JP2009110023A - 粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シール材30は、支持層31の表面に接着膜32を介して、摺動性の良い繊維が静電植毛された摺動部材33を有し、裏面には、柔軟性のある接着層34を有している。支持層31は、弾力性を有する合成樹脂製の材料より形成されている。摺動部材33は毛羽35を形成するとともに、毛羽35は、支持層31に対し一定方向に斜めに毛倒しされている。毛羽35は、摺動性の良い繊維より形成されている。接着層34は、接着剤が硬化した後も曲面状に変形可能な柔軟性を有する材料により形成されている。
【選択図】図1
Description
請求項1に記載の発明では、前記シール材をレーヨン又はポリアミドからなる繊維から構成している。このため、摺動性を良くすることができる。特にレーヨンでは、低コストでありながら、吸湿性が良好で薬剤での表面処理に適しており、また着色にも適している。
請求項9に記載の発明では、前記回転体が感光ドラムであり、前記シール材はクリーニング器のハウジングの両端に設けられる。このため、感光ドラムの回転を阻害しないで、トナーの漏れを効果的に防止することができる。
請求項11に記載の発明では、前記接着膜をアクリル系又はゴム系接着剤で構成した。このため、接着剤が硬化した後も柔軟性を有するとともに、耐熱性を有する。
請求項13に記載の発明では、前記基布を構成する繊維と前記毛羽を構成する繊維とを同一の材料とした。このため、接着を容易に行うことができるとともに、摺動部材と、基材とをより強固に接合することができる。
請求項14に記載の発明では、特に毛羽をレーヨン繊維としたため、吸湿性が良好で、所要の摺動性を有するとともに、低コストで、染色を容易なものとすることができる。
以下、この発明の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図6に示すように、感光体ドラム11は、カラーレーザープリンター10内において支持軸12により回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。帯電器13は、感光体ドラム11の上方位置に配置され、回転する感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。露光装置14は、感光体ドラム11の回転方向の帯電器13より進行側に配置され、感光体ドラム11にレーザ光による光像を照射して静電潜像を形成させる。
図6に示すように、カラーレーザープリンター10で印刷を行う際には、まず、回転する感光体ドラム11の表面が帯電器13によって一様に帯電され、露光装置14により感光体ドラム11にレーザ光による光像が照射され、感光体ドラム11表面に静電潜像が形成される。次に、現像装置15内の現像ローラ23により感光体ドラム11の表面の静電潜像にトナー16が供給され、静電潜像の現像が行われる。そして、転写器17により感光体ドラム11と転写器17との間に供給される記録用紙18に、感光体ドラム11表面のトナー16による可視像が転写される。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31は弾力性を有する材質により形成されている。このため、摺動部材33の毛羽35の毛先が現像ローラ23の外周面と接触する方向に常に付勢される。従って、シール材30の漏出防止効果を確実に発揮させることができる。
以下、この発明の第2実施形態を、図7に基づいて詳細に説明する。なお、この第2実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第2実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31と接着膜32との間には基材37が設けられ、この基材37上にフッ素樹脂繊維が静電植毛されている。このため、第1実施形態と比較し、部材点数が増加するが、基材37上に確実に静電植毛を行うことができ、摺動部材33の毛羽35が抜け落ちることをより有効に防止し、トナー16の漏出防止効果を持続させることができる。
以下、この発明の第3実施形態を、図8に基づいて詳細に説明する。なお、この第3実施形態においては、前記第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第3実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31が熱収縮性を有することから、加熱によりハウジング21内面形状に対応でき、シール材30をハウジング21内面に接合する作業を容易に行うことができる。
以下、この発明の第4実施形態を、図9に基づいて詳細に説明する。なお、この第4実施形態においては、前記第1〜第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第4実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35は、細い繊維38と太い繊維39を組み合わせて形成されている。そして、細い繊維38が太い繊維39に支持されることから、摺動部材33の毛羽35を持続的に所定の傾斜状態に保つことができる。
以下、この発明の第5実施形態を、図10に基づいて詳細に説明する。なお、この第5実施形態においては、前記第1〜第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第5実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35には、正電荷に帯電された繊維41が混合されている。この繊維41が負電荷に帯電されたトナー16を吸着するため、シール材30のトナー16漏出防止効果をより効果的に発揮させることができる。
以下、この発明の第6実施形態を、図11に基づいて詳細に説明する。なお、この第6実施形態においては、前記第1〜第5実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第6実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31の表面には、凹部42と凸部43とが形成されている。この凹部42と凸部43により摺動部材33の毛羽35表面にも凹凸が形成され、凸部43上の繊維がトナー16を捕集するとともに、凹部42上の繊維が捕集されたトナー16を保持している。このため、シール材30の凹凸部にトナー16を容易かつ確実に保持することができる。
