JP2009072251A - 有害物質除去材及び有害物質除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抗体を担持した担体からなる有害物質除去材であって、担体が親水化処理されていることを特徴とする有害物質除去材。
【選択図】なし
Description
抗体の活性を維持するためには繊維近傍の湿度環境の制御が必須で、セルロース系繊維など高吸湿性材料が利用されているが、セルロース系繊維の含有量が多いと繊維自体が脆くなり、フィルター加工工程や使用時の外力の影響を受け、破壊しやすくなるのが実情である。フィルターの基材破壊は除去したい対象の漏洩を意味し機能欠陥に直接結びつくことはいうまでもない。合わせて、高親水性繊維は吸湿による体積増加やそれに伴う歪を生じやすく、構造破壊やフィルター孔径の変化をもたらし、結果として除去効率の低下や性能信頼性低下を招くという問題があった。
好ましくは、上記親水化処理は、水酸基、アミノ基、アミド基、又はカルボン酸基から選ばれる少なくとも一種の官能基を含有するポリマーを塗設する処理である。
好ましくは、上記ポリマーは、ポリビニルアルコール系、ポリアミド、ポリペプチド、又はポリカルボン酸の何れかを主成分とするポリマーである。
好ましくは、親水化処理された担体の表面の25℃60%RHにおける水の接触角は10度以上60度以下である。
好ましくは、上記担体は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又はポリアクリル系から選ばれる少なくとも1種の繊維からなる。
好ましくは、担体を構成する繊維の繊維径は100nm以下である。
好ましくは、上記抗体は鶏卵抗体である。
本発明の有害物質除去材は、抗体を担持した担体からなる有害物質除去材であって、担体が親水化処理されていることを特徴とするものである。担体表面の親水化処理によって担持する抗体活性を維持するための水分が保持でき、気相下における有害物質除去についても抗原抗体反応を安定して利用することができる。また、抗体は捕捉する有害物質が特異的であるため、抗体の選択により有害物質を特定した高精度な有害物質除去を行うことができる。
SEM等の方法で観察することができる。繊維同士の接着点の密度は、該有害物質除去材の投影表面積に対して1mm角辺り10箇所以上存在することが好ましく、100箇所以上であることがより好ましい。
抗原を投与したニワトリが産んだ免疫卵を精製して作製したインフルエンザウイルス抗体(IgY抗体)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解させ、抗体濃度200ppmになるように調製した。次にポリビニルアルコール(和光純薬製、平均重合度約2000、ケン化度98%以上)をポリマー濃度200ppmの水溶液を調製した。上記抗体溶液とポリマー水溶液を1:1の割合で混合したのち、タピルス社製不織布「タピルス」(ポリプロピレン、0.03デニール)を上記混合液中に室温で16〜24時間浸漬させ、繊維表面にポリマーと抗体を付与させた。得られた試料を25℃20%RHの環境下で24時間静置して乾燥して抗体担持不織布(N−1)を得た。
ポリビニルアルコールを表1のポリマーに置き換えた以外は実施例1と同じ方法にて、抗体担持不織布(N−2〜N−5)を得た。
ポリマーを添加しない以外は実施例1と同じ方法にて抗体担持不織布(H−1)を得た。
ポリマーとして、ポリプロピレングリコール(和光純薬製、重量平均分子量約4000)を用いた以外は実施例1と同じ方法にて抗体担持不織布(H−2)を、ポリプロピレングリコール(同上)とC12アルキルホスフェート(和光ケミカル)を1:1の質量濃度になるように用いた以外は同じ方法にて抗体担持不織布(H−3)を得た。
実施例2のN−4の抗体担持液に、コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテックスZL、平均粒子径70〜100nm)1質量%を添加した混合溶液を用いる以外は実施例1と同じ方法で抗体担持不織布N−6を得た。SEMで繊維表面には平均200nmのシリカ凝集物が分布している様子が認められた。
