JP4386696B2 - ファーブラシ、ファーブラシの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

ファーブラシ、ファーブラシの製造方法、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの、用紙・OHPフィルム等のシート材に画像を形成する画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置に備え、例えば像担持体などの被クリーニング回転体をクリーニングするクリーニング装置に関する。そのようなクリーニング装置に備えるファーブラシ、およびファーブラシの製造方法に関する。ならびに、そのようなクリーニング装置と、少なくとも像担持体とを備え、画像形成装置に対して一括して着脱自在とするプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、例えば帯電、書込みを行って像担持体(被クリーニング回転体)に静電潜像を形成し、その静電潜像にトナーを付着して現像することにより可視像化し、その可視像化することにより形成した像担持体上のトナー画像を転写して用紙に画像を形成していた。そして、その画像転写後の用紙を、定着装置を通すことにより、未定着転写画像を用紙に定着する一方、画像転写後の像担持体を、クリーニング装置でクリーニングしていた。
この種の画像形成装置で用いるクリーニング装置には、ファーブラシとクリーニングブレードとを備えるものがあった。そして、それらのファーブラシとクリーニングブレードとを像担持体に、それぞれ所定の圧力で押し当てて、画像転写後の像担持体をクリーニングしていた。そのようなファーブラシには、アクリルやナイロン製のフィラメントを複数よりあわせ、ループ状にした毛をローラの周面に複数有するものがあった。
ところで、このような画像形成装置にあっては、画像転写後の像担持体上には、残留トナー、用紙の紙粉などが付着することが避けられない。また、例えば、ロジン、Mg、Al、K、Naなどの用紙の微量添加物やコロナ放電等で発生する放電生成物は、像担持体表面に強固にそれぞれこびりつく。特に、後者の微量添加物や放電生成物は、除去することが困難である問題があった。
そこで、従来、上述のようなクリーニング装置を備える画像形成装置においては、像担持体表面に強固にこびりつく用紙の微量添加物や放電生成物を除去するため、ファーブラシを像担持体に押圧力4.9kPa以上で押し当てるものがあった。
特許2619424号公報(第3頁、図3)
しかし、像担持体に押圧力4.9kPa以上で押し当てると、毛のコシが強くて、個々の毛が柔軟にたわむことができず、それにより、ファーブラシが像担持体表面に均一に接触できず、像担持体表面に傷をつける問題があった。
さらに、ファーブラシが像担持体に均一に接触できないと、ムラのある摩擦帯電が発生し、像担持体表面に電位ムラが発生する場合がある。そのような場合、像担持体表面の電位が強い個所で、帯電したトナーが静電的に強固に付着して像担持体表面からはがれにくくなり、クリーニングブレードが早期に劣化する問題があった。
そこで、この発明の第1の目的は、ファーブラシを被クリーニング回転体に押し当てる押圧力を維持しつつ、ファーブラシが被クリーニング回転体表面に傷をつけることを防止し、クリーニング装置が備えるクリーニングブレードが早期に劣化することを防止することにある。
ところで、従来、例えばアクリルやナイロン製などのフィラメントを複数よりあわせた毛を有するファーブラシを用いていたが、そのようなファーブラシを長期間使用していると、フィラメントのトナー離型性が低いため、毛にトナーが固着する場合があった。そして、毛にトナーが固着すると、トナーとキャリアは静電的に引き付け合うため、図19に示すように(図19(A)において、矢印の先端個所にキャリアがある。また、図19(B)は、図19(A)と同様のものであるが、判りやすくするため、キャリアを白丸で表すとともに、濃淡を変えたものである。)、毛にキャリアも固着してしまう場合があった。そして、そのように、毛にトナーとキャリアが固着した状態で、ファーブラシを像担持体に押圧力4.9kPa以上で押し当てると、像担持体の表面に傷をつける問題があった。
そこで、この発明の第2の目的は、毛に、異物が容易に付着しないようにしてトナー離型性を高くし、被クリーニング回転体表面に傷をつけることを一層確実に防止することにある。
この発明の第3の目的は、ローラの周面に毛を設けることを簡単とすることにある。
この発明の第4の目的は、ファーブラシを被クリーニング回転体に押し当てる押圧力を維持しつつ、被クリーニング回転体表面に傷をつけることを一層確実に防止することにある。
この発明の第5の目的は、ファーブラシのクリーニング性を向上することにある。
この発明の第6の目的は、被クリーニング回転体に傷をつけることを一層確実に防止することができる、ファーブラシの製造方法を提供することにある。
この発明の第7の目的は、毛に樹脂が付着する長さを容易に変更できるようにして、こしの強い個所の長さと、適度にこしの弱い個所の長さとの比率を、容易に変更可能とする、ファーブラシの製造方法を提供することにある。
この発明の第8の目的は、クリーニング性を向上したファーブラシの製造方法を提供することにある。
この発明の第9の目的は、第6から8の目的を達成した、ファーブラシを提供することにある。
この発明の第10の目的は、上述した各目的を達成したファーブラシを備えるクリーニング装置を提供することにある。
この発明の第11の目的は、上述した目的を達成したクリーニング装置を備えるとともに、メンテナンス性を向上したプロセスカートリッジを提供することにある。
この発明の第12の目的は、上述した目的を達成したクリーニング装置を備える画像形成装置を提供することにある。
