JP2014200749A - 空気浄化用濾材及び空気浄化用濾材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維の公定水分率等の物性に関係なく空気浄化用濾材を構成するだけでなく、抗体を繊維に簡単に担持させることにより空気浄化用濾材の製造を容易にする。【解決手段】繊維11aの表面に正帯電膜11bが形成され、その正帯電膜11bに抗体12を静電気力により担持させている。【選択図】図2

Description

本発明は、表面に正帯電膜が形成された繊維により構成される空気浄化用濾材及び当該空気浄化用濾材の製造方法に関するものである。
従来、自然に空気中に浮遊し、又は感染者の咳やくしゃみ等により吐き出されて空気中に浮遊するウイルスや細菌等を不活化するための空気浄化用濾材が考えられている。
この空気浄化用濾材としては、例えば特許文献1に示すように、公定水分率が7%以上の繊維で構成された担体に、ウイルスや細菌等を不活化する抗体を担持させて構成したものがある。この空気浄化用濾材は、前記抗体の抗体抗原反応により、捕捉されたウイルスや細菌等を不活化するものである。
しかしながら、上記の空気浄化用濾材は、公定水分率が7%以上の繊維を用いることで、その繊維に吸着した水による生物化学反応を利用するものであり、一般的な濾材として用いられる合成繊維等の公定水分率が7%よりも小さい繊維を用いることが難しい。例えば、濾材として一般的に利用されており比較的安価なポリエステルは、公定水分率が0.4%であり、特許文献1の空気浄化用濾材としては用いることができない。
また、特許文献1には、公定水分率が7%以上の繊維に抗体を担持させる方法として、特定の官能基を有する担体表面にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法、又は、特定の官能基を有する担体に抗体をイオン結合により固定する方法等が挙げられている。しかしながら、いずれの方法も担体に抗体を担持させる方法が複雑であるという問題がある。
特許第3642340号公報
そこで本発明は、繊維の公定水分率等の物性に関係なく空気浄化用濾材を構成するだけでなく、抗体を繊維に簡単に担持させることにより空気浄化用濾材の製造を容易にすることを主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る空気浄化用濾材は、繊維の表面に正帯電膜が形成され、その正帯電膜に抗体を静電気力により担持させていることを特徴とする。
このようなものであれば、繊維の表面に正帯電膜を形成して、当該正帯電膜に抗体を静電気力により担持させているので、繊維の素材や公定水分率等の物性に関係なく、またそれらの影響を受けることなく、抗体を担持させることができる。また、抗体は例えば水中では表面が負に帯電するため、抗体及び正帯電膜が形成された繊維を例えば水中に浸漬するだけで、抗体を正帯電膜に担持させることができ、空気浄化用濾材の製造が容易である。さらに、このように構成された空気浄化用濾材は、正帯電膜に担持させる抗体を選択することによって、空気中に浮遊するウイルスや細菌等の微生物由来の有害物質を選択的に捕捉及び不活化することができる。
また、前記正帯電膜の具体的な実施の態様としては、第四級アンモニウム塩の自己組織化膜であることが望ましい。
また、前記正帯電膜が第四級アンモニウム塩の自己組織化膜である場合には、当該第四級アンモニウム塩が、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体であることが望ましい。
また、前記第四級アンモニウム塩が、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体である場合には、前記ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体が、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを含むものであることが望ましい。
前記繊維が、合成繊維であることが望ましい。これならば、濾材として一般的で安価な合成繊維を用いることにより、製造コストを削減することができる。
また、前記繊維が、不織布を構成するものであることが望ましい。不織布は、織布に比べて生産性が良く安価で製造できるので、空気浄化用濾材の大量生産が可能になる。
また、前記抗体が、鶏卵抗体であるものが望ましい。鶏卵抗体は、哺乳類動物を利用した抗体の生産に比べて生産性が良く安価で製造できるので、空気浄化用濾材の大量生産が可能になる。
