JP2004317984A - 鏡筒支持装置および投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】投射レンズ鏡筒をがたつきなく円滑に移動させることができる液晶プロジェクタを提供する。
【解決手段】鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成するそれぞれ対をなす第1の被ガイド部56と第2のガイド部93を第2の本体部52に設ける。蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って第1の被ガイド部56と第2のガイド部93を移動可能にする溝幅調整手段63,97を設ける。蟻溝部に摺動可能に嵌合する第1のガイド部32と第2の被ガイド部104を第1の本体部22および第3の本体部102に設ける。第1のガイド部32と第2の被ガイド部104が蟻溝部にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動することが容易に可能となるため、投射レンズ鏡筒6をがたつきなく円滑に移動させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成するそれぞれ対をなす第1の被ガイド部56と第2のガイド部93を第2の本体部52に設ける。蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って第1の被ガイド部56と第2のガイド部93を移動可能にする溝幅調整手段63,97を設ける。蟻溝部に摺動可能に嵌合する第1のガイド部32と第2の被ガイド部104を第1の本体部22および第3の本体部102に設ける。第1のガイド部32と第2の被ガイド部104が蟻溝部にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動することが容易に可能となるため、投射レンズ鏡筒6をがたつきなく円滑に移動させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器本体に対して鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する鏡筒支持装置およびこれを備えた投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の投射型表示装置としてのプロジェクタ装置には、照明光を照射する光源、この光源から照射された照明光を変調する光変調手段としてのLCDパネル、および、このLCDパネルで変調された照明光をスクリーンなどに投射像として投射する鏡筒としての投射レンズ鏡筒がそれぞれ設けられている。そして、プロジェクタ装置には、このプロジェクタ装置を設置するテーブルなどの固定台の高さ、あるいはスクリーンの高さなどに応じて投射像の上下位置を移動可能に支持する鏡筒支持装置を設けたものがある。
【0003】
この鏡筒支持装置は、投射レンズ鏡筒を支持するマウント部を備えている。このマウント部には、このマウント部の上下方向の移動を案内、すなわちガイドするガイドポールに挿通されたスリーブが設けられている。また、ガイドポールには、マウント部を移動させるリードスクリュがガイドポールと平行に設けられている。このリードスクリュは、モータにより回転駆動されることでマウント部を上下方向に移動させる(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0004】
ここで、スリーブがガイドポールに対してがたを有していると、投射像のピントがずれたり、投射像自身がスリーブとガイドポールのがたつきにより移動し、見難くなったりするおそれがある。
【0005】
しかしながら、スリーブをガイドポールに対してがたつきなく挿通する場合には、スリーブとガイドポールとの摺動の円滑さを欠き、マウント部による投射レンズ鏡筒の上下動が円滑でなくなることで、投射レンズ鏡筒の移動不良を誘起する原因となるおそれがある。
【0006】
一方で、スリーブとガイドポールとの摺動の円滑さを優先すると、スリーブとガイドポールとの間に隙間ができ、がたつきが生じる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−250130号公報(第5−6頁、図5)
【0008】
【特許文献2】
特開2002−206615号公報(第3−4頁、図2および図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のプロジェクタ装置では、スリーブとガイドポールとが互いにがたつくことなく、かつ円滑に摺動するためには、スリーブの内径とガイドポールの外径とを厳格に管理して製造する必要があり、製造コストが増加する。
【0010】
そして、従来のプロジェクタ装置では、マウント部の移動不良を最低限回避するという観点から、スリーブをガイドポールに対して若干緩めに挿通させることで摺動の円滑さを損なわないようにしていたので、投射レンズ鏡筒の上下動の際、あるいはプロジェクタ装置に振動が加わった際などに、スリーブがガイドポールに対してがたつくという問題点を有している。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、鏡筒をがたつきなく円滑に移動可能にする鏡筒支持装置およびこれを備えた投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の鏡筒支持装置は、光学機器本体に対して鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する鏡筒支持装置であって、鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と、鏡筒を支持する鏡筒側基盤部と、前記筐体側基盤部および前記鏡筒側基盤部のいずれか一方に設けられ、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段と、前記蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って前記蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段と、前記筐体側基盤部および前記鏡筒側基盤部のいずれか他方に設けられ、前記蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部とを具備したものである。
【0013】
そして、鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と鏡筒を支持する鏡筒側基盤部とのいずれか一方に、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段を設け、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段を設け、かつ筐体側基盤部と鏡筒側基盤部とのいずれか他方に、蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部を設けることで、蟻溝嵌合部が蟻溝部にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動させることが容易に可能となるため、鏡筒が容易にがたつきなく円滑に移動可能になる。
【0014】
請求項2記載の鏡筒支持装置は、請求項1記載の鏡筒支持装置において、溝幅調整手段は、蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、前記蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って前記螺子の軸部が移動可能に挿通される取付孔とを備えているものである。
【0015】
そして、蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って螺子の軸部が移動可能に挿通される螺子孔とで溝幅調整手段を構成することで、比較的簡単な構成で蟻溝部の幅を変化させることが可能になり、製造コストが抑制される。
【0016】
請求項3記載の投射型表示装置は、照明光を照射する光源と、この光源から照射された照明光を変調する光変調手段と、この光変調手段で変調された照明光を投射する鏡筒と、光学機器本体と、この光学機器本体に対して前記鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する請求項1または2記載の鏡筒支持装置とを具備したものである。
【0017】
そして、請求項1または2記載の鏡筒支持装置を備えることで、鏡筒をがたつきなく円滑に移動させることが可能になり、使い勝手が容易に向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の投射型表示装置の構成を図1ないし図9を参照して説明する。
【0019】
図7ないし図9において、1は投射型表示装置としてのプロジェクタ装置である液晶プロジェクタである。この液晶プロジェクタ1は、光学機器本体としての筐体2およびこの筐体2に光を照射する光源3を備えている。また、この液晶プロジェクタ1は、光変調手段である液晶表示素子としての3枚の透過型のLCDパネル4r,4g,4bを備えている。さらに、筐体2には、レンズ鏡筒移動機構である鏡筒支持装置5を介して鏡筒としての投射レンズ鏡筒6が取り付けられて、これら筐体2、鏡筒支持装置5および投射レンズ鏡筒6にて光学系ユニットUが構成されている。そして、この光学系ユニットUと光源3とは、外装体としての図示しない外装カバーにより外側を覆われている。この外装カバー内には、図示しないファン、制御回路、操作部、表示部、電源装置などが配設されている。
【0020】
筐体2は、例えば合成樹脂などで成形された主筐体11およびこの主筐体11の上部開口を閉塞する図示しない蓋体を備えている。
【0021】
主筐体11内には、図7に示すように、光源3から照射された光の照度のむらを低減する2枚のレンズアレイLA1,LA2、光源3から照射された光の偏向方向を揃える偏向ビームスプリッタ(Polarized Beam Splitter:PBS)S、重畳レンズであるコンデンサレンズCL1,CL2、ダイクロイック反射ミラーDM1,DM2、全反射ミラーである反射ミラーM1〜M4、リレーレンズRL1〜RL3、紫外線カットフィルタF1、紫外線吸収フィルタF2、赤色透過フィルタF3、および、フィールドレンズFL1,FL2などの照明光学系がそれぞれ配設されている。
【0022】
ここで、光源3から照射された光は、レンズアレイLA1,LA2およびコンデンサレンズCL1を順次通過して反射ミラーM1にて側方に反射されてコンデンサレンズCL2を通過した後、ダイクロイック反射ミラーDM1,DM2によりR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光にそれぞれ色分離される。
【0023】
そして、R(赤)の色光は、赤光を透過させるダイクロイック反射ミラーDM1を透過し、赤色透過フィルタF3、反射ミラーM2およびフィールドレンズFL1を経由して赤色用のLCDパネル4rに入射する。
【0024】
また、G(緑)の色光は、ダイクロイック反射ミラーDM1にて反射され、かつ緑光を反射する第2のダイクロイック反射ミラーDM2で反射され、フィールドレンズFL2を経由して、緑色用のLCDパネル4gに入射する。
【0025】
さらに、B(青)の色光は、ダイクロイック反射ミラーDM1にて反射され、かつダイクロイック反射ミラーDM2を透過し、リレーレンズRL1、反射ミラーM3、紫外線カットフィルタF1、リレーレンズRL2、紫外線吸収フィルタF2、反射ミラーM4およびリレーレンズRL3を順次経由して、青色用のLCDパネル4bに入射する。
【0026】
そして、主筐体11の側方には、四角形状の取付凹部13が凹状に設けられている。この取付凹部13内には、鏡筒支持装置5に取り付けられたLCDパネル4r,4g,4bおよび図示しない直方体状のダイクロイッククロスプリズムが位置する。
【0027】
また、光源3は、図示しないハロゲンランプなどの白熱電球あるいはメタルハライドランプなどの放電ランプを備えている。この放電ランプの周囲には、この放電ランプから照射された光を反射する放物面状の鏡面を備えたリフレクタ14が配設されている。この結果、光源3からは、放電ランプから照射された光がリフレクタ14で反射されてレンズアレイLA1に入射する。
【0028】
LCDパネル4r,4g,4bは、光源3から照射されてこれらLCDパネル4r,4g,4bに入射した照明光を、図示しない映像信号処理回路などにて処理された映像信号に応じて変調させるものである。
【0029】
なお、以下、光源3からスクリーンに向かう照明光の光軸に対し、スクリーン側を前側、光源3側を後側とし、光源3側から見て、この光軸に交差すなわち直交する第1の方向を上下方向、および、光軸と上下方向とに直交する第2の方向を幅方向、すなわち左右方向として説明する。
【0030】
鏡筒支持装置5は、上下方向と左右方向のそれぞれの方向に沿って筐体2に対して投射レンズ鏡筒6を移動可能に支持するものである。この鏡筒支持装置5は、図1および図2に示すように、筐体2の主筐体11に取り付けられる第1のマウント15、この第1のマウント15に取り付けられる第2のマウント16、および、この第2のマウント16に取り付けられる第3のマウント17を備えている。また、第2のマウント16および第3のマウント17により、光軸と直交する上下方向および幅方向である左右方向に沿って筐体2に対して投射レンズ鏡筒6を移動、すなわちシフト可能に支持する移動支持機構18が構成されている。
【0031】
第1のマウント15は、例えばマグネシウム合金などの、合成樹脂よりも比較的大きい剛性を有する金属製の部材で形成されている。また、この第1のマウント15は、投射レンズ鏡筒6へと照明光を導く第1の孔部21が穿設された筐体側基盤部としての固定マウントである略四角枠状の第1の本体部22と、この第1の本体部22の下端部からこの第1の本体部22に対して略直交する方向に突出して一体に設けられたプリズム載置部23とを有している。
【0032】
第1の孔部21は、投射レンズ鏡筒6の内径寸法より大きい径寸法を有し、短軸よりも若干大きい長軸を上下方向に沿って有する略楕円形状に形成されている。すなわち、第1の孔部21は、第1の本体部22の上下方向に沿って若干長孔状に形成されている。
【0033】
第1の本体部22は、上下方向両端部および幅方向両側部に、第1のマウント15の外周となる筐体側外周側面としての第1の外周側面31をそれぞれ備えている。これら第1の外周側面31は、光軸に沿った方向に面方向を有する、すなわち光軸に対して平行な平面状に形成されている。したがって、第1の外周側面31は、四角枠状に形成されている。
【0034】
また、第1の本体部22の上端部および下端部に位置した第1の外周側面31には、ガイド部としての蟻溝嵌合部である第1のガイド部32がそれぞれ突出して一体に設けられている。これら第1のガイド部32は、第1の本体部22の幅方向に沿って連続して形成されている。そして、第1のガイド部32の後側には、第1の本体部22の後方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第1の傾斜面33がそれぞれ設けられている。これら第1の傾斜面33は、第1のガイド部32の幅方向全体に亘って設けられている。したがって、第1のガイド部32は、図4に示すように、側面視で略三角形状に形成されている。
【0035】
