JP2020094154A - 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 - Google Patents
反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020094154A JP2020094154A JP2018234432A JP2018234432A JP2020094154A JP 2020094154 A JP2020094154 A JP 2020094154A JP 2018234432 A JP2018234432 A JP 2018234432A JP 2018234432 A JP2018234432 A JP 2018234432A JP 2020094154 A JP2020094154 A JP 2020094154A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- polyol
- film
- acid
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
Description
これらの積層体は、各々用途での要求特性に応じて、各種あるプラスチックフィルム、金属蒸着フィルムあるいは金属箔を適宜組み合わせ、その要求特性に応じた接着剤が選択される。例えば食品や生活用品であれば、様々な流通、冷蔵等の保存や加熱殺菌などの処理等から内容物を保護するため、強度や割れにくさ、耐レトルト性、耐熱性、耐内容物性、耐ピンホール性、といった機能が要求される。
更にこれらの積層体はシート状で流通することは少なく、例えば端をヒートシールした袋状としたり、あるいは熱成形用により成形加工を施される場合もあり、ヒートシール性や成型加工性を要求される場合もある。
例えば食品用途では、2個の水酸基を有するジオール化合物(A)と、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(B)とを含有してなる接着剤において、2個の水酸基を有するジオール化合物(A)が、(1)モノマー酸成分が10質量%以下、ダイマー酸成分が70質量%以上、トリマー酸成分が20質量%以下であるダイマー酸と多価アルコールを反応して得られるポリエステルポリオールや(例えば特許文献1参照)、ポリエステルポリウレタンポリオール(例えば特許文献2参照)であるドライラミネーションに適した2液硬化型ラミネート用接着剤組成物が知られている。
本発明の反応性接着剤は、イソシアネート基と水酸基との化学反応によって硬化する接着剤であり、無溶剤型としても溶剤希釈型としても使用可能な接着剤である。なお本発明でいう無溶剤型の接着剤の「溶剤」とは、本発明で使用するポリイソシアネートやポリオールを溶解することの可能な、溶解性が高く揮発性の有機溶剤を指し、「無溶剤」とは、これらの溶解性の高い有機溶剤を含まないことを指す。溶解性の高い有機溶剤とは、具体的には、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸nープロピル、酢酸n−ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチルは特に溶解性の高い有機溶剤として知られている。
また、本発明の接着剤の低粘度化を達成するために、トリアセチン、プロピレンカーボネート等の水酸基を有さないカルボニル基を有する沸点200℃以上の溶剤も使用してよい。これら高沸点の有機溶剤の使用量は所要される粘度と塗膜物性によるが概ね0.1〜10質量%の範囲で使用することが多い。
本願発明において重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
カラム ;+東ソー株式会社製 TSK−GEL 4000HXL、TSK−GEL 3000HX、TSK−GEL 2000HX、TSK−GEL 1000HX
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明で使用するポリオール組成物(A)は、少なくとも多価アルコールとダイマー酸とを反応原料とするポリエステルポリオール(A1)を含有する。
ダイマー酸以外の多価カルボン酸を併用する場合、多価カルボン酸はダイマー酸に対し 0〜50質量%とすることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。
多価イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の脂肪族ポリイソシアネート;これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのビウレット体、または、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートをトリメチロールプロパン変性したアダクト体などが挙げられるが、安定性の観点からジイソシアネートが好ましい。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオールを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
アクリルポリオールの例としては、1分子中に1個以上の水酸基を含むアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られる。
なお本発明において、ガラス転移温度とは、JIS K7121により定義されるものである。
示差走査熱量測定装置(日立ハイテクサイエンス/X−DSC7000(オートサンプラーおよび電子冷却器付き。以下DSCとする)を用い、試料5mgを30mL/minの窒素気流下で30℃から10℃/minで150℃まで昇温した後、10℃/minで−60℃まで冷却する。再び10℃/minで150℃まで昇温させてDSC曲線を測定し、二度目の昇温工程で観測される測定結果における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移点とし、このときの温度をガラス転移温度とする。
