JP2020106680A - 繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置 - Google Patents

繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置 Download PDF

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【課題】電気的特性に優れ、各種の用途に適用することが可能な新規の繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置を提供する。【解決手段】 本発明に係る繊維起毛部材10は、アニオン性基を有し、かつ、負帯電性を有する未染色のポリエステル繊維を少なくとも含むことを特徴とする。当該ポリエステル繊維を含むことで、本発明の繊維起毛部材10は、摩擦帯電を行った場合の負帯電性を向上させることができる。また、本発明に係る繊維起毛部材10は、ブラシ部材やシール部材、フィルター部材等に適用することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電子写真方式を採用した画像形成装置やその他の各種用途に適用することが可能な新規の繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用した画像形成装置に於いては、帯電部及び潜像担持体に残留する残トナーや紙粉等の被捕集物を除去するため、ブラシ毛を備えたクリーニングブラシが用いられている。しかし、クリーニングブラシを荷電していない場合、付着力の弱い残トナー等を除去できても、付着力の強いトナーや紙粉や放電生成物等の物質の除去は困難である。そこで、従来のクリーニングブラシでは、電源を設置しブラシ繊維を紙粉等と逆極性の電位に荷電させることで、潜像担持体表面に付着している紙粉等の被捕集物を静電的に除去する方法が採用されている。しかしこの場合、高圧電源が必要となり、コストの増大を招来する。
他にクリーニングブラシを荷電させる方法としては、例えば、摩擦帯電による方法がある。しかし、摩擦帯電の場合、付与する電位が低く、静電除去を可能にする極性の表面電位の付与が困難な場合がある。また、電位も不安定な場合がある。
また、前記方法の他に、エレクトレット処理された樹脂フィルムからなる樹脂層を備える弾性ローラを用いて、潜像担持体表面をクリーニングする方法も提案されている(特許文献1)。しかし、現在、エレクトレット処理を利用できるのは均一な平面状の構造体のみであり、織物や編み物といった表面が不均一なブラシ状の構造体には適用できない。
特開昭63−301983号公報
本発明は、電気的特性に優れ、各種の用途に適用することが可能な新規の繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る繊維部材は、前記課題を解決するために、エラー! 参照元が見つかりません。アニオン性基を有し、かつ、負帯電性を有する未染色のポリエステル繊維を少なくとも含むことを特徴とする。
前記の構成によれば、繊維部材は、アニオン性基を有するポリエステル繊維を少なくとも含んでいる。このポリエステル繊維は未染色であり、そのため負帯電性を有している。従って、例えば、アニオン性基を有しない通常のポリエステル繊維や、アニオン性基を有する染色されたポリエステル繊維と比較して、摩擦帯電を行った場合の負帯電性の傾向が強く、電圧を印加しない状態でも、正帯電の粒子等の被捕集物を静電的に良好に吸着することができる。
前記の構成に於いて、前記ポリエステル繊維は、当該ポリエステル繊維の表面に存在する油剤が除去されたものであることが好ましい。油剤が除去されたものであると、ポリエステル繊維の負帯電性を一層向上させることができ、さらに正帯電の被捕集物の捕集性能に優れた繊維部材を提供することができる。
前記の構成に於いて、前記アニオン性基は、モノカルボン酸基、ジカルボン酸基、スルホ基及びリン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基であることが好ましい。これらのアニオン性基を有するポリエステル繊維であると、ポリエステル繊維に良好な負帯電性を付与することができる。
本発明に係るブラシ部材は、前記の課題を解決するために、前記繊維部材を有するブラシ部材であって、前記繊維部材に対し電圧無印加の状態で、当該繊維部材が被クリーニング部材の表面に付着した正帯電の被捕集物を静電的に除去することを特徴とする。
例えば、繊維部材が、ポリエステル繊維を含む繊維を起毛させた構造である場合、当該起毛させた繊維をブラシ毛として機能させることができる。ここで、繊維部材は負帯電性を有するポリエステル繊維を含んでいるので、被クリーニング部材に付着している正帯電の被捕集物を、電圧無印加の状態で静電的に吸着して捕集することができる。
本発明に係るシール部材は、前記の課題を解決するために、前記繊維部材を有するシール部材であって、エラー! 参照元が見つかりません。前記繊維部材に対し電圧無印加の状態で、当該繊維部材が正帯電の被捕集物を静電的に吸着して捕集することを特徴とする。