さらに、第1の本体部22の第1の外周側面31の内周側には、図1に示すように、筐体側内周側面としての第1の内周側面34が光軸に向かう方向に沿って第1の孔部21に亘って延設されている。この第1の内周側面34は、光軸と交差する方向である直交方向に沿って面方向を有し、第1の孔部21の周囲全体に連続して設けられている。
【0036】
そして、第1の本体部22の第1の外周側面31における第1のガイド部32が設けられた一対の辺部と異なる辺部である幅方向の一側部には、第1の本体部22の前方に向けて直線状に延出し、外装カバーに対して第1の本体部22を支持する支持部35aが第1の本体部22に一体に形成されて設けられている。この支持部35aは、第1の本体部22の前方に鋭角状の先端部が位置した側面視略三角形状に設けられている。また、この第1の本体部22の左右方向の他端側には、同じく第1の本体部22を外装カバーに対して支持する支持部35bが第1の本体部22に一体に形成されている。
【0037】
さらに、第1の本体部22の第1の外周側面31の下部における支持部35aの下方には、軸受としての第1の挿通部41が下方に向けて突出して一体に設けられている。この第1の挿通部41には、第1の挿通口42が第1の本体部22の幅方向に沿って形成されている。この第1の挿通口42は、第1の挿通部41の下端部を凹弧状に切り欠いて設けられている。またさらに、この第1の挿通口42には、図8および図9に示すように、スクリュ螺子である第1の送り螺子43が挿通され、ねじ42aで固定された蓋板42bで下側が支持されている。
【0038】
そして、図1に示すように、第1の本体部22の第1の外周側面31の下部には、軸受としての第1の軸支部44が下方に向けて突出して一体に設けられている。この第1の軸支部44は、第1の本体部22の幅方向に沿って第1の挿通部41と離間され、第1の本体部22の下端部に位置した第1のガイド部32の側方に設けられている。また、この第1の軸支部44の下端部には、第1の送り螺子43の先端側を回動可能に軸支する第1の軸支口45が切り欠き形成され、ねじ45aで固定された蓋板45bが取り付けられている。さらに、第1の軸支部44は、第1の本体部22の幅方向に沿って第1の挿通部41に対して略直線状に設けられており、第1の挿通口42と第1の軸支口45とが一直線上に位置している。
【0039】
さらに、第1の送り螺子43には、図9に示すように、連結部としての固定部材である第1のナット46が螺合されている。この第1のナット46は、第1の挿通部41と第1の軸支部44との間に位置している。そして、この第1のナット46は、第1の送り螺子43の第2のマウント16側である前側に突出し、第2のマウント16の下端部に固定されている。
【0040】
また、第1の送り螺子43の第1の挿通部41側に突出した基端側には、平歯車である第1の螺子側ギヤ47が挿通されて固定されている。さらに、第1の送り螺子43の側方のプリズム載置部23の下面部には、第1の送り螺子43を回動させる駆動手段としての第1のモータ48が取り付けられている。この第1のモータ48は、第1の送り螺子43の軸方向に対して平行に取り付けられ、回転軸49の先端側に、第1の螺子側ギヤ47に歯合される平歯車である第1のモータ側ギヤ50が挿通されて固定されている。
【0041】
そして、第1のモータ48の駆動により第1のモータ側ギヤ50および第1の螺子側ギヤ47を介して第1の送り螺子43が回動することで、第2のマウント16および第3のマウント17が、第1のマウント15に対して相対的に、光軸と直交する左右方向、すなわち幅方向にシフトする。
【0042】
また、図6に示すように、第1の挿通部41と第1の軸支部44の互いに対向する側の面の上側(第1の外周側面31側)には、第2のマウント16の第1のマウント15に対する移動範囲、すなわちシフト範囲を規制するストッパ部41a,44aがそれぞれ設けられている。
【0043】
ストッパ部41aは、第1の挿通部41に、ストッパ部44aは、第1の軸支部44にそれぞれ一体に、すなわち第1の本体部22に一体に設けられている。一方、後述する第2のマウント16には、連動部16aが一体に設けられ、この連動部16aには、第1のナット46が係合する係合部16cと、ストッパブロック16dとが形成されている。さらに、このストッパブロック16dの両側部には、ストッパ当接部16e,16fが形成されている。
【0044】
そうして、第2のマウント16が、左右方向に移動すると、第2のマウント16の下側に形成されたストッパ当接部16e,16fが第2のマウント16のシフト方向に対応してストッパ部41a、あるいはストッパ部44aに当接し、第2のマウント16のシフト範囲が規制される。
【0045】
一方、プリズム載置部23は、図1、図2および図8などに示すように、第1の本体部22の下端部からこの第1の本体部22に対して直交する方向である後方向に向けて水平に突出して一体に設けられている。このため、第1のマウント15は、側面視で略L字状に形成されている。また、プリズム載置部23は、第1の本体部22の幅寸法と略等しい幅寸法を有している。さらに、プリズム載置部23は、図6に示すように、第1の孔部21の下端部の一部を閉塞している。そして、プリズム載置部23は、図8に示すように、第1のマウント15を筐体2の主筐体11に取り付けた状態で、この主筐体11の取付凹部13の下部を閉塞する。
【0046】
また、プリズム載置部23上には、図7に示すように、LCDパネル4r,4g,4bおよび前記ダイクロイッククロスプリズムがそれぞれ配設されている。このため、LCDパネル4r,4g,4bおよびダイクロイッククロスプリズムは、第1のマウント15を主筐体11に取り付けた状態で主筐体11の取付凹部13内に位置する。ここで、ダイクロイッククロスプリズムは、一側面を第1の孔部21に対向させた状態で配設されている。一方、LCDパネル4r,4g,4bは、ダイクロイッククロスプリズムの3つの他側面にそれぞれ対向して配設されている。そして、ダイクロイッククロスプリズムは、LCDパネル4r,4g,4bを介して所定の映像信号に応じて変調された3色の色光を合成光に合成して投射レンズ鏡筒6に入射させるものである。
【0047】
第2のマウント16は、図1および図2に示すように、例えばアルミニウム合金などの、合成樹脂よりも比較的剛性が大きい金属製の部材にて略四角枠状に一体に形成され、投射レンズ鏡筒6へと照明光を導く第2の孔部51が穿設された、後述する第3の本体部102に対して筐体側基盤部であり、かつ第1の本体部22に対して鏡筒側基盤部である第2の本体部52を有している。
【0048】
第2の孔部51は、第1の孔部21の幅寸法および上下方向寸法よりも大きい幅寸法および上下方向寸法を有する四角形状に形成され、第2のマウント16を第1のマウント15に取り付けた状態で第1の孔部21と連通する。
【0049】
第2の本体部52は、第1のマウント15の第1の本体部22に対して光軸に直交する所定の方向である左右方向にシフト可能であるとともに、第3のマウント17を介して投射レンズ鏡筒6を支持している。また、この第2の本体部52は、上下方向両端部および幅方向両側部に、第2のマウント16の外周となる筐体側外周側面としての鏡筒側外周側面である第2の外周側面53をそれぞれ備えている。これら第2の外周側面53は、光軸に沿った方向に面方向を有する、すなわち光軸に対して平行な平面状に形成されている。このため、第2の外周側面53は、四角枠状に形成されている。
【0050】
なお、連動部16aすなわちストッパ当接部16e,16fは、第2の外周側面53の下側に、第2の本体部52に一体に形成されている。
【0051】
さらに、第2の本体部52は、図6に示すように、第1のマウント15の第1の本体部22と略等しい幅方向の寸法およびこの第1の本体部22の上下方向の寸法よりも大きい上下方向の寸法を有している。そして、第2の本体部52は、第1の本体部22と幅方向および上下方向の中心域を略位置合わせした状態で第1の本体部22の前側面に密着して取り付けられる。したがって、第2の本体部52は、第2のマウント16を第1のマウント15に取り付けた状態で、上端部および下端部が第1の本体部22から上下方向にそれぞれ突出する。
【0052】
さらに、図2に示すように、第2の外周側面53の上端部および下端部の後部には、平面状の第1のガイド取付部54がそれぞれ設けられている。これら第1のガイド取付部54は、第2の本体部52の幅方向に沿って四角形状に設けられ、第2のマウント16を第1のマウント15に取り付けた状態で、それぞれ第1の本体部22の上方および下方に位置している。またさらに、これら第1のガイド取付部54には、複数、例えば3つの第1の螺子孔55が第1の本体部22の幅方向に沿って互いに離間されて設けられている。そして、第1のガイド取付部54のそれぞれには、図1および図2に示すように、被ガイド部としての蟻溝構成手段である第1の被ガイド部56が、固定手段としての複数、例えば3つずつの螺子57にて螺子止めされている。
【0053】
第1の被ガイド部56は、第1のマウント15の第1のガイド部32にそれぞれ摺接して案内、すなわちガイドされるものであり、例えばポリカーボネイト(polycarbonate)などの合成樹脂にて細長四角板状に形成されている。そして、この第1の被ガイド部56は、第2の本体部52の幅方向に沿って取り付けられている。
【0054】
また、第1の被ガイド部56の後部、すなわち第2の本体部52と反対側の側面には、補強用の被ガイド部リブ61が複数突出して一体に設けられている。これら被ガイド部リブ61の間の一部には、螺子57の軸部57aが挿通される取付孔としての第1の螺子挿通孔62がそれぞれ穿設されている。これら第1の螺子挿通孔62は、上下方向に沿って若干長孔状に形成されている。このため、螺子57は、第1の螺子挿通孔62に遊嵌され、すなわち相対的に上下方向に移動可能になっている。またさらに、螺子57は、第1の螺子挿通孔62に挿通されて第1の螺子孔55に螺子止めされることで、第1の被ガイド部56を第1のガイド取付部54に固定する。そして、これら螺子57および第1の螺子挿通孔62により、溝幅調整手段63が構成されている。
【0055】
さらに、図1、図2および図4に示すように、第1の被ガイド部56の第1の本体部22に対向する側面には、後方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第1の傾斜ガイド面64が設けられている。したがって、この第1の傾斜ガイド面64により、図8に示すように、第2のマウント16の後側に側面視で略三角形状の空間部である蟻溝部65が、第2の本体部52の移動方向、すなわちシフト方向である左右方向に沿って形成されている。このため、この蟻溝部65は、第1の螺子挿通孔62の上下方向に沿って第1の被ガイド部56を若干移動させてこの第1の被ガイド部56を螺子57にて螺子止めすることで、幅が変化する。言い換えると、溝幅調整手段63は、螺子57を緩めた状態では、蟻溝部65の幅を変化させる方向に沿って第1の被ガイド部56を移動可能にする。
【0056】
そして、第1の被ガイド部56は、第1の傾斜ガイド面64を第1のガイド部32の第1の傾斜面33に当接させた状態で、第1のガイド部32をそれぞれ第2のマウント16とで挟むように第2のマウント16に螺子止めされている。このため、第1のガイド部32は、蟻溝部65に摺動可能に嵌合している。言い換えると、第1の傾斜ガイド面64に第1の傾斜面33が当接することで、第1のガイド部32は第1の被ガイド部56に摺接する。この結果、螺子57にて第1の被ガイド部56を第1のガイド取付部54に取り付けることで、第2の本体部52が第1の本体部22に取り付けられて光軸と直交する左右方向に沿ってシフト可能に支持される。すなわち、第2のマウント16が、第1のマウント15にガイドされた状態でこの第1のマウント15に対して光軸と直交する左右方向に沿ってシフト可能となる。
【0057】
ここで、第1の傾斜ガイド面64と第1の傾斜面33との間には、第1のガイド部32と第1の被ガイド部56との摺接を円滑にする潤滑剤としての図示しないグリースが塗布されている。
【0058】
なお、溝幅調整手段63は、上下方向の2つの第1の被ガイド部56に対して設けられているが、いずれか一方の第1の被ガイド部56の第1の螺子挿通孔62についてのみ上下方向に若干長孔状に形成し、他方の第1の被ガイド部56の第1の螺子挿通孔62については、螺子57との間にがたつきを生じない大きさとするとともに、この他方の第1の被ガイド部56については、第1のガイド取付部54に取り付けた状態で、第1の傾斜ガイド面64の左右方向が水平となるように、第1の螺子孔55および第1の螺子挿通孔62などを形成する。
【0059】
このように構成することで、第2の本体部52を第1の本体部22に取り付ける際に次の利点がある。
【0060】
すなわち、他方の第1の被ガイド部56(第1の螺子挿通孔62が、螺子57との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側)の第1の傾斜ガイド面64に、第1の本体部22の第1のガイド部32の一方を当接させた状態とし、次いで、一方の第1の被ガイド部56(第1の螺子挿通孔62が、上下方向に若干長孔状に形成されている側)を、上下方向に移動しながら蟻溝部65の幅を調整して第2の本体部52を第1の本体部22に取り付ければ、第2の本体部52を左右方向に対して容易に水平な状態で第1の本体部22に対して取り付けできる。
【0061】
なお、例えば、第1の螺子挿通孔62が、上下方向に若干長孔状に形成されている側の一方の第1の被ガイド部56を下側に、また、第1の螺子挿通孔62が、螺子57との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側の他方の第1の被ガイド部56を上側に配置する。
【0062】
また、図1、図2、図5および図8に示すように、第2の本体部52の幅方向の他側部の下端部、すなわち第2の本体部52の幅方向における支持部35b側の下端部には、軸受としての第2の挿通部71が第2の本体部52の前方に向けて水平に突出して一体に設けられている。この第2の挿通部71には、第2の挿通口72が第2の本体部52の上下方向に沿って形成されている。この第2の挿通口72は、第2の挿通部71の前部を凹弧状に切り欠いて設けられている。さらに、この第2の挿通口72には、図8に示すように、スクリュ螺子である第2の送り螺子73が挿通されている。
【0063】
そして、図1に示すように、第2の本体部52の第2の外周側面53における第2の挿通部71の上方には、軸受としての第2の軸支部74が第2の本体部52の前方に向けて突出して一体に設けられている。この第2の軸支部74は、第2の挿通部71と離間されている。また、この第2の軸支部74の前部には、図1および図5に示すように、第2の送り螺子73の先端側を回動可能に軸支する第2の軸支口75が切り欠き形成されている。またさらに、この第2の軸支部74は、第2の本体部52の上下方向に沿って第2の挿通部71に対して略直線状に設けられており、第2の挿通口72と第2の軸支口75とが一直線上に位置している。
【0064】
さらに、第2の送り螺子73には、図8に示すように、連結部としての固定部材である第2のナット76が螺合されている。この第2のナット76は、第2の挿通部71と第2の軸支部74との間に位置している。そして、この第2のナット76は、第2の送り螺子73の第3のマウント17側に突出し、第3のマウント17の幅方向の他側部に固定されている。また、第2の送り螺子73の第2の挿通部71の下方に突出した基端側には、連結ギヤとしての平歯車である第2の螺子側ギヤ77が挿通されて固定されている。
【0065】
またさらに、第2の本体部52の下端部には、図1、図2および図5などに示すように、四角平面状のモータ取付部81が下方に突出して一体に設けられている。このモータ取付部81は、第2の挿通部71に対して第2の本体部52の幅方向の中心側の位置に設けられている。また、このモータ取付部81には、図8に示すように、第2の送り螺子73を回動させる駆動手段としての第2のモータ82が取付板としてのガード部83を介して取り付けられている。
