JP7343063B2 - 積層フィルム製造装置、積層フィルムの製造方法、二液硬化型接着剤、積層フィルム - Google Patents

積層フィルム製造装置、積層フィルムの製造方法、二液硬化型接着剤、積層フィルム Download PDF

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Description

本発明は、積層フィルム製造装置、積層フィルムの製造方法、二液硬化型接着剤、積層フィルムに関する。
従来、2枚のフィルムを接着剤で貼り合わせてなる積層フィルムには、主剤と硬化剤との硬化反応を用いる二液硬化型接着剤を用いて製造したものがある。二液硬化型接着剤としては、主剤としてポリイソシアネート組成物を用い、硬化剤としてポリオール組成物を用いたものが広く使用されている。
積層フィルムは、一般に、ラミネート装置を用いて製造されている。積層フィルムの製造に使用されるラミネート装置としては、様々な装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、ロールコーターを用いて一方のフィルムに二液硬化型接着剤を塗布した後、他方のフィルムと貼り合わせて積層フィルムを製造する無溶剤型ラミネ-タ用二液接着剤塗工装置が開示されている。
上記の積層フィルムは、該積層フィルム同士、あるいは該積層フィルムと他のフィルムとをヒートシール(溶融接着)して用いられることが多い。例えば、該積層フィルムの端部をヒートシールして袋状に成形することにより、食品用、日用品(洗剤、薬剤等)用などの包装材料として広く用いられている。
特開昭58-122074号公報
積層フィルムの製造方法として、ロールコーターを用いて2枚のフィルムのうち一方のみに二液硬化型接着剤を塗布した後、他方のフィルムを貼り合わせる方法がある。この方法を用いる場合、フィルムに二液硬化型接着剤を塗布する前に、二液硬化型接着剤の主剤と硬化剤とを混合する。したがって、二液硬化型接着剤の硬化反応は、フィルムに二液硬化型接着剤を塗布する前に開始される。
そのため、上記の方法により積層フィルムを製造する場合、製造装置に備えられている各ロールに、二液硬化型接着剤のゲル化物等が付着しやすい。各ロールに付着した二液硬化型接着剤のゲル化物等は、2枚のフィルムの間に異物として混入し、積層フィルムの品質を低下させる恐れがある。
このため、各ロールに二液硬化型接着剤のゲル化物等が付着した場合には、各ロールを清掃する必要があり、積層フィルムの生産効率に支障を来す場合があった。特に、食品包装材料として使用される積層フィルムを製造する場合、多品種かつ少量の製品を、フィルムの種類を切り替えて順次生産することが多い。フィルムの種類の切り替え時に二液硬化型接着剤の硬化反応が進行すると、各ロールに二液硬化型接着剤のゲル化物等が付着しやすくなる。このため、各ロールを清掃する頻度が高くなり、手間がかかっていた。
また、上記の積層フィルムの製造方法では、製造上のトラブル等により、予期せずに一定時間以上製造を停止した場合、硬化反応の進行した混合済の主剤および硬化剤を破棄せざるを得なかった。
これらの二液硬化型接着剤のポットライフに起因するロス(損失)および手間は、積層フィルムの製造コスト上昇を招く原因となるため、問題となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポットライフに起因したロスの発生を抑えつつ、高い生産効率で、良好なヒートシール性を有する積層フィルムを製造できる積層フィルムの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の積層フィルムの製造装置及び製造方法に好適に使用できる二液硬化型接着剤、および上記の二液硬化型接着剤の硬化物からなる接着剤層を有するヒートシール性の良好な積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、ポリイソシアネート組成物とポリオール組成物との硬化反応を用いる二液硬化型接着剤を用いて、第一フィルムと第二フィルムとの間に接着剤層が形成された積層フィルムを製造する方法において、製造上の課題を解決し、得られたフィルムの特性を向上させるべく、鋭意検討を重ねた。
その結果、二液硬化型接着剤として、伸長硬化挙動を示す主剤および硬化剤を含むものを用い、主剤を第1フィルム上に塗布し、硬化剤を第二フィルム上に塗布した後、第一フィルムの主剤塗工面と第二フィルムの硬化剤塗工面とを貼り合わせて、主剤と硬化剤との混合と、フィルムの張り合わせとを同時に行うことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] ポリイソシアネート(A)を含み、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布する第一塗工部と、
ポリオール(B)を含み、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムに塗布する第二塗工部と、
前記第一フィルムの前記ポリイソシアネート組成物(X)の塗工面と、前記第二フィルムの前記ポリオール組成物(Y)の塗工面とを貼り合わせる貼合装置とを有する、積層フィルムの製造装置。
[2] ポリイソシアネート(A)を含み、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布する第一塗布工程と、
ポリオール(B)を含み、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムに塗布する第二塗布工程とからなる二液分別塗布工程と、
前記第一フィルムと前記第二フィルムとを積層することにより、前記第一フィルム上に塗布された前記ポリイソシアネート組成物(X)と、前記第二フィルム上に塗布された前記ポリオール組成物(Y)とを接触させて硬化反応させる接着剤層形成工程とを有する、積層フィルムの製造方法。
[3] 第一フィルムに塗布されるポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルムに塗布されるポリオール組成物(Y)との硬化反応を用いる二液硬化型接着剤であって、 前記ポリイソシアネート組成物(X)がポリイソシアネート(A)を含み、
前記ポリオール組成物(Y)がポリオール(B)を含み、
前記ポリイソシアネート組成物(X)および前記ポリオール組成物(Y)が伸長硬化挙動を示す、二液硬化型接着剤。
[4] 前記第一フィルムと前記第二フィルムとの間に接着剤層を有し、
前記接着剤層が[1]に記載の二液硬化型接着剤の硬化物からなる、積層フィルム。
本発明の積層フィルムの製造装置は、第一塗工部が、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布するものであり、第二塗工部が、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムに塗布するものである。このため、本発明の積層フィルムの製造装置によれば、貼合装置において、第一フィルムのポリイソシアネート組成物(X)の塗工面と、第二フィルムのポリオール組成物(Y)の塗工面とを貼り合わせることにより、ポットライフに起因したロスの発生を抑えつつ、高い生産効率で、良好なヒートシール性を有する積層フィルムを製造できる。
本発明の積層フィルムの製造方法は、二液分別塗布工程を有し、第一塗布工程において、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布し、第二塗布工程において、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムに塗布する。このため、本発明の積層フィルムの製造方法では、第一フィルムと第二フィルムとを積層することにより、第一フィルム上に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルム上に塗布されたポリオール組成物(Y)とを接触させて硬化反応させる接着剤層形成工程を行うことにより、ポットライフに起因したロスの発生を抑えつつ、高い生産効率で、良好なヒートシール性を有する積層フィルムを製造できる。
本発明の二液硬化型接着剤は、第一フィルムに塗布されるポリイソシアネート組成物(X)、および第二フィルムに塗布されるポリオール組成物(Y)が伸長硬化挙動を示す。このため、本発明の二液硬化型接着剤は、本発明の積層フィルムの製造装置及び製造方法に好適に使用できる。また、本発明の二液硬化型接着剤を用いて、第一フィルムと第二フィルムとの間に接着剤層を形成した積層フィルムは、ヒートシールによって優れた接合強度が得られるものとなる。よって、本発明の二液硬化型接着剤は、積層フィルムを製造する場合に好適に用いることができる。
本発明の積層フィルムは、第一フィルムと第二フィルムとの間に接着剤層を有し、接着剤層が本発明の二液硬化型接着剤の硬化物からなる。したがって、本発明の積層フィルムは、ヒートシールによって優れた接合強度が得られるヒートシール性の良好なものとなる。
図1は、本実施形態の積層フィルムの製造装置を用いて製造される本実施形態に係る積層フィルムの一例を示した断面図である。 図2は、本実施形態に係る積層フィルムの製造装置の正面図である。 図3は、図2に示す積層フィルムの製造装置におけるポリイソシアネート塗工部の要部を示す正面図である。 図4は、図2に示す積層フィルムの製造装置におけるポリオール塗工部の要部を示す正面図である。
以下、本発明の積層フィルム製造装置、積層フィルムの製造方法、二液硬化型接着剤、積層フィルムについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。このため、各構成要素の寸法比率などは、実際とは異なっている場合がある。
[積層フィルム製造装置]
