JP7183646B2 - 2液型接着剤、積層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
(a)第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に、
イソシアネート化合物を含有するイソシアネート成分Aと、ポリオール化合物を含有するポリオール成分Bとを有し、
前記イソシアネート成分Aは、ポリエーテルポリオールと、少なくともキシリレンジイソシアネートと4,4-ジフェニルメタンジイソシアネートとを含有するイソシアネート混合物との反応生成物である2液型接着剤の接着剤層をラミネートロールで積層し積層フィルムを得る工程と、
(b)前記積層体を巻き取る巻き取り工程とを有する積層フィルムの製造方法を提供する。
また、2液型接着剤として使用した際に、ラミネート後のフィルムを通して内容物に溶出する非意図的物質が非常に少ないため、洗剤や薬剤などの内容物の充填時、充填後の時間経過後も、デラミネーション等のラミネート構成体の剥離を発生させず、優れた接着性、内容物耐性を有する。
本発明の2液型接着剤は、前述の通り反応型2液タイプのラミネート接着剤であり、従来の揮発性の有機溶剤を使用しないことから無溶剤型ラミネート接着剤とも称される。
本発明では、イソシアネート基と水酸基との化学反応によって硬化する接着剤を使用する。なお本発明でいう無溶剤型の接着剤の「溶剤」とは、本発明で使用するポリイソシアネートやポリオールを溶解することの可能な、溶解性が高く揮発性の有機溶剤を指し、「無溶剤」とは、これらの溶解性の高い有機溶剤を含まないことを指す。溶解性の高い有機溶剤とは、具体的には、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸nープロピル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチルは特に溶解性の高い有機溶剤として知られている。
また、本発明の接着剤の低粘度化を達成するために、トリアセチン、プロピレンカーボネート等の水酸基を有さないカルボニル基を有する沸点200℃以上の溶剤も使用してよい。これら高沸点の有機溶剤の使用量は所要される粘度と塗膜物性によるが概ね0.1~10質量%の範囲で使用することが多い。
本発明で使用するイソシアネート成分Aは、ポリエーテルポリオールと、少なくともキシリレンジイソシアネートと4,4-ジフェニルメタンジイソシアネートとを含有するイソシアネート混合物との反応生成物であるイソシアネート基を有する化合物(以下イソシアネート(A-1)と証する場合がある)を含有する。
本発明で使用するポリエーテルポリオールは、接着剤技術分野において通常使用するポリエーテルポリオールを使用することができる。具体的には例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。 ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオールを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。前記ポリエーテルポリオールの中でも、ポリプロピレングリコールが好ましい。また数平均分子量は、400~4000の範囲であることが好ましい。
具体的には、滴定法(ジ-n-ブチルアミン使用)によるイソシアネート含有率が5~20質量%のものが適正な樹脂粘度となって塗工性に優れる点から好ましい。
カラム ;東ソー株式会社製 TSK-GUARDCOLUMN SuperHZ-L
+東ソー株式会社製 TSK-GEL SuperHZM-M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
一方、イソシアネート成分Aのイソシアネート基濃度は5~30%の範囲が好ましく、より好ましくは5~20%の範囲である。
本発明においてイソシアネート成分Aは、前記反応生成物であるイソシアネート(A-1)の他、イソシアネート化合物(A-2)を含んでいてもよい(以後、これらのイソシアネート化合物(A-2)を、反応性希釈剤(A-2)と称する場合がある)。しかしながらその場合は、非意図的物質の原因となりうる2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートは含まないことが好ましい。非意図的物質の原因となりえないイソシアネート化合物(A-2)として具体的には、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
本発明においてポリオール成分B中に含有されるポリオール化合物は、特に限定なく公知のポリオールを使用することができる。例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステル(ポリウレタン)ポリオール、ポリエーテル(ポリウレタン)ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシルアルカン、ひまし油又はそれらの混合物から選ばれるポリマーポリオールを挙げることができる。
アクリルポリオールの例としては、1分子中に1個以上の水酸基を含むアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られる。
中でも、ポリエーテル(ポリウレタン)ポリオールが特に好ましい。
カラム ;東ソー株式会社製 TSK-GUARDCOLUMN SuperHZ-L
+東ソー株式会社製 TSK-GEL SuperHZM-M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明の積層フィルムは、第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に前記2液型接着剤からなる接着剤層を積層してなる。積層方法はフィルムラミネート法として公知の方法を使用することができるが、具体的には以下の(a)の工程と(b)の工程とを経ることにより積層フィルムを得ることができる。
前記イソシアネート成分Aは、ポリエーテルポリオールと、少なくともキシリレンジイソシアネートと4,4-ジフェニルメタンジイソシアネートとを含有するイソシアネート混合物との反応生成物である2液型接着剤の接着剤層をラミネートロールで積層し積層フィルムを得る工程。
(b)前記積層体を巻き取る巻き取り工程。
(a-1)第一のプラスチックフィルム上に前記イソシアネート成分Aと前記ポリオール成分Bとの混合液を塗布して塗膜化する工程後、第二のプラスチックフィルムをラミネートロールで貼り合わせて積層し積層フィルムを得る工程。
(a-2)前記イソシアネート成分Aと前記ポリオール成分Bとを、第一のプラスチックフィルム及び第二のプラスチックフィルムに別々に塗布し各々を塗膜化する工程後、第一のプラスチックフィルム及び第二のプラスチックフィルムの各々の塗膜面をラミネートロールで貼り合わせて積層し積層フィルムを得る工程。(いわゆる分別塗工)