また、前記正帯電膜が、銀糸又は銀微粒子を担持するものが望ましい。これならば、抗菌性を有する前記銀糸又は銀微粒子により、空気浄化用濾材の表面における細菌の繁殖を抑制でき、長期間の保管が可能になる。
また、本発明に係る空気浄化用濾材の製造方法は、繊維の表面に正帯電膜が形成され、その正帯電膜に抗体を静電気力により担持させた空気浄化用濾材の製造方法であって、前記繊維に正帯電膜を形成する正帯電膜形成工程と、前記正帯電膜形成工程により前記正帯電膜が形成された繊維を、抗体を含有する抗体含有液に浸漬させて、前記正帯電膜に前記抗体を静電気力により担持させる抗体担持工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る空気浄化用濾材の製造方法は、繊維の表面に正帯電膜が形成され、その正帯電膜に抗体を静電気力により担持させた空気浄化用濾材の製造方法であって、前記繊維に正帯電膜を形成する正帯電膜形成工程と、前記正帯電膜形成工程により前記正帯電膜が形成された繊維に、抗体を含有する抗体含有液を噴霧して、前記正帯電膜に前記抗体を静電気力により担持させる抗体担持工程とを有することが考えられる。
このように構成した本発明によれば、繊維の表面に正帯電膜を形成して、当該正帯電膜に抗体を静電気力により担持させているので、繊維の公定水分率等の物性に関係なく空気浄化用濾材を構成するだけでなく、抗体を繊維に簡単に担持させることにより空気浄化用濾材の製造を容易にすることができる。
本実施形態の空気浄化用濾材の構成を模式的に示す図。 同実施形態の担体の構成を模式的に示す断面図。 同実施形態のポリエステル不織布のゼータ電位を示す図。 同実施形態のカチオン化ポリエステル不織布のゼータ電位を示す図。 同実施形態の鶏卵抗体のゼータ電位を示す図。 同実施形態の担体と抗体との静電力による吸着の模式図。 同実施形態の空気浄化用濾材の抗体添着試験結果を示す図。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る空気浄化用濾材10は、有害物質13を捕捉して不活化することにより空気を浄化するものであり、空気浄化フィルタ等に用いられる。この空気浄化用濾材10は、図1に示すように、担体11と、当該担体11に担持され、前記有害物質13を不活化する抗体12とを備える。
担体11は、繊維11aからなる不織布である。そして、図2に示すように、繊維11aの表面には、抗体12を担持するための正帯電膜11bが形成されている。
繊維11aの表面に形成される正帯電膜11bは、カチオン化表面処理により形成されるものであり、繊維11aの略全体を覆うように形成される。つまり、正帯電膜11bの表面が担体11の表面となる。そして、この正帯電膜11bは、負に帯電する抗体12との間で、静電気力(クーロン力)が作用することにより抗体12を担持する。
本実施形態における繊維11aは、糸状の細い構造を持った素材であれば良く、公定水分率等の繊維素材の物性を問わず、種々の繊維素材を繊維11aとして用いることができる。ここで、公定水分率とは、繊維素材を20℃、相対湿度65%の環境下に長時間放置したときに繊維に含まれる水分率のことをいう。
したがって、繊維11aは、植物繊維や動物繊維等の天然繊維であっても良いし、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、又はセラミックファイバー等の化学繊維であっても良い。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、アクリル繊維、ポリウレタン又はポリカーボネート等を用いることが考えられる。当然ながら、キュブラ、レーヨン等の再生セルロース系繊維や、綿、絹又は毛等を用いても良い。また、繊維11aは、単一の繊維素材からなるものであってもよいし、複数の繊維素材を混合したものでも良い。
また、繊維11aの平均繊維径は、0.5μm〜100μmであり、好ましくは、10μm〜30μmのものであれば良い。
このような繊維11aの製造方法としては、湿式紡糸、乾式紡糸又は湿乾式紡糸等の一般的な製造方法であっても良いし、例えば超高圧ホモジナイザーによる強力な機械的せん断処理等の物理的処理によって繊維を微細化する方法であっても良い。また、平均繊維径が1μm以下で均一な繊維を作成するために、電界紡糸法であっても良い。
