JP2020106858A - 投射レンズ及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】上下を逆にしてプロジェクタ本体を配置することなく、光軸よりも下側又は上側に画面中心を投射可能な投射レンズ及びプロジェクタを提供する。【解決手段】投射レンズ10は、画像形成パネル67側に配される第1光学系11と、ミラー14を含み投射面であるスクリーン28側に配される第2光学系12とを有する。画像形成パネル67を光軸に直交する方向にシフトして配する。反転部17により第2光学系12を第1光学系11に対して第2光軸CL2の回りに180°反転させて、第1位置と第2位置とにセットする。これにより、光軸よりも第1側又は第1側とは反対側の第2側に投射が可能になる。【選択図】図2

Description

本発明は、投射レンズ及びプロジェクタに関する。
近年、液晶表示素子やDMD(Digital Micromirror Device)等の画像形成パネルを搭載したプロジェクタが広く普及し、かつ高性能化してきている。
特許文献1には、透過型の液晶パネルに光源からの光を照射し、投射レンズを介して液晶パネルに表示された画像をスクリーン面上に拡大投影する液晶プロジェクタが記載されている。特許文献1の液晶プロジェクタは、映像を投射する投射光学系に入射される被投射映像を含む映像光を反射する反射面をもつ反射部材を有し、映像光に対する反射面の傾斜角度を変更可能にしている。これにより、映像を投射する被投射面の位置の調整を簡単に行うことができる。
また、特許文献2の液晶プロジェクタは、投射レンズの前に光軸に対し45°傾斜したミラーを選択的に配置し、液晶プロジェクタの本体位置を変えることなく、投射レンズから出射された光学像を水平方向と鉛直方向とに投射可能にしている。
特開2007−264554号公報 特開2009−217020号公報
プロジェクタは、本体にレンズシフト機能が無い場合には、プロジェクタ本体の上下が正規の向きである場合に、スクリーンに投射する画像がプロジェクタよりも上側に位置するように、投射レンズの光軸よりも上側に画面中心が投射される構成となっているのが一般的である。従って、投射レンズの光軸よりも下側に画面中心を投射したい場合には、プロジェクタ本体の上下を逆にして配置する必要がある。
また、特許文献1及び2のように反射部材を用いて投射方向を切り替えるものであっても、投射レンズの光軸よりも下側に画面中心を投射したい場合には、同様にプロジェクタ本体の上下を逆にして配置する必要がある。
しかし、プロジェクタ本体の上下を逆にして配置するには、専用の天吊り設備等が必要になる。また、プロジェクタ本体には、操作スイッチ類が上面にあることが多い。したがって、プロジェクタ本体の上下を逆さに配置した状態で使用する場合には、操作スイッチ類が下側に向いてしまい、操作が困難になる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、上下を逆にしてプロジェクタ本体を配置することなく、投射レンズの光軸に対して正規の向きとは逆側に画面中心を投射可能な投射レンズ及びプロジェクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、画像形成パネルの画像を投射面に投射する投射レンズであって、画像形成パネル及び投射レンズの一方を光軸に直交する方向にシフトして配するプロジェクタに用いられる投射レンズにおいて、第2ミラーと、第1光学系と、第2光学系と、反転部とを備え、第2光軸は第1方向に延在し、第2ミラーは、第2光軸を曲げて第3光軸とし、第2光学系は、第1位置において第3光軸よりも第1方向の第1側に向けて光を投射し、第2位置において第3光軸よりも第1側の反対側である第2側に向けて光を投射する。第1光学系は、光路において第2ミラーに対して画像形成パネル側に配され、第2光軸を含む。第2光学系は、第2ミラーと第3光軸を含み、光路において第1光学系より投射面側に配される。反転部は、第2光学系を第1光学系に対して第2光軸回りに、第1位置から、第1位置に対して180°反転した第2位置に移動する。
第1光学系は、光路上で第2ミラーよりも画像形成パネル側にある第1ミラーを含むことが好ましい。反転部は、第1位置及び第2位置を検出するセンサを備えることが好ましい。反転部は、第1位置及び第2位置を表示する位置指標を有してもよい。反転部は、第1光学系に対して第2光学系を第2光軸回りに回動させて第1位置及び第2位置に切り替えてもよい。反転部は、クリック機構を有し、クリック機構は、ボールと、バネと、穴とを有し、第1位置と第2位置において、バネは、穴内でボールを付勢することが好ましい。