次に、図面を参照しつつ、本実施形態の積層フィルムの製造装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の積層フィルムの製造装置を用いて製造される本実施形態に係る積層フィルムの一例を示した断面図である。図1に示すように、本実施形態の積層フィルム11aは、第一フィルムW1と第二フィルムW2との間に接着剤層10を有する。本実施形態の積層フィルム11aにおいては、接着剤層10が本実施形態の二液硬化型接着剤の硬化物からなる。本実施形態の二液硬化型接着剤は、第一フィルムW1に塗布される伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルムW2に塗布される伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)との硬化反応を用いる二液硬化型接着剤である。
図2は、本実施形態に係る積層フィルムの製造装置の正面図である。図3は、図2に示す積層フィルムの製造装置におけるポリイソシアネート塗工部の要部を示す正面図である。図4は、図2に示す積層フィルムの製造装置におけるポリオール塗工部の要部を示す正面図である。
図2に示す積層フィルムの製造装置1は、本実施形態の二液硬化型接着剤を用いて、ロールから巻き出した第一フィルムW1とロールから巻き出した第二フィルムW2とを貼り合わせて、第一フィルムW1と第二フィルムW2との間に接着剤層10を形成し、ロール状に巻き取られた本実施形態の積層フィルム11aを製造する装置である。
本実施形態の積層フィルムの製造装置1は、図2に示すように、第1巻出部11と、ポリイソシアネート塗工部12(第一塗工部)と、第2巻出部13と、ポリオール塗工部14(第二塗工部)と、貼合装置15とを備える。
第1巻出部11は、第一フィルムW1をポリイソシアネート塗工部12へ送出する。第一フィルムW1は、第1巻出部11のフィルム装着部111に回転可能に装着されている。
ポリイソシアネート塗工部12は、第1巻出部11から送出された第一フィルムW1に、本実施形態の二液硬化型接着剤のポリイソシアネート組成物(X)を塗布する。
ポリイソシアネート塗工部12は、図3に示すように、4本スクイズロール方式のロールコーターである。ポリイソシアネート塗工部12は、アプリケーションロール121と、ドクターロール122と、メタリングロール123と、コーティングロール124と、バッキングロール125とを備える。アプリケーションロール121とドクターロール122との対向部分には、液溜部120が備えられている。
アプリケーションロール121は、ゴム等の弾性素材の外周面を備えるロールである。ドクターロール122は、金属(非弾性素材)の外周面を備えるロールである。図3に示すように、アプリケーションロール121及びドクターロール122は、回転軸が互いに平行となるように、ポリイソシアネート塗工部12に回転可能に支持されている。アプリケーションロール121の外周面とドクターロール122の外周面とは、微小間隔をもって対向している。
アプリケーションロール121とドクターロール122との対向部分の上部には、アプリケーションロール121およびドクターロール122の回転軸方向に、所定の間隔で一対の堰板126が設置されている。一対の堰板126と、アプリケーションロール121の外周面と、ドクターロール122の外周面とによって、液溜部120が形成されている。
液溜部120は、ポリイソシアネート組成物(X)を一時的に貯留する。ポリイソシアネート組成物(X)は、図示しないポリイソシアネート供給部から液溜部120へ供給される。これにより、液溜部120に貯留されているポリイソシアネート組成物(X)は、一定量に保持されている。
ドクターロール122は、図示しない温度調節部を備えることが好ましい。温度調節部は、液溜部120に貯留されているポリイソシアネート組成物(X)を一定の温度に保ち、ポリイソシアネート組成物(X)の粘度を安定化する。これにより、ドクターロール122の外周面は、一定の温度に保たれている。
図3に示すように、アプリケーションロール121、ドクターロール122は、液溜部120で下向きに回転する。このことにより、ドクターロール122の外周面に、微小隙間を通過したポリイソシアネート組成物(X)が塗布される。
図3に示すように、ポリイソシアネート塗工部12は、メタリングロール123、コーティングロール124、バッキングロール125を回転可能に支持している。
メタリングロール123には、ドクターロール122の外周面に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)が転写される。メタリングロール123の回転軸は、ドクターロール122の回転軸と平行に配置されている。メタリングロール123の外周面は、ゴム等の弾性素材で形成されている。メタリングロール123の外周面は、ドクターロール122の外周面に圧接されている。
コーティングロール124には、メタリングロール123の外周面に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)が転写される。コーティングロール124の回転軸は、メタリングロール123の回転軸と平行に配置されている。また、コーティングロール124の外周面は、金属素材で形成されている。コーティングロール124の外周面は、メタリングロール123の外周面に圧接されている。
バッキングロール125は、コーティングロール124と回転軸同士が平行となるように、配置されている。バッキングロール125は、コーティングロール124との間で第一フィルムW1を挟持し、第一フィルムW1を搬送する。バッキングロール125は、コーティングロール124の外周面に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)の第一フィルムW1への転写を補助する。バッキングロール125の外周面は、ゴム等の弾性素材で形成されている。
コーティングロール124は、ドクターロール122と同様に、図示しない温度調節部によって外周面の温度が一定に保たれていることが好ましい。これにより、第一フィルムW1に塗布されるポリイソシアネート組成物(X)の粘度が安定化される。
第2巻出部13は、第二フィルムW2をポリオール塗工部14へ送出する。第二フィルムW2は、第2巻出部13のフィルム装着部131に回転可能に装着されている。
ポリオール塗工部14は、第2巻出部13から送出された第二フィルムW2に、本実施形態の二液硬化型接着剤のポリオール組成物(Y)を塗布する。
ポリオール塗工部14は、図4に示すように、ポリオール組成物(Y)をグラビア印刷で塗布するグラビア塗工機(グラビアコーター)である。ポリオール塗工部14は、グラビアロール141、チャンバー142、圧胴143、塗工液タンク144、ポンプ145、温度調節機146を備える。
グラビアロール141は、ポリオール塗工部14に回転可能に支持された金属製のロールである。グラビアロール141の表面には、例えば、レーザー彫刻により、複数の凹部(グラビアパターン)が形成されている。凹部の容積、開口比、深さ等を変化させることにより、グラビアロール141の表面に塗布される塗工液の量を調整できる。グラビアロール141の表面に施されるグラビアパターンは、特に限定されるものではなく、例えば、ハニカムパターンとすることができる。
図4に示すように、チャンバー142は、ポリオール組成物(Y)を貯留する容器である。チャンバー142は、グラビアロール141の径方向の一側方に配置されている。 チャンバー142は、ポリオール組成物(Y)を貯留する貯留部142aを備える。貯留部142aは、グラビアロール141側に開口している。グラビアロール141の外周面の一部は、貯留部142a内に貯留されたポリオール組成物(Y)に浸されている。 貯留部142aは、ドクターブレード142b、シールプレート142c、1対のサイドプレート142dによって密閉されている。
チャンバー142は、板状のドクターブレード142bを備える。ドクターブレード142bは、貯留部142aの開口上端部からグラビアロール141に向けて突設されている。ドクターブレード142bの材質は、特に限定されず、金属でもよいし、樹脂でもよく、例えば、ステンレスからなるものとすることができる。
ドクターブレード142bの先端部は、グラビアロール141の外周面に圧接されている。ドクターブレード142bの先端部は、貯留部142aのロール回転方向下流側をシールする。ドクターブレード142bは、グラビアロール141の外周面に付着する余分なポリオール組成物(Y)を、グラビアロール141の回転動作により掻き取って計量する。
チャンバー142は、板状のシールプレート142cを備える。シールプレート142cは、樹脂製である。シールプレート142cは、貯留部142aの開口下端部からグラビアロール141に向けて突設されている。
シールプレート142cの先端部は、グラビアロール141の外周面に圧接されている。シールプレート142cの先端部は、貯留部142aのロール回転方向上流側をシールする。
チャンバー142は、樹脂製のサイドプレート142dを備える。サイドプレート142dは、チャンバー142の両側面、すなわちグラビアロール141の回転軸方向両端部にそれぞれ取り付けられている。
図4に示すように、サイドプレート142dのグラビアロール141側の側面は、グラビアロール141の形状に沿った円弧形状となっており、グラビアロール141に圧接されている。
圧胴143は、図4に示すように、グラビアロール141との間で第二フィルムW2を挟持し、第二フィルムW2を搬送する。圧胴143は、第二フィルムW2をグラビアロール141に圧接させて、グラビアロール141の外周面に塗布されたポリオール組成物(Y)を第二フィルムW2に転写する。
塗工液タンク144は、ポリオール組成物(Y)を貯留する容器である。図4に示すように、塗工液タンク144は、配管を介して、チャンバー142にポリオール組成物(Y)を流入させるポンプ145に接続されている。また、塗工液タンク144は、配管を介して、チャンバー142と接続されている。これにより、チャンバー142の貯留部142aからオーバーフローしたポリオール組成物(Y)は、塗工液タンク144に回収されるようになっている。