本発明で使用するポリイソシアネート組成物(B)は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下4,4’−MDIと称する場合がある)を含有する。4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの使用量は、全ポリイソシアネート組成物(B)が含有する全ポリイソシアネート化合物の質量に対し0.5〜90質量%となることが好ましく、より好ましくは15〜75質量%である。
本発明における反応性接着剤は、反応性接着剤固形分1グラムあたりの分岐構造濃度が0.10mmol/g以下であることが好ましい。この範囲であると、デラミネーションおよび耐ピンホール性について好ましい。なお下限は特に限定はなく全く含まれていなくても特に問題はない。なお該分岐構造濃度は、下記式により定義されるものである。
また、3官能以上の多価カルボン酸又はその無水物としては、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族三塩基酸;トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族三塩基酸及びその無水物が挙げられる。
また、炭素原子数6以上のアルキル側鎖を有する多価アルコールあるいは多塩基酸としては、例えば前述のダイマー酸のほか、ダイマージオール、ひまし油、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールが挙げられる。
また、本発明における反応性接着剤は、該反応性接着剤固形分1グラムあたりの芳香環濃度が2.9〜3.8mmol/gの範囲内であることが好ましい。この範囲であると、デラミネーションについて好ましい。より好ましくは3.25〜3.60mmol/gの範囲内である。
なお、該芳香環濃度は、下記式により定義されるものである。
本発明の積層フィルムは、第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に前記反応性接着剤からなる接着剤層を積層してなる。具体的には、前記反応性接着剤を第一のプラスチックフィルムに塗布、次いで塗布面に第二のプラスチックフィルムを積層し、該接着剤層を硬化させて得られるものである。例えば前記反応性接着剤を、ロールコーター塗工方式で第一のプラスチックフィルムに塗布し、次いで、乾燥工程を経て、他の基材を貼り合わせる方法が挙げられる。また塗布量は、0.5〜5g/m2が好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0g/m2程度で使用するのがよい。
本発明の包装体は、前記積層フィルムを袋状に成形してなり、具体的には前記積層フィルムをヒートシールすることにより包装体の形態となる。また、包装体としての用途、必要な性能(易引裂性やハンドカット性)、包装体として要求される剛性や耐久性(例えば、耐衝撃性や耐ピンホール性など)などを考慮した場合、必要に応じて他の層を積層することもできる。通常は基材層、紙層、第2のシーラント層、不職布層などを伴って使用される。他の層を積層する方法としては、公知の方法を用いることができる。たとえば、他の層との層間に接着剤層を設けてドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出しラミネート法などにより積層すればよい。接着剤としては、前記反応性接着剤を使用してもよいし、他の1液タイプのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性ポリオレフィンの水性分散体などを用いてもよい。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、テレフタル酸の105部、イソフタル酸の105部、ダイマー酸(ツノダイム216、築野食品社製、AN=194mgKOH/g)の53.83部、アジピン酸の103.26部、エチレングリコールの48.94部、ネオペンチルグリコールの98.12部、1,6−ヘキサンジオールの48.94部、およびチタン触媒の0.15部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、1.5時間保持してエステル化反応を終了し中間体ポリエステルポリオールを得た。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸の227.5部、セバシン酸の204.8部、エチレングリコールの42.6部、ネオペンチルグリコールの199.0部、およびチタン触媒の0.15部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、1.5時間保持してエステル化反応を終了し中間体ポリエステルポリオールを得た。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸の166.12部、オルトフタル酸の166.12部、ネオペンチルグリコールの208.3部、1,2−プロパンジオールの76.09部およびチタン触媒の0.15部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、3.0時間保持してエステル化反応を終了し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%に調整したポリエステルポリオール溶液を得た。これをポリエステルポリオール(A−3)とする。ポリエステルポリオール(A−3)の固形分は、原料の合計512.48部から脱水量144.00部を引いた368.48部である。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、テレフタル酸の159.44部、イソフタル酸の139.52部、セバシン酸の40.52部、ネオペンチルグリコールの95.80部、エチレングリコールの67.00部およびチタン触媒の0.15部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、3.0時間保持してエステル化反応を終了し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%に調整したポリエステルポリオール溶液を得た。