JP2009110023A - 粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法 - Google Patents

粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー等の粉粒体に対するシール性を向上させ、粉粒体の漏れを確実に防止することができる粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法を提供する。
【解決手段】シール材30は、支持層31の表面に接着膜32を介して、摺動性の良い繊維が静電植毛された摺動部材33を有し、裏面には、柔軟性のある接着層34を有している。支持層31は、弾力性を有する合成樹脂製の材料より形成されている。摺動部材33は毛羽35を形成するとともに、毛羽35は、支持層31に対し一定方向に斜めに毛倒しされている。毛羽35は、摺動性の良い繊維より形成されている。接着層34は、接着剤が硬化した後も曲面状に変形可能な柔軟性を有する材料により形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、トナー等の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、トナーを用いる電子複写機の現像ローラとそのローラを覆うハウジングとの間隙からトナーの飛散漏れを防止する粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法に関するものである。
従来、電子写真複写機やファクシミリ等の電子写真装置の装置内に設けられている現像器は、帯電された現像ローラ等がハウジングに覆われた状態で設けられている。そして、現像ローラに帯電付着したトナーが感光体のローラに付与され、トナーの像が形成される。この場合、現像ローラの両端部における前記ハウジングには現像ローラに接触するシール材が設けられ、トナーの飛散漏れが防止されている。
このシール材にはフッ素樹脂繊維のフェルトよりなる摺動層を、スポンジ等からなる支持層に接着した層体構造のものが用いられ、摺動層が現像ローラの両端部周面に接触するようにハウジング内面に接着剤によって接合されている。
ところが、上記従来のシール材は、摺動層がフェルトよりなるため、繊維が抜け落ちること、復元性が乏しいこと等の理由から、長時間の使用によりトナーのシール性が低下し、トナーが現像ローラの両端から外方へ漏れるという問題があった。また、ハウジング内面は曲面となっているため、接着面において隙間が生じ、ここからトナーが漏れるという問題もあった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、トナー等の粉粒体に対するシール性を向上させ、粉粒体の漏れを確実に防止することができる粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電子写真装置内において、トナーに接触する回転体とその回転体に対向するハウジングとの間の所定の間隙における前記回転体又はハウジング面に接着され、前記回転体の回転を妨げることなく前記トナーの漏れをシールする粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法であって、前記シール材は、接着膜を介して、レーヨン又はポリアミドからなる繊維を基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成するとともに、前記毛羽には、摺動性を向上させるフッソ系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成し、前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記毛羽の繊維の太さが、0.5〜10デニールのものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記毛羽の繊維の長さが0.5〜5mmのものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記基材の裏面を、弾力性を有する支持層の表面に接合し、当該支持層の裏面に曲面状に変形可能な柔軟性を有する接着層を設けるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記被覆層を形成する方法が、ロールコーティング法であるものである。
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記被覆層を形成する方法が、吹きつけ処理であるものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記被覆層を形成した後に、前記摺動部材を傾斜させるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記回転体が現像装置内の現像ローラであるものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記回転体が感光ドラムであり、前記シール材はクリーニング器のハウジングの両端に設けられるものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記回転体に逆らわない方向が、回転体の回転方向と平行であるものである。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記接着膜がアクリル系又はゴム系接着剤であるものである。
請求項12に記載された発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、前記基材が織物よりなる基布であるものである。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法において、基布を構成する繊維と前記毛羽を構成する繊維が同一の材料であるものである。
請求項14に記載の発明は、電子写真装置内において、トナーに接触する回転体とその回転体に対向するハウジングとの間の所定の間隙における前記回転体又はハウジング面に接着され、前記回転体の回転を妨げることなく前記トナーの漏れをシールする粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法であって、前記シール材は、接着膜を介して、繊維の太さが0.5〜10デニール、長さが0.5〜5mmのレーヨンからなる繊維を基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成するとともに、前記毛羽には、摺動性を向上させるフッ素系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成し、前記被覆層の形成後に前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させるものである。
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明では、前記シール材をレーヨン又はポリアミドからなる繊維から構成している。このため、摺動性を良くすることができる。特にレーヨンでは、低コストでありながら、吸湿性が良好で薬剤での表面処理に適しており、また着色にも適している。
また、基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成している。このため、植毛をより確実に行うことができ、トナー等の粉粒体に対するシール性を向上させることができるとともに、外部への粉粒体の漏れを確実に防止することができるとともに、粉粒体の漏れ防止効果を持続させることができる。また、シール材を容易かつ安価に形成することができる。
さらに、前記毛羽には、摺動性を向上させるフッソ系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成している。このため、シール材の毛羽を形成する材料に係わらず、シール材の摺動性を良好に保つことができる。