本発明の包装体は、前記積層フィルムを袋状に成形してなり、具体的には前記積層フィルムをヒートシールすることにより包装体の形態となる。また、包装体としての用途、必要な性能(易引裂性やハンドカット性)、包装体として要求される剛性や耐久性(例えば、耐衝撃性や耐ピンホール性など)などを考慮した場合、必要に応じて他の層を積層することもできる。通常は基材層、紙層、第2のシーラント層、不職布層などを伴って使用される。他の層を積層する方法としては、公知の方法を用いることができる。たとえば、他の層との層間に接着剤層を設けてドライラミネート法、熱ラミネート法、ヒートシール法、押出しラミネート法などにより積層すればよい。接着剤としては、前記2液型接着剤を使用してもよいし、他の1液タイプのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性ポリオレフィンの水性分散体などを用いてもよい。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略記する):41.9部、2,4’-MDI:13.0部、キシリレンジイソシアネート(以下、「XDI」と略記する。):0.1部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱した。数平均分子量400の2官能のポリプロピレングリコール(以下、「PPG」と略記する。)を20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.3%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-1」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:12.5部、XDI:0.5部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.3%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-2」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:12.0部、XDI:1.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.4%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-3」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:11.0部、XDI:2.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.5%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-4」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:41.7部、2,4’-MDI:11.2部、XDI:3.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを19.2部、数平均分子量2000の2官能PPGの24.9部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、14.0%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-5」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:9.0部、XDI:4.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.7%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-6」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:8.0部、XDI:5.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.8%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-7」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:7.0部、XDI:6.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.9%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-8」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:6.0部、XDI:7.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、14.0%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-9」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2,4’-MDI:5.0部、XDI:8.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、14.1%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-10」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2, 4’-MDI:4.0部、XDI:9.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、14.2%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-11」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:42.0部、2, 4’-MDI:3.0部、XDI:10.0部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能PPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、14.3%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-12」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:37.5部、2, 4’-MDI:17.5部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能のPPGを20.0部、数平均分子量2000の2官能PPGの25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.2%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-H1」と略記する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4-MDI:46.8部、2, 4’-MDI:8.2部を反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱する。数平均分子量400の2官能のPPGを20.0、数平均分子量2000の2官能PPGを25.0部を数回に分けて滴下し、80℃に昇温して5~6時間攪拌しウレタン化反応を終了させた。得られたポリイソシアネートのNCO基含有率は、13.2%、40℃における溶融粘度は1500mPa.sであった。以下このポリイソシアネートを「A-H2」と略記する。
フラスコ内を窒素置換した上で、ひまし油:73.3部とPPG-1000:18.3部、EDP300:6.6部を仕込み、撹拌した上で80℃まで昇温した。εカプロラクタムを0.9部投入し、溶解を確認した後、フラスコ温度を室温まで冷却した。室温の状態で、OFS-6040:0.6部、KBM903:0.3部を混合し、ポリオールB-1を製造した。上記の化学品は、以下の物を使用した。
・ひまし油:精製ひまし油(伊藤製油株式会社製、水酸基価160.5mgKOH/g、40℃溶融粘度250mPa・s )
・PPG-1000:ポリプロピレングリコール(三井化学ポリウレタン株式会社製、数平均分子量約1,000、水酸基価112mgKOH/g、40℃溶融粘度150mPa・s)
・EDP300:N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(株式会社ADEKA社製)
