JP2020099952A - ロボット用保護着 - Google Patents

ロボット用保護着 Download PDF

Info

Publication number
JP2020099952A
JP2020099952A JP2018237903A JP2018237903A JP2020099952A JP 2020099952 A JP2020099952 A JP 2020099952A JP 2018237903 A JP2018237903 A JP 2018237903A JP 2018237903 A JP2018237903 A JP 2018237903A JP 2020099952 A JP2020099952 A JP 2020099952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
robot
opening
coupling element
joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018237903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7209527B2 (ja
Inventor
研 巽
Ken Tatsumi
研 巽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
Priority to JP2018237903A priority Critical patent/JP7209527B2/ja
Publication of JP2020099952A publication Critical patent/JP2020099952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7209527B2 publication Critical patent/JP7209527B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

【課題】表面に凹凸形状を与えたり生地の余剰を過度にもたらしたりすることなく、ジョイントで連結された二つのリンクの可動域をカバーできるようにすること。【解決手段】多足ロボット11が備える複数個のリンク52に、両端に開口を有するカバー111をそれぞれ装着する。個々のリンク52を連結するジョイントを介して対面する二つのカバー111の開口には、結合によってジョイントを覆う一対のカプリング要素を回転自在に組み合わせたカプリングを設ける。カバー111には、ファスナの開閉によって両端の開口を連絡する開放領域を設けておき、カプリング要素には、開放領域の開放によって分離される開口にそれぞれ追従するように着脱自在に二分割された分割構造を設けておく。ファスナで開放領域を開いてカプリング要素を二分割し、リンク52にカバー111を装着する。【選択図】図4