さらに、正帯電膜11bとしては、カチオン化剤、例えば、塩化ベンザルコニウム酸、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート(メタクリレート)四級塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン四級塩、またこれらの共重合物、ジシアンジアミドとホルマリンの縮合物、アルキレンジアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物等、また、かに、えび、昆虫等の甲殻中に多量に含まれるキチン(2−アセトアミドグルコースを構成成分とする多糖類)をアルカリ中で加水分解し、脱アセチル化することにより得られるキトサン等により構成されるものが考えられる。
本実施形態における正帯電膜11bは、第四級アンモニウム塩の自己組織化膜である。さらに、正帯電膜11bを構成する当該第四級アンモニウム塩は、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体である。加えて、当該ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)が含まれている。
また、担体11には、抗菌加工が施されている。具体的には、銀担持コロイダルシリカ又はゼオライト担持銀糸等を担体11の表面、つまり正帯電膜11bに担持させている。
このように構成された担体11に担持される抗体12は、有害物質13に対して特異的な抗原抗体反応をするタンパク質であり、捕捉した有害物質13を不活化するものである。
ここで、有害物質13としては、例えば細菌、ウイルス、アレルゲン又はマイコプラズマ等が挙げられる。より具体的には、細菌としては、グラム陽性菌であるブドウ球菌属(黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌又はMRSA等)、ミクロコッカス菌、炭素菌、セレウス菌、枯草菌又はアクネ菌等や、グラム陰性菌である大腸菌(O157等)、緑膿菌、セラチア菌、セパシア菌、肺炎球菌、レジオネラ菌又は結核菌等を挙げることができる。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、コロナウイルス(SARSウイルス)、アデノウイルス、ライノウイルス等を挙げることができる。アレルゲンとしては、スギ、ヒノキ、イネ、カバ又はブタクサ等の花粉、ダニアレルゲン又はネコアレルゲン等を挙げることができる。
抗体12の製造方法としては、例えばニワトリに抗原を投与して免疫卵を産ませ、当該免疫卵の卵黄液を殺菌及び噴霧乾燥させて得た卵黄粉末から鶏卵抗体を精製する方法がある。他の方法としては、例えばヤギ、ウマ、ヒツジ、ウサギ等の動物に抗原を投与し、抗原が投与された動物の血液からポリクローナル抗体を精製する方法、抗原を投与した動物の脾臓細胞と培養癌細胞とを細胞融合し、その培養液又は融合細胞を植え込んだ動物の体液(腹水等)からモノクローナル抗体を精製する方法、抗体産生遺伝子を導入した遺伝子組み換え細菌、植物細胞又は動物細胞の培養液から抗体を精製する方法等がある。これらの抗体の製造方法の中でも、鶏卵から抗体12を製造する方法であれば、容易且つ大量に抗体12を製造することができ、空気浄化用濾材10を低コストで生産することができる。
次に、空気浄化用濾材10の製造方法について説明する。
空気浄化用濾材10の製造方法は、繊維11aに正帯電膜11bを形成して、担体11を製造する正帯電膜形成工程S1と、正帯電膜形成工程S1により製造された担体11に抗体12を添着して担持させる抗体担持工程S2とを有する。
正帯電膜形成工程S1は、担体11の基材となる繊維11a(不織布)を、前述したカチオン化剤を含む溶液に連続して浸漬する工程である。これにより、繊維11aの表面には、カチオン化剤によるカチオン化表面処理により正帯電膜11bが形成される。つまり、正帯電膜形成工程S1では、繊維11aを基材とし、当該繊維11aの表面に正帯電膜11bが形成された担体11が製造される。この正帯電膜形成工程S1において製造された担体11は抗体担持工程S2に移行する前に水洗いされる。
抗体担持工程S2は、正帯電膜形成工程S1で製造された担体11を、抗体12を含む抗体含有液に連続して浸漬する工程である。これにより、担体11の表面、つまり正帯電膜11bに抗体12が静電気力によって担持される。特に、抗体12はタンパク質であるので、水中ではその表面が負に帯電しており、静電気力によって正帯電膜11bに容易に担持される。
正帯電膜形成工程S1におけるカチオン化剤を含む溶液、及び、抗体担持工程S2における抗体12を含む抗体含有液は、それぞれ一定の濃度及び量になるように、適宜補充することにより、安定して繊維11aへの正帯電膜11bの形成又は正帯電膜11bへの抗体12の担持を行うことができる。
