JP2007007630A - エレクトレット、空気浄化用フィルター及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細塵捕集及び抗菌性において優れた性能を発揮するエレクトレット体及び気体浄化用フィルターを提供する。
【解決手段】(A)陽イオン性界面活性剤を含む0.05wt%以上0.15wt%以下含まれているエレクトレット、(B)ポリオレフィン系繊維を使用する事を特徴とする(A)に記載のエレクトレット、(C)二種以上の繊維を摩擦して帯電させる事によって製造するポリエステル系繊維材料あるいはアクリル繊維のいずれか、あるいはその両方を使用する事を特徴とする(A)あるいは(B)に記載のエレクトレット、(D)(A)〜(C)のいずれかに記載のエレクトレットを含むシートがプリーツ状又は波状に成型されてなることを特徴とする気体浄化フィルター。
【解決手段】(A)陽イオン性界面活性剤を含む0.05wt%以上0.15wt%以下含まれているエレクトレット、(B)ポリオレフィン系繊維を使用する事を特徴とする(A)に記載のエレクトレット、(C)二種以上の繊維を摩擦して帯電させる事によって製造するポリエステル系繊維材料あるいはアクリル繊維のいずれか、あるいはその両方を使用する事を特徴とする(A)あるいは(B)に記載のエレクトレット、(D)(A)〜(C)のいずれかに記載のエレクトレットを含むシートがプリーツ状又は波状に成型されてなることを特徴とする気体浄化フィルター。
Description
本発明は、主に気体中のトナー等の単一極性帯電粒子を高い効率で捕集する事が出来るエレクトレット、及びそれを用いた気体浄化フィルターに関するものである。
従来から、比較的長寿命の静電電荷が付与された誘電材料をエレクトレットと称し、一般に気体浄化フィルター等の分離材料、マスク等の衛生材料、マイクロフォン等の電子材料に利用している。気体浄化の分野でエレクトレットは、その静電気力により通常の繊維材料では除去しにくい微細塵を高効率で除去する事が出来るという特徴を有する。
人が生活する空間内には最近やかび等が浮遊しており、他の粉塵と同様に上記フィルターに捕捉されるが、捕捉された細菌やかびがフィルター内で繁殖して悪臭を発生する、あるいは再飛散を起こしてフィルターから空気中に放散されるという問題点がある。
エレクトレットに抗菌性を付与する場合、抗菌剤が表面に塗布されている繊維、あるいは樹脂中に練り込まれている繊維を用いる。ただ、抗菌剤が表面に塗布されている繊維の場合は比較的吸水性が高い抗菌剤が多量に表面に存在する為、繊維を荷電しても電荷が容易に漏洩してしまいエレクトレットとして十分に帯電しない。また、繊維樹脂中に練り込まれている場合は表面に十分に抗菌剤が存在せず、十分な抗菌性が得られない恐れがある。
上記の様な問題を解決する手段として、エレクトレットと抗菌不織布を積層する、あるいは積層に抗菌接着剤を用いる手段(特許文献1参照)やライナー部やフルート部に抗菌繊維を含むシートを用いる手段(特許文献2参照)があるが、フィルターの部分的な抗菌性は確保できるものの、エレクトレット上への細菌やかびが繁殖する可能性は否定出来ない。
本発明の目的は上記公知のエレクトレットの問題を解決し、抗菌性を有したエレクトレット及びそれを用いた気体浄化フィルターを簡便な方法で提供することにある。
本発明者は上記課題を解決する為にエレクトレットの作成方法を種々検討した結果、陽イオン性界面活性剤が表面に存在するエレクトレットが抗菌性を持つ事を見出した。陽イオン性界面活性剤がその表面がマイナスに帯電している細菌、糸状菌などを吸着する抗菌活性を有しているからであるが、帯電を妨げず、かつ抗菌性を付与するのに適当な量の陽イオン性界面活性剤を含む油剤成分がエレクトレット上に存在する事が重要である。
本発明者らは上記の知見を基に更に重ねて検討した結果、本発明に到達したものである。
本発明の好ましい実施形態は、エレクトレットが陽イオン性界面活性剤を含む油剤成分を0.05wt%以上0.15wt%以下を含む事である。
本発明の好ましい実施形態は、前記エレクトレットがポリオレフィン系繊維を含む事である。
本発明の好ましい実施形態は、前記エレクトレットがポリエステル系あるいはアクリル系繊維、あるいはその両方を含む事である。
本発明の好ましい実施形態は、前記エレクトレットが二種以上の繊維を摩擦して帯電させる事によって製造する事である。
本発明の好ましい実施形態は、気体浄化フィルターが前記エレクトレットを含むシートがプリーツ状又は波状に成型されてなることである。
本発明におけるエレクトレット体及び気体浄化用フィルターは、優れた微細塵除去性能を有すると同時に優れた抗菌性能を有するという利点がある。
エレクトレット上に陽イオン性界面活性剤を含む油剤成分を適切な量存在させる方法としては、陽イオン性界面活性剤を含む油剤成分がその製造工程で予め付着している短繊維等の繊維から不織布を製造して水、温水、アルコール等の溶剤を用いた洗浄により適切な量まで減じる方法、更には陽イオン性界面活性剤を含む油剤成分の溶液をディッピング、スプレー等により塗布し、更に乾燥して適切な量を担持する方法等がいずれも好ましく用いられる。繊維表面に存在するカチオン界面活性剤の種類については特に限定しないが、一般に知られている第四級アンモニウム塩や高級アミン塩等のいずれも好ましく用いられる。残留油剤中の陽イオン性界面活性剤の検出はエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフ等を用いて分離し、核磁気共鳴法や赤外分光法等の手法を用いて行う。
油剤残留量に関しては、JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定する。残留する油剤量は0.05wt%以上0.15wt%以下である事が好ましい。油剤残留量が0.15wt%より大きいと摩擦させても十分に帯電しない。油剤残留量が0.05wt%未満であれば繊維上に十分に陽イオン性界面活性剤が存在せず、抗菌性を十分に発現する事が出来ない。
本発明で用いられる繊維材料種については特に限定される物ではないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系繊維材料が好ましく用いられる。何故ならこれらの繊維は電気抵抗値が特に高く、電荷漏洩が小さい為より効率的に帯電するからである。