Description

本発明は、多足ロボットに着用させるロボット用保護着に関する。
多足ロボットの実用化が加速している。
近年様々な分野で多足ロボットの利用が企画されており、一例として建設現場や土木現場での利用に期待が寄せられている。例えば現場を自律的に巡回させ、カメラを活用して工事の進捗状況や安全点検を行わせるような使い途が想定される。
建設土木現場での多足ロボットの使用は、当然のことながら屋外での使用になる。このため雨や埃などから多足ロボットを守らなければならない。そこでロボット用保護着というアイテムが考えられている。
特許文献1は、二足歩行の人間型ロボットに着用させるロボット用保護着を開示している。このロボット用保護着は、放熱性が高く、水の浸透性が低い生地を使用して、人間型ロボットの全身を覆う(文献1の段落[0009][0010]参照)。構造的には頭部を覆うフード、胴体部を覆うベスト、腕部を覆うスリーブ、脚部を覆うパンツ、そして足部を覆うブーツに分離されており、それぞれが個々に人間型ロボットに装着される(文献1の[図2][図3]参照)。
特許文献1は、ロボット用保護着が放熱のための吸排気口を備えていること(文献1の段落[0011][図4]参照)、パンツとベストはファスナなどの開閉構造を側部に備えていること(文献1の段落[0014][図7]参照)も開示している。
特開2004−183157号公報
多足ロボットは、複数個のリンクをジョイントによって可動自在に連結している。これが多足ロボットの基本構造である。複数個のリンクは、多足ロボットの胴体部であったり、頭部、腕部、脚部、足部であったりする。
このためジョイントで連結された二つのリンクは、互いに大きく可動することがある。
そこで特許文献1は、リンク同士の動きを吸収するために、ジョイントを覆う部分の外側に蛇腹材を配置し、内側に引張り材を配置した二重構造にすることを提案している(文献1の段落[0013][図6]参照)。
特許文献1の各図を参照することで、腕部を覆うスリーブと脚部を覆うパンツとに蛇腹材が用いられていることがわかる。図6にも示されているように、蛇腹材は、スリーブとパンツとに凹凸形状を与え、生地の余剰を過度にもたらす。
このため建設現場や土木現場などで多足ロボットを使用すると、各種の建築材料や土木材料、重機、工具などが障害物となり、これらにロボット用保護着が引っかかってしまう可能性を否定できない。多足ロボットそれ自体は障害物を避けて自立歩行するようにプログラミングされてはいても、ロボット用保護着を着用した状態での障害物の回避までは想定していないからである。
本発明の課題は、表面に凹凸形状を与えたり生地の余剰を過度にもたらしたりすることなく、ジョイントで連結された二つのリンクの可動に追従できるようにすることである。
本発明のロボット用保護着は、多足ロボットが備える複数個のリンクにそれぞれ装着され、両端に開口を有する複数個のカバーと、前記リンクを連結するジョイントを介して対面する二つの前記カバーの開口にそれぞれ設けられ、結合によって前記ジョイントを覆う一対のカプリング要素を回転自在に組み合わせたカプリングと、を備える。
本発明によれば、表面に凹凸形状を与えたり生地の余剰を過度にもたらしたりすることなく、ジョイントで連結された二つのリンクの可動に追従することができる。
本実施の形態のロボット用保護着を着用させる多足ロボットの斜視図。 その側面図。 その平面図。 ロボット用保護着を着用させた多足ロボットの側面図。 胴体カバーの第1の実施の形態を示す斜視図。 図5とは反対方向から見た胴体カバーの斜視図。 胴体カバーの第2の実施の形態を示す斜視図。 その正面図。 その底面図。 その側面図。 大腿カバーの第1の実施の形態として、裏側から見た大腿カバーの輪郭を二点鎖線で示す分解斜視図。 開いた状態の大腿カバーを内部から見た背面図。 大腿カバーの第1の実施の形態の変形例を示す開いた状態の大腿カバーを内部から見た背面図。 大腿カバーの第2の実施の形態として、裏側から見た大腿カバーの輪郭を二点鎖線で示す分解斜視図。 下腿カバーの第1の実施の形態を示す斜視図。 開いた状態の下腿カバーの斜視図。 下腿カバーの第2の実施の形態を示す斜視図。 ネックカバーの第1の実施の形態を示す斜視図。 開いた状態のネックカバーの斜視図。 ネックカバーの第2の実施の形態を示す斜視図。 胴体カバーに内蔵された電気系統の(A)は側面図、(B)は平面図。 電気系統のブロック図。
本実施の形態は、四足歩行の多足ロボットに着用させるロボット用保護着の一例である。多足ロボットについて簡単に説明した後、ロボット用保護着について詳しく説明する。説明は次の項目順に行う。
1.多足ロボット
(1)胴体
(2)脚部
(3)頭部
(4)リンクとジョイント
2.ロボット用保護着
(1)構成
(概要)
(胴体カバー)
(大腿カバー)
(下腿カバー)
(ネックカバー)
(放熱構造)
(2)作用効果
(ロボット用保護着の着脱)
(動作追従性)
(熱対策)
(まとめ)
3.変形例
1.多足ロボット
図1ないし図3に示すように、多足ロボット11は、平べったい矩形形状をした胴体21に四本の脚部31と頭部41とを設けた四足動物のような形態を有している。
(1)胴体
胴体21にはロボット制御用の制御回路とバッテリとが内蔵されている(いずれも図示せず)。制御回路は人工知能(AI)を搭載し、上記センシングの結果に基づいて、多足ロボット11の各部に仕込んでいる図示しないアクチュエータを駆動する。バッテリは、多足ロボット11の腹の部分、つまり胴体21の底部中央領域に収納されている。
(2)脚部
脚部31は四本設けられ、それぞれ大腿部32と下腿部33とを有している。
大腿部32は、胴体21の側面に設けられたジョイント51(J1)に連結され、胴体21に対して水平軸回りに回転自在である。下腿部33は、その上端が大腿部32の下端にジョイント51(J2)を介して連結され、互いに水平軸回りに回転自在である。
下腿部33は、その末端に足34を一体に設けている。足34は、外周に滑り止めを有する接地体35を備えている。接地体35は、水平軸回りに所定の角度範囲を回転自在に取り付けられ、下腿部33の角度が変動した場合にも、多足ロボット11の姿勢を安定した状態に保つ。
(3)頭部
頭部41は、ネック42を介して胴体21に取り付けられている。
ネック42は、胴体21の先端側上面に設けられたボス43が内蔵するジョイント51(J3)に、垂直軸回りに回転自在に取り付けられている。ネック42の根元にもジョイント51(J4)が設けられている。このジョイント51(J4)は、ネック42を水平軸回りに回転自在にする。
ネック42は、その中央部分で分割され、根元ネック44と先端ネック45とに分離されている。これらの根元ネック44と先端ネック45とは、ジョイント51(J5)によって連結されている。このジョイント51(J5)は、互いに直交する二軸を持つジョイントであり、根元ネック44と先端ネック45とをあらゆる方向に自由に可動させる。
頭部41は、先端ネック45の末端に設けられたジョイント51(J6)に連結されている。このジョイント51(J6)も、互いに直交する二軸を持つジョイントであり、先端ネック45と頭部41とをあらゆる方向に自由に可動させる。
頭部41は、その先端部分にセンシング窓46を有している。多足ロボット11は、センシング窓46を通して、図示しないカメラや各種のセンサ類による外界のセンシングを可能にしている。
(4)リンクとジョイント
以上のように構成された多足ロボット11は、胴体21、大腿部32、下腿部33、頭部41、根元ネック44、及び先端ネック45がリンク52をなしている。これらのリンク52同士は、上記ジョイント51によって連結されている。個々のジョイント51とこれによって連結される隣接する二つのリンク52との関係は、つぎの通りである。
・ジョイント51(J1):胴体21(L1)と大腿部32(L1)
・ジョイント51(J2):大腿部32(L2)と下腿部33(L3)
・ジョイント51(J3,J4):胴体21(L1)と根元ネック44(L4)
・ジョイント51(J5):根元ネック44(L4)と先端ネック45(L5)
・ジョイント51(J6):先端ネック45(L5)と頭部41(L6)
2.ロボット用保護着
ロボット用保護着101は、多足ロボット11を各種の液体や塵埃から守るためのアイテムである。このためロボット用保護着101には、透水性の低さ、多足ロボット11の動きに追従し得る機能が求められる。
(1)構成
(概要)
図4に示すように、本実施の形態のロボット用保護着101は、個々のリンク52に装着される各種のカバー111を備えている。胴体21(リンク52(L1))に装着されるのは、胴体カバー111Aである。四本の大腿部32(リンク52(L2))に装着されるのは、四個の大腿カバー111Bである。そして四本の下腿部33(リンク52(L3))に装着されるのは、四個の下腿カバー111Cである。