【0066】
第2のモータ82は、第2の送り螺子73の軸方向に対して平行に取り付けられ、回転軸84の先端側に、第2の螺子側ギヤ77に歯合される平歯車である第2のモータ側ギヤ85が挿通されて固定されている。そして、第2のモータ82の駆動により第2のモータ側ギヤ85および第2の螺子側ギヤ77を介して第2の送り螺子73が回動することで、第3のマウント17が第2のマウント16に対して相対的に、光軸と直交する上下方向にシフトする。ここで、第1のマウント15に対する第2のマウント16の幅方向である左右方向のシフト量は、液晶プロジェクタ1の取り付け精度などを考慮して、投射像の移動量が、図示しないスクリーンの幅寸法に対して、例えば5%程度となるようにし、第2のマウント16に対する第3のマウント17の上下方向のシフト量と比較して小さくなるように設定されている。言い換えると、投射レンズ鏡筒6は、左右方向のシフト量が上下方向のシフト量よりも小さくなっている。
【0067】
また、第2の本体部52の第2の外周側面53の内周側には、図1に示すように、筐体側内周側面としての鏡筒側内周側面である第2の内周側面86が光軸に向かう方向に沿って第2の孔部51に亘って延設されている。この第2の内周側面86は、光軸と直交する方向である直交方向に沿って面方向を有し、第2の孔部51の周囲全体に連続して設けられている。そして、この第2の内周側面86は、第2の本体部52の後側に位置している。したがって、第2の本体部52には、図5に示すように、第2の本体部52の第2の外周側面53の内側に位置し第3のマウント17が嵌合する嵌合空間部87が、第2の内周側面86の前方に形成されている。この嵌合空間部87は、外周を第2の外周側面53で囲まれた四角形状に形成されている。
【0068】
ガード部83は、例えば金属製の板材を折曲して形成され、図8および図9に示すように、モータ取付部81に取り付けられる略四角平板状の本体部88を備えている。この本体部88の上端部には、第2のモータ82が上側に取り付けられる平板状のモータ取付板部88aが、前方向に向けて突出して一体に設けられている。このモータ取付板部88aは、平面視で五角形状に形成され、本体部88の側方に延出している。
【0069】
また、本体部88の下端部は、モータ取付部81よりも下方に突出し、第2の螺子側ギヤ77および第2のモータ側ギヤ85の下部を保護すなわちガードする四角平板状のガード板部88bが、後方向に向けて水平に突出して一体に設けられている。またさらに、ガード板部88bの後端部には、上方に向けて屈曲され、ガード端板部88cが一体に設けられている。このガード端板部88cは、ガード部83をモータ取付部81に取り付けた状態で、このモータ取付部81の下端部に当接してガード部83をモータ取付部81に固定する。そして、本体部88、モータ取付板部88aおよびガード板部88bにより、ガード部83は側面視で略クランク状に屈曲されている。すなわち、ガード部83は、モータプロテクタとなっている。
【0070】
さらに、第2の本体部52の幅方向の両側部の前部には、図1に示すように、平面状の第2のガイド取付部91がそれぞれ設けられている。これら第2のガイド取付部91は、第2の本体部52の上下方向に沿って四角形状に設けられている。またさらに、これら第2のガイド取付部91には、複数、例えば3つずつの第2の螺子孔92が第2の本体部52の上下方向に沿って互いに離間されてそれぞれ設けられている。そして、第2のガイド取付部91には、それぞれガイド部としての蟻溝構成手段である第2のガイド部93が、固定手段としての複数、例えば3つずつの螺子94にてそれぞれ螺子止めされている。
【0071】
第2のガイド部93は、例えばポリカーボネイトなどの合成樹脂にて細長四角板状に形成されている。そして、この第2のガイド部93は、第2の本体部52の上下方向に沿って取り付けられている。
【0072】
また、第2のガイド部93の前部、すなわち第2の本体部52と反対側の側面には、図1および図5に示すように、補強用のガイド部リブ95が複数突出して一体に設けられている。これらガイド部リブ95の間の一部には、図1に示すように、螺子94の軸部94aが挿通される取付孔としての第2の螺子挿通孔96がそれぞれ穿設されている。これら第2の螺子挿通孔96は、第2の本体部52の幅方向に沿って若干長孔状に形成されている。このため、螺子94は、第2の螺子挿通孔96に遊嵌され、すなわち相対的に左右方向に移動可能になっている。またさらに、螺子94は、第2の螺子挿通孔96に挿通されて第2の螺子孔92に螺子止めされることで、第2のガイド部93を第2のガイド取付部91に固定する。そして、これら螺子94および第2の螺子挿通孔96により、溝幅調整手段97が構成されている。
【0073】
さらに、第2のガイド部93の第2の本体部52に対向する側面には、図1および図3に示すように、前方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第2の傾斜面98が設けられている。したがって、この第2の傾斜面98により、図7に示すように、第2のマウント16の前側に平面視で略三角形状の空間部である蟻溝部99が上下方向に沿って形成されている。このため、この蟻溝部99は、第2の螺子挿通孔96の上下方向に沿って第2のガイド部93を若干移動させてこの第2のガイド部93を螺子94にて螺子止めすることで、幅が変化する。言い換えると、溝幅調整手段97は、螺子94を緩めた状態では、蟻溝部99の幅を変化させる方向に沿って第2のガイド部93を移動可能にする。
【0074】
そして、第2の本体部52の後側面には、図2に示すように、第2の本体部52を補強する補強リブ100が多数設けられている。
【0075】
第3のマウント17は、図1および図2に示すように、一般的な金属に比べて比較的軽量な例えばポリカーボネイトなどの合成樹脂で略四角枠状に形成され、投射レンズ鏡筒6へと照明光を導く第3の孔部101が穿設された、鏡筒側基盤部としての第3の本体部102を有している。
【0076】
第3の孔部101は、投射レンズ鏡筒6の外形寸法と略等しい内径寸法を有する円形状に形成され、第3のマウント17を第2のマウント16に取り付けた状態で第1の孔部21および第2の孔部51にそれぞれ連通する。
【0077】
第3の本体部102は、第2のマウント16の第2の本体部52に対して光軸に直交する所定の方向である上下方向にシフト可能であるとともに、投射レンズ鏡筒6を支持している。言い換えると、第2の本体部52は、第3の本体部102による投射レンズ鏡筒6のシフト方向に対して相対的に固定されている。また、第3の本体部102は、第2のマウント16の第2の本体部52の嵌合空間部87の内部、すなわち第2の外周側面53の内周側よりも若干上下方向に小さい四角形状の外形を有し、この嵌合空間部87に嵌合して第2のマウント16に取り付けられる。したがって、第3のマウント17は、第2のマウント16よりも小さく形成され、この第2のマウント16の内側に位置している。
【0078】
さらに、第3の本体部102は、上下方向両端部および幅方向両側部に、第3のマウント17の外周となる鏡筒側外周側面としての第3の外周側面103をそれぞれ備えている。これら第3の外周側面103は、光軸に沿った方向に面方向を有する、すなわち光軸に対して平行な平面状に形成されている。このため、第3の外周側面103は、四角枠状に形成されている。
【0079】
また、第3の本体部102の幅方向両側部に位置した第3の外周側面103には、被ガイド部としての蟻溝嵌合部である第2の被ガイド部104がそれぞれ突出して一体に設けられている。これら第2の被ガイド部104は、第2のマウント16の第2のガイド部93にそれぞれ摺接してガイドされるものであり、第3の本体部102の上下方向に沿って連続して形成されている。
【0080】
さらに、第2の被ガイド部104の前側には、図1ないし図3に示すように、第3の本体部102の前方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第2の傾斜ガイド面105がそれぞれ設けられている。これら第2の傾斜ガイド面105は、第2の被ガイド部104の幅方向全体に亘って設けられている。したがって、第2の被ガイド部104は、平面視で略三角形状に形成されている。
【0081】
そして、第2の被ガイド部104は、第2のガイド部93の第2の傾斜面98に第2の傾斜ガイド面105が当接した状態で、第2のガイド部93と第2のマウント16とで挟まれ、蟻溝部99に摺動可能に嵌合している。言い換えると、第2の傾斜面98に第2の傾斜ガイド面105が当接することで、第2の被ガイド部104は第2のガイド部93に摺接する。この結果、螺子94にて第2のガイド部93を第2のガイド取付部91に取り付けることで、第3の本体部102が第2の本体部52に取り付けられて光軸と直交する上下方向に沿ってシフト可能に支持される。すなわち、第3のマウント17は、第2のマウント16にガイドされた状態でこの第2のマウント16に対して光軸と直交する上下方向に沿ってシフト可能となる。
【0082】
ここで、第2の傾斜ガイド面105と第2の傾斜面98との間には、第2のガイド部93と第2の被ガイド部104との摺接を円滑にする潤滑剤としての図示しないグリースが塗布されている。
【0083】
なお、溝幅調整手段97は、左右方向の2つの第2のガイド部93に対して設けられているが、いずれか一方の第2のガイド部93の第2の螺子挿通孔96についてのみ左右方向に若干長孔状に形成し、他方の第2のガイド部93の第2の螺子挿通孔96については、螺子94との間にがたつきを生じない大きさとするとともに、この他方の第2のガイド部93については、第2のガイド取付部91に取り付けた状態で、第2の傾斜面98の上下方向が鉛直となるように、第2の螺子孔92および第2の螺子挿通孔96などを形成する。
【0084】
このように構成することで、第3の本体部102を第2の本体部52に取り付ける際に次の利点がある。
【0085】
すなわち、他方の第2のガイド部93(第2の螺子挿通孔96が、螺子94との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側)の第2の傾斜面98に、第3の本体部102の第2の被ガイド部104の一方を当接させた状態とし、次いで、一方の第2のガイド部93(第2の螺子挿通孔96が、左右方向に若干長孔状に形成されている側)を、左右方向に移動しながら蟻溝部99の幅を調整して第3の本体部102を第2の本体部52に取り付ければ、第3の本体部102を上下方向に対して容易に鉛直な状態で第2の本体部52に対して取り付けできる。
【0086】
なお、例えば、第2の螺子挿通孔96が、左右方向に若干長孔状に形成されている側の一方の第2のガイド部93を前方に向かって左側に、また、第2の螺子挿通孔96が、螺子94との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側の他方の第2のガイド部93を前方に向かって右側に配置する。
【0087】
また、第3の本体部102の第3の外周側面103の内周側には、図1に示すように、鏡筒側内周側面としての第3の内周側面106が光軸に向かう方向に沿って第3の孔部101に亘って延設されている。この第3の内周側面106は、光軸と直交する方向である直交方向に沿って面方向を有し、第3の孔部101の周囲全体に連続して設けられている。さらに、この第3の内周側面106は、第3の本体部102の後側に位置している。したがって、第3の本体部102には、図5に示すように、第3の本体部102の第3の外周側面103の内側に位置し投射レンズ鏡筒6が嵌合する鏡筒嵌合部107が、第3の内周側面106の前方に形成されている。この鏡筒嵌合部107は、外周を第3の外周側面103で囲まれた四角形状に形成されている。
【0088】
そして、第3の内周側面106の四隅には、図1および図2に示すように、投射レンズ鏡筒6を第3のマウント17に取り付ける際の螺子孔となる鏡筒螺子孔111が穿設されている。すなわち、これら鏡筒螺子孔111は、第3の外周側面103寄りの位置に設けられている。
【0089】
また、第3の内周側面106と第3の外周側面103との間には、図1および図5に示すように、補強用の複数のリブ112が設けられている。これらリブ112は、第3の外周側面103の各辺部に対向してそれぞれ2つ以上、すなわち複数ずつ、互いに略等間隔に離間されて全体に略均等になるように設けられている。さらに、これらリブ112は、第3の本体部102の前側から第3の内周側面106の前面に向けて突出寸法が大きくなるように設けられている。このため、リブ112は、後側の部分が第3の孔部101の周縁部の近傍に位置している。
【0090】
そして、第3の本体部102の後側面には、図2に示すように、第3の本体部102を補強する補強リブ113が多数設けられている。
【0091】
一方、投射レンズ鏡筒6は、図1および図2に示すように、例えばアルミニウム合金などで形成されたカム筒121およびガイド筒122により、二重の円筒状に形成されている。ガイド筒122は、ダイクロイッククロスプリズムにより色合成された光源3からの照明光を、図示しないスクリーン上などに投射する複数のレンズLを内部に保持している。そして、投射レンズ鏡筒6は、これらカム筒121、あるいはガイド筒122を投射レンズ鏡筒6の周方向に回動させてレンズLの位置を光軸に沿って変化させることにより、画像のズーム機能、あるいはピント調整(フォーカス)機能を有する。
【0092】
さらに、ガイド筒122の軸方向の一端側である筐体2側、すなわち第3のマウント17側の端部の近傍の外周面には、鏡筒嵌合部107に嵌合するフランジ面となるフランジ123が突出して一体に設けられている。このフランジ123は、正面視で鏡筒嵌合部107の内形よりも若干小さい外形を有する四角形状に形成され、ガイド筒122の径方向に向けて突出している。
【0093】
また、フランジ123の四隅には、螺子止め用のフランジ螺子孔124がそれぞれ穿設されている。これらフランジ螺子孔124には、投射レンズ鏡筒6の前側から鏡筒固定手段としての鏡筒留め螺子125が挿通され、これら鏡筒留め螺子125が鏡筒螺子孔111に螺子止めされることで、投射レンズ鏡筒6が第3のマウント17に対して固定される。このとき、フランジ123は、第3のマウント17の第3の本体部102の第3の内周側面106の面積の2分の1以上と互いに重なり合うように、第3の内周側面106に固定される。そして、フランジ123の外周は、図5に示すように、投射レンズ鏡筒6を第3のマウント17に取り付けた状態でリブ112の近傍に位置する。
【0094】
次に、上記一実施の形態の液晶プロジェクタの組み立て方法を説明する。
【0095】
まず、第1のマウント15の第1の本体部22の前側面を第2のマウント16の第2の本体部52の後側面に当接させた状態で、第2の本体部52の第1のガイド取付部54に一対の第1の被ガイド部56を螺子57にて取り付け、第1のマウント15の一対の第1のガイド部32を、一対の第1の被ガイド部56により形成される蟻溝部65にそれぞれ嵌合させる。
【0096】
このとき、螺子57を緩めた状態で、第1の被ガイド部56の第1の螺子挿通孔62の上下方向の中心位置を、第1のガイド取付部54の第1の螺子孔55の上下方向の中心位置に対して若干上下方向にずらして蟻溝部65の幅を変化させ、この蟻溝部65の幅が一対の第1のガイド部32の幅に合う位置で螺子57を締め付けて、一対の第1の被ガイド部56を螺子57にて第1のガイド取付部54にそれぞれ螺子止めする。
【0097】