ポンプ145は、配管を介して、塗工液タンク144及びチャンバー142に接続されている。ポンプ145は、塗工液タンク144に貯留されているポリオール組成物(Y)をチャンバー142の貯留部142aに供給する。ポンプ145としては、例えばサインポンプを用いることができる。
温度調節機146は、塗工液タンク144に貯留されているポリオール組成物(Y)の温度を調整する。これにより、ポリオール組成物(Y)の温度を一定に保ち、ポリオール組成物(Y)の粘度を安定化する。温度調節機146は、例えば、熱媒体である水をヒーターで加熱して、塗工液タンク144に貯留されたポリオール組成物(Y)の周囲を循環させる水用調温機である。
貼合装置15は、図2に示すように、貼合部151と、巻取部152とを備える。
貼合部151は、ポリイソシアネート塗工部12から送出された第一フィルムW1におけるポリイソシアネート組成物(X)の塗工面と、ポリオール塗工部14から送出された第二フィルムW2におけるポリオール組成物(Y)の塗工面とを貼り合わせる。巻取部152は、貼合部151によって貼り合わされた積層フィルム11aを巻き取る。
貼合部151は、図2に示すように、一対のラミネートロールR1、R2を有している。ラミネートロールR1、R2は、第一フィルムW1と第二フィルムW2とを挟み込んで接合し、搬送する。2つのラミネートロールR1、R2は、図示しない温度調節部によって、外周面の温度が一定に保たれている。これにより、二液硬化型接着剤の硬化が安定化される。
貼合部151は、図2に示すように、第一フィルムW1と第二フィルムW2とを、対向配置された2つのラミネートロールR1、R2間に通過させて、ポリイソシアネート塗工部12から送出された第一フィルムW1の塗工面と、ポリオール塗工部14から送出された第二フィルムW2の塗工面とを接触させて貼り合わせる。貼合部151において、第一フィルムW1に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルムW2に塗布されたポリオール組成物(Y)とが混合されることにより、二液硬化型接着剤の硬化が開始され、第一フィルムW1と第二フィルムW2とが貼り合わされ、固定される。
巻取部152は、貼合部151において第一フィルムW1と第二フィルムW2とが貼り合わされて形成された積層フィルム11aを巻き取る。
[積層フィルムの製造方法]
次に、本実施形態の積層フィルムの製造方法として、図2~図4に示す積層フィルムの製造装置1を用い、本実施形態の二液硬化型接着剤を使用して、第一フィルムW1と第二フィルムW2とを貼り合わせて、図1に示す積層フィルム11aを製造する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の積層フィルム11aの製造方法は、二液分別塗布工程と、接着剤層形成工程とを有する。本実施形態では、二液分別塗布工程と接着剤層形成工程とを連続的に行う。
(二液分別塗布工程)
二液分別塗布工程は、ポリイソシアネート(A)を含み、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムW1に塗布する第一塗布工程と、ポリオール(B)を含み、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムW2に塗布する第二塗布工程とからなる。本実施形態では、第一塗布工程と第二塗布工程とを同時に行う。
「第一塗布工程」
図2~図4に示す積層フィルムの製造装置1を用いて第一塗布工程を行う方法について説明する。
まず、第1巻出部11からポリイソシアネート塗工部12に、第一フィルムW1を送出する。ポリイソシアネート塗工部12において、各ロールを、図3において矢印で示す方向に回転させる。このことにより、液溜部120に貯留されているポリイソシアネート組成物(X)が、ドクターロール122の表面に塗布される。
本実施形態においては、図示しない温度調節部によって、液溜部120に貯留されているポリイソシアネート組成物(X)の温度を、25℃~80℃とすることが好ましく、25℃~40℃とすることがより好ましい。
本実施形態において、ポリイソシアネート組成物(X)のせん断粘度は、40℃において、3000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがより好ましい。
ドクターロール122に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)は、メタリングロール123、コーティングロール124へと順次転写される。ポリイソシアネート塗工部12の各ロールは、順次回転速度が大きくなるように設定されている。これにより、ポリイソシアネート組成物(X)の塗膜厚は徐々に小さくなり、コーティングロール124で所定の塗膜厚(塗布量)となるように調整される。
コーティングロール124に転写されたポリイソシアネート組成物(X)は、コーティングロール124とバッキングロール125との間を搬送される第一フィルムW1に転写される。これにより、第一フィルムW1にポリイソシアネート組成物(X)が塗布される。
本実施形態においては、第一フィルムW1に塗布されるポリイソシアネート組成物(X)の塗布量は、0.5~3.0g/mであることが好ましく、より好ましくは0.5~2.0g/mである。
ポリイソシアネート塗工部12において、ポリイソシアネート組成物(X)の塗布された第一フィルムW1は、貼合装置15に送出される。
「第二塗布工程」
次に、図2~図4に示す積層フィルムの製造装置1を用いて第二塗布工程を行う方法について説明する。
まず、第2巻出部13からポリオール塗工部14に、第二フィルムW2を送出する。ポリオール塗工部14において、グラビアロール141および圧胴143を、図4において矢印で示す方向に回転させる。グラビアロール141の回転動作により、グラビアロール141の表面を経て、チャンバー142内のポリオール組成物(Y)が第二フィルムW2に塗布される。
本実施形態において、第二フィルムW2に塗布されるポリオール組成物(Y)の塗布量は、0.5~3.0g/mであることが好ましく、より好ましくは0.5~2.0g/mである。
本実施形態においては、温度調節機146によって、塗工液タンク144に貯留されているポリオール組成物(Y)の温度を、25℃~80℃とすることが好ましく、25℃~40℃とすることがより好ましい。
本実施形態においては、ポリオール組成物(Y)の粘度は、グラビア塗工機に適した粘度とされている。
グラビアロール141の回転方向は、第二フィルムW2の搬送方向と同方向である正回転であってもよいし、第二フィルムW2の搬送方向と逆方向であるリバース回転であってもよい。本実施形態では、図4に示すように、グラビアロール141が、第二フィルムW2の搬送方向と逆方向に回転しながら、第二フィルムW2にポリオール組成物(Y)を転写する。これにより、第二フィルムW2に塗布されたポリオール組成物(Y)の外観を、縦筋、ロールの版目等のない良好なものとすることができる。
ポリオール塗工部14において、ポリオール組成物(Y)の塗布された第二フィルムW2は、貼合装置15に送出される。
(接着剤層形成工程)
接着剤層形成工程では、第一フィルムW1と第二フィルムW2とを積層することにより、第一フィルムW1上に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルム上に塗布されたポリオール組成物(Y)とを接触させて硬化反応させる。
貼合装置15の貼合部151では、図2に示すように、第一フィルムW1と第二フィルムW2とが接触した状態で、対向配置された2つのラミネートロールR1、R2に挟持され、2つのラミネートロールR1、R2間を通過する。そして、2つのラミネートロールR1、R2からの圧力により、第一フィルムW1と第二フィルムW2とが貼り合わされる。
本実施形態においては、2つのラミネートロールR1、R2の外周面の温度を、40℃~80℃とすることが好ましく、40℃~60℃とすることがより好ましい。
2つのラミネートロールR1、R2から第一フィルムW1および第二フィルムW2への圧力は、例えば、3~300kg/cmとすることができる。
本実施形態では、2つのラミネートロールR1、R2に挟持されることにより、ポリイソシアネート塗工部12から送出された第一フィルムW1の塗工面と、ポリオール塗工部14から送出された第二フィルムW2の塗工面とが接触する。その結果、第一フィルムW1に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルムW2に塗布されたポリオール組成物(Y)とが混合され、二液硬化型接着剤の硬化が開始される。
二液硬化型接着剤が硬化することにより、第一フィルムW1と第二フィルムW2との間に接着剤層10を有する積層フィルム11aが得られる。
貼合部151で第一フィルムW1と第二フィルムW2とが貼り合わされることにより作製された積層フィルム11aは、巻取部152に搬送される。巻取部152に搬送された積層フィルム11aは、巻取部152に巻き取られる。
本実施形態の積層フィルム11aの製造方法では、積層フィルム11aを製造する際のフィルム搬送速度(巻取部152における積層フィルム11aの巻き取り速度)を、例えば、30~300m/minとすることができ、100~250m/minとすることが好ましい。フィルム搬送速度が30m/min以上であると、効率よく積層フィルムを製造できる。フィルム搬送速度が300m/minを超えると、塗工不具合、搬送自体の不具合、張り合わせ時の不具合等が起こり得る。このため、フィルム搬送速度は300m/min以下とすることが好ましい。
本実施形態の製造方法により得られた積層フィルム11aは、貼合部151において第一フィルムW1と第二フィルムW2とを貼り合わせ、巻取部152に巻き取られた後、必要に応じて常温または加温下で3~48時間保管し、エージングを行う。エージングを行うことによって、二液硬化型接着剤が十分に硬化し、接着剤層10としての実用物性が発現する場合がある。