第2光学系が第1位置および第2位置のいずれの位置にも配置されておらず、センサがOFFとなる不検出状態の場合に、画像形成パネルからの光を遮る遮光部を有することが好ましい。
第1ミラーは、第1光軸を曲げて第2光軸とし、第1光軸を含み、第1光学系より画像形成パネル側にある第3光学系を備え、第2光学系が第1位置にある場合に、第3光学系は、側面視において第1光学系に対して第2光学系と同じ側にあり、第2光学系が第2位置にあるときに、第3光学系は、側面視において第1光学系に対して第2光学系と反対側にあることが好ましい。
第1光学系および第2光学系に配される複数のレンズのうち、最も投射面側に配されるレンズの径が最も大きく、かつプロジェクタの筐体から突出する構造であることが好ましい。
本発明のプロジェクタは、上記の投射レンズと、画像を表示する画像形成パネルと、画像形成パネルを照明する光源と、筐体とを備える。筐体は、画像形成パネルを収納し、画像形成パネル及び投射レンズの一方が第1光軸に直交する方向にシフトする。
画像表示反転部を備えることが好ましい。画像表示反転部は、第2光学系の第1位置又は第2位置への切り替えに連動し、投射面の投射画像の向きを第1位置及び第2位置で合わせるべく、センサの信号に基づき画像を反転する。
なお、遮光部を、投射レンズと画像形成パネルとの間に有することが好ましい。遮光部は、第2光学系が第1位置および第2位置のいずれの位置にも配置されておらず、センサがOFFとなる不検出状態の場合に、画像形成パネルからの光を遮る。また、投射レンズは筐体に着脱自在に取り付けられることが好ましい。
本発明によれば、上下を逆にしてプロジェクタ本体を配置することなく、投射レンズの光軸に対して正規の向きとは逆側に画面中心を投射可能な投射レンズ及びプロジェクタを提供することができる。
本発明のプロジェクタを示す斜視図である。 プロジェクタの縦断面図である。 反転部を示す図2における III−III 線に沿う要部断面図である。 第1位置である背面投射位置における背面打ち上げ投射を示す縦断面図である。 第2位置である正面投射位置における正面打ち下げ投射を示す縦断面図である。 クリック機構を示す要部の断面図である。 制御部における画像表示反転制御と遮光部の制御の手順を示すフローチャートである。 1個のミラーを用いた第2実施形態のプロジェクタを示す平面図である。 第2実施形態のプロジェクタの側面図である。 第1位置における第2実施形態のプロジェクタの正面図である。 第2位置における第2実施形態のプロジェクタの正面図である。 嵌合により第1位置に切り替えられた状態の第3実施形態の要部の断面図である。 嵌合により第2位置に切り替えられた状態の第3実施形態の要部の断面図である。 基準指標及び位置指標を示す要部の平面図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のプロジェクタ2は、投射レンズ10と、プロジェクタ本体60とを備える。図1では、プロジェクタ2をテーブル等の水平面に配置した場合を示している。
図2に示すように、投射レンズ10は、第1光学系11と、第2光学系12と、第1ミラー13と、第2ミラー14と、第1保持部材15と、第2保持部材16と、反転部17とを備える。第1保持部材15、第2保持部材16、及び反転部17は、レンズ鏡筒18を構成する。
第1光学系11は、第1レンズ21と第2レンズ22と第3レンズ23と第4レンズ24と第1ミラー13とで構成されている。第1レンズ21、第2レンズ22、及び第4レンズ24は、図示を簡単にするために単体のレンズとして表示しているが、実際は複数のレンズ群で構成されている。第1レンズ21及び第2レンズ22は、画像形成パネル67からの照明光を中間像として結像面27に結像させる。
第1ミラー13は、第2レンズ22と第3レンズ23との間に配されている。第1ミラー13は、第1レンズ21及び第2レンズ22の第1光軸CL1を反射により折り曲げ、第1光軸CL1に対して90°で交差する第2光軸CL2とする。
第1保持部材15は、第1本体30、第1レンズ枠31、第1取付筒32、第2取付筒33、及び第3取付筒34を有する。第1保持部材15は、第1レンズ21〜第4レンズ24及び第1ミラー13を一体に保持する。第1本体30は、略直方体状の角筒から構成されている。第1本体30の下板30aの一方の角部は斜めに切り取られて、斜面部30bが形成されている。斜面部30bの内側面には、第1ミラー13が固定されている。