ネック42については様相が異なる。ネック42は根元ネック44と先端ネック45とに分割されおり、それぞれがリンク52(L4とL5)を構成する。ネック42に装着されるカバー111はネックカバー111Dである。ネックカバー111Dは、二つのリンク52(L4とL5)である根元ネック44と先端ネック45とに跨ってネック42を覆う。
胴体カバー111A、大腿カバー111B、下腿カバー111C、及びネックカバー111Dである各種のカバー111は、透水性の低い素材を用いて形成されている。例えば防水加工を施した布地、ナイロン(登録商標)、ゴアテックス(登録商標)などである。これらのカバー111は、必ずしも単一の素材で形成されている必要はなく、複数の素材を組み合わせたり、複数の素材を合成したりして形成されていてもよい。
多足ロボット11に着用させるという用途の上から、カバー111には、多足ロボット11の各部の動きに追従し得る伸縮性も求められる。ナイロンやゴアテックスは防水性に優れている反面伸縮性が低いため、伸縮性を要さない部分についてはナイロンやゴアテックスを用い、伸縮性が要求される部分については伸縮素材の布地に防水加工を施したものを用いるようにすることも可能である。
カバー111(111A〜D)は、ジョイント51を覆う複数個のカプリング131のためのカプリング要素132(132A〜D)を備えている(図5〜図19参照)。カプリング要素132は、着脱自在に二分割された分割構造を備え、個々のカバー111(111A〜D)に取り付けられている。これらのカプリングは、例えばプラスチック、ゴムなどを素材として形成されている。
以下、カプリング131を有している個々のカバー111について説明する。
(胴体カバー)
胴体カバー111Aは、多足ロボット11の胴体21に余裕をもってフィットするように形成されている。以下、胴体カバー111Aについて二つの実施の形態を紹介する。
A.第1の実施の形態
図4、図5−図6に示すように、胴体21への装着を可能にするために、胴体カバー111Aは、下部カバー151と上部カバー152との分割構造を有している。下部カバー151と上部カバー152とは、線ファスナであるファスナ153によって連結及び分離が可能である。ファスナ153は、防水ファスナであることが望ましい。
胴体カバー111Aは、四つのジョイント51(J1)を露出させる開口154と、ボス43及びジョイント51(J3)を露出させる開口155とを備えている。ファスナ153は、胴体カバー111Aの両端に設けられた開口154,155を連絡する開放領域を開閉する。
胴体カバー111Aの開口154にはカプリング要素132Aが取り付けられ、開口155にはカプリング要素132Bが取り付けられている。カプリング要素132Aは四つのジョイント51(J1)を覆い、カプリング要素132Bはボス43及びジョイント51(J3)を包囲する。
カプリング要素132Aは二分割され、それぞれ下部カバー151と上部カバー152とに固定されている。下部カバー151と上部カバー152とが分離したとき、二分割されたカプリング要素132Aも分離する。これらのカプリング要素132Aは、分割面に図示しない連結構造を備え、これらの分割面は、例えば弾発的な嵌合や磁力吸着などの手法で着脱自在に固定される。
カプリング要素132Bは二分割されていない。カプリング要素132Bは、多足ロボット11の頭部41及びネック42を通すことができるため、分離する必要がないからである。
下部カバー151と上部カバー152とを連結及び分離するファスナ153は、四か所に分散されて設けられている。胴体カバー111Aの両側面中、同じ面で隣り合う二つのカプリング要素132Aをつなぐ位置に二つ、正面を通って両側面の対称位置に配置された二つのカプリング要素132Aを結ぶ位置に一つ、そして背面を通って両側面の対称位置に配置された二つのカプリング要素132Aを結ぶ位置に一つである。
ファスナ153の開閉操作によって、下部カバー151と上部カバー152とは完全に分離され、二つに分割される。そこで多足ロボット11の胴体21に対して、下方から下部カバー151をあてがい、上方から上部カバー152を被せるようにして四カ所のファスナ153を閉じれば、胴体21の部分に胴体カバー111Aを装着することができる。
B.第2の実施の形態
胴体カバー111Aの第2の実施の形態を図4、図7−図10に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態の胴体カバー111Aは、多足ロボット11の四つのジョイント51(J1)を露出させる四つの開口154と、ボス43及びジョイント51(J3)を露出させる開口155とを備えている点で第1の実施の形態と共通する。四つの開口154にカプリング要素132Aが取り付けられ、単一の開口155にカプリング要素132Bが取り付けられていることも第1の実施の形態と共通である。
図7−図10に示すように、本実施の形態の胴体カバー111Aは、多足ロボット11の胴体21への装着を可能にするために、二種類の開口161,162を開き得る開閉構造を有している。
開口161は、胴体カバー111Aの正面側から底面を通り、背面側に至る領域に設けられている。図7及び図8に現れているのは正面側の開口161であり、この開口161は図9に示すように、胴体カバー111Aの長手方向に沿って底面を経由して、図示しない背面側に至っている。そこで胴体カバー111Aは、開口161を開くことで多足ロボット11の胴体21を上面側から覆い、胴体21に装着することが可能である。このときカプリング要素132Bが取り付けられた開口155に、多足ロボット11の頭部41及びネック42を通すことで、胴体カバー111Aを胴体21にまで至らしめることができる。
胴体カバー111Aは、開口161を面ファスナ163によって開閉する構造を有している。開口161をなす胴体カバー111Aの布地は重ね合わされており、面ファスナ163は、重ね合わせ部分の一方にフック面、別の一方にループ面を取り付けている(いずれの面も図示せず)。そこでループ面に対するフック面の付着とその解除とによって、開口161は開閉される。面ファスナ163は、防水性を有することが望ましい。
もう一つの開口162は、多足ロボット11の四つのジョイント51(J1)を露出させる開口154のそれぞれに連絡するように四つ設けられ、これらの開口154を開口161に連絡する。四つの開口162は、開口154に取り付けられた左右のカプリング要素132Bから下方に延び(図7、図10参照)、胴体カバー111Aの底面に回り込んで開口161に連絡している。四つのカプリング要素132Aはそれぞれ、開口162の開放領域に連絡するように分割される。
そこで胴体カバー111Aは、側面に設けられた四つの開口162を開くことで、胴体21と四足の脚部31とを連結する四つのジョイント51(J1)をカプリング要素132Aに収めることができる。
開口162には線ファスナであるファスナ164が取り付けられている。ファスナ164によって、開口162を開閉することが可能である。ファスナ164は、防水性を有することが望ましい。
(大腿カバー)
A.第1の実施の形態
大腿カバー111Bは、多足ロボット11の大腿部32に余裕をもってフィットするように形成されている。以下、大腿カバー111Bについて二つの実施の形態を紹介する。
図4、図14−図15に示すように、大腿部32への装着を可能にするために、大腿カバー111Bは、前カバー171と後カバー172との分割構造を有している。前カバー171と後カバー172とは、線ファスナであるファスナ173によって連結及び分離が可能である。ファスナ173は、防水ファスナであることが望ましい。
大腿カバー111Bは、胴体21側のジョイント51(J1)を露出させる開口174と、脚部31のジョイント51(J2)を露出させる開口175とを備えている。開口174が設けられているのは大腿カバー111Bの側面であり、開口175が設けられているのは大腿カバー111Bの下端である。ファスナ173は、大腿カバー111Bの両端に設けられた開口174,175を連絡する開放領域を開閉する。
大腿カバー111Bの開口174にはカプリング要素132Cが取り付けられ、開口175にはカプリング要素132Dが取り付けられている。カプリング要素132Cはジョイント51(J1)を覆い、カプリング要素132Dはジョイント51(J2)を覆う。