本実施形態の積層フィルム11aの製造装置1は、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムW1に塗布するポリイソシアネート塗工部12と、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムW2に塗布するポリオール塗工部14と、第一フィルムW1のポリイソシアネート組成物(X)の塗工面と、第二フィルムW2のポリオール組成物(Y)の塗工面とを貼り合わせる貼合装置15とを有する。したがって、本実施形態の積層フィルム11aの製造装置1は、本実施形態の二液硬化型接着剤を使用して、二液分別塗布工程を有する本実施形態の製造方法により、ポットライフに起因したロスの発生を抑えつつ、高い生産効率で、ヒートシール性の良好な積層フィルム11aを製造できる。
本実施形態の積層フィルム11aの製造装置1においては、ポリオール塗工部14として、ポリオール組成物(Y)の粘度等の選択の幅が広がるグラビアコーターを備えていてもよいし、ロールコーターを備えていてもよい。ポリオール塗工部14におけるポリオール組成物(Y)の塗布装置として、グラビアコーターを選択する場合には、ポリオール組成物(Y)の粘度が低く、ロールコーターでは液ダレ等の不具合を生じる場合であっても、液ダレを生じることがなく、塗布品質を向上させて高品質の積層フィルム11aを製造できる。また、グラビアコーターを用いることで、ポリオール塗工部14の構成を簡素化でき、積層フィルム11aの製造装置を小型化できる。
本実施形態の積層フィルム11aの製造装置1においては、比較的粘度の高いポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムW1に塗布するポリイソシアネート塗工部12において、ロールコーターを用いている。ロールコーターを用いることにより、ポリイソシアネート組成物(X)の粘度が比較的高い場合にも塗布を行うことが可能となり、ポリイソシアネート組成物(X)の材料の選択の幅が広がる。
本実施形態の積層フィルム11aの製造方法は、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムW1に塗布する第一塗布工程と、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムW2に塗布する第二塗布工程とからなる二液分別塗布工程と、第一フィルムW1と第二フィルムW2とを積層することにより、第一フィルムW1上に塗布されたポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルムW2上に塗布されたポリオール組成物(Y)とを接触させて硬化反応させる接着剤層形成工程とを有する。
本実施形態の積層フィルム11aの製造方法は、二液分別塗布工程を有するため、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを混合する工程が不要である。このため、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを混合する工程を有する場合と比較して、作業性に優れる。また、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とを混合しないため、二液硬化型接着剤のポットライフによる制限を受けることなく、硬化の速い本実施形態の二液硬化型接着剤を使用できる。
本実施形態の積層フィルム11aの製造方法では、第一塗布工程において、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布し、第二塗布工程において、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムW2に塗布する。このため、本実施形態の積層フィルム11aの製造方法によれば、本実施形態の二液硬化型接着剤を使用して、ヒートシールによって優れた接合強度が得られる本実施形態の積層フィルム11aを製造できる。
上記実施形態では、ポリイソシアネート塗工部12としてロールコーターを用いているが、ポリイソシアネート組成物(X)の粘度が低い場合等には、ポリイソシアネート塗工部12としてグラビアコーターを用いてもよい。
また、上記実施形態では、ポリオール塗工部14としてグラビアコーターを用いているが、ポリオール組成物(Y)の塗布が可能である場合には、ポリオール塗工部14としてロールコーターを用いてもよい。
また、上記実施形態の積層フィルム11aの製造装置1におけるポリオール塗工部14では、温度調節機146によって塗工液タンク144に貯留されたポリオール組成物(Y)の温度を調節することとしたが、さらに、チャンバー142の貯留部142aに貯留されているポリオール組成物(Y)の温度、および/またはグラビアロール141の温度を調節してもよい。これにより、塗工時のポリオール組成物(Y)の粘度をさらに安定させることができ、塗布品質および積層フィルム11aの品質をより一層向上させることができる。
[二液硬化型接着剤]
本実施形態の二液硬化型接着剤は、第一フィルムW1に塗布されるポリイソシアネート組成物(X)と、第二フィルムW2に塗布されるポリオール組成物(Y)との硬化反応を用いる二液硬化型接着剤である。
本実施形態の二液硬化型接着剤におけるポリイソシアネート組成物(X)は、ポリイソシアネート(A)を含み、伸長硬化挙動を示す。ポリオール組成物(Y)は、ポリオール(B)を含み、伸長硬化挙動を示す。ポリイソシアネート組成物(X)は、必要に応じて、二液硬化型接着剤に含まれるポリオール(B)の一部を含んでいてもよい。
本実施形態の二液硬化型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)中のソシアネート基と、ポリオール組成物(Y)中の水酸基(または水酸基とアミノ基)との化学反応によって硬化する。
(ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)の伸長硬化挙動)
本実施形態において「伸長硬化」とは、伸長速度を2倍にした際に伸長粘度が2倍になることである。すなわち、「伸長硬化挙動を示す」とは、伸長速度を2倍にした際に伸長粘度が2倍以上になることである。「伸長硬化挙動を示さない」とは、伸長速度を2倍にした際に伸長粘度が2倍に満たないことである。また、本実施形態において「伸長硬化の開始する伸長速度」とは、伸長硬化挙動が発生した最低の伸長速度である。
本実施形態の二液硬化型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)の両者が伸長硬化挙動を示す。このため、本実施形態の二液硬化型接着剤を用いて第一フィルムと第二フィルムとの間に接着剤層を形成した積層フィルムは、ヒートシールによって優れた接合強度が得られるものとなる。
本実施形態の二液硬化型接着剤において、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)の伸長硬化の開始する伸長速度は、測定可能範囲に鑑み、実質的に100s-1以上である。伸長硬化の開始する伸長速度の下限値は、特に限定されるものではないが、4000s-1以上であることが好ましい。伸長硬化の開始する伸長速度の上限値は、特に限定されるものではないが、50000s-1以下であることが好ましく、40000s-1以下であることがより好ましく、38000s-1以下であることがさらに好ましい。ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)の伸長硬化の開始する伸長速度が、100s-1以上50000s-1以下である二液硬化型接着剤は、これを用いて接着剤層を形成した積層フィルムのヒートシール性がより一層良好となるため好ましい。
ポリイソシアネート組成物(X)の伸長硬化挙動は、ポリイソシアネート組成物(X)に使用する材料(化合物)に含まれる低粘性材料と高粘性材料の比率を調整することにより、制御できる。
ポリオール組成物(Y)の伸長硬化挙動は、ポリオール組成物(Y)に使用する材料(化合物)に含まれる低粘性材料と高粘性材料の比率を調整することにより、制御できる。
なお、当業者であれば、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)に使用する材料(化合物)の粘度を把握できる。また、当業者であれば、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)に使用する材料(化合物)を組み合わせて、配合比を適宜調整することにより、通常の実験の範囲内で、公知の技術に基づいて、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)を得ることができる。
(ポリイソシアネート(A))
ポリイソシアネート(A)としては、特に限定なく公知のものを使用出来る。
ポリイソシアネート(A)としては、例えば、
トリレンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ジフェニルメタンジイソシアネートを単に「MDI」と記載する場合がある。)、2,2’-MDI、4,4’-MDI、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;
キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;
これらのポリイソシアネートのイソシアネート基(以下、「NCO基」と称する場合がある。)の一部をカルボジイミドで変性した化合物;
これらのポリイソシアネートに由来するイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;これらのポリイソシアネートをトリメチロールプロパン変性したアダクト体;