そして、前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させている。このため、可動体の可動を阻害することをより効果的に防止しつつ、外部への粉粒体の漏れを防止することができる。
請求項2に記載の発明では、前記毛羽の繊維の太さを、0.5〜10デニールとしている。このため、基材上に設けられた接着膜上に静電植毛される繊維の太さが0.5デニール以上であるので、繊維が細過ぎずトナーの捕集性能を低下させることがない。また、繊維の太さが10デニールより細いので、繊維の柔軟性を損なわず、摺動性を低下させることもない。
請求項3に記載の発明では、前記毛羽の繊維の長さを0.5〜5mmとしている。このため、繊維の長さが0.5mmより長いので、トナーの捕集性能を低下させることがない。また、繊維の長さが5mmより短いので、加工が容易で生産性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、前記基材の裏面を、弾力性を有する支持層の表面に接合し、当該支持層の裏面に曲面状に変形可能な柔軟性を有する接着層を設けた。このため、摺動部材の毛羽の毛先が回転体の外周面と接触する方向に常に付勢される。従って、シール材の漏出防止効果を確実に発揮させることができる。
また、このため、曲面となっているハウジングの内面等にシール材を接合した場合、シール材にシワが形成されず、シワとハウジング内面との間に形成される間隙よりトナーが漏出することが防止される。
請求項5に記載の発明では、前記被覆層を形成する方法が、ロールコーティング法とした。このため、ローラの表面に薬剤が塗布され、このローラが毛羽に接触されることによって、ローラ表面の薬剤が毛羽に付着される。このようにして、毛羽の表面に被覆層を形成することができる。
請求項6に記載の発明では、前記被覆層を形成する方法が、吹きつけ処理とした。このため、薬剤を霧状にして繊維の表面に吹き付けることによって塗布し、繊維の表面処理を施すことができる。
請求項7に記載の発明では、前記被覆層を形成した後に、前記摺動部材を傾斜させる。したがって、薬剤で表面処理した後に前記摺動部材を傾斜させることにより確実に傾斜させ、これを維持することができる。また、傾斜させた後で薬剤で表面処理をして被覆層を形成する必要がないため、傾斜状態が変化するのを防止することができる。
請求項8に記載の発明では、前記回転体が現像装置内の現像ローラである。このため、現像ローラの回転を阻害しないで、トナーの漏れを効果的に防止することができる。
請求項9に記載の発明では、前記回転体が感光ドラムであり、前記シール材はクリーニング器のハウジングの両端に設けられる。このため、感光ドラムの回転を阻害しないで、トナーの漏れを効果的に防止することができる。
請求項10に記載の発明では、前記回転体に逆らわない方向を、回転体の回転方向と平行とした。このため、トナーの外部への漏出をより効果的に防止することができる。
請求項11に記載の発明では、前記接着膜をアクリル系又はゴム系接着剤で構成した。このため、接着剤が硬化した後も柔軟性を有するとともに、耐熱性を有する。
請求項12に記載の発明では、前記基材を織物よりなる基布で構成した。このため、シール材の柔軟性を効果的に保つことができる。
請求項13に記載の発明では、前記基布を構成する繊維と前記毛羽を構成する繊維とを同一の材料とした。このため、接着を容易に行うことができるとともに、摺動部材と、基材とをより強固に接合することができる。

請求項14に記載の発明では、特に毛羽をレーヨン繊維としたため、吸湿性が良好で、所要の摺動性を有するとともに、低コストで、染色を容易なものとすることができる。
特に、吸湿性が良好であるため、摺動性を向上させるフッ素系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成することも容易とすることができ、また、前記被覆層の形成後に前記摺動部材を一定方向にあらかじめ傾斜させることも容易とすることができる。
第1実施形態のシール材を示す斜視図。 図1の2−2線における一部を拡大した断面図。 シール材を取付けた状態を示す部分断面図。 現像ローラにトナーを供給する状態を示す部分破断側面図。 シール材がトナーを捕集した状態を示す部分断面図。 カラーレーザープリンターの概略を示す要部破断側面図。 第2実施形態のシール材を示す部分断面図。 第3実施形態のシール材を示す部分断面図。 第4実施形態のシール材を示す部分断面図。 第5実施形態のシール材を示す部分断面図。 第6実施形態のシール材を示す部分断面図。 第7実施形態のシール材を示す部分断面図。 ロールコーティング法に用いられる装置を示す概略図。 第8実施形態のシール材を示す部分断面図。 立毛処理に用いられる装置を示す概略図。
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図6に示すように、感光体ドラム11は、カラーレーザープリンター10内において支持軸12により回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。帯電器13は、感光体ドラム11の上方位置に配置され、回転する感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。露光装置14は、感光体ドラム11の回転方向の帯電器13より進行側に配置され、感光体ドラム11にレーザ光による光像を照射して静電潜像を形成させる。
現像装置15は、感光体ドラム11の回転方向の露光装置14より進行側に配置され、感光体ドラム11の表面の静電潜像に粉粒体としてのトナー16を供給して、静電潜像の現像を行うようになっている。転写器17は、感光体ドラム11の下方位置に配置され、感光体ドラム11と転写器17との間に供給される記録用紙18に、感光体ドラム11表面のトナー16による可視像を転写するようになっている。
クリーニング器19は、感光体ドラム11の回転方向の転写器17より進行側に配置され、そのハウジング19a内のクリーニング用ブレード19bにより、転写後の感光体ドラム11表面に残留しているトナー16の粒子を除去する。イレーサ20は、クリーニング器19と帯電器13との間に設けられ、感光体ドラム11上に残留する電荷を消去する。上記のような機構が記録用紙18の流れに沿って複数設けられることにより、記録用紙18上にカラー印刷が行われるようになっている。
図3に示すように、前記現像装置15はハウジング21内に支軸22により回転可能に支持された現像ローラ23を備え、トナー16を感光体ドラム11に供給するようになっている。図6に示すように、トナー規制ブレード24は、現像ローラ23の斜め上方位置に配置され、現像ローラ23表面に付着されたトナー16の量を規制し、薄層化する。そして、印刷時には現像ローラ23の表面にトナー16が所定の厚さで帯電付着され、現像ローラ23が回転することによってトナー16が感光体ドラム11に付与されるようになっている。
また、図3に示すように、現像ローラ23の両端部25とハウジング21内周面との間には所定幅の環状間隙26が形成されており、これを塞ぐようにトナー16の漏れ防止用のシール材30がハウジング21の内周面に接合されている。この実施形態では、上記環状間隙26の幅は約2mmである。
図1及び図2に示すように、第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、弾力性を有する合成樹脂製の支持層31の表面に接着膜32を介して、摺動性の良い繊維が静電植毛された摺動部材33を有している。さらに、支持層31の裏面には、曲面状に変形可能な柔軟性のある接着層34を有している。このシール材30は約3mmの厚さに形成され、前記現像ローラ23とハウジング21内周面との環状間隙26に入るように約2mmの厚さに圧縮される。