斜面部30bに対面する入口側の正面板30cには、第1光学系11の第1取付孔30dが形成されている。この第1取付孔30dには第2取付筒33の一端が固定されている。第1本体30の上板30eには、第2取付孔30fが形成されている。第2取付孔30fには第3取付筒34の下端部が固定されている。第3取付筒34は第2光軸CL2に沿って第3レンズ23及び第4レンズ24を保持している。
第2光学系12は、第2ミラー14、第5レンズ25及び第6レンズ26から構成されている。第2ミラー14は第4レンズ24と第5レンズ25との間に配されている。第2ミラー14は、第2光軸CL2を反射により折り曲げ、第2光軸CL2に対して90°で交差する第3光軸CL3とする。第5レンズ25及び第6レンズ26は、図示を簡単にするために単体のレンズとして表示しているが、実際は複数のレンズ群で構成されている。第3レンズ23〜第6レンズ26は、第1レンズ21及び第2レンズ22により結像面27に結像された中間像を投射対象物である例えばスクリーン28に拡大して投射する。
第2保持部材16は、第2本体40、第2レンズ枠42、及び第3レンズ枠43を有する。第2保持部材16は、第5レンズ25及び第6レンズ26及び第2ミラー14を一体に保持する。第2本体40は、略直方体状の角筒から構成されている。第2本体40の上板40aの一方の角部は斜めに切り取られて、斜面部40bが形成されている。斜面部40bの内側面には第2ミラー14が固定されている。
第2本体40の斜面部40bに水平方向で対面する端面には、取付フランジ40cが形成されている。取付フランジ40cには第3レンズ枠43が固定されている。第3レンズ枠43の一端には第2レンズ枠42が第3光軸CL3方向で移動自在に取り付けられている。第2レンズ枠42には第5レンズ25が、第3レンズ枠43には第6レンズ26がそれぞれ固定されている。第2レンズ枠42は図示を省略したレンズ移動機構により第3光軸CL3に沿って移動し、ピントを調節する。
なお、第1レンズ21〜第6レンズ26のレンズ構成は、例えば特願2015−035085、特願2015−045989等の「投写用光学系及び投写型表示装置」に詳しく説明されており、これらに記載の光学系を第1光学系11、第2光学系12として用いることができる。これらの投写用光学系及び投写型表示装置によれば、広角で諸収差が良好に補正された高い投射性能を有する光学系が得られる。
本実施形態では、第1レンズ21及び第2レンズ22の第1光軸CL1は、第1ミラー13で反射されて90°に曲げられ、第2光軸CL2となる。また、第3レンズ23及び第4レンズ24の第2光軸CL2は、第2ミラー14で反射されて90°に曲げられ、出射側の第3光軸CL3となる。第3光軸CL3は、第1光軸CL1と第2光軸CL2とを含む面内において、第1光軸CL1と平行である。
反転部17は、第3取付筒34の上端部と、第2本体40の下板40dとの間に配されている。反転部17は、第1フランジ45と、第2フランジ46と、周溝47と、ガイドピン48と、第1センサ49と、第2センサ50とを有する。第1フランジ45は、第3取付筒34の上端部の外周面に、円盤状に形成されている。第2フランジ46は、第2本体40の下板40dに、円盤状に形成されている。
図3に示すように、周溝47は、第2光軸CL2を中心とする半円弧の溝であり、第2フランジ46の下面に形成されている。図2に示すように、ガイドピン48は、第1フランジ45の上面から突出するように、第2光軸CL2と平行に設けられている。第1フランジ45と第2フランジ46とが合わされた状態で、ガイドピン48の先端は周溝47内に入る。図3に示すように、周溝47は、第2光軸CL2を中心として180°の角度範囲で形成されている。従って、周溝47に案内されるガイドピン48は周溝47の長さ範囲内で移動可能になる。これにより、第2本体40を有する第2光学系12が、第3取付筒34を有する第1光学系11に対して、180°の角度で回動が許容され、反転が可能になる。
図3に示すように、周溝47の一方の端部にガイドピン48が位置する時に、図4に示すように、第2光学系12の第6レンズ26が背面を向いた背面投射位置(第1位置に相当)になる。背面投射位置では、第2光学系12により画像が背面に向けて投射される。そして、スクリーン28に映る画像は、第3光軸CL3よりも上側に投射され、いわゆる打ち上げ投射となる。