繊維部材に含まれるポリエステル繊維は、前述の通り、負帯電性を有しているので、摩擦帯電によりポリエステル繊維が負極に帯電した場合には、正帯電の被捕集物を吸着して捕集することができる。そのため、例えば、被捕集物の漏出を抑制又は防止したい場合には、電圧無印加の状態でも容易に可能である。
本発明に係るフィルター部材は、前記の課題を解決するために、前記繊維部材を有するフィルター部材であって、前記繊維部材に対し電圧無印加の状態で、当該繊維部材が空気中の正帯電の被捕集物を静電的に吸着して捕集することを特徴とする。
繊維部材に含まれるポリエステル繊維は、前述の通り、負帯電性を有している。従って、例えば、ポリエステル繊維を摩擦帯電により負極に帯電させ、フィルター部材に空気を通過させた場合には、空気中に含まれている正帯電の粒子等の被捕集物を捕集することができる。これにより、正帯電の被捕集物のみを電圧無印加の状態でフィルタリングすることが可能なフィルター部材を提供することができる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記の課題を解決するために、前記ブラシ部材、フィルター部材及びシール部材の少なくとも何れかを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、繊維部材は、アニオン性基を有し、かつ、未染色のポリエステル繊維を少なくとも含有するので、例えば、アニオン性基を有しない通常のポリエステル繊維や、アニオン性基を有する染色されたポリエステル繊維を含む繊維部材と比較して、摩擦帯電を行った場合の負帯電性を向上させることができる。その結果、電圧を印加しない状態でも正帯電の粒子等の被捕集物を静電的に捕集することが可能になり、ブラシ部材、シール部材及びフィルター部材、並びにこれらの少なくとも何れかの部材を備えた画像形成装置に好適に適用することができる。
本発明の実施の一形態に係る繊維起毛部材を表す断面模式図である。 同図(a)は前記繊維起毛部材を用いたロール型ブラシを表す模式図であり、同図(b)は前記繊維起毛部材を用いた平板型ブラシを表す模式図である。 前記繊維起毛部材を適用した画像形成装置を模式的に表す正面図である。 前記繊維起毛部材をシール部材に適用した例を示す模式図である。 前記繊維起毛部材をフィルター部材に適用した例を示す模式図である。 前記繊維起毛部材を適用した他の画像形成装置を模式的に表す正面図である。 実施例1及び比較例1のロール型ブラシのクリーニング性能を表すグラフである。
(繊維起毛部材)
本発明の繊維部材について、繊維が支持基材の表面で起毛した繊維起毛部材を例にして、図を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大又は縮小等して図示した部分がある。図1は、本実施の形態に係る繊維起毛部材を表す断面模式図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る繊維起毛部材10は、支持基材11と、前記支持基材11の表面に起毛して設けられた複数の繊維束12とを少なくとも備える。
支持基材11は縦糸13と横糸14により織り上げて得られる織布より形成されている。縦糸13及び横糸14の構成材料としては特に限定されない。例えば、耐久性及び柔軟性が高く、耐摩耗性に優れ、動摩擦係数が低い繊維からなるフィラメント糸(長繊維糸)や、紡績糸(短繊維糸)等の糸が挙げられる。この様な繊維としては、例えば、ナイロン(登録商標)繊維、アラミド繊維等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアリレート繊維等のポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維等のアクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維等のフッ素繊維等といった合成繊維が挙げられる。また、レーヨン繊維、キュプラ繊維等といった再生繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維等の酢酸セルロース繊維等といった半合成繊維等も含む。さらに、麻、綿、羊毛等の天然繊維も挙げられる。さらに、縦糸13及び横糸14は、例示した合成繊維、再生繊維、半合成繊維又は天然繊維のうち、それぞれ1種のみを単独で、又は少なくとも2種以上を混繊して用いてもよい。
縦糸13及び横糸14はフィラメント糸でもよいが、通常は紡績糸を用いるのが好ましい。
縦糸13及び横糸14のそれぞれの番手は、英式綿番手で10/2〜100/2の範囲内が好ましく、20/2〜80/2の範囲内がより好ましい。前記番手を10/2以上にすることにより、支持基材11の機械的強度が低下するのを防止し、繊維束12の根元部分の締め付けを可能にする。その一方、前記番手を100/2以下にすることにより、支持基材11の密度を向上させると共に、柔軟性が低下するのを防止することができる。その結果、例えば、本実施の形態の繊維起毛部材を用いて曲面状の表面等を清掃する場合にも、その形状に追従させて、効率よくクリーニングを行うことが可能になる。