以下、この発明の第7実施形態を図12及び図13に基づいて詳細に説明する。なお、この第7実施形態においては、前記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
前記摺動性の良い繊維としては、綿等から形成される天然繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、酢酸セルロース繊維等の半合成繊維、アクリル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等から形成される合成繊維などがあげられる。この繊維は薬剤で表面処理を施すとともに、トナーの付着を容易に視認する等のために着色されることから、本実施形態においては、吸湿性が良好で所要の摺動性を有するとともに、低コストな肌色系レーヨン繊維が用いられている。
例えば、ロールコーティング法は、次のような装置により行われる。図13に示すように、薬剤漕53内には所定量の薬剤53aが収容されている。ローラ52は、駆動軸52aにより回転駆動されるとともに、下部が薬剤53a中に浸漬され、その周面に薬剤53aが付着された状態で回転されるようになっている。シール材30は、ローラ52の上方において毛羽35がローラ52に接触するように、ローラ52の回転方向に沿って移動するようになっている。
タテ糸及びヨコ糸は、所要の摺動性を確保するために、基布表面が平滑となるフィラメント糸を用いることが好ましい。また、基材37の表面には静電植毛を行う際に接着膜が塗布されることから、タテ糸及びヨコ糸は吸湿性が良好なものがより好ましい。さらに、生産性を良好にするために毛羽35を形成する繊維と同一の材料であることがさらに好ましいことから、本実施形態においては、基材37を構成する基布の材料としてレーヨン繊維(タテ糸の太さ300デニール、ヨコ糸の太さ450デニール)が用いられている。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維は、摺動性を向上させる薬剤が表面に吹き付け加工され、被覆層50が形成されている。このため、シール材30の毛羽35を形成する材料に係わらず、シール材30の摺動性を良好に保つことができる。
以下、この発明の第8実施形態を図13〜図15に基づいて詳細に説明する。なお、この第8実施形態においては、前記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第8実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、毛羽35は立毛処理が施されていることから、シール材30の現像ローラ23に対する緩衝効果を向上させることができ、シール材30を現像ローラ23により良好に摺接させることができる。
以下、この発明の第9実施形態を詳細に説明する。なお、この第9実施形態においては、前記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
以下、この発明の第10実施形態を詳細に説明する。なお、この第10実施形態においては、前記第9実施形態と異なる点を中心に説明する。
また、接着膜32は、ポリアクリル酸エステルを含有するアクリル系接着剤に代えて、ポリウレタン系接着剤が用いられている。そして、ポリウレタン系接着剤がそれと同種のポリウレタン繊維よりなる基材37に対して結合力が高められる。
・ 第10実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37としての基布は、ポリウレタン繊維よりなるフィラメント糸によって形成されることから、第9実施形態と比較して、基材の伸縮性がさらに向上する。このため、基材37を形成する材料は限定されるが、シール材30の柔軟性がさらに向上し、ハウジング21の内面に接合されたときに、シール材30とハウジング21内面との間に間隙が形成されることを、さらに効果的に防止することができる。
以下、この発明の第11実施形態を詳細に説明する。なお、この第11実施形態においては、前記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 第11実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37は、編物よりなる基布によって構成されている。このため、本質的に第7実施形態と同様のシール効果を得ることができるとともに、シール材30の柔軟性をより容易に向上させ、さらに基材37の伸縮性を向上させることができる。
・ 第1〜11実施形態において、現像装置15内に設けられたシール材30を、クリーニング器19内に設けること。すなわち、シール材30をクリーニング器19のハウジング19aの両端又はハウジング19aの一部を構成するクリーニング用ブレード19bの両端に設けること。
・ 第3実施形態において、熱収縮層とした支持層31に代えて、基材37と支持層31との間に新たに熱収縮層を設けること。
・ 第6実施形態において、支持層31表面に凹部42と凸部43を形成することに代え、表面に凹凸層を形成した凹凸層を支持層31表面に設け、この凹凸層表面に摺動部材33を静電植毛すること。
このように構成しても、実施形態と同様のトナー16の漏出防止効果を得ることができる。
このように構成しても、各実施形態は、各形態における特有の効果を発揮させることができるとともに、確実に静電植毛することができるため、毛羽35の抜け落ちを有効に防止することができる。
このように構成しても、各実施形態は、各形態における特有の効果を発揮させることができるとともに、シール材30とハウジング21内面との間に隙間ができることを確実に防止することができる。
このように構成した場合、シール材30のトナー16捕集効果をより確実に発揮させることができる。
このように構成した場合、製造工程は複雑となるが、植毛場所により効果に差が出ることがなく、安定した効果を発揮させることができる。
・ 前記各実施形態において、毛羽35の傾斜を、その根本から毛先側へ延びる延出方向が現像ローラ23の半径方向となるように設定するか、又は現像ローラ23の半径方向より周方向側に現像ローラ23の回転に逆らって倒れ込むように設定すること。