一方、背面投射位置から第2光学系12が180°反転して、周溝47の他方の端部にガイドピン48が位置する時に、図5に示すように、第2光学系12は、第6レンズ26が正面を向いた正面投射位置(第2位置に相当)になる。正面投射位置では、第2光学系12により画像が正面に向けて投射される。そして、スクリーン28に映る画像は、第3光軸CL3よりも下側に投射され、いわゆる打ち下げ投射となる。
図2及び図3に示すように、第2光学系12の向きを検出するために、第1センサ49及び第2センサ50が第1フランジ45に取り付けられている。第1センサ49及び第2センサ50には例えばフォトインタラプタが用いられる。第2フランジ46の外周面には、径方向に突き出たL字型のセンサ板57が取り付けられている。このセンサ板57が第1センサ49又は第2センサ50の検出光を遮ることにより、第1センサ49及び第2センサ50がONになる。第1センサ49がONになると、第2光学系12が背面投射位置にセットされていることが検出される。また、第2センサ50がONになると、第2光学系12が正面投射位置にセットされていることが検出される。一方、第2光学系12が背面投射位置および正面投射位置のいずれの位置にも配置されていない場合は、第1センサ49及び第2センサ50がOFFになる。以下、この状態を不検出状態という。
第1センサ49及び第2センサ50の信号は、後述するマウント部61を介してプロジェクタ本体60の制御部69に送られる。反転時の固定側である第1フランジ45に各センサ49,50が取り付けられているため、第2フランジ46にセンサ49,50が取り付けられる場合に比べて、各センサ49,50への配線が容易になる。
図6に示すように、第1フランジ45と第2フランジ46の合わせ面には、クリック機構51が設けられている。クリック機構51は、係止穴52、係止ボール53、コイルバネ54、バネ押さえネジ55から構成されており、第2光学系12を背面投射位置及び正面投射位置に位置決めする。係止穴52は球面状の凹部からなり、例えば第1フランジ45の合わせ面で、背面投射位置及び正面投射位置に対応する位置に形成されている。バネ押さえネジ55は係止ボール収納穴56にネジ止めされ、係止ボール53及びコイルバネ54を係止ボール収納穴56に保持する。係止ボール53は、コイルバネ54により第1フランジ45の合わせ面に接触するように付勢されている。
第1保持部材15、第2保持部材16は、個別に組み立てられる。図2に示すように、第1光学系11の出射側の第2光軸CL2と、第2光学系12の入射側の第2光軸CL2とが合わせられた状態で、反転部17を介して第1保持部材15と第2保持部材16とが接合されてレンズ鏡筒18が組み立てられる。このようにして組み立てられたレンズ鏡筒18では、第2光軸CL2と、第2光軸CL2に対して90°の角度を有する、第1光学系11の入射側の第1光軸CL1と、第2光学系12の出射側の第3光軸CL3とにより、U字状光路が形成される。
図1に示すように、投射レンズ10は、マウント部61を介してプロジェクタ本体60に着脱自在に取り付けられる。プロジェクタ本体60は、略直方体をした筐体65を有する。筐体65内には、光源66、画像形成パネル67、遮光部68及び制御部69が収納されている。
画像形成パネル67には、例えば透過型液晶パネルが用いられる。光源66は、画像形成パネル67の裏面すなわち、画像形成パネル67を基準として投射レンズ10の逆側に配置される。光源66は赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を同時に発光するLED(light emitting diode)が用いられ、画像形成パネル67を照明する。なお、LEDに代えて、白色光を発光するキセノンランプ、ハロゲンランプ又は超高圧水銀ランプ等を用いてもよい。投射レンズ10は、光源66で照明された画像形成パネル67からの照明光を、投射面例えばスクリーン28に投射する。
遮光部68は、例えば画像形成パネル67と第1レンズ21との間に配されている。遮光部68はシャッタを開閉するメカシャッタや、NDフィルタを光路に選択的に挿入するものなどが用いられる。遮光部68により、画像形成パネル67からの投射光を遮断する遮光状態と、通過させる通過状態とに切り替えられる。なお、図2に二点鎖線で示すように、遮光部68は、プロジェクタ本体60側に設ける代わりに、投射レンズ10側に設けてもよい。