本発明で用いられるエレクトレットの製造法は特に限定されないが、二種以上の異なる短繊維を摩擦させ、その際に生ずる摩擦帯電を利用する方法、不織布やフィルム等にコロナ荷電する方法用いられ、特に前者の摩擦帯電を用いる方法が特に好ましく用いられる。使用する繊維について特に限定はしないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維材料、ポリオレフィン系繊維材料とアクリル繊維やモダクリル繊維材料等のアクリル系繊維材料のいずれか、あるいは両方をポリオレフィン系繊維材料と共に用いる事が特に好ましい。二種の短繊維の短繊維全体に占める含有率はそれぞれ、繊維全体に対して重量比として30〜70%の間が好ましく、40〜60%の間が更に好ましい。その範囲から外れると、効率的に帯電されず、結果的に得られるエレクトレットの微細塵除去性能が低くなる。短繊維としては陽イオン性界面活性剤を含む油剤が付着したものを用い、洗浄により繊維表面に存在する油剤量を調整してから摩擦帯電させる。洗浄により油剤量を調整するのは短繊維の状態、短繊維をカーディングしウェブ化した状態、不織布化した後の状態のいずれでも好ましい。摩擦帯電させる方法については特に限定しないが、ニードルパンチを用いて行う方法、凹凸があるロールを通過させて行う方法、手で揉む方法等がいずれも好ましく用いられる。シート状にする方法としては従来知られているニードルパンチ法、ウォーターパンチ法等のいずれも好ましく用いられる。
本発明におけるエレクトレットの目付は5〜300g/m2が好ましく、10〜200g/m2が更に好ましい。目付が高すぎるとフィルターとして用いた場合の圧力損失が大きくなり好ましくない。目付が低すぎると微細塵等の粒子除去性能が低くなり過ぎ実用的ではない。
本発明におけるエレクトレットに用いられる繊維の径は、要求される性能によって異なるが1〜100μmとするのが好ましく、1〜80μmであると更に好ましい。繊維の径が1μmより小さいとエレクトレットの圧力損失が高くなり過ぎ、繊維の径が大き過ぎると粒子捕集効率が大きく低下するので好ましくない。繊維の断面は円形、三角形、矩形、異形など種々の形状の物を使用出来る。
本発明のエレクトレットの使用方法については特に限定しないが、本発明の気体浄化フィルターは、上記エレクトレットのシートをプリーツ状や波状、ハニカム状に成型してなる事が好ましい。なお、その際にはエレクトレット単独ではなく、不織布や脱臭剤を含むシート等の材料を強度や除塵能力増強、脱臭や抗菌等の機能付与等の目的で積層する事も出来る。積層の方法としては単に重ねる以外に接着剤を用いる方法やニードルパンチ等により交絡させる方法が好ましく用いられる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
実施例及び比較例中のトナー捕集効率の値は以下の様に測定・算出した。空気を平面状のエレクトレットに対し、面に垂直方向に線速10cm/秒で通過させ、エレクトレットの上流部と下流部中の0.3μm粒子数(粒子径範囲:0.3〜0.5μm)をパーティクルカウンターを用いて測定し、エレクトレットの0.3μm粒子捕集効率を下記の式を用い算出した。
0.3μm粒子捕集効率(%)={1−出口0.3μm粒子数/入口0.3μm粒子数}×100
0.3μm粒子捕集効率(%)={1−出口0.3μm粒子数/入口0.3μm粒子数}×100
圧力損失の値は、平面状のシートに対しシート面と垂直方向に線速10cm/秒で通風した場合での値で、差圧計を用いて測定した。
圧力損失の値は、平面状のシートに対しシート面と垂直方向に線速10cm/秒で通風した場合での値で、差圧計を用いて測定した。
抗菌試験については、エレクトレットを一辺が50mmの正方形に切断し試験片とし、滅菌した液体ブイヨンに試験菌として黄色ブドウ菌を懸濁させ、この液を試験片上に0.2mL接種し、温度37℃で18時間培養した後取り出した。培養前後の試験片上の生菌数を測定し、菌数増減比を算出した。この菌数増減比が小さいほど抗菌性が高いと言える。
(実施例1)
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。シートをノニオン系界面活性剤を用いて洗浄後、乾燥した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させると目付37g/m2、圧力損失2.5Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ64%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.15重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は0.1以下と良好な値であった。
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。シートをノニオン系界面活性剤を用いて洗浄後、乾燥した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させると目付37g/m2、圧力損失2.5Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ64%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.15重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は0.1以下と良好な値であった。
(実施例2)
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径15μm・繊維長51mmのアクリル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。シートをノニオン系界面活性剤を用いて洗浄後、乾燥した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、目付35g/m2、圧力損失2.2Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ72%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.05重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は0.1以下と良好な値であった。
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径15μm・繊維長51mmのアクリル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。シートをノニオン系界面活性剤を用いて洗浄後、乾燥した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、目付35g/m2、圧力損失2.2Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ72%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.05重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は0.1以下と良好な値であった。
