JP2000206850A - 画像形成装置の紙粉除去装置 - Google Patents

画像形成装置の紙粉除去装置

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JP2000206850A
JP2000206850A JP11009266A JP926699A JP2000206850A JP 2000206850 A JP2000206850 A JP 2000206850A JP 11009266 A JP11009266 A JP 11009266A JP 926699 A JP926699 A JP 926699A JP 2000206850 A JP2000206850 A JP 2000206850A
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Takefumi Fuwasaki
丈史 普輪▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写媒体として酸性紙を使用した場合でも、
感光体上にフィルミングを発生させることなく、繊維及
びタルク等の填料からなる紙粉を良好に除去することの
できる、画像形成装置の紙粉除去装置を提供する。 【解決手段】 紙粉除去装置80は、ケース82と、発
泡弾性体84と、油剤を含浸させた不織布86とで構成
される。発泡弾性体84は、一端がケース82に固定さ
れ、他端が感光ドラム20に向けて突設しており、感光
ドラム20の幅方向に細長い長尺形状である。不織布8
6は、発泡弾性体84のほぼ全体を覆うように接着され
る。紙粉粉除去装置80は、感光ドラム20の移動時
に、発泡弾性体84の角部で不織布86が感光ドラム2
0に接触するように配置される。この結果、接触面積及
び押圧力を減らすことができ、感光ドラム20の填料に
よるフィルミングを防止しつつ、紙粉を良好に除去する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー像を転写媒
体への転写位置まで担持搬送する感光体または中間転写
体に接触し、感光体または中間転写体上の紙粉を除去す
る、画像形成装置の紙粉除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体あるいは中間転写体上のトナー像
を、紙等の転写媒体に転写して画像を形成する電子写真
方式の画像形成装置において、感光体あるいは中間転写
体上の転写残トナーをブレード等で掻き取らずに、現像
器で回収して再使用するという、いわゆるクリーナーレ
ス現象という方式がある。このような方式では、紙から
出る紙粉も現像器によって回収され、その紙粉に起因す
る印字不良が発生した。そこで、この種の画像形成装置
では、転写装置と現像器との間に紙粉除去装置を設ける
という方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この紙粉除去装置とし
ては、(1)回転式のブラシローラ、(2)ブラシ繊維
をループ状に形成した回転式のブラシローラ(特開平1
−116677号公報参照)、(3)ゴムローラの表面
に不織布を被覆した回転式の不織布ローラ(実開昭62
−181973号公報参照)が提案されているが、これ
ら(1)〜(3)の装置は、下記に述べる問題を有して
いた。
【0004】それは、(1)又は(2)の装置では、紙
粉に含まれる繊維は良好に取り除くことができたが、転
写媒体として酸性紙を使用した場合、酸性紙に含まれる
タルク等の填料は、ブラシでは充分に取り除くことがで
きず、その結果、現像器に混入したタルクが原因で、白
地にカブリが生じるといった画像不良を引き起こすとい
う問題を有していた。
【0005】また、(3)の装置では、不織布を感光体
に強く押圧(圧接)する。そのため、タルク等の填料も
捕捉することができるが、不織布が紙粉を感光体に擦り
つけるため、柔らかいタルクが引き延ばされて感光体の
表面にフィルミングが発生し、感光体の性能が低下する
といった問題を有していた。
【0006】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、転写媒体として酸性紙を使用した場合でも、
感光体上にフィルミングを発生させることなく、繊維及
びタルク等の填料からなる紙粉を良好に除去することの
できる、画像形成装置の紙粉除去装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】かかる目
的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、感
光体上に形成した静電潜像を現像剤により現像して可視
像を形成し、該可視像を紙等の転写媒体に転写すること
により、該転写媒体に画像を形成する画像形成装置にお
いて、前記画像の転写位置まで前記可視像を担持搬送す
る可視像担持体から紙粉を除去するための紙粉除去装置
であって、前記可視像担持体の移動経路近傍に固定配置
され、前記可視像担持体の移動方向と交差する方向に長
尺状に形成された弾性体からなる基材と、該基材と前記
可視像担持体との間に配置され、前記基材から付勢力を
受けて前記可視像担持体に接触する、不織布,織物また
は編物からなる接触部材と、を備えたことを特徴とす
る。
【0008】本発明(請求項1)記載の画像形成装置の
紙粉除去装置によれば、接触部材として、繊維が交絡す
る構造を有する不織布,織物又は編物を用いるため、接
触部材によって紙粉の繊維成分と填料成分の両方を絡め
とることができる。また、基材の弾性体は、可視像担持
体の移動と交差する方向に、弾性変形可能な長尺状に形
成されるので、弾性体に不織布,織物または編物からな
る接触部材を取り付けて、可視像担持体の移動時に、接
触部材が可視像担持体に接触するように固定配置すれ
ば、基材から付勢力を受けた接触部材は、たわんで可視
像担持体に接触する。そのため、接触部材が可視像担持
体に接触するときの押圧力を著しく減らすことができ、
紙粉を感光体に強く押しつけることがないため、紙粉の
繊維成分により可視像担持体の表面が傷つけられたり、
紙粉の填料成分が引き延ばされて、可視像担持体の表面
がフィルミングされることがない。
【0009】次に、請求項2記載の発明は、前記基材
は、発泡弾性体からなることを特徴とする。このよう
に、請求項2記載の画像形成装置の紙粉除去装置によれ
ば、基材は発泡弾性体からなるので、発泡弾性体に不織
布,織物または編物からなる接触部材を取り付けて、可
視像担持体の移動時に、接触部材が可視像担持体に接触
するように固定配置すれば、基材から付勢力を受けた接
触部材は、より柔らかくたわんで可視像担持体に接触す
る。そのため、接触部材が可視像担持体に接触するとき
の押圧力をより減らすことができる。よって、請求項2
記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え
て、さらにフィルミング防止効果を増すことができる。
【0010】次に、請求項3記載の発明は、前記基材
は、その長手方向に沿った一端が、前記可視像担持体に
対して間隔を空けて配置された支持部材に固定され、該
支持部材から突出した開放端側には、前記接触部材を、
前記可視像担持体の移動方向と交差する方向に沿って、
前記可視像担持体表面に接触させる角部を有することを
特徴とする。
【0011】このように、請求項3記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、基材は、その長手方向に沿っ
た一端が支持部材に固定され、支持部材から突出した開
放端側には、接触部材を可視像担持体の移動方向と交差
する方向に沿って、可視像担持体表面に接触させる角部
を有するので、接触部材が可視像担持体に接触する面積
が少なくてすむ。そのため、可視像担持体が、接触部材
に捕捉された紙粉に接触する時間が短くなるため、可視
像担持体のフィルミング防止効果がより向上する。
【0012】次に、請求項4記載の発明は、前記基材
は、その長手方向に直交する面で切断した断面形状が四
角形であることを特徴とする。このように、請求項4記
載の画像形成装置の紙粉除去装置によれば、基材は、そ
の長手方向に直交する面(基材が支持部材から突出する
方向に直交する面)で切断した断面形状が四角形である
ので、所定の厚さを有するシート状の材料に、簡単な加
工を施すことにより、容易に基材を作成することができ
る。
【0013】次に、請求項5記載の発明は、前記基材
は、その長手方向に直交する面で切断した断面形状であ
る四角形を形成する4辺の内、前記支持部材に固定され
る側の辺の長さが、前記支持部材から可視像担持体方向