カプリング要素132Cは二分割され、それぞれ前カバー171と後カバー172とに固定されている。カプリング要素132Dも二分割され、それぞれ前カバー171と後カバー172とに固定されている。前カバー171と後カバー172とが分離したとき、二分割されたカプリング要素132C及びDも分離する。これらのカプリング要素132C及びDは、分割面に図示しない連結構造を備え、これらの分割面は、例えば弾発的な嵌合や磁力吸着などの手法で着脱自在に固定される。
カプリング要素132Cは、胴体カバー111Aに設けられたカプリング要素132Aと回転自在に結合し、カプリング131を構成する。カプリング要素132Cの内周面の直径は、カプリング要素132Aの外周面の直径よりも僅かに大きく形成されており、二つの要素132Aと132Cの抜け止め嵌合によってカプリング131が成立する。抜け止め嵌合は、一例として、カプリング要素132Cの内周面とカプリング要素132Aの外周面との間に周方向に沿って設けた互いに嵌り合う凹凸構造によって実現することができる。
前カバー171と後カバー172とを連結及び分離するファスナ173は、二か所に分散されて設けられている。ロボット用保護着101をまとった多足ロボット11を側面から見て、正面側となる領域と背面側となる領域との二か所である。二か所に設けられたファスナ173は、それぞれ二つのカプリング要素132Cと132Dを結んでいる。
ファスナ173の開閉操作によって、前カバー171と後カバー172とは完全に分離され、二つに分割される。そこで多足ロボット11の大腿部32に対して、前方側から前カバー171をあてがい、後方側から後カバー172をあてがうようにして二カ所のファスナ173を閉じれば、大腿部32の部分に大腿カバー111Bを装着することができる。
図13は、大腿カバー111Bの第1の実施の形態の変形例を示している。前述の実施の形態では、ファスナ173を二か所に分散して設け、前カバー171と後カバー172とを完全に分離して二つに分割する一例を示した。
図13に示す実施の形態は、二個所のうちの一か所のファスナ173の領域を大腿カバー111Bの頂部のみに止め、残余の部分は大腿カバー111Bを分離しないようにしている。大腿カバー111Bを分離しない領域は、ロボット用保護着101をまとった多足ロボット11を側面から見て、正面側となる領域である。
そこで多足ロボット11を側面側から見た状態で、多足ロボット11の大腿部32の正面側から大腿カバー111Bをあてがい、大腿部32の裏面側に回して二カ所のファスナ173を閉じれば、大腿部32の部分に大腿カバー111Bを装着することができる。
B.第2の実施の形態
大腿カバー111Bの第2の実施の形態を図14に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態の大腿カバー111Bは、多足ロボット11のジョイント51(J1)を露出させる開口174と、ジョイント51(J2)を露出させる開口175とを備えている点で第1の実施の形態と共通する。開口174にカプリング要素132Cが取り付けられ、開口175にカプリング要素132Dが取り付けられていることも第1の実施の形態と共通である。
第1の実施の形態と相違するのは、前カバー171と後カバー172とに分割されておらず、一枚の材料で全体が形成されていることである。したがって本実施の形態の大腿カバー111Bは、多足ロボット11の脚部31を二つの開口174,175に通すようにして大腿部32に装着される。このような構造上、開口174に取り付けられたカプリング要素132Cと開口175に取り付けられたカプリング要素132Dとは分割されておらず、エンドレスの環状部材の形態をとっている。
(下腿カバー)
下腿カバー111Cは、多足ロボット11の下腿部33に余裕をもってフィットするように形成されている。以下、下腿カバー111Cについて二つの実施の形態を紹介する。
A.第1の実施の形態
図4、図15−図16に示すように、下腿部33への装着を可能にするために、下腿カバー111Cは、両端に有する開口191,192を連絡させるスリット状の開放構造を有している。開放部分は、線ファスナであるファスナ193によって連結及び開放が可能である。ファスナ193は、下腿カバー111Cの両端に設けられた開口191,192を連絡する開放領域を開閉する。ファスナ193は、防水ファスナであることが望ましい。
下腿カバー111Cの開口191は、多足ロボット11の大腿部32と下腿部33とを連結するジョイント51(J2)を露出させる。この開口191には、カプリング要素132Eが取り付けられている。カプリング要素132Eは、ジョイント51(J2)を覆う。
カプリング要素132Eは二分割され、それぞれ下腿カバー111Cの分離領域に固定されている。ファスナ193が開くことによって下腿カバー111Cが開放されると、二分割されたカプリング要素132Eは分離する。カプリング要素132Eは、分割面に図示しない連結構造を備え、これらの分割面は、例えば弾発的な嵌合や磁力吸着などの手法で着脱自在に固定される。
カプリング要素132Eは、大腿カバー111Bに設けられたカプリング要素132Dと結合し、カプリング131を構成する。カプリング要素132Eの内周面の直径は、カプリング要素132Dの外周面の直径よりも僅かに大きく形成されており、二つの要素132Dと132Eの抜け止め嵌合によってカプリング131が成立する。抜け止め嵌合は、一例として、カプリング要素132Eの内周面とカプリング要素132Dの外周面との間に周方向に沿って設けた互いに嵌り合う凹凸構造によって実現することができる。
下腿カバー111Cの開口192は、下腿部33の末端に設けられた足34を露出させる。この開口192は、ファスナ193を閉じることによって下腿部33の末端に密接する。下腿部33に対する開口192の密接は、シール構造194を構成する。
B.第2の実施の形態
下腿カバー111Cの第2の実施の形態を図17に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態の下腿カバー111Cは、多足ロボット11のジョイント51(J2)を露出させる開口191と、足34を露出させる開口192とを備えている点で第1の実施の形態と共通する。開口191にカプリング要素132Eが取り付けられていることも第1の実施の形態と共通である。
第1の実施の形態と相違するのは、ファスナ193により開閉されるスリット状の開放構造を有しておらず、一枚の材料で全体が形成されていることである。したがって本実施の形態の下腿カバー111Cは、多足ロボット11の下腿部33を二つの開口191,192に通すようにして下腿部33に装着される。このような構造上、開口191に取り付けられたカプリング要素132Eは分割されておらず、エンドレスの環状部材の形態をとっている。
本実施の形態の下腿カバー111Cは、全体が伸縮性を有するストレッチ素材で形成されている。このため開口192の周辺領域は下腿部33の末端に密接し、シール構造194を構成する。
(ネックカバー)
ネックカバー111Dは、多足ロボット11のネック42に余裕をもってフィットするように形成されている。以下、ネックカバー111Dについて二つの実施の形態を紹介する。
A.第1の実施の形態
図4、図18−図19に示すように、ネック42への装着を可能にするために、ネックカバー111Dは、両端に有する開口211,212を連絡させるスリット状の開放構造を有している。開放部分は、線ファスナであるファスナ213によって連結及び開放が可能である。ファスナ213は、ネックカバー111Dの両端に設けられた開口211,212を連絡する開放領域を開閉する。ファスナ213は、防水ファスナであることが望ましい。
ネックカバー111Dの開口211は、ジョイント51(J3)を内蔵するボス43とジョイント51(J4)とを露出させる。この開口211には、ネックカバー111Dの内壁側にカプリング要素132Fが取り付けられている。カプリング要素132Fは、胴体カバー111Aに設けたカプリング要素132Bにカプリングし、ボス43とジョイント51(J4)とを覆う。
カプリング要素132Fは二分割され、それぞれネックカバー111Dの分離領域に固定されている。ファスナ213が開くことによってネックカバー111Dが開放されると、二分割されたカプリング要素132Fは分離する。カプリング要素132Fは、分割面に図示しない連結構造を備え、これらの分割面は、例えば弾発的な嵌合や磁力吸着などの手法で着脱自在に固定される。
カプリング要素132Fは、胴体カバー111Aに設けられたカプリング要素132Bと結合し、カプリング131を構成する。カプリング要素132Bと132Fは、共に湾曲したテーパー形状を有しており、カプリング要素132Bに132Fを重ね合わせることができる。カプリング要素132Bと132Fは抜け止め嵌合しておらず、単に重ね合わせただけのカプリング131である。