この発明の第13の目的は、第11の目的を達成したプロセスカートリッジを備える画像形成装置を提供することにある。
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
複数のフィラメントをよりあわせ、ループ状にした毛に樹脂を付着させることでフィラメントどうしを接着させ、ローラの周面に複数設けられたループ状にした毛の先端が被クリーニング回転体に接触されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、
請求項1に記載のファーブラシにおいて、
樹脂に、対水接触角が90°以上のものを用いてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、
請求項1または2に記載のファーブラシにおいて、
樹脂に、静止摩擦係数が0.1以下のものを用いてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、
請求項1ないし3のいずれか1に記載のファーブラシにおいて、
樹脂に、フッ素系樹脂を用いてなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、
請求項1ないし4のいずれか1に記載のファーブラシにおいて、
毛を植え付けた基布をローラに巻き付けてなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、
請求項5に記載のファーブラシにおいて、
樹脂に、粘度200mPa・s以下のものを用いてなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、
請求項5または6に記載のファーブラシにおいて、
毛の先端に樹脂を付着しないで毛の基部にのみ樹脂を含浸してなることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、
請求項7に記載のファーブラシにおいて、
含浸する樹脂の量を多くした方の腰の強い毛と、含浸する樹脂の量を少なくした方の腰の弱い毛とを混在して設けることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、
ファーブラシの製造方法において、
複数のフィラメントをよりあわせ、ループ状にした毛を帯状の基布に植え付け、その基布の裏側から毛に樹脂を含浸して樹脂を付着させることでフィラメントどうしを接着させてから、基布をローラに巻き付けてなることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、
請求項9に記載のファーブラシの製造方法において、
樹脂との接触角が異なる2種類以上の繊維で織った基布に毛を植え付けて後、基布の裏側から毛に樹脂を含浸してから、基布をローラに巻き付けてなることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、
請求項9に記載のファーブラシの製造方法において、
樹脂との接触角が異なる複数枚の布を組み合わせた基布に毛を植え付けて後、基布の裏側から毛に樹脂を含浸してから、基布をローラに巻き付けてなることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、
請求項9に記載のファーブラシの製造方法において、
樹脂との接触角が異なる複数本の毛を基布に植え付けてから、その基布の裏側から毛に樹脂を含浸して後、基布をローラに巻き付けてなることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、上述した第9の目的を達成すべく、
ファーブラシにおいて、
請求項9ないし12のいずれか1に記載の製造方法により製造してなることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、上述した第10の目的を達成すべく、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または13のいずれか1に記載のファーブラシを備えてなるクリーニング装置である、ことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、上述した第11の目的を達成すべく、
ファーブラシを被クリーニング回転体に押圧力4.9kPa以上で押し当て、請求項14に記載のクリーニング装置を備えてなるプロセスカートリッジである、ことを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、上述した第12の目的も達成すべく、
ファーブラシを被クリーニング回転体に押圧力4.9kPa以上で押し当て、請求項14に記載のクリーニング装置を備えてなる画像形成装置である、ことを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、上述した第13の目的も達成すべく、
請求項15に記載のプロセスカートリッジを備えてなる画像形成装置である、ことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、個々の毛に樹脂を付着し、その樹脂でフィラメントどうしを接着してなるので、細いフィラメントを用いて毛を形成することができ、個々の毛が柔軟にたわむことを可能とするから、ファーブラシを被クリーニング回転体に均一に接触することができ、クリーニング性能を向上するとともに、ファーブラシが被クリーニング回転体に傷をつけることを防止することができる。
加えて、細いフィラメントを用いて毛を形成しても、個々の毛に樹脂を付着し、その樹脂でフィラメントどうしを接着してなるので、細いフィラメントのこしをつよくして、被クリーニング回転体に、ファーブラシを押し当てる押圧力を維持することができる。