に突出される2辺の長さよりも短く、前記可視像担持体
の移動時には、前記支持部材から突出した開放端側が、
可視像担持体の移動方向に弾性変形し、前記接触部材
は、前記可視像担持体の移動時に弾性変形した基材の開
放端側端面の前記可視像担持体の移動方向上流側に位置
する角部で、前記可視像担持体表面に接触することを特
徴とする。
【0014】このように、請求項5記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、基材は、その長手方向に直交
する面で切断した断面形状の四角形を形成する四辺の
内、支持部材に固定される側の辺の長さが、支持部材か
ら可視像担持体方向に突出される二辺の長さよりも短い
ので、可視像担持体の移動時に、支持部材から突出した
開放端側が、可視像担持体の移動方向に弾性変形し、開
放端側端面の前記可視像担持体の移動方向上流側に位置
する角部で、可視像担持体に接触することになる。その
ため、基材が可視像担持体に接触する押圧力を著しく減
らすことができ、フィルミング防止効果をより向上させ
ることができる。
【0015】次に、請求項6記載の発明は、前記画像形
成装置は、転写残現像剤を、現像装置で回収し、再び現
像に供するクリーナレス現像方式の画像形成装置であ
り、前記基材は、該画像形成装置において画像の転写位
置から現像装置に至る前記可視像担持体の移動経路近傍
に配置されることを特徴とする。
【0016】このように、請求項6記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、転写残現像剤を、現像装置で
回収し、再び現像に供するクリーナレス現像方式の画像
形成装置に、上述のような基材を有する紙粉除去装置を
設けたので、現像装置で転写残現像剤を回収する際に、
紙粉が現像装置に混入するのを良好に防止することがで
きる。
【0017】次に、請求項7記載の発明は、感光体上に
形成した静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成
し、該可視像を紙等の転写媒体に転写することにより、
該転写媒体に画像を形成する画像形成装置において、前
記画像の転写位置まで前記可視像を担持搬送する可視像
担持体から紙粉を除去するための紙粉除去装置であっ
て、前記可視像担持体の移動経路近傍に配置され、前記
可視像担持体の移動方向と交差する方向に形成された弾
性体からなる基材と、該基材と前記可視像担持体との間
に配置され、前記基材から付勢力を受けて前記可視像担
持体に接触する、不織布,織物または編物からなる接触
部材と、を備え、前記基材は、前記接触部材を、前記可
視像担持体の移動方向と交差する方向に沿って、前記可
視像担持体表面に接触させる角部を有し、前記接触部材
は、前記基材の角部と前記可視像担持体との間に配置さ
れることを特徴とする。
【0018】このように、請求項7記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、基材は、可視像担持体の移動
方向と交差する方向に形成された弾性変形可能な弾性体
からなって、接触部材を可視像担持体の移動方向と交差
する方向に沿って、可視像担持体表面に接触させる角部
を有すると共に、接触部材は、基材の角部と可視像担持
体との間に配置されるので、基材に、不織布,織物また
は編物からなる接触部材を取り付けて可視像担持体に接
触するときは、基材は弾性変形して、接触部材を被せた
角部のみを確実に接触させる。したがって、可視像担持
体に対する接触部材の押圧力と接触面積を減少させるこ
とができるため、フィルミングを防止しつつ紙粉を確実
に除去できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された紙粉
除去装置80を備えたレーザビームプリンタ1の概略構
成を表す断面図である。
【0020】図1において、レーザビームプリンタ1
は、本体ケース2の底部に、転写媒体としての用紙Pを
給紙するフィーダユニット10を備えている。フィーダ
ユニット10は、用紙押圧板11と、圧縮バネ12と、
給紙ローラ13とを備え、用紙押圧板11と給紙ローラ
13との間に用紙Pを挟持して所定のタイミングで最上
位の用紙Pの供給を行う。
【0021】前記給紙ローラ13よりも矢印Aで示す搬
送方向の下流側には、1対のレジストローラ14及び1
5が回転可能に枢支され、後述する感光ドラム20と転
写ローラ60によって形成される転写位置へ所定のタイ
ミングで用紙Pを搬送する。感光体及び可視像担持体と
しての感光ドラム20は、正帯電性の材料、例えば、正
帯電性のポリカーボネイトを主成分とする有機感光体を
有する。具体的には、感光ドラム20は、例えば、円筒
状でアルミ製の円筒スリーブを本体として、その外周部
に、ポリカーボネートに光導電性樹脂を分散させた所定
厚さ(例えば、約20μm)の光導電層を形成した中空
状のドラムから構成され、円筒スリーブを接地した状態
で、本体ケース2に回転自在に枢支される。更に、感光
ドラム20は、図示しない駆動手段により矢印B方向に
回転駆動される。
【0022】また、感光ドラム20の回転方向に沿っ
て、その周囲には、感光ドラム20を帯電させる帯電器
30と、帯電した感光ドラム20に静電潜像を形成する
ためのレーザー光Lを照射するレーザースキャナユニッ
ト40と、形成した静電潜像をトナーにより現像してト
ナー画像(可視像)を形成する現像装置50と、形成し
たトナー画像を用紙Pに転写する転写ローラ60とが順
に配置されている。そして、本発明の紙粉除去装置80
は、矢印Bで示す感光ドラム20の回転方向において、
帯電器30の上流側でかつ、転写ローラ60の下流側に
配置されている。
【0023】ここで、帯電器30は、例えば、タングス
テンなどからなる帯電用ワイヤからコロナ放電を発生さ
せる正帯電用のスコロトロン型の帯電器から構成され
る。レーザスキャナユニット40は、感光ドラム20上
に静電潜像を形成する為のレーザ光Lを発生するレーザ
発生器(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー
(5面体ミラー)41、一対のレンズ42及び43、並
びに一対の反射ミラー44及び45を含んで構成されて
いる。
【0024】現像装置50は、本体51内にトナー収容
室52が形成され、トナー収容室52内には、アジテー
タ53と、電気絶縁性を有する正帯電性の非磁性1成分
現像剤としてのトナー54が収容される。トナー収容室
52の隣側には、現像室55が形成され、供給ローラ5
6と現像ローラ57が回転可能に枢支される。現像ロー
ラ57上のトナー54は、層厚規制ブレード58により
所定の層厚に規制され、現像に供される。層厚規制ブレ
ード58は、ステンレス鋼(SUS)等の板からなる板
ばねの端部に、シリコンゴム等のゴム部材からなる当接
部を、一体成形で設けたもので、板ばねの弾性力によ
り、当接部が感光ドラム20に押圧される。
【0025】転写ローラ60は、回転自在に枢支され、
シリコンゴムやウレタンゴムなどからなる導電性を有す
る発泡弾性体から構成される。そして、転写ローラ60
と感光ドラム20が対向する転写位置を用紙Pが通過す
る際に、転写ローラ60に転写バイアスが印加されるこ
とにより、感光ドラム20上のトナー画像が用紙Pに転
写される。
【0026】また、転写位置よりも用紙Pの搬送方向
(図1に矢印Aで示す)下流側には、トナー画像を用紙
Pに定着させる定着ユニット70と、用紙搬送用の一対
の搬送ローラ73及び排紙ローラ74と、排紙トレイ7
5とが設けられている。定着ユニット70は、加熱用ロ
ーラ71と押圧ローラ72を備え、用紙Pに転写された
トナー画像を加熱用ローラ71にて加熱しつつ、各ロー
ラ71、72間で押圧することにより定着させる。
【0027】用紙Pの搬送方向において、搬送ローラ7
3及び排紙ローラ74は、定着ユニット70の下流側に
それぞれ設けられており、排紙トレイ75は、排紙ロー
ラ74の下流側に設けられている。以上のような本実施
形態の紙粉除去装置80を備えたレーザビームプリンタ
1において、感光ドラム20の表面が帯電器30により
一様に帯電され、レーザスキャナユニット40から画像
情報に従って変調されたレーザ光Lが照射されると、感
光ドラム20の表面には静電潜像が形成される。
【0028】この静電潜像は、現像装置50によってト
ナー54で可視像化され、感光ドラム20上に形成され
た可視像は感光ドラム20によって転写位置へと搬送さ
れる。転写位置においては、フィーダユニット10及び
レジストローラ14、15を介して用紙Pが供給され、
前記可視像は、転写ローラ60に印加される転写バイア