繊維束12は、支持基材11の各織り目から上方へ突出した部分で、当該繊維束12を構成する各繊維同士の間隔が広がって起毛している。また、繊維束12は、いわゆるW織りで支持基材11に織り込まれている。即ち、図1に示すように、繊維束12は、まず1本の横糸14の下をくぐった後、隣りの横糸14の上を乗り越え、さらに隣りの横糸14の下をくぐるように支持基材11に織り込まれている。つまり、繊維束12は支持基材11の3本の横糸14に渡って、W字状をなすようにW織りに織り込まれている。尚、繊維束12の織り込み方法としては、前記のW織りの他にU織り等であってもよい。
繊維束12としては特に限定されず、例えば、直毛糸、斜毛糸、ループ糸又は捲縮糸等のパイル糸が挙げられる。尚、捲縮糸を用いた場合には、直毛糸を用いた場合と比べて、単位面積あたりの繊維束12の本数を増やすことなく、トナーやシリカ、カオリン等の微粒子の捕集性能を向上させることができる。斜毛にする場合には、直毛糸に対して蒸気を加えながら、ブラシロールをパイプ状の容器内部に収納して回転させ、倒毛させることにより得られる。
繊維束12の長さや太さ(直径)等は、用途により適宜設定することができる。繊維束12の長さ(すなわち、支持基材11の各織り目から上方へ突出した部分の長さ)は、通常は根元部分から2mm〜8mmの範囲内が好ましく、3mm〜6mmの範囲内がより好ましい。また、繊維束12の直径は、通常は5μm〜100μmの範囲内が好ましく、10μm〜70μmの範囲内がより好ましい。
繊維束12は、少なくともポリエステル繊維を含む複数の繊維により構成されている。繊維束12は、糸の形状の観点からは、複数のフィラメント糸(長繊維糸)の束で構成されたマルチフィラメント糸からなるものが好ましいが、スパン糸(単繊維糸)を用いることも可能である。
ポリエステル繊維はアニオン性基を有した未染色の改質ポリエステル繊維(以下、単に「ポリエステル繊維」という。)である。ここで、ポリエステル繊維とは、ポリエステル繊維を形成するポリエステルの分子中に、アニオン性基を有するモノマー成分が組み込まれた繊維からなるものを意味する。
ポリエステル繊維はこれを形成するポリエステルの分子中にアニオン性基を有するため、カチオンイオンを有するカチオン染料と接触すると、アニオンイオンとカチオンイオンがイオン結合することで染色する。しかし、本実施の形態に於いては、カチオン染料で染色されていないポリエステル繊維を用いる。これにより、本実施の形態のポリエステル繊維は、アニオン性基を有しないポリエステル繊維や、アニオン性基を有する染色されたポリエステル繊維と比較して、良好な負帯電性を備えることができる。即ち、本実施の形態のポリエステル繊維は、アニオン性基を有しないポリエステル繊維や、アニオン性基を有する染色されたポリエステル繊維との摩擦帯電列に於いて、よりマイナス側に位置することができる。また、本実施の形態のポリエステル繊維は、良好な負帯電性を示すフッ素系繊維と比較して製造コストの低減を図ることができる。
前記アニオン性基とは、モノカルボン酸基、ジカルボン酸基、スルホ基及びリン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基である。
また、ポリエステル繊維としては、より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリ乳酸(PLA)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリアリレート繊維等のエステル結合を形成する反応によって縮合させた高分子からなる繊維であって、アニオン性基を有する繊維が挙げられる。
また、ポリエステル繊維としては、その表面から油剤が除去されたものを用いるのが好ましい。これにより、ポリエステル繊維の負帯電性を一層向上させることができる。尚、油剤とは、例えば、ポリエステル繊維等の合成繊維を製造する際に通常使用される紡糸油剤を意味する。紡糸油剤としては、例えば、鉱物油系、特殊アニオン系、特殊ノニオン系、特殊カチオン系が挙げられる。また、これらの紡糸油剤には、酸化防止剤、制電剤、浸透剤、消泡剤、防腐剤、抗菌剤等を添加したものも含まれる。
油剤の除去方法としては特に限定されず、例えば、水又は溶剤等の洗浄剤での洗浄、オゾン処理等が挙げられる。
洗浄剤を用いた洗浄による油剤除去の場合、その方法としては特に限定されず、例えば、少なくとも繊維束12を洗浄剤に浸漬させる方法等が挙げられる。また、繊維起毛部材10の製造前の繊維束12を洗浄剤に浸漬して洗浄してもよい。洗浄剤として水を用いる場合、本実施の形態に於いては湯洗が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。水の温度は10℃〜80℃の範囲内が好ましく、40℃〜70℃の範囲内がより好ましい。また、洗浄時間は、10分〜60分の範囲内が好ましく、30分〜45分の範囲内がより好ましい。
オゾン処理による油剤除去の場合、その方法としては、例えば、オゾンを含む気体を、繊維起毛部材10の少なくとも繊維束12に接触させる方法が挙げられる。また、繊維起毛部材10の製造前の繊維束12をオゾンを含む気体に接触させてもよい。