さらに、第3のマウント17の第3の本体部102を第2のマウント16の第2の本体部52の嵌合空間部87に嵌合させ、第3の本体部102の後側面を第2の本体部52の前側面に当接させた状態で、第2の本体部52の第2のガイド取付部91に一対の第2のガイド部93を螺子94にて取り付け、第3のマウント17の一対の第2の被ガイド部104を、一対の第2のガイド部93により形成される蟻溝部99にそれぞれ嵌合させる。
【0098】
このとき、螺子94を緩めた状態で、第2のガイド部93の第2の螺子挿通孔96の左右方向の中心位置を、第2のガイド取付部91の第2の螺子孔92の左右方向の中心位置に対して若干左右方向にずらして蟻溝部99の幅を変化させ、この蟻溝部99の幅が一対の第2の被ガイド部104の幅に合う位置で螺子94を締め付け、一対の第2のガイド部93を螺子94にて第2のガイド取付部91にそれぞれ螺子止めする。
【0099】
そして、各螺子側ギヤ47,77を取り付けるとともに各ナット46,76をそれぞれ螺合させた各送り螺子43,73を、各挿通部41,71および各軸支部44,74にそれぞれ取り付け、かつ各モータ48,82をそれぞれ所定の位置に取り付け、鏡筒支持装置5を完成する。
【0100】
さらに、照明光学系を所定の位置に配設した筐体2の主筐体11の取付凹部13の下部に、第1のマウント15のプリズム載置部23を嵌合させた状態で、鏡筒支持装置5を筐体2に図示しない螺子などで取り付ける。
【0101】
この後、投射レンズ鏡筒6のフランジ123を第3のマウント17の第3の本体部102の鏡筒嵌合部107に嵌合させ、フランジ螺子孔124に鏡筒留め螺子125を挿通させて鏡筒螺子孔111に螺子止めして、投射レンズ鏡筒6を鏡筒支持装置5に固定することで、この鏡筒支持装置5を介して投射レンズ鏡筒6を筐体2に固定し、光学系ユニットUを完成させる。
【0102】
そして、この光学系ユニットUに、LCDパネル4r、4g,4bおよびダイクロイッククロスプリズムを配置した後、これら光学系ユニットU、LCDパネル4r、4g,4bおよびダイクロイッククロスプリズムを外装カバー内に組み込んで液晶プロジェクタ1を完成する。
【0103】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0104】
光源3から照射された照明光は、照明光学系によりR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の色光に分光され、これらR(赤)、G(緑)、B(青)の色光は、それぞれLCDパネル4r,4g,4bに入射して、これらLCDパネル4r,4g,4bにより変調される。
【0105】
さらに、LCDパネル4r,4g,4bにより変調された各色光は、ダイクロイッククロスプリズムにより合成光に色合成され、第1の孔部21、第2の孔部51および第3の孔部101を介して投射レンズ鏡筒6のレンズLに入射する。
【0106】
そして、投射レンズ鏡筒6から、図示しないスクリーンなどに向けて投射像が投射される。
【0107】
ここで、投射像をスクリーンに対して幅方向にシフトさせる際には、第1のモータ48を駆動させることで第1のモータ側ギヤ50が回動し、この第1のモータ側ギヤ50に歯合された第1の螺子側ギヤ47が回動して、第1の送り螺子43が周方向に回動する。
【0108】
そして、この第1の送り螺子43に螺合された第1のナット46により、第2のマウント16が、第1の送り螺子43に対して相対的に第3のマウント17とともにシフトする。
【0109】
このとき、上下一対の第1の被ガイド部56が、第1のマウント15の上下一対の第1のガイド部32に摺接することで、この第1のガイド部32により第1のマウント15の幅方向にガイドされることで、第2のマウント16が、第1のマウント15に対して相対的に、光軸と直交する左右方向に移動、すなわちシフトする。この結果、第3のマウント17に固定された投射レンズ鏡筒6が筐体2に対して光軸と直交する左右方向にシフトすることで、投射像の左右方向の位置が変化する。
【0110】
また、第2のマウント16の左右方向のシフトは、第2のマウント16のストッパ当接部16e,16fが第1のマウント15側のストッパ部41a,44aに当接することなどにより、規制される。
【0111】
一方、投射像をスクリーンに対して上下方向に移動させる際には、第2のモータ82を駆動させることで第2のモータ側ギヤ85が回動し、この第2のモータ側ギヤ85に歯合された第2の螺子側ギヤ77が回動して、第2の送り螺子73が周方向に回動する。
【0112】
そして、この第2の送り螺子73に螺合された第2のナット76により、第3のマウント17が、第2のマウント16に対して相対的に移動する。
【0113】
このとき、左右一対の第2の被ガイド部104が、第2のマウント16の左右一対の第2のガイド部93に摺接し、この第2のガイド部93により第2のマウント16の上下方向にガイドされることで、第3のマウント17が、第2のマウント16に対して相対的に、光軸と直交する上下方向にシフトする。この結果、第3のマウント17に固定された投射レンズ鏡筒6が筐体2に対して光軸と直交する上下方向にシフトすることで、投射像の上下方向の位置が変化する。
【0114】
また、第3のマウント17の上下方向のシフトは、第2のマウント16の第2の外周側面53の上下部に第3の本体部102の第3の外周側面103の上下部が当接することなどにより、規制される。
【0115】
そして、カム筒121およびガイド筒122を回動させることで、レンズLの互いの位置を変化させて投射像のスクリーン上でのピントなどを調整する。
【0116】
上述したように、上記一実施の形態では、鏡筒支持装置5を、投射レンズ鏡筒6の左右方向の移動に対して相対的に固定された第1の本体部22と、投射レンズ鏡筒6の上下方向の移動に対して相対的に固定された第2の本体部52とに、それぞれ各ガイド部32,93を設け、各ガイド部32,93に摺接してガイドされる各被ガイド部56,104を、各本体部22,52に取り付けられた各本体部52,102にそれぞれ設ける構成とした。
【0117】
このため、第1の本体部22に対する第2の本体部52の光軸と直交する左右方向の移動、および、第2の本体部52に対する第3の本体部102の光軸と直交する上下方向の移動を、各ガイド部32,93にて直接ガイドでき、投射レンズ鏡筒6を支持する枠体である各本体部52,102の他にガイドポールなどを別個に設ける必要がないので、部品点数の低減および省スペース化、すなわちコンパクト化が可能となるとともに、ガイドポールの取り付け工程などが不要となるから、製造性を向上できる。
【0118】
さらに、投射レンズ鏡筒6の光軸の方向に沿って各外周側面31,53,103を各本体部22,52,102に設けたため、各本体部22,52,102の光軸方向への剛性を確保できるとともに、各外周側面31,53,103の内周側に、光軸に向かう方向に沿って各内周側面34,86,106を延設することで、各本体部22,52,102の光軸に直交する方向への剛性を確保できる。
【0119】
そして、第3の本体部102を第2の本体部52の内側の嵌合空間部87内に配置し、第3の本体部102は、第3の本体部102の上下の第3の外周側面103が、第2の本体部52の上下の第2の外周側面53に当接することにより、上下方向のシフト範囲を規制される。このため、別個にストッパ部を設ける必要がなく、部品点数の低減およびストッパ部の取り付け作業の削減などが可能になり、製造性をより向上できる。
【0120】
またさらに、第3のマウント17の第3の外周側面103と第3の内周側面106との間の各辺部に、それぞれ2つ以上のリブ112を設けることで、第3の本体部102の剛性をより向上できる。
【0121】
また、上記一実施の形態では、第3の本体部102および投射レンズ鏡筒6を支持する第2の本体部52を光軸と直交する左右方向に移動させ、投射レンズ鏡筒6を支持し第2の本体部52よりも筐体2から遠い第3の本体部102を光軸と直交する上下方向に移動させる構成とした。
【0122】
このため、第2のマウント16を上下方向に移動させ第3のマウント17を左右方向に移動させる場合と比較して、左右方向に移動させるよりも負荷が大きい上下方向に移動させる重量を低減でき、第2のモータ82に加わる負荷をより抑制できる。
【0123】
さらに、上記一実施の形態では、投射レンズ鏡筒6が第3の本体部102の鏡筒嵌合部107内に支持された状態で外側部がリブ112の近傍に位置するフランジ123を投射レンズ鏡筒6に設けるとともに、鏡筒螺子孔111を第3の内周側面106の第3の外周側面103寄りの位置に設け、フランジ123を、第3の内周側面106の面積の2分の1以上と互いに重なり合うように第3の内周側面106の第3の外周側面103寄りの位置に鏡筒留め螺子125にて固定する構成とした。
【0124】
このため、アルミニウム合金製のカム筒121およびガイド筒122などで構成された投射レンズ鏡筒6の比較的大きい重量を、第3の内周側面106の2分の1以上の面積でフランジ123を介して受けるとともに、第3の外周側面103に分散することができる。
【0125】
この結果、第3の内周側面106の撓みを減少させることができ、第3の本体部102を、ポリカーボネイトなどの合成樹脂で形成することが可能になるとともに、第3の本体部102の重量の増加が抑制されることで、第2のモータ82に加わる負荷をより抑制できる。
【0126】
そして、ガード部83を設けることにより、光学系ユニットUを外装カバーに組み込む際、あるいは光学系ユニットUを運搬などする際に、第2の螺子側ギヤ77および第2のモータ側ギヤ85が外装カバー、あるいは他の物などに接触して損傷するおそれを防止できる。
【0127】
またさらに、第2の螺子側ギヤ77および第2のモータ側ギヤ85をガードするガード部83が第2のモータ82を支持する部材を兼ねていることにより、部品点数の増加を抑制し、製造コストを抑制できる。
【0128】
また、上記一実施の形態では、第2の本体部52に、蟻溝部65,99を構成する対をなす第1の被ガイド部56および第2のガイド部93を取り付け、蟻溝部65,99の幅を変化させる方向に沿って第1の被ガイド部56および第2のガイド部93を移動可能にする溝幅調整手段63,97を設け、かつ第1の本体部22および第3の本体部102に、蟻溝部65,99に摺動可能に嵌合する第1のガイド部32および第2の被ガイド部104を設ける構成とした。
【0129】
この結果、第1のガイド部32および第2の被ガイド部104が蟻溝部65,99にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動させることが容易に可能となるため、投射レンズ鏡筒6をがたつきなく円滑に左右方向および上下方向にそれぞれ移動させることができる。
【0130】
しかも、螺子57,94と、各螺子挿通孔62,96とで溝幅調整手段63,97を構成することで、比較的簡単な構成で蟻溝部65,99の幅を変化させることができ、製造コストを抑制できる。
【0131】
さらに、各ガイド部32,93と各被ガイド部56,104との摺接部を蟻溝部65,99とすることで、摺接部を四角形状の溝部などとした場合と比較して摺接面積が小さくなるので、各本体部52,102を各本体部22,52に対して、より円滑に摺接させることができる。
【0132】
そして、製造性を向上した鏡筒支持装置5を備えることで、液晶プロジェクタ1の製造性をも向上でき、製造コストを抑制できるとともに、投射レンズ鏡筒6を上下方向および左右方向に沿ってがたつきなく円滑に移動させることが可能となり、投射像の位置を上下方向および左右方向に移動させてスクリーン上の所望の位置に投射させることができるなど、液晶プロジェクタ1の使い勝手を容易に向上できる。
【0133】
なお、上記一実施の形態において、例えば第3のマウント17を使用せずに、投射レンズ鏡筒6を第2のマウント16の第2の本体部52に取り付け、この第2の本体部52を第1のマウント15の第1の本体部22に対して上下方向、あるいは左右方向に移動可能とすることで、投射レンズ鏡筒6を上下方向、あるいは左右方向のみに移動させる構成とすることも可能である。この場合には、鏡筒支持装置5および液晶プロジェクタ1の構成を、より簡略化でき、製造性をより向上できる。
【0134】
また、第1の被ガイド部56および第2のガイド部93を、それぞれ第2の本体部52に突出して設け、第1のガイド部32および第2の被ガイド部104をそれぞれ第1の本体部22および第3の本体部102に取り付けるようにするなどの構成も可能である。
【0135】
さらに、各送り螺子43,73は、各モータ48,82以外にも、例えば手動などで回動させることも可能である。
【0136】
【発明の効果】
請求項1記載の鏡筒支持装置によれば、鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と鏡筒を支持する鏡筒側基盤部とのいずれか一方に、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段を設け、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段を設け、かつ筐体側基盤部と鏡筒側基盤部とのいずれか他方に、蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部を設けることで、蟻溝嵌合部が蟻溝部にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動させることが容易に可能となるため、鏡筒を容易にがたつきなく円滑に移動させることができる。
【0137】
請求項2記載の鏡筒支持装置によれば、請求項1記載の鏡筒支持装置の効果に加えて、蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って螺子の軸部が移動可能に挿通される螺子孔とで溝幅調整手段を構成することで、比較的簡単な構成で蟻溝部の幅を変化させることができ、製造コストを抑制できる。
【0138】
請求項3記載の投射型表示装置によれば、請求項1または2記載の鏡筒支持装置を備えることで、鏡筒をがたつきなく円滑に移動させることが可能になり、使い勝手を容易に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の鏡筒支持装置を前側から示す分解斜視図である。
【図2】同上鏡筒支持装置を後側から示す分解斜視図である。
【図3】同上鏡筒支持装置の一部を示す分解平面図である。
【図4】同上鏡筒支持装置の一部を示す分解側面図である。
【図5】同上鏡筒支持装置を示す正面図である。
【図6】同上鏡筒支持装置を示す裏面図である。
【図7】同上鏡筒支持装置を備えた投射型表示装置を示す平面図である。
【図8】同上投射型表示装置を示す側面図である。
【図9】同上投射型表示装置を示す下面図である。
【符号の説明】
1 投射型表示装置としての液晶プロジェクタ
2 光学機器本体としての筐体
3 光源
4b,4g,4r 光変調手段としてのLCDパネル
5 鏡筒支持装置
6 鏡筒としての投射レンズ鏡筒
22 筐体側基盤部としての第1の本体部
32 蟻溝嵌合部としての第1のガイド部
52 筐体側基盤部としての鏡筒側基盤部である第2の本体部
56 蟻溝構成手段としての第1の被ガイド部
57,94 螺子
57a,94a 軸部
62 取付孔としての第1の螺子挿通孔
63,97 溝幅調整手段
65,99 蟻溝部
93 蟻溝構成手段としての第2のガイド部
96 取付孔としての第2の螺子挿通孔
102 鏡筒側基盤部としての第3の本体部