ネックカバー111Dの開口212は、ネック42の末端に設けられた頭部41を露出させる。この開口212は、ファスナ213を閉じることによってネック42と頭部41とを連結するジョイント51(J6)に密接する。ジョイント51(J6)に対する開口211の密接は、シール構造214を構成する。
B.第2の実施の形態
ネックカバー111Dの第2の実施の形態を図20に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態のネックカバー111Dは、多足ロボット11の胴体21に設けられたジョイント51(J3)を内蔵するボス43とジョイント51(J4)とを露出させる開口211と、頭部41を露出させる開口212とを備えている点で第1の実施の形態と共通する。開口211にカプリング要素132Fが取り付けられていることも第1の実施の形態と共通である。
第1の実施の形態と相違するのは、ファスナ213により開閉されるスリット状の開放構造を有しておらず、一枚の材料で全体が形成されていることである。したがって本実施の形態のネックカバー111Dは、多足ロボット11の頭部41を二つの開口211,212に通すようにしてネック42に装着される。このような構造上、開口211に取り付けられたカプリング要素132Fは分割されておらず、エンドレスの環状部材の形態をとっている。
本実施の形態のネックカバー111Dは、全体が伸縮性を有するストレッチ素材で形成されている。このため開口212の周辺領域はネック42と頭部41とを連結するジョイント51(J6)に密接し、シール構造214を構成する。
(放熱構造)
以上述べたような第1の実施の形態、あるいは第2の実施の形態のロボット用保護着101を多足ロボット11に着用させると、ロボット用保護着101内の内部温度が上昇する。多足ロボット11の動作時には、とりわけそのバッテリが熱源となり、内部温度の上昇が加速する。本実施の形態のロボット用保護着101は、放熱部301を設けて内部温度の上昇を抑制するようにしている。
図21(A)(B)に示すように、放熱部301は、吸気部302と排気部303とを胴体カバー111Aの下部カバー151に備え、吸気部302から吸引した空気を排気部303から廃棄する。放熱部301は、下部カバー151の内部中、吸気部302から排気部303に至る通風路304を形成する。多足ロボット11の最大の熱源はそのバッテリであり、バッテリは胴体21の腹の部分、つまり胴体21の底部中央領域に収納されている。通風路304は、胴体カバー111Aに収納された多足ロボット11の胴体21の下面に接しているため、効率よく内部温度の放熱を促すことができる。
放熱部301が備える吸気部302と排気部303とは、下部カバー151の先端側と後端側とにそれぞれ設けられたハウジング305に収納されている。ハウジング305は下部カバー151の底面幅一杯に設置領域を占め、上面に規制面305Uを設けている。規制面305Uは、多足ロボット11の胴体21が胴体カバー111Aに収納された際に胴体21の下面に接し、胴体21の下面と下部カバー151の底面との間に通風路304のための空間を確保する。
図5及び図6、並びに図7及び図8に示すように、胴体カバー111Aの先端側(図5、図7−図8参照)と後端側(図6参照)とにはそれぞれ、通気口306が設けられている。図21(A)(B)に示すように、吸気部302と排気部303とのハウジング305は、通気口306にフィルタ307を介して電動ファン308を配置している。吸気部302に配置された電動ファン308は、外気を胴体カバー111A内に引き込む吸引ファンである。排気部303に配置された電動ファン308は、内気を外部に排出する排出ファンである。
放熱部301は、胴体カバー111A内の空気の物理状態、本実施の形態では温度を検出する温度センサであるセンサ309と、このセンサ309の出力信号に応じて電動ファン308の駆動を制御する制御部310とを備えている。制御部310は下部カバー151の底面に設置され、センサ309は制御部310に搭載されている。二つの電動ファン308の駆動源となり、制御部310の給電元となるのはバッテリ311である。バッテリ311も下部カバー151の底面に設置されている。バッテリ311と電動ファン308、バッテリ311と制御部310とはそれぞれ給電ラインPLで接続されている。
図22に示すように、制御部310は、制御回路312とスイッチング回路313とを含んでいる。制御回路312は、各種処理を実行するプロセッサ機能とデータ記憶機能とを発揮する集積回路である。制御回路312には二つの電動ファン308の駆動と非駆動とを決定づける境界温度が登録されている。制御回路312は、信号ラインSLを介してセンサ309から取り込んだアナログ信号に基づいて内部温度を認識し、こうして認識した内部温度情報を境界温度と比較する処理ルーチンを実行する。この処理ルーチンは、境界温度を境に低温領域と高温領域とに温度領域を二分し、センサ309によって得られた内部温度が低温領域に属する場合には電動ファン308を駆動せず、高温領域に属する場合には電動ファン308を駆動するという処理を制御回路312に実行させる。
制御回路312は、信号ラインSLを介してスイッチング回路313に与える制御信号によって電動ファン308の駆動と非駆動とを制御する。一例として、スイッチング回路313にL信号を与えている間は非駆動状態を維持し、H信号を与えると駆動状態になるようにロジックを組み込むことができる。
(2)作用効果
(ロボット用保護着の装着)
多足ロボット11にロボット用保護着101を着用させるには、最初に胴体21に胴体カバー111Aを装着する。以下、胴体カバー111A、大腿カバー111B、下腿カバー111C、及びネックカバー111Dに上記第1の実施の形態のものを用いたロボット用保護着101と、第2の実施の形態のものを用いたロボット用保護着101とについて、多足ロボット11に着用させる例を説明する。
A.第1の実施の形態
胴体カバー111Aを装着するには、四カ所のファスナ153をすべて開き、下部カバー151と上部カバー152とを分離させる。そして多足ロボット11の胴体21の下面に下部カバー151をあてがい、上面に上部カバー152を被せる。この際、上部カバー152の開口155及びカプリング要素132Bに、頭部41及びネック42を通す。こうして下部カバー151と上部カバー152とを対面させた状態で、分離していた四組のカプリング要素132Aを結合させ、ファスナ153を閉じれば、胴体カバー111Aの装着が完了する。
つぎにネック42にネックカバー111Dを装着するか、大腿部32に大腿カバー111Bを装着する。ネックカバー111Dと大腿カバー111Bとの装着順は、いずれが先であっても後であってもよい。
ネックカバー111Dを装着するには、ファスナ213を開いて開放状態にする。この状態でネック42に嵌め込み、分離させていたカプリング要素132を結合させ、ファスナ213を閉じる。
このときカプリング要素132Fは、胴体カバー111Aのカプリング要素132Bに載置され、カプリング131を構成する。このとき組み合わされる二部材の間に潤滑油やグリースを塗布すれば、両部材間の摺動が円滑になり、多足ロボット11の動作への追従性を良好にすることができる。
ネック42の末端側では、ファスナ213を閉じることによって開口212が径を縮小し、頭部41とネック42とを連結するジョイント51(J6)に密接する。
こうしてネックカバー111Dの装着が完了する。
大腿カバー111Bを装着するには、二か所のファスナ173を開き、前カバー171と後カバー172とを分離させる。図16に示す大腿カバー111Bの場合には、前カバー171と後カバー172とを開放する。そして多足ロボット11の大腿部32の前後から前カバー171と後カバー172とを被せる。この状態で分離していたカプリング要素132Cと132Dとを結合させる。
この際、胴体カバー111Aのカプリング要素132Aの上からカプリング要素132Cを被せ、両者を組み合わせる。これによってカプリング要素132Aとカプリング要素132Cとの間に、カプリング131が成立する。このとき組み合わされる二部材の間に潤滑油やグリースを塗布すれば、両部材間の摺動が円滑になり、多足ロボット11の動作への追従性を良好にすることができる。
その後ファスナ173を閉じれば、大腿カバー111Bの装着が完了する。
下腿カバー111Cを装着するには、ファスナ193を開いて開放状態にする。この状態で多足ロボット11の下腿部33に嵌め込み、分離させていたカプリング要素132Eを結合させ、ファスナ193を閉じる。