前記支持層31は、シール材30が前記現像ローラ23に対し、充分密接し、かつ回転を阻害しないようにするために、弾力性を有する材料が使用される。さらに、支持層31は耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で接着可能な材料が好ましい。このような材料としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂発泡体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー等が用いられる。本実施形態の支持層31は、難燃性のポリウレタン発泡体(イノアック社製の商品名ポロンU−32、厚さ1.5mm)より形成されている。ポリウレタン発泡体は、強度の高いポリエステル系ポリウレタン又は軟らかいポリエーテル系ポリウレタンが目的に応じて使用される。
前記摺動部材33は、同じ太さ、同じ長さの繊維より形成され、前記支持層31上の接着膜32に静電植毛され、毛羽35を形成している。この摺動部材33を形成する毛羽35は、摺動性の良い繊維により形成される。さらに、毛羽35は摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有する繊維により形成されるのが好ましい。このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、フッ素樹脂等より形成される繊維が挙げられ、中でもフッ素樹脂繊維は、摩擦係数が低く、摺動部材33の毛羽35の材質として最も好ましい。また、ポリプロピレンは、その強度が繊維を曲げる場合に適切で、摩擦帯電も良いため好適である。
前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が用いられる。これらのうち、通常は、入手が容易なPTFEが用いられる。繊維の太さとしては、フッ素樹脂繊維が柔軟性を維持できる範囲の太さが好ましい。本実施形態の摺動部材33は、毛羽35としてPTFE(東レ社製の商品名トヨフロン、2400デニール/180フィラメント)を使用している。
図2に示すように、上記摺動部材33は、静電植毛法により支持層31表面の接着膜32上に植毛されている。この静電植毛法は、静電気の吸引力を利用し、植毛の際に繊維を立たせた状態に保持し、その状態で接着膜32に接着する方法である。
図3に示すように、毛羽35は、現像ローラ23の軸線方向では、その根本から毛先側へ延びる延出方向が軸線方向に対して垂直となるように配置されるとともに、図4及び図5に示すように、現像ローラ23の半径方向では、支持層31に対し一定方向の斜めに毛倒しされている。すなわち、毛羽35の傾斜は、その根本から毛先側へ延びる延出方向が現像ローラ23の半径方向より周方向側に現像ローラ23の回転方向に倒れ込むように設定されている。具体的な毛羽35の傾斜角度としては、現像ローラ23の半径方向に対して5〜70°をなすように設定されている。そして、現像ローラ23の両端部25に到ったトナー16を捕集する機能を発揮する。
前記接着膜32は、静電植毛の際に通常使用されるアクリル系接着剤等により形成される。この接着膜32は、接着剤が硬化した後も柔軟性を有するとともに、耐熱性を有するゴム系、アクリル系等の接着剤により形成されるのが好ましい。本実施形態の接着膜32は、アクリル系の接着剤により形成される。
前記支持層31裏面の接着層34は、接着剤が硬化した後に曲面状に変形可能な柔軟性を有する接着剤により形成される。さらに接着層34は、耐熱性を有する接着剤により形成されるのが好ましい。このような性質を有する接着剤として、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。本実施形態の接着層34は、アクリル系の感圧接着剤(住友スリーエム社製商品名F−9469PC、VHB接着剤転写テープ、厚さ0.125mm)により形成されている。この感圧接着剤としては、基材を有しないもの、又は伸びのある基材を有するものが使用される。
次に、粉粒体の漏れ防止用のシール材30における作用について説明する。
図6に示すように、カラーレーザープリンター10で印刷を行う際には、まず、回転する感光体ドラム11の表面が帯電器13によって一様に帯電され、露光装置14により感光体ドラム11にレーザ光による光像が照射され、感光体ドラム11表面に静電潜像が形成される。次に、現像装置15内の現像ローラ23により感光体ドラム11の表面の静電潜像にトナー16が供給され、静電潜像の現像が行われる。そして、転写器17により感光体ドラム11と転写器17との間に供給される記録用紙18に、感光体ドラム11表面のトナー16による可視像が転写される。
転写後は、クリーニング器19のクリーニング用ブレード19bにより感光体ドラム11表面に残留しているトナー16の粒子が除去され、イレーサ20により、感光体ドラム11上に残留する電荷が消去される。
図6に示すように、上記の現像過程において、現像ローラ23から感光体ドラム11へトナー16が供給される際に、トナー16は現像ローラ23の両端部25からハウジング21外部へ漏出しようとする。このとき、摺動部材33の毛羽35は、現像ローラ23の半径方向に対して、周方向に現像ローラ23の回転方向に毛倒しがされている。このため、漏出しようとするトナー16は毛羽35内に効果的に案内されるとともに、シール材30内に捕集される。
さらに、支持層31は柔軟性及び弾力性を有する材料によって形成され、摺動部材33を現像ローラ23に押し付ける方向に常に付勢するとともに、現像ローラ23の回転が阻害されないようになっている。このため、毛羽35の毛先は、現像ローラ23の外周面と隙間なく接触される。また、摺動部材33に用いられているフッ素樹脂繊維は、摺動性が良く、低摩擦性であることから、毛先が常に現像ローラ23と接触した状態にあっても、現像ローラ23の回転はほとんど妨げられない。さらに、フッ素樹脂繊維は柔軟性と復元性を有することから、毛羽35が現像ローラ23の回転により回転方向に倒れた場合でも元の形状に戻り、長時間の使用においてもシール効果を持続することができる。
接着層34及び接着膜32は、硬化後にも柔軟性を有する材料により形成され、シール材30が曲面状に変形可能な柔軟性を備えている。このため、曲面となっているハウジング21の内面にシール材30を接合した場合、シール材30にシワが形成されず、シワとハウジング21内面との間に形成される間隙よりトナー16が漏出することが防止される。
前記第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31は弾力性を有する材質により形成されている。このため、摺動部材33の毛羽35の毛先が現像ローラ23の外周面と接触する方向に常に付勢される。従って、シール材30の漏出防止効果を確実に発揮させることができる。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33を形成する繊維には、摺動性が良く、さらに低摩擦性と耐摩耗性を有するものが用いられている。このため、毛羽35の毛先が常に現像ローラ23の外周面に接触した状態で、現像ローラ23の回転を阻害することを防止することができる。さらに、シール材30の耐久性を向上させることができる。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33を形成する繊維は支持層31上の接着膜32に静電植毛されている。このため、シール材30を容易かつ安価に形成することができる。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33となる毛羽35は、現像ローラ23の半径方向に対して、周方向に現像ローラ23の回転方向へ所定の角度をなすように配置されている。このため、トナー16の外部への漏出をより効果的に防止することができる。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、接着膜32及び接着層34は、硬化後も曲面状に変形可能な柔軟性を有する材料にて形成される。このため、曲面となっているハウジング21内面にシール材30を接合した場合、シール材30がハウジング21内面に密着され両者間に間隙が形成されることを防止することができる。従って、この間隙よりトナー16が外部へ漏出することを防止することができる。
・ 第1実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33を形成する繊維には、柔軟性と弾力性を有するものが用いられている。これにより、毛羽35に復元性を持たせることができ、毛羽35の毛先を現像ローラ23の外周面と常に接触した状態に保つことができる。
