JP2001260599A - 絵柄転写紙、絵柄転写紙の製法、および絵柄転写法 - Google Patents

絵柄転写紙、絵柄転写紙の製法、および絵柄転写法

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JP2001260599A
JP2001260599A JP2000075182A JP2000075182A JP2001260599A JP 2001260599 A JP2001260599 A JP 2001260599A JP 2000075182 A JP2000075182 A JP 2000075182A JP 2000075182 A JP2000075182 A JP 2000075182A JP 2001260599 A JP2001260599 A JP 2001260599A
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JP2000075182A
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English (en)
Inventor
Kenzo Ariyama
賢三 有山
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その絵柄が異常画像となることなく、しかも
薄膜層により、窯業品への貼着時にインク層部を一体化
し、かつ保護することができるようにする。 【解決手段】 たとえば支持体31の表面に塗布した水
可溶性重合体32上に薄膜層33を設け、更にその薄膜
層33上に、インク層20を有するインク用リボン2を
用いてそのインク層20を熱転写して、その熱転写した
インク層部20aで鏡像絵柄7を形成して絵柄転写紙3
を調製し、これを水40に湿潤させて、絵柄シート36
を支持体31から剥離し、絵柄シート36を窯業品の表
面に裏返しに貼着した後、焼成して、窯業品の表面に絵
柄9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陶磁器、ガラ
ス、ほうろう等の窯業品に絵柄を形成するために用いら
れる絵柄転写紙、絵柄転写紙の製法、および絵柄転写法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陶磁器、ガラス、ほうろう等の窯
業品の絵付は、絵柄を形成した転写紙(絵柄転写紙と称
する)を用いて窯業品の表面に絵柄を形成する転写法に
より行われている。
【0003】この絵柄転写紙としては、たとえば、支持
体の表面に水可溶性重合体を塗布してなる絵柄作成用転
写紙を用い、その水可溶性重合体上に、インク用リボン
のインク層を熱転写してその熱転写したインク層部で絵
柄を形成し、その上に薄膜層を設けたものが知られる
(特開平7ー237349号公報)。そして、この絵柄
転写紙を使用して窯業品に絵柄を転写するには、水に湿
潤させて絵柄を支持体から剥離し、その剥離した絵柄
を、その剥離した側を窯業品の表面に貼着した後、これ
を焼成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
絵柄転写紙では、その調製の最終段階で、インク層部を
一体化する薄膜層を絵柄の最上部に設けており、この
際、手作業塗布やスプレイ塗布時に使用するトルエン、
シンナー等の有機溶剤によりインク層のバインダーが侵
され、その結果、その絵柄が異常画像となるという問題
があった。
【0005】そこで、この発明の目的は、その絵柄が異
常画像となることなく、しかも薄膜層により、窯業品へ
の貼着時にインク層部を一体化し、かつ保護することが
できるようにすることにある。
【0006】そのため、この発明では、従来の絵柄転写
紙のように、その調製の最終段階で、絵柄の最上部に薄
膜層を設けるのではなく、予め薄膜層を設けた絵柄作成
用転写紙を使用し、かつこれにインク層部で鏡像絵柄を
形成してなる絵柄転写紙となし、そして、これを絵柄に
転写するとき、窯業品の表面にこの鏡像絵柄を裏返しに
貼着して転写することにより、前記目的を達成したもの
である。
【0007】請求項1に記載の発明は、絵柄転写紙にお
いて、支持体と、その支持体の表面に設けた水可溶性重
合体と、その水可溶性重合体上に設けた薄膜層と、その
薄膜層上に設けて鏡像絵柄を形成するインク層部とから
なることを特徴とする。
【0008】そして、この絵柄転写紙では、薄膜層を絵
柄の最上部に塗布により設けることが不要であるから、
絵柄が異常画像となることはなく、しかも薄膜層によ