104 蟻溝嵌合部としての第2の被ガイド部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器本体に対して鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する鏡筒支持装置およびこれを備えた投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の投射型表示装置としてのプロジェクタ装置には、照明光を照射する光源、この光源から照射された照明光を変調する光変調手段としてのLCDパネル、および、このLCDパネルで変調された照明光をスクリーンなどに投射像として投射する鏡筒としての投射レンズ鏡筒がそれぞれ設けられている。そして、プロジェクタ装置には、このプロジェクタ装置を設置するテーブルなどの固定台の高さ、あるいはスクリーンの高さなどに応じて投射像の上下位置を移動可能に支持する鏡筒支持装置を設けたものがある。
【0003】
この鏡筒支持装置は、投射レンズ鏡筒を支持するマウント部を備えている。このマウント部には、このマウント部の上下方向の移動を案内、すなわちガイドするガイドポールに挿通されたスリーブが設けられている。また、ガイドポールには、マウント部を移動させるリードスクリュがガイドポールと平行に設けられている。このリードスクリュは、モータにより回転駆動されることでマウント部を上下方向に移動させる(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0004】
ここで、スリーブがガイドポールに対してがたを有していると、投射像のピントがずれたり、投射像自身がスリーブとガイドポールのがたつきにより移動し、見難くなったりするおそれがある。
【0005】
しかしながら、スリーブをガイドポールに対してがたつきなく挿通する場合には、スリーブとガイドポールとの摺動の円滑さを欠き、マウント部による投射レンズ鏡筒の上下動が円滑でなくなることで、投射レンズ鏡筒の移動不良を誘起する原因となるおそれがある。
【0006】
一方で、スリーブとガイドポールとの摺動の円滑さを優先すると、スリーブとガイドポールとの間に隙間ができ、がたつきが生じる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−250130号公報(第5−6頁、図5)
【0008】
【特許文献2】
特開2002−206615号公報(第3−4頁、図2および図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のプロジェクタ装置では、スリーブとガイドポールとが互いにがたつくことなく、かつ円滑に摺動するためには、スリーブの内径とガイドポールの外径とを厳格に管理して製造する必要があり、製造コストが増加する。
【0010】
そして、従来のプロジェクタ装置では、マウント部の移動不良を最低限回避するという観点から、スリーブをガイドポールに対して若干緩めに挿通させることで摺動の円滑さを損なわないようにしていたので、投射レンズ鏡筒の上下動の際、あるいはプロジェクタ装置に振動が加わった際などに、スリーブがガイドポールに対してがたつくという問題点を有している。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、鏡筒をがたつきなく円滑に移動可能にする鏡筒支持装置およびこれを備えた投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の鏡筒支持装置は、光学機器本体に対して鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する鏡筒支持装置であって、鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と、鏡筒を支持する鏡筒側基盤部と、前記筐体側基盤部および前記鏡筒側基盤部のいずれか一方に設けられ、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段と、前記蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って前記蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段と、前記筐体側基盤部および前記鏡筒側基盤部のいずれか他方に設けられ、前記蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部とを具備したものである。
【0013】
そして、鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と鏡筒を支持する鏡筒側基盤部とのいずれか一方に、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段を設け、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段を設け、かつ筐体側基盤部と鏡筒側基盤部とのいずれか他方に、蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部を設けることで、蟻溝嵌合部が蟻溝部にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動させることが容易に可能となるため、鏡筒が容易にがたつきなく円滑に移動可能になる。
【0014】
請求項2記載の鏡筒支持装置は、請求項1記載の鏡筒支持装置において、溝幅調整手段は、蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、前記蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って前記螺子の軸部が移動可能に挿通される取付孔とを備えているものである。
【0015】
そして、蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って螺子の軸部が移動可能に挿通される螺子孔とで溝幅調整手段を構成することで、比較的簡単な構成で蟻溝部の幅を変化させることが可能になり、製造コストが抑制される。
【0016】
請求項3記載の投射型表示装置は、照明光を照射する光源と、この光源から照射された照明光を変調する光変調手段と、この光変調手段で変調された照明光を投射する鏡筒と、光学機器本体と、この光学機器本体に対して前記鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する請求項1または2記載の鏡筒支持装置とを具備したものである。
【0017】
そして、請求項1または2記載の鏡筒支持装置を備えることで、鏡筒をがたつきなく円滑に移動させることが可能になり、使い勝手が容易に向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の投射型表示装置の構成を図1ないし図9を参照して説明する。
【0019】
図7ないし図9において、1は投射型表示装置としてのプロジェクタ装置である液晶プロジェクタである。この液晶プロジェクタ1は、光学機器本体としての筐体2およびこの筐体2に光を照射する光源3を備えている。また、この液晶プロジェクタ1は、光変調手段である液晶表示素子としての3枚の透過型のLCDパネル4r,4g,4bを備えている。さらに、筐体2には、レンズ鏡筒移動機構である鏡筒支持装置5を介して鏡筒としての投射レンズ鏡筒6が取り付けられて、これら筐体2、鏡筒支持装置5および投射レンズ鏡筒6にて光学系ユニットUが構成されている。そして、この光学系ユニットUと光源3とは、外装体としての図示しない外装カバーにより外側を覆われている。この外装カバー内には、図示しないファン、制御回路、操作部、表示部、電源装置などが配設されている。
【0020】
筐体2は、例えば合成樹脂などで成形された主筐体11およびこの主筐体11の上部開口を閉塞する図示しない蓋体を備えている。
【0021】
主筐体11内には、図7に示すように、光源3から照射された光の照度のむらを低減する2枚のレンズアレイLA1,LA2、光源3から照射された光の偏向方向を揃える偏向ビームスプリッタ(Polarized Beam Splitter:PBS)S、重畳レンズであるコンデンサレンズCL1,CL2、ダイクロイック反射ミラーDM1,DM2、全反射ミラーである反射ミラーM1〜M4、リレーレンズRL1〜RL3、紫外線カットフィルタF1、紫外線吸収フィルタF2、赤色透過フィルタF3、および、フィールドレンズFL1,FL2などの照明光学系がそれぞれ配設されている。
【0022】
ここで、光源3から照射された光は、レンズアレイLA1,LA2およびコンデンサレンズCL1を順次通過して反射ミラーM1にて側方に反射されてコンデンサレンズCL2を通過した後、ダイクロイック反射ミラーDM1,DM2によりR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光にそれぞれ色分離される。
【0023】
そして、R(赤)の色光は、赤光を透過させるダイクロイック反射ミラーDM1を透過し、赤色透過フィルタF3、反射ミラーM2およびフィールドレンズFL1を経由して赤色用のLCDパネル4rに入射する。
【0024】
また、G(緑)の色光は、ダイクロイック反射ミラーDM1にて反射され、かつ緑光を反射する第2のダイクロイック反射ミラーDM2で反射され、フィールドレンズFL2を経由して、緑色用のLCDパネル4gに入射する。
【0025】
さらに、B(青)の色光は、ダイクロイック反射ミラーDM1にて反射され、かつダイクロイック反射ミラーDM2を透過し、リレーレンズRL1、反射ミラーM3、紫外線カットフィルタF1、リレーレンズRL2、紫外線吸収フィルタF2、反射ミラーM4およびリレーレンズRL3を順次経由して、青色用のLCDパネル4bに入射する。
【0026】
そして、主筐体11の側方には、四角形状の取付凹部13が凹状に設けられている。この取付凹部13内には、鏡筒支持装置5に取り付けられたLCDパネル4r,4g,4bおよび図示しない直方体状のダイクロイッククロスプリズムが位置する。
【0027】
また、光源3は、図示しないハロゲンランプなどの白熱電球あるいはメタルハライドランプなどの放電ランプを備えている。この放電ランプの周囲には、この放電ランプから照射された光を反射する放物面状の鏡面を備えたリフレクタ14が配設されている。この結果、光源3からは、放電ランプから照射された光がリフレクタ14で反射されてレンズアレイLA1に入射する。
【0028】
LCDパネル4r,4g,4bは、光源3から照射されてこれらLCDパネル4r,4g,4bに入射した照明光を、図示しない映像信号処理回路などにて処理された映像信号に応じて変調させるものである。
【0029】
なお、以下、光源3からスクリーンに向かう照明光の光軸に対し、スクリーン側を前側、光源3側を後側とし、光源3側から見て、この光軸に交差すなわち直交する第1の方向を上下方向、および、光軸と上下方向とに直交する第2の方向を幅方向、すなわち左右方向として説明する。
【0030】
鏡筒支持装置5は、上下方向と左右方向のそれぞれの方向に沿って筐体2に対して投射レンズ鏡筒6を移動可能に支持するものである。この鏡筒支持装置5は、図1および図2に示すように、筐体2の主筐体11に取り付けられる第1のマウント15、この第1のマウント15に取り付けられる第2のマウント16、および、この第2のマウント16に取り付けられる第3のマウント17を備えている。また、第2のマウント16および第3のマウント17により、光軸と直交する上下方向および幅方向である左右方向に沿って筐体2に対して投射レンズ鏡筒6を移動、すなわちシフト可能に支持する移動支持機構18が構成されている。
【0031】
第1のマウント15は、例えばマグネシウム合金などの、合成樹脂よりも比較的大きい剛性を有する金属製の部材で形成されている。また、この第1のマウント15は、投射レンズ鏡筒6へと照明光を導く第1の孔部21が穿設された筐体側基盤部としての固定マウントである略四角枠状の第1の本体部22と、この第1の本体部22の下端部からこの第1の本体部22に対して略直交する方向に突出して一体に設けられたプリズム載置部23とを有している。
【0032】
第1の孔部21は、投射レンズ鏡筒6の内径寸法より大きい径寸法を有し、短軸よりも若干大きい長軸を上下方向に沿って有する略楕円形状に形成されている。すなわち、第1の孔部21は、第1の本体部22の上下方向に沿って若干長孔状に形成されている。
【0033】
第1の本体部22は、上下方向両端部および幅方向両側部に、第1のマウント15の外周となる筐体側外周側面としての第1の外周側面31をそれぞれ備えている。これら第1の外周側面31は、光軸に沿った方向に面方向を有する、すなわち光軸に対して平行な平面状に形成されている。したがって、第1の外周側面31は、四角枠状に形成されている。
【0034】
また、第1の本体部22の上端部および下端部に位置した第1の外周側面31には、ガイド部としての蟻溝嵌合部である第1のガイド部32がそれぞれ突出して一体に設けられている。これら第1のガイド部32は、第1の本体部22の幅方向に沿って連続して形成されている。そして、第1のガイド部32の後側には、第1の本体部22の後方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第1の傾斜面33がそれぞれ設けられている。これら第1の傾斜面33は、第1のガイド部32の幅方向全体に亘って設けられている。したがって、第1のガイド部32は、図4に示すように、側面視で略三角形状に形成されている。
【0035】
さらに、第1の本体部22の第1の外周側面31の内周側には、図1に示すように、筐体側内周側面としての第1の内周側面34が光軸に向かう方向に沿って第1の孔部21に亘って延設されている。この第1の内周側面34は、光軸と交差する方向である直交方向に沿って面方向を有し、第1の孔部21の周囲全体に連続して設けられている。
【0036】
そして、第1の本体部22の第1の外周側面31における第1のガイド部32が設けられた一対の辺部と異なる辺部である幅方向の一側部には、第1の本体部22の前方に向けて直線状に延出し、外装カバーに対して第1の本体部22を支持する支持部35aが第1の本体部22に一体に形成されて設けられている。この支持部35aは、第1の本体部22の前方に鋭角状の先端部が位置した側面視略三角形状に設けられている。また、この第1の本体部22の左右方向の他端側には、同じく第1の本体部22を外装カバーに対して支持する支持部35bが第1の本体部22に一体に形成されている。
【0037】
さらに、第1の本体部22の第1の外周側面31の下部における支持部35aの下方には、軸受としての第1の挿通部41が下方に向けて突出して一体に設けられている。この第1の挿通部41には、第1の挿通口42が第1の本体部22の幅方向に沿って形成されている。この第1の挿通口42は、第1の挿通部41の下端部を凹弧状に切り欠いて設けられている。またさらに、この第1の挿通口42には、図8および図9に示すように、スクリュ螺子である第1の送り螺子43が挿通され、ねじ42aで固定された蓋板42bで下側が支持されている。
【0038】
そして、図1に示すように、第1の本体部22の第1の外周側面31の下部には、軸受としての第1の軸支部44が下方に向けて突出して一体に設けられている。この第1の軸支部44は、第1の本体部22の幅方向に沿って第1の挿通部41と離間され、第1の本体部22の下端部に位置した第1のガイド部32の側方に設けられている。また、この第1の軸支部44の下端部には、第1の送り螺子43の先端側を回動可能に軸支する第1の軸支口45が切り欠き形成され、ねじ45aで固定された蓋板45bが取り付けられている。さらに、第1の軸支部44は、第1の本体部22の幅方向に沿って第1の挿通部41に対して略直線状に設けられており、第1の挿通口42と第1の軸支口45とが一直線上に位置している。
【0039】