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態を、図7に基づいて詳細に説明する。なお、この第2実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7に示すように、第2実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、支持層31上に接着剤層36を介して基材37が設けられ、この基材37上に設けられた接着膜32に第1実施形態と同様のフッ素樹脂製の繊維が静電植毛されている。基材37としては、耐熱性を有するとともに、接着剤で接着可能な基布、フィルム等の材料が使用される。このような材料としては、綿、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ナイロン及びウレタン樹脂等が挙げられる。第2実施形態における基材37としては、ポリエステルのフィルムが使用されている。
第2実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30を製造する際には、まず、基材37上にフッ素樹脂繊維を静電植毛し、摺動部材33を形成する。その後、摺動部材33上の毛羽35を第1実施形態と同様に毛倒しする。次に、この摺動部材33を支持層31の表面に接着剤層36を介して接合する。次いで、支持層31の裏面に接着層34を設ける。そして、第1実施形態と同様に、シール材30をハウジング21内面に接合する。
このとき、摺動部材33の毛羽35は、第1実施形態と同じく一定方向に毛倒しされているため、第1実施形態と同様の作用が発揮される。さらに、基材37上に毛羽35がしっかりと静電植毛される。また、摺動部材33を別体として構成することから、支持層31を他の材料に変更してシール材30の製造を行う場合、第1実施形態と比較して、容易に支持層31の変更を行うことができる。すなわち、第1実施形態の場合、支持層31の材料を変更するには、変更した支持層31上に新たに摺動部材33を形成しなければならない。しかし、本実施形態の構成によれば、他の材料により形成された支持層31上に摺動部材33が形成された基材37を接着剤層36を介して接合するだけで良く、製造工程を簡略化することができる。
前記第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第2実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31と接着膜32との間には基材37が設けられ、この基材37上にフッ素樹脂繊維が静電植毛されている。このため、第1実施形態と比較し、部材点数が増加するが、基材37上に確実に静電植毛を行うことができ、摺動部材33の毛羽35が抜け落ちることをより有効に防止し、トナー16の漏出防止効果を持続させることができる。
・ 第2実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33と支持層31は別体として構成されている。このため、第1実施形態と比較して、支持層31の材料変更を容易に行うことができる。
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態を、図8に基づいて詳細に説明する。なお、この第3実施形態においては、前記第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8に示すように、第3実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第2実施形態において、支持層31として加熱により収縮する材料が使用されている。このような材質としては、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
さて、第3実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、ハウジング21内面に接合される際に、所定温度で加熱することによってハウジング21の内面の曲面形状に対応させてシール材30の形状を変化させることができる。このとき、ハウジング21内面と接着層34との間には間隙が全く形成されない。また、摺動部材33を別体として構成することから、支持層31を加熱により収縮する材料に容易に変更することができる。
前記第3実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第3実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31が熱収縮性を有することから、加熱によりハウジング21内面形状に対応でき、シール材30をハウジング21内面に接合する作業を容易に行うことができる。
・ 第3実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31が熱収縮性を有することから、ハウジング21内面とシール材30との間に隙間ができることを確実に防止することができる。
・ 第3実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33と支持層31は別体として構成されている。このため、第2実施形態のシール材30の支持層31を本実施形態に示すような熱収縮する材料に変更し、製造することを容易に行うことができる。
(第4実施形態)
以下、この発明の第4実施形態を、図9に基づいて詳細に説明する。なお、この第4実施形態においては、前記第1〜第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9に示すように、第4実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第1実施形態において、毛羽35に使用されるフッ素樹脂繊維は、異なる太さの繊維が任意に混合され、静電植毛されている。繊維の太さの比としては、細い繊維38に対して太い繊維39は2〜10倍となっている。
さて、このシール材30の摺動部材33は、太い繊維39と細い繊維38の混合により毛羽35が形成されている。そして、太い繊維39により細い繊維38が支持され、常に毛羽35が所定の角度で傾斜した状態に保たれる。このため、現像ローラ23の回転により、毛羽35が元の状態よりさらに倒れ込むことを効果的に防止することができる。また、毛羽35が初期の傾斜状態に維持されることから、シール材30内奥に案内されたトナー16は、シール材30表面に漏出することがなく、現像ローラ23より漏出しようとするトナー16を良好に保持することができる。
前記第4実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第4実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35は、細い繊維38と太い繊維39を組み合わせて形成されている。そして、細い繊維38が太い繊維39に支持されることから、摺動部材33の毛羽35を持続的に所定の傾斜状態に保つことができる。
・ 第4実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35は、初期の傾斜状態に実質的に維持されている。このため、シール材30表面にトナー16が漏出することを防止することができ、シール材30内にトナー16を良好に保持することができる。
(第5実施形態)
以下、この発明の第5実施形態を、図10に基づいて詳細に説明する。なお、この第5実施形態においては、前記第1〜第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10に示すように、第5実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第1実施形態において、摺動部材33の毛羽35が、摺動性の高い繊維40と、トナー16に対して捕集性の良い繊維41とが任意に混合され、支持層31上に静電植毛されている。前記摺動性の高い繊維40は、第1実施形態と同じくフッ素樹脂繊維が使用されている。前記捕集性の良い繊維41は、特殊な繊維であり、繊維41の外表面に正電荷が帯電されている。このため、負電荷に帯電されているトナー16は、この繊維41に吸着されやすい。また、摺動性の良い繊維40が組み合わされていることから、シール材30によって現像ローラ23の回転が支障を受けない。