スにより、用紙Pに転写される。
【0029】次に、用紙Pは、定着ユニット70に搬送
され、定着ユニット70の加熱用ローラ71と押圧ロー
ラ72によって挟持搬送され、用紙P上の可視像は加圧
及び加熱され、用紙P上に定着される。そして、用紙P
は一対の搬送ローラ73及び排紙ローラ74により、レ
ーザビームプリンタ1上部の排紙トレイ75に排出さ
れ、画像形成動作が終了する。
【0030】一方、転写後に感光ドラム20上に残った
トナーは、現像装置50の現像ローラ57によって回収
され、再び現像に供される。このように、本実施形態の
紙粉除去装置80を備えたレーザビームプリンタ1は、
いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。した
がって、感光ドラム20上に残ったトナーを掻き取って
貯蔵する廃トナー貯蔵容器を必要としないので、装置の
小型化を実現できると共に、トナーの有効な利用が可能
となっている。
【0031】しかしながら、従来、クリーナーレス現像
方式を採用した場合には、転写時に感光ドラム20の表
面に付着した紙粉が、感光ドラム20上に残ったトナー
と共に現像装置50に回収され、画像不良を発生させる
ことがあった。ここで、紙粉と画像不良との関係につい
て詳しく説明する。
【0032】紙粉には、紙の主原料たるパルプ繊維(広
葉樹や針葉樹から抽出したセルロース)以外に、紙を不
透明にしたり白くしたりする填料、インクのにじみ防止
のための内添サイズ剤、及びサイズ剤をパルプ繊維に吸
着させる内添サイズ定着剤等が含まれている。また、酸
性紙には主として、填料にタルクやクレイ、内添サイズ
剤にロジンサイズ剤、内添サイズ定着剤に硫酸バンド
(硫酸アルミニウム)が使用されている。
【0033】この中で、電子写真プロセスに特に悪影響
を与える物質は、パルプ繊維と填料のタルクである。パ
ルプ繊維は、非磁性1成分現像剤を用いる現像装置に混
入すると、層厚規制ブレードと現像ローラの間に挟まっ
て、層厚規制ブレードや現像ローラに損傷を与えること
がある。
【0034】さらに、パルプ繊維が、パルプ繊維にまと
わりついたトナーと一緒に層厚規制ブレードを通過して
用紙P上に付着し、そのまま定着工程を経て排出されて
しまうと、特に、白ベタ部分に付着した場合には、目立
つゴミとして肉眼で認識されることになる。
【0035】一方、タルクはかなり強い負帯電性の物質
で、正帯電トナーを使用したプロセスにおいては、現像
装置に混入すると、トナーの帯電量を低下させて印字カ
ブリの原因となる。さらに、負帯電トナーを使用したプ
ロセスにおいても、同様に印字カブリの原因になるか、
あるいは、カブリとまではいかなくても、トナーの帯電
量が高くなり過ぎて、画像濃度の低下を引き起こすこと
がある。
【0036】このような紙粉を除去するために、従来か
ら回転式のブラシや不織布等を用いた紙粉除去装置を感
光ドラムに接触させたものが提案されているが、単に、
紙粉除去装置を感光ドラムに接触させただけでは紙粉を
充分に捕獲することができず、上述したような問題を解
決するには至っていなかった。特に、用紙として酸性紙
を使用した場合には、酸性紙に含まれるタルクが少量で
も現像装置に混入すると、カブリを生じるため、このよ
うな問題は顕著に発生した。
【0037】しかし、このような紙粉除去装置の紙粉除
去能力を高めるために、紙粉除去装置を感光ドラムに強
く押圧(圧接)させると、捕獲された硬いパルプ繊維が
感光ドラムの表面を損傷させるという問題があった。ま
た、紙粉除去部材に填料が蓄積されると、柔らかい填料
が、感光ドラム表面と紙粉除去装置との間、あるいは感
光ドラム表面と紙粉除去装置に蓄積されたパルプ繊維と
の間で擦られているうちに、填料が感光ドラム表面に薄
く付着し、いわゆるフィルミングと呼ばれる現象が発生
する。フィルミングが発生すると、感光ドラム表面の露
光前の帯電電位や露光後の電位が変化して適切な画像形
成が行えなかったり、あるいはトナーの離型性が悪くな
って転写不良の原因になることがあった。
【0038】そこで、本実施形態においては、以上のよ
うな問題を解決するために、不織布,織物,編物等に、
それらを支持する支持部材を用いて紙粉除去装置を構成
することにより、良好に紙粉を除去している。以下に、
本実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の構成につい
て詳しく説明する。
【0039】図2(a)に表すように、本実施形態の紙
粉除去装置80は、ケース82と、発泡弾性体84と、
油剤を含浸させた不織布86とで構成されている。支持
部材としてのケース82は、発泡弾性体84の一端を固
定すると共に、紙粉除去装置80で除去された紙粉を溜
めるための収納スペースが形成されている。
【0040】また、基材としての発泡弾性体84は、一
端がケース82に固定され、他端が感光ドラム20に向
けて突出しており、その全体形状は、感光ドラム20の
移動方向(図2(b)に矢印Bで示す)に直交する方
向、本実施形態においては、対向する感光ドラム20の
幅方向、紙面においては、図2(a)に向かって奥行き
方向に細長い長尺形状である。そして、その長手方向に
直交する面で切った断面形状(図2(a)に現れている
形状)は、ケース82に固定される側の辺の長さが、ケ
ース82から突出される辺の長さよりも短い長方形に形
成されている。
【0041】ここで使用される発泡弾性体の材質として
は、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられるが、最
も耐久性のある(摩擦に強い)ウレタンゴムが最適であ
る。また、感光ドラム20に接触する接触部材としての
不織布86は、ケース82に固定される一端を除いて、
発泡弾性体84のほぼ全体を覆うように接着剤や両面テ
ープ等で接着されている。不織布86の素材としては、
構成繊維を交絡させて一体化したものを用いる。なぜな
ら構成繊維の自由度の高いものを用いるほうが、細かい
紙粉を繊維間に捕捉するうえで好ましいためである。そ
の構成材料として、例えば、ポリエステル系繊維、ポリ
アミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維
等の合成繊維、又はこれらの各繊維の樹脂を用いた複合
化繊維、アセテート系繊維等の半合成繊維、もしくはキ
ュプラ、レーヨン等の再生繊維、あるいは綿、麻、羊毛
等の天然繊維、又は混綿等の繊維製部材が用いられる。
【0042】また、以上のような不織布86に含浸させ
る油剤としては、鉱物油、合成油、シリコン油及び界面
活性材のうち、少なくとも1種類以上を含むものを用い
る。鉱物油としては、パラフィン系炭化水素、ナフテン
系炭化水素、芳香族炭化水素等が用いられる。また、合
成油としては、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン
油、ポリグリコール油等が用いられる。さらに、シリコ
ン油としては、鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメ
チルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキ
サン又は各種変成シリコン等が用いられる。
【0043】また、界面活性剤は、陽イオン系として
は、第4級アンモニウム塩型等が好ましく、非イオン系
としては、ポリエチレングリコール型、あるいは、多価
アルコール型等が挙げられる。本実施形態では、このよ
うな油剤を、不織布86の重量に対して、1〜20%の
割合で担持させる。
【0044】このように構成された本実施形態の紙粉除
去装置80は、発泡弾性体84を、感光ドラム20に対
してある間隔を空けて配置する。すなわち、不織布86
を接着剤や両面テープ等で発泡弾性体84に接着して感
光ドラムを移動させた時、不織布86が感光ドラムに接
触するように設定する。
【0045】このようにすれば、発泡弾性体84は、弾
性変形可能で、しかも感光ドラム20の移動(回転)と
交差する方向に長尺状に形成されているので、図2
(b)に表すように、紙粉除去装置80は、感光ドラム
20の移動(回転)時に、発泡弾性体84のケース82
に固定されない開放端側の不織布86が、やわらかにた
わんで、感光ドラム20に接触するように配置すること
ができる。そうすると、発泡弾性体84の角部でのみ不
織布86が押圧されて感光ドラム20に接触し、不織布
86の感光ドラム20に対する押圧力及び接触面積を減
らすことになるので、感光ドラム20の表面を損傷する
ことなく紙粉を良好に除去し、さらには前述したような
柔らかいタルクによるフィルミングも防止することがで