前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物(プレポリマー)であるポリイソシアネート(A1)(以下、このプレポリマーであるポリイソシアネートを「ポリイソシアネート(A1)」ということがある。)などが挙げられる。
ポリイソシアネート(A1)において、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートと反応させるポリオール成分としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の鎖状脂肪族グリコール;1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;前記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと、前記グリコール又は3官能若しくは4官能の脂肪族アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
前記鎖状脂肪族グリコール、脂環式グリコール、ダイマージオール、ビスフェノール又は前記ポリエーテルポリオール等のポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2);
前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);
前記鎖状脂肪族グリコール、脂環式グリコール、ダイマージオール、ビスフェノール又は前記ポリエーテルポリオール等のポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);
ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシ酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるひまし硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオール等、およびこれらの混合物等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオール(2)、(3)又は(4)の製造に用いられる多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の非環状脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸;これら脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
これらのポリイソシアネート(A)の中でも、ポリイソシアネート(A1)が好ましく、特に、前記ポリエーテルポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させることにより得られるポリイソシアネートが、濡れ性の点から好ましい。
さらに、粘度が低く、低温での取り扱いの容易なポリイソシアネート(A1)となることから、ポリイソシアネートと反応させるポリオール成分として、ポリプロピレン骨格を有するポリオールを用いることが好ましい。
ポリイソシアネート(A1)の硬化後の塗膜の柔軟性の観点から、ポリイソシアネートと反応させるポリオール成分として、数平均分子量(Mn)が300~5,000、より好ましくは350~3,000のポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
ポリオール成分に占める数平均分子量(Mn)が300~5,000のポリエーテルポリオールの割合は、一例として50質量%以上であることが好ましい。ポリオール成分の全量が、数平均分子量(Mn)が300~5,000であるポリエーテルポリオールであってもよい。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置;東ソー株式会社製HLC-8320GPC
カラム;東ソー株式会社製TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件;カラム温度40℃
溶媒;テトラヒドロフラン
流速;0.35ml/分
標準;単分散ポリスチレン
試料;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
ポリイソシアネート(A1)において、ポリオール成分と反応させるポリイソシアネートとしては、後述するポリアミン(C)との反応性に優れることから、芳香族ポリイソシアネートを含むことが好ましい。芳香族ポリイソシアネートの配合量は、例えば、ポリイソシアネート(A1)の合成時の仕込量合計100質量部において、30質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。芳香族ポリイソシアネートの配合量の上限については、保存安定性の観点から、60質量部以下であることが好ましく、55質量部以下であることがより好ましい。
ポリオール成分と反応させるポリイソシアネートは、保存安定性の観点から脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の少なくとも一種を、芳香族ポリイソシアネートと併用することが好ましい。
ポリイソシアネート(A1)における前記したポリイソシアネートとポリオール成分との反応割合は、ポリイソシアネート中のイソシアネート基とポリオール成分中の水酸基との当量比[イソシアネート基/水酸基]が1.5~5.0の範囲であることが好ましい。このようなポリイソシアネート(A1)を採用したポリイソシアネート(A)は、これを含むポリイソシアネート組成物(X)の粘度が適正範囲となって、塗工性が良好になるとともに、ポリイソシアネート(A)を含む二液硬化型接着剤からなる塗膜の凝集力が良好となるため、好ましい。
ポリイソシアネート(A)は、重量平均分子量(Mw)が100~10,000の範囲であることが、エージング時間を短くしつつ、適正な実包性を確保できる点から好ましく、200~5,000の範囲であることがより好ましい。
ポリイソシアネート(A)がポリイソシアネート(A1)の場合には、重量平均分子量(Mw)が300~10,000の範囲であることが好ましい。
ポリイソシアネート(A)は、イソシアネート含有率が5~25質量%であることが好ましい。このようなポリイソシアネート(A)を含むポリイソシアネート組成物(X)は、適正な樹脂粘度となって、塗工性に優れる点から好ましい。
ポリイソシアネート(A)のイソシアネート含有率は、ジ-n-ブチルアミンを使用した滴定法によって求めた値である。
(ポリオール(B))
ポリオール(B)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;前記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;該ポリエーテルポリオールを更に前記芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化したポリエーテルウレタンポリオール;プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと前記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
前記グリコール、ダイマージオール、又はビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2);
前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);
2官能型ポリオールと、前記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);
ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシ酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
前記ポリエステルポリオール(1)~(5)と前記ポリエーテルポリオールと芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートとを反応させて得られるポリエステルポリエーテルポリオール;
前記ポリエステルポリオール(1)~(5)を芳香族若しくは脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;
ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるひまし硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオール等、及びこれらの混合物等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオール(2)、(3)又は(4)の製造に用いられる多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族又はジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
ポリオール(B)としては、複数の水酸基を有する3級アミン化合物を使用してもよい。複数の水酸基を有する3級アミン化合物は、水酸基がポリイソシアネート(A)と反応して硬化するのみならず、アミン構造が硬化反応を促進することから硬化促進剤としても機能する。
複数の水酸基を有する3級アミン化合物において、水酸基の数は2個以上であり、2~6個であることが好ましい。複数の水酸基を有する3級アミン化合物は、3級アミノ基を1つ以上有していればよく、1~2個有していることが好ましい。