ここで、正帯電膜形成工程S1及び抗体担持工程S2において、連続して浸漬するとは、例えばロール状などの長尺状の繊維シートを、その長さ方向に途切れなく浸漬することを意味する。また、長尺状とは、切断されていない1つの繊維シートからなるものの他、複数の繊維シートが連続的に供給されることによりあたかも長尺状をなすような態様も含まれる。
また、連続して浸漬する方法は、特に限定されないが、例えば、長尺状の繊維シートを溶液が入れられた浸漬槽に導入する方法が挙げられる。繊維シートを浸漬槽に導入する方法についても特に限定はされないが、例えば、導入リール等を用いて繊維シートを浸漬槽に導入する方法が考えられる。
以下に、本実施形態の具体的な実施例を説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されない。
本実施例では、繊維11aとしてポリエステル繊維11aを採用し、ポリエステル繊維11aからなる不織布を使用した。また、正帯電膜11bを形成するカチオン化剤は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを使用し、抗体12は鶏卵抗体12を使用した。
まず、担体11の製造方法を説明する。本実施例では、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)を水道水で1%に希釈したPDDA溶液を作成し、このPDDA溶液にポリエステル繊維11aを10秒間浸漬(浴比1:10)し、その後室温で乾燥させて担体11を製造した。
ここで、未処理のポリエステル繊維11aと、上記の方法で製造したポリエステル繊維11aからなる担体11のゼータ電位を測定した。図3は前記未処理のポリエステル繊維11aのゼータ電位14を示し、図4は前記担体11のゼータ電位15を示す。この結果から明らかなように、前記未処理のポリエステル繊維11aのゼータ電位14は−20mV付近にピークを持つことから、前記未処理のポリエステル繊維11aは負に帯電していることがわかる。一方、前記担体11のゼータ電位15は+45mV付近にピークを持つことから、前記担体11は正に帯電していることがわかる。以上から、ポリエステル繊維11aを1%濃度のPDDA溶液に浸漬して処理することにより、正帯電膜11bを形成でき、ポリエステル繊維11aの表面に正帯電膜11bが形成された担体11を製造できることが明らかとなった。
次に、水中における鶏卵抗体12のゼータ電位16を測定した。図5は鶏卵抗体12のゼータ電位16を示す。この結果から明らかなように、鶏卵抗体12のゼータ電位16は−12mV付近にピークを持つことから、大きく負に帯電していることがわかる。このことから、図6に示すように、負に帯電した鶏卵抗体12は、正に帯電した担体11に、静電気力により担持されると考えられる。
実際に正帯電膜11bを有する担体11への抗体12の抗体添着試験を行った。
まず、市販のポリエステル不織布(30g/m)を常温で濃度1%、浴比1:10のPDDA溶液に浸漬した(SE1)。このとき、PDDA溶液に浸漬させていないポリエステル不織布を比較対照(コントロール)とした。その後、室温で乾燥させた(SE2)。乾燥後、ポリエステル不織布を3cm四方に裁断し、重量を測定した。ここで、−40℃で保管していた抗体12を含む溶液を4℃で解凍しておく。さらにその後、裁断したポリエステル不織布及び比較対照を、蒸留水で希釈した抗体12を含む溶液に10秒間浸漬し、その後、室温で乾燥させた(SE3)。
SE3において乾燥させたポリエステル不織布及び比較対照を20mlのリン酸緩衝液に20分間浸漬させ、洗い流した。このリン酸緩衝液に流れ出した抗体12の量を測定し、抗体添着量とした(SE4)。
その結果、比較対照では抗体12の添着量が0.31mg/mであったのに対し、SE1においてPDDA溶液に浸漬させたポリエステル不織布では抗体12の添着量が1.25mg/mであった。以上から、SE1においてPDDA溶液に浸漬させることにより、抗体12の添着量が約4倍になることが明らかとなった。
次に、ポリエステル不織布をPDDA溶液に浸漬させる場合の温度を変えて、上記と同じ手順で測定した。その結果を図7に示す。この図7から明らかなように、40℃でポリエステル不織布をPDDA溶液に浸漬させることにより、抗体12の添着量が3.47mg/mに増加した。これは、比較対照における抗体12の添着量の約11倍以上である。また、60℃でポリエステル不織布をPDDA溶液に浸漬させ場合には、比較対照に対し10倍の抗体12の添着量が得られた。以上の結果から、エネルギー効率の面から、ポリエステル不織布をPDDA溶液に浸漬させる場合の温度は40℃程度が望ましい。