JP2005169105A - マスク用有害物質除去材を備えたマスク、及び、そのマスク用有害物質除去材の保管方法 - Google Patents

マスク用有害物質除去材を備えたマスク、及び、そのマスク用有害物質除去材の保管方法 Download PDF

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【課題】新規なマスク用有害物質除去材を備えたマスクを提供する。
【解決手段】マスクは、担体11に鶏卵抗体12を担持してなるマスク用有害物質除去材10を備える。 マスクはマスク用有害物質除去材10が外側及び内側の一対の通気性布材で侠持されるように設けられ、一対の通気性布材が外側よりも内側の方が通気性能が高い。 マスクは、担体11が鶏卵後退2の周辺雰囲気を該鶏卵抗体12が活性を示す湿度にする調湿性素材で形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスク用有害物質除去材を備えたマスク、及び、そのマスク用有害物質除去材の保管方法に関する。
ウイルスや細菌など空気中の微生物由来の有害物質を除去する方法として、各種のフィルタを用いた濾過によるものや吸着剤を用いた物理吸着によるものなどがある。
特許文献1には、シアル酸、シアル酸誘導体、これらを含む糖、糖タンパク質、糖脂質の少なくとも1種類をウイルス捕捉体としたウイルス除去フィルタが開示されている。そして、これによれば、通常の居住空間において使用でき、インフルエンザ等のウイルスを効率よく除去することができる、と記載されている。
また、特許文献2には、高度に微細繊維化された複数の撚り糸を含む繊維素材であって、少なくとも1本の糸がウイルスを捕捉する目的でウイルスに対する天然の受容体又はその一部又はその類似体を付着させるため臭化シアンで誘導体化されているものが開示されている。
但し、フィルタを用いた濾過や吸着剤を用いた物理吸着により空気中の有害物質を除去する方法は、非特異的なものであって精度が低い。また、除去した有害物質が再浮遊したり、有害物質が増殖して新たな汚染源となるのを避けるために、有害物質の殺菌・不活性化の技術を組み合わさなければならない。
また、特許文献3には、茶の抽出成分を添着した不織布と耳に止める紐で構成された抗ウイルスマスクであって、茶の抽出成分を添着した不織布は、緑茶あるいは紅茶成分から分離精製した抽出成分を純水に溶かし、軽く脱水後乾燥したものであるものが開示されている。そして、これによれば、茶の抽出成分を不織布に添着したマスクで、工業的に容易に製造ができ、高い捕集性能を維持し、ウイルスを不活化し、再飛散を防止することができる、と記載されている。
特開平9−234317号公報 特表2001−527166号公報 特開平8−333271号公報
本出願の目的は、新規なマスク用有害物質除去材を備えたマスク、及び、そのマスク用有害物質除去材の保管方法を提供することにある。
本発明は、マスク用有害物質除去材(10)として、担体(11)に鶏卵抗体(12)を担持したものを用いるようにしたものである。
具体的には、本発明のマスク(30)は、担体(11)に鶏卵抗体(12)を担持してなるマスク用有害物質除去材(10)を備えたことを特徴とする。
かかる構成のマスク(30)は従来にない新規なものである。
また、抗体は種々の方法によって得ることができるが、上記の構成によれば、鶏卵抗体(12)を得る方法は、容易に且つ大量に得ることができるものであるので、そのためマスク用有害物質除去材(10)の低コスト化を図ることができる。
さらに、鶏卵抗体(12)は捕捉する有害物質(20)が特異的であるので、鶏卵抗体(12)の選択によって捕捉する有害物質(20)を特定した高精度な有害物質(20)の除去を行うことができる。
また、有害物質(20)の種類によっては、鶏卵抗体(12)自身がその有害物質(20)を殺菌・不活性化させる機能を有しているので、その場合には、有害物質(20)の殺菌・不活性化の技術を組み合わせる必要がない。
本発明のマスク(30)は、上記マスク用有害物質除去材(10)が外側及び内側の一対の通気性布材(33,34)で狭持されるように設けられ、上記一対の通気性布材(33,34)が、外側よりも内側の方が通気性能が高いことが望ましい。
上記の構成によれば、外側の通気性布材(33)よりも内側の通気性布材(34)の方が通気性能が高いので、人間の呼吸に含まれる水分がマスク用有害物質除去材(10)に接触容易となり、それによって鶏卵抗体(12)の活性化を促進させることができる。
本発明のマスク(30)は、上記担体(11)が、上記鶏卵抗体(12)の周辺雰囲気を該鶏卵抗体(12)が活性を示す湿度にする調湿性素材で形成されているものであることが好ましい。
本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)が、上記担体(11)に抗菌加工及び/又は抗カビ加工が施されていることが望ましい。