り、窯業品への貼着時にインク層部を一体化し、かつ保
護することができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の絵柄転写紙において、前記インク層部上に、さらに上
薬層を設けてなることを特徴とする。
【0010】そして、インク層部上に上薬層を設けてな
るから、その製造で用いるインク用リボンが、リボンと
しての十分な可撓性を有し、得られる窯業品の着色濃度
が高く、光沢があり、また、絵柄の窯業品への接着性も
高めることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の絵柄転写紙において、前記上薬層を、少なくとも前記
インク層部のすべてを含む前記薄膜層上の任意の範囲に
設けてなることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の絵柄転写紙において、前記上薬層を、前記インク層部
のみに設けてなることを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項2、3ま
たは4に記載の絵柄転写紙において、前記薄膜層上に、
先に前記上薬層を設け、その上薬層上に前記インク層部
を設けてなることを特徴とする。
【0014】請求項6に記載の発明は、絵柄転写紙の製
法において、支持体の表面に水可溶性重合体を塗布し、
その水可溶性重合体上に薄膜層を設けた絵柄作成用転写
紙を準備する一方、基材の表面にインク層を有するイン
ク用リボンを準備し、そのインク用リボンを用いて、熱
転写プリンタにより、前記絵柄作成用転写紙の薄膜層上
に前記インク用リボンのインク層を熱転写して、その熱
転写したインク層部で鏡像絵柄を形成してなることを特
徴とする。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の絵柄転写紙の製法において、さらに基材の表面に上薬
層を有する上薬用リボンを準備し、その上薬用リボンを
用いて、熱転写プリンタにより、前記インク層部上に前
記上薬用リボンの上薬層を熱転写して、前記インク層部
を前記上薬層で被覆してなることを特徴とする。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の絵柄転写紙の製法において、まず、前記上薬用リボン
を用いて、熱転写プリンタにより、前記絵柄作成用転写
紙の薄膜層上に熱転写して上薬層を設け、その上に、前
記鏡像絵柄を形成してなることを特徴とする。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項6、7ま
たは8に記載の絵柄転写紙の製法において、前記インク
用リボンとして、複数色のインク層を有するカラーイン
ク用リボンを用いてなることを特徴とする。
【0018】請求項10に記載の発明は、請求項6、7
または8に記載の絵柄転写紙の製法において、前記イン
ク用リボンとして、異なる色のものを複数用いてなるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項11に記載の発明は、絵柄転写法に
おいて、請求項1に記載の絵柄転写紙を湿潤させて、薄
膜層とインク層部とからなる絵柄シートを支持体から剥
離し、その絵柄シートを窯業品の表面に裏返しに貼着し
た後、焼成して、窯業品の表面に絵柄を形成することよ
りなることを特徴とする。
【0020】そして、絵柄転写紙上の鏡像絵柄は、窯業
品の表面に裏返しに貼着するから、窯業品の表面に絵柄
を形成することができ、また、薄膜層により、窯業品へ
の貼着時にインク層部を一体化し、かつ保護することが
できる。
【0021】請求項12に記載の発明は、絵柄転写法に
おいて、請求項2に記載の絵柄転写紙を湿潤させて、薄
膜層とインク層部と上薬層とからなる絵柄シートを支持
体から剥離し、その絵柄シートを窯業品の表面に裏返し
に貼着した後、焼成して、窯業品の表面に絵柄を形成す
ることよりなることを特徴とする。
【0022】そして、窯業品の表面に裏返しに貼着する
から、上薬層が窯業品との接着面側にくることになり、
絵柄の窯業品への接着性が向上すると共に、得られる製
品に、より艶や光沢を与えることができる。
【0023】請求項13に記載の発明は、請求項11ま
たは12に記載の絵柄転写法において、絵柄転写紙を、
水に湿潤させてなることを特徴とする。
【0024】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の絵柄転写法において、前記絵柄作成用転写紙に残