さらに、第1の送り螺子43には、図9に示すように、連結部としての固定部材である第1のナット46が螺合されている。この第1のナット46は、第1の挿通部41と第1の軸支部44との間に位置している。そして、この第1のナット46は、第1の送り螺子43の第2のマウント16側である前側に突出し、第2のマウント16の下端部に固定されている。
【0040】
また、第1の送り螺子43の第1の挿通部41側に突出した基端側には、平歯車である第1の螺子側ギヤ47が挿通されて固定されている。さらに、第1の送り螺子43の側方のプリズム載置部23の下面部には、第1の送り螺子43を回動させる駆動手段としての第1のモータ48が取り付けられている。この第1のモータ48は、第1の送り螺子43の軸方向に対して平行に取り付けられ、回転軸49の先端側に、第1の螺子側ギヤ47に歯合される平歯車である第1のモータ側ギヤ50が挿通されて固定されている。
【0041】
そして、第1のモータ48の駆動により第1のモータ側ギヤ50および第1の螺子側ギヤ47を介して第1の送り螺子43が回動することで、第2のマウント16および第3のマウント17が、第1のマウント15に対して相対的に、光軸と直交する左右方向、すなわち幅方向にシフトする。
【0042】
また、図6に示すように、第1の挿通部41と第1の軸支部44の互いに対向する側の面の上側(第1の外周側面31側)には、第2のマウント16の第1のマウント15に対する移動範囲、すなわちシフト範囲を規制するストッパ部41a,44aがそれぞれ設けられている。
【0043】
ストッパ部41aは、第1の挿通部41に、ストッパ部44aは、第1の軸支部44にそれぞれ一体に、すなわち第1の本体部22に一体に設けられている。一方、後述する第2のマウント16には、連動部16aが一体に設けられ、この連動部16aには、第1のナット46が係合する係合部16cと、ストッパブロック16dとが形成されている。さらに、このストッパブロック16dの両側部には、ストッパ当接部16e,16fが形成されている。
【0044】
そうして、第2のマウント16が、左右方向に移動すると、第2のマウント16の下側に形成されたストッパ当接部16e,16fが第2のマウント16のシフト方向に対応してストッパ部41a、あるいはストッパ部44aに当接し、第2のマウント16のシフト範囲が規制される。
【0045】
一方、プリズム載置部23は、図1、図2および図8などに示すように、第1の本体部22の下端部からこの第1の本体部22に対して直交する方向である後方向に向けて水平に突出して一体に設けられている。このため、第1のマウント15は、側面視で略L字状に形成されている。また、プリズム載置部23は、第1の本体部22の幅寸法と略等しい幅寸法を有している。さらに、プリズム載置部23は、図6に示すように、第1の孔部21の下端部の一部を閉塞している。そして、プリズム載置部23は、図8に示すように、第1のマウント15を筐体2の主筐体11に取り付けた状態で、この主筐体11の取付凹部13の下部を閉塞する。
【0046】
また、プリズム載置部23上には、図7に示すように、LCDパネル4r,4g,4bおよび前記ダイクロイッククロスプリズムがそれぞれ配設されている。このため、LCDパネル4r,4g,4bおよびダイクロイッククロスプリズムは、第1のマウント15を主筐体11に取り付けた状態で主筐体11の取付凹部13内に位置する。ここで、ダイクロイッククロスプリズムは、一側面を第1の孔部21に対向させた状態で配設されている。一方、LCDパネル4r,4g,4bは、ダイクロイッククロスプリズムの3つの他側面にそれぞれ対向して配設されている。そして、ダイクロイッククロスプリズムは、LCDパネル4r,4g,4bを介して所定の映像信号に応じて変調された3色の色光を合成光に合成して投射レンズ鏡筒6に入射させるものである。
【0047】
第2のマウント16は、図1および図2に示すように、例えばアルミニウム合金などの、合成樹脂よりも比較的剛性が大きい金属製の部材にて略四角枠状に一体に形成され、投射レンズ鏡筒6へと照明光を導く第2の孔部51が穿設された、後述する第3の本体部102に対して筐体側基盤部であり、かつ第1の本体部22に対して鏡筒側基盤部である第2の本体部52を有している。
【0048】
第2の孔部51は、第1の孔部21の幅寸法および上下方向寸法よりも大きい幅寸法および上下方向寸法を有する四角形状に形成され、第2のマウント16を第1のマウント15に取り付けた状態で第1の孔部21と連通する。
【0049】
第2の本体部52は、第1のマウント15の第1の本体部22に対して光軸に直交する所定の方向である左右方向にシフト可能であるとともに、第3のマウント17を介して投射レンズ鏡筒6を支持している。また、この第2の本体部52は、上下方向両端部および幅方向両側部に、第2のマウント16の外周となる筐体側外周側面としての鏡筒側外周側面である第2の外周側面53をそれぞれ備えている。これら第2の外周側面53は、光軸に沿った方向に面方向を有する、すなわち光軸に対して平行な平面状に形成されている。このため、第2の外周側面53は、四角枠状に形成されている。
【0050】
なお、連動部16aすなわちストッパ当接部16e,16fは、第2の外周側面53の下側に、第2の本体部52に一体に形成されている。
【0051】
さらに、第2の本体部52は、図6に示すように、第1のマウント15の第1の本体部22と略等しい幅方向の寸法およびこの第1の本体部22の上下方向の寸法よりも大きい上下方向の寸法を有している。そして、第2の本体部52は、第1の本体部22と幅方向および上下方向の中心域を略位置合わせした状態で第1の本体部22の前側面に密着して取り付けられる。したがって、第2の本体部52は、第2のマウント16を第1のマウント15に取り付けた状態で、上端部および下端部が第1の本体部22から上下方向にそれぞれ突出する。
【0052】
さらに、図2に示すように、第2の外周側面53の上端部および下端部の後部には、平面状の第1のガイド取付部54がそれぞれ設けられている。これら第1のガイド取付部54は、第2の本体部52の幅方向に沿って四角形状に設けられ、第2のマウント16を第1のマウント15に取り付けた状態で、それぞれ第1の本体部22の上方および下方に位置している。またさらに、これら第1のガイド取付部54には、複数、例えば3つの第1の螺子孔55が第1の本体部22の幅方向に沿って互いに離間されて設けられている。そして、第1のガイド取付部54のそれぞれには、図1および図2に示すように、被ガイド部としての蟻溝構成手段である第1の被ガイド部56が、固定手段としての複数、例えば3つずつの螺子57にて螺子止めされている。
【0053】
第1の被ガイド部56は、第1のマウント15の第1のガイド部32にそれぞれ摺接して案内、すなわちガイドされるものであり、例えばポリカーボネイト(polycarbonate)などの合成樹脂にて細長四角板状に形成されている。そして、この第1の被ガイド部56は、第2の本体部52の幅方向に沿って取り付けられている。
【0054】
また、第1の被ガイド部56の後部、すなわち第2の本体部52と反対側の側面には、補強用の被ガイド部リブ61が複数突出して一体に設けられている。これら被ガイド部リブ61の間の一部には、螺子57の軸部57aが挿通される取付孔としての第1の螺子挿通孔62がそれぞれ穿設されている。これら第1の螺子挿通孔62は、上下方向に沿って若干長孔状に形成されている。このため、螺子57は、第1の螺子挿通孔62に遊嵌され、すなわち相対的に上下方向に移動可能になっている。またさらに、螺子57は、第1の螺子挿通孔62に挿通されて第1の螺子孔55に螺子止めされることで、第1の被ガイド部56を第1のガイド取付部54に固定する。そして、これら螺子57および第1の螺子挿通孔62により、溝幅調整手段63が構成されている。
【0055】
さらに、図1、図2および図4に示すように、第1の被ガイド部56の第1の本体部22に対向する側面には、後方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第1の傾斜ガイド面64が設けられている。したがって、この第1の傾斜ガイド面64により、図8に示すように、第2のマウント16の後側に側面視で略三角形状の空間部である蟻溝部65が、第2の本体部52の移動方向、すなわちシフト方向である左右方向に沿って形成されている。このため、この蟻溝部65は、第1の螺子挿通孔62の上下方向に沿って第1の被ガイド部56を若干移動させてこの第1の被ガイド部56を螺子57にて螺子止めすることで、幅が変化する。言い換えると、溝幅調整手段63は、螺子57を緩めた状態では、蟻溝部65の幅を変化させる方向に沿って第1の被ガイド部56を移動可能にする。
【0056】
そして、第1の被ガイド部56は、第1の傾斜ガイド面64を第1のガイド部32の第1の傾斜面33に当接させた状態で、第1のガイド部32をそれぞれ第2のマウント16とで挟むように第2のマウント16に螺子止めされている。このため、第1のガイド部32は、蟻溝部65に摺動可能に嵌合している。言い換えると、第1の傾斜ガイド面64に第1の傾斜面33が当接することで、第1のガイド部32は第1の被ガイド部56に摺接する。この結果、螺子57にて第1の被ガイド部56を第1のガイド取付部54に取り付けることで、第2の本体部52が第1の本体部22に取り付けられて光軸と直交する左右方向に沿ってシフト可能に支持される。すなわち、第2のマウント16が、第1のマウント15にガイドされた状態でこの第1のマウント15に対して光軸と直交する左右方向に沿ってシフト可能となる。
【0057】
ここで、第1の傾斜ガイド面64と第1の傾斜面33との間には、第1のガイド部32と第1の被ガイド部56との摺接を円滑にする潤滑剤としての図示しないグリースが塗布されている。
【0058】
なお、溝幅調整手段63は、上下方向の2つの第1の被ガイド部56に対して設けられているが、いずれか一方の第1の被ガイド部56の第1の螺子挿通孔62についてのみ上下方向に若干長孔状に形成し、他方の第1の被ガイド部56の第1の螺子挿通孔62については、螺子57との間にがたつきを生じない大きさとするとともに、この他方の第1の被ガイド部56については、第1のガイド取付部54に取り付けた状態で、第1の傾斜ガイド面64の左右方向が水平となるように、第1の螺子孔55および第1の螺子挿通孔62などを形成する。
【0059】
このように構成することで、第2の本体部52を第1の本体部22に取り付ける際に次の利点がある。
【0060】
すなわち、他方の第1の被ガイド部56(第1の螺子挿通孔62が、螺子57との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側)の第1の傾斜ガイド面64に、第1の本体部22の第1のガイド部32の一方を当接させた状態とし、次いで、一方の第1の被ガイド部56(第1の螺子挿通孔62が、上下方向に若干長孔状に形成されている側)を、上下方向に移動しながら蟻溝部65の幅を調整して第2の本体部52を第1の本体部22に取り付ければ、第2の本体部52を左右方向に対して容易に水平な状態で第1の本体部22に対して取り付けできる。
【0061】
なお、例えば、第1の螺子挿通孔62が、上下方向に若干長孔状に形成されている側の一方の第1の被ガイド部56を下側に、また、第1の螺子挿通孔62が、螺子57との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側の他方の第1の被ガイド部56を上側に配置する。
【0062】
また、図1、図2、図5および図8に示すように、第2の本体部52の幅方向の他側部の下端部、すなわち第2の本体部52の幅方向における支持部35b側の下端部には、軸受としての第2の挿通部71が第2の本体部52の前方に向けて水平に突出して一体に設けられている。この第2の挿通部71には、第2の挿通口72が第2の本体部52の上下方向に沿って形成されている。この第2の挿通口72は、第2の挿通部71の前部を凹弧状に切り欠いて設けられている。さらに、この第2の挿通口72には、図8に示すように、スクリュ螺子である第2の送り螺子73が挿通されている。
【0063】
そして、図1に示すように、第2の本体部52の第2の外周側面53における第2の挿通部71の上方には、軸受としての第2の軸支部74が第2の本体部52の前方に向けて突出して一体に設けられている。この第2の軸支部74は、第2の挿通部71と離間されている。また、この第2の軸支部74の前部には、図1および図5に示すように、第2の送り螺子73の先端側を回動可能に軸支する第2の軸支口75が切り欠き形成されている。またさらに、この第2の軸支部74は、第2の本体部52の上下方向に沿って第2の挿通部71に対して略直線状に設けられており、第2の挿通口72と第2の軸支口75とが一直線上に位置している。
【0064】
さらに、第2の送り螺子73には、図8に示すように、連結部としての固定部材である第2のナット76が螺合されている。この第2のナット76は、第2の挿通部71と第2の軸支部74との間に位置している。そして、この第2のナット76は、第2の送り螺子73の第3のマウント17側に突出し、第3のマウント17の幅方向の他側部に固定されている。また、第2の送り螺子73の第2の挿通部71の下方に突出した基端側には、連結ギヤとしての平歯車である第2の螺子側ギヤ77が挿通されて固定されている。
【0065】
またさらに、第2の本体部52の下端部には、図1、図2および図5などに示すように、四角平面状のモータ取付部81が下方に突出して一体に設けられている。このモータ取付部81は、第2の挿通部71に対して第2の本体部52の幅方向の中心側の位置に設けられている。また、このモータ取付部81には、図8に示すように、第2の送り螺子73を回動させる駆動手段としての第2のモータ82が取付板としてのガード部83を介して取り付けられている。
【0066】
第2のモータ82は、第2の送り螺子73の軸方向に対して平行に取り付けられ、回転軸84の先端側に、第2の螺子側ギヤ77に歯合される平歯車である第2のモータ側ギヤ85が挿通されて固定されている。そして、第2のモータ82の駆動により第2のモータ側ギヤ85および第2の螺子側ギヤ77を介して第2の送り螺子73が回動することで、第3のマウント17が第2のマウント16に対して相対的に、光軸と直交する上下方向にシフトする。ここで、第1のマウント15に対する第2のマウント16の幅方向である左右方向のシフト量は、液晶プロジェクタ1の取り付け精度などを考慮して、投射像の移動量が、図示しないスクリーンの幅寸法に対して、例えば5%程度となるようにし、第2のマウント16に対する第3のマウント17の上下方向のシフト量と比較して小さくなるように設定されている。言い換えると、投射レンズ鏡筒6は、左右方向のシフト量が上下方向のシフト量よりも小さくなっている。
【0067】
また、第2の本体部52の第2の外周側面53の内周側には、図1に示すように、筐体側内周側面としての鏡筒側内周側面である第2の内周側面86が光軸に向かう方向に沿って第2の孔部51に亘って延設されている。この第2の内周側面86は、光軸と直交する方向である直交方向に沿って面方向を有し、第2の孔部51の周囲全体に連続して設けられている。そして、この第2の内周側面86は、第2の本体部52の後側に位置している。したがって、第2の本体部52には、図5に示すように、第2の本体部52の第2の外周側面53の内側に位置し第3のマウント17が嵌合する嵌合空間部87が、第2の内周側面86の前方に形成されている。この嵌合空間部87は、外周を第2の外周側面53で囲まれた四角形状に形成されている。
【0068】
ガード部83は、例えば金属製の板材を折曲して形成され、図8および図9に示すように、モータ取付部81に取り付けられる略四角平板状の本体部88を備えている。この本体部88の上端部には、第2のモータ82が上側に取り付けられる平板状のモータ取付板部88aが、前方向に向けて突出して一体に設けられている。このモータ取付板部88aは、平面視で五角形状に形成され、本体部88の側方に延出している。
