JPH08290026A - エアーフィルター材及びその製造方法 - Google Patents

エアーフィルター材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08290026A
JPH08290026A JP12054295A JP12054295A JPH08290026A JP H08290026 A JPH08290026 A JP H08290026A JP 12054295 A JP12054295 A JP 12054295A JP 12054295 A JP12054295 A JP 12054295A JP H08290026 A JPH08290026 A JP H08290026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibers
sheet material
filter material
fiber sheet
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12054295A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Kita
謙一 喜多
Kenji Nozaki
健二 野崎
Yoshito Hamada
芳人 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Felt Industrial Co Ltd
Original Assignee
Japan Felt Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Felt Industrial Co Ltd filed Critical Japan Felt Industrial Co Ltd
Priority to JP12054295A priority Critical patent/JPH08290026A/ja
Publication of JPH08290026A publication Critical patent/JPH08290026A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 2種類以上の繊維からなる繊維シート材であ
って、当該繊維に油剤の付着が無く、且つ帯電せしめら
れている。帯電手段は揉み加工又は高電圧の印加により
行う。 【効果】 エアーフィルター材として微粒子の捕集効率
が高く、且つその捕集効率が長期間維持され、経時的に
捕集効率が低下することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、居室、工場、自動車内
などにおける空気を浄化するための空気清浄機のフィル
ターや、防塵マスクなどに使用される、エアーフィルタ
ー材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にエアーフィルター材としては、空
気中の粒子の捕集高率が高く、空気中の細かい粒子まで
確実に捕集することが要求される。また一方では、空気
がエアーフィルター材を通る際の圧力損失が小さく、小
さい圧力で大量の空気を通過させることができることが
求められる。
【0003】しかしながら一般に、捕集効率を高めるた
めにはフィルター材の目を詰めて繊維密度を高くする必
要があるが、そうすると圧力損失が大きくなる。また圧
力損失を小さくするために目を粗くすると、捕集効率が
低下するのであって、捕集効率と圧力損失とを両立させ
ることは困難である。
【0004】近年、圧力損失が小さく且つ捕集効率が大
きいエアーフィルター材として、エレクトレットフィル
ターが出現している。このものは繊維を帯電させ、静電
気で微粒子を捕集するものであって、例えば特公平4−
33904号公報や、特開平6−134225に記載さ
れたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらかかるエ
レクトレットフィルターでは、繊維を紡糸する際に電荷
を付与したり、荷電したフィルムを割繊したりして繊維
を作る必要があり、少量のフィルターを作るには適切で
はなかった。
【0006】また通常の繊維で不織布を形成した後高電
圧をかけるなどして電荷を付与することもできるが、か
かるフィルターでは帯電させた静電気が経時的に放電
し、捕集効率が低下する。
【0007】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、圧力損失が小さく、且つ経時的に捕集効率が変
化することのない、エレクトレットフィルターを提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決する手段】而して本発明のエアーフィルタ
ー材は、2種類以上の繊維からなる繊維シート材であっ
て、当該繊維に油剤の付着が無く、且つ帯電せしめられ
ていることを特徴とするものである。
【0009】このエアーフィルター材においては、前記