存する水可溶性重合体を介して、絵柄シートを窯業品の
表面上に貼着してなることを特徴とする。
【0025】請求項15に記載の発明は、請求項13に
記載の絵柄転写法において、別途用意した水可溶性重合
体を介して、絵柄シートを窯業品の表面上に貼着してな
ることを特徴とする。
【0026】請求項16に記載の発明は、請求項11ま
たは12に記載の絵柄転写法において、絵柄転写紙を、
水に溶解した水可溶性重合体に湿潤させてなることを特
徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の実施の形態につき説明する。
【0028】図1は、この発明の、鏡像絵柄7が形成さ
れている絵柄転写紙3の平面図である。
【0029】この絵柄転写紙3は、たとえば図2に示す
ように、支持体31と、この支持体31の表面に塗布し
た水可溶性重合体32と、この水可溶性重合体32上に
更に塗布した薄膜層33と、この薄膜層33上に形成さ
れたインク層部20aよりなる。インク層部20aは、
鏡像絵柄7を形成している。
【0030】この絵柄転写紙3は、たとえば、次のよう
にして製造される。
【0031】まず、図3に示すように、支持体31の表
面に水可溶性重合体32を塗布し、更にその上に薄膜層
33を塗布して、絵柄作成用転写紙34を調製する。
【0032】ここで、支持体31としては、たとえば、
紙、合成紙、ポリビニールアルコール等の水溶性フィル
ムなどが用いられる。
【0033】水可溶性重合体32としては、たとえば、
ポリビニルアルコール、澱粉、デキストリン等が用いら
れる。
【0034】薄膜層33としては、たとえば、メタクリ
ル酸アルキル系樹脂等が用いられる。
【0035】薄膜層33は、薄膜として、手作業塗布、
スプレイ塗布等の塗布により、または薄膜用リボンを用
いる熱転写により設ける。
【0036】別に、図4に示す、基材21の表面に、イ
ンク層20を有するインク用リボン2を調製する。
【0037】すなわち、基材21としての厚み6μmの
ポリエステルフィルム片の表面に、接着層22としての
メタクリル酸低級アルキルエステル系重合物を塗布す
る。
【0038】さらに、その表面に、インクを塗布し、乾
燥してインクからトルエンを除去して、インク層20と
し、インク用リボン2を得る。
【0039】この際、接着層22は、必ずしも必要では
ないが、基材21とインク層20とのなじみを向上させ
るためには用いることが好ましい。
【0040】ここで、インク層20は、無機顔料とガラ
ス成分とバインダーとを適宜配合してなる。
【0041】そして、無機顔料としては、たとえば、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、セレン、チタン、モリブ
デン、クロム、マンガン等の酸化物、金、ロジウム等の
貴金属コロイド、カドミウム・セレン等を用いる。
【0042】ガラス成分は、無機顔料を窯業品に固着さ
せるためのものであり、たとえば、珪素、アルミニウ
ム、カルシウム、マグネシウム、ほう素、アルカリ金
属、鉛、亜鉛、ジルコニウム等の酸化物等を用いる。
【0043】バインダーとしては、メタクリル酸低級ア
ルキルエステル系重合体(ME重合体)とワックス類と
の混合物等を用いる。
【0044】ワックスとしては、パラフィン系ワックス
等の炭化水素系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス等
を用いる。
【0045】次に、転写リボンとして上述のインク用リ
ボン2を用いた熱転写プリンタに、被転写媒体として上
述の絵柄作成用転写紙34をセットする。
【0046】そして、熱転写プリンタにより、図5に示
すように、絵柄作成用転写紙34にインク用リボン2を
重ね合わせ、薄膜層33上に、インク用リボン2のイン
ク層20を熱転写して、その熱転写したインク層部20
aで鏡像絵柄7を形成して、図2に示す絵柄転写紙3を
得る。
【0047】コンピュータにより絵柄を製作し、この絵
柄を、インク用リボンを装填した熱転写式プリンタによ
り、転写紙に印刷して絵柄転写紙を得ることができる。
【0048】また、コンピュータに、手書きの絵柄をス
キャナ入力したり、デジタルカメラによる撮影映像を入
力したり、その他の記録媒体からデータを入力し、得ら
れる絵柄を、インク用リボンを装填したプリンタにより
転写紙に印刷して絵柄転写紙を得ることもできる。
【0049】これらの場合には、窯業用の絵柄転写紙が
机上で簡易に得られ、製作時間も極めて短くなる。ま
た、絵柄を画像データとして送信できるので、遠隔地間