前記第5実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第5実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35には、正電荷に帯電された繊維41が混合されている。この繊維41が負電荷に帯電されたトナー16を吸着するため、シール材30のトナー16漏出防止効果をより効果的に発揮させることができる。
・ 第5実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35には、正電荷に帯電された繊維41に摺動性の良い繊維40が混合されている。このため、シール材30が現像ローラ23の回転を阻害することを防止することができる。
(第6実施形態)
以下、この発明の第6実施形態を、図11に基づいて詳細に説明する。なお、この第6実施形態においては、前記第1〜第5実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11に示すように、第6実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、支持層31表面に凹部42と凸部43が形成され、その表面には第1実施形態と同様のフッ素樹脂繊維が接着膜32を介して静電植毛されている。その凸部43は、現像ローラ23の軸線方向の中央側に向くように突出し、凸部43の間に形成される凹部42にトナー16が収容されやすいようになっている。
また、支持層31表面に形成される毛羽35は、支持層31の凹部42と凸部43の形状に倣って凹凸状となっている。このため、摺動部材33の凸部43上に植毛された繊維が漏出したトナー16を捕集するとともに、捕集されたトナー16は、摺動部材33表面の凹部42に植毛された繊維内に保持されるようになっている。また、この実施形態のシール材30を形成する際には、あらかじめ支持層31であるフォーム材表面に所定形状の凹部42と凸部43を形成しておけば良い。
前記第6実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第6実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31の表面には、凹部42と凸部43とが形成されている。この凹部42と凸部43により摺動部材33の毛羽35表面にも凹凸が形成され、凸部43上の繊維がトナー16を捕集するとともに、凹部42上の繊維が捕集されたトナー16を保持している。このため、シール材30の凹凸部にトナー16を容易かつ確実に保持することができる。
・ 第6実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、支持層31の表面に凹部42と凸部43を形成したことから、摺動部材33を裁断することに比べ、毛羽35表面の凹凸の形成を容易にすることができる。
(第7実施形態)
以下、この発明の第7実施形態を図12及び図13に基づいて詳細に説明する。なお、この第7実施形態においては、前記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図12に示すように、第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第2実施形態において、摺動部材33はフッ素樹脂製の繊維よりなる毛羽35から形成されたものに代えて、摺動性を向上させる薬剤で表面処理を施して形成した被覆層50を有する摺動性の良い繊維よりなる毛羽35によって形成されている。また、基材37としては、織物よりなる基布が使用されている。
前記摺動性を向上させるための薬剤としては、第1実施形態で挙げたフッ素樹脂、シリコーン等があげられ、本実施形態においては、フッ素樹脂が用いられている。
前記摺動性の良い繊維としては、綿等から形成される天然繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、酢酸セルロース繊維等の半合成繊維、アクリル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等から形成される合成繊維などがあげられる。この繊維は薬剤で表面処理を施すとともに、トナーの付着を容易に視認する等のために着色されることから、本実施形態においては、吸湿性が良好で所要の摺動性を有するとともに、低コストな肌色系レーヨン繊維が用いられている。
薬剤により被覆層50を形成する方法としては、ロールコーティング法、吹き付け処理による方法等が挙げられる。
例えば、ロールコーティング法は、次のような装置により行われる。図13に示すように、薬剤漕53内には所定量の薬剤53aが収容されている。ローラ52は、駆動軸52aにより回転駆動されるとともに、下部が薬剤53a中に浸漬され、その周面に薬剤53aが付着された状態で回転されるようになっている。シール材30は、ローラ52の上方において毛羽35がローラ52に接触するように、ローラ52の回転方向に沿って移動するようになっている。
そして、ローラ52が反時計方向に回転すると、ローラ52の表面に薬剤53aが塗布され、このローラ52が毛羽35に接触されることによって、ローラ52表面の薬剤53aが毛羽35に付着される。このようにして、毛羽35の表面に被覆層50が形成される。
また、吹き付け処理による方法は、静電植毛前又は後の繊維に薬剤を吹き付け、塗布することによって、繊維の表面処理を施すものである。本実施形態においては、静電植毛後にフッ素樹脂(住友スリーエム社製商品名スコッチガード)を霧状にして繊維の表面に吹き付けることによって表面処理が行われている。
基材37は、摺動性の良い繊維からなるタテ糸とヨコ糸とを織りなすことによって形成される織物よりなる基布が用いられている。
タテ糸及びヨコ糸は、所要の摺動性を確保するために、基布表面が平滑となるフィラメント糸を用いることが好ましい。また、基材37の表面には静電植毛を行う際に接着膜が塗布されることから、タテ糸及びヨコ糸は吸湿性が良好なものがより好ましい。さらに、生産性を良好にするために毛羽35を形成する繊維と同一の材料であることがさらに好ましいことから、本実施形態においては、基材37を構成する基布の材料としてレーヨン繊維(タテ糸の太さ300デニール、ヨコ糸の太さ450デニール)が用いられている。
上記基材37を構成する基布の織物組織を形成する手法としては、綾織、朱子織、平織等が挙げられる。本実施形態においては、基布はその表面が平滑となり、接着性が良好となる綾織によって形成されている。このときの糸の密度としては、タテ糸の密度が76本/インチ、ヨコ糸の密度が50本/インチとなるように設定されている。
基材37上に設けられた接着膜32上に静電植毛される繊維の太さは、0.5〜10デニールの範囲が好ましい。繊維の太さが0.5デニール未満の場合は、繊維が細いためトナーの捕集性能が低下する。また、繊維の太さが10デニールより太い場合には、繊維の柔軟性を損ない摺動性が低下する。
静電植毛される繊維の長さとしては、0.5〜5mmの範囲が好ましい。繊維の長さが0.5mmより短い場合には、トナーの捕集性能が低下する。また、繊維の長さが5mmより長い場合には、加工が困難となり生産性が低下する。本実施形態のレーヨン繊維としては、太さ2デニール、長さ1.2mmのものが用いられている。また、本実施形態において接着膜32は、アクリル酸エステルを含有するアクリル系接着剤が用いられている。
第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30を製造する際には、まず、基材37上にレーヨン繊維を静電植毛し、摺動部材33を形成する。その後、フッ素樹脂よりなる薬剤を繊維表面に吹き付け加工を行って被覆層50を形成した後、摺動部材33上の毛羽35を第1実施形態と同様に毛倒しする。次に、この摺動部材33を支持層31の表面に接着剤層36を介して接合する。次いで、支持層31の裏面に接着層34を設ける。そして、第1実施形態と同様に、シール材30をハウジング21内面に接合する。