制御部69は、光源66を点灯するとともに、光源68と対向する面とは反対側の画像形成パネル67の面である画像形成面67aにRGB3色の画像を表示させる。また、制御部69は、画像表示反転部69aを有している。画像表示反転部69aは、各センサ49,50からの第2光学系12の停止位置信号に基づき、画像を反転制御する。第1センサ49がONになっており、第2光学系12が背面投射位置にあって背面打ち上げ投射状態の時には、通常の画像(正立像)を画像形成パネル67に表示する。また、第2光学系12が正面投射位置にあって正面打ち下げ投射状態の時には、画像の上下を反転させた反転画像(倒立像)を画像形成パネル67に表示する。
制御部69は、第2光学系12が背面投射位置および正面投射位置のいずれの位置にも配置されておらず、第1センサ49及び第2センサ50がOFFとなる不検出状態では、遮光部68を作動させて、画像形成パネル67からの投射光を遮光する。一方、制御部69は、不検出状態以外には、遮光部68を作動させて、画像形成パネル67からの投射光を通過状態にする。
図7は、第1センサ49及び第2センサ50の信号に基づく制御部69における画像表示反転制御と遮光部68の制御の手順を示すフローチャートである。第1センサ49がONの時(ステップST100でY、第2光学系12が第1位置である背面投射位置に配置されている時)は、制御部69は、遮光部68を作動させて、画像形成パネル67からの投射光を通過状態とし(ステップST110)、かつ画像表示反転部69aを制御して正立像を表示する(ステップST120)。これにより、スクリーン28には、図4で示したように、第3光軸CL3よりも上側に画像が投射され、いわゆる打ち上げ投射となる。
一方、第2センサ50がONの時(ステップST130でY、第2光学系12が第2位置である正面投射位置に配置されている時)は、制御部69は、ステップST110と同じく、遮光部68を作動させて、画像形成パネル67からの投射光を通過状態とし(ステップST140)、かつ画像表示反転部69aを制御して倒立像を表示する(ステップST150)。これにより、スクリーン28には、図5で示したように、第3光軸CL3よりも下側に画像が投射され、いわゆる打ち下げ投射となる。このように、画像表示反転部69aによって、第2光学系12の背面投射位置又は正面投射位置への切り替えに連動し、スクリーン28の投射画像の向きが、背面投射位置及び正面投射位置で合わせるべく、第1センサ49及び第2センサ50の信号に基づき切り替えられる。
第1センサ49及び第2センサ50がOFFの時、すなわち不検出状態(ステップST100、ステップST130でともにN)では、第2光学系12が回動中であるので、制御部69は、遮光部68を作動させて、画像形成パネル67からの投射光を遮光する(ステップST160)。この状態では、画像形成パネル67からの投射光は、遮光部68により遮られるため、第2光学系12から画像が投射されることはない。以下、メインスイッチがONであるうちは(ステップST170でN)上記処理が繰り返される。そして、メインスイッチがOFFになると(ステップST170でY)、上記制御を終了する。
制御部69は、他に以下の処理も行う。例えば投射レンズ10に電動ズーム制御機能が盛り込まれている場合、ズームダイヤル71(図1参照)の操作信号を受けると、スクリーン28に投射される画像の大きさを調節する。また、制御部69は、フォーカスダイヤル73(図1参照)の操作信号を受けると、投射レンズ10のピント調節機構(不図示)を作動させ、スクリーン28に投射された画像のピントを調節する。
図2等に示すように、画像形成パネル67は第1光軸CL1に対して下方にシフトして配置されており、例えば画像が第1光軸CL1の下側に表示される。対して、第1光学系11、第2光学系12を介して投射される画像は、スクリーン28において第3光軸CL3の上側にシフトして表示される。これにより、図4で示したように、背面投射位置では、背面側に配されるスクリーン28に対し、画像が第3光軸CL3よりも上側に照射される。
画像を第3光軸CL3よりも下側に投射したい場合には、第2本体40を持って第2光学系12を第2光軸CL2の回りに180°回転(反転)させる。これにより、図5で示したように、第6レンズ26が正面側に向く。この状態では、第2ミラー14による反射によって、スクリーン28に投射される画像が第3光軸CL3よりも下側に位置する打ち下げ投射になる。
このように、プロジェクタ本体60の上下を逆にすることなく、第2光学系12を第2光軸CL2の回りに180°回転させるという簡単な操作で、打ち上げ照射と打ち下げ照射とを簡単に切り替えることができる。また、この切り替えに際して、画像表示反転部69aによって画像形成パネル67に表示される画像の上下が反転される。従って、切り替えた後の画像の上下向きが逆になることもない。