複数の水酸基を有する3級アミン化合物としては、具体的には、ポリプロピレングリコールエチレンジアミンエーテル、トリ(1,2-ポリプロピレングリコール)アミン、N-エチルジエタノールアミン、N-メチル-N-ヒドロキシエチル-N-ヒドロキシエトキシエチルアミン、ペンタキスヒドロキシプロピルジエチレントリアミン、テトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンプロポキシレーティッド等が挙げられる。
複数の水酸基を有する3級アミン化合物としては、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製のEDP-300、国都化工社製のED-500やTE-360、DOW社製 VORANOL TM800Polyol等が挙げられる。
ポリオール(B)が複数の水酸基を有する3級アミン化合物を含む場合、ポリオール(B)中における3級アミン化合物以外のポリオールと、3級アミン化合物との配合割合(3級アミン化合物以外のポリオール/3級アミン化合物(質量比))は、100/5~100/70であることが好ましく、100/10~100/70であることがより好ましい。
ポリオール(B)としては、これらの化合物を単独もしくは複数組み合わせて用いることができる。
ポリオール(B)は、ポリエーテル骨格を有するポリオールを含むことが好ましく、特にポリプロピレン骨格を有するポリオールを含むことが好ましい。このようなポリオール(B)は、無溶剤型であっても25℃~60℃の温度で塗工可能な粘度となる。また、このようなポリオール(B)を含む二液硬化型接着剤は、シリカおよび/またはアルミナ等の金属酸化物、アルミニウム等の金属、および樹脂フィルムとの接着強度に優れるものとなり、好ましい。
ポリエーテル骨格を有するポリオールの含有量は、塗工適性の観点からポリオール(B)全量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。ポリエーテル骨格を有するポリオールの含有量の上限については、特に制限されず、ポリオール(B)の全量がポリエーテル骨格を有するポリオールであってもよいが、二液硬化型接着剤の初期凝集力の観点から95質量%以下であることが好ましい。
ポリオール(B)は、二液硬化型接着剤の初期凝集力および塗工適性の観点から、ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるひまし硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のひまし油系化合物を含むことが好ましい。これらのひまし油系化合物は、ポリオール(B)全量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、ひまし油系化合物の上限については、特に制限されず、ポリオール(B)の全量がひまし油系化合物であってもよいが、塗工適性の観点からは95質量%以下であることが好ましい。
ポリオール(B)は、反応性の高い低分子量のポリオール(常温で液体、分子量が150以下程度のもの)を含んでいてもよい。このような低分子量のポリオールを含むことにより、ポリイソシアネート(A)との反応を早くできる。一方で、低分子量のポリオールの配合量が多すぎると、ポリイソシアネート(A)との反応が早くなりすぎるおそれがある。このため、低分子量のポリオールの含有量は、ポリオール(B)の5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下である。
ポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)は、400~5000であると、適正な粘度範囲となるため塗工性が良好になるとともに、二液硬化型接着剤の凝集力が良好となり、好ましい。
ポリオール(B)の水酸基価は、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがより好ましい。
ポリオール(B)の水酸基価は、JIS-K0070に記載の水酸基価測定方法にて測定できる。
(ポリアミン(C))
ポリオール組成物(Y)は、ポリアミン(C)を含むことが好ましい。ポリアミン(C)は硬化促進剤として機能する。
ポリアミン(C)としては、特に限定なく公知のものを使用できる。ポリアミン(C)は、二液硬化型接着剤からなる塗膜の強靭さを保つために、分子内にアミノ基(NH基、NHR基(Rは、アルキル基を示す。))を2つ以上有する化合物であることが望ましい。
ポリアミン(C)としては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロウンデカン、リシン、フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジアミン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、又はジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ポリ(プロピレングリコール)ジアミン、ポリ(プロピレングリコール)トリアミン、ポリ(プロピレングリコール)テトラアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、
1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン等、ベンジルアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2-アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3-ビス(2’-アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン-ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3-アミノエチル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン等、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4’-イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン等、ビス(アミノアルキル)ベンゼン、ビス(アミノアルキル)ナフタレン、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、オルトキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,4’-ジアミノビフェニル、2,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレン等、N-メチルピペラジン、モルホリン、1,4-ビス-(8-アミノプロピル)-ピペラジン、ピペラジン-1,4-ジアザシクロヘプタン、1-(2’-アミノエチルピペラジン)、1-[2’-(2”-アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、トリシクロデカンジアミン、前記した各種のポリアミンと前記した各種のイソシアネート成分との反応生成物であるポリウレアアミンなどが挙げられる。
ポリアミン(C)としては、二液硬化型接着剤からなる塗膜の柔軟性を保つために、主鎖にポリエーテル構造を有するポリエーテルアミンを用いることが好ましい。
これらのポリアミン(C)は、単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
ポリアミン(C)としては、市販品を使用してもよい。市販品としては、BASF社製のEC-310、EC-303等が挙げられる。
ポリイソシアネート組成物(X)中の官能基(ポリイソシアネート(A)の有するイソシアネート基)と、ポリオール組成物(Y)中の官能基(ポリオール(B)の有する水酸基、ポリアミン(C)の有するアミノ基)のモル比[イソシアネート基/(水酸基+アミノ基)]は、0.5~5.0であることが望ましく、二液硬化型接着剤の接着性能の観点から1.0~3.0の範囲であることが更に望ましい。
ポリオール組成物(Y)中のポリオール(B)とポリアミン(C)との割合は、ポリアミン(C)由来のアミノ基とポリオール(B)由来の水酸基とのモル比[アミノ基/水酸基]が0.001~2.0であることが望ましく、二液硬化型接着剤の接着強度と加工外観と加工性の実用性を両立させる観点で、0.1~1.0の範囲であることがより好ましい。上記モル比が0.001以上であると、二液硬化型接着剤を用いて製造した積層フィルムの加工性が良好となる。上記モル比が2.0以下であると、二液硬化型接着剤の接着強度が良好となる。
(溶剤)
本実施形態の二液硬化型接着剤は、無溶剤型の接着剤として使用できるが、本実施形態の二液硬化型接着剤は、必要に応じて、溶剤を含有していてもよい。
本実施形態において「溶剤」とは、ポリイソシアネート組成物(X)および/またはポリオール組成物(Y)を溶解できる溶解性の高い有機溶剤を指す。また、本実施形態において「無溶剤」であるとは、これらの溶解性の高い有機溶剤を含まないことを指す。
溶解性の高い有機溶剤(溶剤)としては、具体的には、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチルは、特に溶解性の高い有機溶剤である。
本実施形態の二液硬化型接着剤は、粘度を低くする要求がある場合には、所望の粘度となるように、溶剤を用いて希釈して使用できる。その場合、溶剤を用いて、ポリイソシアネート組成物(X)またはポリオール組成物(Y)のうち一方のみを希釈してもよいし、両方を希釈してもよい。