繊維シート材が、ポリオレフィン繊維と、ポリ塩化ビニ
ール又はポリ塩化ビニリデンの繊維とよりなるものであ
ることが好ましい。
【0010】また本発明のエアーフィルター材の製造方
法は、2種類以上の繊維を混合して三次元的に交絡させ
て繊維シート材を形成し、当該繊維シート材に付着して
いる油剤などを除去し、然る後前記繊維シート材に揉み
加工を施して前記繊維に帯電させることを特徴とするも
のである。
【0011】またこの方法における繊維の帯電手段とし
て、前記繊維シート材に高電圧を印加することにより帯
電せしめることもできる。
【0012】本発明のエアーフィルター材は、不織布な
どの繊維シート材よりなっており、当該繊維シート材
は、2種類以上の異る繊維を混合し、これらを三次元的
に交絡させることにより形成されている。
【0013】繊維シート材を構成する2種以上の繊維の
組合わせは、摩擦帯電序列ができるだけ離れた組合わせ
を採用するのが好ましい。摩擦帯電序列が離れているこ
とにより、エアーフィルター材に帯電させたときに電荷
の安定性が良好であり、帯電が長期間維持できる。
【0014】また繊維シート材を構成する2種以上の繊
維のうち少くとも1種は、疎水性繊維を使用するのが好
ましい。疎水性繊維は公定水分率が小さい繊維であっ
て、公定水分率が10%未満、好ましくは5%未満、さ
らに好ましくは1%未満であることが望ましい。
【0015】かかる繊維としては、ポリオレフィン繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポ
リフッ化エチレン繊維、ガラス繊維などの、事実上公定
水分率が0%であると見做し得る繊維や、アクリロニト
リル繊維、ポリエステル繊維などの公定水分率が5%未
満の繊維を使用することができる。
【0016】これらの疎水性繊維は、公定水分率が大き
い繊維と併用することもできるが、疎水性繊維のみを2
種以上組合わせて使用するのが、より好ましい。特に、
ポリオレフィン繊維と、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビ
ニリデンの繊維とを組合わせて使用するのが好ましい。
【0017】ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、エチレン−プロピレン共
重合体繊維などを使用することができ、ポリプロピレン
繊維を使用するのが最も好ましい。
【0018】またポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデ
ンの繊維は、それらのホモポリマーの繊維であってもよ
く、また塩化ビニル又は塩化ビニリデンと他の単量体と
の共重合体の繊維であっても差支えない。例えば塩化ビ
ニルを共重合させたアクリル系繊維を使用することもで
きる。
【0019】ポリオレフィン繊維と、ポリ塩化ビニル又
はポリ塩化ビニリデンの繊維との混合比率は、30:7
0〜80:20が適当であり、好ましくは40:60〜
70:30とするのが適当である。これらの繊維の太さ
は、エアーフィルター材としての用途や要求される性能
によっても異るが、概ね1〜100μ程度とするのが適
当である。
【0020】また羊毛と、ポリオレフィン繊維又はポリ
エステル繊維との組合わせも好ましい組合わせである。
羊毛は公定水分率が16%と大きいが、摩擦により正に
帯電し易く、負に帯電するポリオレフィン繊維又はポリ
エステル繊維と組合わせることにより、良好な結果が得
られる。
【0021】2種類以上の繊維を混合して繊維シートを
形成する手段としては、当該2種類以上の繊維を混紡し
てカーディングし、シート状に成形して、当該シートに
対して乾式ニードル又はウォーターニードルなどによ
り、三次元的な繊維の交絡を生ぜしめるのが好ましい。
【0022】また一般に繊維は、加工性を良好ならしめ
るために、潤滑剤、静電防止剤など各種の油剤が塗布さ
れているが、油剤が付着したままでは繊維に親水性があ
り、帯電処理を施しても十分に帯電しないので、帯電処
理に先立って油剤を除去することが必要である。
【0023】油剤を除去する方法としては、50℃以上
の温水、アルコールなどの溶剤、ノニオン系の洗浄剤な
どで洗浄することができる。油剤除去の程度は、メタノ
ール注出分法(JISL1015化学ステープル試験方
法)で測定して0.2%未満であれば、油剤が除去され
ていると見做すことができる。
【0024】繊維シート材の油剤を除去したのち、当該
繊維シート材に帯電処理を施す。帯電処理の手段として
は、アーク放電などにより高電圧を印加して帯電させる
ことができる。電圧は高いほどより強く帯電させること
ができるが、過度に高いと繊維シート材にピンホールが
生じる恐れがあるので、3〜10KV/cmとするのが適当
である。繊維のガラス転移点以上の温度で電圧を印加す
る場合には、3〜5KV/cm程度が適当である。
【0025】またより簡単な方法として、繊維シート材
を揉み加工を施すことにより帯電させることができる。
揉み加工は、機械的に行うこともできるが、必要に応じ
て手で揉むことにより行うこともできる。