これをポリエステルポリオール(A−4)とする。ポリエステルポリオール(A−4)の固形分は、原料の合計502.28部から脱水量143.90部を引いた358.30部である。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、テレフタル酸の322.2部、エチレングリコールの37.24部、1,2−プロピレングリコールの106.53部およびチタン触媒の0.25部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、3.0時間保持してエステル化反応を終了し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%に調整したポリエステルポリオール溶液を得た。これをポリエステルポリオール(A−5)とする。ポリエステルポリオール(A−5)の固形分は、原料の合計476.01部から脱水量144.00部を引いた332.01部である。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、テレフタル酸の166.12部、イソフタル酸の166.12部、エチレングリコールの59.59部、ネオペンチルグリコールの108.32部、およびチタン触媒0.15部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、5.0時間保持してエステル化反応を終了し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%に調整したポリエステルポリオール溶液を得た。これをポリエステルポリオール(A−6)とする。ポリエステルポリオール(A−6)の固形分は、原料の合計500.14部から脱水量144.00部を引いた356.14部である。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、テレフタル酸の338.88部、エチレングリコールの37.24部、1,2−プロピレングリコールの106.53部およびチタン触媒の0.15部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価が1.5mgKOH/gになったところで10mmHg以下に減圧し、7.0時間保持してエステル化反応を終了し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%に調整したポリエステルポリオール溶液を得た。これをポリエステルポリオール(A−7)とする。ポリエステルポリオール(A−2)の固形分は、原料の合計482.65部から脱水量146.88部を引いた335.77部である。
合成例1のポリエステルポリオール(A−1)を例に説明する。ポリエステルポリオール(A−1)の原料のうち、ダイマー酸が分岐構造である長鎖アルキル基を有しており、具体的には組成中の重量比率14%有する。分岐構造をもつ分子の分子量を849.42としたときに、ダイマー酸1部に含まれる分岐構造を有する分子は0.14部であり、含まれる分岐構造は0.1648ミリモルと算出できる。ポリエステルポリオール(A−1)の固形分1部あたりの分岐構造濃度は、ダイマー酸1部あたりの分岐構造濃度0.1648にダイマー酸の使用量58.38を積算し、ポリエステルポリオール(A−1)の固形分504.79で除した値0.0176ミリモルである。
合成例1のポリエステルポリオール(A−1)を例に説明する。ポリエステルポリオール(A−1)の原料のうち、テレフタル酸とイソフタル酸が芳香環を有している。テレフタル酸とイソフタル酸のモル数は、テレフタル酸(分子量166.14)、イソフタル酸(分子量166.14)をそれぞれの分子量で除した値0.6319モルと0.6319モルであるため、ポリエステルポリオール(A−1)に含まれる芳香環は、固形分1部につき、テレフタル酸のモル数とイソフタル酸のモル数を合計の固形分重量で除し、1000をかけた値、2.5095ミリモルと算出される。
ポリイソシアネート(B−1):HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)のビウレット体からなるポリイソシアネートであり、不揮発分は100%、NCO%は22.5%のものを使用した。1分子につき分岐構造を1つ有する。
ポリイソシアネート3(B−2):HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)のアロファネート体からなるポリイソシアネートであり、不揮発分は100%、NCO%は19.5%のものを使用。
ポリイソシアネート(B−3):4,4’−MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)(東ソー社製 ミリオネートMT―Fを酢酸エチルに溶解させたものであり、不揮発分は50%、NCO%(溶液)は16.7%)を使用。1分子につき芳香環を2つ有する。
ポリイソシアネート(B−4):D―110N(三井化学社製、ポリイソシアネート 不揮発分:75%、NCO%:11.5%)を使用。1分子につき分岐構造を1つ有し芳香環を3つ有する。
ポリイソシアネート(B−5):T1890(エボニック社製、ポリイソシアネート 不揮発分:100%、NCO%:21.5%)を使用。1分子につき分岐構造を1つ有する。
ポリイソシアネート(B−1)を例に説明する。固形分1部に対しヘキサメチレンジイソシアネートビウレットの分子量477.61で除した値に1000を積算した値2.0937とした。
イソシアネート(B−3)を例に説明する。芳香環濃度は固形分1部に対し4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの分子量250.25で除した値に2×1000をかけた値7.9920ミリモルとした。
各合成例におけるポリオールおよびポリエステルポリオールのTgは前記に示すDSC法により測定を行った。その結果を表3に示す。