【0069】
また、本体部88の下端部は、モータ取付部81よりも下方に突出し、第2の螺子側ギヤ77および第2のモータ側ギヤ85の下部を保護すなわちガードする四角平板状のガード板部88bが、後方向に向けて水平に突出して一体に設けられている。またさらに、ガード板部88bの後端部には、上方に向けて屈曲され、ガード端板部88cが一体に設けられている。このガード端板部88cは、ガード部83をモータ取付部81に取り付けた状態で、このモータ取付部81の下端部に当接してガード部83をモータ取付部81に固定する。そして、本体部88、モータ取付板部88aおよびガード板部88bにより、ガード部83は側面視で略クランク状に屈曲されている。すなわち、ガード部83は、モータプロテクタとなっている。
【0070】
さらに、第2の本体部52の幅方向の両側部の前部には、図1に示すように、平面状の第2のガイド取付部91がそれぞれ設けられている。これら第2のガイド取付部91は、第2の本体部52の上下方向に沿って四角形状に設けられている。またさらに、これら第2のガイド取付部91には、複数、例えば3つずつの第2の螺子孔92が第2の本体部52の上下方向に沿って互いに離間されてそれぞれ設けられている。そして、第2のガイド取付部91には、それぞれガイド部としての蟻溝構成手段である第2のガイド部93が、固定手段としての複数、例えば3つずつの螺子94にてそれぞれ螺子止めされている。
【0071】
第2のガイド部93は、例えばポリカーボネイトなどの合成樹脂にて細長四角板状に形成されている。そして、この第2のガイド部93は、第2の本体部52の上下方向に沿って取り付けられている。
【0072】
また、第2のガイド部93の前部、すなわち第2の本体部52と反対側の側面には、図1および図5に示すように、補強用のガイド部リブ95が複数突出して一体に設けられている。これらガイド部リブ95の間の一部には、図1に示すように、螺子94の軸部94aが挿通される取付孔としての第2の螺子挿通孔96がそれぞれ穿設されている。これら第2の螺子挿通孔96は、第2の本体部52の幅方向に沿って若干長孔状に形成されている。このため、螺子94は、第2の螺子挿通孔96に遊嵌され、すなわち相対的に左右方向に移動可能になっている。またさらに、螺子94は、第2の螺子挿通孔96に挿通されて第2の螺子孔92に螺子止めされることで、第2のガイド部93を第2のガイド取付部91に固定する。そして、これら螺子94および第2の螺子挿通孔96により、溝幅調整手段97が構成されている。
【0073】
さらに、第2のガイド部93の第2の本体部52に対向する側面には、図1および図3に示すように、前方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第2の傾斜面98が設けられている。したがって、この第2の傾斜面98により、図7に示すように、第2のマウント16の前側に平面視で略三角形状の空間部である蟻溝部99が上下方向に沿って形成されている。このため、この蟻溝部99は、第2の螺子挿通孔96の上下方向に沿って第2のガイド部93を若干移動させてこの第2のガイド部93を螺子94にて螺子止めすることで、幅が変化する。言い換えると、溝幅調整手段97は、螺子94を緩めた状態では、蟻溝部99の幅を変化させる方向に沿って第2のガイド部93を移動可能にする。
【0074】
そして、第2の本体部52の後側面には、図2に示すように、第2の本体部52を補強する補強リブ100が多数設けられている。
【0075】
第3のマウント17は、図1および図2に示すように、一般的な金属に比べて比較的軽量な例えばポリカーボネイトなどの合成樹脂で略四角枠状に形成され、投射レンズ鏡筒6へと照明光を導く第3の孔部101が穿設された、鏡筒側基盤部としての第3の本体部102を有している。
【0076】
第3の孔部101は、投射レンズ鏡筒6の外形寸法と略等しい内径寸法を有する円形状に形成され、第3のマウント17を第2のマウント16に取り付けた状態で第1の孔部21および第2の孔部51にそれぞれ連通する。
【0077】
第3の本体部102は、第2のマウント16の第2の本体部52に対して光軸に直交する所定の方向である上下方向にシフト可能であるとともに、投射レンズ鏡筒6を支持している。言い換えると、第2の本体部52は、第3の本体部102による投射レンズ鏡筒6のシフト方向に対して相対的に固定されている。また、第3の本体部102は、第2のマウント16の第2の本体部52の嵌合空間部87の内部、すなわち第2の外周側面53の内周側よりも若干上下方向に小さい四角形状の外形を有し、この嵌合空間部87に嵌合して第2のマウント16に取り付けられる。したがって、第3のマウント17は、第2のマウント16よりも小さく形成され、この第2のマウント16の内側に位置している。
【0078】
さらに、第3の本体部102は、上下方向両端部および幅方向両側部に、第3のマウント17の外周となる鏡筒側外周側面としての第3の外周側面103をそれぞれ備えている。これら第3の外周側面103は、光軸に沿った方向に面方向を有する、すなわち光軸に対して平行な平面状に形成されている。このため、第3の外周側面103は、四角枠状に形成されている。
【0079】
また、第3の本体部102の幅方向両側部に位置した第3の外周側面103には、被ガイド部としての蟻溝嵌合部である第2の被ガイド部104がそれぞれ突出して一体に設けられている。これら第2の被ガイド部104は、第2のマウント16の第2のガイド部93にそれぞれ摺接してガイドされるものであり、第3の本体部102の上下方向に沿って連続して形成されている。
【0080】
さらに、第2の被ガイド部104の前側には、図1ないし図3に示すように、第3の本体部102の前方向に向けて光軸に向かう方向に沿って傾斜した第2の傾斜ガイド面105がそれぞれ設けられている。これら第2の傾斜ガイド面105は、第2の被ガイド部104の幅方向全体に亘って設けられている。したがって、第2の被ガイド部104は、平面視で略三角形状に形成されている。
【0081】
そして、第2の被ガイド部104は、第2のガイド部93の第2の傾斜面98に第2の傾斜ガイド面105が当接した状態で、第2のガイド部93と第2のマウント16とで挟まれ、蟻溝部99に摺動可能に嵌合している。言い換えると、第2の傾斜面98に第2の傾斜ガイド面105が当接することで、第2の被ガイド部104は第2のガイド部93に摺接する。この結果、螺子94にて第2のガイド部93を第2のガイド取付部91に取り付けることで、第3の本体部102が第2の本体部52に取り付けられて光軸と直交する上下方向に沿ってシフト可能に支持される。すなわち、第3のマウント17は、第2のマウント16にガイドされた状態でこの第2のマウント16に対して光軸と直交する上下方向に沿ってシフト可能となる。
【0082】
ここで、第2の傾斜ガイド面105と第2の傾斜面98との間には、第2のガイド部93と第2の被ガイド部104との摺接を円滑にする潤滑剤としての図示しないグリースが塗布されている。
【0083】
なお、溝幅調整手段97は、左右方向の2つの第2のガイド部93に対して設けられているが、いずれか一方の第2のガイド部93の第2の螺子挿通孔96についてのみ左右方向に若干長孔状に形成し、他方の第2のガイド部93の第2の螺子挿通孔96については、螺子94との間にがたつきを生じない大きさとするとともに、この他方の第2のガイド部93については、第2のガイド取付部91に取り付けた状態で、第2の傾斜面98の上下方向が鉛直となるように、第2の螺子孔92および第2の螺子挿通孔96などを形成する。
【0084】
このように構成することで、第3の本体部102を第2の本体部52に取り付ける際に次の利点がある。
【0085】
すなわち、他方の第2のガイド部93(第2の螺子挿通孔96が、螺子94との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側)の第2の傾斜面98に、第3の本体部102の第2の被ガイド部104の一方を当接させた状態とし、次いで、一方の第2のガイド部93(第2の螺子挿通孔96が、左右方向に若干長孔状に形成されている側)を、左右方向に移動しながら蟻溝部99の幅を調整して第3の本体部102を第2の本体部52に取り付ければ、第3の本体部102を上下方向に対して容易に鉛直な状態で第2の本体部52に対して取り付けできる。
【0086】
なお、例えば、第2の螺子挿通孔96が、左右方向に若干長孔状に形成されている側の一方の第2のガイド部93を前方に向かって左側に、また、第2の螺子挿通孔96が、螺子94との間にがたつきを生じない大きさに形成されている側の他方の第2のガイド部93を前方に向かって右側に配置する。
【0087】
また、第3の本体部102の第3の外周側面103の内周側には、図1に示すように、鏡筒側内周側面としての第3の内周側面106が光軸に向かう方向に沿って第3の孔部101に亘って延設されている。この第3の内周側面106は、光軸と直交する方向である直交方向に沿って面方向を有し、第3の孔部101の周囲全体に連続して設けられている。さらに、この第3の内周側面106は、第3の本体部102の後側に位置している。したがって、第3の本体部102には、図5に示すように、第3の本体部102の第3の外周側面103の内側に位置し投射レンズ鏡筒6が嵌合する鏡筒嵌合部107が、第3の内周側面106の前方に形成されている。この鏡筒嵌合部107は、外周を第3の外周側面103で囲まれた四角形状に形成されている。
【0088】
そして、第3の内周側面106の四隅には、図1および図2に示すように、投射レンズ鏡筒6を第3のマウント17に取り付ける際の螺子孔となる鏡筒螺子孔111が穿設されている。すなわち、これら鏡筒螺子孔111は、第3の外周側面103寄りの位置に設けられている。
【0089】
また、第3の内周側面106と第3の外周側面103との間には、図1および図5に示すように、補強用の複数のリブ112が設けられている。これらリブ112は、第3の外周側面103の各辺部に対向してそれぞれ2つ以上、すなわち複数ずつ、互いに略等間隔に離間されて全体に略均等になるように設けられている。さらに、これらリブ112は、第3の本体部102の前側から第3の内周側面106の前面に向けて突出寸法が大きくなるように設けられている。このため、リブ112は、後側の部分が第3の孔部101の周縁部の近傍に位置している。
【0090】
そして、第3の本体部102の後側面には、図2に示すように、第3の本体部102を補強する補強リブ113が多数設けられている。
【0091】
一方、投射レンズ鏡筒6は、図1および図2に示すように、例えばアルミニウム合金などで形成されたカム筒121およびガイド筒122により、二重の円筒状に形成されている。ガイド筒122は、ダイクロイッククロスプリズムにより色合成された光源3からの照明光を、図示しないスクリーン上などに投射する複数のレンズLを内部に保持している。そして、投射レンズ鏡筒6は、これらカム筒121、あるいはガイド筒122を投射レンズ鏡筒6の周方向に回動させてレンズLの位置を光軸に沿って変化させることにより、画像のズーム機能、あるいはピント調整(フォーカス)機能を有する。
【0092】
さらに、ガイド筒122の軸方向の一端側である筐体2側、すなわち第3のマウント17側の端部の近傍の外周面には、鏡筒嵌合部107に嵌合するフランジ面となるフランジ123が突出して一体に設けられている。このフランジ123は、正面視で鏡筒嵌合部107の内形よりも若干小さい外形を有する四角形状に形成され、ガイド筒122の径方向に向けて突出している。
【0093】
また、フランジ123の四隅には、螺子止め用のフランジ螺子孔124がそれぞれ穿設されている。これらフランジ螺子孔124には、投射レンズ鏡筒6の前側から鏡筒固定手段としての鏡筒留め螺子125が挿通され、これら鏡筒留め螺子125が鏡筒螺子孔111に螺子止めされることで、投射レンズ鏡筒6が第3のマウント17に対して固定される。このとき、フランジ123は、第3のマウント17の第3の本体部102の第3の内周側面106の面積の2分の1以上と互いに重なり合うように、第3の内周側面106に固定される。そして、フランジ123の外周は、図5に示すように、投射レンズ鏡筒6を第3のマウント17に取り付けた状態でリブ112の近傍に位置する。
【0094】
次に、上記一実施の形態の液晶プロジェクタの組み立て方法を説明する。
【0095】
まず、第1のマウント15の第1の本体部22の前側面を第2のマウント16の第2の本体部52の後側面に当接させた状態で、第2の本体部52の第1のガイド取付部54に一対の第1の被ガイド部56を螺子57にて取り付け、第1のマウント15の一対の第1のガイド部32を、一対の第1の被ガイド部56により形成される蟻溝部65にそれぞれ嵌合させる。
【0096】
このとき、螺子57を緩めた状態で、第1の被ガイド部56の第1の螺子挿通孔62の上下方向の中心位置を、第1のガイド取付部54の第1の螺子孔55の上下方向の中心位置に対して若干上下方向にずらして蟻溝部65の幅を変化させ、この蟻溝部65の幅が一対の第1のガイド部32の幅に合う位置で螺子57を締め付けて、一対の第1の被ガイド部56を螺子57にて第1のガイド取付部54にそれぞれ螺子止めする。
【0097】
さらに、第3のマウント17の第3の本体部102を第2のマウント16の第2の本体部52の嵌合空間部87に嵌合させ、第3の本体部102の後側面を第2の本体部52の前側面に当接させた状態で、第2の本体部52の第2のガイド取付部91に一対の第2のガイド部93を螺子94にて取り付け、第3のマウント17の一対の第2の被ガイド部104を、一対の第2のガイド部93により形成される蟻溝部99にそれぞれ嵌合させる。
【0098】
このとき、螺子94を緩めた状態で、第2のガイド部93の第2の螺子挿通孔96の左右方向の中心位置を、第2のガイド取付部91の第2の螺子孔92の左右方向の中心位置に対して若干左右方向にずらして蟻溝部99の幅を変化させ、この蟻溝部99の幅が一対の第2の被ガイド部104の幅に合う位置で螺子94を締め付け、一対の第2のガイド部93を螺子94にて第2のガイド取付部91にそれぞれ螺子止めする。
【0099】
そして、各螺子側ギヤ47,77を取り付けるとともに各ナット46,76をそれぞれ螺合させた各送り螺子43,73を、各挿通部41,71および各軸支部44,74にそれぞれ取り付け、かつ各モータ48,82をそれぞれ所定の位置に取り付け、鏡筒支持装置5を完成する。
【0100】
さらに、照明光学系を所定の位置に配設した筐体2の主筐体11の取付凹部13の下部に、第1のマウント15のプリズム載置部23を嵌合させた状態で、鏡筒支持装置5を筐体2に図示しない螺子などで取り付ける。
【0101】
この後、投射レンズ鏡筒6のフランジ123を第3のマウント17の第3の本体部102の鏡筒嵌合部107に嵌合させ、フランジ螺子孔124に鏡筒留め螺子125を挿通させて鏡筒螺子孔111に螺子止めして、投射レンズ鏡筒6を鏡筒支持装置5に固定することで、この鏡筒支持装置5を介して投射レンズ鏡筒6を筐体2に固定し、光学系ユニットUを完成させる。
【0102】
そして、この光学系ユニットUに、LCDパネル4r、4g,4bおよびダイクロイッククロスプリズムを配置した後、これら光学系ユニットU、LCDパネル4r、4g,4bおよびダイクロイッククロスプリズムを外装カバー内に組み込んで液晶プロジェクタ1を完成する。
【0103】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0104】
光源3から照射された照明光は、照明光学系によりR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の色光に分光され、これらR(赤)、G(緑)、B(青)の色光は、それぞれLCDパネル4r,4g,4bに入射して、これらLCDパネル4r,4g,4bにより変調される。