このように構成しても、各実施形態は、各形態における特有の効果を発揮させることができるとともに、材料費を削減し、製造コストを低減することができる。
このように構成した場合、本質的に第4実施形態と同様の毛倒れ防止効果を得ることができ、シール材30内にトナーを良好に保持することができる。
このように構成した場合、本質的に第5実施形態と同様のトナー捕集効果を得ることができ、シール材30のトナー漏出防止効果をさらに効果的に発揮させることができる。
このように構成した場合、本質的に第9実施形態と同様の柔軟性を得ることができるうえ、シール材30の製造コストを低減することができる。
このように構成した場合、シール材30の摺動性を維持しつつ、本質的に第11実施形態と同様の柔軟性を得ることができる。
このように構成した場合、毛羽35を形成する繊維に柔軟性を与え、シール材30の摺動性をさらに向上させることができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
このように構成することにより、負電荷に帯電されたトナーをより容易かつ効果的に捕集することができる。
このように構成することによって、電気写真複写機におけるトナーの漏出防止効果を有効に発揮させることができる。
このように構成することによって、可動体の可動を阻害することをより効果的に防止しつつ、外部への粉粒体の漏れを防止することができる。
このように構成することによって、シール材の柔軟性を保持しつつ、基材の伸縮性を向上させることができる。
このように構成することによって、基材の製造工程を簡略化させつつ、シール材の柔軟性を効果的に保ち、製造コストを低減することができる。
このように構成することによって、毛羽を形成する糸の製造工程を簡略化し、シール材の製造コストを低減することができる。
このように構成することによって、基材を形成する繊維に伸縮性を与え、シール材の柔軟性を向上させることができる。
Claims (14)
- 電子写真装置内において、トナーに接触する回転体とその回転体に対向するハウジングとの間の所定の間隙における前記回転体又はハウジング面に接着され、前記回転体の回転を妨げることなく前記トナーの漏れをシールする粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法であって、
前記シール材は、接着膜を介して、レーヨン又はポリアミドからなる繊維を基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成するとともに、
前記毛羽には、摺動性を向上させるフッソ系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成し、
前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させる
電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。 - 前記毛羽の繊維の太さが、0.5〜10デニールである請求項1に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記毛羽の繊維の長さが0.5〜5mmである請求項1又は請求項2に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記基材の裏面を、弾力性を有する支持層の表面に接合し、
当該支持層の裏面に曲面状に変形可能な柔軟性を有する接着層を設ける請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。 - 前記被覆層を形成する方法が、ロールコーティング法である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記被覆層を形成する方法が、吹きつけ処理である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記被覆層を形成した後に、前記摺動部材を傾斜させる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記回転体が現像装置内の現像ローラである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記回転体が感光ドラムであり、前記シール材はクリーニング器のハウジングの両端に設けられる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記回転体に逆らわない方向が、回転体の回転方向と平行である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記接着膜がアクリル系又はゴム系接着剤である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 前記基材が織物よりなる基布である請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 基布を構成する繊維と前記毛羽を構成する繊維が同一の材料である請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
- 電子写真装置内において、トナーに接触する回転体とその回転体に対向するハウジングとの間の所定の間隙における前記回転体又はハウジング面に接着され、前記回転体の回転を妨げることなく前記トナーの漏れをシールする粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法であって、
前記シール材は、接着膜を介して、繊維の太さが0.5〜10デニール、長さが0.5〜5mmのレーヨンからなる繊維を基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成するとともに、
前記毛羽には、摺動性を向上させるフッ素系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成し、
前記被覆層の形成後に前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させる
電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
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