は焼成反応によって発色する無機金属顔料を主成分
としており、これにフリットなどの補助剤が添加されて
いる。顔料としては、例えばコバルト顔料,鉄顔料,ク
ロム顔料,マンガン顔料,銅顔料,パナジウム顔料,水
銀顔料,鉛顔料などが用いられる。
【0007】点描画を描くためには、圧縮空気によって
顔料を噴射するエアースプレー型ノズルや、毛細管現象
等により吸い上げた顔料を電気振動によって噴射するイ
ンクジェット型ノズルなど種々のノズルを使用できる。
エアースプレー型ノズルの場合には、噴射圧力が大きい
ので、多少粘度が高い絵具でも噴射でき、補助剤を多く
含んだ絵具を用いることができる。そのため、描画対象
素材の表面にガラス質層を有しない場合でも、素材表面
に絵具を定着させることが可能である。一方、インクジ
ェット型ノズルでは、描点の直径を例えば0.2〜0.
3mm程度(80〜120dpi)にできるので、他の
方式のノズルに比べて細密な画像を描くことができる反
面、噴射圧力が小さいので、絵具の粘性が高かったり、
顔料の金属粒子径が大きいと金属粒子が沈澱して描画し
にくい。また、ドットが小さいので、絵具の色濃度が薄
いと画像の鮮明度が低下する。そこで、インクジェット
型ノズルで描画する場合には、補助剤の含有量が非常に
少ない(例えば20重量%以下)絵具を使用し、かつ顔
料中の金属粒子径が例えば10μ以下のものを使用する
のが望ましい。補助剤の含有率の少ない絵具を使用した
場合、描画対象素材への定着性が低下する。そのため、
描画対象素材の表面に顔料の融着に適した釉薬を膜状に
塗布し、その上に補助剤の非常に少ない絵具(顔料)で
描画し、その後で釉薬と顔料を同時に焼成してもよい
(上絵方式)。この場合には、極めて鮮明で微細な点描
画を描くことが可能であり、顔料の定着性もよい。ま
た、釉薬が透明ユウに限らないので、焼成温度を低くで
き(例えば700〜800℃程度)、多彩な色調の顔料
を使用できる。また、描画対象素材の上に絵具で描画
し、その上に釉薬を塗布した後、絵具と釉薬とを同時に
焼成してもよい(下絵方式)。この方法の場合、絵具の
表面が釉薬で覆われるので、艶出しおよび耐久性の点で
優れている。ただ、この方法で使用される釉薬は透明ユ
ウに限られるため、焼成温度は上絵方式に比べて高い
(例えば1200〜1400℃程度)。
【0008】カラー原画像の拡大画像を描画する場合、
特開平5−185609号公報に開示されるような方法
で描画するのが望ましい。即ち、予めカラー写真や絵画
などの原画像をイメージスキャナで読み込み、コンピュ
ータ処理によって原画像の各画素の位置と色とを記憶し
ておく。次に、夫々が異なる色を発色する絵具を噴射す
る複数本のノズルからなるノズルユニットを作画面(描
画対象素材,謄紙,転写紙)に対向して配置する。そし
て、コンピュータ制御によりノズルユニットを一定ピッ
チずつ間欠移動させながら、これと同期して原画像の画
素と対応する作画面の部位に、その画素の色に対応する
色を発色する絵具をドット状に噴射すれば、精密な拡大
画像を簡単に描くことができる。なお、画素を細分化す
れば、一層精密な描画像を描けることは言うまでもな
い。カラー原画像としては、カラー写真や絵画のほか、
磁気ディスク, 光ディスクなどの記憶媒体に記憶された
グラフィックス画像であってもよい。
【0009】
【実施例】図1は本発明にかかる描画焼成体の製造方法
の第1実施例を示す。この実施例は上絵方式の例であ
る。図1の(I)において、描画対象素材1の主体はセ
ラミック板1aよりなり、その表層部に予め施釉焼成さ
れたガラス層1bが形成されている。この素材1は、セ
ラミック板1aを所定温度で素焼きした後、その表面に
釉薬1bを塗布し、この釉薬が溶融する温度で再度焼成
したものである。次に、(II)のようにガラス層1bの
表面の描画予定箇所に、膜状に色素融着用の釉薬2を塗
布し、釉薬2が流動しない程度まで乾燥させる。この釉
薬2には後述する絵具3の色素融着に適した材料が用い
られ、その溶融温度は上記ガラス層1bの溶融温度より