でも瞬時に絵柄を送信して絵柄転写紙を製造することが
できる。
【0050】上記例では、1個のインク用リボンを用い
る例であるが、異なる色の複数のインク用リボンを用
い、各インク用リボンのインク層を前記薄膜層33上に
順に熱転写して、鏡像絵柄を形成してもよい。
【0051】たとえば、イエロー、マゼンター、シア
ン、ブラックの各色の無機顔料を用いて、それぞれのイ
ンク用リボンを調製し、これを順次用いて各インク層を
熱転写すれば、カラーの鏡像絵柄を形成することもでき
る。
【0052】また、インク用リボンとして、複数色のイ
ンク層を有するカラーリボンを用いることもできる。
【0053】上記例では、薄膜層33上に、インク層の
みを熱転写するが、無機顔料を主成分とするインク層
と、その上にガラス成分を主成分とする上薬層とを熱転
写してもよい。
【0054】このインク層と上薬層とを転写して得られ
る絵柄転写紙3は、たとえば図6に示すように、支持体
31と、この支持体31の表面に塗布した水可溶性重合
体32と、この水可溶性重合体32上にさらに塗布した
薄膜層33と、この薄膜層33上に形成されたインク層
部20aと、このインク層部20aの上に被覆された上
薬層35とよりなる。インク層部20aは、鏡像絵柄7
を形成している。
【0055】この絵柄転写紙3は、たとえば、次ぎのよ
うにして製造される。
【0056】まず、図7に示す、基材23の表面に、ガ
ラス成分を主成分とする上薬層35を有する上薬用リボ
ン4を調製する。
【0057】すなわち、基材23としての厚み6μmの
ポリエステルフィルム片の表面に、接着層24としての
メタクリル酸低級アルキルエステル系重合物を塗布す
る。
【0058】さらに、その表面に、ガラス成分を主成分
とする上薬層35を塗布し、上薬用リボン4を得る。
【0059】この際、接着層24は、必ずしも必要では
ないが、基材23と上薬層35とのなじみを向上させる
ためには用いることが好ましい。
【0060】ここで、上薬層35は、ガラス成分を主成
分とするものであり、たとえば、ガラス成分とバインダ
ーからなる。
【0061】ガラス成分は、インク用リボン2のガラス
成分と同様のものが用いられる。
【0062】バインダーとしては、インク用リボン2の
バインダーと同様のものが用いられる。
【0063】次に、上記例と同様にして、絵柄作成用転
写紙34の薄膜層33上に、インク用リボン2のインク
層20を熱転写式プリンタにより熱転写して、その熱転
写したインク層部20aで鏡像絵柄7を形成する。
【0064】次に、転写リボンとして上述の上薬用リボ
ン4を用いた熱転写プリンタに、被転写媒体として、上
述の鏡像絵柄7を形成した絵柄作成用転写紙34をセッ
トする。
【0065】そして、熱転写プリンタにより、図8に示
すように、鏡像絵柄7を形成した絵柄作成用転写紙34
に上薬用リボン4を重ね合わせ、インク層部20a上
に、上薬用リボン4の上薬層35を熱転写して、インク
層部20aを上薬層35で被覆して、図6に示す絵柄転
写紙3を得る。
【0066】ここで、上薬層35を熱転写するに際して
は、少なくともインク層部20aのすべてを含む薄膜層
33上の任意の範囲を指定する。
【0067】上記例では、インク層部20aの上を、上
薬層35で被覆するが、図9に示すように、インク層部
20aの下にも、上薬層35を設けてもよい。
【0068】この場合には、薄膜層33上に、まず、上
薬用リボン4を用いてその上薬層35を熱転写して後、
その上に、インク用リボン2のインク層20を熱転写し
て、インク層部20aで鏡像絵柄7を形成する。
【0069】この際、その後に形成する、少なくともイ
ンク層部20aのすべてを含む前記薄膜層33上の任意
の範囲に、予め上薬層35を熱転写する。
【0070】上記例では、少なくともインク層部20a
のすべてを含む薄膜層33上の任意の範囲を指定して上
薬層35を熱転写するが、インク層部20aのみに上薬
層35を熱転写してもよい。
【0071】たとえば、図10に示すように、インク層
部20aのみの上に、上薬層35を熱転写してもよい
し、また、図11に示すように、インク層部20aのみ
の上と下に、上薬層35を熱転写してもよい。
【0072】この発明の絵柄転写紙3を用いて、陶磁器
70に転写するには、まず、上記のようにして得られる
絵柄転写紙3を、湿潤させて、薄膜層33およびインク
層部20a、場合によりさらに上薬層35からなる絵柄
シート36を支持体31から剥離する。
【0073】たとえば、図6に示す絵柄転写紙3を用い
て、陶磁器70に転写するには、図12に示すように、
絵柄転写紙3を水40に湿潤させて、薄膜層33とイン