また、切り替え途中である不検出状態では遮光部68により投射光が遮断されるため、回動中の投射レンズ10から投射光が投射されることがなく、切り替え中の違和感を無くすことができる。さらに、クリック機構51により第2光学系12が背面投射位置と正面投射位置とに位置決めされるため、第2光学系12の反転を確実に行うことができる。
なお、反転部17は、第3取付筒34と第2本体40とを第2光軸CL2を中心として180°回転可能な構造であればよく、各種の反転ガイド機構を用いることができる。例えば、第3取付筒34の外周面に周溝を形成し、第3取付筒34が取り付けられる第2本体40の取付孔の内周面に、周溝に入るガイドピンを設け、周溝によりガイドピンを移動規制することにより、第2光学系12を反転させる。また、手動により第2光学系12を反転させるようにしたが、第2フランジ46と一体に回動ギヤを設け、この回動ギヤをモータにより回転させて自動で反転させてもよい。この場合は筐体65にモータを駆動させて第2光学系12の位置を切り替えるための切り替えスイッチを設ける。
[第2実施形態]
第1実施形態では、2個のミラー13,14を用いたが、図8〜図11に示す第2実施形態では、第1ミラー13を無くして第2ミラー14のみを用い、光軸をL字型にしている。この第2実施形態は、略直方体状の角筒からなる第1実施形態の第1本体30に代えて円筒状の第1本体75を設けている。第1本体75はプロジェクタ本体60内に収容されている。第2ミラー14は、第1レンズ21及び第2レンズ22の第1光軸CL1(図示せず)を折り曲げ、第2光軸CL2とする。第1実施形態の第1ミラー13を無くし第1本体75を円筒状にした以外は、第1実施形態と同じ構成である。なお、以下の実施形態では、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付して重複した説明を省略している。
第2実施形態では、1個のミラー14を用いて、第1実施形態と同様に、第2光学系12を反転部17により第1光学系11に対して180°回転することができる。従って、図10に示すように、第2光軸CL2よりも上側に画像を表示する打ち上げ投射と、図11に示すように、第2光軸CL2よりも下側に画像を表示する打ち下げ投射とが可能になる。第2実施形態では、図10に示す第2光学系12の位置が第1位置、図11に示す第2光学系12の位置が第2位置に相当する。この第2実施形態によっても、上下を逆にしてプロジェクタ本体60を配置することなく、光軸CL3に対して正規の向きとは逆側に画面中心を投射可能である。
[第3実施形態]
第1及び第2実施形態では、第2光学系12を第1光学系11に接続した状態で、第2光学系12を回転させる反転部17を用いたが、図12及び図13に示す第3実施形態では嵌合方式による反転部80を用いている。反転部80は、2個のキー溝82と1個のキー突起84とを有する。キー溝82は、第1光学系11の第1フランジ81に円周方向で180°離れた位置で、第2光軸CL2に平行に形成されている。キー突起84は、第2光軸CL2と平行に延設された柱状の突起である。キー突起84は、第2本体40に形成された第2フランジ83の下面から下方に突出し、第3取付筒34の外周に配される。
第2光学系12を第1光学系11に組み付ける際には、キー突起84を一方のキー溝82又は他方のキー溝82に入れることで、図12および図13に示すように、第1光学系11に対する第2光学系12の嵌合位置を切り替えることができる。キー溝82に対応する位置で第3取付筒34にはキーセンサ85が取り付けられている。キーセンサ85は例えばリミットスイッチから構成されており、キー突起84を検出する。キーセンサ85により第2光学系12が第1位置か第2位置かを検出することができる。第3実施形態では、図12に示す第2光学系12の位置が第1位置、図13に示す第2光学系12の位置が第2位置に相当する。この第3実施形態によっても、上下を逆にしてプロジェクタ本体60を配置することなく、光軸CL3に対して正規の向きとは逆側に画面中心を投射可能である。
上記各実施形態では、1個のミラー14又は2個のミラー13,14を用いたが、ミラーは3個以上であってもよい。この場合には、光軸上で投射面であるスクリーン28の最も近くに配される最射出側のミラーにより、第1光学系11と第2光学系12とが分けられる。因みに、上記第1実施形態における最射出側のミラーは第2ミラー14である。