この際、大腿カバー111Bのカプリング要素132Dの上からカプリング要素132Eを被せ、両者を組み合わせる。これによってカプリング要素132Dとカプリング要素132Eとの間に、カプリング131が成立する。このとき組み合わされる二部材の間に潤滑油やグリースを塗布すれば、両部材間の摺動が円滑になり、多足ロボット11の動作への追従性を良好にすることができる。
その後ファスナ193を閉じる。これによって足34の側では開口192が径を縮小し、下腿カバー111Cの末端に密接する。こうして下腿カバー111Cの装着が完了する。
多足ロボット11からロボット用保護着101を脱がせるには、装着時と逆の作業をすればよい。
B.第2の実施の形態
胴体カバー111Aを装着するには、面ファスナ163によって開口161を開き、ファスナ164によって四つの開口154を開放する。このとき四つの開口154に設けられているカプリング要素132Aを二分割する。そこで多足ロボット11の頭部41とネック42とを胴体カバー111Aの開口155に通し、胴体21に胴体カバー111Aを被せる。この状態で面ファスナ163によって開口161を閉じ、多足ロボット11の脚部31の付け根にあるジョイント51(J)を覆うようにして、二分割されていたカプリング要素132Aを結合させる。そしてファスナ164によって開口162を閉じれば、胴体カバー111Aの装着が完了する。
つぎにネック42にネックカバー111Dを装着するか、大腿部32に大腿カバー111Bを装着する。ネックカバー111Dと大腿カバー111Bとの装着順は、いずれが先であっても後であってもよい。
ネックカバー111Dを装着するには、二つの開口211,212に頭部41とネック42とを通し、ネックカバー111Dでネック42を覆うようにすればよい。
このときカプリング要素132Fは、胴体カバー111Aのカプリング要素132Bに載置され、カプリング131を構成する。このとき組み合わされる二部材の間に潤滑油やグリースを塗布すれば、両部材間の摺動が円滑になり、多足ロボット11の動作への追従性を良好にすることができる。
ネック42の末端側では、ネックカバー111Dは、自らの伸縮性によって頭部41とネック42とを連結するジョイント51(J6)に密接する。
こうしてネックカバー111Dの装着が完了する。
大腿カバー111Bを装着するには、二つの開口174,175に脚部31を通し、大腿カバー111Bで大腿部32を覆うようにすればよい。
この際、胴体カバー111Aのカプリング要素132Aの上からカプリング要素132Cを被せ、両者を組み合わせる。これによってカプリング要素132Aとカプリング要素132Cとの間に、カプリング131が成立する。このとき組み合わされる二部材の間に潤滑油やグリースを塗布すれば、両部材間の摺動が円滑になり、多足ロボット11の動作への追従性を良好にすることができる。
こうして大腿カバー111Bの装着が完了する。
下腿カバー111Cを装着するには、二つの開口191,192に脚部31を通し、下腿カバー111Cで下腿部33を覆うようにすればよい。
この際、大腿カバー111Bのカプリング要素132Dの上からカプリング要素132Eを被せ、両者を組み合わせる。これによってカプリング要素132Dとカプリング要素132Eとの間に、カプリング131が成立する。このとき組み合わされる二部材の間に潤滑油やグリースを塗布すれば、両部材間の摺動が円滑になり、多足ロボット11の動作への追従性を良好にすることができる。
下腿部33の末端側では、下腿カバー111Cは、自らの伸縮性によって下腿部33と足34との間の部分に密接する。こうして下腿カバー111Cの装着が完了する。
多足ロボット11からロボット用保護着101を脱がせるには、装着時と逆の作業をすればよい。
(動作追従性)
多足ロボット11が動作したとき、胴体21、大腿部32、下腿部33の各リンク52(L1,L2,L3)については、個々にカバー111(胴体カバー111A、大腿カバー111B、下腿カバー111C)が装着されている。しかもジョイント51(J1)とジョイント51(J2)とを覆うカプリング131では、組み合わされている二部材が円滑に摺動する。このためロボット用保護着101は、多足ロボット11に良好に追従する。
(熱対策)
ロボット用保護着101が内蔵する制御回路312は、センサ309によって検出したロボット用保護着101の内部温度を監視している。内部温度が予め決められた境界温度以上になったとき、あるいは境界温度を超えたとき、制御回路312はスイッチング回路313に制御信号を出力する。このときの制御信号は、電動ファン308の動作を命じる信号、例えばH信号である。この制御信号を受けたスイッチング回路313は、電動ファン308への給電ラインPLを閉じるようにスイッチ動作をする。これによって二つの電動ファン308が駆動され、通風路304内に風が流れるため、ロボット用保護着101の内部が放熱される。この放熱により、多足ロボット11の制御中枢を熱から保護することができる。
(まとめ)
本実施の形態のロボット用保護着101は、つぎに示す(a)〜(d)の構成を備えている。
(a)多足ロボット11が備える複数個のリンク52にそれぞれ装着され、両端に開口154と155、174と175、191と192、211と212を有する複数個のカバー111
(b)リンク52を連結するジョイント51を介して対面する二つのカバー111の開口にそれぞれ設けられ、結合によってジョイント51を覆う一対のカプリング要素132を回転自在に組み合わせたカプリング131
(c)カバー111に設けられた両端の開口を連絡する開放領域を開閉するファスナ153、173、193、213
(d)開放領域の開放によって分離される開口にそれぞれ追従するようにカプリング要素132を着脱自在に二分割した分割構造
したがって表面に凹凸形状を与えたり生地の余剰を過度にもたらしたりすることなく、ジョイント51で連結された二つのリンク52の可動に追従することができる。
本実施の形態のロボット用保護着101は、カバー111の開口191と192、211と212に設けられ、ファスナ193を閉じることによってリンク52に密接するシール構造194,214を備えている。したがって簡易に防水性を得ることができる。
本実施の形態のロボット用保護着101は、カバー111に収納され、バッテリ311を駆動源とする電動ファン308と、カバー111に覆われた空間内に電動ファン308による通風路304を形成する一対の通気口306とを備えている。したがって放熱性を高めることができる。
本実施の形態のロボット用保護着101は、カバー111内の空気の物理状態(例えば温度)を検出するセンサ309と、センサ309によって予め決められた物理状態(例えば温度範囲)が検出されたときに電動ファン308を駆動する制御回路312とを備えている。したがって必要なときにのみ放熱性を生じさせ、バッテリの省エネルギー化を図ることができる。
本実施の形態のロボット用保護着101は、多足ロボット11のバッテリの収納領域に接する位置に通風路304を形成するので、効率のよい放熱効果を得ることができる。
3.変形例
実施に際しては、各種の変形や変更が可能である。
例えばジョイント51を介して対面する二つのカバー111を互いに重ね合わせるようにしてもよい。この場合には、より一層防水性が高まる。
電動ファン308は、通気口306の少なくとも一方に取り付けられているだけでもよい。
その他、あらゆる変形や変更が許容される。
11 多足ロボット
21 胴体
31 脚部
32 大腿部
33 下腿部
34 足
35 ローラ
41 頭部
42 ネック
43 ボス
44 根元ネック
45 先端ネック
46 センシング窓
51 ジョイント(J1〜J6)
52 リンク(L1〜L5)
101 ロボット用保護着
111 カバー
131 カプリング
132 カプリング要素
132A カプリング要素
132B カプリング要素
132C カプリング要素
132D カプリング要素
132E カプリング要素
132F カプリング要素
151 下部カバー
152 上部カバー
153 ファスナ
154 開口
155 開口
161 開口
162 開口
163 面ファスナ
164 ファスナ
171 前カバー
172 後カバー
173 ファスナ
174 開口
175 開口
191 開口
192 開口
193 ファスナ
194 シール構造
211 開口
212 開口
213 ファスナ
214 シール構造
301 放熱部
302 吸気部
303 排気部
304 通風路
305 ハウジング
306 通気口
307 フィルタ
308 電動ファン
309 センサ
310 制御部
311 バッテリ
312 制御回路
313 スイッチング回路