きる。
【0046】加えて、感光ドラム20への油剤の転移を
最小限に抑えることができ、このため、油剤が感光ドラ
ム20に多量に付着することがなく、油剤によるフィル
ミングも防止することができる。なお、図3に示すよう
に、発砲弾性体84の解放端側の端面により不織布86
を感光ドラム20に押圧しても紙粉除去効果は得られる
が、角当てに比べると感光ドラム20に対する不織布8
6の接触面積が増大するので、フィルミング防止の点で
は効果が劣る。
【0047】ここで、不織布86を被せた発泡弾性体8
4を、感光ドラム20に接触させる際、前述の面当てと
角当ての効果を実証するために次のような実験を行っ
た。図4に表す、固定端から開放端までの長さが6mm
の同一の紙粉除去装置80を用いて、感光ドラム20に
角当て及び面当てした場合の、感光ドラム20が、フィ
ルミングを発生するまでの印字枚数と、そのときの紙粉
除去判定を示した結果を表1に示す。
【0048】なお、実験を行うに際しての条件は下記の
とおりである。 実験条件: 正帯電重合トナー 酸性紙 基材:発泡ウレタンゴム 接触部材:不織布 パラフィン含浸品 高さ6mmの不織布を被せた基材を1mmのつぶし
量で感光ドラムに接触させた。
【0049】
【表1】
【0050】面当て及び角当てを行った実験の結果、最
初にフィルミングの発生が確認できたのは、それぞれ、
面当てで2000枚、角当てで7000枚印字したとき
であった。また、そのときの紙粉の除去状態は、どちら
も良好であった。この実験の結果から、角当てにより接
触させることで、フィルミング防止効果が向上し、感光
ドラム20の寿命を大幅に延ばすことができるのが証明
された。
【0051】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでな
く、種々の態様を採ることができる。本実施形態では、
紙粉除去装置80を構成する基材を発泡弾性体84とし
たが、必ずしも発泡させる必要がなく、弾性を有する弾
性体(例えば、ゴム等)であれば何でもよい。
【0052】また、接触部材として不織布86以外にも
織物,編物等を用いてもよい。さらに、不織布86には
必ずしも油剤を含浸させる必要はない。また、基材とし
ての発泡弾性体84は、感光ドラム20(可視像担持
体)の幅方向に対向して配置したものを例に採り説明し
たが、必ずしも対向させる必要はなく、交差する方向
(斜め)に配置してもよい。
【0053】また、基材としての発泡弾性体84は、そ
の長手方向に直交する面で切った断面形状が長方形のも
のとして説明したが、必ずしも前記断面形状が長方形で
ある必要はなく、例えば、支持部材(ケース82)から
突出した開放端側に角を有するものであれば、その角の
みで、不織布86が、感光ドラム20に接触するように
紙粉除去装置80を配置すれば、本実施形態と同等の紙
粉除去効果を奏でることができる。
【0054】また、図5(a)に表す紙粉除去装置18
0のように、前記断面形状を、ケース182に固定され
る側の辺と、その辺に対向する、ケース182から突出
した開放端側の辺の長さが異なる四角形の形状の発砲弾
性体184にしてもよいし、図5(b)に表す紙粉除去
装置280のように、ケース282から突出した開放端
側を角にして前記断面形状が三角形の発砲弾性体284
にしてもよい。すなわち、前記断面形状が、発砲弾性体
(基材)184,284のように開放端側に角を有する
ものであれば、その発砲弾性体の上に、接触部材である
不織布186,286を取り付けて、角のみを感光ドラ
ム20に接触するように用いれば、本実施形態の紙粉除
去装置80と同等の紙粉除去効果及びフィルミング防止
効果を奏でることができる。
【0055】(画像形成装置の紙粉除去装置を用いた他
の実施形態)次に、本発明の画像形成装置の紙粉除去装
置を用いた他の実施形態を、図6に基づいて説明する。
前述した実施形態においては、本発明の画像形成装置の
紙粉除去装置を、白黒の画像を形成するレーザービーム
プリンタ1に適用した例を説明したが、本発明は上記実
施形態に限定されるものでなく、例えば、図6に表すよ
うに、可視像担持体としての中間転写ベルト210(中
間転写体)に紙粉除去装置80を接触させるようにして
もよい。
【0056】図6に表す画像形成装置200は、4色の
トナーを用いてカラー画像を形成するカラー複写装置で
ある。フィーダユニット10、感光ドラム20、帯電器
30、レーザスキャナユニット40、定着ユニット70
を備えている点では、図1に表す装置と共通であるが、
現像装置50として、イエローのトナーを備えた現像装
置50Y,マゼンタのトナーを備えた現像装置50M,
シアンのトナーを備えた現像装置50C、ブラックのト
ナーを備えた現像装置50Bkの4個の現像装置を備え
た点が異なっている。また、図1のレーザービームプリ
ンタ1においては、感光ドラム20から直接用紙Pにト
ナー像の転写を行っているが、図6に表す画像形成装置
200においては、中間転写ベルト210を用いる点
が、図1のレーザビームプリンタ1と異なっている。こ
の中間転写ベルト210は、例えば、帯電性のポリイミ
ドをベルト状に形成したものである。中間転写ベルト2
10が、感光ドラム20上のトナーに押圧された状態で
電圧が印加されると、静電気力でトナーが中間転写ベル
ト210側に転写される。その後、転写ローラ220に
トナーと逆極性で中間転写ベルトより高い電圧が印加さ
れると、静電気力により用紙Pにトナーが再転写され
る。このように、この複写装置(画像形成装置200)
においては、用紙Pと直接接触するのは感光ドラム20
ではなく、中間転写ベルト210である。したがって、
この場合には、中間転写ベルト210に、例えば、図2
又は図5に表したような紙粉除去装置80,180,2
80にそれぞれ取り付けられた不織布86,186,2
86を接触させる。これにより、中間転写ベルト210
上の紙粉を良好に除去してフィルミングの発生を防止す
ると共に、画像不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
使用形態の概略構成を表す断面図である。
【図2】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
構成を表す断面図(a)及び可視像担持体の移動時にお
ける構成を表す断面図(b)である。
【図3】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
悪い配置例を表す断面図である。
【図4】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
可視像担持体への接触実験を説明する断面図である。
【図5】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
構成の変形例(a)及び(b)を表す断面図である。
【図6】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
使用形態の変形例の概略構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1…レーザービームプリンタ、20…感光ドラム、50
…現像装置、80,180,280…紙粉除去装置、8
2,182,282…ケース、84,184,284…
発泡弾性体、86,186,286…不織布、200…
画像形成装置(カラー複写装置)、210…中間転写ベ
ルト、P…用紙
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月29日(1999.1.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像形成装置の紙粉除去装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー像を転写媒
体への転写位置まで担持搬送する感光体または中間転写
体に接触し、感光体または中間転写体上の紙粉を除去す
る、画像形成装置の紙粉除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体あるいは中間転写体上のトナー像
を、紙等の転写媒体に転写して画像を形成する電子写真
方式の画像形成装置において、感光体あるいは中間転写
体上の転写残トナーをブレード等で掻き取らずに、現像
器で回収して再使用するという、いわゆるクリーナーレ
ス現象という方式がある。このような方式では、紙から
出る紙粉も現像器によって回収され、その紙粉に起因す
る印字不良が発生した。そこで、この種の画像形成装置
では、転写装置と現像器との間に紙粉除去装置を設ける