さらに加えて、ファーブラシが被クリーニング回転体に均一に接触できるので、ファーブラシによる被クリーニング回転体への摩擦帯電を一様とし、被クリーニング回転体に電位ムラが発生することを防止できるから、被クリーニング回転体表面に、局所的に電位が強い個所をなくして、帯電したトナーが静電的に強固に付着する個所をなくし、トナーが被クリーニング回転体表面から容易にはがれるようにして、クリーニング装置が備えるクリーニングブレードが早期に劣化することを防止することができる。
加えて、個々の毛に樹脂を付着し、その樹脂でフィラメントどうしを接着してなるのみであるから、構成を簡単として、安価なファーブラシを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、樹脂に、対水接触角が90°以上のものを用いてなるので、毛に、異物が容易に付着しないようにしてトナー離型性を高くし、毛にトナーおよびキャリアが固着することを防止できるから、被クリーニング回転体表面に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、樹脂に、静止摩擦係数が0.1以下のものを用いてなるので、毛に、異物が容易に付着しないようにしてトナー離型性を高くし、毛にトナーおよびキャリアが固着することを防止できるから、被クリーニング回転体表面に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、樹脂に、フッ素系樹脂を用いてなるので、毛に、異物が容易に付着しないようにしてトナー離型性を高くし、毛にトナーおよびキャリアが固着することを防止できるから、被クリーニング回転体表面に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、毛を植え付けた基布をローラに巻き付けてなるので、基布を用いてローラの周面に毛を設けることを簡単とすることができる。
請求項6に係る発明によれば、樹脂に、粘度200mPa・s以下のものを用いてなるので、基布の裏側からの樹脂の含浸を良好にでき、個々の毛に付着する樹脂の量をファーブラシ全体で均一にできるから、ファーブラシが被クリーニング回転体に一層均一に接触可能とし、クリーニング性能を一層向上するとともに、被クリーニング回転体に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
請求項7に係る発明によれば、毛の先端に樹脂を付着しないで、毛の基部にのみ樹脂を含浸してなるので、毛の基部のフィラメントにのみ樹脂を付着してこしを強くし、ファーブラシを被クリーニング回転体に押し当てる押圧力を維持しつつ、毛の先端側のこしを適度に弱くして、ファーブラシが被クリーニング回転体に一層均一に接触できるから、クリーニング性能を一層向上するとともに、被クリーニング回転体に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
請求項8に係る発明によれば、含浸する樹脂の量を多くした方の腰の強い毛と、含浸する樹脂の量を少なくした方の腰の弱い毛とを混在して設けるので、腰の強い毛で被クリーニング回転体表面を擦ったり掻きとったりして被クリーニング回転体表面から異物を除去し、腰の弱い毛で除去した異物を集めて搬送できるから、ファーブラシのクリーニング性を向上することができる。
請求項9に係る発明によれば、複数のフィラメントをよりあわせ、ループ状にした毛を帯状の基布に植え付け、その基布の裏側から毛に樹脂を含浸して樹脂を付着させることでフィラメントどうしを接着させてから、基布をローラに巻き付けてなるので、帯状とした状態の基布の裏側から毛に樹脂を含浸して、個々の毛に付着する樹脂の量をファーブラシ全体で均一にできるから、ファーブラシが被クリーニング回転体に一層均一に接触可能とし、クリーニング性能を一層向上するとともに、被クリーニング回転体に傷をつけることを一層確実に防止することができる、ファーブラシの製造方法を提供することができる。
請求項10に係る発明によれば、樹脂との接触角が異なる2種類以上の繊維で織った基布に毛を植え付けて後、基布の裏側から毛に樹脂を含浸してから、基布をローラに巻き付けてなるので、基布を介して毛に含浸する樹脂の量が、毛を植え付けた個所によって異なるから、含浸する樹脂の量を多くした腰の強い毛と、含浸する樹脂の量を少なくした腰の弱い毛とを混在して設けるファーブラシを製造でき、それにより、クリーニング性を向上したファーブラシの製造方法を提供することができる。
請求項11に係る発明によれば、樹脂との接触角が異なる複数枚の布を組み合わせた基布に毛を植え付けて後、基布の裏側から毛に樹脂を含浸してから、基布をローラに巻き付けてなるので、基布を介して毛に含浸する樹脂の量が、毛を植え付けた布によって異なるから、含浸する樹脂の量を多くした腰の強い毛と、含浸する樹脂の量を少なくした腰の弱い毛とを混在して設けるファーブラシを製造でき、それにより、クリーニング性を向上したファーブラシの製造方法を提供することができる。
請求項12に係る発明によれば、樹脂との接触角が異なる複数本の毛を基布に植え付けてから、その基布の裏側から毛に樹脂を含浸して後、基布をローラに巻き付けてなるので、毛と樹脂との接触角によって樹脂の含浸量が毛によって異なることにより、含浸する樹脂の量を多くした腰の強い毛と、含浸する樹脂の量を少なくした腰の弱い毛とを混在して設けるファーブラシを製造でき、それにより、クリーニング性を向上したファーブラシの製造方法を提供することができる。
請求項13に係る発明によれば、ファーブラシを、請求項9ないし12のいずれか1に記載の製造方法により製造してなるので、上述した各効果を有するファーブラシを提供することができる。
請求項14に係る発明によれば、クリーニング装置が、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または13のいずれか1に記載のファーブラシを備えてなるから、上述した各効果を有するファーブラシを備えるクリーニング装置を提供することができる。