【0026】なお予め油剤を除去した繊維を混紡し、カ
ーディングして繊維シート材を形成することにより、カ
ーディングの際の摩擦により揉み加工を施したと同様に
帯電させることもできるが、そこで生じた静電気により
作業性が低下して皺が生じたりすることがあり、必ずし
も好ましくない。
【0027】
【作用】本発明のエアーフィルター材は、繊維に付着し
た油剤が除去されており、且つ帯電せしめられているの
で、そこに空気を通すことにより空気中の微粒子が帯電
した繊維に吸着し、除去される。
【0028】通常のエレクトレットフィルターにおいて
は、コロナ放電などにより高電圧を印加して帯電させる
ことが行われており、本発明においても同様の帯電処理
を行うことができる。
【0029】また本発明のエアーフィルター材は、2種
類以上の繊維を混合して使用しているので、高電圧を印
加することによる帯電処理を行うことなく、単に機械的
な揉み加工を施すことにより、異る繊維同士の摩擦によ
り静電気分極が起り、容易に帯電させることができる。
【0030】而して本発明のエアーフィルター材におい
ては、繊維シート材が2種類以上の繊維よりなっている
ので、単一の繊維からなるフィルター材に比べて、より
多くの静電気を発生すると共に、発生した静電気を保持
し続けることができ、外部に漏洩することが少い。
【0031】この理由は必ずしも明らかではないが、恐
らく次のような現象に基くものではないかと推測され
る。
【0032】すなわち、単一の繊維よりなるエアーフィ
ルター材では、高電圧を印加して帯電させるので、全体
に亙って正又は負のいずれかに帯電している。従って経
時的に徐々に放電して静電気が失われると共に、逆の電
荷をもった微粒子が吸着することによっても静電気が失
われ、徐々に捕集効率が低下する。
【0033】これに対し本発明のエアーフィルター材で
は、2種類以上の繊維を混合して形成されているので、
それらの異る繊維の摩擦によって局部的に正と負とに分
極して帯電する。そのため繊維シート材の表面において
は放電により電荷が失われることがあっても、その内部
においては静電気が安定しており、それによって微粒子
を吸着することができる。
【0034】また電荷をもった微粒子が吸着することに
より局部的に電荷が失われ、また経時的に放電して帯電
量が減少するが、エアーフィルター材の使用雰囲気下に
おける種々の原因による微振動により、異る繊維同士の
摩擦が生じ、そこで新たに正・負に分極して静電気が生
じるため、経時的に帯電量が減少して捕集効率が低下す
ることがない。
【0035】本発明のエアーフィルター材においては、
繊維シート材内において、正に帯電した部分と負に帯電
した部分とが混在していると考えられる。そのため、繊
維シート材の表面電位を測定しても、その結果が必ずし
もエアーフィルター材の荷電状態を反映していないよう
であり、表面電位と微粒子の捕集効率との間に相関関係
が見られない。
【0036】
【発明の効果】従って本発明によれば、長期間に亙って
帯電が維持されるので、空気中の微粒子を吸着して捕捉
し、エレクトレットエアーフィルター材として長期に亙
って優れた捕集効率を維持することができる。
【0037】また静電気により微粒子を吸着するので、
捕集効率を高めるために繊維密度を高くする必要がな
く、空気を通す際の圧力損失が小さく、小さい動力で大
量の空気を濾過し、効率よく微粒子を捕集することがで
きる。
【0038】また繊維をシートに成形した状態で油剤を
除去し、帯電処理を施すので、特殊な繊維を準備する必
要がなく、通常の繊維を使用してエレクトレットエアー
フィルター材を製作することができ、小ロットの生産が
可能である。
【0039】
【実施例】
[実施例1]ポリプロピレン繊維(チッソポリプロ2.
5d×76mm)60重量%と、塩化ビニル共重合アクリ
ル系繊維(鐘淵化学社製カネカロン3d×76mm)40
重量%とを混紡し、カード機でシートを形成し、当該シ
ートを乾式ニードル機で100本/cm2の回数でニード
ルパンチを施し、繊維を交絡させて、厚さ3mmの繊維シ
ート材を形成した。
【0040】この繊維シート材を70℃の温水で10分
間水洗して油剤を除去し、脱水乾燥した後、100℃で
5分間揉み加工を施して静電気を発生させ、エレクトレ
ットエアーフィルター材を得た。このフィルター材は目
付123g/m2、厚さ2.7mmであり、油剤は0.1
7%であった。
【0041】[実施例2]ポリプロピレン繊維(チッソ
ポリプロ2.5d×76mm)60重量%と、ポリ塩化ビ
ニル繊維(帝人社製テビロン5d×51mm)40重量%
とを混紡し、以下実施例1と同様に操作して、エレクト
レットエアーフィルター材を得た。このフィルター材は
目付116g/m2、厚さ2.3mmであり、油剤は0.
14%であった。
【0042】[実施例3]ポリプロピレン繊維(チッソ
ポリプロ2.5d×76mm)60重量%と、羊毛繊維
(太さ25μ)40重量%とを混紡し、以下実施例1と
同様に操作して、エレクトレットエアーフィルター材を
得た。このフィルター材は目付130g/m2、厚さ2.