低い。次に、(III)のようにノズル4から絵具3をドッ
ト状に噴射し、後述するように(図2参照)釉薬2の塗
布面上にカラー原画像の拡大画像を描画する。なお、絵
具3としては補助剤の含有率が非常に低く、大部分(例
えば80重量%以上)が無機金属顔料よりなる絵具が使
用され、かつ顔料の金属粒子径は10μm以下のものが
使用される。そのため、インクジェット型ノズルで絵具
3を噴射でき、かつ絵具3の濃度が高いので、ドットが
小さくても鮮明な描画を描くことができる。次に、(I
V)のように拡大画像が描かれた素材1を、釉薬2が溶
融し、かつ絵具3が発色するのに適した温度(例えば7
00〜800℃)で焼成する。釉薬2が溶融すると、比
重の重い絵具3の顔料が釉薬2内に一部沈降し、絵具3
の色素が釉薬2と融着されるとともに、釉薬2は同質の
ガラス層1bとも密着する。したがって、釉薬2や絵具
3が素材1から剥離することがない。また、素材1の表
面がガラス層1bで覆われているので、焼成時にセラミ
ック板1aから発生する気泡が釉薬2中に混入せず、画
像を劣化させることがない。上記のようにして、耐久性
に優れた描画像を形成した描画焼成体を得ることができ
る。
【0010】ここで、カラー原画像の拡大画像を描画す
る方法を図2に従って説明する。まず、前処理として予
めカラー写真や絵画などのカラー原画像をイメージスキ
ャナで読み込み、コンピュータ処理によって原画像の各
画素の位置と色とを記憶しておく。次に、図2に示すよ
うに10×10個のマトリックス状描画ポイントを有す
る作画面10を用意し、この作画面10に対して、例え
ば8本のノズル4a〜4hを平行に一定ピッチαで配列
したノズルユニット4を対向配置する。上記ノズル4a
〜4hには、例えば白,黄,紫,赤,水色,緑,青,黒
の各色を発色する絵具が供給されている。作画面10の
描画ポイントは原画像の各画素に対応している。ノズル
ユニット4は、作画面10と平行にX方向およびY方向
に一定ピッチβ(図2ではα=2β)ずつ間欠移動し、
この移動と同期して何れかのノズル4a〜4hから選択
的に絵具がドット状に吐出される。さて、最初に右端の
ノズル4aを作画面10の始端位置、つまりX−Y座標
で(1,1)の位置の正面にセットする。この時、他の
ノズル4b〜4hは作画面10の外部に位置している。
ここで、第1列目の描画を行うために、ノズルユニット
12をY軸方向に1ピッチβずつ間欠移動させる。そし
て、ノズル4aの絵具の色と原画像の画素の色とが一致
する位置へノズル4aが到達した時、このノズル4aか
ら一定量の絵具11が噴射される。図2の例では座標
(1,1),(1,3),(1,6)の各位置でノズル
4aから第1番目の色(例えば白色)の絵具11が噴射
される。ノズル4aが座標(1,10)の位置に到達す
ると、座標(1,1)の位置まで戻り、ノズルユニット
4をX軸方向に1ピッチβだけ移動させ、第2列目の描
画を行う。即ち、Y軸方向に1ピッチβずつ間欠移動さ
せながら、座標(2,2),(2,8)の位置でノズル
4aから第1番目の色の絵具11を噴射する。このよう
に、ノズル4aが第1,第2列目を描画する間、他のノ
ズル4b〜4hは噴射を行わない。ノズル4aが座標
(2,10)の位置に到達すると、座標(2,1)の位
置まで戻り、ノズルユニット12をX軸方向に1ピッチ
βだけ移動させ、第3列目の描画を行う。このときには
2番目のノズル4bが第1列目に対応するため、ノズル
ユニット12をY軸方向に1ピッチβずつ間欠移動させ
ると、座標(3,1),(3,6),(3,10)の位
置でノズル4aから第1番目の色の絵具11を噴射する
と同時に、座標(1,2),(1,5),(1,7)の
位置でノズル4bから第2番目の色(例えば黄色)の絵
具12を噴射する。以下、同様にして絵具を順次噴射
し、左端のノズル4hが第10列目の噴射を終了するま
で繰り返す。これにより、作画面10の全面に各色の集
合体よりなる点描画を描くことができる。なお、焼成前
の時点では絵具の発色が不十分であるので、最終的な描