請求項15に係る発明によれば、プロセスカートリッジが、ファーブラシを被クリーニング回転体に押圧力4.9kPa以上で押し当て、請求項14に記載のクリーニング装置を備えてなるから、上述した各効果を有するクリーニング装置を備えるとともにメンテナンス性を向上したプロセスカートリッジを提供することができる。
請求項16に係る発明によれば、画像形成装置が、ファーブラシを被クリーニング回転体に押圧力4.9kPa以上で押し当て、請求項14に記載のクリーニング装置を備えてなるから、上述した効果を有するクリーニング装置を備える画像形成装置を提供することができる。
請求項17に係る発明によれば、画像形成装置が、請求項15に記載のプロセスカートリッジを備えてなるから、上述した各効果を有するプロセスカートリッジを備える画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態について説明する。
図1には、この発明によるレーザ複写機の要部の概略構成を示す。
図中符号10は、像担持体であるドラム状の感光体である。図1から判るとおり、感光体(被クリーニング回転体)10のまわりには、その上に設ける帯電装置11から感光体10の矢印Aで示す回転方向に順に、右に現像装置12、下に転写・搬送装置13、左にクリーニング装置15などを設ける。
そして、コピーを取るときは、公知のとおり、不図示のコンタクトガラス上に原稿をセットしてから、コピースイッチを押し、図示しない画像読取装置で原稿の画像を読み取ると同時に、感光体10と転写・搬送装置13間に例えば用紙などのシート材を送り込む。
一方、感光体10は、例えば線速330mm/secで回転し、その回転にともない、帯電位置aで、表面を一様に帯電し、不図示の光書込み装置からレーザ光Lを照射して、書込位置bで表面に書き込みを行って、感光体10上に、上記読み取った原稿画像の静電潜像を形成し、続いて現像位置cで、現像剤を付着して、静電潜像を可視像化したトナー画像を形成する。そして、形成したトナー画像を、上述したとおり感光体10と転写・搬送装置13間の転写位置dで、搬送したシート材上に転写する。
転写後、シート材は、静電的に付着する感光体10から、分離爪14により、機械的に分離して後、不図示の定着装置へ搬送してそこで転写画像を定着し、不図示の排紙部へと排出する。なお、分離爪14に代えて、放電装置を設け、感光体から電気的に分離するようにしてもよい。
他方、画像転写後の感光体10は、表面に残った残留トナーをクリーニング位置eで、クリーニング装置15に備えるファーブラシ16とクリーニングブレード17で除去して表面をクリーニングして後、除電位置fで、除電ランプ18により除電して表面電位を初期化する。
さて、上述した現像装置12は、上部側に現像剤収容部21を設け、下部側に現像剤担持部22を設けて構成する。
現像剤収容部21には、キャリアとトナーとよりなる乾式二成分現像剤が、トナー補給部24から補給口25を介して補給されて、その現像剤を収容する。また、現像剤収容部21には、現像剤を撹拌しながら現像剤担持部22へ搬送する搬送スクリュー23を設ける。
一方、現像剤担持部22には、現像アジテータ28、撹拌ローラ29、例えば2つの現像剤担持体30A・30Bなどを設ける。
現像アジテータ28は、搬送スクリュー23から搬送された現像剤を、撹拌しつつ、撹拌ローラ29へ搬送する。
撹拌ローラ29は、現像アジテータ28から搬送された現像剤を、撹拌しつつ、現像剤担持体30A・30Bへ搬送する。
現像剤担持体30A・30Bは、それぞれ内部に磁石を有し、ローラ状をしている。上に設ける現像剤担持体30Aは、現像剤供給量規制部材31によって、現像剤担持体30Aで担持する現像剤を薄層化して、感光体10へ現像剤を供給する。一方、下に設ける現像剤担持体30Bは、上に設ける現像剤担持体30Aによって、現像剤担持体30Bで担持する現像剤を薄層化して、感光体10へ現像剤を供給する。
また、クリーニング装置15には、詳しくは図2に示すように、クリーニングケース部15aに、感光体10と対向して開口15bを設ける。その開口15bの感光体回転方向上流側にはファーブラシ16を、感光体回転方向下流側には、クリーニングブレード17を設ける。そして、ファーブラシ16とクリーニングブレード17で、感光体10上の残留トナーを除去して、画像転写後の感光体10をクリーニングする。
そのクリーニングブレード17は、例えば細長な矩形状をし、ウレタンゴム製で、上端をブレードホルダ34に接着して設ける。そのブレードホルダ34は、例えば細長で、断面L字状に設け、ブラケット35にねじ止めする。
そのブラケット35には、例えば細長で、断面略L字状の本体部35aを設ける。その本体部35aの両端にはそれぞれ、本体部35aの長さ方向に対して垂直に、略矩形状の支持部35bを設ける。
それらの支持部35bの先端には、それぞれ軸部35cを突き立てて、それらの軸部35cを外向きに設ける。それらの軸部35cは、複写機本体が備える側板Fに設けた不図示の孔にそれぞれ通して、クリーニングブレード17を軸部35c中心に、図中矢印の方向に回動自在とする。
さて、ブラケット35の本体部35aのほぼ中央には、舌片Jを設けて、その舌片Jには、バネ43の一端を取り付ける。一方、バネ43の他端は、複写機本体内の固定ブラケット44に取り付けて、クリーニングブレード17を感光体10に所定の圧力で押し当てる。
一方、クリーニング装置15のファーブラシ16は、感光体10に押圧力4.9kPa以上で押し当てる。このとき、ファーブラシ16に設ける毛の先端が、所定の長さ感光体10に食い込むようにする。
また、クリーニング装置15には、クリーニングケース部15a内に、ファーブラシ16とクリーニングブレード17とで除去した残留トナーを、感光体10の幅方向に搬送するコイル状のトナー搬送部材32を備える。