Claims (7)

  1. 多足ロボットが備える複数個のリンクにそれぞれ装着され、両端に開口を有する複数個のカバーと、
    前記リンクを連結するジョイントを介して対面する二つの前記カバーの開口にそれぞれ設けられ、結合によって前記ジョイントを覆う一対のカプリング要素を回転自在に組み合わせたカプリングと、
    を備えるロボット用保護着。
  2. 前記カバーに設けられた前記両端の開口を連絡する開放領域を開閉するファスナと、
    前記開放領域の開放によって分離される前記開口にそれぞれ追従するように前記カプリング要素を着脱自在に二分割した分割構造と、
    を備える請求項1に記載のロボット用保護着。
  3. 前記カバーの開口に設けられ、前記ファスナを閉じることによって前記リンクに密接するシール構造を備える、
    請求項2に記載のロボット用保護着。
  4. 前記カバーに収納され、バッテリを駆動源とする電動ファンと、
    前記カバーに覆われた空間内に前記電動ファンによる通風路を形成する一対の通気口と、
    を備える請求項1に記載のロボット用保護着。
  5. 前記カバー内の空気の物理状態を検出するセンサと、
    前記センサによって予め決められた物理状態が検出されたときに前記電動ファンを駆動する制御回路と、
    を備える請求項4に記載のロボット用保護着。
  6. 前記物理状態は温度であり、
    前記予め決められた物理状態は温度範囲である、
    請求項5に記載のロボット用保護着。
  7. 前記通気口は、歩行用ロボットのバッテリの収納領域に接する位置に前記通風路を形成する、
    請求項4に記載のロボット用保護着。
JP2018237903A 2018-12-20 2018-12-20 ロボット用保護着 Active JP7209527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018237903A JP7209527B2 (ja) 2018-12-20 2018-12-20 ロボット用保護着

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018237903A JP7209527B2 (ja) 2018-12-20 2018-12-20 ロボット用保護着

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020099952A true JP2020099952A (ja) 2020-07-02
JP7209527B2 JP7209527B2 (ja) 2023-01-20

Family

ID=71140650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018237903A Active JP7209527B2 (ja) 2018-12-20 2018-12-20 ロボット用保護着

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7209527B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113581316A (zh) * 2021-07-26 2021-11-02 北京航空航天大学 一种轮足快速切换的紧凑型被动足
CN115056878A (zh) * 2022-07-07 2022-09-16 浙江工业大学 基于步态分析能实现负压攀爬的多功能仿生蜘蛛
WO2023142747A1 (zh) * 2022-01-28 2023-08-03 杭州宇树科技有限公司 一种四足机器人防护装置及四足机器人

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1133973A (ja) * 1997-07-14 1999-02-09 Fanuc Ltd 遮蔽型の産業用ロボット
JP2003001582A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Kenji Fuse ロボットの衣装
JP2004183157A (ja) * 2002-12-04 2004-07-02 Tokyu Construction Co Ltd 人間型ロボット用保護着
JP2006167834A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Honda Motor Co Ltd 人間型ロボットの冷却構造
JP2010274373A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Toyama Prefecture 作業ロボット用保護カバー

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1133973A (ja) * 1997-07-14 1999-02-09 Fanuc Ltd 遮蔽型の産業用ロボット
JP2003001582A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Kenji Fuse ロボットの衣装
JP2004183157A (ja) * 2002-12-04 2004-07-02 Tokyu Construction Co Ltd 人間型ロボット用保護着
JP2006167834A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Honda Motor Co Ltd 人間型ロボットの冷却構造
JP2010274373A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Toyama Prefecture 作業ロボット用保護カバー

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113581316A (zh) * 2021-07-26 2021-11-02 北京航空航天大学 一种轮足快速切换的紧凑型被动足
WO2023142747A1 (zh) * 2022-01-28 2023-08-03 杭州宇树科技有限公司 一种四足机器人防护装置及四足机器人
CN115056878A (zh) * 2022-07-07 2022-09-16 浙江工业大学 基于步态分析能实现负压攀爬的多功能仿生蜘蛛
CN115056878B (zh) * 2022-07-07 2023-10-31 浙江工业大学 基于步态分析能实现负压攀爬的多功能仿生蜘蛛

Also Published As

Publication number Publication date
JP7209527B2 (ja) 2023-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020099952A (ja) ロボット用保護着
US4146933A (en) Conditioned-air suit and system
JP6908910B2 (ja) 衣服および冷却システム
JP4781420B2 (ja) ロボット用のプロテクトサポータ
JPH0431209Y2 (ja)
JP2017101354A (ja) 空調服
US10939710B2 (en) Protective clothing for exercise
JP6446734B1 (ja) 防護服及び防護服の製造方法
JP7038832B2 (ja) ロボット関節の安全保護
JP2911842B2 (ja) 上下続き防寒防風防塵用衣料
JP2004183157A (ja) 人間型ロボット用保護着
JP2020147887A (ja) 空調衣服の服本体及び空調衣服
KR200492873Y1 (ko) 분리 가능한 상하 일체형 작업복
JP2006116679A (ja) 防滴構造を備えた移動ロボット
JP2003001582A (ja) ロボットの衣装
JP6836277B2 (ja) ベスト
JPWO2020080366A1 (ja) 衣服
CN213344453U (zh) 一种智能控温除湿隔离服
JPH03287395A (ja) 天吊り型マニプレータのアームカバー
JP3240365U (ja) ファン付きウェアのウェア本体及びファン付きウェア
JP3238698U (ja) ペット服
JP3240200U (ja) 防護服
JP7355589B2 (ja) 人型ロボット
CN211158238U (zh) 一种充气式防护服
CN114347096A (zh) 一种用于足式机器人的外套

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7209527

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150