【0105】
さらに、LCDパネル4r,4g,4bにより変調された各色光は、ダイクロイッククロスプリズムにより合成光に色合成され、第1の孔部21、第2の孔部51および第3の孔部101を介して投射レンズ鏡筒6のレンズLに入射する。
【0106】
そして、投射レンズ鏡筒6から、図示しないスクリーンなどに向けて投射像が投射される。
【0107】
ここで、投射像をスクリーンに対して幅方向にシフトさせる際には、第1のモータ48を駆動させることで第1のモータ側ギヤ50が回動し、この第1のモータ側ギヤ50に歯合された第1の螺子側ギヤ47が回動して、第1の送り螺子43が周方向に回動する。
【0108】
そして、この第1の送り螺子43に螺合された第1のナット46により、第2のマウント16が、第1の送り螺子43に対して相対的に第3のマウント17とともにシフトする。
【0109】
このとき、上下一対の第1の被ガイド部56が、第1のマウント15の上下一対の第1のガイド部32に摺接することで、この第1のガイド部32により第1のマウント15の幅方向にガイドされることで、第2のマウント16が、第1のマウント15に対して相対的に、光軸と直交する左右方向に移動、すなわちシフトする。この結果、第3のマウント17に固定された投射レンズ鏡筒6が筐体2に対して光軸と直交する左右方向にシフトすることで、投射像の左右方向の位置が変化する。
【0110】
また、第2のマウント16の左右方向のシフトは、第2のマウント16のストッパ当接部16e,16fが第1のマウント15側のストッパ部41a,44aに当接することなどにより、規制される。
【0111】
一方、投射像をスクリーンに対して上下方向に移動させる際には、第2のモータ82を駆動させることで第2のモータ側ギヤ85が回動し、この第2のモータ側ギヤ85に歯合された第2の螺子側ギヤ77が回動して、第2の送り螺子73が周方向に回動する。
【0112】
そして、この第2の送り螺子73に螺合された第2のナット76により、第3のマウント17が、第2のマウント16に対して相対的に移動する。
【0113】
このとき、左右一対の第2の被ガイド部104が、第2のマウント16の左右一対の第2のガイド部93に摺接し、この第2のガイド部93により第2のマウント16の上下方向にガイドされることで、第3のマウント17が、第2のマウント16に対して相対的に、光軸と直交する上下方向にシフトする。この結果、第3のマウント17に固定された投射レンズ鏡筒6が筐体2に対して光軸と直交する上下方向にシフトすることで、投射像の上下方向の位置が変化する。
【0114】
また、第3のマウント17の上下方向のシフトは、第2のマウント16の第2の外周側面53の上下部に第3の本体部102の第3の外周側面103の上下部が当接することなどにより、規制される。
【0115】
そして、カム筒121およびガイド筒122を回動させることで、レンズLの互いの位置を変化させて投射像のスクリーン上でのピントなどを調整する。
【0116】
上述したように、上記一実施の形態では、鏡筒支持装置5を、投射レンズ鏡筒6の左右方向の移動に対して相対的に固定された第1の本体部22と、投射レンズ鏡筒6の上下方向の移動に対して相対的に固定された第2の本体部52とに、それぞれ各ガイド部32,93を設け、各ガイド部32,93に摺接してガイドされる各被ガイド部56,104を、各本体部22,52に取り付けられた各本体部52,102にそれぞれ設ける構成とした。
【0117】
このため、第1の本体部22に対する第2の本体部52の光軸と直交する左右方向の移動、および、第2の本体部52に対する第3の本体部102の光軸と直交する上下方向の移動を、各ガイド部32,93にて直接ガイドでき、投射レンズ鏡筒6を支持する枠体である各本体部52,102の他にガイドポールなどを別個に設ける必要がないので、部品点数の低減および省スペース化、すなわちコンパクト化が可能となるとともに、ガイドポールの取り付け工程などが不要となるから、製造性を向上できる。
【0118】
さらに、投射レンズ鏡筒6の光軸の方向に沿って各外周側面31,53,103を各本体部22,52,102に設けたため、各本体部22,52,102の光軸方向への剛性を確保できるとともに、各外周側面31,53,103の内周側に、光軸に向かう方向に沿って各内周側面34,86,106を延設することで、各本体部22,52,102の光軸に直交する方向への剛性を確保できる。
【0119】
そして、第3の本体部102を第2の本体部52の内側の嵌合空間部87内に配置し、第3の本体部102は、第3の本体部102の上下の第3の外周側面103が、第2の本体部52の上下の第2の外周側面53に当接することにより、上下方向のシフト範囲を規制される。このため、別個にストッパ部を設ける必要がなく、部品点数の低減およびストッパ部の取り付け作業の削減などが可能になり、製造性をより向上できる。
【0120】
またさらに、第3のマウント17の第3の外周側面103と第3の内周側面106との間の各辺部に、それぞれ2つ以上のリブ112を設けることで、第3の本体部102の剛性をより向上できる。
【0121】
また、上記一実施の形態では、第3の本体部102および投射レンズ鏡筒6を支持する第2の本体部52を光軸と直交する左右方向に移動させ、投射レンズ鏡筒6を支持し第2の本体部52よりも筐体2から遠い第3の本体部102を光軸と直交する上下方向に移動させる構成とした。
【0122】
このため、第2のマウント16を上下方向に移動させ第3のマウント17を左右方向に移動させる場合と比較して、左右方向に移動させるよりも負荷が大きい上下方向に移動させる重量を低減でき、第2のモータ82に加わる負荷をより抑制できる。
【0123】
さらに、上記一実施の形態では、投射レンズ鏡筒6が第3の本体部102の鏡筒嵌合部107内に支持された状態で外側部がリブ112の近傍に位置するフランジ123を投射レンズ鏡筒6に設けるとともに、鏡筒螺子孔111を第3の内周側面106の第3の外周側面103寄りの位置に設け、フランジ123を、第3の内周側面106の面積の2分の1以上と互いに重なり合うように第3の内周側面106の第3の外周側面103寄りの位置に鏡筒留め螺子125にて固定する構成とした。
【0124】
このため、アルミニウム合金製のカム筒121およびガイド筒122などで構成された投射レンズ鏡筒6の比較的大きい重量を、第3の内周側面106の2分の1以上の面積でフランジ123を介して受けるとともに、第3の外周側面103に分散することができる。
【0125】
この結果、第3の内周側面106の撓みを減少させることができ、第3の本体部102を、ポリカーボネイトなどの合成樹脂で形成することが可能になるとともに、第3の本体部102の重量の増加が抑制されることで、第2のモータ82に加わる負荷をより抑制できる。
【0126】
そして、ガード部83を設けることにより、光学系ユニットUを外装カバーに組み込む際、あるいは光学系ユニットUを運搬などする際に、第2の螺子側ギヤ77および第2のモータ側ギヤ85が外装カバー、あるいは他の物などに接触して損傷するおそれを防止できる。
【0127】
またさらに、第2の螺子側ギヤ77および第2のモータ側ギヤ85をガードするガード部83が第2のモータ82を支持する部材を兼ねていることにより、部品点数の増加を抑制し、製造コストを抑制できる。
【0128】
また、上記一実施の形態では、第2の本体部52に、蟻溝部65,99を構成する対をなす第1の被ガイド部56および第2のガイド部93を取り付け、蟻溝部65,99の幅を変化させる方向に沿って第1の被ガイド部56および第2のガイド部93を移動可能にする溝幅調整手段63,97を設け、かつ第1の本体部22および第3の本体部102に、蟻溝部65,99に摺動可能に嵌合する第1のガイド部32および第2の被ガイド部104を設ける構成とした。
【0129】
この結果、第1のガイド部32および第2の被ガイド部104が蟻溝部65,99にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動させることが容易に可能となるため、投射レンズ鏡筒6をがたつきなく円滑に左右方向および上下方向にそれぞれ移動させることができる。
【0130】
しかも、螺子57,94と、各螺子挿通孔62,96とで溝幅調整手段63,97を構成することで、比較的簡単な構成で蟻溝部65,99の幅を変化させることができ、製造コストを抑制できる。
【0131】
さらに、各ガイド部32,93と各被ガイド部56,104との摺接部を蟻溝部65,99とすることで、摺接部を四角形状の溝部などとした場合と比較して摺接面積が小さくなるので、各本体部52,102を各本体部22,52に対して、より円滑に摺接させることができる。
【0132】
そして、製造性を向上した鏡筒支持装置5を備えることで、液晶プロジェクタ1の製造性をも向上でき、製造コストを抑制できるとともに、投射レンズ鏡筒6を上下方向および左右方向に沿ってがたつきなく円滑に移動させることが可能となり、投射像の位置を上下方向および左右方向に移動させてスクリーン上の所望の位置に投射させることができるなど、液晶プロジェクタ1の使い勝手を容易に向上できる。
【0133】
なお、上記一実施の形態において、例えば第3のマウント17を使用せずに、投射レンズ鏡筒6を第2のマウント16の第2の本体部52に取り付け、この第2の本体部52を第1のマウント15の第1の本体部22に対して上下方向、あるいは左右方向に移動可能とすることで、投射レンズ鏡筒6を上下方向、あるいは左右方向のみに移動させる構成とすることも可能である。この場合には、鏡筒支持装置5および液晶プロジェクタ1の構成を、より簡略化でき、製造性をより向上できる。
【0134】
また、第1の被ガイド部56および第2のガイド部93を、それぞれ第2の本体部52に突出して設け、第1のガイド部32および第2の被ガイド部104をそれぞれ第1の本体部22および第3の本体部102に取り付けるようにするなどの構成も可能である。
【0135】
さらに、各送り螺子43,73は、各モータ48,82以外にも、例えば手動などで回動させることも可能である。
【0136】
【発明の効果】
請求項1記載の鏡筒支持装置によれば、鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と鏡筒を支持する鏡筒側基盤部とのいずれか一方に、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段を設け、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段を設け、かつ筐体側基盤部と鏡筒側基盤部とのいずれか他方に、蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部を設けることで、蟻溝嵌合部が蟻溝部にがたつきなく嵌合し、かつ円滑に摺動させることが容易に可能となるため、鏡筒を容易にがたつきなく円滑に移動させることができる。
【0137】
請求項2記載の鏡筒支持装置によれば、請求項1記載の鏡筒支持装置の効果に加えて、蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って螺子の軸部が移動可能に挿通される螺子孔とで溝幅調整手段を構成することで、比較的簡単な構成で蟻溝部の幅を変化させることができ、製造コストを抑制できる。
【0138】
請求項3記載の投射型表示装置によれば、請求項1または2記載の鏡筒支持装置を備えることで、鏡筒をがたつきなく円滑に移動させることが可能になり、使い勝手を容易に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の鏡筒支持装置を前側から示す分解斜視図である。
【図2】同上鏡筒支持装置を後側から示す分解斜視図である。
【図3】同上鏡筒支持装置の一部を示す分解平面図である。
【図4】同上鏡筒支持装置の一部を示す分解側面図である。
【図5】同上鏡筒支持装置を示す正面図である。
【図6】同上鏡筒支持装置を示す裏面図である。
【図7】同上鏡筒支持装置を備えた投射型表示装置を示す平面図である。
【図8】同上投射型表示装置を示す側面図である。
【図9】同上投射型表示装置を示す下面図である。
【符号の説明】
1 投射型表示装置としての液晶プロジェクタ
2 光学機器本体としての筐体
3 光源
4b,4g,4r 光変調手段としてのLCDパネル
5 鏡筒支持装置
6 鏡筒としての投射レンズ鏡筒
22 筐体側基盤部としての第1の本体部
32 蟻溝嵌合部としての第1のガイド部
52 筐体側基盤部としての鏡筒側基盤部である第2の本体部
56 蟻溝構成手段としての第1の被ガイド部
57,94 螺子
57a,94a 軸部
62 取付孔としての第1の螺子挿通孔
63,97 溝幅調整手段
65,99 蟻溝部
93 蟻溝構成手段としての第2のガイド部
96 取付孔としての第2の螺子挿通孔
102 鏡筒側基盤部としての第3の本体部
104 蟻溝嵌合部としての第2の被ガイド部
Claims (3)
- 光学機器本体に対して鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する鏡筒支持装置であって、
鏡筒の移動方向に対して相対的に固定された筐体側基盤部と、
鏡筒を支持する鏡筒側基盤部と、
前記筐体側基盤部および前記鏡筒側基盤部のいずれか一方に設けられ、鏡筒の移動方向に沿って蟻溝部を構成する対をなす蟻溝構成手段と、
前記蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って前記蟻溝構成手段を移動可能にする溝幅調整手段と、
前記筐体側基盤部および前記鏡筒側基盤部のいずれか他方に設けられ、前記蟻溝部に摺動可能に嵌合する蟻溝嵌合部と
を具備したことを特徴とした鏡筒支持装置。 - 溝幅調整手段は、
蟻溝構成手段の少なくとも一方を筐体側基盤部および鏡筒側基盤部のいずれか一方に固定する螺子と、
前記蟻溝構成手段に設けられ、蟻溝部の幅を変化させる方向に沿って前記螺子の軸部が移動可能に挿通される取付孔とを備えている
ことを特徴とした請求項1記載の鏡筒支持装置。 - 照明光を照射する光源と、
この光源から照射された照明光を変調する光変調手段と、
この光変調手段で変調された照明光を投射する鏡筒と、
光学機器本体と、
この光学機器本体に対して前記鏡筒を光軸と交差する所定の方向に沿って移動可能に支持する請求項1または2記載の鏡筒支持装置と
を具備したことを特徴とした投射型表示装置。
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Cited By (3)
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JP2007163653A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-28 | Chinontec Kk | 微小ミラー型表示素子を備える投射型表示装置 |
JP2007163649A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-28 | Chinontec Kk | 微小ミラー型表示素子を備える投射型表示装置 |
JPWO2018055963A1 (ja) * | 2016-09-23 | 2019-08-29 | 富士フイルム株式会社 | 投射レンズ及びプロジェクタ |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003114868A patent/JP2004317984A/ja active Pending
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