(比較例1)
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、得られたエレクトレット目付33g/m2、圧力損失2.3Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ32%と低い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.25重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は0.1以下と良好な値であった。
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、得られたエレクトレット目付33g/m2、圧力損失2.3Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ32%と低い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.25重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は0.1以下と良好な値であった。
(比較例2)
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、得られたエレクトレット目付34g/m2、圧力損失2.5Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ75%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.02重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は680と大きく、抗菌性は低かった。
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、得られたエレクトレット目付34g/m2、圧力損失2.5Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ75%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.02重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が含まれている事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は680と大きく、抗菌性は低かった。
(比較例3)
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、得られたエレクトレット目付35g/m2、圧力損失2.7Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ74%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.12重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤は全く含まれていない事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は840と大きく、抗菌性は低かった。
繊維径18μm・繊維長51mmのポリプロピレン短繊維と繊維径13μm・繊維長51mmのポリエステル短繊維とを重量比1:1で混合し、カーディング及びニードルパンチを用いて不織布シート化した。このシートをニードルパンチし摩擦帯電させ、得られたエレクトレット目付35g/m2、圧力損失2.7Paのエレクトレットが得られ、0.3μm粒子捕集効率を測定したところ74%と高い値であった。JIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出分法で測定した油剤成分の残留量がエレクトレットに対して0.12重量%であった。また、このエレクトレットをメタノール溶媒で抽出し、高速液体クロマトグラフを用いて分離し、核磁気共鳴法及び赤外分光法を用いて分析したところ陽イオン性界面活性剤は全く含まれていない事がわかった。抗菌性能を示す菌数増減比は840と大きく、抗菌性は低かった。
本発明におけるエレクトレット体及び気体浄化用フィルターは、特に微細塵の捕集において優れた性能を発現しかつ高い抗菌性を有しており、近年急速に普及している空気清浄機に対応することができるものであり、産業上の利用性は大である。
Claims (5)
- 陽イオン性界面活性剤を含む油剤成分が0.05wt%以上0.15wt%以下含まれている事を特徴とするエレクトレット。
- ポリオレフィン系繊維を含む事を特徴とする請求項1に記載のエレクトレット。
- ポリエステル系繊維、あるいはアクリル系繊維、あるいはその両方を含む事を特徴とする請求項1〜2に記載のエレクトレット。
- 二種以上の繊維を摩擦して帯電させる事によって製造する事を特徴とする請求項1〜3に記載のエレクトレット。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトレットを含むシートがプリーツ状又は波状に成型されてなることを特徴とする気体浄化フィルター。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005195353A JP2007007630A (ja) | 2005-07-04 | 2005-07-04 | エレクトレット、空気浄化用フィルター及びそれらの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014128758A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Ambic Co Ltd | エアーフィルター材及びその製造方法 |
JP2014208318A (ja) * | 2013-04-16 | 2014-11-06 | 東洋紡株式会社 | 抗菌性エレクトレットろ材 |
CN115093719A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-09-23 | 西南科技大学 | 用于放射性气溶胶净化的改性竹浆纤维驻极体材料的制备及应用 |
-
2005
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CN115093719B (zh) * | 2022-07-22 | 2024-01-05 | 西南科技大学 | 用于放射性气溶胶净化的改性竹浆纤维驻极体材料的制备及应用 |
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