さらに、この複写機には、クリーニング装置15で回収した残留トナーを、パイプ等で形成した搬送通路を通して、スクリュ・コイル・ベルト等の搬送部材を用いたり重力を利用したりして現像装置12の現像剤収容部21へと戻す不図示のトナーリサイクル装置を備える。
そして、コピー時、図1に示す現像装置12では、不図示の駆動モータを駆動し、その駆動を伝達して、搬送スクリュー23、現像アジテータ28、撹拌ローラ29、現像剤担持体30A・30Bをそれぞれ回転する。
それにより、現像剤収容部21内に収納する現像剤を撹拌し、トナーとキャリアを摩擦帯電しながら、現像剤担持部22へと搬送する。その後、現像剤担持部22内の現像剤を、同様に撹拌しながら、現像アジテータ28、撹拌ローラ29を介して、現像剤担持体30A・30Bへ搬送する。
一方、現像剤担持体30A・30Bには、所定バイアスを印加して、現像剤担持体30A・30B上に現像剤を付着する。そして、現像剤担持体30A・30Bの回転とともに、それらで担持する現像剤をそれぞれ薄層化してから、その薄層化後の現像剤中のトナーを、感光体10上に形成した静電潜像に静電的に付着し、感光体10上に可視像化したトナー画像を形成する。
また、クリーニング装置15では、感光体10の矢印Aで示す時計まわりの回転とともに、ファーブラシ16を反時計まわりに回転し、ファーブラシ16とクリーニングブレード17とで、残留トナーを除去する。このとき、ファーブラシ16は、感光体10と接触する位置で、同方向に回転するので、クリーニングケース部15a内から残留トナーが漏れることを防止しつつ、残留トナーを、保持部15c内に溜める。
その保持部15c内の残留トナーは、トナー搬送部材32の時計まわりの回転駆動によりただちに搬送して、クリーニングケース部15a内の手前側に集め、トナーリサイクル装置で現像装置12に戻す。
なお、このような複写機において、例えば感光体10と帯電装置11と現像装置12とクリーニング装置15とをカートリッジケース内に備えて一体化し、プロセスカートリッジ45を形成してもよい。そして、そのプロセスカートリッジ45を、複写機装置本体100に対して例えば正面側から出し入れして一括して着脱自在とする。
図3には、そのプロセスカートリッジ45を複写機装置本体100に取り付ける状態を示す。
プロセスカートリッジ45は、図示するように、上部取手46と手前取手47とを持って、装置本体100正面側から図中矢示する方向に挿入する。このプロセスカートリッジ45の手前上部には、不図示のバネにより上方に付勢してボタン状のストッパ48を設ける。そして、装置本体100内にプロセスカートリッジ45を完全に挿入したとき、そのストッパ48を装置本体100の前側板49に引っ掛けて、掛け止めセットされるようにする。
図4には、プロセスカートリッジ45を、複写機装置本体100から取り出す状態を示す。
この図4から判るとおり、プロセスカートリッジ45を取り出すときは、ストッパ48に指を当ててそれを押し込み、前側板49に対する引っ掛けを解除して後、装置本体100から図中矢示する手前側に引き出す。
そのような複写機が備えるファーブラシ16において、図5には、ファーブラシ16を軸方向の一端側から見た構成を、図6には、ファーブラシ16の周面の一部を拡大したものを、図7には、ファーブラシ16の表面をさらに拡大したものを、図8には、ファーブラシ16が有する毛19を、図9には、その毛19の1本を拡大したものを、それぞれ示す。
ファーブラシ16は、例えば円柱状のローラ52の両端に回転軸16aを設け、ローラ52の表面には基布53を巻き付ける。その基布53には、例えばポリエステル、ポリプロピレン製などの毛19を植え付ける。
また、毛19は、図9に示すように、複数のフィラメント54をよりあわせてループ状にし、例えば図8(A)に示すようにしても良いし、図8(A)のようにして後、毛19をそれぞれ例えば2回よじって、図8(B)に示すようにしても良い。よって、ローラ52の周面には、ループ状にした毛19を複数設ける。
そして、このようなファーブラシ16には、例えば、スチレンブタジエンラテックスなどの樹脂を例えばスプレーすることによって、個々の毛19に樹脂55を付着し、その樹脂55でフィラメント54どうしを接着して、図10(A)、または図10(B)に示すようにする。
よって、個々の毛19に樹脂55を付着し、その樹脂55でフィラメント54どうしを接着して、毛19のこしを強くするので、毛19のフィラメント54を細くすることができる。例えば15D(デニール)のフィラメント54を用いていたものを、例えば10Dのフィラメント54を用いることができる。したがって、そのようにフィラメント54を細くすれば、個々の毛19が柔軟にたわむことを可能とするから、ファーブラシ16が感光体10に均一に接触することができ、クリーニング性能を向上するとともに、ファーブラシ16が感光体10に傷をつけることを防止することができる。
なお、樹脂55をスプレーする代りに、ファーブラシ16を樹脂55にどぶ漬けして、個々の毛19に樹脂55を付着し、その樹脂55でフィラメント54どうしを接着しても良いし、ファーブラシ16を樹脂55にどぶ漬けしてから毛19をしごいて、個々の毛19に樹脂55を付着し、その樹脂55でフィラメント54どうしを接着してもよい。
また、樹脂55に、対水接触角が90°以上のものを用いたり、静止摩擦係数が0.1以下のものを用いたり、フッ素系のものを用いたりすれば、毛19に異物が容易に付着しないようにしてトナー離型性を高くし、毛19にトナーおよびキャリアが固着することを防止できるから、感光体10表面に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
次に、ファーブラシ16の別の例を説明する。準備として、基布53に帯状のものを用意してから、その基布53に、ナイロン製のものを導電化した毛19を複数植え付ける。