ポリエステル繊維を含む複数の繊維の長さや太さ(直径)等は、用途により適宜設定され得る。繊維の長さは、通常は2mm〜8mmの範囲内であり、好ましくは3mm〜6mmの範囲内である。また、繊維の直径は、5μm〜100μmの範囲内が好ましく、10μm〜70μmの範囲内がより好ましい。繊維の直径を5μm以上にすることにより、繊維の繊維強度が低下するのを防止することができる。その結果、例えば、本実施の形態の繊維起毛部材をブラシ部材(詳細については後述する。)に適用する場合には、ブラシ剛性の維持が図れる。また、耐久性の低下を防止すると共に、毛倒れや毛屑の発生等も低減することができる。さらに、トナーやシリカ、カオリン等の微粒子の被捕集物の捕集性能が低下するのを防止することができる。その一方、繊維の直径を100μm以下にすることにより、繊維束12間の隙間を確保し、残トナーの吐き出し性能が低下するのを防止することができる。さらに、微粒子の付着物を効率よく掻き取ってクリーニングする掻き取り性の低下も防止できる。
(ブラシ部材)
本実施の形態の繊維起毛部材10はブラシ部材に適用可能であり、より具体的には、画像形成装置用のクリーニングブラシや帯電ブラシ等に適用可能である。
クリーニングブラシとして用いる場合、例えば、図2(a)に示すようなロール型のクリーニングブラシ(以下、「ロール型ブラシ」という。)20が挙げられる。当該ロール型ブラシ20は、少なくとも基部である円柱状のシャフト21と、シャフト21に接着剤等を介して固定されたシート状の繊維起毛部材10とを備える。繊維起毛部材10は、長尺のシート状に切断された後、繊維束12側を外側に向けてシャフト21にらせん状に巻きつけられる。この場合、繊維束12はブラシ毛として機能し、ロール型ブラシ20は、繊維起毛部材10に織り込まれたブラシ毛としての繊維束12によって像担持体に付着したトナーや紙粉等を除去することができる。
ここで、ブラシ毛としての繊維束12は、アニオン性基を有しないポリエステル繊維や、アニオン性基を有する染色されたポリエステル繊維と比較して、摩擦帯電による負帯電性に優れたポリエステル繊維を含む。そのため、被クリーニング部材の表面に付着した被捕集物と逆極性の電圧を繊維束12に印加しない状態でも、ロール型ブラシ20は被捕集物を静電的な吸着により除去することができる。さらに、ロール型ブラシ20は、被クリーニング部材表面に付着した非帯電性の被捕集物に対しても機械的に除去することができる。
シャフト21は特に限定されず、金属管や樹脂等からなるもの等、従来公知のものを用いることができる。また、シャフト21の径は特に限定されず、従来のクリーニングブラシに用いられてきた技術を好適に適用することができる。例えば、小型化する場合には、シャフト21の径を2mm〜6mm程度に設定すればよい。
また、本実施の形態に係る繊維起毛部材10は、図2(b)に示すような平板型のクリーニングブラシ(以下、「平板型ブラシ」という。)22にも好適に適用することができる。同図(b)に示すように、平板型ブラシ22は、少なくとも基部である平板23と、この平板23に固定された繊維起毛部材10とを備えている。そして、繊維起毛部材10の繊維束12はブラシ毛として、平板23に対し立毛するように設けられている。平板23としては特に限定されず、樹脂板や金属板等からなるものを用いることができる。尚、平板型ブラシ22は、基部としてシャフト21の代わりに平板23を用いている以外、ロール型ブラシ20と同一の構成である。
ロール型ブラシ20及び平板型ブラシ22の感光体ドラム等に対する食い込み量は、0.1mm〜2mmの範囲内が好ましく、0.5mm〜1mmの範囲内がより好ましい。当該範囲内にすることにより、感光体ドラムとロール型ブラシ20等の相対運動によって発生するブラシに係る負荷を適切にし、感光体が適度な力で擦過されるようにすることで、トナー等の捕集性能や掻き取り性の向上が図れる。尚、食い込み量とは、ブラシ毛を感光体ドラム等に当接したとき、ブラシ毛が感光体表面で曲がらずに、直線的に内部に進入したと仮定したときの内部への食い込み長さを意味する。
本実施の形態のロール型ブラシ20を画像形成装置に適用した場合、以下の様な態様で用いることができる。図3は、本実施の形態のロール型ブラシ20を備えた画像形成装置を模式的に示す正面図である。尚、画像形成装置は、画像形成装置が備えるスキャナにて読み込まれたデータや、画像形成装置に接続された外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置)からのデータを画像として出力するものである。
図3に示すように、画像形成装置1は、感光体ドラム31(被クリーニング部材)と、帯電装置32と、露光装置33と、現像装置34と、転写ロール35と、搬送ベルト36と、帯電制御装置37と、クリーニング装置38と、定着装置39とを少なくとも備えている。感光体ドラム31の周囲には、回転方向に沿って、帯電装置32、露光装置33、現像装置34、転写ロール35及び搬送ベルト36、帯電制御装置37、並びにクリーニング装置38がこの順序で配置された構成となっている。
感光体ドラム31は、画像形成装置1に於ける静電潜像担持体及び感光体となるものであり、円柱形状を有している。
帯電装置32は、感光体ドラム31と物理的に接触して、感光体ドラム31の表面を一様に所定の電位まで帯電させるためのものである。帯電装置32は、帯電制御用ブラシからなり、感光体ドラム31と互いの回転軸を平行にして隣接対向して設置されている。