・εカプロラクタム:2-オキソヘキサメチレンイミン(関東化学株式会社製)
・OFS-6040: 3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニング株式会社製)
・KBM903:3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)
フラスコ内を窒素置換した上で、ひまし油:44.5部と3官能:PPG-3000:54.5部を仕込み、撹拌した上で120℃まで昇温した。その上で無水ピロメリット酸:1.0部を溶解させ、ポリオールB-2を製造した。上記の化学品は、以下の物を使用した。
・ひまし油:精製ひまし油(伊藤製油株式会社製、水酸基価160.5mgKOH/g、40℃溶融粘度250mPa・s )
・3官能:PPG-1000:アクトコールT-3000(三井化学ポリウレタン株式会社製、数平均分子量約3,000、水酸基価56mgKOH/g、40℃溶融粘度150mPa・s)
・無水ピロメリット酸:東京化成工業株式会社製
製造したイソシアネート成分AであるポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2について、保存安定性を評価した。室温(25℃)で放置した際、結晶性物質が、
1週間以内に析出したもの:×、
1~4週間以内に析出したもの:△
4週間以上経っても析出しないもの:○
とした。結果を表1及び2に記す。
(接着剤、及び積層フィルムの製造方法)
2液型接着剤は、イソシアネート成分Aとポリオール成分Bの配合量について、ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2/ポリオールB-1は100/70とし、ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2/ポリオールB-2についても100/70とした。
積層フィルムの製造方法としては製造方式(1)及び製造方式(2)で行った。
イソシアネート成分Aとポリオール成分Bとを混合した接着剤を、調整後第一のフィルムに接着剤を塗布量が固形分2.0g/m2程度となるように塗布し、ラミネーターでこの第一のフィルムの塗布面と第二のフィルムとを貼り合せ作製した。ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2/ポリオールB-1は100/70とし、ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2/ポリオールB-2についても100/70とした。第一のフィルムにはOPAフィルムを、第二のフィルムにはLLDPEフィルムを用いた。加工速度は30m/minであった。
ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2とポリオールB-1、B-2とをそれぞれ調整し、A-1~A-12、A-H1、A-H2を第一のフィルムへ、B-1、B-2を第二のフィルムにそれぞれ塗布した後、第一のフィルムと第二のフィルムのお互いの塗布面をニップロール(ニップロール温度:50℃)で圧着し、プラスチックフィルム積層体を作製した。ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2/ポリオールB-1は100/70とし、ポリイソシアネートA-1~A-12、A-H1、A-H2/ポリオールB-2についても100/70とし、合計で2.0g/m2程度となるようにした。第一のフィルムにはOPAフィルムを、第二のフィルムにはLLDPEフィルムを用いた。加工速度は30m/minであった。
製造方法1、2に従って作成したラミネート物について、外観を目視で評価した。
ラミネート物の外観の透明性が非常に高いもの:◎
ラミネート物の外観が透明なもの:○、
ラミネート物の外観が薄く白化しているもの:△
ラミネート物の外観が白化している物:×、とした。
結果を表3~6に記す。
非意図的物質の溶出量について、第一級芳香族アミン(PAA)を定量した。製造方式2で作成したOPAフィルムとLLDPEのラミネート物について、塗布量が固形分2.0g/m2になるように貼合し、25℃の温調室で1日保管した。
この積層フィルムを120mm x 220mmで切り取り、LLDPEが内側になるように折り曲げ、3方を10mm幅で1atm、180℃、1秒間ヒートシールして、内容物が2dm2接触するパウチを作成した。内容物として3%酢酸水溶液を加えた。充填したパウチを70℃、2時間恒温室で保管し、PAAの溶出量を確認した。結果を表3~6に記す。
比較例1、3で提供される接着剤は、4,4’-MDIの割合が低く、2,4’-MDIの割合が多い為、保存安定性、塗工外観は良好なものの、PAAの溶出量は100ppb以上の高い数値を示した。
比較例2、4で提供される接着剤は、4,4’-MDIの割合が高いもののXDIを使用していない為、保存安定性試験の際に結晶性物質が析出し、ラミネート後の外観は白化した。
Claims (6)
- イソシアネート化合物を含有するイソシアネート成分Aとポリオール化合物を含有するポリオール成分Bとを有し、
前記イソシアネート成分Aは、ポリエーテルポリオールと、少なくともキシリレンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートとを含有するイソシアネート混合物との反応生成物であることを特徴とする2液型接着剤。 - 前記キシリレンジイソシアネートの使用量が、イソシアネート成分A全量に対し0.1~10質量%である請求項1に記載の2液型接着剤。
- 第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムであって、前記接着剤層が請求項1または2に記載の2液型接着剤の層であることを特徴とする積層フィルム。
- 第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムの製造方法であって、
(a)第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に、
イソシアネート化合物を含有するイソシアネート成分Aと、ポリオール化合物を含有するポリオール成分Bとを有し、
前記イソシアネート成分Aは、ポリエーテルポリオールと、少なくともキシリレンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを含有するイソシアネート混合物との反応生成物である2液型接着剤の接着剤層をラミネートロールで積層し積層フィルムを得る工程と、
(b)前記積層体を巻き取る巻き取り工程とを有する積層フィルムの製造方法。 - 前記(a)第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層し積層フィルムを得る工程が、(a-1)または(a-2)の方法である請求項4に記載の積層フィルムの製造方法。
(a-1)第一のプラスチックフィルム上に前記イソシアネート成分Aと前記ポリオール成分Bとの混合液を塗布して塗膜化する工程後、第二のプラスチックフィルムをラミネートロールで貼り合わせて積層し積層フィルムを得る工程
(a-2)前記イソシアネート成分Aと前記ポリオール成分Bとを、第一のプラスチックフィルム及び第二のプラスチックフィルムに別々に塗布し各々を塗膜化する工程後、第一のプラスチックフィルム及び第二のプラスチックフィルムの各々の塗膜面をラミネートロールで貼り合わせて積層し積層フィルムを得る工程 - 第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムの間に接着剤層を積層してなる積層フィルムを袋状に成形してなる包装体であって、前記接着剤層が請求項1または2のいずれかに記載の2液型接着剤の層であることを特徴とする包装体。
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