鶏卵抗体(12)は、タンパク質で且つ食物であり、それ以外のタンパク質を伴う場合もあり、それらは細菌やカビ(真菌)が増殖するための恰好の餌となるが、上記の構成のように、担体(11)に抗菌加工及び/又は抗カビ加工が施されていれば、かかる細菌やカビの増殖が抑制され、長期間の保管にも好都合である。
本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記鶏卵抗体(12)が、細菌、カビ、ウイルス及びアレルゲンのうちから選ばれる少なくとも1つの有害物質(20)を捕捉するものであってもよい。具体的には、細菌としては、例えば、グラム陽性菌であるブドウ球菌属(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌)、ミクロコッカス属、炭疽菌、セレウス菌、枯草菌、アクネ菌などや、グラム陰性菌である緑膿菌、セラチア菌、セパシア菌、肺炎球菌、レジオネラ菌、結核菌を挙げることができる。カビとしては、例えば、アスペルギルス、ペニシリウス、クラドスポリウムを挙げることができる。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、コロナウイルス(SARSウイルス)、アデノウイルス、ライノウイルスを挙げることができる。アレルゲンとしては、花粉、ダニアレルゲン、ネコアレルゲンを挙げることができる。本発明のマスク(30)のマスク用有害物質除去材(10)は、これらのうち細菌及びカビについては、不活化させないものの、高い吸着効果を有して静菌させるのに対し、ウイルス及びアレルゲンについては、殺菌・不活化させる。
本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記担体(11)を形成する調湿性素材が繊維であるものであってもよい。
この場合、本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記担体(11)を形成する繊維の公定水分率が7%以上であるものが好ましい。
鶏卵抗体(12)が活性を示すためには水が必要であるが、上記の構成によれば、繊維に含まれる水分が多いので、鶏卵抗体(12)の周辺雰囲気の湿度を鶏卵抗体(12)が活性を示すように十分に高めることができる。
本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記鶏卵抗体(12)のFc(12b)の部分が上記担体(11)に結合しているものであってもよい。
上記の構成によれば、有害物質(20)を捕捉するFab(12a)が担体(11)に対して外向きとなり、Fab(12a)への有害物質(20)の接触確率が高くなるので、効率よく有害物質(20)を捕捉することができる。
本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記鶏卵抗体(12)がリンカーを介して上記担体(11)に担持されているものであってもよい。
上記の構成によれば、担体(11)上での鶏卵抗体(12)の自由度が高く、有害物質(20)への接近が容易となるので、高い除去性能を得ることができる。
本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記鶏卵抗体(12)の活性度を検知して、それが所定の活性度よりも低くなったときに信号を呈するインジケータが設けられているものであってもよい。
上記の構成によれば、マスク用有害物質除去材(10)の使用の可否や交換の要否を知ることができる。
この場合、本発明のマスク(30)は、マスク用有害物質除去材(10)の上記インジケータが、上記鶏卵抗体(12)の活性度が所定の活性度よりも低くなったときに色調変化するものであるのがよい。
上記の構成によれば、一目でマスク用有害物質除去材(10)の使用の可否や交換の要否を判断することができる。
マスク用有害物質除去材(10)において、鶏卵抗体(12)は、水分の存在によって、その活性度が低下する。
従って、マスク用有害物質除去材(10)をドライ状態で保管するには、鶏卵抗体(12)の効力を長期間維持するために、保管雰囲気が温度18〜25℃且つ湿度40%以下となるように密封保管するのがよい。
また、マスク用有害物質除去材(10)をウェット状態で保管するには、鶏卵抗体(12)の効力を長期間維持するために、担体(11)である調湿性素材を繊維とし、その調湿性素材である繊維に、鶏卵抗体(12)の活性安定化剤を含ませた水を含浸させて保管するのがよい。かかる活性安定化剤としては、例えば、グリセロール(グリセリン)を挙げることができる。
以上説明したように、本発明のマスク(30)は従来にない新規なものである。また、鶏卵抗体(12)は、それを得る方法が容易に且つ大量に得ることができるものであるので、それによってマスク用有害物質除去材(10)の低コスト化を図ることができる。さらに、鶏卵抗体(12)は捕捉する有害物質(20)が特異的であるので、その選択によって捕捉する有害物質(20)を特定した高精度な有害物質(20)の除去を行うことができる。また、有害物質(20)の種類によっては、鶏卵抗体(12)自身がその有害物質(20)を殺菌・不活性化させる機能を有しているので、その場合には、有害物質(20)の殺菌・不活性化の技術を組み合わせる必要がない。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、マスク用有害物質除去材(10)を示す。