露光装置33は、帯電装置32によって帯電された感光体ドラム31の表面を、例えばパーソナルコンピュータ等の画像処理装置からのデータに基づき、レーザー光等により露光して、感光体ドラム31の表面に静電潜像を形成させるためのものである。露光装置33として、例えば半導体レーザーや発光ダイオードを用いることができる。
現像装置34は、感光体ドラム31の表面にトナーを供給し、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像をトナー像として顕像化するためのものである。現像装置34では、トナー供給ロール34aにて現像ロール34bにトナーが一定厚さに供給され、この現像ロール34bが感光体ドラム31に当接することにより、感光体ドラム31の表面にトナーが供給される。
搬送ベルト36は、感光体ドラム31の表面にトナー像が形成された後に、記録媒体48を感光体ドラム31に運搬する。
転写ロール35は、感光体ドラム31の表面のトナー像を、転写材である記録媒体48に転写するためのものであり、板金の面方向と記録媒体48の面方向とを平行にして、搬送ベルト36を間に挟んで感光体ドラム31と隣接対向するように設置されている。尚、記録媒体48としては、例えば用紙、OHP等が挙げられる。転写ロール35は、例えば、ウレタンゴムロールからなる。
帯電制御装置37は、転写後の感光体ドラム31の残存している正極性及び負極性の残存トナーを例えば全てが正極性になるように帯電制御する。尚、帯電制御装置37は省略することも可能である。
クリーニング装置38は、ロール型ブラシ20を備えており、感光体ドラム31の表面に残留したトナーや紙粉等の被捕集物を除去する。クリーニング装置38は、ロール型ブラシ20の他に、さらにロール型ブラシ20に接触する導電ローラ38aと、この導電ローラ38aに摺察するスクレーパー38bとを備えている。ロール型ブラシ20は、回転自在のシャフト21の周囲に螺旋状に巻回されており、前記感光体ドラム31の回転軸方向とシャフト21の回転軸方向とを互いに平行にして、感光体ドラム31に対向するように隣接して設置されている。
導電ローラ38aは、例えば負極性に帯電されており、ロール型ブラシ20の先端にて吸着した正極性の残存トナーを吸着するものである。スクレーパー38bは金属製の板材、又はエラストマー製の弾性ブレードからなる。スクレーパー38bは、導電ローラ38aの回転方向とカウンター方向となるように、その先端部が導電ローラ38aに押し付けられている。スクレーパー38bを導電ローラ38aに摺察させることで、導電ローラ38aに吸着している残存トナーを除去することができる。スクレーパー38bで掻き取られたトナーは、図示しないトナー回収部に回収される。
定着装置39は、定着ローラ39aと加圧ローラ39bとが対抗配置する様にして設けられている。また、定着ローラ39aと加圧ローラ39bは、圧接した状態で回転可能となっている。定着ローラ39a及び加圧ローラ39bの内部には、それぞれ発熱源が設けられている。
本実施の形態の画像形成装置1に於いては、繊維起毛部材10を用いたクリーニング装置38を備えることにより、感光体ドラム31の表面に残留したトナーや紙粉等の被捕集物を静電的に、かつ機械的に除去することが可能になる。
ここで一般に、感光体ドラム31の表層部は、ポリカーボネート等の材料で構成されている。一方、従来のクリーニングブラシで使用されているブラシ毛は、アニオン性基を有しないポリエチレンテレフタレート繊維やアクリル繊維等からなる。そして、これらの繊維は、摩擦帯電列に於いて、感光体ドラム31の表層部に使用される材料と近接しているため、両者間で摩擦帯電が生じにくい。しかし、本実施の形態で用いるポリエステル繊維はアニオン性基を有し、かつ未染色であり、負帯電性の傾向が強い。そのため、本実施の形態のポリエステル繊維は、摩擦帯電列に於いて、前記材料を用いた感光体ドラム31と比べ負極側に位置する。その結果、本実施の形態のロール型ブラシ20との間でも、十分な摩擦帯電を生じさせることができる。これにより、感光体ドラム31の表面に付着した正極性の残留トナーや紙粉等と逆極性の電圧を、ロール型ブラシ20に印加しなくても、これらを静電的に良好に吸着し除去することができる。また、ロール型ブラシ20に電圧を印加するための電圧印加手段を省略することができ、装置構成の簡略化が図れ、製造コストの低減が可能になる。
以上により、本実施の形態の繊維起毛部材をブラシ部材に適用した場合には、当該ブラシ部材に電圧を印加しなくても、被クリーニング部材の表面に付着している正帯電の被捕集物41を静電的に吸着して捕集することできる。また、被クリーニング部材表面に付着した非帯電性の被捕集物についても機械的に除去することができる。
(シール部材)
本実施の形態の繊維起毛部材は、正帯電の被捕集物の漏出を遮断するシール部材に適用可能である。より具体的には、例えば、図4に示すように、画像形成装置等に用いられるシール部にも適用可能である。図4は、本実施の形態の繊維起毛部材10がシール部として適用されている様子を表す説明図である。
図4に示すように、シール部(シール部材)40は、基部である平板40aに、繊維束12が当該平板40aに対し立毛するように繊維起毛部材10が固定して設けられた構造を有する。