8mmであり、油剤は0.2%以下であった。
【0043】[実施例4]ポリプロピレン繊維(チッソ
ポリプロ2.5d×76mm)60重量%と、アクリル繊
維(三菱レーヨン社製ボンネル3d×51mm太さ25
μ)40重量%とを混紡し、以下実施例1と同様に操作
して、エレクトレットエアーフィルター材を得た。この
フィルター材は目付129g/m2、厚さ2.9mmであ
り、油剤は0.2%以下であった。
【0044】[実施例5]ポリエステル繊維(帝人社製
テトロン3d×76mm)60重量%と、羊毛繊維(太さ
25μ)40重量%とを混紡し、羊毛フェルトの縮充工
程により目付380g/m2、厚さ3mmの繊維シート材
を形成した。
【0045】この繊維シート材を70℃の温水で10分
間洗浄して油剤を除去し、脱水乾燥した後、100℃で
5分間揉み加工を施して静電気を発生させ、エレクトレ
ットエアーフィルター材を得た。このフィルター材にお
ける油剤は、0.2%以下であった。
【0046】[実施例6]実施例1において、繊維シー
ト材に対する帯電手段として、揉み加工に代えて電圧
(−17KV/3cm×5分)を印加して静電気を発生さ
せて、エレクトレットエアーフィルター材を得た。この
フィルター材の目付、厚さ及び油剤は、実施例1と同一
であった。
【0047】「実施例7]ポリエステル繊維(帝人社製
テトロン3d×76mm)60重量%と、塩化ビニル共重
合アクリル系繊維(鐘淵化学社製カネカロン6d×76
mm)40重量%とを混紡し、以下実施例1と同様に操作
して、エレクトレットエアーフィルター材を得た。この
フィルター材は目付112g/m2、厚さ2.8mmであ
り、油剤は0.18%であった。
【0048】[実施例8]実施例7の方法により形成さ
れたシートの下に目付40g/m2のポリエステルスパ
ンボンドを重ね、実施例1に記載したと同様のニードル
パンチを施してシートとスパンボンドとを接合し、以下
実施例1と同様に操作して、目付132g/m2のエレ
クトレットエアーフィルター材を得た。
【0049】このフィルター材における繊維の比率は、
ポリエステル繊維73%(混紡シートのポリエステル4
2%、スパンボンドポリエステル31%)、ポリ塩化ビ
ニル繊維27%であった。
【0050】[実施例9]ポリ塩化ビニル繊維(帝人社
製テビロン5d×51mm)60重量%と、塩化ビニル共
重合アクリル系繊維(鐘淵化学社製カネカロン3d×7
6mm)40重量%とを混紡し、以下実施例1と同様に操
作して、エレクトレットエアーフィルター材を得た。こ
のフィルター材における目付は95g/m2、油剤は
0.2%以下であった。
【0051】[実施例10]実施例9の方法により形成
されたシートの下に目付40g/m2のポリエステルス
パンボンドを重ね、実施例1に記載したと同様のニード
ルパンチを施してシートとスパンボンドとを接合し、以
下実施例1と同様に操作して、目付135g/m2のエ
レクトレットエアーフィルター材を得た。
【0052】このフィルター材における繊維の比率は、
ポリエステル繊維30%、ポリ塩化ビニル系繊維70%
(テビロン42%、カネカロン28%)であった。
【0053】[比較例1]塩化ビニル共重合アクリル系
繊維(鐘淵化学社製カネカロン3d×76mm)を単独で
使用して、カード機で目付100g/m2のシートを形
成し、乾式ニードル機で100本/cm2の回数でニード
ルパンチを施し、繊維を交絡させて、厚さ3mmの繊維シ
ート材を形成した。
【0054】この繊維シート材を70℃の温水で10分
間水洗して油剤を除去し、脱水乾燥した後、100℃で
5分間揉み加工を施して静電気を発生させ、エレクトレ
ットエアーフィルター材を得た。このフィルター材は目
付123g/m2、厚さ2.7mmであり、油剤は0.2
%以下であった。
【0055】[比較例2]ポリ塩化ビニル繊維(帝人社
製テビロン5d×51mm)を単独で使用して、比較例1
と同様に操作して、エレクトレットエアーフィルター材
を得た。このフィルター材における油剤は0.2%以下
であった。
【0056】[比較例3]ポリプロピレン繊維(チッソ
ポリプロ2.5d×76mm)を単独で使用して、以下比
較例1と同様に操作して、エレクトレットエアーフィル
ター材を得た。このフィルター材における油剤は0.2
%以下であった。
【0057】[比較例4]ポリエステル繊維(帝人社製
テトロン3d×76mm)を単独で使用して、以下比較例
1と同様に操作して、エレクトレットエアーフィルター
材を得た。このフィルター材の油剤は0.2%以下であ
った。
【0058】[比較例5]前記実施例1において、油剤
洗浄処理を行うことなく、その他は実施例1と同様に操
作して、エレクトレットエアーフィルター材を得た。こ
のフィルター材の油剤は0.35%であり、目付及び厚
さは実施例1と同じであった。
【0059】[比較例6]前記実施例1において、揉み
加工を行うことなく、その他は実施例1と同様に操作し
て、エレクトレットエアーフィルター材を得た。このフ
ィルター材の目付、厚さ及び油剤は実施例1と同じであ
った。
【0060】[比較例7]比較例1において、繊維シー