このマスク用有害物質除去材(10)は、担体(11)に鶏卵抗体(12)を担持させた構成のものである。
担体(11)は、鶏卵抗体(12)の周辺雰囲気を鶏卵抗体(12)が活性を示す湿度にする調質性素材で形成されている。かかる調湿性素材としては、例えば繊維を挙げることができ、織布、不織布などの形態で担体(11)を構成することができる。繊維で担体(11)を構成する場合、鶏卵抗体(12)の周辺雰囲気を鶏卵抗体(12)が活性を示す湿度にするためには、繊維に含有される水分量が多いことが望まれる。従って、担体(11)は、公定水分率が7.0%以上繊維で形成されることが好ましく、9.0%以上のものであるのがさらによく、20%以上のものであるのが最もよい。なお、公定水分率とは、繊維を20℃で65%RH(RHは相対湿度)の雰囲気下に長時間放置しておいたときに繊維に含まれる水分率である。具体的には、公定水分率は、合成繊維であるポリエステルが0.3%、ナイロンが3.5%、天然繊維である綿が7.0%、絹が9.0%、ウールが16.0%、再生繊維であるレーヨンが12.0%である。一般に、公定水分率は、天然繊維や再生繊維が高く、合成繊維が低い。しかしながら、合成繊維であっても特殊構造を有することから公定水分率が20%以上のものもある。
鶏卵抗体(12)は、特定の有害物質(抗原)(20)に対して特異的に反応(抗原抗体反応)するタンパク質であり、分子サイズが7〜8nmであって、Y字状の分子形態を有する。鶏卵抗体(12)のY字状の分子形態の一対の枝部分をFab(12a)、幹部分をFc(12b)といい、これらのうち、Fab(12a)の部分で有害物質(20)を捕捉する。
鶏卵抗体(12)の種類は、捕捉しうる有害物質(20)の種類に対応する。鶏卵抗体(12)により捕捉される有害物質(20)としては、例えば、細菌、カビ、ウイルス、アレルゲン及びマイコプラズマを挙げることができる。具体的には、細菌としては、例えば、グラム陽性菌であるブドウ球菌属(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌)、ミクロコッカス属、炭疽菌、セレウス菌、枯草菌、アクネ菌などや、グラム陰性菌である緑膿菌、セラチア菌、セパシア菌、肺炎球菌、レジオネラ菌、結核菌を挙げることができる。カビとしては、例えば、酵母、アスペルギルス、ペニシリウス、クラドスポリウムを挙げることができる。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、コロナウイルス(SARSウイルス)、アデノウイルス、ライノウイルスを挙げることができる。アレルゲンとしては、花粉、ダニアレルゲン(ダニ分解物)、カビ胞子、ネコアレルゲン(ペットのふけ)を挙げることができる。これらのうち細菌及びカビについては、鶏卵抗体(12)により不活化されないものの、高い吸着効果により静菌するのに対し、ウイルス及びアレルゲンについては、殺菌・不活化される。
鶏卵抗体(12)の製造方法としては、ニワトリに抗原を投与して免疫卵を生ませ、卵黄液を殺菌及び噴霧乾燥して得た卵黄粉末から精製する方法を挙げることができる。このように鶏卵抗体(12)を得る方法は、容易に且つ大量にが得られるものであり、そのためマスク用有害物質除去材(10)の低コスト化を図ることができる。
担体(11)には、抗菌剤を含有するコーティングを行うなどの抗菌加工及び/又は抗カビ剤を含有するコーティングを行うなどの抗カビ加工が施されていることが望ましい。鶏卵抗体(12)は、タンパク質で且つ食物であり、また、それ以外のタンパク質を伴う場合もあり、それらは細菌やカビが増殖するための恰好の餌となるが、担体(11)に抗菌加工及び/又は抗カビ加工が施されていれば、かかる細菌やカビの増殖が抑制され、長期間の保管も行うことができる。抗菌/抗カビ剤としては、有機シリコン第4級アンモニウム塩系、有機第4級アンモニウム塩系、ビグアナイド系、ポリフェノール系、キトサン、銀担持コロイダルシリカ、ゼオライト担持銀系などを挙げることができる。そして、その加工法としては、繊維からなる担体(11)に抗菌/抗カビ剤を含浸させる又は塗布する後加工法や、担体(11)を構成する繊維の合成段階で抗菌/抗カビ剤を練り混む原糸原綿改質法などがある。