ポリエステルポリオール(A−1)を70部と、ポリエステルポリオール(A−3)を30部との混合溶液に、KBM−403(信越化学社製、シランカップリング剤 不揮発分100%)0.2部を加えてKBM−403が完全溶解するまでよく攪拌した。ここにイソシアネート(B−1)を2.0部、イソシアネート(B−3)を6.6部と不揮発分が30%になるように酢酸エチルを加えてよく攪拌し、反応性接着剤を作成した。各々の配合比率を表4に示す。
接着剤の調整に用いる材料、配合を表4および表5に記載の値に調整した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜実施例8の反応性接着剤を製造した。
接着剤の調整に用いる材料、配合を表4および表5に記載の値に調整した以外は実施例1と同様にして、比較例1〜比較例7の反応性接着剤を製造した。
実施例1の配合を例にとり説明する。ポリエステルポリオール(A−1)は配合70部のうち35部が固形分であり、イソシアネート(B−1)は配合2.2部が全て固形分である。ポリエステルポリオール(A−1)、イソシアネート(B−1)の固形分1部あたりの分岐濃度を実施例1に配合された固形分量でそれぞれ積算し、合計した分岐濃度を実施例の全配合の固形分の合計55.5部で除した値0.0941を実施例1の分岐濃度とした。
実施例1の配合を例にとり説明する。ポリエステルポリオール(A−1)は配合70部のうち35部が固形分であり、ポリエステルポリオール(A−3)は配合の30部のうち15部が固形分であり、イソシアネート(B−3)は配合6.6部のうち3.3部が固形分である。ポリエステルポリオール(A−1)、ポリエステルポリオール(A−3)、イソシアネート(B−3)の固形分1部あたりの芳香環濃度を実施例1に配合された固形分量でそれぞれ積算し、合計した芳香環モル数195.6264を実施例1の全配合の固形分の合計55.5部で除した値3.5248を実施例1の芳香環濃度とした。
実施例または比較例の反応性接着剤を用いて、常態接着強度測定、耐レトルト性試験ならびに、耐ピンホール性試験を行った。これらの試験を行うための接着剤硬化塗膜の作成方法および、常態接着強度測定の方法、耐レトルト性試験および耐ピンホール性試験方法をそれぞれ以下に示す。
実施例または比較例の反応性接着剤を、テストラミネーター(武蔵野機械(株)製)を用いて、塗布量3.1g(固形分)/m2となるようにONy(2軸延伸ナイロン)フィルムに塗布し、温度80℃に設定したドライヤーで希釈溶剤を揮発させ乾燥させた。その後ONyフィルムの該接着剤面とアルミ箔とをラミネートし、ONyフィルム/アルミ箔の2層からなる複合フィルムを得た。次いで、この複合フィルムを50℃×3日間のエージングを行い、該接着剤の硬化を行って2層の複合フィルムを得た。
ONyフィルム :ユニチカ(株)製 「エンブレム」15μm、あるいは東洋紡績(株)製「ONBC−RT」15μm
アルミ箔 :東洋アルミニウム工業(株)製「アルミハクC」9μm
CPPフィルム :東洋紡績(株)製 「ZK−207」70μm
前記3層の複合フィルムを用いて、引張り試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、T型の剥離方法で測定した引張り強度を常態接着強度とした。接着強度の単位はN/15mmとする。
前記3層の複合フィルムを用いて、120mm×180mmの大きさにトリミングし、CPPを内側とし半分に折り合わせ、切り口の3方に対し180℃×1秒間のヒートシールを行うことで120mm×90mmの大きさのパウチを作成し、内容物として水を10ml充填した。全てのパウチについて、135℃のレトルトスプレー中で30分もしくは40分の加圧加熱殺菌消毒処理をした後のパウチの外観を目視で評価した。ONy(2軸延伸ナイロン)とアルミ箔との間のデラミネーションの有無および外観の観察により評価した。記号の説明を下記に示す。
◎:実用上優れる
○:実用域
△:外観不良
×:デラミネーションあり
前記3層の複合フィルムを、205mm×290mmの大きさにトリミングした。25℃の室内でゲルボフレックステスト機(BE−1006、テスター産業社製)によりゲルボフレックス試験(440度ねじり×3.5インチ直進)×10回を実施した。この試験後におけるフィルムの5cm×5cm四方中のピンホール数を浸透液にて数え、耐ピンホール性とした。耐ピンホール性評価結果についての記号の説明を下記に示す。
○:5以下
△:5以上
×:10以上
Claims (7)
- 少なくとも多価アルコールとダイマー酸とを反応原料とするポリエステルポリオール(A1)を含有するポリオール組成物(A)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含有するポリイソシアネート組成物(B)とを含有することを特徴とする反応性接着剤。
- 前記ポリオール組成物(A)が、前記ポリエステルポリオール(A1)及びガラス転移温度が60℃以上のポリエステルポリオール(A2)を含有する請求項1に記載の反応性接着剤。
- 反応性接着剤固形分1グラムあたりの分岐構造濃度が0.10mmol/g以下である請求項1または2に記載の反応性接着剤。
- 反応性接着剤固形分1グラムあたりの芳香環濃度が3.25〜3.60mmol/gの範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載の反応性接着剤。
- 第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が請求項1〜4のいずれかに記載の反応性接着剤の層であることを特徴とする積層フィルム。
- 第一のプラスチックフィルム、印刷層、接着剤層、第二のプラスチックフィルムをこの順に積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が請求項1〜4のいずれかに記載の反応性接着剤の層であることを特徴とする積層フィルム。