その後、毛管現象を利用して、基布53の裏側から毛19に樹脂55を含浸する。その樹脂55には、フッ素系樹脂である例えば四フッ化フッ素系樹脂塗料(商品名:デュフロン4Fフレッシュ(日本ペイント株式会社製))を溶剤(商品名:デュフロンシンナー(日本ペイント株式会社製))で希釈したものを用いる。そのようにした樹脂55は、例えば対水接触角が110°、静止摩擦係数が0.05である。
また、基布53の裏側から樹脂55を含浸するとき、例えば毛19の基部にのみ樹脂55を含浸し、毛19の先端に樹脂55を付着しないようにして、図11のようにする。そのようにした毛19の基部を、図12に示す。図12より判るとおり、フィラメント54とフィラメント54の間隙には、樹脂55が充填され、その樹脂55でフィラメント54どうしを接着している。
その後、図13に示すように、帯状の基布53をローラ52に巻き付けてから、図1で示したものと同様に、クリーニング装置15のクリーニングケース部15aに取り付けて、ファーブラシ16を感光体10に押圧力4.9kPa以上で押し当てる。
そのときのファーブラシ16は、図14に示すように、樹脂55を含浸した毛19の基部に、感光体10が接触しないようにし、樹脂55を付着しない毛19の先端が、感光体10に接触するようにする。
このようにして、毛19を帯状の基布53に植え付け、その基布53の裏側から毛19に樹脂55を含浸してから、基布53をローラ52に巻き付けてなるので、個々の毛19に付着する樹脂の量をファーブラシ16全体で均一にできるから、ファーブラシ16が感光体10に一層均一に接触可能とし、クリーニング性能を一層向上するとともに、ファーブラシ16が感光体10に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
また、毛19の先端に樹脂55を付着しないで、毛19の基部にのみ樹脂55を含浸してなるので、毛19の基部のフィラメント54にのみ樹脂55を付着して、毛19の基部のこしを強くして、ファーブラシ16を感光体10に押し当てる押圧力を維持しつつ、毛19の先端側のこしを適度に弱くして、ファーブラシ16が感光体10に一層均一に接触できるから、クリーニング性能を一層向上するとともに、感光体10に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
なお、樹脂55に、粘度200mPa・s以上のものを用いると、毛管現象を利用した基布53の裏側からの樹脂55の含浸が不十分となって、樹脂55によるフィラメント54どうしの接着が不十分となった。
そこで、樹脂55に、粘度200mPa・s以下のものを用いれば、基布53の裏側からの樹脂55の含浸を良好として、個々の毛19に付着する樹脂55の量をファーブラシ16全体で均一にできるから、ファーブラシ16が感光体10に一層均一に接触可能とし、クリーニング性能を一層向上するとともに、感光体10に傷をつけることを一層確実に防止することができる。
また、樹脂に、粘度100mPa・s以下のものを用いれば、前述の効果を一層増すことができ、さらに、樹脂に、粘度20〜50mPa・sのものを用いれば、前述の効果をより一層増すことができる。
なお、上述した例では、基布53に帯状のものを用い、その基布53の裏側から樹脂55を含浸して、フィラメント54に付着し、樹脂55でフィラメント54どうしを接着してから、ローラ52に巻き付けるものを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、樹脂55が浸透する材料で円筒状のローラを構成すれば、ローラに基布53を巻き付けてから、円筒状のローラの内部に樹脂を入れ、そのローラを通して、基布53の裏側から樹脂を含浸してフィラメント54に付着し、樹脂でフィラメント54どうしを接着してもよい。
次に、ファーブラシ16のさらに別の例を説明する。準備として、基布53に帯状のものを用意してから、その基布53に、ナイロン製のものを導電化した毛19を植え付ける。そして、樹脂55には、水系ウレタンエラストマーと架橋剤エポキシとを混合したものを用意する。
そして、毛管現象を利用して、図15に示すように、フィラメント54に樹脂55を含浸する。このとき、毛管現象により、樹脂55が含浸する高さh[m]は、以下の近似式になる。
h=4σ・cosθ/{a・(ρ1−ρ2)・d}
その式において、σ[N/m]は、樹脂55の表面張力を表し、θ[°]は、毛19と樹脂55との接触角を表し、a[m/sec]は、そのときの樹脂55に作用する加速度を示し、ρ1[kg/m]は樹脂55の密度を示し、ρ2[kg/m]は、雰囲気の密度を示し、d[m]はフィラメント54の間隔をそれぞれ示す。なお、フィラメント54とフィラメント54との間隙を管とみなす。
そして、例えば樹脂55を変更して表面張力の小さい樹脂55を用いたり、展着剤を添加したりして、樹脂55の表面張力σを変更することにより、樹脂55が含浸する高さを調節することができる。
また、例えばフィラメント54をナイロン製のものからポリエチレン製のものに代えることで毛19の表面エネルギーを変更して(ナイロンの表面エネルギーは46×10−7N/m、ポリエチレンの表面エネルギーは31×10−7N/m)、毛19と樹脂55との接触角θを変更(濡れ性を変更)することにより、樹脂55が含浸する高さを調節することができる。
さらに、樹脂55を変更して、樹脂55の密度ρ1を変更することにより、樹脂55が含浸する高さを調節することができる。
また、例えば10D(デニール)のフィラメント54を32本用いて320D/32Fとしていた毛19を、5Dのフィラメント54を64本用いて320D/64Fとして、フィラメント54を細くしたり、毛19の長さは同じままとして、毛19をよじる回数を変えたりして、フィラメント54の間隔dを変更することにより、樹脂55が含浸する高さを調節することができる。