上記第1実施形態では、クリック機構51を用いて第1位置である背面投射位置及び第2位置である正面投射位置に選択的に第2光学系12を停止させるようにしたが、これに代えて又は加えて図14に示すように、基準指標90及び位置指標91を用いて、第2光学系12を第1位置及び第2位置に位置決めしてもよい。基準指標90は、第2本体40に形成された第2フランジ89の上面の外周縁部に形成される。第2フランジ89は第1実施形態の第2フランジ46よりも外径が小さく形成されている。これにより、平面視において第2フランジ89の外周縁から第1フランジ45の外周縁部が露呈する。この露呈した第1フランジ45の外周縁部の上面に対して、位置指標91が形成されている。位置指標91は、第1位置及び第2位置になった時に、基準指標90と一直線に接続される。従って、第2光学系12を回動して位置指標91を基準指標90に合わせることにより、第1光学系11に対して第2光学系12を第1位置及び第2位置に選択的に位置決めすることができる。
上記各実施形態では、画像形成パネル67として透過型の液晶パネルを用いたが、反射型の液晶パネルを用いてもよい。この場合には、画像形成パネル67の前面側に光源66を配置してRGB3色の照射光を同時に照射する。また、画像形成パネル67としてDMDを用いる場合には、光源66を画像形成パネル67の前面側に配置し、DMDの3色画像の形成タイミングに同期させて、RGB3色のLEDを時分割発光させる。
上記各実施形態では、プロジェクタ2をテーブルに配置した状態で説明したが、プロジェクタ2を天井などから吊り下げて使用する場合にも本発明を適用することができる。また、スクリーン28に像を投射する例で説明したが、投射面はスクリーン28に限定されず、様々な投射面に対して投射するプロジェクタとして用いることができる。
上記各実施形態では、複数の光軸間の位置関係を表すために直交、平行などの用語を用い、あるいは90°などの具体的な数値角度を用いて説明している。しかしながら、これらは光学系において要求される精度に応じた誤差で許容される範囲を含むものである。
上記第1実施形態では、マウント部61を介して、投射レンズ10が交換可能なプロジェクタ2について説明したが、投射レンズ10がプロジェクタ本体60に固定されたプロジェクタにも適用可能である。なお、交換可能な投射レンズ10とする場合には、例えば第1光学系11の一部のレンズ、例えば第1レンズ21、第2レンズ22をプロジェクタ本体に持たせ、投射レンズ10側のレンズ数を減らしてもよい。
上記第1実施形態では、画像形成パネル67を第1光軸CL1に対して下方にシフトしたが、これに代えて上方にシフトしてもよい。また、第1光軸CL1に直交する方向にシフトする対象は、画像形成パネル67に代えて投射レンズ10でもよく、更には画像形成パネル67及び投射レンズ10の両方をシフトして配置してもよい。
2 プロジェクタ
10 投射レンズ
11 第1光学系
12 第2光学系
13 第1ミラー
14 第2ミラー
15 第1保持部材
16 第2保持部材
17 反転部
18 レンズ鏡筒
21 第1レンズ
22 第2レンズ
23 第3レンズ
24 第4レンズ
25 第5レンズ
26 第6レンズ
27 結像面
28 スクリーン
30 第1本体
30a 下板
30b 斜面部
30c 正面板
30d 第1取付孔
30e 上板
30f 第2取付孔
31 第1レンズ枠
32 第1取付筒
33 第2取付筒
34 第3取付筒
40 第2本体
40a 上板
40b 斜面部
42 第2レンズ枠
43 第3レンズ枠
45 第1フランジ
46 第2フランジ
47 周溝
48 ガイドピン
49 第1センサ
50 第2センサ
51 クリック機構
52 係止穴
53 係止ボール
54 コイルバネ
55 バネ押さえネジ
56 係止ボール収納穴
57 センサ板
60 プロジェクタ本体
61 マウント部
65 筐体
66 光源
67 画像形成パネル
67a 画像形成面
68 遮光部
69 制御部
69a 画像表示反転部
71 ズームダイヤル
73 フォーカスダイヤル
75 第1本体
80 反転部
81 第1フランジ
82 キー溝
83 第2フランジ
84 キー突起
85 キーセンサ
89 第2フランジ
90 基準指標
91 位置指標
CL1 第1光軸
CL2 第2光軸
CL3 第3光軸
ST100〜ST170 ステップ

Claims (13)

  1. 画像形成パネルの画像を投射面に投射する投射レンズであって、前記画像形成パネル及び前記投射レンズの一方を光軸に直交する方向にシフトして配するプロジェクタに用いられる投射レンズにおいて、