- 請求項5又は6に記載の積層フィルムを袋状に成形してなる包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018234432A JP7188047B2 (ja) | 2018-12-14 | 2018-12-14 | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018234432A JP7188047B2 (ja) | 2018-12-14 | 2018-12-14 | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020094154A true JP2020094154A (ja) | 2020-06-18 |
JP7188047B2 JP7188047B2 (ja) | 2022-12-13 |
Family
ID=71084585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018234432A Active JP7188047B2 (ja) | 2018-12-14 | 2018-12-14 | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7188047B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020176226A (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-29 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 接着剤組成物及びその製造方法、積層フィルム並びに包装体 |
JP2021098546A (ja) * | 2019-12-20 | 2021-07-01 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 包装材、及びリサイクル基材製造方法 |
WO2023112688A1 (ja) * | 2021-12-14 | 2023-06-22 | Dic株式会社 | 接着剤、積層体、包装材 |
WO2024135512A1 (ja) * | 2022-12-22 | 2024-06-27 | Dic株式会社 | 水性ウレタン樹脂組成物、積層体及び物品 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001139913A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Tsutsumi Yotaro | 缶用熱ラミネート接着剤、ラミネート板及び缶体並びに缶蓋 |
JP2001335771A (ja) * | 2000-05-29 | 2001-12-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | 耐熱水性に優れるラミネート用接着剤組成物 |
JP2002155260A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-05-28 | Toppan Printing Co Ltd | ドライラミネーション用接着剤及びそれを用いた積層包装材 |
JP2003013032A (ja) * | 2001-06-26 | 2003-01-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | レトルト耐性に優れるラミネート用接着剤組成物 |
JP2005060607A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Toyobo Co Ltd | ポリウレタン樹脂およびそれを用いた接着剤 |
JP2009051965A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-03-12 | Unitika Ltd | 金属板ラミネート用水系接着剤、およびこれを積層してなる金属板ラミネート用ポリエステルフィルム |
WO2016097002A1 (en) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | Purac Biochem Bv | Substrates coated or bonded with a composition comprising a polyurethane |
JP2016117801A (ja) * | 2014-12-19 | 2016-06-30 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 接着剤組成物、積層体、および積層体の製造方法 |
-
2018
- 2018-12-14 JP JP2018234432A patent/JP7188047B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001139913A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Tsutsumi Yotaro | 缶用熱ラミネート接着剤、ラミネート板及び缶体並びに缶蓋 |
JP2001335771A (ja) * | 2000-05-29 | 2001-12-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | 耐熱水性に優れるラミネート用接着剤組成物 |
JP2002155260A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-05-28 | Toppan Printing Co Ltd | ドライラミネーション用接着剤及びそれを用いた積層包装材 |
JP2003013032A (ja) * | 2001-06-26 | 2003-01-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | レトルト耐性に優れるラミネート用接着剤組成物 |
JP2005060607A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Toyobo Co Ltd | ポリウレタン樹脂およびそれを用いた接着剤 |