シール部40は、ブラシ毛としての繊維束12が導電ローラ38aの表面に接触するように配置される。また、シール部40は、スクレーパー38bに対し導電ローラ38aの回転方向の上流側に位置する様に設けられる。導電ローラ38aが図4の矢印で示す方向に回転すると、これと接触するシール部40の繊維束12では、摩擦帯電により負極性に帯電される。これにより、スクレーパー38bで掻き落とされたトナーや紙粉等の正帯電の被捕集物41は、シール部40の繊維束12に捕集され、再びロール型ブラシ20側に拡散しないように遮断される。
以上により、本実施の形態の繊維起毛部材をシール部材に適用した場合には、当該シール部材に電圧を印加しなくても、正帯電の被捕集物41を静電的に吸着して捕集することにより、当該正帯電の被捕集物41が拡散するのを防止することができる。
(フィルター部材)
本実施の形態の繊維起毛部材は、正帯電の被捕集物を捕集するフィルター部材に適用可能である。より具体的には、例えば、図3及び図5に示すように、画像形成装置等に用いられるフィルター装置42にも適用可能である。図5は、フィルター装置42に使用されるフィルター部材を説明するための説明図である。
図3に示すように、フィルター装置42は、ファン部43と、フィルター部(フィルター部材)44と、排気ダクト部45とを少なくとも備える。
ファン部43は、排気ダクト部45の内部に於いて、吸引口46の近傍に配置されている。ファン部43は、定着装置39近傍の空気を排気ダクト部45内に吸引する。さらに、吸引した空気を画像形成装置の系外に排出する。フィルター部44は、排気ダクト部45の内部に於いて、ファン部43に対して下流側の排気口47の近傍に配置されている。フィルター部44は、ファン部43により吸引された空気に含まれる被捕集物を捕集することができる。
フィルター部44は、図5に示すように、繊維起毛部材10’と、当該繊維起毛部材10’に離間して配置されるスリット部材49とを少なくとも備える。フィルター部44に於いて、繊維起毛部材10’は空気の流れに対し上流側、スリット部材49は下流側となる様に配置される。
繊維起毛部材10’は、支持基材11が空気の流れに対し垂直となる様に配置される。また、支持基材11は空気の流れに対し上流側、繊維束12は下流側となるように配置される。ここで、支持基材11は、空気の流れが透過できる程度の通気性を有していることが必要である。
スリット部材49は、空気の流れを透過させるスリットを形成する複数の透過部49aと、当該空気の流れを遮断する複数の遮断部49bとを有する。遮断部49bは、相互に平行となる様に縞状に設けられている。
繊維起毛部材10’とスリット部材49の間の離間距離は特に限定されないが、繊維束12を構成する繊維の少なくとも先端部が、各透過部49aを貫通する様に配置されるのが好ましい。これにより、繊維束12の繊維と遮断部49bを接触した状態にすることができる。
ここで、スリット部材49は、繊維束12に含まれるポリエステル繊維に対し、摩擦帯電列に於いてプラス側に位置する材料からなるものが好ましい。その様な材料としては、例えば、ナイロン(登録商標)樹脂等のポリアミド樹脂等が挙げられる。
次に、本実施の形態の繊維起毛部材をフィルター部材に用いた場合の機能について、以下に説明する。
先ず、ファン部43が定着装置39近傍の空気を吸引すると、空気の流れに応じて繊維束12の繊維が揺動する。繊維束12の繊維は、少なくともその先端部がスリット部材49の透過部49aを貫通しているので、揺動する繊維は遮断部49bと接触する。ここで、スリット部材49は、繊維束12に含まれるポリエステル繊維に対し、摩擦帯電列に於いて正極性の傾向がある。そのため、繊維と遮断部49bの間で摩擦帯電が発生し、遮断部49bは正極側に帯電する。また、繊維束12のポリエステル繊維は負極側に帯電する。
ファン部43が吸引する空気中に正帯電の被捕集物41が含まれている場合、繊維束12は正帯電の被捕集物41を静電的に吸着し捕集する。また、当該空気中に負帯電の被捕集物50が含まれている場合、遮断部49bは負帯電の被捕集物50を静電的に吸着し捕集する。
以上により、本実施の形態の繊維起毛部材をフィルター部材に適用した場合には、当該フィルター部材に電圧を印加しなくても、空気中に含まれる正極性の被捕集物を静電的に捕集し除去することができる。また、繊維起毛部材に含まれるポリエステル繊維に対し、摩擦帯電列が正極性の材料からなるスリット部材を併用することで、正極性の被捕集物についても静電的に捕集し除去することができる。
(その他の事項)
以上の説明に於いては、本発明の好適な実施態様について説明した。しかし、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではなく、その他の様々な形態でも実施可能である。
前記実施の形態に於いては、支持基材の表面にポリエステル繊維を含む繊維束が起毛した繊維起毛部材を例にして説明したが、本発明はこの態様に限定されるものではない。本発明の繊維部材は、例えば、ポリエステル繊維を含む繊維が起毛しない織物や、編み物等であってもよい。織物である場合、繊維部材としては平織物、綾織物、繻子織物が挙げられる。
平織物は、三原組織の一つである平織の組織で織られた織物を意味し、この平織の基本組織を変化させた組織、例えば畝織、七々子織で織られた織物も含み得る。綾織物は、三原組織の一つである綾織の組織で織られた織物を意味し、この綾織の基本組織を変化させた組織、例えば急斜文織、綾斜文織などの組織で織られた織物も含み得る。繻子織物は、三原組織の一つである繻子織の組織で織られた織物を意味する。