このとき、摺動部材33の毛羽35は、摺動性を良好とする薬剤が吹き付け加工されているため、第2実施形態と本質的に同様の摺動性が発揮される。さらに、毛羽35を構成する繊維の太さ及び長さが設定されているため、シール材30の生産性が良好なものとされ、より良好な摺動性が発揮される。また、基材37は、織物よりなる基布から構成されることから、シール材30の柔軟性が保持される。しかも、基布を構成するタテ糸及びヨコ糸の太さと織り方が設定されていることから、接着性が良好なものとされる。
前記第7実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維は、摺動性を向上させる薬剤が表面に吹き付け加工され、被覆層50が形成されている。このため、シール材30の毛羽35を形成する材料に係わらず、シール材30の摺動性を良好に保つことができる。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37は、織物よりなる基布から構成されていることから、シール材30の柔軟性を効果的に保つことができる。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維の長さ及び太さを設定したことから、シール材30の生産性及び摺動性をより容易かつ効果的に保つことができる。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維には安価なレーヨン繊維を用いたことから、摺動性の高いシール材30を低コストで提供することができる。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維には染色が容易なレーヨン繊維を用いたことから、使用者の所望する色に合わせて着色されたシール材30を容易に提供することができる。
・ 第7実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維と、基材37を構成する基布を形成する繊維とは同一の材料を用いたことから、接着を容易に行うことができるとともに、摺動部材33と、基材37とをより強固に接合することができる。
(第8実施形態)
以下、この発明の第8実施形態を図13〜図15に基づいて詳細に説明する。なお、この第8実施形態においては、前記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
図14に示すように、第8実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第7実施形態において、毛羽35は、毛倒しされたものに代えて、立毛処理が施されている。また、繊維の表面に被覆層50を形成するための薬剤は、フッ素樹脂に代えて、シリコーンとなっている。
前記薬剤としてのシリコーンは、繊維表面の摩擦係数を減少させるとともに、吸湿性を与え、繊維の柔軟性を向上させている。このように摩擦係数を減少させるとともに、繊維の柔軟性を向上させる薬剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性系の界面活性剤、シリコーン系、ウレタン系、ポリエステル系の柔軟剤があげられる。なかでもシリコーン系柔軟剤は最も柔軟性が高く、薬剤として好ましい。
前記シリコーン系柔軟剤としては、ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ラバーシリコーン等のエマルジョン型のものと、ポリエーテル変性シリコーン等の水溶性のものとがあり、目的に応じて使用される。また、本実施形態において、薬剤で繊維表面に被覆層50を形成する方法としては、図13に示すように、ロールコーティング法により表面処理が行われている。
立毛処理は、次のような装置により行われる。図15に示すように、ブラシ51は回転する回転軸51aに放射状に埋め込まれている。シール材30は、ブラシ51の回転方向に逆らうように移動し、ブラシ51がシール材30の毛羽35を毛羽立たせるようになっている。そして、ブラシ51を時計方向に回転させるとともに、静電植毛後のシール材30をブラシ51の回転方向に逆らうように移動させることにより、毛羽35が基材37に対して垂直に毛羽立つ。
第8実施形態のシール材を形成する際には、まず、基布表面にレーヨン繊維が静電植毛された後、シリコーン系柔軟剤が塗布されたローラ52によって、毛羽35表面に表面処理が施され被覆層50が形成される。次いで、ブラシ51によって立毛処理が施される。そして、立毛処理が施されたシール材30は、現像ローラ23と摺接するときに、毛羽35が現像ローラ23に対するクッションとして働き、緩衝作用が奏せられる。
前記第8実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第8実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、毛羽35は立毛処理が施されていることから、シール材30の現像ローラ23に対する緩衝効果を向上させることができ、シール材30を現像ローラ23により良好に摺接させることができる。
・ 第8実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、摺動部材33の毛羽35を形成する繊維は、摺動性及び柔軟性を向上させる薬剤によって表面処理が施されている。このため、立毛処理が施されたシール材30においても、より良好な摺動性を保持することができる。
(第9実施形態)
以下、この発明の第9実施形態を詳細に説明する。なお、この第9実施形態においては、前記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
第9実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第7実施形態において、基材37としての基布は、タテ糸及びヨコ糸がフィラメント糸に代えて、スパン糸(紡績糸)によって形成されている。但し、基材37の織り方及び繊維の密度は、第7実施形態と同一となっている。
スパン糸における糸の太さを表記する際には、スパン糸(番手)をデニール換算(5315/番手)して表記する必要がある。本実施形態においては、デニール換算に基づきタテ糸としては300デニール相当の白系レーヨン繊維を用い、ヨコ糸としては450デニール相当の白系レーヨン繊維を用いている。このスパン糸は、フィラメント糸と比較して使用される材料に係わらず、伸縮性に優れているため、シール材30は、曲面となっているハウジング21の内面に接合された場合、柔軟性が向上され、シール材30におけるシワの形成が防止される。
この第9実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37としての基布は、スパン糸によって形成されていることから、使用される材料に係わらず伸縮性が向上され、シール材30の柔軟性が向上されている。このため、ハウジング21の内面に接合されたときに、シール材30とハウジング21内面との間に間隙が形成されることを、より効果的に防止することができる。
(第10実施形態)
以下、この発明の第10実施形態を詳細に説明する。なお、この第10実施形態においては、前記第9実施形態と異なる点を中心に説明する。
第10実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第9実施形態において、基材37としての基布を形成するタテ糸及びヨコ糸から選ばれる少なくとも一方は、半合成繊維のレーヨン繊維よりなるスパン糸に代えて、合成繊維のポリウレタン繊維よりなるフィラメント糸が用いられている。但し、基材37の織り方及び繊維の密度は、第7実施形態と同一となっている。
ポリウレタン繊維よりなるフィラメント糸は、レーヨン繊維よりなるスパン糸と比較してより伸縮性が高く、シール材30には、より高い柔軟性が付与される。