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る空気浄化用濾材10であれば、繊維11aの表面に正帯電膜11bを形成して、当該正帯電膜11bに抗体12を静電気力により担持させているので、繊維11aの素材や公定水分率等の物性に関係なく、またそれらの影響を受けることなく、抗体12を担持させることができる。また、抗体12は例えば水中では表面が負に帯電するため、抗体12及び正帯電膜11bが形成された繊維11aを水中に浸漬するだけで、抗体12を正帯電膜11bに担持させることができ、空気浄化用濾材10の製造が容易である。さらに、このように構成された空気浄化用濾材10は、正帯電膜11bに担持させる抗体12を選択することによって、空気中に浮遊するウイルスや細菌等の微生物由来の有害物質を選択的に捕捉、不活化することができる。
また、抗菌性を有する銀糸又は銀微粒子が担体11の表面に担持されているので、空気浄化用濾材10の表面における細菌の繁殖を抑制でき、長期間の保管が可能になる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、空気浄化用濾材の製造方法において、前記抗体担持工程が、正帯電膜が形成された繊維に、抗体を含有する抗体含有液を噴霧して、正帯電膜に抗体を静電気力により担持させるものであっても良い。
また、前記正帯電膜形成工程が、カチオン化剤を含む溶液を繊維11aに噴霧することにより、前記繊維11aに正帯電膜を形成するものであっても良い。
さらに、前記実施形態の担体は、繊維からなる不織布であったが、その他、織布等の繊維シートを用いたものであっても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
10 ・・・空気浄化用濾材
11 ・・・担体
11a・・・繊維
11b・・・正帯電膜
12 ・・・抗体
13 ・・・有害物質

Claims (10)

  1. 繊維の表面に正帯電膜が形成され、
    その正帯電膜に抗体を静電気力により担持させていることを特徴とする空気浄化用濾材。
  2. 前記正帯電膜が、第四級アンモニウム塩の自己組織化膜であることを特徴とする請求項1記載の空気浄化用濾材。
  3. 前記第四級アンモニウム塩が、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体であることを特徴とする請求項2記載の空気浄化用濾材。
  4. 前記ジアリルジメチルアンモニウム塩重合体が、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを含むものであることを特徴とする請求項3記載の空気浄化用濾材。
  5. 前記繊維が、合成繊維であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気浄化用濾材。
  6. 前記繊維が、不織布を構成するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気浄化用濾材。
  7. 前記抗体が、鶏卵抗体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気浄化用濾材。
  8. 前記正帯電膜が、銀糸又は銀微粒子を担持することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の空気浄化用濾材。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の空気浄化用濾材の製造方法であって、
    前記繊維に正帯電膜を形成する正帯電膜形成工程と、
    前記正帯電膜形成工程により前記正帯電膜が形成された繊維を、抗体を含有する抗体含有液に浸漬させて、前記正帯電膜に前記抗体を静電気力により担持させる抗体担持工程とを有する空気浄化用濾材の製造方法。
  10. 請求項1乃至8の何れかに記載の空気浄化用濾材の製造方法であって、
    前記繊維に正帯電膜を形成する正帯電膜形成工程と、
    前記正帯電膜形成工程により前記正帯電膜が形成された繊維に、抗体を含有する抗体含有液を噴霧して、前記正帯電膜に前記抗体を静電気力により担持させる抗体担持工程とを有する空気浄化用濾材の製造方法。
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JP2020106680A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 東英産業株式会社 繊維部材、ブラシ部材、フィルター部材、シール部材及び画像形成装置

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