ク層部20aと上薬層35とからなる絵柄シート36
を、水可溶性重合体32の溶解により、支持体31から
剥離する。
【0074】次いで、図13に示すように、この剥離し
た絵柄シート36を、陶磁器70の表面に裏返しに貼着
する。
【0075】この絵柄シート36の陶磁器70の表面上
への貼着は、たとえば、図14に示すように、絵柄シー
ト36を剥離した後に、絵柄作成用転写紙の支持体31
上に残存する水可溶性重合体32を、簡単な摺擦工具4
1を用いて、陶磁器70の表面上に落下しながら行う。
【0076】そして、貼着に際し、図13に示すよう
に、摺擦工具41を用いて、貼着面に存在する余分の水
可溶性重合体および空気を除去する。
【0077】その後、十分に乾燥してから焼成炉を使用
して、600〜1000℃で焼成する。これにより、薄
膜層33が焼失し、インク層部20aの着色材料と上薬
層35のみが残留して、図15に示すように、陶磁器7
0の表面に絵柄9を形成する。この絵柄9は、陶磁器7
0に美麗な絵柄として完全に固着する。
【0078】上記例では、絵柄転写紙3を水40に湿潤
させているが、水に溶解した水可溶性重合体に湿潤させ
てもよい。この場合には、水に溶解した水可溶性重合体
が、剥離した側と反対側の絵柄シート36上に付着する
ので、これを貼着時にそのまま利用すればよい。
【0079】また、上記例では、絵柄作成用転写紙に残
存する水可溶性重合体32を介して、絵柄シート36を
陶磁器70の表面上に貼着するが、別途用意した水可溶
性重合体を介して貼着してもよい。
【0080】この場合には、たとえば、図16に示すよ
うに、容器50に入れた、水に溶解した水可溶性重合体
32aを別途用意し、これを、容器50の先端の発泡体
51を通して、陶磁器70の表面上に塗布する。また、
これとは別に、粉状の水可溶性重合体を、水をかけなが
ら陶磁器70の表面上に塗布してもよい。
【0081】これらの例では、この水可溶性重合体の介
在により、絵柄を陶磁器の表面にしっかりと貼着するこ
とができる。また、その水可溶性重合体を通して、焼成
時にインク層部等から発生する気体を除去することもで
きる。
【0082】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、予め薄
膜層を設けた絵柄作成用転写紙を使用し、かつこれにイ
ンク層部で鏡像絵柄を形成してなるから、薄膜層を絵柄
の最上部に塗布により設けることが不要となり、絵柄が
異常画像となることはなく、しかも薄膜層により、窯業
品への貼着時にインク層部を一体化し、かつ保護するこ
とができる。また、窯業品への貼着時には裏返しに貼着
されるので、摺擦作業により絵柄を傷つけることを防止
できる。
【0083】さらに、熱転写式印刷を行うものであるか
ら、小ロットの場合にも対応でき、多品種の生産にも適
合する。また、スクリーン印刷に比して、製造工程を大
幅に短縮することができるから、個々の要求に応じた製
品を短時間で仕上げることができる。
【0084】また、熱転写式を採用し、デジタル画像で
あるため、絵柄の中間調の表現が可能で、地肌汚れを防
ぐことができる。
【0085】さらに、熱転写式なので、溶媒を使用せ
ず、作業環境上優れている。また、この発明はリボン類
を用いるものであるから、システムの信頼性が高く、価
格も安価にできる。
【0086】請求項2に記載の発明によれば、その製造
で用いるインク用リボンが、リボンとしての十分な可撓
性を有し、得られる窯業品の着色濃度が高く、光沢があ
り、また、絵柄の窯業品への接着性も高めることができ
る。
【0087】請求項3に記載の発明によれば、少なくと
もインク層部のすべてを含む薄膜層上の任意の範囲を指
定して、上薬層を熱転写するから、ベタ状に被覆され、
写真画像等は表面に艶が出て美麗な窯業品が得られる。
【0088】請求項4に記載の発明によれば、インク層
部のみに上薬層を熱転写するから、上薬層の使用量が少
なくてすみ、簡単に必要部分のみを被覆でき、焼成後は
表面に艶のある立体文字及びや写真画像の美麗な窯業品
が得られる。
【0089】請求項5に記載の発明によれば、窯業品に
裏返しに貼着後に絵柄の表面となる側にも、ガラス成分
を主成分とする上薬層を設けるものであるから、焼成後
の窯業品の表面に、より艶と光沢を与えることができ
る。
【0090】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
に記載の絵柄転写紙を、効率よく製造することができ
る。
【0091】請求項7に記載の発明によれば、請求項2
に記載の絵柄転写紙を、効率よく製造することができ