担体(11)に鶏卵抗体(12)を固定する方法としては、担体(11)をγ-アミノプロピルトリエトキシシランなどを用いてシラン化した後、グルタールアルデヒドなどで担体(11)表面にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と鶏卵抗体(12)とを共有結合させる方法、未処理の担体(11)を鶏卵抗体(12)の水溶液中に浸漬してイオン結合により鶏卵抗体(12)を担体(11)に固定する方法、特定の官能基を有する担体(11)にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と鶏卵抗体(12)とを共有結合させる方法、特定の官能基を有する担体(11)に鶏卵抗体(12)をイオン結合させる方法、特定の官能基を有するポリマーで担体(11)をコーティングしたのちにアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と鶏卵抗体(12)とを共有結合させる方法を挙げることができる。ここで、上記の特定の官能基としては、NHR基(RはH以外のメチル、エチル、プロピル、ブチルのうちいずれかのアルキル基)、NH2基、C65NH2基、CHO基、COOH基、OH基を挙げることができる。
また、担体(11)表面の官能基を、BMPA(N-β-Maleimidopropionic acid)などを用いて他の官能基に変換した後、その官能基と鶏卵抗体(12)とを共有結合させる方法もある(BMPAではSH基がCOOH基に変換される)。
さらに、鶏卵抗体(12)のFc(12b)の部分に選択的に結合する分子(Fcレセプター、プロテインA/Gなど)を担体(11)表面に導入し、それに鶏卵抗体(12)のFc(12b)を結合させる方法もある。この場合、有害物質(20)を捕捉するFab(12a)が担体(11)に対して外向きとなり、Fab(12a)への有害物質(20)の接触確率が高くなるので、効率よく有害物質(20)を捕捉することができる。
鶏卵抗体(12)は、リンカーを介して担体(11)に担持されていてもよい。この場合、担体(11)上での鶏卵抗体(12)の自由度が高くなり、有害物質(20)への接近が容易となるので、高い除去性能を得ることができる。リンカーとしては、二価以上ののクロスリンク試薬を挙げることができ、具体的には、マレイミド、NHS(N-Hydroxysuccinimidyl)エステル、イミドエステル、EDC(1-Etyl-3-[3-dimetylaminopropyl]carbodiimido)、PMPI(N-[p-Maleimidophenyl]isocyanete)があり、標的官能基(SH基、NH2基、COOH基、OH基)に選択的なものと非選択的なものとがある。また、クロスリンク間の距離(スペーサーアーム)もクロスリンク試薬ごとに異なっており、目的の鶏卵抗体(12)に応じて0.1nm〜3.5nm程度の範囲で選択することができる。有害物質(20)を効率的に捕捉するという観点からは、リンカーとして鶏卵抗体(12)のFc(12b)に結合するものが好ましい。
リンカーを導入する方法としては、鶏卵抗体(12)にリンカーを結合させておき、それをさらに担体(11)に結合させる方法、担体(11)にリンカーを結合させておき、担体(11)上のリンカーに鶏卵抗体(12)を結合させる方法のいずれも可能である。
担体(11)には、鶏卵抗体(12)の活性度を検知して、それが所定の活性度よりも低くなったときに信号を呈するインジケータが担持されていてもよい。そのようなインジケータが担持されていれば、マスク用有害物質除去材(10)の使用の可否や交換の要否を知ることができる。特に、インジケータが鶏卵抗体(12)の活性度が所定の活性度よりも低くなったときに色調変化するものであれば、一目でその判断をすることができる。そのようなインジケータとしては、例えば、pH、温度上昇、力学的ストレス等の作用により色調変化を生じるポリジアセチレン膜を挙げることができる。
以下、マスク用有害物質除去材(10)のマスク(30)への適用について説明する。
図2及び3は、本発明の実施形態に係るマスク(30)を示す。
このマスク(30)は、長方形のマスク本体(31)の両短辺のそれぞれについて、両端を繋ぐように耳止め用の紐(32)が設けられた構成のものである。
そして、マスク本体(31)は、ガーゼ状織布を積層して構成された外側通気性布材(33)の内側に、ネット状の内側通気性布材(34)がポケットを形成するように縫着され、そのポケットにマスク用有害物質除去材(10)が収容された構成となっている。
このマスク(30)では、鶏卵抗体(12)の有害物質(20)の除去能力が低下したときには、マスク用有害物質除去材(10)のみの交換が可能である。鶏卵抗体(12)は水分によってその活性が低下するので、交換用のマスク用有害物質除去材(10)は、ドライ状態での保管が必要であり、鶏卵抗体(12)の効力を長期間維持するためには、保管雰囲気が温度18〜25℃且つ湿度40%以下となるように密封保管するのがよい。また、好ましくは、菌増殖を抑制するために、酸素吸着剤を併存させたり、不活性ガスや窒素ガスによるパージするのがよい。
このようなマスク(30)によれば、抗原抗体反応を気相雰囲気下での空気の浄化に適用することができると共に、鶏卵抗体(12)の選択によって捕捉する有害物質(20)を特定した高精度で特異的な空気の浄化を行うことができ、しかも、有害物質(20)の種類によっては、鶏卵抗体(12)自身がその有害物質(20)を殺菌・不活性化させる機能を有しているので、その場合には、有害物質(20)の殺菌・不活性化の技術を組み合わせる必要がない。