ト材に対する帯電手段として、揉み加工に代えて電圧
(−20KV/3cm×5分)を印加して静電気を発生さ
せて、その他は実施例1と同様に操作して、エレクトレ
ットエアーフィルター材を得た。このフィルター材の目
付、厚さ及び油剤は、比較例1と同一であった。
【0061】[比較例8]比較例3において、繊維シー
ト材に対する帯電手段として、揉み加工に代えて電圧
(−15KV/3cm×5分)を印加して静電気を発生さ
せて、その他は実施例3と同様に操作して、エレクトレ
ットエアーフィルター材を得た。このフィルター材の目
付、厚さ及び油剤は、比較例3と同一であった。
【0062】[比較例9]比較例4において、繊維シー
ト材に対する帯電手段として、揉み加工に代えて電圧
(−10KV/3cm×5分)を印加して静電気を発生さ
せて、その他は実施例4と同様に操作して、エレクトレ
ットエアーフィルター材を得た。荷電直後の電位は5.
4Vであった。またこのフィルター材の目付、厚さ及び
油剤は、比較例4と同一であった。
【0063】[比較例10]比較例8において、油剤洗
浄処理を行うことなく、その他は比較例8と同様に操作
をして(但し印加電圧は−19KV/3cm×5分)、エ
レクトレットエアーフィルター材を得た。荷電直後の電
位は2.0Vであり、油剤は0.41%であり、目付及
び厚さは比較例4と同一であった。
【0064】[試験方法] 捕集効率 上記各実施例及び比較例のエレクトレットエアーフィル
ター材について、それぞれ80mmΦのフィルター面に毎
分15リットルの空気を通し、そのフィルター通過前後
の空気中に含まれる、0.3〜5μの微粒子の数をパー
ティクルカウンターで計数した。捕集効率は次の式で算
出した。
【0065】
【数1】捕集効率=(1−フィルター前個数/フィルタ
ー後個数)×100% そして試験開始直後、1日後及び7日後の捕集効率を測
定し、経時的な捕集効率の変化を見た。 圧力損失 各フィルター材に、15リットル/30mmΦで空気を通
し、フィルター材の通過による圧力損失を測定し、mmA
qで現した。
【0066】[試験結果]試験の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】 表1によれば、本発明により微粒子の捕集効率が高く、
且つその捕集効率が長期間維持され、経時的に捕集効率
が低下することがない。実施例においては表面電位を測
定しても安定したデータが得られなかったが、その表面
電位の大きさとは無関係に、極めて高い捕集効率を示し
た。
【0068】これに対し単一の繊維よりなるエアーフィ
ルター材に関する比較例1〜4,7〜10においては、
微粒子の捕集効率が低く、しかも経時的に捕集効率が低
下しているのである。ポリオレフィンを使用した比較例
3,7では、捕集効率の経時変化は小さいが、捕集効率
の値が小さい。
【0069】また2種類以上の繊維よりなるものであっ
ても、油剤除去操作を経ていないものは、比較例5に示
されるように捕集効率が極端に小さく、エレクトレット
エアーフィルター材としての効果を有しない。また帯電
処理を施していない比較例6においても捕集効率が小さ
い。
【0070】本発明において帯電処理の手段として、揉
み加工により行う方法と、高電圧を印加する方法とがあ
るが、実施例1と6との比較からも理解できるように、
揉み加工のほうが捕集効率が高いが、高電圧を印加する
方法によっても十分に高い捕集効率を有し、且つその経
時的低下が小さい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上の繊維からなる繊維シート材
    であって、当該繊維に油剤の付着が無く、且つ帯電せし
    められていることを特徴とする、エアーフィルター材
  2. 【請求項2】 前記繊維シート材が、ポリオレフィン繊
    維と、ポリ塩化ビニール又はポリ塩化ビニリデンの繊維
    とよりなることを特徴とする、請求項1に記載のエアー
    フィルター材
  3. 【請求項3】 2種類以上の繊維を混合して三次元的に
    交絡させて繊維シート材を形成し、当該繊維シート材に
    付着している油剤などを除去し、然る後前記繊維シート
    材に揉み加工を施して前記繊維に帯電させることを特徴
    とする、エアーフィルター材の製造方法
  4. 【請求項4】 2種類以上の繊維を混合して三次元的に
    交絡させて繊維シート材を形成し、当該繊維シート材に
    付着している油剤などを除去し、然る後前記繊維シート
    材に高電圧を印加して前記繊維に帯電させることを特徴
    とする、エアーフィルター材の製造方法
JP12054295A 1995-04-20 1995-04-20 エアーフィルター材及びその製造方法 Pending JPH08290026A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12054295A JPH08290026A (ja) 1995-04-20 1995-04-20 エアーフィルター材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12054295A JPH08290026A (ja) 1995-04-20 1995-04-20 エアーフィルター材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08290026A true JPH08290026A (ja) 1996-11-05