る。
【0092】請求項8に記載の発明によれば、請求項5
に記載の絵柄転写紙を、効率よく製造することができ
る。
【0093】請求項9に記載の発明によれば、複数色の
インク層を有するカラーリボンを用いるから、この複数
色のインク層を薄膜層上に順に熱転写して、カラーの絵
柄を効率よく形成することができる。
【0094】請求項10に記載の発明によれば、複数の
インク用リボンを用いるから、その各リボンにそれぞれ
各色の無機顔料を用いて、そのインク層を薄膜層上に順
に熱転写して、カラーの絵柄を効率よく形成することが
できる。
【0095】請求項11に記載の発明によれば、窯業品
の表面に裏返しに貼着することにより、効率よく窯業品
の表面に絵柄を転写することができ、また、薄膜層によ
り、インク層部を一体化し、かつ保護することができ
る。
【0096】請求項12に記載の発明によれば、窯業品
の表面に裏返しに貼着するから、上薬層が窯業品との接
着面側にくることになり、窯業品への接着性が向上する
と共に、得られる製品に、より艶や光沢を与えることが
できる。
【0097】請求項13に記載の発明によれば、水に湿
潤させるから、簡易かつ安価に絵柄シートを支持体から
剥離して、効率よく、絵柄を転写することができる。
【0098】請求項14に記載の発明によれば、絵柄作
成用転写紙に残存する水可溶性重合体を介して貼着する
から、別途水可溶性重合体を用意する必要がなく、資源
の有効利用が図られ、しかも簡易かつ安価に絵柄を転写
することができる。また、水可溶性重合体の介在によ
り、絵柄を窯業品の表面にしっかりと貼着することがで
きる。さらに、その水可溶性重合体を通して、焼成時に
インク層部等から発生する気体を除去することもでき
る。
【0099】請求項15に記載の発明によれば、別途用
意した水可溶性重合体を介して貼着するから、絵柄作成
用転写紙に残存する水可溶性重合体を窯業品の表面上に
落下させる手間もいらず、簡易に貼着を行うことができ
る。
【0100】請求項16に記載の発明によれば、水に溶
解した水可溶性重合体に湿潤させるから、この水に溶解
した水可溶性重合体が、剥離した側と反対側の絵柄シー
ト上に付着し、これを貼着時にそのまま利用すればよ
く、窯業品の表面上に水可溶性重合体を塗布する手間を
省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の絵柄転写紙の平面図である。
【図2】その絵柄転写紙の構造説明図である。
【図3】絵柄転写紙の製造に用いる絵柄作成用転写紙の
構造説明図である。
【図4】絵柄転写紙の製造に用いるインク用リボンの構
造説明図である。
【図5】インク用リボンのインク層の転写工程を示す説
明図である。
【図6】他の絵柄転写紙の構造説明図である。
【図7】絵柄転写紙の製造に用いる上薬用リボンの構造
説明図である。
【図8】その上薬層の転写工程を示す説明図である。
【図9】さらに、他の絵柄転写紙の構造説明図である。
【図10】またさらに、他の絵柄転写紙の構造説明図で
ある。
【図11】またさらに、他の絵柄転写紙の構造説明図で
ある。
【図12】絵柄転写紙を水に湿潤させたときの説明図で
ある。
【図13】絵柄を陶磁器の表面に貼着するときの説明図
である。
【図14】水可溶性重合体を陶磁器の表面上に落下する
ときの説明図である。
【図15】その絵柄を施した陶磁器の斜視図である。
【図16】別途用意した、水に溶解した水可溶性重合体
を陶磁器の表面上に塗布するときの説明図である。
【符号の説明】
2 インク用リボン 3 絵柄転写紙 4 上薬用リボン 7 鏡像絵柄 9 絵柄 20 インク層 20a インク層部 21・23 基材 22・24 接着層 31 支持体 32 水可溶性重合体 32a 水に溶解した水可溶性重合体 33 薄膜層 34 絵柄作成用転写紙 35 上薬層 36 絵柄シート 40 水 41 摺擦工具 50 容器 51 発泡体 70 陶磁器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EA01 EA20 EB01 EB03 EB05 FA02 FA03 FB03 FB33 FB37 FB61 FE01 FE03 FE22 FG02X FG02Y FG20Y GA24 GB05 GC03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、その支持体の表面に設けた水
    可溶性重合体と、その水可溶性重合体上に設けた薄膜層
    と、その薄膜層上に設けて鏡像絵柄を形成するインク層