という方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この紙粉除去装置とし
ては、(1)回転式のブラシローラ、(2)ブラシ繊維
をループ状に形成した回転式のブラシローラ(特開平1
−116677号公報参照)、(3)ゴムローラの表面
に不織布を被覆した回転式の不織布ローラ(実開昭62
−181973号公報参照)が提案されているが、これ
ら(1)〜(3)の装置は、下記に述べる問題を有して
いた。
【0004】それは、(1)又は(2)の装置では、紙
粉に含まれる繊維は良好に取り除くことができたが、転
写媒体として酸性紙を使用した場合、酸性紙に含まれる
タルク等の填料は、ブラシでは充分に取り除くことがで
きず、その結果、現像器に混入したタルクが原因で、白
地にカブリが生じるといった画像不良を引き起こすとい
う問題を有していた。
【0005】また、(3)の装置では、不織布を感光体
に強く押圧(圧接)する。そのため、タルク等の填料も
捕捉することができるが、不織布が紙粉を感光体に擦り
つけるため、柔らかいタルクが引き延ばされて感光体の
表面にフィルミングが発生し、感光体の性能が低下する
といった問題を有していた。
【0006】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、転写媒体として酸性紙を使用した場合でも、
感光体上にフィルミングを発生させることなく、繊維及
びタルク等の填料からなる紙粉を良好に除去することの
できる、画像形成装置の紙粉除去装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】かかる目
的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、感
光体上に形成した静電潜像を現像剤により現像して可視
像を形成し、該可視像を紙等の転写媒体に転写すること
により、該転写媒体に画像を形成する画像形成装置にお
いて、前記画像の転写位置まで前記可視像を担持搬送す
る可視像担持体から紙粉を除去するための紙粉除去装置
であって、前記可視像担持体の移動経路近傍に固定配置
され、前記可視像担持体の移動方向と交差する方向に長
尺状に形成された弾性体からなる基材と、該基材と前記
可視像担持体との間に配置され、前記基材から付勢力を
受けて前記可視像担持体に接触する、不織布,織物また
は編物からなる接触部材と、を備えたことを特徴とす
る。
【0008】本発明(請求項1)記載の画像形成装置の
紙粉除去装置によれば、接触部材として、繊維が交絡す
る構造を有する不織布,織物又は編物を用いるため、接
触部材によって紙粉の繊維成分と填料成分の両方を絡め
とることができる。また、基材の弾性体は、可視像担持
体の移動と交差する方向に、弾性変形可能な長尺状に形
成されるので、弾性体に不織布,織物または編物からな
る接触部材を取り付けて、可視像担持体の移動時に、接
触部材が可視像担持体に接触するように固定配置すれ
ば、基材から付勢力を受けた接触部材は、たわんで可視
像担持体に接触する。そのため、接触部材が可視像担持
体に接触するときの押圧力を著しく減らすことができ、
紙粉を感光体に強く押しつけることがないため、紙粉の
繊維成分により可視像担持体の表面が傷つけられたり、
紙粉の填料成分が引き延ばされて、可視像担持体の表面
がフィルミングされることがない。
【0009】次に、請求項2記載の発明は、前記基材
は、発泡弾性体からなることを特徴とする。このよう
に、請求項2記載の画像形成装置の紙粉除去装置によれ
ば、基材は発泡弾性体からなるので、発泡弾性体に不織
布,織物または編物からなる接触部材を取り付けて、可
視像担持体の移動時に、接触部材が可視像担持体に接触
するように固定配置すれば、基材から付勢力を受けた接
触部材は、より柔らかくたわんで可視像担持体に接触す
る。そのため、接触部材が可視像担持体に接触するとき
の押圧力をより減らすことができる。よって、請求項2
記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え
て、さらにフィルミング防止効果を増すことができる。
【0010】次に、請求項3記載の発明は、前記基材
は、その長手方向に沿った一端が、前記可視像担持体に
対して間隔を空けて配置された支持部材に固定され、該
支持部材から突出した開放端側には、前記接触部材を、
前記可視像担持体の移動方向と交差する方向に沿って、
前記可視像担持体表面に接触させる角部を有することを
特徴とする。
【0011】このように、請求項3記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、基材は、その長手方向に沿っ
た一端が支持部材に固定され、支持部材から突出した開
放端側には、接触部材を可視像担持体の移動方向と交差
する方向に沿って、可視像担持体表面に接触させる角部
を有するので、接触部材が可視像担持体に接触する面積
が少なくてすむ。そのため、可視像担持体が、接触部材
に捕捉された紙粉に接触する時間が短くなるため、可視
像担持体のフィルミング防止効果がより向上する。
【0012】次に、請求項4記載の発明は、前記基材
は、その長手方向に直交する面で切断した断面形状が四
角形であることを特徴とする。このように、請求項4記
載の画像形成装置の紙粉除去装置によれば、基材は、そ
の長手方向に直交する面(基材が支持部材から突出する
方向に直交する面)で切断した断面形状が四角形である
ので、所定の厚さを有するシート状の材料に、簡単な加
工を施すことにより、容易に基材を作成することができ
る。
【0013】次に、請求項5記載の発明は、前記基材
は、その長手方向に直交する面で切断した断面形状であ
る四角形を形成する4辺の内、前記支持部材に固定され
る側の辺の長さが、前記支持部材から可視像担持体方向
に突出される2辺の長さよりも短く、前記可視像担持体
の移動時には、前記支持部材から突出した開放端側が、
可視像担持体の移動方向に弾性変形し、前記接触部材
は、前記可視像担持体の移動時に弾性変形した基材の開
放端側端面の前記可視像担持体の移動方向上流側に位置
する角部で、前記可視像担持体表面に接触することを特
徴とする。
【0014】このように、請求項5記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、基材は、その長手方向に直交
する面で切断した断面形状の四角形を形成する四辺の
内、支持部材に固定される側の辺の長さが、支持部材か
ら可視像担持体方向に突出される二辺の長さよりも短い
ので、可視像担持体の移動時に、支持部材から突出した
開放端側が、可視像担持体の移動方向に弾性変形し、開
放端側端面の前記可視像担持体の移動方向上流側に位置
する角部で、可視像担持体に接触することになる。その
ため、基材が可視像担持体に接触する押圧力を著しく減
らすことができ、フィルミング防止効果をより向上させ
ることができる。
【0015】次に、請求項6記載の発明は、前記画像形
成装置は、転写残現像剤を、現像装置で回収し、再び現
像に供するクリーナレス現像方式の画像形成装置であ
り、前記基材は、該画像形成装置において画像の転写位
置から現像装置に至る前記可視像担持体の移動経路近傍
に配置されることを特徴とする。
【0016】このように、請求項6記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、転写残現像剤を、現像装置で
回収し、再び現像に供するクリーナレス現像方式の画像
形成装置に、上述のような基材を有する紙粉除去装置を
設けたので、現像装置で転写残現像剤を回収する際に、
紙粉が現像装置に混入するのを良好に防止することがで
きる。
【0017】次に、請求項7記載の発明は、感光体上に
形成した静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成
し、該可視像を紙等の転写媒体に転写することにより、
該転写媒体に画像を形成する画像形成装置において、前
記画像の転写位置まで前記可視像を担持搬送する可視像
担持体から紙粉を除去するための紙粉除去装置であっ
て、前記可視像担持体の移動経路近傍に配置され、前記
可視像担持体の移動方向と交差する方向に形成された弾
性体からなる基材と、該基材と前記可視像担持体との間
に配置され、前記基材から付勢力を受けて前記可視像担
持体に接触する、不織布,織物または編物からなる接触
部材と、を備え、前記基材は、前記接触部材を、前記可
視像担持体の移動方向と交差する方向に沿って、前記可
視像担持体表面に接触させる角部を有し、前記接触部材
は、前記基材の角部と前記可視像担持体との間に配置さ