画像とは色調が異なる。
【0011】図2では10×10個のドットで構成され
る小さな作画面10について説明したが、実際の作画面
はこれより大きく、ドット数も遙に多い。例えば、縦横
が30cm×30cmの作画面に120dpiで描画す
る場合、ドット数は1500個×1500個となる。ま
た、ドットのピッチβをノズルの配列ピッチαに比べて
小さくした方が細密な描画像が得られる。なお、上記説
明では、ノズルユニットをノズルの配列方向に対して直
角方向に移動させる例を示したが、同方向に移動させて
もよい。
【0012】図3は本発明にかかる描画焼成体の製造方
法の第2実施例を示す。この実施例は下絵方式を用いた
ものである。(I)では、描画対象素材20の表面にノ
ズル21から絵具22をドット状に噴射し、カラー原画
像の拡大画像を描画する。絵具22が乾燥した後、(I
I)のように拡大画像を覆うように薄膜状に釉薬23を
塗布する。この釉薬23としては透明ユウが使用され
る。その後、この描画対象素材20を釉薬23が溶融
し、かつ絵具22が発色する温度で焼成すると、描画対
象素材20の表面には目的とする焼成描画像が形成され
る。この場合、絵具22の表面は釉薬23による透明ガ
ラス層で覆われる。なお、この実施例においても、第1
実施例と同様に描画対象素材20の表面に予めガラス層
を設けたものを使用してもよい。第2実施例の場合の焼
成温度は、一般に1200〜1400℃程度であり、上
絵方式に比べて高い。そのため、この焼成温度に適した
顔料を使用する必要がある。
【0013】図4は描画焼成体の製造方法の第1の比較
例を示すこの比較例では、まず(I)のような謄紙30
を用意する。この謄紙30は、台紙31の上に水溶性の
り32を介して釉薬フィルム33を剥離可能に貼着した
ものである。次に、(II)のように謄紙30の釉薬フィ
ルム33表面に、ノズル34から絵具35をドット状に
噴射し、カラー原画像の拡大画像を描画する。絵具35
が乾燥した後、(III)のように謄紙30の台紙31を剥
がし、のり32の接着力によって釉薬フィルム33の裏
面を描画対象素材36の表面に貼着する。この実施例で
は、描画対象素材36の表面は曲面であるが、釉薬フィ
ルム33は可撓性を有するので、素材36の表面に追従
して隙間なく密着する。その後、(IV)のように描画対
象素材36を、絵具35が発色しかつ釉薬フィルム33
が溶融する温度で焼成する。焼成によりのり32は焼失
し、描画対象素材36の表面には歪みのない焼成描画像
が得られる。なお、この比較例の場合も、描画対象素材
36の表面に予めガラス層を設けたものを使用してもよ
い。
【0014】図5は描画焼成体の製造方法の第2の比較
を示す。この比較例では、まず(I)のような転写紙
40を用意し、この転写紙40上にノズル41から絵具
42をドット状に噴射し、カラー原画像の拡大画像を描
画する。ここで使用される絵具42としては、転写に適
するように釉薬を含有した絵具を用いるのが望ましい。
そのため、ノズル41としては粘性の高い絵具でも噴射
できるエアースプレー方式ノズルが望ましい。次に、
(II) のように転写紙40の描画を描画対象素材43上
に転写する。転写法は従来公知の通りであり、描画対象
素材43の表面にニスまたはのりを塗り、その上に転写
紙40の描画面を貼り付ける。そして、描画対象素材を
水槽に浸漬し、転写紙40の紙片を剥がせばよい。その
後、(III)のように描画対象素材43を絵具42が発色
する温度で焼成すれば、描画対象素材43の表面には歪
みのない焼成描画像が得られる。この比較例の場合も、
描画対象素材43の表面に予めガラス層を設けたり、描
画を転写した描画対象素材43の表面に釉薬を塗布し、
その後で焼成してもよい。
【0015】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に係る方法によれば、ガラス質層の表面を持つ描画対象
素材に無機金属顔料を含む絵具による拡大画像を非接触
方式で点描画し、その後焼成するようにしたので、焼成