    部とからなる、絵柄転写紙。
  2. 【請求項2】 前記インク層部上に、さらに上薬層を設
    けてなる、請求項1に記載の絵柄転写紙。
  3. 【請求項3】 前記上薬層を、少なくとも前記インク層
    部のすべてを含む前記薄膜層上の任意の範囲に設けてな
    る、請求項2に記載の絵柄転写紙。
  4. 【請求項4】 前記上薬層を、前記インク層部のみに設
    けてなる、請求項3に記載の絵柄転写紙。
  5. 【請求項5】 前記薄膜層上に、先に前記上薬層を設
    け、その上薬層上に前記インク層部を設けてなる、請求
    項2、3または4に記載の絵柄転写紙。
  6. 【請求項6】 支持体の表面に水可溶性重合体を塗布
    し、その水可溶性重合体上に薄膜層を設けた絵柄作成用
    転写紙を準備する一方、基材の表面にインク層を有する
    インク用リボンを準備し、そのインク用リボンを用い
    て、熱転写プリンタにより、前記絵柄作成用転写紙の薄
    膜層上に前記インク用リボンのインク層を熱転写して、
    その熱転写したインク層部で鏡像絵柄を形成してなる、
    絵柄転写紙の製法。
  7. 【請求項7】 さらに基材の表面に上薬層を有する上薬
    用リボンを準備し、その上薬用リボンを用いて、熱転写
    プリンタにより、前記インク層部上に前記上薬用リボン
    の上薬層を熱転写して、前記インク層部を前記上薬層で
    被覆してなる、請求項6に記載の絵柄転写紙の製法。
  8. 【請求項8】 まず、前記上薬用リボンを用いて、熱転
    写プリンタにより、前記絵柄作成用転写紙の薄膜層上に
    熱転写して上薬層を設け、その上に、前記鏡像絵柄を形
    成してなる、請求項7に記載の絵柄転写紙の製法。
  9. 【請求項9】 前記インク用リボンとして、複数色のイ
    ンク層を有するカラーインク用リボンを用いてなる、請
    求項6、7または8に記載の絵柄転写紙の製法。
  10. 【請求項10】 前記インク用リボンとして、異なる色
    のものを複数用いてなる、請求項6、7または8に記載
    の絵柄転写紙の製法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の絵柄転写紙を湿潤さ
    せて、薄膜層とインク層部とからなる絵柄シートを支持
    体から剥離し、その絵柄シートを窯業品の表面に裏返し
    に貼着した後、焼成して、窯業品の表面に絵柄を形成す
    ることよりなる、絵柄転写法。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の絵柄転写紙を湿潤さ
    せて、薄膜層とインク層部と上薬層とからなる絵柄シー
    トを支持体から剥離し、その絵柄シートを窯業品の表面
    に裏返しに貼着した後、焼成して、窯業品の表面に絵柄
    を形成することよりなる、絵柄転写法。
  13. 【請求項13】 絵柄転写紙を、水に湿潤させてなる、
    請求項11または12に記載の絵柄転写法。
  14. 【請求項14】 前記絵柄作成用転写紙に残存する水可
    溶性重合体を介して、絵柄シートを窯業品の表面上に貼
    着してなる、請求項13に記載の絵柄転写法。
  15. 【請求項15】 別途用意した水可溶性重合体を介し
    て、絵柄シートを窯業品の表面上に貼着してなる、請求
    項13に記載の絵柄転写法。
  16. 【請求項16】 絵柄転写紙を、水に溶解した水可溶性
    重合体に湿潤させてなる、請求項11または12に記載
    の絵柄転写法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100684042B1 (ko) * 2004-08-13 2007-02-16 (주)써니스코파 전사용지
US8213848B2 (en) 2008-04-01 2012-07-03 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus including a fixing device configured to apply heat and method thereof

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KR100684042B1 (ko) * 2004-08-13 2007-02-16 (주)써니스코파 전사용지
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