Family

ID=14788880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12054295A Pending JPH08290026A (ja) 1995-04-20 1995-04-20 エアーフィルター材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08290026A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999044720A1 (fr) * 1998-03-05 1999-09-10 Biosystems (E.U.R.L.) Dispositif et procede de filtration de l'air
JP2001286713A (ja) * 2000-03-16 2001-10-16 Nelson Ind Inc 流体内の粒子をろ過する方法、フィルタ媒体、および流体フィルタアセンブリ
JP2020106680A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 東英産業株式会社 繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999044720A1 (fr) * 1998-03-05 1999-09-10 Biosystems (E.U.R.L.) Dispositif et procede de filtration de l'air
FR2775616A1 (fr) * 1998-03-05 1999-09-10 Jack Daniel Joubert Dispositif et procede de filtration de l'air
JP2001286713A (ja) * 2000-03-16 2001-10-16 Nelson Ind Inc 流体内の粒子をろ過する方法、フィルタ媒体、および流体フィルタアセンブリ
JP4614033B2 (ja) * 2000-03-16 2011-01-19 ネルソン インダストリーズ インコーポレイテッド 流体フィルタアセンブリ
JP2020106680A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 東英産業株式会社 繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1099016B1 (en) Filter materials and methods for the production thereof
JP3566477B2 (ja) 静電フィルター
CN110947239A (zh) 一种熔纺无纺布滤材及其制备方法
JPH08290026A (ja) エアーフィルター材及びその製造方法
JPS6242715A (ja) 抗菌性を有するエレクトレツトフイルタ−用複合材料
KR100379599B1 (ko) 고유전율 부직포 및 그 제조방법
JP2003512147A (ja) 濾材およびその製造方法
JPH0363406B2 (ja)
JP2002001020A (ja) 濾 材
JPH05154318A (ja) 空気清浄器用集塵フィルタ
US6602457B1 (en) Process of making high dielectric non-woven fabrics
JPH119921A (ja) エアーフィルター材及びその製造方法
JP2006328586A (ja) エレクトレット、空気浄化用フィルター及びそれらの製造方法
JP2001137630A (ja) 空気清浄用フィルター
JPH06264361A (ja) エレクトレット不織布の製造方法
JP3166866B2 (ja) エレクトレット濾材
JP2001269520A (ja) 静電フイルター
JP2007007630A (ja) エレクトレット、空気浄化用フィルター及びそれらの製造方法
JP3288195B2 (ja) 接触吸着による集塵装置
JP3507691B2 (ja) エレクトレットフィルターおよび空気清浄機および水フィルターおよび浄水器および機能水生成機
KR100442988B1 (ko) 고유전율 정전 필터
JP2003509204A (ja) ろ過媒体およびその製造方法
JP2003129393A (ja) 有機系超極細繊維シート
Kievet Production and Applications of Split Fibre Electret Filters
KR840001246B1 (ko) 제전성 폴리에스터 부직포필터의 제조방법