また、接着膜32は、ポリアクリル酸エステルを含有するアクリル系接着剤に代えて、ポリウレタン系接着剤が用いられている。そして、ポリウレタン系接着剤がそれと同種のポリウレタン繊維よりなる基材37に対して結合力が高められる。
前記第10実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第10実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37としての基布は、ポリウレタン繊維よりなるフィラメント糸によって形成されることから、第9実施形態と比較して、基材の伸縮性がさらに向上する。このため、基材37を形成する材料は限定されるが、シール材30の柔軟性がさらに向上し、ハウジング21の内面に接合されたときに、シール材30とハウジング21内面との間に間隙が形成されることを、さらに効果的に防止することができる。
・ 第10実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、接着膜32は、ポリウレタン系接着剤が使用されていることから、ポリウレタン繊維よりなる基材37に接着剤が強固に接合し、毛羽35と基材37との接着性をさらに効果的に向上させることができる。
(第11実施形態)
以下、この発明の第11実施形態を詳細に説明する。なお、この第11実施形態においては、前記第7実施形態と異なる点を中心に説明する。
第11実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30は、第7実施形態において、基材37は、綾織りによって形成された織物よりなる基布に代えて、編物よりなる基布によって構成されている。
基材37としての編物よりなる基布を形成する手法としては、平編、鎖編、両面編、裏毛編、ミラノリブ編等があげられ、本実施形態においては、タテ糸及びヨコ糸からなる2本の編糸を横方向に織りなす最も簡易な方法である平編によって基材37は形成されている。
また、基材37を形成する糸は、タテ糸及びヨコ糸共に300デニールのレーヨン繊維が用いられている。そして、シール材30は、基材37として編物よりなる基布が使用され、織物と比較して編物は良好な伸縮性を有することから、基材37が良好に伸縮される。
前記第11実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第11実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37は、編物よりなる基布によって構成されている。このため、本質的に第7実施形態と同様のシール効果を得ることができるとともに、シール材30の柔軟性をより容易に向上させ、さらに基材37の伸縮性を向上させることができる。
・ 第11実施形態の粉粒体の漏れ防止用のシール材30によれば、基材37は、レーヨン繊維の編物よりなる基布によって構成されている。このため、本質的に第7実施形態と同様のシール効果を得ることができるとともに、シール材30の良好な柔軟性を保持しつつ、製造コストの低減を図ることができる。
なお、前記各実施形態を、以下のように変更して具体化することもできる。
・ 第1〜11実施形態において、現像装置15内に設けられたシール材30を、クリーニング器19内に設けること。すなわち、シール材30をクリーニング器19のハウジング19aの両端又はハウジング19aの一部を構成するクリーニング用ブレード19bの両端に設けること。
このように構成することにより、現像装置15だけでなくクリーニング器19内からのトナー16の漏出を防止することができる。
・ 第3実施形態において、熱収縮層とした支持層31に代えて、基材37と支持層31との間に新たに熱収縮層を設けること。
このように構成することにより、第3実施形態と比較して、製造コストは増加するが、基材又は支持層の変更をより容易に行うことができる。
・ 第6実施形態において、支持層31表面に凹部42と凸部43を形成することに代え、表面に凹凸層を形成した凹凸層を支持層31表面に設け、この凹凸層表面に摺動部材33を静電植毛すること。
このように構成することで、第6実施形態と比較して、製造コストは増加するが、確実に静電植毛を行うことができるため、より効果的な毛羽35の抜け落ち防止を付与することができる。
・ 第1〜11実施形態において、ハウジング21内面に接合されているシール材30を、例えば現像ローラ23の端部25や支軸22等の可動体の外表面に接合すること。
このように構成しても、実施形態と同様のトナー16の漏出防止効果を得ることができる。
・ 第4〜6実施形態において、第2実施形態と同様に支持層31と接着膜32との間に基材37を設けること。
このように構成しても、各実施形態は、各形態における特有の効果を発揮させることができるとともに、確実に静電植毛することができるため、毛羽35の抜け落ちを有効に防止することができる。
・ 第1及び第4〜11実施形態において、第3実施形態と同様に支持層31に熱収縮性を持たせること。
このように構成しても、各実施形態は、各形態における特有の効果を発揮させることができるとともに、シール材30とハウジング21内面との間に隙間ができることを確実に防止することができる。
・ 第1〜5及び第7〜11実施形態において、毛羽35を凹凸状に裁断又は第6実施形態と同様に支持層31表面に凹凸部を形成して摺動部材33表面を凹凸状にすること。
このように構成した場合、シール材30のトナー16捕集効果をより確実に発揮させることができる。
・ 第5実施形態において、任意に混合され、植毛されていた繊維を所定位置に異なる繊維毎に規則正しく植毛すること。
このように構成した場合、製造工程は複雑となるが、植毛場所により効果に差が出ることがなく、安定した効果を発揮させることができる。
・ 第4実施形態において、太さが異なる同一の繊維としたものを、例えば、アラミド繊維等の太さが異なるとともに剛性が異なる繊維、あるいは、太さが同じで剛性が異なる繊維で具体化すること。
このように構成した場合、製造工程は複雑となるが、実施形態に特有のトナー16の保持効果をより確実に発揮させることができる。
・ 前記各実施形態において、毛羽35の傾斜を、その根本から毛先側へ延びる延出方向が現像ローラ23の半径方向となるように設定するか、又は現像ローラ23の半径方向より周方向側に現像ローラ23の回転に逆らって倒れ込むように設定すること。
このように構成した場合、前記各実施形態のシール材30と比較して現像ローラ23の回転を阻害することを防止する効果は、若干低下するが、トナー16を現像ローラ23の表面より掻き取る効果を発揮させることができる。このため、トナー16の漏出防止効果が要求される場合に加え、トナー16を掻き取る効果が要求される場合に好適に使用することができる。
・ 第7及び第8実施形態において、第1実施形態と同様に基材37を省略してシール材30を構成すること。
このように構成しても、各実施形態は、各形態における特有の効果を発揮させることができるとともに、材料費を削減し、製造コストを低減することができる。
・ 第7及び第8実施形態において、第4実施形態と同様に毛羽35を細い繊維と太い繊維を組み合わせて形成すること。
このように構成した場合、本質的に第4実施形態と同様の毛倒れ防止効果を得ることができ、シール材30内にトナーを良好に保持することができる。
・ 第7及び第8実施形態において、第5実施形態と同様に毛羽35を摺動性の高い繊維とトナーに対して捕集性の良い繊維を組み合わせて形成すること。
このように構成した場合、本質的に第5実施形態と同様のトナー捕集効果を得ることができ、シール材30のトナー漏出防止効果をさらに効果的に発揮させることができる。
・ 第9実施形態において、タテ糸及びヨコ糸の両方をスパン糸としたものに代えて、どちらか一方のみをスパン糸によって構成すること。
このように構成した場合、本質的に第9実施形態と同様の柔軟性を得ることができるうえ、シール材30の製造コストを低減することができる。
・ 第11実施形態において、毛羽35のフッ素樹脂による表面処理を省略するとともに、毛羽35をフッ素樹脂製の繊維によって形成すること。