さらに、毛に樹脂を含浸するとき、雰囲気ρ2の密度を変更することにより、樹脂55が含浸する高さを調節することができる。
また、基布53の裏側から樹脂55を含浸して後、その基布53を回転部材に取り付けてから回転部材を回転して、そのときの単位時間当たりの回転数を変えたり、基布53を板状部材に取り付けてから板状部材を鉛直方向上側、または鉛直方向下側に移動して、そのときの移動速度を変えたりして、毛19に樹脂55を含浸するとき、樹脂55に作用する加速度aを変更することにより、樹脂55が毛19に含浸する高さを調節することができる。
そして、それらのようにして、毛19に含浸する樹脂55の長さを調節し、個々の毛19に樹脂55を付着してから、図13で示したものと同様に、帯状の基布53をローラ52に巻き付ける。その後、図1で示したものと同様に、クリーニング装置15のクリーニングケース部15に取り付けて、ファーブラシ16を感光体10に押圧力4.9kPa以上で押し当てる。
次に、ファーブラシ16のさらにまた別の例を説明する。先ず、樹脂55との接触角が異なる2種類の繊維、すなわち一の原料の繊維57と、他の原料の繊維58とを用意する。そして、基布53の縦糸には一の原料の繊維57のみを用い、基布53の横糸には一の原料の繊維57と他の原料の繊維58とを幅3mm毎に変更して用い、帯状の基布53を織る。
その後、その基布53に毛19を植え付けて後、基布53の裏側から毛19に樹脂55を含浸してから、図13に示すように基布53をローラ52に巻き付けて、図16(A)(B)に示すファーブラシ16を構成しても良い。
このファーブラシ16において、基布53を介して毛19に含浸する樹脂55の量は、一の原料の繊維57と他の原料の繊維58とで編んだ個所は多く、一の原料の繊維58のみで編んだ個所は少ない。よって、毛19を植え付けた個所の繊維57・58により、樹脂55の含浸量が異なるから、含浸する樹脂55の量を多くした腰の強い毛19aと、含浸する樹脂55の量を少なくした腰の弱い毛19bとを混在して設ける。
図示例のファーブラシ16では、帯状の基布53の周方向に沿って、腰の強い毛を設ける個所59と、腰の弱い毛を設ける個所60とを交互に設けている。
このようなファーブラシ16のクリーニング時、腰の強い毛19aで感光体10表面を擦ったり掻きとったりして感光体10表面から異物を除去し、腰の弱い毛19bで除去した異物を集めて搬送できるから、ファーブラシ16のクリーニング性を向上することができる。
なお、この例では、樹脂55との接触角が異なる2種類の繊維57・58を用いて基布53を織るものを説明したが、この発明はそれに限られず、2種類以上であれば、何種類用いても良い。
次に、ファーブラシ16のまた別の例を説明する。先ず、樹脂55との接触角が異なる2枚の細長い帯状の一の布61と他の布62を用意してから、それらの布61・62を組み合わせて、1枚の帯状の基布53を構成する。
その後、その基布53に毛19を植え付けて後、基布53の裏側から毛19に樹脂55を含浸してから、図13に示すように基布53をローラ52に巻き付けて、図17(A)および(B)に示すファーブラシ16を構成しても良い。
このファーブラシ16において、基布53を介して毛19に含浸する樹脂55の量は、一の布61に植え付けた毛19では多く、他の布62に植え付けた毛19では少ない。よって、毛19を植え付けた布61・62により、樹脂55の含浸量が異なるから、含浸する樹脂55の量を多くした方の腰の強い毛19aと、含浸する樹脂55の量を少なくした方の腰の弱い毛19bとを混在して設ける。
図示例のファーブラシ16では、ファーブラシ16の周面に、腰の強い毛を設ける個所59と、腰の弱い毛を設ける個所60とをそれぞれ螺旋状に設けている。
このようなファーブラシ16のクリーニング時、腰の強い毛19aで感光体10表面を擦ったり掻きとったりして感光体10表面から異物を除去し、腰の弱い毛19bで除去した異物を集めて搬送できるから、ファーブラシ16のクリーニング性を向上することができる。
なお、この例では、2枚の布61・62を組み合わせるものを説明したが、この発明はそれに限られず、2枚以上の複数枚であれば、何枚組み合わせても良い。
次に、ファーブラシ16のさらにまた別の例を説明する。先ず、帯状の1枚の基布53を用意してから、その基布53に樹脂55との接触角が異なる一の原料を用いて製造した毛19と、他の原料を用いて製造した毛19とを規則性を設けずに複数本ずつ植え付ける。その後、基布53の裏側から毛19に樹脂55を含浸してから、図13に示すように基布53をローラ52に巻き付けて、図18(A)および(B)に示すファーブラシ16を構成しても良い。
このファーブラシ16において、基布53を介して毛19に含浸する樹脂55の量は、一の原料を用いて製造した毛19では多く、他の原料を用いて製造した毛19では少ない。よって、毛19と樹脂55との接触角により、樹脂55の含浸量が異なるから、含浸する樹脂55の量を多くした腰の強い毛19aと、含浸する樹脂55の量を少なくした腰の弱い毛19bとを混在して設ける。
そのようなファーブラシ16は、図18(A)に示すように、黒く塗りつぶした個所に、含浸する樹脂55の量を多くした腰の強い毛19aを設け、ハッチングを施した個所に、含浸する樹脂55の量を少なくした腰の弱い毛19bを設ける。
このようなファーブラシ16のクリーニング時、腰の強い毛19aで感光体10表面を擦ったり掻きとったりして感光体10表面から異物を除去し、腰の弱い毛19bで除去した異物を集めて搬送できるから、ファーブラシ16のクリーニング性を向上することができる。
なお、上述した例では、像担持体としてドラム状の感光体10で説明したが、この発明はそれに限られず、像担持体として、複数のローラに掛け回したベルト状のものを用いた場合にも適用し得る。