本実施形態の二液硬化型接着剤に含有してもよい有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)の溶解性の点から、酢酸エチルおよび/またはメチルエチルケトン(MEK)を用いることが好ましく、特に、酢酸エチルを用いることが好ましい。
本実施形態の二液硬化型接着剤における有機溶剤の含有量は、要求される粘度によって適宜決定することができ、例えば、20~50質量%とすることができる。
(触媒)
本実施形態の二液硬化型接着剤は、触媒を含有していてもよい。触媒は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)のいずれか一方にのみ含まれていてもよいし、両方に含まれていてもよい。触媒は、一般的にポリイソシアネート組成物との反応性が高く、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とが接触した後に、効果的に触媒を作用させる観点から、ポリオール組成物(Y)のみに含まれていることが好ましい。触媒は、二液硬化型接着剤の塗工時に、ポリイソシアネート組成物(X)および/またはポリオール組成物(Y)に含有させてもよい。
二液硬化型接着剤が触媒を含むことにより、二液硬化型接着剤の硬化が促進され、二液硬化型接着剤を用いて製造した積層フィルムから、芳香族アミンに代表される有害な低分子化学物質が溶出することを抑制できる。すなわち、触媒もポリアミン(C)等と同様に、硬化促進剤として働く。
触媒としては、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とのウレタン化反応を促進するものであればよく、特に制限はない。触媒としては、例えば、金属系触媒、アミン系触媒、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、脂肪族環状アミド化合物、チタンキレート錯体等を用いることができる。
金属系触媒としては、金属錯体系触媒、無機金属系触媒、有機金属系触媒が挙げられる。
金属錯体系触媒としては、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Th(トリウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)及びCo(コバルト)からなる群より選ばれる金属のアセチルアセトナート塩などが挙げられる。具体的には、例えば、鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ジルコニアアセチルアセトネート等が挙げられる。これらの金属錯体系触媒の中でも、毒性と触媒活性の点から、鉄アセチルアセトネート(Fe(acac))および/又はマンガンアセチルアセトネート(Mn(acac))が好ましい。
有機金属系触媒としては、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ネオデカン酸亜鉛等が挙げられる。これらのうち好ましい有機金属系触媒としては、スタナスジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ネオデカン酸ビスマス、ネオデカン酸亜鉛もしくはこれらの混合物である。
アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンジアミン、キヌクリジン、2-メチルキヌクリジン等が挙げられる。これらの中でも、触媒活性に優れ、工業的に入手可能なことから、アミン系触媒としては、トリエチレンジアミンおよび/または2-メチルトリエチレンジアミンを用いることが好ましい。
その他の第3級アミン触媒としては、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、3-キヌクリジノール、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N-ジメチルヘキサノールアミン、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
触媒として用いられる脂肪族環状アミド化合物としては、例えば、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-エナント-ルラクタム、η-カプリルラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。これらの脂肪族環状アミド化合物の中でも、ε-カプロラクタムは、二液硬化型接着剤の硬化をより効果的に促進できる。
本実施形態の二液硬化型接着剤における触媒の含有量は、特に制限はなく、公知の使用量とすることができる。触媒の含有量は、例えば、二液硬化型接着剤の全固形分に対し、0.001~5.0質量%とすることができる。
(接着促進剤)
本実施形態の二液硬化型接着剤は、接着促進剤を含有していてもよい。接着促進剤は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)のいずれか一方にのみ含まれていてもよいし、両方に含まれていてもよい。接着促進剤は、ポリイソシアネート組成物(X)との反応性が高いため、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)とが接触した後に、作用させることが好ましい。このため、接着促進剤は、ポリオール組成物(Y)のみに含まれていることが好ましい。接着促進剤は、二液硬化型接着剤の塗工時に、ポリイソシアネート組成物(X)および/またはポリオール組成物(Y)に含有させてもよい。
接着促進剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、エポキシ樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、テトラステアロキシチタン等を挙げることが出来る。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げることが出来る。
エポキシ樹脂としては、一般的に市販されているエピ-ビス型、ノボラック型、β-メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、レゾルシン型等の各種エポキシ樹脂が挙げられる。
本実施形態の二液硬化型接着剤における接着促進剤の含有量は、特に制限はなく、公知の使用量とすることができる。接着促進剤の含有量は、例えば、二液硬化型接着剤の全固形分に対し、0~50質量%とすることができる。
(顔料)
本実施形態の二液硬化型接着剤は、必要に応じて、顔料を併用してもよい。顔料は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)のいずれか一方にのみ含まれていてもよいし、両方に含まれていてもよい。顔料は、二液硬化型接着剤の塗工時に、ポリイソシアネート組成物(X)および/またはポリオール組成物(Y)に含有させてもよい。
顔料としては、特に限定されるものではなく、種々のものが掲げられる。顔料としては、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料、無機顔料、プラスチック顔料などが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
プラスチック顔料としては、例えば、DIC株式会社製の「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
顔料としては、耐久性、耐侯性、意匠性に優れることから、白色顔料としての酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物、黒色顔料としてのカーボンブラックを用いることがより好ましい。
本実施形態の二液硬化型接着剤における顔料の含有量は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)の全固形分合計100質量部に対して、1~400質量部とすることが好ましく、10~300質量部とすることがより好ましい。顔料の含有量が、1~400質量部であると、接着性、耐ブロッキング性に優れる二液硬化型接着剤となる。
(添加剤)
本発明の二液硬化型接着剤は、必要であれば、上述した成分以外にその他の添加剤を含有していてもよい。添加剤は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)のいずれか一方にのみ含まれていてもよいし、両方に含まれていてもよい。添加剤は、二液硬化型接着剤の塗工時に、ポリイソシアネート組成物(X)および/またはポリオール組成物(Y)に含有させてもよい。
添加剤としては、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子;ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子;消泡剤;タレ性防止剤;湿潤分散剤;粘性調整剤;紫外線吸収剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;難燃剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防錆剤;蛍光性増白剤;無機系熱線吸収剤;防炎剤;帯電防止剤;脱水剤などが挙げられる。
本実施形態の二液硬化型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)とポリオール組成物(Y)との硬化反応を用いる二液硬化型接着剤であって、ポリイソシアネート組成物(X)がポリイソシアネート(A)を含み、ポリオール組成物(Y)がポリオール(B)を含み、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)が伸長硬化挙動を示す。
このため、本実施形態の二液硬化型接着剤を用いて、第一フィルムと第二フィルムとの間に接着剤層を形成した積層フィルムは、ヒートシールによって優れた接合強度が得られる。よって、本発明の二液硬化型接着剤は、積層フィルムを製造する場合に好適に用いることができる。