JP2009051965A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-03-12 | Unitika Ltd | 金属板ラミネート用水系接着剤、およびこれを積層してなる金属板ラミネート用ポリエステルフィルム |
WO2016097002A1 (en) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | Purac Biochem Bv | Substrates coated or bonded with a composition comprising a polyurethane |
JP2016117801A (ja) * | 2014-12-19 | 2016-06-30 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 接着剤組成物、積層体、および積層体の製造方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020176226A (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-29 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 接着剤組成物及びその製造方法、積層フィルム並びに包装体 |
JP7439391B2 (ja) | 2019-04-19 | 2024-02-28 | artience株式会社 | 接着剤組成物及びその製造方法、積層フィルム並びに包装体 |
JP2021098546A (ja) * | 2019-12-20 | 2021-07-01 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 包装材、及びリサイクル基材製造方法 |
JP6994636B2 (ja) | 2019-12-20 | 2022-01-14 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 包装材、及びリサイクル基材製造方法 |
WO2023112688A1 (ja) * | 2021-12-14 | 2023-06-22 | Dic株式会社 | 接着剤、積層体、包装材 |
WO2024135512A1 (ja) * | 2022-12-22 | 2024-06-27 | Dic株式会社 | 水性ウレタン樹脂組成物、積層体及び物品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7188047B2 (ja) | 2022-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6451021B2 (ja) | 反応型接着剤、積層フィルム及び包装体 | |
JP7188047B2 (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP6452018B1 (ja) | 2液型接着剤用の硬化剤、2液型接着剤、積層フィルム及び包装体 | |
WO2016152370A1 (ja) | 無溶剤型ラミネート接着剤、その硬化物、ラミネート接着剤用ポリオール組成物、及び積層フィルム | |
JP6620963B2 (ja) | 反応型接着剤、積層フィルム及び包装体 | |
JP7004090B2 (ja) | 接着剤、積層フィルム、及び積層フィルムの製造方法 | |
CN107614644B (zh) | 无溶剂粘接剂用聚异氰酸酯组合物、无溶剂型粘接剂及使用其的层叠膜的制造方法 | |
JP6797359B2 (ja) | 包装体 | |
JP2023024587A (ja) | 接着剤、積層体、積層体の製造方法、包装材 | |
JP6650134B1 (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP7183646B2 (ja) | 2液型接着剤、積層フィルム及び包装体 | |
JP2018199251A (ja) | 積層フィルム及び包装体 | |
WO2020071134A1 (ja) | 接着剤、積層体および積層体の製造方法 | |
JP7196530B2 (ja) | 2液型接着剤用の硬化剤、2液型接着剤、積層フィルム及び包装体 | |
JP2020037648A (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP7206888B2 (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP6675595B2 (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP7559704B2 (ja) | グラビアインキ、印刷物および積層体 | |
JP2018100366A (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP2020041103A (ja) | 2液型接着剤、積層フィルム及び包装体 | |
JP2023516834A (ja) | 接着剤、積層体、包装材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190624 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211021 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220906 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220913 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221011 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221114 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7188047 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |