JP2020037648A - 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 - Google Patents

反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 エチルマルトールによるレトルト滅菌後の接着強度低下が改善された反応性接着剤を提供する。【解決手段】 ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを含有する反応性接着剤であって、ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物(B−1)を含有するポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)と、没食子酸または2官能以上の酸無水物を含有する反応性接着剤、それを用いた積層フィルム、包装体。【選択図】 なし

Description

本発明は反応性接着剤、それを使用してなる積層フィルム及び包装体に関する。
各種包装材、ラベル等に用いられる積層フィルム(ラミネートフィルムとも称する場合がある)は、各種多種多様なプラスチックフィルム、金属箔、紙等のラミネートにより、意匠性、機能性、保存性、利便性、輸送性が付与され、特に該積層フィルムを袋状に成形してなる包装体は、食品、医薬品、洗剤等の包装体として使用されている。これらフィルムをラミネートする際に使用する接着剤として、ポリイソシアネート組成物とポリオール組成物とを組み合わせた反応性接着剤(2液型接着剤ともいう)が知られている。
食品包装用のラミネートフィルム用接着剤には、食品包装フィルムから製造された食品包装袋に内容物(例えば食品)を入れて滅菌処理後、ある程度の期間を経ても、包装フィルムの外観に影響を及ぼさないこと、即ち、耐内容物性に優れることが要求される。これらの評価として通常、耐酸性や耐油性を評価されており、例えば特許文献1には、有機ポリイソシアネート、ポリオールにリンの酸素酸またはその誘導体、カルボン酸化合物またはその無水物およびエポキシ樹脂を配合してなるポリウレタン接着剤用組成物が、高酸性の食品に対しても高い耐熱水性、耐酸性を示すことが開示されている。また特許文献2には、(A)ポリオール成分、(B)イソシアネート成分および(C)フェノール性水酸基と、カルボキシル基またはエステル基の両方を有する芳香族化合物が配合されて得られるウレタン樹脂を含有する食品包装フィルム用接着剤が、剥離強度に優れ、穀物酢/サラダ油/トマトケチャップの質量比1/1/1である内容物に対し加圧熱水滅菌処理後の耐性に優れることが開示されている。
しかしながら、食品添加物には様々な種類があり、例えば香料として食品に添加されるエチルマルトールは、レトルト滅菌後の接着剤の強度を低下させてしまう。しかしながらエチルマルトール耐性を有する接着剤についてはこれまであまり評価されてこなかった。
特開平2−84482号公報 特開2015−113411号公報
本発明の課題は、エチルマルトールによるレトルト滅菌後の接着強度低下が改善された反応性接着剤を提供することにある。
本発明者らは、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを含有する反応性接着剤であって、ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物(B−1)を含有するポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)と、没食子酸または2官能以上の酸無水物を含有する反応性接着剤が前記課題を解決することを見出した。
即ち本発明は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを含有する反応性接着剤であって、ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物(B−1)を含有するポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)と、没食子酸または2官能以上の酸無水物を含有する反応性接着剤を提供する。
また本発明は、少なくとも2つの樹脂フィルム層またはアルミニウム層の間に接着剤層を積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が前記記載の反応性接着剤の層である積層フィルムを提供する。
また本発明は、少なくとも2つの樹脂フィルム層またはアルミニウム層の間に接着剤層を積層してなる積層フィルムを袋状に成形してなる包装体であって、前記接着剤層が前記記載の反応性接着剤の層である包装体を提供する。
本発明の反応性接着剤は、エチルマルトールによるレトルト滅菌後の接着強度低下が改善されているので、特に香料としてエチルマルトールが添加された食品の包装袋に使用する接着剤として好適に使用することができる。
(反応性接着剤)
本発明の反応性接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを含有する反応性接着剤であって、ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物(B−1)を含有するポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)と、没食子酸または2官能以上の酸無水物を含有することを特徴とする。
(ポリイソシアネート組成物(X))
本発明で使用するポリイソシアネート組成物(X)は、主成分としてポリイソシアネート化合物を含有する組成物である。本発明においては、ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物(B−1)を含有することが必須である。
前記反応生成物(B−1)の原料であるポリオールは、特に限定なく公知のポリオール化合物を使用することができる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の鎖状脂肪族グリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;前記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;
プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、β−メチル−σ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと、前記グリコール又は3官能若しくは4官能の脂肪族アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
前記鎖状脂肪族グリコール、脂環式グリコール、ダイマージオール、ビスフェノール又は前記ポリエーテルポリオール等のポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2);
前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);
2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);
ジメチロールプロピオン酸、ヒマシ油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
前記ポリエステルポリオール(1)、(2)、(3)、(4)、(5)とポリエーテルポリオールとの混合物;
ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヒマシ油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ヒマシ油のアルキレンオキサイド5〜50モル付加体等のヒマシ油系ポリオール等が挙げられる。
ここで、前記ポリエステルポリオール(2)、(3)又は(4)の製造に用いられる多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の非環状脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸;これら脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
中でも、前記ポリエステルポリオール(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を前記反応生成物(B−1)の原料として使用することが好ましい。
前記ポリオールと、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとは、公知の方法で反応させることができる。前記ポリオールと、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応割合は、イソシアネート混合物中のイソシアネートとポリオール中の水酸基との当量比[イソシアネート/水酸基]が1.1〜5.0の範囲であることが、接着剤の粘度が適正範囲となって塗工性が良好となる点から好ましい。より好ましくは、該当量比[イソシアネート/水酸基]が1.2〜3.5の範囲である。
前記ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させる際は、本発明の効果を損なわない範囲において、他のポリイソシアネート化合物を併用し反応させることができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物(カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを除く);これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートなどが挙げられる。
この場合、前記ポリオールと、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応割合は、イソシアネート基と水酸基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.0〜5.0の範囲であることが、接着剤塗膜の凝集力と柔軟性のバランスの点から好ましい。
前記反応生成物(B−1)は、質量平均分子量(Mw)が5000〜45000の範囲であることが、エージング時間を短くしつつ、適正な実包性を確保できる点から好ましく、また滴定法(ジ−n−ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が1〜20質量%のものが、適正な樹脂粘度となって塗布性に優れる点から好ましい。
尚、本願発明において数平均分子量(Mn)や質量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
また、反応生成物(B−1)のイソシアネート基濃度は、1〜25質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1.2〜20質量%の範囲である。
また、ポリイソシアネート組成物(X)のイソシアネート基濃度は1〜25質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1.2〜20質量%の範囲である。
反応生成物(B−1)を含有するポリイソシアネート組成物(X)は、本発明の効果を損なわない範囲において、他のポリイソシアネート化合物を併用することができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートなどが挙げられる。
(ポリオール組成物(Y))
本発明において使用するポリオール組成物(Y)は、主成分としてポリオール化合物を含有する組成物である。ポリオール化合物は単独で使用しても複数を混合して使用することもできる。
具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;
前記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;該ポリエーテルポリオールを更に前記芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化したポリエーテルウレタンポリオール;
プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、β−メチル−σ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと前記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);前記グリコール、ダイマージオール、又は前記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2);前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);ジメチロールプロピオン酸、ヒマシ油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
前記ポリエステルポリオール(1)〜(5)と前記ポリエーテルポリオールと芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートとを反応させて得られるポリエステルポリエーテルポリオール前記ポリエステルポリオール(1)〜(5)を芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;ポリエステルポリオール(1)〜(5)とポリエーテルポリオールとの混合物;ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヒマシ油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ヒマシ油のアルキレンオキサイド5〜50モル付加体等のヒマシ油系ポリオール等が挙げられる。
ここで、多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族又はジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
前記ポリオール組成物(Y)の数平均分子量は62〜45000であることが好ましく、より好ましくは62〜30000である。
(没食子酸、または2官能以上の酸無水物)
本発明で使用する反応性接着剤は、没食子酸または2官能以上の酸無水物を添加剤として含有する。前記添加剤量は、反応性接着剤の固形分全量に対し0.1〜4.0質量%含有することが好ましく、0.2〜3.0質量%含有することが最も好ましい。
具体的には、没食子酸であれば、反応性接着剤全固形分に対し0.1〜4.0質量%含有することが好ましく、0.2〜2.0質量%含有することが最も好ましい。
また前記2官能以上の酸無水物であれば、反応性接着剤全固形分に対し0.1〜4.0質量%含有することが好ましく、0.3〜3.0質量%含有することが最も好ましい。
前記2官能以上の酸無水物は具体的には、無水マレイン酸共重合体、ピロメリット酸無水物、3a,4,5,7a−テトラヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−1,3−イソ−ベンソフランジオン等が挙げられる。
前記無水マレイン酸共重合体は、無水マレイン酸と、無水マレイン酸と共重合しうるモノマーとの共重合体である。モノマーは中でも芳香族ビニルが好ましく、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、なかでもポリイソシアネート(A)との相溶性に優れる点からスチレンが好ましい。前記芳香族ビニルと無水マレイン酸とはラジカル重合により共重合させることができ、その質量平均分子量(Mw)が5,000〜15,000の範囲にあるものが好ましい。また前記芳香族ビニルと無水マレイン酸との反応比率は特に限定はないが、例えば芳香族ビニルと無水マレイン酸とをモル比[芳香族ビニル/無水マレイン酸]が1.5/1〜5/1となる割合で反応させたものが好ましい。
前記無水マレイン酸共重合体は、反応性接着剤全固形分に対し0.1〜4.0質量%含有することが好ましく、0.3〜3.0質量%含有することが最も好ましい。
前記ピロメリット酸無水物は、反応性接着剤全固形分に対し0.1〜4.0質量%含有することが好ましく、0.2〜2.0質量%含有することが最も好ましい。
前記3a,4,5,7a−テトラヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−1,3−イソ−ベンソフランジオンは、反応性接着剤全固形分に対し0.1〜4.0質量%含有することが好ましく、0.2〜2.0質量%含有することが最も好ましい。
(溶剤)
本発明で使用する反応性接着剤は、イソシアネート基と水酸基との化学反応によって硬化する接着剤であり、溶剤型接着剤としても無溶剤型接着剤としても使用することができる。なお本発明でいう無溶剤型の接着剤の「溶剤」とは、本発明で使用するポリイソシアネート化合物やポリオール化合物を溶解することの可能な、溶解性の高い有機溶剤を指し、「無溶剤」とは、これらの溶解性の高い有機溶剤を含まないことを指す。溶解性の高い有機溶剤とは、具体的には、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチルは特に溶解性の高い有機溶剤として知られている。
一方本発明の接着剤は、低粘度等の要求がある場合には、所望の粘度に応じて適宜前記溶解性の高い有機溶剤で希釈して使用してもよい。その場合は、ポリイソシアネート組成物(X)またはポリオール組成物(Y)のいずれか1つを希釈してもよいし両方を希釈してもよい。このような場合に使用する有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも溶解性の点から酢酸エチルやメチルエチルケトン(MEK)が好ましく、特に酢酸エチルが好ましい。有機溶剤の使用量は所要される粘度によるが概ね20〜50質量%の範囲で使用することが多い。
本発明で使用する反応性接着剤において、前記ポリイソシアネート組成物(X)と前記ポリオール組成物(Y)との配合割合は、前記ポリイソシアネート組成物(X)が含有する前記ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と、前記ポリオール組成物(Y)が含有する前記ポリオール化合物中の水酸基との当量比〔イソシアネート基/水酸基〕が0.6〜5.0の範囲であることが、接着強度やヒートシール時の耐熱性に優れる点から好ましく、特に1.0〜3.5の範囲であることがこれらの性能が顕著なものとなる点から好ましい。
(脂肪族環状アミド化合物)
本発明の反応性接着剤は、詳述した通り、ポリオール成分Aとイソシアネート成分Bとを必須成分とするものであるが、更に、脂肪族環状アミド化合物を、ポリオール成分Aとイソシアネート成分Bとのどちらか一方の成分に混合させるか、或いは、第3成分として塗工時に配合することにより、ラミネート包装体において芳香族アミンに代表される有害な低分子化学物質の内容物への溶出が効果的に抑制できる。
ここで用いる脂肪族環状アミド化合物は、例えば、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントールラクタム、η−カプリルラクタム、β−プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でも低分子化学物質の溶出量低減の効果に優れる点からε−カプロラクタムが好ましい。また、その配合量は、ポリオール成分A100質量部あたり、脂肪族環状アミド化合物を0.1〜5質量部の範囲で混合させることが好ましい。
(触媒)
本発明では触媒を使用することにより、ラミネート包装体において芳香族アミンに代表される有害な低分子化学物質の内容物への溶出が効果的に抑制できる。
本発明で使用する触媒は、ウレタン化反応を促進するためのものであれば特に制限はないが、例えば、金属系触媒、アミン系触媒、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、脂肪族環状アミド化合物、チタンキレート錯体等の触媒を用いることができる。
金属系触媒としては、金属錯体系、無機金属系、有機金属系を挙げることができ、金属錯体系として具体的には、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Th(トリウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)及びCo(コバルト)からなる群より選ばれる金属のアセチルアセトナート塩であり、例えば、鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ジルコニアアセチルアセトネート等が挙げられるが、これらのうち、毒性と触媒活性の点から、鉄アセチルアセトネート(Fe(acac))又はマンガンアセチルアセトネート(Mn(acac))が好ましい。
無機金属系触媒としては、Fe、Mn、Cu、Zr、Th、Ti、Al及びCo等から選ばれる触媒を挙げることができる。
有機金属系触媒としては、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等が挙げられる。これらのうち好ましい化合物としては有機錫触媒であり、更に好ましくはスタナスジオクトエート、ジブチル錫ジラウレートである。
第3級アミン触媒は、上記構造を有する化合物であれば良く特に限定されないが、例えば、トリエチレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミン、キヌクリジン、2−メチルキヌクリジン等が挙げられる。これらの中でも、触媒活性に優れ工業的に入手可能なことからトリエチレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミンが好ましい。
その他の第3級アミン触媒としては、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、3−キヌクリジノール、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
脂肪族環状アミド化合物は、例えば、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントールラクタム、η−カプリルラクタム、β−プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でもε−カプロラクタムが硬化促進により効果的である。
チタンキレート錯体は、紫外線照射により触媒活性が高められる化合物であり、脂肪族又は芳香族ジケトンをリガンドとするチタンキレート錯体であることが硬化促進効果に優れる点から好ましい。又、本発明ではリガンドとして芳香族又は脂肪族ジケトンに加え、炭素原子数2〜10のアルコールを持つものがより本発明の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
本発明においては、前記触媒を単独でも併用して使用してもよい。

前記触媒の質量比は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)の混合液を100部としたとき0.001〜80部の範囲が好ましく、0.01〜70部の範囲がより好ましい。
本発明の反応性接着剤は、必要に応じて、顔料を併用してもよい。この場合使用可能な顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。これら着色剤の具体例としては種々のものが掲げられ、有機顔料としては、例えば、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
さらに、プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP−1000」、「PP−2000S」等が挙げられる。
本発明で用いる顔料としては、耐久性、耐侯性、意匠性に優れることから、白色顔料としての酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物、黒色顔料としてのカーボンブラックがより好ましい。
本発明で用いる顔料の質量割合は、イソシアネート成分Bとポリオール成分Aの合計100質量部に対して、1〜400質量部、中でも10〜300質量部とすることが、接着性、耐ブロッキング性などに優れることからより好ましい。
(接着促進剤)
また、本発明で使用する反応性接着剤には、接着促進剤を併用することもできる。接着促進剤にはシランカップリング剤、チタネート系カップチング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等を挙げることが出来る。
また、アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げることが出来る。
エポキシ樹脂としては、一般的に市販されているエピービス型、ノボラック型、βーメチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、レゾルシン型等の各種エポキシ樹脂や、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等の化合物等が挙げられる。
(その他の添加剤)
本発明で使用する反応性接着剤には、必要であれば、前記以外のその他の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、レベリング剤、コロイド状シリカやアルミナゾルなどの無機微粒子、ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、湿潤分散剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、難燃剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防錆剤、蛍光性増白剤、無機系熱線吸収剤、防炎剤、帯電防止剤、脱水剤、公知慣用の熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、燐酸化合物、メラミン樹脂、又は反応性エラストマーを用いることができる。これらの添加剤の含有量は、本発明で使用する反応性接着剤の機能を損なわない範囲内で適宜調整して用いることができる。
これらの接着促進剤、添加剤は、ポリイソシアネート組成物(X)又はポリオール組成物(Y)のどちらか一方の成分に混合させるか、或いは、第3成分として塗布時に配合して使用することができる。通常は、ポリオール組成物(Y)に、ポリイソシアネート組成物(X)以外の成分をあらかじめ配合したプレミックスを調製しておき、施工直前に、該プレミックスとポリイソシアネート組成物(X)とを混合して調製する。
(積層フィルム)
本発明の積層フィルムは、少なくとも2つの樹脂フィルム層またはアルミニウム層の間に前記反応性接着剤からなる接着剤層を積層してなる。少なくとも2つの樹脂フィルム層またはアルミニウム層は用途に応じて任意に選択でき、また、これらを適宜組み合わせることもできる。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂フィルム層を(F)と表現し、アルミニウム層を(AL)と表現し、金属箔層を(M)と表現し、前記反応性接着剤からなる接着剤層を(AD)と表現すると、本実施形態の積層フィルムの具体的態様としては、例えば、
(F)/(AD)/(F)、(F)/(AD)/(F)/(AD)/(F)、(F)/(AD)/(AL)/(AD)/(F)、(F)/(AD)/(AL)、(F)/(AD)/(M)/(AD)/(AL)、(AL)/(AD)/(M)、(AL)/(AD)/(F)/(AD)/(M)、(AD)/(F)/(AD)/(AL)、(AD)/(F)/(AD)/(F)/(AD)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。本実施形態の本発明の積層フィルムは、さらに、紙層、酸素吸収層、アンカーコート層、印刷層等を有していてもよい。
樹脂フィルム層(F)は、求められる役割で分類すると、基材フィルム層(F1)や包装材料を形成する際にヒートシール部位となるシーラント層(F2)などとして機能する。これらの層としての役割に応じて、強度や融点などの要求性能が異なる。
具体的には、前記反応性接着剤を第一の樹脂フィルムに塗布、次いで塗布面に第二のアルミニウム箔フィルムまたは樹脂フィルム層を積層し、(必要に応じてこの工程を繰り返し)該接着剤層を硬化させて得られるものである。
塗布方法としては、特に限定なく公知のラミネート方法で行うことができる。一例を挙げると、前記反応性接着剤を、ロールコーター塗工方式で第一の樹脂フィルムに塗布し、次いで他の基材を貼り合わせる方法が挙げられる。
ドライラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に前記接着剤液をグラビアロールなどのロールにより塗布後、溶剤を乾燥させ直ちにその表面に新たなフィルム材料をニップロールにより貼り合わせることにより、ラミネートフィルムを得ることができる。
また、ノンソルベントラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に、予め40℃〜100℃程度に加熱しておいた塗布液を、40℃〜120℃に加熱したグラビアロールなどのロールにより塗布した後、直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることにより、ラミネートフィルムを得ることができる。また塗布量は、0.5〜7g/mが好ましく、より好ましくは、1.5〜5g/m程度で使用するのがよい。
本発明で使用する反応性接着剤を用いた場合、ラミネートした後、常温または加温下で、12〜96時間エージングさせることで接着剤が硬化し、接着剤の硬化層が形成され、実用物性を発現する。
基材フィルム層(F1)となる樹脂フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレン、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)などのポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム;ナイロン6、ナイロン6,6、メタキシレンアジパミド(N−MXD6)などのポリアミド系フィルム;ポリ乳酸などの生分解性フィルム;ポリアクリロニトリル系フィルム;ポリ(メタ)アクリル系フィルム;ポリスチレン系フィルム;ポリカーボネート系フィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)系フィルム;ポリビニルアルコール系フィルム;ポリ塩化ビニリデン等のKコート等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
これらの中でも、ポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルムが好ましい。また、これらのフィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂やポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物系樹脂、アクリル系樹脂などの各種ポリマーによるコーティングを施したフィルム;これらのフィルムにシリカ、アルミナ、アルミなどの各種無機化合物或いは金属を蒸着させたフィルム;これらのフィルムに無機フィラーなどを分散させたフィルム;これらのフィルムに酸素捕捉機能を付与したフィルムなども使用できる。さらに、コーティングする各種ポリマーに無機フィラーを分散させることができる。無機フィラーとしては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどが挙げられるが、モンモリロナイトなどの層状珪酸塩が好ましい。無機フィラーの分散方法としては、例えば、押出混錬法や樹脂溶液への混合分散法など従来公知の方法が使用できる。また、酸素捕捉機能を付与する方法としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等を含む組成物を、少なくとも一部に使用する方法等が挙げられる。
基材フィルム層(F1)となる可撓性ポリマーフィルムの厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは10μm〜300μm、より好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは10μm〜50μmである。また、上記フィルムは、一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよい。
前記フィルム材料の表面には、必要に応じて、火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていることが望ましい。また、フィルム材料の表面に適切な表面処理がなされた後、必要に応じて、印刷層をさらに設けることもできる。印刷層を設ける際には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機、インクジェット印刷機等の、従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。前述の印刷インキは溶剤型、水性型又は活性エネルギー線硬化型インキを使用することがきる。
シーラント層(F2)となる可撓性ポリマーフィルムについては、基材フィルム層(F1)において例示したフィルム材料を同様に選択し得るが、良好なヒートシール性の発現の観点から、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、イオノマー樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、EMA樹脂、EMMA樹脂、生分解樹脂のフィルムなどが好ましい。汎用名では、CPP(無延伸ポリプロピレン)フィルム、VMCPP(アルミ蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、VMLDPE(アルミ蒸着無低密度ポリエチレンフィルム)フィルム等である。
シーラント層(F2)となる可撓性ポリマーフィルムの厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは10μm〜300μm、より好ましくは12μm〜250μm、さらに好ましくは15μm〜200μmである。また、フィルムの表面には火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていてもよい。
金属箔層(M)としては、特に限定されないが、金、銀、銅、亜鉛、鉄、鉛、錫及びこれらの合金、スチール、ステンレス、アルミニウム等の、展延性に優れた金属の箔を使用できる。工業的な観点から、アルミニウム箔が好ましい。金属箔の厚みは、特に限定されず、適宜設定することができるが、一般的には4〜50μmであることが好ましい。
紙層としては、天然紙や合成紙などが挙げられる。第1および第2のシーラント層は、上述のシーラント層と同様の材料で形成することができる。基材層および紙層の外表面または内面側には、必要に応じて印刷層を設けてもよい。
「他の層」は、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、易接着コート剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。また「他の層」は、その他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、前処理としてフィルムの表面をコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などしたものであってもよい。
(包装体)
本発明の包装体は、前記積層フィルムを袋状に成形してなり、具体的には前記積層フィルムをヒートシールすることにより包装体の形態となる。また、包装体としての用途、必要な性能(易引裂性やハンドカット性)、包装体として要求される剛性や耐久性(例えば、耐衝撃性や耐ピンホール性など)などを考慮した場合、必要に応じて他の層を積層することが好ましい。通常は基材層、紙層、第2のシーラント層、不職布層などを伴って使用される。他の層を積層する方法としては、公知の方法を用いることができる。たとえば、他の層との層間に接着剤層を設けてドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出しラミネート法などにより積層すればよい。接着剤としては、前記反応性接着剤を使用してもよいし、他の1液タイプのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性ポリオレフィンの水性分散体などを用いてもよい。
本発明の包装体の態様としては、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラッシク、ブリュックタイプ、チューブ容器、紙カップ、蓋材、など種々ある。また、本発明の包装体に易開封処理や再封性手段を適宜設けてあってもよい。
本発明の包装体は、主に食品、洗剤、薬剤を充填する包装体として工業的に使用することができる。具体的な用途としては、洗剤、薬剤として、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー、医薬用タブレット等が挙げられる。また、上記の容器を包装する2次包装体にも使用できる。特に前記反応性接着剤を用いているため、溶出が問題となるような食品、医薬品用途の包装体として好適に使用することができる。
以下に、本発明の内容及び効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。尚、例中「部」とあるのは「質量部」を示す。
(製造例1 反応生成物(B−1)の製造例 イソシアネート(X1))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール33部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約1500のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に予め仕込み溶解させたルプラネートMM103(カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート BASF INOAC ポリウレタン株式会社製)45部の酢酸エチル97部溶液と反応させて、不揮発分60%、数平均分子量約8000のイソシアネート(X1)を得た。
(製造例2 反応生成物(B−1)の製造例 イソシアネート(X2))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール33部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約1500のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に予め仕込み溶解させたルプラネートMM103(カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート BASF INOAC ポリウレタン株式会社製)45部及びピロメリット酸無水物(株式会社ダイセル製品)3.5部の酢酸エチル97部溶液と反応させて、不揮発分60%、数平均分子量約8000のイソシアネート(X2)を得た。
(製造例3 反応生成物(B−1)の製造例 イソシアネート(X3))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール33部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約1500のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に予め仕込み溶解させたルプラネートMM103(カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート BASF INOAC ポリウレタン株式会社製)45部及びEPICLON B−4500(3a, 4, 5, 7a−テトラヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−1,3−イソ−ベンソフランジオン, DIC株式会社製品)3.5部の酢酸エチル97部溶液と反応させて、不揮発分60%、数平均分子量約8000のイソシアネート(X3)を得た。
(製造例4 反応生成物(B−1)の製造例 イソシアネート(X4))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール33部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約1500のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に予め仕込み溶解させたルプラネートMM103(カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート BASF INOAC ポリウレタン株式会社製)45部及びSMA1000P(CRAYVALLY社製品)3.5部の酢酸エチル97部溶液と反応させて、不揮発分60%、数平均分子量約8000のイソシアネート(X4)を得た。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の製造例 (Y1))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ジエチレングリコールを100部、精製没食子酸(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)30部を仕込み攪拌溶解させ、ポリオール組成物(Y1)を得た。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の製造例 (Y2))
ジエチレングリコール100部をそのままポリオール組成物(Y2)とした。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の製造例 (Y3))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ジプロピレングリコールを100部、精製没食子酸(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)30部を仕込み攪拌溶解させ、ポリオール組成物(Y3)を得た。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の比較製造例 (YH1))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール28部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約8000のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えた容器に仕込み酢酸エチル43部に溶解させた後に精製没食子酸(DSP五協フード&ケミカル株式会社製)を0.8部溶解させ、不揮発分70%のポリオール組成物(YH1)を得た。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の比較製造例 (YH2))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール28部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約8000のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えた容器に仕込み酢酸エチル43部に溶解させた後にピロメリット酸無水物(株式会社ダイセル製品)を0.8部溶解させ、不揮発分70%のポリオール組成物(YH2)を得た。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の比較製造例 (YH3))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール28部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約8000のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えた容器に仕込み酢酸エチル43部に溶解させた後にEPICLON B−4500(3a, 4, 5, 7a−テトラヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−1,3−イソ−ベンソフランジオン, DIC株式会社製品)を0.8部溶解させ、不揮発分70%不揮発分70%のポリオール組成物(YH3)を得た。
(製造例 ポリオール組成物(Y)の比較製造例 (YH4))
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離機等を備えたポリエステル反応容器に、イソフタル酸24部、アジピン酸16部、ジエチレングリコール28部を仕込み、内温250℃にて脱水縮合による重合反応を行った。反応後、数平均分子量約8000のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部を攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管、水分分離機等を備えた容器に仕込み酢酸エチル43部に溶解させた後にSMAレジン(商標)1000P(スチレン/マレイン酸無水物=1/1共重合ポリマー、分子量5,500、CRAYVALLY社製品)を0.8部溶解させ、不揮発分70%不揮発分70%のポリオール組成物(YH4)を得た。
(反応性接着剤の実施例、比較例)
表1,2の組み合わせに従い反応性接着剤を得た。配合は質量比で、空欄は未配合を表す。ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)を配合し、不揮発分30%になるよう酢酸エチルで希釈調整した。
(評価用積層フィルムの作成方法)