ナイロン6,6(ポリサイエンス製)のギ酸溶液(10質量%)を用い、ナノファイバー製造装置(カトーテック製)を用いて、シリンジ送り速度0.05mm/min、印加電圧15kVで電界紡糸を行い、膜厚85μmの不織布を作製し、これを基材として用いた以外は実施例1と同じ方法にて抗体担持不織布N−7を得た。SEMで平均繊維径を測定したところ、80nmであった。
セルロースアセテート(アルドリッチ製、全置換度2.4、数平均分子量3万)のアセトン:水(97:3)溶液(10質量%)を用い、製膜後にKOHのエタノール溶液(2.8質量%)に25℃1時間浸漬し、水洗したものを担体に用いた以外は実施例と同じ方法にて抗体担持不織布H−3を得た。なお、処理後の基材は滴定法によりセルロースアセテートはほぼケン化されていることを確認した。
市販のプラズマ表面処理装置(ユーテック製、Space2)を用いて、タピルス社製不織布「タピルス」(ポリプロピレン、0.03デニール)を酸素10mL/分、アルゴン40mL/分の流量でRF100W5分間の条件で表面酸化処理を行った。次に1分間の流水洗浄を行った後、比較例1と同様の方法で抗体を担持して抗体担持不織布N−8を得た。
前記N−1〜N−8及びH−1〜H−3の親水処理前の各サンプルを温度20℃相対湿度65%の環境に1週間以上放置し、その後各サンプルの水分率を、ハロゲン水分計MB35(OHAUS社製)を用いて測定した。
前記N−1〜N−8及びH−1〜H−3の親水処理及び抗体担持前後の25℃60%RHにおける水による接触角を、接触角測定装置(協和界面科学製、Drop Masterシリーズ)を用いて測定した。
100cm2のサンプルで仕切った箱に差圧計を取り付け、上流側から流量30L/minの清浄空気を送り、1分後の差圧を測定して圧力損失を評価した。
供試ウイルス液は精製インフルエンザウイルスをPBSで10倍希釈したものを使用した。前記N−1〜N−8及びH−1〜H−3の各サンプルを5cm角に切り、20mmφのステンレスパイプに巻き付け、次に表裏を変えて同様に巻き付ける操作を10回繰り返したのち、ウイルス噴霧試験装置の中央に取り付け固定した。上流側に設置したネブライザーに供試ウイルス液を入れ、下流側にウイルス回収用装置を取り付けた。エアーコンプレッサーから圧縮空気を送り、ネブライザーの噴霧口から供試ウイルスを噴霧した。マスク下流側には、ゼラチンフィルターを設置し、10L/分の吸引流量で5分間試験装置内空気を吸引し、通過ウイルスミストを捕集した。
12 シリンジ
13 ニードル
14 コレクター
15 ポリマー溶液
16 ナノファイバー
Claims (10)
- 抗体を担持した担体からなる有害物質除去材であって、担体が親水化処理されていることを特徴とする有害物質除去材。
- 上記親水化処理が、水酸基、アミノ基、アミド基、又はカルボン酸基から選ばれる少なくとも一種の官能基を含有するポリマーを塗設する処理である、請求項1に記載の有害物質除去材。
- 上記ポリマーが、ポリビニルアルコール系、ポリアミド、ポリペプチド、又はポリカルボン酸の何れかを主成分とするポリマーである、請求項1又は2に記載の有害物質除去材。
- 上記親水化処理が、担体表面の気相酸化処理である、請求項1に記載の有害物質除去材。
- 親水化処理された担体の表面の25℃60%RHにおける水の接触角が10度以上60度以下である、請求項1から4の何れかに記載の有害物質除去材。
- 上記担体が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又はポリアクリル系から選ばれる少なくとも1種の繊維からなる、請求項1から5の何れかに記載の有害物質除去材。
- 親水化処理された担体が、その表面に平均径50nm以上1μm以下の空孔状もしくは突起状の立体構造を有する、請求項1から6の何れかに記載の有害物質除去材。
- 担体を構成する繊維の繊維径が100nm以下である、請求項1から7の何れかに記載の有害物質除去材。
- 上記抗体が鶏卵抗体である、請求項1から8の何れかに記載の有害物質除去材。
- 請求項1から9の何れかに記載の有害物質除去材を用いて、気相中あるいは液相中の有害物質を除去することを含む、有害物質除去方法。
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