このように構成した場合、シール材30の摺動性を維持しつつ、本質的に第11実施形態と同様の柔軟性を得ることができる。
・ 第1〜第7及び第9〜第11実施形態において、毛羽35を形成する繊維に例えばシリコーン等の柔軟剤による表面処理を行うこと。
このように構成した場合、毛羽35を形成する繊維に柔軟性を与え、シール材30の摺動性をさらに向上させることができる。
・ 第7〜第11実施形態において、毛羽35を形成する繊維の表面全体に形成された連続する被覆層50に代えて、毛羽35の表面の少なくとも一部に形成された不連続な被覆層とすること。あるいは、繊維に薬剤を含浸させることによって繊維の内部に形成された被覆層とすること。
このように構成した場合においても、各実施形態と本質的に同様の摺動性を向上させる効果を得ることができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記捕集性の良い繊維は、正電荷に帯電された繊維よりなるものである粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することにより、負電荷に帯電されたトナーをより容易かつ効果的に捕集することができる。
・ 前記粉粒体は現像用のトナーである粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することによって、電気写真複写機におけるトナーの漏出防止効果を有効に発揮させることができる。
・ 前記毛羽を、前記可動体の半径方向に対して周方向に可動体の回転方向に倒れ込むように傾斜させた粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することによって、可動体の可動を阻害することをより効果的に防止しつつ、外部への粉粒体の漏れを防止することができる。
・ 前記基材は、糸を織りなすことによって形成した編物よりなる基布である粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することによって、シール材の柔軟性を保持しつつ、基材の伸縮性を向上させることができる。
・ 前記基材は、糸を織りなすことによって形成した織物よりなる基布である粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することによって、基材の製造工程を簡略化させつつ、シール材の柔軟性を効果的に保ち、製造コストを低減することができる。
・ 前記基材は、タテ糸及びヨコ糸の少なくとも一方にフィラメント糸を用いて形成した基布である粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することによって、毛羽を形成する糸の製造工程を簡略化し、シール材の製造コストを低減することができる。
・ 前記基材は、柔軟性を向上させる薬剤で表面処理を施したものである粉粒体の漏れ防止用のシール材。
このように構成することによって、基材を形成する繊維に伸縮性を与え、シール材の柔軟性を向上させることができる。
16…粉粒体としてのトナー、19a…ハウジング(面)、21…ハウジング(面)、23…可動体(回転体)としての現像ローラ、26…所定の間隙としての環状間隙、30…シール材、31…支持層、33…摺動性の良い繊維よりなる摺動部材、34…接着層、35…毛羽、37…基材、38…繊維としての細い繊維、39…繊維としての太い繊維、40…摺動性の良い繊維、41…捕集性の良い繊維、42…凹凸部としての凹部、43…凹凸部としての凸部、50…被覆層。

Claims (14)

  1. 電子写真装置内において、トナーに接触する回転体とその回転体に対向するハウジングとの間の所定の間隙における前記回転体又はハウジング面に接着され、前記回転体の回転を妨げることなく前記トナーの漏れをシールする粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法であって、
    前記シール材は、接着膜を介して、レーヨン又はポリアミドからなる繊維を基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成するとともに、
    前記毛羽には、摺動性を向上させるフッソ系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成し、
    前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させる
    電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  2. 前記毛羽の繊維の太さが、0.5〜10デニールである請求項1に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  3. 前記毛羽の繊維の長さが0.5〜5mmである請求項1又は請求項2に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  4. 前記基材の裏面を、弾力性を有する支持層の表面に接合し、
    当該支持層の裏面に曲面状に変形可能な柔軟性を有する接着層を設ける請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  5. 前記被覆層を形成する方法が、ロールコーティング法である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  6. 前記被覆層を形成する方法が、吹きつけ処理である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  7. 前記被覆層を形成した後に、前記摺動部材を傾斜させる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  8. 前記回転体が現像装置内の現像ローラである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  9. 前記回転体が感光ドラムであり、前記シール材はクリーニング器のハウジングの両端に設けられる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  10. 前記回転体に逆らわない方向が、回転体の回転方向と平行である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  11. 前記接着膜がアクリル系又はゴム系接着剤である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  12. 前記基材が織物よりなる基布である請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  13. 基布を構成する繊維と前記毛羽を構成する繊維が同一の材料である請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
  14. 電子写真装置内において、トナーに接触する回転体とその回転体に対向するハウジングとの間の所定の間隙における前記回転体又はハウジング面に接着され、前記回転体の回転を妨げることなく前記トナーの漏れをシールする粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法であって、
    前記シール材は、接着膜を介して、繊維の太さが0.5〜10デニール、長さが0.5〜5mmのレーヨンからなる繊維を基材の表面に静電植毛して毛羽とし、摺動部材を形成するとともに、
    前記毛羽には、摺動性を向上させるフッ素系またはシリコーン系の薬剤で表面処理を施して被覆層を形成し、
    前記被覆層の形成後に前記摺動部材を、前記回転体又はハウジング面に接合した際に、前記回転体の回転に逆らわない方向となるように、一定方向にあらかじめ傾斜させる
    電子写真装置の粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法。
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