また、マスク用有害物質除去材(10)が外側及び内側通気性布材(33,34)で狭持されるように設けられ、しかも、外側通気性布材(33)よりも内側通気性布材(34)の方が通気性能が高いので、人間の呼吸に含まれる水分がマスク用有害物質除去材(10)に接触容易となり、それによって鶏卵抗体(12)の活性化を促進させることができる。
なお、上記の例では、マスク用有害物質除去材(10)が交換可能なマスク(30)としたが、マスク本体がマスク用有害物質除去材(10)で構成されており、その都度マスク自体交換されるマスクであってもよい。
以上説明したように、本発明は、マスク用有害物質除去材を備えたマスク、及び、そのマスク用有害物質除去材の保管方法について有用である。
本発明の実施形態に係るマスク用有害物質除去材(10)を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るマスク(30)を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るマスク(30)の側面図である。
符号の説明
(10) マスク用有害物質除去材
(11) 担体
(12) 鶏卵抗体
(12a) Fab
(12b) Fc
(20) 有害物質
(30) マスク
(31) マスク本体
(32) 紐
(33),(34) 通気性布材

Claims (13)

  1. 担体(11)に鶏卵抗体(12)を担持してなるマスク用有害物質除去材(10)を備えたことを特徴とするマスク(30)。
  2. 請求項1に記載されたマスク(30)において、
    上記マスク用有害物質除去材(10)は、外側及び内側の一対の通気性布材(33,34)で狭持されるように設けられており、
    上記一対の通気性布材(33,34)は、外側よりも内側の方が通気性能が高いことを特徴とするマスク。
  3. 請求項1又は2に記載されたマスク(30)において、
    上記担体(11)は、上記鶏卵抗体(12)の周辺雰囲気を該鶏卵抗体(12)が活性を示す湿度にする調湿性素材で形成されていることを特徴とするマスク。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載されたマスク(30)において、
    上記担体(11)は、抗菌加工及び/又は抗カビ加工が施されていることを特徴とするマスク。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載されたマスク(30)において、
    上記鶏卵抗体(12)は、細菌、カビ、ウイルス及びアレルゲンのうちから選ばれる少なくとも1つの有害物質(20)を捕捉するものであることを特徴とするマスク。
  6. 請求項3に記載されたマスク(30)において、
    上記担体(11)を形成する調湿性素材が繊維であることを特徴とするマスク。
  7. 請求項6に記載されたマスク(30)において、
    上記担体(11)を形成する繊維の公定水分率が7%以上であることを特徴とするマスク。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載されたマスク(30)において、
    上記鶏卵抗体(12)のFc(12b)の部分が上記担体(11)に結合していることを特徴とするマスク。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載されたマスク(30)において、
    上記鶏卵抗体(12)がリンカーを介して上記担体(11)に担持されていることを特徴とするマスク。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載されたマスク(30)において、
    上記鶏卵抗体(12)の活性度を検知して、それが所定の活性度よりも低くなったときに信号を呈するインジケータが設けられていることを特徴とするマスク。
  11. 請求項10に記載されたマスク(30)において、
    上記インジケータは、上記鶏卵抗体(12)の活性度が所定の活性度よりも低くなったときに色調変化することを特徴とするマスク。
  12. 担体(11)に鶏卵抗体(12)を担持してなるマスク用有害物質除去材(10)を保管する方法であって、
    保管雰囲気が温度18〜25℃且つ湿度40%以下となるように密封保管することを特徴とするマスク用有害物質除去材(10)の保管方法。
  13. 繊維製の担体(11)に鶏卵抗体(12)を担持してなるマスク用有害物質除去材(10)を保管する方法であって、
    上記担体(11)に、上記鶏卵抗体(12)の活性安定化剤を含ませた水を含浸させることを特徴とするマスク用有害物質除去材(10)の保管方法。
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