さらに、上述した例では、この発明をクリーニング装置15に適用し、被クリーニング回転体が感光体10である場合について説明したが、この発明はそれに限られず、帯電装置11や転写・搬送装置13などに適用し、被クリーニング回転体を帯電装置11の帯電ローラや転写・搬送装置13の転写ローラなどとすることもできる。
この発明によるレーザ複写機の要部の概略構成図である。 そのレーザ複写機が備えるクリーニング装置の概略構成図である。 そのレーザ複写機が備えるプロセスカートリッジを、複写機装置本体に取り付ける状態を示す斜視図である。 そのプロセスカートリッジを複写機装置本体から取り外す状態を示す斜視図である。 そのクリーニング装置が備えるファーブラシを一端側から見た構成図である。 そのファーブラシの周面の一部の拡大図である。 その周面をさらに拡大した拡大図である。 そのファーブラシが有する毛の拡大斜視図である。 その毛の1本の拡大図である。 そのファーブラシにおいて、個々の毛に樹脂を付着し、その樹脂でフィラメントどうしを接着した後の毛の拡大斜視図である。 そのクリーニング装置が備える別のファーブラシが有する毛の斜視図である。 その毛の断面斜視図である。 帯状の基布をローラに巻き付けることを示す説明図である。 そのファーブラシを使用するときを示す説明図である。 毛に樹脂を含浸するときを示す説明図である。 (A)および(B)は、ファーブラシの別の例の説明図である。 (A)および(B)は、ファーブラシのまた別の例の説明図である。 (A)および(B)は、ファーブラシのさらにまた別の例の説明図である。 (A)および(B)は、毛にキャリアが固着することを示す説明図である。
符号の説明
10 感光体(被クリーニング回転体)
15 クリーニング装置
16 ファーブラシ
19 毛
19a 腰の強い毛
19b 腰の弱い毛
45 プロセスカートリッジ
52 ローラ
53 基布
54 フィラメント
55 樹脂
58 一の原料の繊維(繊維)
59 他の原料の繊維(繊維)
61 一の布(布)
62 他の布(布)
100 複写機装置本体(画像形成装置本体)
h 樹脂が含浸する高さ
σ 樹脂の表面張力
θ 毛と樹脂との接触角
a 樹脂を含浸するときの樹脂に作用する加速度
ρ1 樹脂の密度
ρ2 雰囲気の密度
d フィラメントの間隔

Claims (17)

  1. 複数のフィラメントをよりあわせ、ループ状にした毛に樹脂を付着させることで前記フィラメントどうしを接着させ、ローラの周面に複数設けられた前記ループ状にした毛の先端が被クリーニング回転体に接触されることを特徴とする、ファーブラシ。
  2. 前記樹脂に、対水接触角が90°以上のものを用いてなることを特徴とする、請求項1に記載のファーブラシ。
  3. 前記樹脂に、静止摩擦係数が0.1以下のものを用いてなることを特徴とする、請求項1または2に記載のファーブラシ。
  4. 前記樹脂に、フッ素系樹脂を用いてなることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載のファーブラシ。
  5. 前記毛を植え付けた基布を前記ローラに巻き付けてなることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1に記載のファーブラシ。
  6. 前記樹脂に、粘度200mPa・s以下のものを用いてなることを特徴とする、請求項5に記載のファーブラシ。
  7. 前記毛の先端に前記樹脂を付着しないで、前記毛の基部にのみ前記樹脂を含浸してなることを特徴とする、請求項5または6に記載のファーブラシ。
  8. 含浸する前記樹脂の量を多くした方の腰の強い前記毛と含浸する前記樹脂の量を少なくした方の腰の弱い前記毛とを混在して設けることを特徴とする、請求項7に記載のファーブラシ。
  9. 複数のフィラメントをよりあわせ、ループ状にした毛を帯状の基布に植え付け、その基布の裏側から前記毛に樹脂を含浸して樹脂を付着させることで前記フィラメントどうしを接着させてから、前記基布をローラに巻き付けてなることを特徴とする、ファーブラシの製造方法。
  10. 前記樹脂との接触角が異なる2種類以上の繊維で織った前記基布に前記毛を植え付けて後、前記基布の裏側から前記毛に前記樹脂を含浸してから、前記基布を前記ローラに巻き付けてなることを特徴とする、請求項9に記載のファーブラシの製造方法。
  11. 前記樹脂との接触角が異なる複数枚の布を組み合わせた前記基布に前記毛を植え付けて後、前記基布の裏側から前記毛に前記樹脂を含浸してから、前記基布を前記ローラに巻き付けてなることを特徴とする、請求項9に記載のファーブラシの製造方法。
  12. 前記樹脂との接触角が異なる複数本の前記毛を前記基布に植え付けてから、その基布の裏側から前記毛に樹脂を含浸して後、前記基布を前記ローラに巻き付けてなることを特徴とする、請求項9に記載のファーブラシの製造方法。
  13. 請求項9ないし12のいずれか1に記載の製造方法により製造してなることを特徴とする、ファーブラシ。
  14. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または13のいずれか1に記載のファーブラシを備えてなることを特徴とする、クリーニング装置。
  15. 前記ファーブラシを被クリーニング回転体に押圧力4.9kPa以上で押し当て請求項14に記載のクリーニング装置を備えてなることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
  16. 前記ファーブラシを被クリーニング回転体に押圧力4.9kPa以上で押し当て、請求項14に記載のクリーニング装置を備えてなることを特徴とする、画像形成装置。
  17. 請求項15に記載のプロセスカートリッジを備えてなることを特徴とする、画像形成装置。
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