    第2ミラーと、
    光路において前記第2ミラーに対して前記画像形成パネル側に配され、第2光軸を含む第1光学系と、
    前記第2ミラーと第3光軸を含み、前記光路において前記第1光学系より前記投射面側に配される第2光学系と、
    前記第2光学系を前記第1光学系に対して前記第2光軸回りに、第1位置から、前記第1位置に対して180°反転した第2位置に移動する反転部と
    を備え、
    前記第2光軸は第1方向に延在し、
    前記第2ミラーは、前記第2光軸を曲げて前記第3光軸とし、
    前記第2光学系は、前記第1位置において前記第3光軸よりも前記第1方向の第1側に向けて光を投射し、前記第2位置において前記第3光軸よりも前記第1側の反対側である第2側に向けて光を投射する投射レンズ。
  2. 前記第1光学系は、前記光路上で前記第2ミラーよりも前記画像形成パネル側にある第1ミラーを含む請求項1記載の投射レンズ。
  3. 前記反転部は、前記第1位置及び前記第2位置を検出するセンサを備える請求項1又は2記載の投射レンズ。
  4. 前記反転部は、前記第1位置及び前記第2位置を表示する位置指標を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の投射レンズ。
  5. 前記反転部は、前記第1光学系に対して前記第2光学系を前記第2光軸回りに回動させて前記第1位置及び前記第2位置に切り替える請求項1ないし4のいずれか1項に記載の投射レンズ。
  6. 前記反転部は、クリック機構を有し、
    前記クリック機構は、ボールと、バネと、穴とを有し、
    前記第1位置と前記第2位置において、前記バネは、前記穴内で前記ボールを付勢する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の投射レンズ。
  7. 前記第2光学系が前記第1位置および前記第2位置のいずれの位置にも配置されておらず、前記センサがOFFとなる不検出状態の場合に、前記画像形成パネルからの光を遮る遮光部を有する請求項3、または請求項3を引用する請求項4ないし6のいずれか1項に記載の投射レンズ。
  8. 前記第1ミラーは、第1光軸を曲げて前記第2光軸とし、
    前記第1光軸を含み、前記第1光学系より前記画像形成パネル側にある第3光学系を備え、
    前記第2光学系が前記第1位置にある場合に、前記第3光学系は、側面視において前記第1光学系に対して前記第2光学系と同じ側にあり、
    前記第2光学系が前記第2位置にあるときに、前記第3光学系は、側面視において前記第1光学系に対して前記第2光学系と反対側にある、請求項2、または請求項2を引用する請求項3ないし7のいずれか1項に記載の投射レンズ。
  9. 前記第1光学系および前記第2光学系に配される複数のレンズのうち、最も前記投射面側に配されるレンズの径が最も大きく、かつ前記プロジェクタの筐体から突出する構造である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の投射レンズ。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の投射レンズと、
    前記画像を表示する前記画像形成パネルと、
    前記画像形成パネルを照明する光源と、
    前記画像形成パネルを収納し、前記画像形成パネル及び前記投射レンズの一方が前記第1光軸に直交する方向にシフトする、筐体と、
    を備えるプロジェクタ。
  11. 前記第2光学系の前記第1位置又は前記第2位置への切り替えに連動し、前記投射面の投射画像の向きを前記第1位置及び前記第2位置で合わせるべく、前記センサの信号に基づき前記画像を反転する画像表示反転部を備える請求項3を引用する請求項10記載のプロジェクタ。
  12. 前記第2光学系が前記第1位置および前記第2位置のいずれの位置にも配置されておらず、前記センサがOFFとなる不検出状態の場合に、前記画像形成パネルからの光を遮る遮光部を、前記投射レンズと前記画像形成パネルとの間に有する請求項3を引用する10又は11記載のプロジェクタ。
  13. 前記投射レンズは前記筐体に着脱自在に取り付けられる請求項10から12のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
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