れることを特徴とする。
【0018】このように、請求項7記載の画像形成装置
の紙粉除去装置によれば、基材は、可視像担持体の移動
方向と交差する方向に形成された弾性変形可能な弾性体
からなって、接触部材を可視像担持体の移動方向と交差
する方向に沿って、可視像担持体表面に接触させる角部
を有すると共に、接触部材は、基材の角部と可視像担持
体との間に配置されるので、基材に、不織布,織物また
は編物からなる接触部材を取り付けて可視像担持体に接
触するときは、基材は弾性変形して、接触部材を被せた
角部のみを確実に接触させる。したがって、可視像担持
体に対する接触部材の押圧力と接触面積を減少させるこ
とができるため、フィルミングを防止しつつ紙粉を確実
に除去できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された紙粉
除去装置80を備えたレーザビームプリンタ1の概略構
成を表す断面図である。
【0020】図1において、レーザビームプリンタ1
は、本体ケース2の底部に、転写媒体としての用紙Pを
給紙するフィーダユニット10を備えている。フィーダ
ユニット10は、用紙押圧板11と、圧縮バネ12と、
給紙ローラ13とを備え、用紙押圧板11と給紙ローラ
13との間に用紙Pを挟持して所定のタイミングで最上
位の用紙Pの供給を行う。
【0021】前記給紙ローラ13よりも矢印Aで示す搬
送方向の下流側には、1対のレジストローラ14及び1
5が回転可能に枢支され、後述する感光ドラム20と転
写ローラ60によって形成される転写位置へ所定のタイ
ミングで用紙Pを搬送する。感光体及び可視像担持体と
しての感光ドラム20は、正帯電性の材料、例えば、正
帯電性のポリカーボネイトを主成分とする有機感光体を
有する。具体的には、感光ドラム20は、例えば、円筒
状でアルミ製の円筒スリーブを本体として、その外周部
に、ポリカーボネートに光導電性樹脂を分散させた所定
厚さ(例えば、約20μm)の光導電層を形成した中空
状のドラムから構成され、円筒スリーブを接地した状態
で、本体ケース2に回転自在に枢支される。更に、感光
ドラム20は、図示しない駆動手段により矢印B方向に
回転駆動される。
【0022】また、感光ドラム20の回転方向に沿っ
て、その周囲には、感光ドラム20を帯電させる帯電器
30と、帯電した感光ドラム20に静電潜像を形成する
ためのレーザー光Lを照射するレーザースキャナユニッ
ト40と、形成した静電潜像をトナーにより現像してト
ナー画像(可視像)を形成する現像装置50と、形成し
たトナー画像を用紙Pに転写する転写ローラ60とが順
に配置されている。そして、本発明の紙粉除去装置80
は、矢印Bで示す感光ドラム20の回転方向において、
帯電器30の上流側でかつ、転写ローラ60の下流側に
配置されている。
【0023】ここで、帯電器30は、例えば、タングス
テンなどからなる帯電用ワイヤからコロナ放電を発生さ
せる正帯電用のスコロトロン型の帯電器から構成され
る。レーザスキャナユニット40は、感光ドラム20上
に静電潜像を形成する為のレーザ光Lを発生するレーザ
発生器(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー
(5面体ミラー)41、一対のレンズ42及び43、並
びに一対の反射ミラー44及び45を含んで構成されて
いる。
【0024】現像装置50は、本体51内にトナー収容
室52が形成され、トナー収容室52内には、アジテー
タ53と、電気絶縁性を有する正帯電性の非磁性1成分
現像剤としてのトナー54が収容される。トナー収容室
52の隣側には、現像室55が形成され、供給ローラ5
6と現像ローラ57が回転可能に枢支される。現像ロー
ラ57上のトナー54は、層厚規制ブレード58により
所定の層厚に規制され、現像に供される。層厚規制ブレ
ード58は、ステンレス鋼(SUS)等の板からなる板
ばねの端部に、シリコンゴム等のゴム部材からなる当接
部を、一体成形で設けたもので、板ばねの弾性力によ
り、当接部が感光ドラム20に押圧される。
【0025】転写ローラ60は、回転自在に枢支され、
シリコンゴムやウレタンゴムなどからなる導電性を有す
る発泡弾性体から構成される。そして、転写ローラ60
と感光ドラム20が対向する転写位置を用紙Pが通過す
る際に、転写ローラ60に転写バイアスが印加されるこ
とにより、感光ドラム20上のトナー画像が用紙Pに転
写される。
【0026】また、転写位置よりも用紙Pの搬送方向
(図1に矢印Aで示す)下流側には、トナー画像を用紙
Pに定着させる定着ユニット70と、用紙搬送用の一対
の搬送ローラ73及び排紙ローラ74と、排紙トレイ7
5とが設けられている。定着ユニット70は、加熱用ロ
ーラ71と押圧ローラ72を備え、用紙Pに転写された
トナー画像を加熱用ローラ71にて加熱しつつ、各ロー
ラ71、72間で押圧することにより定着させる。
【0027】用紙Pの搬送方向において、搬送ローラ7
3及び排紙ローラ74は、定着ユニット70の下流側に
それぞれ設けられており、排紙トレイ75は、排紙ロー
ラ74の下流側に設けられている。以上のような本実施
形態の紙粉除去装置80を備えたレーザビームプリンタ
1において、感光ドラム20の表面が帯電器30により
一様に帯電され、レーザスキャナユニット40から画像
情報に従って変調されたレーザ光Lが照射されると、感
光ドラム20の表面には静電潜像が形成される。
【0028】この静電潜像は、現像装置50によってト
ナー54で可視像化され、感光ドラム20上に形成され
た可視像は感光ドラム20によって転写位置へと搬送さ
れる。転写位置においては、フィーダユニット10及び
レジストローラ14、15を介して用紙Pが供給され、
前記可視像は、転写ローラ60に印加される転写バイア
スにより、用紙Pに転写される。
【0029】次に、用紙Pは、定着ユニット70に搬送
され、定着ユニット70の加熱用ローラ71と押圧ロー
ラ72によって挟持搬送され、用紙P上の可視像は加圧
及び加熱され、用紙P上に定着される。そして、用紙P
は一対の搬送ローラ73及び排紙ローラ74により、レ
ーザビームプリンタ1上部の排紙トレイ75に排出さ
れ、画像形成動作が終了する。
【0030】一方、転写後に感光ドラム20上に残った
トナーは、現像装置50の現像ローラ57によって回収
され、再び現像に供される。このように、本実施形態の
紙粉除去装置80を備えたレーザビームプリンタ1は、
いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。した
がって、感光ドラム20上に残ったトナーを掻き取って
貯蔵する廃トナー貯蔵容器を必要としないので、装置の
小型化を実現できると共に、トナーの有効な利用が可能
となっている。
【0031】しかしながら、従来、クリーナーレス現像
方式を採用した場合には、転写時に感光ドラム20の表
面に付着した紙粉が、感光ドラム20上に残ったトナー
と共に現像装置50に回収され、画像不良を発生させる
ことがあった。ここで、紙粉と画像不良との関係につい
て詳しく説明する。
【0032】紙粉には、紙の主原料たるパルプ繊維(広
葉樹や針葉樹から抽出したセルロース)以外に、紙を不
透明にしたり白くしたりする填料、インクのにじみ防止
のための内添サイズ剤、及びサイズ剤をパルプ繊維に吸
着させる内添サイズ定着剤等が含まれている。また、酸
性紙には主として、填料にタルクやクレイ、内添サイズ
剤にロジンサイズ剤、内添サイズ定着剤に硫酸バンド
(硫酸アルミニウム)が使用されている。
【0033】この中で、電子写真プロセスに特に悪影響
を与える物質は、パルプ繊維と填料のタルクである。パ
ルプ繊維は、非磁性1成分現像剤を用いる現像装置に混
入すると、層厚規制ブレードと現像ローラの間に挟まっ
て、層厚規制ブレードや現像ローラに損傷を与えること
がある。
【0034】さらに、パルプ繊維が、パルプ繊維にまと
わりついたトナーと一緒に層厚規制ブレードを通過して
用紙P上に付着し、そのまま定着工程を経て排出されて
しまうと、特に、白ベタ部分に付着した場合には、目立
つゴミとして肉眼で認識されることになる。
【0035】一方、タルクはかなり強い負帯電性の物質
で、正帯電トナーを使用したプロセスにおいては、現像
装置に混入すると、トナーの帯電量を低下させて印字カ
ブリの原因となる。さらに、負帯電トナーを使用したプ
ロセスにおいても、同様に印字カブリの原因になるか、
あるいは、カブリとまではいかなくても、トナーの帯電
量が高くなり過ぎて、画像濃度の低下を引き起こすこと
がある。
【0036】このような紙粉を除去するために、従来か
ら回転式のブラシや不織布等を用いた紙粉除去装置を感