実施例または比較例の反応性接着剤を、DL−600DXドライラミネータ(オリエント総業社製)を用いて、反応性接着剤の固形分質量が4.0g/mとなるように透明または藍色インキ(XS−853 R507ゲンショクアイK1)で印刷されたポリエチレンテレフタレート(PETと略す)フィルム(東洋紡STC(株)製 E5102 12μm)に塗布し、酢酸エチルを揮散させた後、アルミニウム箔(東洋アルミニウム(株)製 アルミニウム箔O材 9μm)と貼り合せ積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを40℃の雰囲気下で3日エージングした後、同一の反応性接着剤を固形分質量が4.0g/mとなるように塗布し、無延伸ポリプロピレン(CPPと略す)フィルム(東レ(株)製 トレファンNO ZK−207 70μm)と貼り合わせ、3層構造の積層フィルムを得た。該積層フィルムを40℃の雰囲気下で3日エージングし、評価用の積層フィルムとした。
(評価方法)
1.エージング後剥離強度試験
前記方法で作成した評価用積層フィルムから、200mm×15mmの試験片を切り出し、引張強度試験機(島津製作所製)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、剥離速度は300mm/minでT型剥離試験を実施し、アルミニウム箔/CPPフィルムの剥離強度(N/15mm)を測定した。
2−1.エチルマルトール溶液耐性試験(レトルト滅菌直後剥離強度)
前記方法で作成した評価用積層フィルムから、120mm×120mmの大きさのパウチを作製し、内容物として、エチルマルトール0.3%水溶液(疑似食品)を調整し、50gを充填した。作製したパウチについては121℃で30分間のレトルト減菌処理をした。その後、無作為に包装袋を選び、それを切り開いて、100mm×15mmの試験片を切り出した。
2−2. エチルマルトール溶液耐性試験(レトルト滅菌直後外観)
前記方法で作成した評価用積層フィルムから、120mm×120mmの大きさのパウチを作製し、内容物として、エチルマルトール0.3%水溶液(疑似食品)を調整し、50gを充填した。作製したパウチについては121℃で30分間のレトルト減菌処理をした。その後、無作為に包装袋を選び、その外観を目視で評価した。
2−3. エチルマルトール入り市販食品耐性試験(レトルト滅菌直後外観)
前記剥離強度試験と同様の方法で、試験片のアルミニウム箔/CPPフィルム間の剥離強度(N/15mm)を測定し、減菌直後のフィルム外観を目視にて評価した。
また、市販されているエチルマルトール入り食品を上記大きさのパウチに詰め替え、レトルト滅菌後のフィルム外観を目視で評価した。
3−1. エチルマルトール溶液耐性試験(滅菌後 80℃1日後剥離強度)
前記方法で作成した評価用積層フィルムから、120mm×120mmの大きさのパウチを作製し、内容物として、エチルマルトール0.3%水溶液(疑似食品)を調整し、50gを充填した。作製したパウチについては121℃で30分間のレトルト減菌処理をした。その後、該包装袋を80℃の恒温槽で保管し、1日後前記剥離強度試験と同様の方法で、試験片のアルミニウム箔/CPPフィルム間の剥離強度(N/15mm)を測定した。
3−2. エチルマルトール溶液耐性試験(滅菌後 80℃1日後外観)
前記方法で作成した評価用積層フィルムから、120mm×120mmの大きさのパウチを作製し、内容物として、エチルマルトール0.3%水溶液(疑似食品)を調整し、50gを充填した。作製したパウチについては121℃で30分間のレトルト減菌処理をした。その後、該包装袋を80℃の恒温槽で保管し、1日後のフィルム外観を目視にて評価した。
3−3. エチルマルトール入り市販食品(耐性試験 80℃4週間後外観)
前記方法で作成した評価用積層フィルムから、120mm×120mmの大きさのパウチを作製し、内容物として、また、市販されているエチルマルトール入り食品を上記大きさのパウチに詰め替え、レトルト滅菌後の包装袋を80℃の恒温槽で保管し、4週間後フィルム外観を目視で評価した。
いずれも、目視評価は、以下の基準である。
○:外観に変化なし
△:アルミニウム箔/CPPフィルム間で一部デラミネーションしている。
×:アルミニウム箔/CPPフィルム間でデラミネーションしている。
結果を表1、2に示す。
Figure 2020037648

Figure 2020037648
表中、ポリイソシアネート組成物(X)またはポリオール組成物(Y)の欄の括弧書きは、添加剤である没食子酸または2官能以上の酸無水物の存在を記載している。添加していない場合は「添加剤なし」と記載している。
また略語は次の通りである。
EPICLON B−4500 2官能以上の酸無水物(3a, 4, 5, 7a−テトラヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−1,3−イソ−ベンソフランジオン, DIC株式会社製品)
SMA1000P 2官能以上の酸無水物(CRAYVALLY社製品)
デスモジュールL−75 TMP−3MDIアダクト、住化コベストロウレタン株式会社製)
この結果、実施例の反応性接着剤は、エチルマルトールによるレトルト滅菌後の接着強度低下が改善されていることが明らかである。

Claims (5)

  1. ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを含有する反応性接着剤であって、
    ポリオールとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物(B−1)を含有するポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)と、没食子酸または2官能以上の酸無水物を含有することを特徴とする反応性接着剤。
  2. 前記没食子酸または2官能以上の酸無水物の含有量が、反応性接着剤の固形分全量に対し0.1〜4.0質量%の範囲である請求項1に記載の反応性接着剤。
  3. 前記ポリオール組成物(Y)が、数平均分子量62〜45000のポリオールを含有する請求項1または2に記載の反応性接着剤。
  4. 少なくとも2つの樹脂フィルム層またはアルミニウム層の間に接着剤層を積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が請求項1〜3のいずれかに記載の反応性接着剤の層であることを特徴とする積層フィルム。
  5. 少なくとも2つの樹脂フィルム層またはアルミニウム層の間に接着剤層を積層してなる積層フィルムを袋状に成形してなる包装体であって、前記接着剤層が請求項1〜3のいずれかに記載の反応性接着剤の層であることを特徴とする包装体。
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