JP2004183157A - 人間型ロボット用保護着 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋外でも人間型ロボットを使用できるようにするための人間型ロボット用保護着を提供すること。
【解決手段】人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着1であって、人間型ロボットの全身を覆い、粉塵及び外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えたことを特徴とするものである。ここで、人間型ロボットが発散する熱を外部に放出するために、放熱性が高く、かつ水の浸透性が低い生地を使用するのが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着1であって、人間型ロボットの全身を覆い、粉塵及び外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えたことを特徴とするものである。ここで、人間型ロボットが発散する熱を外部に放出するために、放熱性が高く、かつ水の浸透性が低い生地を使用するのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロボット分野での技術の進歩は目覚しく、近年においては人間と同様の動きが可能な人間型ロボット(ヒューマノイドロボット)が開発され、実用化の段階に至っている。
しかし、今までの人間型ロボットは、温度や湿度が管理され、粉塵のほとんど発生しない環境の良い場所で用いられることが多かった。
ロボット全体で考えると、粉塵の多い場所や、温度や湿度などの条件が過酷な環境で使用される産業用ロボットには、粉塵や水に弱い部分のみをカバーで覆う方法や、耐候性を高めるために専用機として改造する方法が採用されていた。
【0003】
一方、今まで人間がおこなっていた重労働や、人手の足りない状況において、人間の代わりに人間型ロボットを使用したいという要望がある。例えば、各種車両の操縦、建設作業、危険区域での作業、老人介護又は深夜警備などのあらゆる分野において、人間型ロボットが活躍できる可能性がある。このように要望が多様化してくると、各分野に適した仕様に人間型ロボットを改良して作り変えるのではなく、共通の人間型ロボットを使用することが望まれる。すなわち、共通の人間型ロボットですべての作業をおこなえるようになれば、量産によって価格が低下する上に、作業に応じて入れ替えの必要がなくなるため運搬費及び待ち時間がなくなり、配備する人間型ロボットの台数も少なくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の人間型ロボットの現状においては以下のような課題がある。
<イ>人間型ロボットを保護するための保護着は、環境の良い屋内で作業する人間型ロボットには必要がなく、従来は存在しなかった。強いて言えば、愛玩用ロボットのウエアは存在するが、洋服的なファッション性が高いものであり、ロボットの保護を目的としたロボット用の保護着はなかった。
<ロ>産業用ロボットの関節部などを粉塵から保護するために、カバーを被せる方法はあった。しかし、産業用ロボットの関節部は発熱が少なかったり、高温に耐えられるような仕様になっていたりするため、熱対策は必要なかった。これに対して人間型ロボットは、精密機械であり、自ら発熱するにも関わらず、熱に弱い特性を持つものがほとんどである。このため、産業用ロボットに使用するカバーをそのまま使用することはできない。
<ハ>環境に応じて人間型ロボットを改良する方法では、環境が変わるたびに改造が必要となる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、屋外でも人間型ロボットを使用できるようにするための人間型ロボット用保護着を提供することを目的とする。
また、人間型ロボット自体を改造することなく、使用環境に適用できるようにする人間型ロボット用保護着を提供することを目的とする。
さらに、人間型ロボットの機械的な外見を隠すことで、人間型ロボットが作業をおこなう違和感を緩和できる人間型ロボット用保護着を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の人間型ロボット用保護着は、人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着であって、人間型ロボットの全身を覆い、粉塵及び外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えたことを特徴とするものである。ここで、人間型ロボットが発散する熱を外部に放出するために、放熱性が高く、かつ水の浸透性が低い生地を使用するのが好ましい。さらに、内部に結露しにくい通気性のある素材であって、人間型ロボットと擦れても静電気を発生しにくい生地を使用するのが好ましい。また、人間型ロボットの給排気口付近に、粉塵用フィルターを取り付けた給排気部を設けるとよい。
さらに、人間型ロボットの胴体部と、腕部と、脚部と、頭部と、足部とを、それぞれ別部材で覆うことで、人間型ロボットの動きを制限しない保護着とする。
また、人間型ロボットの関節部を覆う保護着の構造を、外側に蛇腹材を配置し、内側に引張り材を配置した二重構造とするのが好ましい。
そして、直立して停止した人間型ロボットに装着可能な構造とすることによって、容易に着脱できるように構成するのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>人間型ロボット
人間型ロボットは、人間と同じように二足歩行をおこない、二本の腕、二本の脚を動かして作業をおこなうロボットである。ヒューマノイドロボットともいわれる。
人間型ロボットは、人間と同じような動きが出来るため、今まで人間がおこなってきた作業を代替しておこなうことが出来る。例えば、建設現場で使用される作業車両2などのような各種車両の運転、建設作業全般、老人介護、警備などを人間に代わっておこなう。
しかし、人間型ロボットは精密機械でもあるため、そのままの状態では、粉塵が舞い、炎天下や降雨という悪条件もありうる屋外での作業にそのまま使用するのは難しい。そこで、本発明の保護着1を人間型ロボットに着用させることで、屋外作業を可能にする。
【0009】
<ロ>保護着
人間型ロボット用保護着1は、人間型ロボットの全身を覆う保護着1である。人間型ロボット全体を保護着1で覆うことによって、粉塵及び降雨などの外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えることができる。ここで、人間型ロボットの正常稼動環境とは、人間型ロボットが正常に作業を続けられる程度の粉塵及び水気が存在する環境をいう。
保護着1は、例えば、頭部を覆うフード11と、胴体部を覆うベスト12と、腕部を覆うスリーブ13と、脚部を覆うパンツ14と、足部を覆うブーツ17で構成する。人間型ロボットは、各部が独立して人間以上の範囲で稼動することもできる。また、人間とは回転部の位置が異なる場合もある。このため、各部を別部材で覆うのが好ましい。図2に各部材の正面図を、図3に側面図を、図4に背面図を示す。
なお、ベスト12には、人間型ロボットの制御部を覆う制御部用パーツ121を設けることができる。また、パンツ14には、臀部の突起を保護する臀部用パーツ141を設けることができる。
【0010】
<ハ>生地
保護着1に使用する生地は、伸縮性の生地を使用するのが好ましい。また、浸水を防ぐために水の浸透性の低い生地を使用する。
また、人間型ロボットは自ら熱を発散するため、断熱性が高い素材を生地に使用すると、保護着1の内部が高温になる。人間型ロボットは熱に弱い場合が多いため、生地は放熱性が高い素材を使用するのが好ましい。また、内部に結露しにくい通気性のある素材を使用するのが好ましい。
さらに、人間型ロボットと擦れても静電気を発生しにくい素材を使用するのが好ましい。
保護着1の生地には、例えば防水加工を施したナイロン繊維、ナイロン繊維と発泡ポリウレタン樹脂の複層構造の素材等が使用できる。
また、足部を覆うブーツ17の内側には導電性素材の中敷を敷いて、人間型ロボットの足裏に静電気が発生しないように構成するのが好ましい。また、ブーツ17の靴底の外側面には絶縁素材を貼り付けるなどして、外部からの静電気の影響を受けないようにするのが好ましい。
【0011】
<ニ>給排気口の構造
人間型ロボットは、発熱の生じる制御機器の周辺に、内部に空気を取り込み、熱せられた空気を排出する冷却用の給排気口31を備えている。この給排気口31を保護着1で塞ぐと、人間型ロボットは高温になって正常に作動しなくなるおそれがある。
そこで、人間型ロボットの給排気口31付近に給排気部122を設ける。給排気部122は、降雨の浸入を防ぐために庇状に形成し、空気の流れを遮断しないように開口部を設ける。開口部には、粉塵の侵入を防ぐために防塵用フィルター123を配置する。ここで、防塵用フィルターの選択に当たっては、粉塵を除去するとともに、空気の流れを遮断しない素材を選択する必要がある。
また、給排気口31の空気の流れ、特に吸引時に、保護着1が吸い付いて人間型ロボットの給排気口31を塞ぐことがないような給排気部122の構造にする。
【0012】
<ホ>回動部
人間型ロボット用の保護着1は、人間型ロボットの動きを制限しないものでなければならない。例えば、頭部や腕部の回動を妨げる構造であってはいけない。特に、人間型ロボットの腕の回動部は、人間より胴体に近い位置にあることが多い。そこで、ベスト12は肩を張り出した裃型にし、スリーブ13の付け根はベスト12で覆うようにする(図5参照)。このように構成することで、人間型ロボットの腕の動きを制限することなく、降雨などの浸入を防ぐことが出来る。
また、手先と腕部を一体で覆うスリーブ13は、ねじれや曲げに対応できるように余裕をもった寸法とされる。この余裕の生地の弛みが、手首より先の動作の支障となるおそれがある場合は、手首部にテープ131を取り付けて、手先の動きを妨げないようにするのが好ましい。
【0013】
<ヘ>関節部
人間型ロボットの関節部32においても、動きが制限されることがないような構造とする必要がある。上記したように、保護着1には伸縮性に優れた生地を使用するのが好ましい。しかし、関節部32の動きは大きく、防塵性及び防水性を兼ね備えた生地で関節部32の動きに対応する生地を選択するのが難しい。そこで、例えば生地を波形に折り畳んで蛇腹にした蛇腹材15を使用することによって、関節部32の伸縮の範囲を大きく確保することができる。しかし、蛇腹材15を配置しただけでは、関節部32の動きによって弛んだ蛇腹材15を関節部32の隙間に挟み込むおそれがある。そこで、蛇腹材15の内側には伸縮性の大きいネットなどの引張り材16を配置するのが好ましい。外側に蛇腹材15を配置し、内側に引張り材16を配置して二重構造にすれば、引張り材16が常に蛇腹材15の内側を引っ張っているため、関節部32を曲げ伸ばししても蛇腹材15が挟み込まれることがない(図6参照)。
【0014】
<ト>着脱用構造(図7)
人間型ロボットは、人間のように自ら保護着1を着用するのが困難であるため、人間が保護着1を着せることになる。
通常、人間型ロボットに保護着1を着用させる場合は、人間型ロボットは直立して停止していることが多い。このため、人間が着用する衣服と同じ構造では、着脱が困難である。そこで、側部に開閉構造142を設けたパンツ14やベスト12を使用するのが好ましい。開閉構造142はファスナーなどによって構成する。
なお、足部を覆うブーツ17については、人間型ロボットの足部を片足ずつ少し浮かせて履かせる。ブーツ17は、ゴム紐や金具などの締め具18で人間型ロボットの足部の外形に合わせて絞り込み、パンツ14の裾で滑らないように密着させて覆う。
【0015】
【発明の効果】
本発明の人間型ロボット用保護着は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>保護着を着用させるだけで、人間型ロボットを屋外で使用することが出来るようになる。このため、人間型ロボットの適用範囲が広がる。
<ロ>保護着の内部は、人間型ロボットにとっての正常稼動環境が保たれるため、人間型ロボットを使用環境に合わせて改造する必要がない。
<ハ>保護着を着ることによって、人間型ロボットの機械的な外見が隠れる。この結果、人間型ロボットが作業をおこなう違和感を緩和する効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人間型ロボット用保護着を着用した人間型ロボットの作業実施例の斜視図
【図2】人間型ロボット用保護着の各部材の実施例の正面図
【図3】人間型ロボット用保護着の各部材の実施例の側面図
【図4】人間型ロボット用保護着の各部材の実施例の背面図及び給排気部の拡大断面図
【図5】人間型ロボット用保護着のベストの実施例の正面図
【図6】人間型ロボットの関節部を覆う保護着の構造の実施例の説明図
【図7】保護着の着脱用構造の実施例の説明図
【符号の説明】
1・・・保護着
11・・フード
12・・ベスト
13・・スリーブ
14・・パンツ
15・・蛇腹材
16・・引張り材
122・・給排気部
31・・給排気口
32・・関節部
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロボット分野での技術の進歩は目覚しく、近年においては人間と同様の動きが可能な人間型ロボット(ヒューマノイドロボット)が開発され、実用化の段階に至っている。
しかし、今までの人間型ロボットは、温度や湿度が管理され、粉塵のほとんど発生しない環境の良い場所で用いられることが多かった。
ロボット全体で考えると、粉塵の多い場所や、温度や湿度などの条件が過酷な環境で使用される産業用ロボットには、粉塵や水に弱い部分のみをカバーで覆う方法や、耐候性を高めるために専用機として改造する方法が採用されていた。
【0003】
一方、今まで人間がおこなっていた重労働や、人手の足りない状況において、人間の代わりに人間型ロボットを使用したいという要望がある。例えば、各種車両の操縦、建設作業、危険区域での作業、老人介護又は深夜警備などのあらゆる分野において、人間型ロボットが活躍できる可能性がある。このように要望が多様化してくると、各分野に適した仕様に人間型ロボットを改良して作り変えるのではなく、共通の人間型ロボットを使用することが望まれる。すなわち、共通の人間型ロボットですべての作業をおこなえるようになれば、量産によって価格が低下する上に、作業に応じて入れ替えの必要がなくなるため運搬費及び待ち時間がなくなり、配備する人間型ロボットの台数も少なくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の人間型ロボットの現状においては以下のような課題がある。
<イ>人間型ロボットを保護するための保護着は、環境の良い屋内で作業する人間型ロボットには必要がなく、従来は存在しなかった。強いて言えば、愛玩用ロボットのウエアは存在するが、洋服的なファッション性が高いものであり、ロボットの保護を目的としたロボット用の保護着はなかった。
<ロ>産業用ロボットの関節部などを粉塵から保護するために、カバーを被せる方法はあった。しかし、産業用ロボットの関節部は発熱が少なかったり、高温に耐えられるような仕様になっていたりするため、熱対策は必要なかった。これに対して人間型ロボットは、精密機械であり、自ら発熱するにも関わらず、熱に弱い特性を持つものがほとんどである。このため、産業用ロボットに使用するカバーをそのまま使用することはできない。
<ハ>環境に応じて人間型ロボットを改良する方法では、環境が変わるたびに改造が必要となる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、屋外でも人間型ロボットを使用できるようにするための人間型ロボット用保護着を提供することを目的とする。
また、人間型ロボット自体を改造することなく、使用環境に適用できるようにする人間型ロボット用保護着を提供することを目的とする。
さらに、人間型ロボットの機械的な外見を隠すことで、人間型ロボットが作業をおこなう違和感を緩和できる人間型ロボット用保護着を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の人間型ロボット用保護着は、人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着であって、人間型ロボットの全身を覆い、粉塵及び外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えたことを特徴とするものである。ここで、人間型ロボットが発散する熱を外部に放出するために、放熱性が高く、かつ水の浸透性が低い生地を使用するのが好ましい。さらに、内部に結露しにくい通気性のある素材であって、人間型ロボットと擦れても静電気を発生しにくい生地を使用するのが好ましい。また、人間型ロボットの給排気口付近に、粉塵用フィルターを取り付けた給排気部を設けるとよい。
さらに、人間型ロボットの胴体部と、腕部と、脚部と、頭部と、足部とを、それぞれ別部材で覆うことで、人間型ロボットの動きを制限しない保護着とする。
また、人間型ロボットの関節部を覆う保護着の構造を、外側に蛇腹材を配置し、内側に引張り材を配置した二重構造とするのが好ましい。
そして、直立して停止した人間型ロボットに装着可能な構造とすることによって、容易に着脱できるように構成するのが好ましい。
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【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>人間型ロボット
人間型ロボットは、人間と同じように二足歩行をおこない、二本の腕、二本の脚を動かして作業をおこなうロボットである。ヒューマノイドロボットともいわれる。
人間型ロボットは、人間と同じような動きが出来るため、今まで人間がおこなってきた作業を代替しておこなうことが出来る。例えば、建設現場で使用される作業車両2などのような各種車両の運転、建設作業全般、老人介護、警備などを人間に代わっておこなう。
しかし、人間型ロボットは精密機械でもあるため、そのままの状態では、粉塵が舞い、炎天下や降雨という悪条件もありうる屋外での作業にそのまま使用するのは難しい。そこで、本発明の保護着1を人間型ロボットに着用させることで、屋外作業を可能にする。
【0009】
<ロ>保護着
人間型ロボット用保護着1は、人間型ロボットの全身を覆う保護着1である。人間型ロボット全体を保護着1で覆うことによって、粉塵及び降雨などの外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えることができる。ここで、人間型ロボットの正常稼動環境とは、人間型ロボットが正常に作業を続けられる程度の粉塵及び水気が存在する環境をいう。
保護着1は、例えば、頭部を覆うフード11と、胴体部を覆うベスト12と、腕部を覆うスリーブ13と、脚部を覆うパンツ14と、足部を覆うブーツ17で構成する。人間型ロボットは、各部が独立して人間以上の範囲で稼動することもできる。また、人間とは回転部の位置が異なる場合もある。このため、各部を別部材で覆うのが好ましい。図2に各部材の正面図を、図3に側面図を、図4に背面図を示す。
なお、ベスト12には、人間型ロボットの制御部を覆う制御部用パーツ121を設けることができる。また、パンツ14には、臀部の突起を保護する臀部用パーツ141を設けることができる。
【0010】
<ハ>生地
保護着1に使用する生地は、伸縮性の生地を使用するのが好ましい。また、浸水を防ぐために水の浸透性の低い生地を使用する。
また、人間型ロボットは自ら熱を発散するため、断熱性が高い素材を生地に使用すると、保護着1の内部が高温になる。人間型ロボットは熱に弱い場合が多いため、生地は放熱性が高い素材を使用するのが好ましい。また、内部に結露しにくい通気性のある素材を使用するのが好ましい。
さらに、人間型ロボットと擦れても静電気を発生しにくい素材を使用するのが好ましい。
保護着1の生地には、例えば防水加工を施したナイロン繊維、ナイロン繊維と発泡ポリウレタン樹脂の複層構造の素材等が使用できる。
また、足部を覆うブーツ17の内側には導電性素材の中敷を敷いて、人間型ロボットの足裏に静電気が発生しないように構成するのが好ましい。また、ブーツ17の靴底の外側面には絶縁素材を貼り付けるなどして、外部からの静電気の影響を受けないようにするのが好ましい。
【0011】
<ニ>給排気口の構造
人間型ロボットは、発熱の生じる制御機器の周辺に、内部に空気を取り込み、熱せられた空気を排出する冷却用の給排気口31を備えている。この給排気口31を保護着1で塞ぐと、人間型ロボットは高温になって正常に作動しなくなるおそれがある。
そこで、人間型ロボットの給排気口31付近に給排気部122を設ける。給排気部122は、降雨の浸入を防ぐために庇状に形成し、空気の流れを遮断しないように開口部を設ける。開口部には、粉塵の侵入を防ぐために防塵用フィルター123を配置する。ここで、防塵用フィルターの選択に当たっては、粉塵を除去するとともに、空気の流れを遮断しない素材を選択する必要がある。
また、給排気口31の空気の流れ、特に吸引時に、保護着1が吸い付いて人間型ロボットの給排気口31を塞ぐことがないような給排気部122の構造にする。
【0012】
<ホ>回動部
人間型ロボット用の保護着1は、人間型ロボットの動きを制限しないものでなければならない。例えば、頭部や腕部の回動を妨げる構造であってはいけない。特に、人間型ロボットの腕の回動部は、人間より胴体に近い位置にあることが多い。そこで、ベスト12は肩を張り出した裃型にし、スリーブ13の付け根はベスト12で覆うようにする(図5参照)。このように構成することで、人間型ロボットの腕の動きを制限することなく、降雨などの浸入を防ぐことが出来る。
また、手先と腕部を一体で覆うスリーブ13は、ねじれや曲げに対応できるように余裕をもった寸法とされる。この余裕の生地の弛みが、手首より先の動作の支障となるおそれがある場合は、手首部にテープ131を取り付けて、手先の動きを妨げないようにするのが好ましい。
【0013】
<ヘ>関節部
人間型ロボットの関節部32においても、動きが制限されることがないような構造とする必要がある。上記したように、保護着1には伸縮性に優れた生地を使用するのが好ましい。しかし、関節部32の動きは大きく、防塵性及び防水性を兼ね備えた生地で関節部32の動きに対応する生地を選択するのが難しい。そこで、例えば生地を波形に折り畳んで蛇腹にした蛇腹材15を使用することによって、関節部32の伸縮の範囲を大きく確保することができる。しかし、蛇腹材15を配置しただけでは、関節部32の動きによって弛んだ蛇腹材15を関節部32の隙間に挟み込むおそれがある。そこで、蛇腹材15の内側には伸縮性の大きいネットなどの引張り材16を配置するのが好ましい。外側に蛇腹材15を配置し、内側に引張り材16を配置して二重構造にすれば、引張り材16が常に蛇腹材15の内側を引っ張っているため、関節部32を曲げ伸ばししても蛇腹材15が挟み込まれることがない(図6参照)。
【0014】
<ト>着脱用構造(図7)
人間型ロボットは、人間のように自ら保護着1を着用するのが困難であるため、人間が保護着1を着せることになる。
通常、人間型ロボットに保護着1を着用させる場合は、人間型ロボットは直立して停止していることが多い。このため、人間が着用する衣服と同じ構造では、着脱が困難である。そこで、側部に開閉構造142を設けたパンツ14やベスト12を使用するのが好ましい。開閉構造142はファスナーなどによって構成する。
なお、足部を覆うブーツ17については、人間型ロボットの足部を片足ずつ少し浮かせて履かせる。ブーツ17は、ゴム紐や金具などの締め具18で人間型ロボットの足部の外形に合わせて絞り込み、パンツ14の裾で滑らないように密着させて覆う。
【0015】
【発明の効果】
本発明の人間型ロボット用保護着は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>保護着を着用させるだけで、人間型ロボットを屋外で使用することが出来るようになる。このため、人間型ロボットの適用範囲が広がる。
<ロ>保護着の内部は、人間型ロボットにとっての正常稼動環境が保たれるため、人間型ロボットを使用環境に合わせて改造する必要がない。
<ハ>保護着を着ることによって、人間型ロボットの機械的な外見が隠れる。この結果、人間型ロボットが作業をおこなう違和感を緩和する効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人間型ロボット用保護着を着用した人間型ロボットの作業実施例の斜視図
【図2】人間型ロボット用保護着の各部材の実施例の正面図
【図3】人間型ロボット用保護着の各部材の実施例の側面図
【図4】人間型ロボット用保護着の各部材の実施例の背面図及び給排気部の拡大断面図
【図5】人間型ロボット用保護着のベストの実施例の正面図
【図6】人間型ロボットの関節部を覆う保護着の構造の実施例の説明図
【図7】保護着の着脱用構造の実施例の説明図
【符号の説明】
1・・・保護着
11・・フード
12・・ベスト
13・・スリーブ
14・・パンツ
15・・蛇腹材
16・・引張り材
122・・給排気部
31・・給排気口
32・・関節部
Claims (6)
- 人間型ロボットが着用する人間型ロボット用保護着であって、
人間型ロボットの全身を覆い、粉塵及び外水の侵入を、人間型ロボットの正常稼動環境の範囲に抑えたことを特徴とする、人間型ロボット用保護着。 - 人間型ロボットが発散する熱を外部に放出するために、放熱性が高く、かつ水の浸透性が低い生地を使用したことを特徴とする、請求項1記載の人間型ロボット用保護着。
- 請求項1又は2記載の人間型ロボット用保護着において、
人間型ロボットの給排気口付近に、粉塵用フィルターを取り付けた給排気部を設けたことを特徴とする、人間型ロボット用保護着。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の人間型ロボット用保護着において、
人間型ロボットの胴体部と、腕部と、脚部と、頭部と、足部とを、それぞれ別部材で覆ったことを特徴とする、人間型ロボット用保護着。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の人間型ロボット用保護着において、
人間型ロボットの関節部を覆う保護着の構造を、外側に蛇腹材を配置し、内側に引張り材を配置した二重構造としたことを特徴とする、人間型ロボット用保護着。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の人間型ロボット用保護着において、
直立して停止した人間型ロボットに装着可能な構造としたことを特徴とする、人間型ロボット用保護着。
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