光ドラムに接触させたものが提案されているが、単に、
紙粉除去装置を感光ドラムに接触させただけでは紙粉を
充分に捕獲することができず、上述したような問題を解
決するには至っていなかった。特に、用紙として酸性紙
を使用した場合には、酸性紙に含まれるタルクが少量で
も現像装置に混入すると、カブリを生じるため、このよ
うな問題は顕著に発生した。
【0037】しかし、このような紙粉除去装置の紙粉除
去能力を高めるために、紙粉除去装置を感光ドラムに強
く押圧(圧接)させると、捕獲された硬いパルプ繊維が
感光ドラムの表面を損傷させるという問題があった。ま
た、紙粉除去部材に填料が蓄積されると、柔らかい填料
が、感光ドラム表面と紙粉除去装置との間、あるいは感
光ドラム表面と紙粉除去装置に蓄積されたパルプ繊維と
の間で擦られているうちに、填料が感光ドラム表面に薄
く付着し、いわゆるフィルミングと呼ばれる現象が発生
する。フィルミングが発生すると、感光ドラム表面の露
光前の帯電電位や露光後の電位が変化して適切な画像形
成が行えなかったり、あるいはトナーの離型性が悪くな
って転写不良の原因になることがあった。
【0038】そこで、本実施形態においては、以上のよ
うな問題を解決するために、不織布,織物,編物等に、
それらを支持する支持部材を用いて紙粉除去装置を構成
することにより、良好に紙粉を除去している。以下に、
本実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の構成につい
て詳しく説明する。
【0039】図2(a)に表すように、本実施形態の紙
粉除去装置80は、ケース82と、発泡弾性体84と、
油剤を含浸させた不織布86とで構成されている。支持
部材としてのケース82は、発泡弾性体84の一端を固
定すると共に、紙粉除去装置80で除去された紙粉を溜
めるための収納スペースが形成されている。
【0040】また、基材としての発泡弾性体84は、一
端がケース82に固定され、他端が感光ドラム20に向
けて突出しており、その全体形状は、感光ドラム20の
移動方向(図2(b)に矢印Bで示す)に直交する方
向、本実施形態においては、対向する感光ドラム20の
幅方向、紙面においては、図2(a)に向かって奥行き
方向に細長い長尺形状である。そして、その長手方向に
直交する面で切った断面形状(図2(a)に現れている
形状)は、ケース82に固定される側の辺の長さが、ケ
ース82から突出される辺の長さよりも短い長方形に形
成されている。
【0041】ここで使用される発泡弾性体の材質として
は、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられるが、最
も耐久性のある(摩擦に強い)ウレタンゴムが最適であ
る。また、感光ドラム20に接触する接触部材としての
不織布86は、ケース82に固定される一端を除いて、
発泡弾性体84のほぼ全体を覆うように接着剤や両面テ
ープ等で接着されている。不織布86の素材としては、
構成繊維を交絡させて一体化したものを用いる。なぜな
ら構成繊維の自由度の高いものを用いるほうが、細かい
紙粉を繊維間に捕捉するうえで好ましいためである。そ
の構成材料として、例えば、ポリエステル系繊維、ポリ
アミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維
等の合成繊維、又はこれらの各繊維の樹脂を用いた複合
化繊維、アセテート系繊維等の半合成繊維、もしくはキ
ュプラ、レーヨン等の再生繊維、あるいは綿、麻、羊毛
等の天然繊維、又は混綿等の繊維製部材が用いられる。
【0042】また、以上のような不織布86に含浸させ
る油剤としては、鉱物油、合成油、シリコン油及び界面
活性材のうち、少なくとも1種類以上を含むものを用い
る。鉱物油としては、パラフィン系炭化水素、ナフテン
系炭化水素、芳香族炭化水素等が用いられる。また、合
成油としては、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン
油、ポリグリコール油等が用いられる。さらに、シリコ
ン油としては、鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメ
チルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキ
サン又は各種変成シリコン等が用いられる。
【0043】また、界面活性剤は、陽イオン系として
は、第4級アンモニウム塩型等が好ましく、非イオン系
としては、ポリエチレングリコール型、あるいは、多価
アルコール型等が挙げられる。本実施形態では、このよ
うな油剤を、不織布86の重量に対して、1〜20%の
割合で担持させる。
【0044】このように構成された本実施形態の紙粉除
去装置80は、発泡弾性体84を、感光ドラム20に対
してある間隔を空けて配置する。すなわち、不織布86
を接着剤や両面テープ等で発泡弾性体84に接着して感
光ドラムを移動させた時、不織布86が感光ドラムに接
触するように設定する。
【0045】このようにすれば、発泡弾性体84は、弾
性変形可能で、しかも感光ドラム20の移動(回転)と
交差する方向に長尺状に形成されているので、図2
(b)に表すように、紙粉除去装置80は、感光ドラム
20の移動(回転)時に、発泡弾性体84のケース82
に固定されない開放端側の不織布86が、やわらかにた
わんで、感光ドラム20に接触するように配置すること
ができる。そうすると、発泡弾性体84の角部でのみ不
織布86が押圧されて感光ドラム20に接触し、不織布
86の感光ドラム20に対する押圧力及び接触面積を減
らすことになるので、感光ドラム20の表面を損傷する
ことなく紙粉を良好に除去し、さらには前述したような
柔らかいタルクによるフィルミングも防止することがで
きる。
【0046】加えて、感光ドラム20への油剤の転移を
最小限に抑えることができ、このため、油剤が感光ドラ
ム20に多量に付着することがなく、油剤によるフィル
ミングも防止することができる。なお、図3に示すよう
に、発砲弾性体84の解放端側の端面により不織布86
を感光ドラム20に押圧しても紙粉除去効果は得られる
が、角当てに比べると感光ドラム20に対する不織布8
6の接触面積が増大するので、フィルミング防止の点で
は効果が劣る。
【0047】ここで、不織布86を被せた発泡弾性体8
4を、感光ドラム20に接触させる際、前述の面当てと
角当ての効果を実証するために次のような実験を行っ
た。図4に表す、固定端から開放端までの長さが6mm
の同一の紙粉除去装置80を用いて、感光ドラム20に
角当て及び面当てした場合の、感光ドラム20が、フィ
ルミングを発生するまでの印字枚数と、そのときの紙粉
除去判定を示した結果を表1に示す。
【0048】なお、実験を行うに際しての条件は下記の
とおりである。 実験条件: 正帯電重合トナー 酸性紙 基材:発泡ウレタンゴム 接触部材:不織布 パラフィン含浸品 高さ6mmの不織布を被せた基材を1mmのつぶし
量で感光ドラムに接触させた。
【0049】
【表1】
【0050】面当て及び角当てを行った実験の結果、最
初にフィルミングの発生が確認できたのは、それぞれ、
面当てで2000枚、角当てで7000枚印字したとき
であった。また、そのときの紙粉の除去状態は、どちら
も良好であった。この実験の結果から、角当てにより接
触させることで、フィルミング防止効果が向上し、感光
ドラム20の寿命を大幅に延ばすことができるのが証明
された。
【0051】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでな
く、種々の態様を採ることができる。本実施形態では、
紙粉除去装置80を構成する基材を発泡弾性体84とし
たが、必ずしも発泡させる必要がなく、弾性を有する弾
性体(例えば、ゴム等)であれば何でもよい。
【0052】また、接触部材として不織布86以外にも
織物,編物等を用いてもよい。さらに、不織布86には
必ずしも油剤を含浸させる必要はない。また、基材とし
ての発泡弾性体84は、感光ドラム20(可視像担持
体)の幅方向に対向して配置したものを例に採り説明し
たが、必ずしも対向させる必要はなく、交差する方向
(斜め)に配置してもよい。
【0053】また、基材としての発泡弾性体84は、そ
の長手方向に直交する面で切った断面形状が長方形のも
のとして説明したが、必ずしも前記断面形状が長方形で
ある必要はなく、例えば、支持部材(ケース82)から
突出した開放端側に角を有するものであれば、その角の
みで、不織布86が、感光ドラム20に接触するように
紙粉除去装置80を配置すれば、本実施形態と同等の紙
粉除去効果を奏でることができる。
【0054】また、図5(a)に表す紙粉除去装置18