織物を形成する経糸及び横糸は、例えば、マルチフィラメント糸で構成される。さらに、マルチフィラメント糸には、アニオン性基を有する未染色のポリエステル繊維を含有させることができる。そのため、繊維部材が織物からなる場合でも、電圧無印加の状態で、正帯電の粒子等の被捕集物を静電的に捕集することが可能になる。
尚、織物からなる繊維部材をシール部材に適用する場合、経糸及び横糸の何れか、又は両方に捲縮糸を用いるのが好ましい。これにより、例えば、直毛糸等を用いた場合と比較して、シール部材の厚さを増大させることができ、シール性の向上が図れる。また、繊維部材が2層以上に積層した構造のものを用いてもよい。これにより、繊維部材単層からなるシール部材の場合と比較して、シール部材の厚さを増大させることができ、シール性の向上が図れる。さらに、経糸及び/又は横糸に捲縮糸を用いた上で、繊維部材を2層以上に積層した構造にしてもよい。
また、前記実施の形態のロール型ブラシは、転写ベルトにトナー像を転写した後、当該トナー像を記録媒体に転写する方式の画像形成装置2に対しても適用可能である(図6参照)。この場合、転写ベルトが、ロール型ブラシの被クリーニング部材となる。図6に示す転写ベルト51は、無端状のベルトであり、感光体ドラム31の表面に当接されるよう設けられる。また、転写ベルト51は、ロール型ブラシ20のブラシ毛とも当接する様に設けられる。転写ベルト51は、図示しない複数の張架ロールにより張架されている。また、転写ベルト51を挟んで感光体ドラム31と対向する1次転写位置には、転写ロール35が配置されている。
そして、記録媒体48に画像を形成する際には、先ず、感光体ドラム31に形成された未定着のトナー像を、転写ベルト51上に静電的に1次転写し、さらに転写ベルト51上のトナー像を記録媒体48に2次転写して行う。
ここで、転写ベルト51の表層部はポリイミド又はウレタンゴム等の材料で構成されている。そして、本実施の形態に係るロール型ブラシ20のブラシ毛に使用されるポリエステル繊維は、摩擦帯電列に於いて、これらの材料を用いた転写ベルト51と比べ負極側に位置する。その結果、本実施の形態のロール型ブラシ20と転写ベルト51との間でも、十分な摩擦帯電を生じさせることができ、転写ベルト51の表面に付着した正極性の残留トナーや紙粉等と逆極性の電圧を、ロール型ブラシ20に印加しなくても、これらを静電的に良好に吸着し除去することができる。
(実施例1)
本実施例に於いては、縦糸及び横糸を織り上げた織布よりなる支持基材と、その支持基材の横糸にパイル糸をW字状に絡ませるようにパイル織りに織り込んだクリーニングブラシを用いた。
パイル糸としては、スルホ基を有し、かつ未染色のポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維)により構成されたマルチフィラメント糸からなるものを用いた。さらに、ポリエステル繊維の直径は12.7μm、繊度は2dtex、ブラシ密度は170kF/inch、ブラシ毛の長さ(パイル長、付け根部分から先端までの距離)は 3mmとした。また、縦糸及び横糸としては、ポリエステル繊維からなるものを用いた。
尚、クリーニングブラシとしては、ブラシ毛を予め湯洗することにより、紡糸油剤を除去したものを用いた。すなわち、シャフトに固定する前の生地の状態でブラシ毛を70℃の水に1時間攪拌浸漬して、紡糸油剤を除去した。尚、ブラシ毛の湯洗による紡糸油剤の除去は、シャフトに固定した状態でも行うことができる。
この様なクリーニングブラシ生地をブラシ毛が外側に向く様にして、基部である円柱状のシャフトに両面テープを介して固定させた。これにより、本実施例に係るロール型ブラシを作製した。尚、ロール型ブラシの外径は12mmとした。
(実施例2)
本実施例に於いては、パイル糸として、スルホ基を有し、かつ未染色のポリエステル繊維に代えて、モノカルボン酸基を有し、かつ未染色のポリエチレンテレフタレート繊維を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係るロール型ブラシを作製した。尚、前記モノカルボン酸基は、ポリエチレンテレフタレート由来のものではなく、別途導入した官能基を意味する。
(比較例1)
本比較例に於いては、パイル糸として、スルホ基を有し、かつ未染色のポリエステル繊維に代えて、スルホ基を有しないポリエステル繊維を用いた。また、ブラシ毛の湯洗は行わなかった。それら以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係るロール型ブラシを作製した。
(クリーニング性能試験)
実施例1、2及び比較例1のロール型ブラシについて、それぞれクリーニング性能の評価を行った。
即ち、アルミ蒸着フィルムを感光体ドラムにみたてたクリーニング評価装置を用いて行った。尚、クリーニング評価装置は、電子写真プロセスを再現するように現像やクリーニングの各ユニットをレイアウトしたものである。