後の描画像は褪色や摩耗の心配がなく、半永久的な描画
像を得ることができる。また、描画工程は、手作業と異
なりコンピュータ制御により自動的に行うことが可能で
あるため、精密な画像を描くことができるとともに、熟
練を要しない。また、無機金属顔料の金属粒子径は10
μm以下であるため、点描画用ノズルに詰まりを発生さ
せず、精密な点描画を形成できる。請求項2に係る方法
は上絵方式であり、描画対象素材の表面に顔料の融着に
適した釉薬を膜状に塗布し、その上に絵具(顔料)で描
画し、その後で釉薬と顔料を同時に焼成するので、極め
て鮮明で微細な点描画を描くことが可能であり、顔料の
定着性もよい。請求項3に係る方法は下絵方式であり、
描画対象素材の表面に無機顔料を含む絵具で点描画し、
その上に釉薬を膜状に塗布、その後で釉薬と顔料を同時
に焼成するので、絵具の表面が釉薬によるガラス層で覆
われ、艶出しおよび耐久性の点で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる描画焼成板の製造方法の第1実
施例を示す工程図である。
【図2】図1の製造方法における描画工程を示す図であ
る。
【図3】本発明にかかる描画焼成板の製造方法の第2実
施例を示す工程図である。
【図4】描画焼成板の製造方法の第1の比較例を示す工
程図である。
【図5】描画焼成板の製造方法の第2の比較例を示す工
程図である。
【符号の説明】
1 描画対象素材 1a セラミック板 2 ガラス層 3 釉薬 4 ノズル(ノズルユニット) 5 絵具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44D 3/00 B41J 2/21 C03C 17/00 C04B 41/87

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に予めガラス質層が形成された描画対
    象素材を準備する工程と、 カラー原画像の各画素の色情報に対応する色を発色する
    無機金属顔料を含む絵具を、上記描画対象素材の表面の
    各画素に対応する位置にノズルからドット状に噴射する
    ことにより、カラー原画像の拡大画像を点描画する工程
    と、 拡大画像が描画された描画対象素材を、上記絵具に含ま
    れる無機金属顔料が発色し、かつ絵具が描画対象素材の
    表面に融着する温度で焼成する工程とを含み、 上記無機金属顔料の金属粒子径は10μm以下であるこ
    とを 特徴とする描画焼成体の製造方法。
  2. 【請求項2】描画対象素材の表面に色素融着用の釉薬を
    膜状に塗布する工程と、 カラー原画像の各画素の色情報に対応する色を発色する
    無機金属顔料を含む絵具を、上記釉薬が塗布された描画
    対象素材の各画素に対応する位置にノズルからドット状
    に噴射することにより、カラー原画像の拡大画像を点描
    画する工程と、 拡大画像が描画された描画対象素材を、上記釉薬が融着
    しかつ絵具に含まれる無機金属顔料が発色する温度で焼
    成する工程とを含み、 上記無機金属顔料の金属粒子径は10μm以下であるこ
    とを 特徴とする描画焼成体の製造方法。
  3. 【請求項3】カラー原画像の各画素の色情報に対応する
    を発色する無機金属顔料を含む絵具を、各画素に対応
    する描画対象素材の位置にノズルからドット状に噴射す
    ることにより、カラー原画像の拡大画像を点描画する工
    程と、 拡大画像が描画された描画対象素材上に色素融着用の釉
    薬を膜状に塗布する工程と、 拡大画像が描画された描画対象素材を、上記釉薬が融着
    しかつ絵具に含まれる無機金属顔料が発色する温度で焼
    成する工程とを含み、 上記無機金属顔料の金属粒子径は10μm以下であるこ
    とを 特徴とする描画焼成体の製造方法。
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