0のように、前記断面形状を、ケース182に固定され
る側の辺と、その辺に対向する、ケース182から突出
した開放端側の辺の長さが異なる四角形の形状の発砲弾
性体184にしてもよいし、図5(b)に表す紙粉除去
装置280のように、ケース282から突出した開放端
側を角にして前記断面形状が三角形の発砲弾性体284
にしてもよい。すなわち、前記断面形状が、発砲弾性体
(基材)184,284のように開放端側に角を有する
ものであれば、その発砲弾性体の上に、接触部材である
不織布186,286を取り付けて、角のみを感光ドラ
ム20に接触するように用いれば、本実施形態の紙粉除
去装置80と同等の紙粉除去効果及びフィルミング防止
効果を奏でることができる。
【0055】(画像形成装置の紙粉除去装置を用いた他
の実施形態)次に、本発明の画像形成装置の紙粉除去装
置を用いた他の実施形態を、図6に基づいて説明する。
前述した実施形態においては、本発明の画像形成装置の
紙粉除去装置を、白黒の画像を形成するレーザービーム
プリンタ1に適用した例を説明したが、本発明は上記実
施形態に限定されるものでなく、例えば、図6に表すよ
うに、可視像担持体としての中間転写ベルト210(中
間転写体)に紙粉除去装置80を接触させるようにして
もよい。
【0056】図6に表す画像形成装置200は、4色の
トナーを用いてカラー画像を形成するカラー複写装置で
ある。フィーダユニット10、感光ドラム20、帯電器
30、レーザスキャナユニット40、定着ユニット70
を備えている点では、図1に表す装置と共通であるが、
現像装置50として、イエローのトナーを備えた現像装
置50Y,マゼンタのトナーを備えた現像装置50M,
シアンのトナーを備えた現像装置50C、ブラックのト
ナーを備えた現像装置50Bkの4個の現像装置を備え
た点が異なっている。また、図1のレーザービームプリ
ンタ1においては、感光ドラム20から直接用紙Pにト
ナー像の転写を行っているが、図6に表す画像形成装置
200においては、中間転写ベルト210を用いる点
が、図1のレーザビームプリンタ1と異なっている。こ
の中間転写ベルト210は、例えば、帯電性のポリイミ
ドをベルト状に形成したものである。中間転写ベルト2
10が、感光ドラム20上のトナーに押圧された状態で
電圧が印加されると、静電気力でトナーが中間転写ベル
ト210側に転写される。その後、転写ローラ220に
トナーと逆極性で中間転写ベルトより高い電圧が印加さ
れると、静電気力により用紙Pにトナーが再転写され
る。このように、この複写装置(画像形成装置200)
においては、用紙Pと直接接触するのは感光ドラム20
ではなく、中間転写ベルト210である。したがって、
この場合には、中間転写ベルト210に、例えば、図2
又は図5に表したような紙粉除去装置80,180,2
80にそれぞれ取り付けられた不織布86,186,2
86を接触させる。これにより、中間転写ベルト210
上の紙粉を良好に除去してフィルミングの発生を防止す
ると共に、画像不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
使用形態の概略構成を表す断面図である。
【図2】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
構成を表す断面図(a)及び可視像担持体の移動時にお
ける構成を表す断面図(b)である。
【図3】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
悪い配置例を表す断面図である。
【図4】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
可視像担持体への接触実験を説明する断面図である。
【図5】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
構成の変形例(a)及び(b)を表す断面図である。
【図6】 一実施形態の画像形成装置の紙粉除去装置の
使用形態の変形例の概略構成を表す断面図である。
【符号の説明】 1…レーザービームプリンタ、20…感光ドラム、50
…現像装置、80,180,280…紙粉除去装置、8
2,182,282…ケース、84,184,284…
発泡弾性体、86,186,286…不織布、200…
画像形成装置(カラー複写装置)、210…中間転写ベ
ルト、P…用紙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体上に形成した静電潜像を現像剤に
    より現像して可視像を形成し、該可視像を紙等の転写媒
    体に転写することにより、該転写媒体に画像を形成する
    画像形成装置において、前記画像の転写位置まで前記可
    視像を担持搬送する可視像担持体から紙粉を除去するた
    めの紙粉除去装置であって、 前記可視像担持体の移動経路近傍に固定配置され、前記
    可視像担持体の移動方向と交差する方向に長尺状に形成
    された弾性体からなる基材と、 該基材と前記可視像担持体との間に配置され、前記基材
    から付勢力を受けて前記可視像担持体に接触する、不織
    布,織物または編物からなる接触部材と、を備えたこと
    を特徴とする画像形成装置の紙粉除去装置。
  2. 【請求項2】 前記基材は、発泡弾性体からなることを
    特徴とする請求項1記載の画像形成装置の紙粉除去装
    置。
  3. 【請求項3】 前記基材は、その長手方向に沿った一端
    が、前記可視像担持体に対して間隔を空けて配置された
    支持部材に固定され、 該支持部材から突出した開放端側には、前記接触部材
    を、前記可視像担持体の移動方向と交差する方向に沿っ
    て、前記可視像担持体表面に接触させる角部を有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成
    装置の紙粉除去装置。
  4. 【請求項4】 前記基材は、その長手方向に直交する面
    で切断した断面形状が四角形であることを特徴とする請
    求項1〜請求項3いずれか記載の画像形成装置の紙粉除
    去装置。
  5. 【請求項5】 前記基材は、 その長手方向に直交する面で切断した断面形状である四
    角形を形成する4辺の内、前記支持部材に固定される側
    の辺の長さが、前記支持部材から可視像担持体方向に突
    出される2辺の長さよりも短く、 前記可視像担持体の移動時には、前記支持部材から突出
    した開放端側が、可視像担持体の移動方向に弾性変形
    し、 前記接触部材は、前記可視像担持体の移動時に弾性変形
    した基材の開放端側端面の前記可視像担持体の移動方向
    上流側に位置する角部で、前記可視像担持体表面に接触
    することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置の紙
    粉除去装置。
  6. 【請求項6】 前記画像形成装置は、転写残現像剤を、
    現像装置で回収し、再び現像に供するクリーナレス現像
    方式の画像形成装置であり、 前記基材は、該画像形成装置において画像の転写位置か
    ら現像装置に至る前記可視像担持体の移動経路近傍に配
    置されることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか
    記載の画像形成装置の紙粉除去装置。
  7. 【請求項7】 感光体上に形成した静電潜像を現像剤に
    より現像して可視像を形成し、該可視像を紙等の転写媒
    体に転写することにより、該転写媒体に画像を形成する
    画像形成装置において、前記画像の転写位置まで前記可
    視像を担持搬送する可視像担持体から紙粉を除去するた
    めの紙粉除去装置であって、 前記可視像担持体の移動経路近傍に配置され、前記可視
    像担持体の移動方向と交差する方向に長尺状に形成され
    た発泡弾性体からなる基材と、 該基材と前記可視像担持体との間に配置され、前記基材
    から付勢力を受けて前記可視像担持体に接触する、不織
    布,織物または編物からなる接触部材と、 を備え、 前記基材は、前記接触部材を、前記可視像担持体の移動
    方向と交差する方向に沿って、前記可視像担持体表面に
    接触させる角部を有し、 前記接触部材は、前記基材の角部と前記可視像担持体と
    の間に配置されることを特徴とする画像形成装置の紙粉
    除去装置。
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