クリーニング性能の評価は、次のようにして行った。先ず、評価に於ける環境として、25℃、60%RHの温湿度環境とした。感光体にみたてたアルミ蒸着フィルム(以下アルミ蒸着フィルムと記載)表面に現像バイアスの設定によりトナーを現像した。この際、ブレード電圧を−100V、現像バイアスを0V、現像ギャップを0.5mmとした。また、ロール型ブラシによるクリーニング条件は、クリーニングの際のブラシ毛のアルミ蒸着フィルムへの食込み量を1mm、ロール型ブラシの周速を38mm/sec、アルミ蒸着フィルムの周速を50mm/secとした。さらに、ロール型ブラシに印加するブラシ電圧を0Vとした。アルミ蒸着フィルムに供給するトナーとしては、正帯電現像用キャリア(日本画像学会標準キャリア)に対し5質量%の紙粉材(炭酸カルシウム)を混合した混合材を用いた。アルミ蒸着フィルムへのトナーの供給は現像装置により行った。さらに、クリーニング前の紙粉材の光学的反射濃度を、マクベス濃度計(商品名:RD918、 Gretag,Macbeth製)を用いて測定した。測定は、アルミ蒸着フィルムの中央部及び四隅について行い、その平均値を算出した。
その後、事前にポリカーボネート板と褶擦させて摩擦帯電させたロール型ブラシをアルミ蒸着フィルムに当接させた状態でアルミ蒸着フィルムを1回転させ、ロール型ブラシによりクリーニングを行った。クリーニングは、ロール型ブラシをアルミ蒸着フィルムに対して連れ回り方向(順方向)に回転させる場合と、当該連れ回り方向とは逆方向に回転させる場合のそれぞれについて行った。また、連れ回り方向の場合のロール型ブラシとアルミ蒸着フィルムの周速比は、当該アルミ蒸着フィルムの周速に対し0.76倍とした。一方、連れ回り方向とは逆方向の場合のロール型ブラシとアルミ蒸着フィルムの周速比は、当該アルミ蒸着フィルムの周速に対し−0.76倍とした。
クリーニングの終了後、再び前述と同様の方法にて、マクベス濃度計を用いて紙粉材の光学的反射濃度を測定した。結果を表1及び図7に示す。尚、マクベス濃度計は、白色の場合を0.07とし、黒色の場合を1.8とするものであり、白黒の度合いを数値化する測定装置である。紙粉材が完全に除去されている場合は、1.3となる。
(結果)
表1及び図7から明らかな通り、スルホ基を有しないポリエステル繊維を用いた比較例1のロール型ブラシであると、順方向及び逆方向のそれぞれで、クリーニング前の初期値と計測値に余り変化はなかった。これにより、比較例1のロール型ブラシでは、紙粉材を十分に除去できないことが確認された。その一方、スルホ基を有し、かつ未染色のポリエステル繊維を用いた実施例1及び2のロール型ブラシでは計測値が上昇し、電圧を印加しない状態でも正帯電の紙粉材を十分に除去できることが確認された。
Figure 2020106680
1、2 画像形成装置
10 繊維起毛部材(繊維部材)
11 支持基材
12 繊維束
13 縦糸
14 横糸
20 ロール型ブラシ
21 シャフト
22 平板型ブラシ
23 平板
31 感光体ドラム(被クリーニング部材)
32 帯電装置
33 露光装置
34 現像装置
34a トナー供給ロール
34b 現像ロール
35 転写ロール
36 搬送ベルト
37 帯電制御装置
38 クリーニング装置
38a 導電ローラ
38b スクレーパー
39 定着装置
39a 定着ローラ
39b 加圧ローラ
40 シール部
40a 平板
41 被捕集物
42 フィルター装置
43 ファン部
44 フィルター部
45 排気ダクト部
46 吸引口
47 排気口
48 記録媒体
49 スリット部材
49a 透過部
49b 遮断部
50 被捕集物
51 転写ベルト(被クリーニング部材)

Claims (7)

  1. アニオン性基を有し、かつ、負帯電性を有する未染色のポリエステル繊維を少なくとも含む繊維部材。
  2. 前記ポリエステル繊維は、当該ポリエステル繊維の表面に存在する油剤が除去されたものである請求項1に記載の繊維部材。
  3. 前記アニオン性基は、モノカルボン酸基、ジカルボン酸基、スルホ基及びリン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基である請求項1又は2に記載の繊維部材。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維部材を有するブラシ部材であって、
    前記繊維部材に対し電圧無印加の状態で、当該繊維部材が被クリーニング部材の表面に付着した正帯電の被捕集物を静電的に除去するブラシ部材。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維部材を有するシール部材であって、
    前記繊維部材に対し電圧無印加の状態で、当該繊維部材が正帯電の被捕集物を静電的に吸着して捕集するシール部材。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維部材を有するフィルター部材であって、
    前記繊維部材に対し電圧無印加の状態で、当該繊維部材が空気中の正帯電の被捕集物を静電的に吸着して捕集するフィルター部材。
  7. 請求項4に記載のブラシ部材、請求項5に記載のシール部材及び請求項6に記載のフィルター部材の少なくとも何れかを備えた画像形成装置。

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