[積層フィルム]
次に、本実施形態の積層フィルム11aについて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の積層フィルム11aは、第一フィルムW1と第二フィルムW2との間に接着剤層10を有する。接着剤層10は、本実施形態の二液硬化型接着剤の硬化物からなる。
(フィルム)
本実施形態の積層フィルム11aにおいて、第一フィルムW1および第二フィルムW2として使用するフィルムには、公知の積層フィルムに使用されるプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
第一フィルムW1としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(以下「PET」と略記する場合がある。)フィルム、ナイロン(OPA)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、各種蒸着フィルム等のベースフィルム、アルミ箔等を用いることができる。
第二フィルムW2としては、例えば、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム等のシーラントフィルムを用いることができる。
第一フィルムW1および第二フィルムW2としては、天然紙、合成紙、コーティング紙などの紙を使用してもよい。
第一フィルムW1および/または第二フィルムW2の外表面または内面側には、必要に応じて印刷層を設けてもよい。
本実施形態の積層フィルム11aは、軟包装フィルム、軟包装(包装の形が内容物を入れることにより形作られるような包装)材料、洗剤、薬剤、食品、飲料等を充填する包装材料などとして工業的に使用できる。洗剤、薬剤としては、具体的には例えば、洗濯用液体洗剤、台所用液体洗剤、浴用液体洗剤、浴用液体石鹸、液体シャンプー、液体コンディショナー等が挙げられる。食品、飲料としては特に限定されるものではない。
本実施形態の積層フィルム11aは、袋状に成形することにより、包装体として使用できる。
本実施形態の積層フィルム11aは、第一フィルムW1と第二フィルムW2との間に接着剤層10を有し、接着剤層10が、上記実施形態の二液硬化型接着剤の硬化物からなる。このため、本実施形態の積層フィルム11aは、ヒートシールによって優れた接合強度が得られるヒートシール性の良好なものとなる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。以下の実施例において、断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
(ポリイソシアネート組成物(X-1))
[ポリイソシアネート(A)の製造]
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、4,4’-MDI;41.9部と、2,4’-MDI;13.0部と、キシリレンジイソシアネート;0.1部とを反応容器内に仕込み、窒素ガス下で攪拌し、60℃まで加熱した。このフラスコに、さらに数平均分子量400の2官能のポリプロピレングリコール(以下、「PPG」と略記する。);20.0部と、数平均分子量2000の2官能PPG;25.0部とを、数回に分けて滴下し、80℃で5~6時間攪拌してウレタン化反応させることにより、ポリイソシアネート(A)からなるポリイソシアネート組成物(X-1)を得た。
ポリイソシアネート(A)について、ジ-n-ブチルアミンを使用した滴定法により、イソシアネート含有率を測定した。その結果、14質量%であった。
また、ポリイソシアネート(A)について、40℃における溶融粘度を測定した。その結果、1500mPa・sであった。
(ポリイソシアネート組成物(X-2)~(X-4))
ポリイソシアネート組成物(X-2)~(X-4)として、以下に示すものを用意した。
X-2:2K-SF-220A(DIC株式会社製)
X-3:2K-SF-700A(DIC株式会社製)
X-4:タケネート500、イソシアネート含有率44.7質量%(三井化学株式会社製)
ポリイソシアネート組成物(X-2)~(X-4)について、ジ-n-ブチルアミンを使用した滴定法により、イソシアネート含有率を測定した。その結果を、ポリイソシアネート組成物(X-1)の結果(ポリイソシアネート(A)のイソシアネート含有率)とともに表3および表4に官能基量として示す。
(ポリオール組成物(Y-1))
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリオールであるひまし油:70部と、ポリオールであるD-1000:15.8部と、ポリオールであるEXCENOL430:6.6部と、ポリアミンであるEC310:6.6部と、触媒としてのε-カプロラクタム:1.0部とを仕込み、窒素ガス下で80℃まで加熱して、撹拌した。溶液が均一になったことを確認し、ポリオールを含むポリオール組成物(Y-1)を得た。
ポリオール組成物(Y-1)に使用した材料について、水酸基価を測定した。水酸基価は、試料1gの水酸基に相当する水酸化カリウムのミリグラム数を意味する。水酸基価の測定方法としては、特に制限は無く、公知の方法を用いて算出する事が出来る。本実施例では、JIS-K0070の水酸基価測定方法に準拠して水酸基価を測定した。
ポリオール組成物(Y-1)に使用した材料について、アミン価を測定した。アミン価は、試料1gを中和するのに必要なHCl量に対して当量となるKOHのミリグラム数を意味する。アミン価の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いて算出することができる。本実施例では、ASTM D2073のアミン価標準試験方法に準拠して測定した。
そして、ポリオール組成物(Y-1)に含まれる水酸基価とアミン価との合計を求めた。その結果、179.2mgKOH/gであった。
(ポリオール組成物(Y-2)~(Y-4))
表1に記載されたポリオール(B)とポリアミン(C)と添加剤とを、表1に示す割合で用いたこと以外は、ポリオール組成物(Y-1)と同様にしてポリオール組成物(Y-2)~(Y-4)を得た。
ポリオール組成物(Y-2)~(Y-4)について、ポリオール組成物(Y-1)と同様にして水酸基価とアミン価とを測定し、その合計を求めた。その結果を、併せて表1に示す。
Figure 0007343063000001
表1中の略号は以下の通りである。
「ポリオール(B)」
ひまし油:精製ひまし油(伊藤製油株式会社製、水酸基価160mgKOH/g、40℃溶融せん断粘度250mPa・s)
D-1000:2官能ポリプロピレングリコール(三井化学ポリウレタン株式会社製、数平均分子量約1,000、水酸基価112mgKOH/g、40℃溶融せん断粘度150mPa・s)アクトコールD-1000
EXCENOL430:ポリプロピレングリコール(AGC株式会社製;官能基3、数平均分子量約430、水酸基価400mgKOH/g、25℃溶融せん断粘度350mPa・s)
EDP-300:N,N,N’,N’-テトラキス(2―ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(株式会社ADEKA社製)
「ポリアミン(C)」
EC310:ポリオキシプロピレンポリアミン(BASF社製)BaxxdurEC310
「触媒」
ε-カプロラクタム:2-オキソヘキサメチレンイミン(関東化学株式会社製)
DBTDL:ジブチル錫ジラウレート(日東化成株式会社製)ネオスタンU-100 Bi-Zn:ネオデカン酸ビスマスとネオデカン酸亜鉛の混合触媒(The Shepherd Chemical Company製)Bicat8108/Z混合
(ポリオール組成物(Y-5)~(Y-7))
ポリオール組成物(Y-5)~(Y-7)として、以下に示すものを用意した。
Y-5:HA-234B、水酸基価90mgKOH/g(DIC株式会社製)
Y-6:HA-700B、水酸基価120mgKOH/g(DIC株式会社製)
Y-7:D-1000(2官能ポリプロピレングリコール、三井化学ポリウレタン株式会社製、数平均分子量約1,000)、水酸基価:112mgKOH/g、40℃溶融せん断粘度150mPa・s)
ポリイソシアネート組成物(X-1)~(X-4)、ポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)について、それぞれ以下に示す方法により、40℃での伸長粘度と、伸長速度を2倍にした際に伸長粘度が2倍以上になる「伸長硬化挙動」が発生した最低の伸長速度である「伸長硬化の開始する伸長速度」を求めた。
伸長粘度は、JIS-7199(ISO 11443、ASTM D 3835)に記載されたキャピラリレオメータ評価方法に準拠して測定した。
具体的には、ツインキャピラリ型の装置(Gottfert社製;RHEOGRAPH20)を用いた。長さ10mm、直径0.5mmのキャピラリダイと、長さ0.25mm、直径0.5mmのキャピラリダイとを用いた。
そして、温度40℃、せん断速度1000~300000s-1で測定した見かけのせん断粘度(圧力)から、バーグレー補正を使用して圧力損失を除去し、真のせん断粘度を得た。得られた真のせん断粘度と圧力損失から、コグスウェル式を用いて伸長速度と対応した伸長粘度を求めた。
伸長速度4000s-1における伸長粘度、伸長硬化の開始する伸長速度を表2に示す。伸長硬化挙動を示さない組成物については、表2中に「伸長硬化しない」と記載した。
Figure 0007343063000002
「実施例1~実施例6、比較例1~比較例3」
ポリイソシアネート組成物(X-1)~(X-4)と、ポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)とを、表3および表4に示す割合(質量比)で使用し、以下に示す方法により、図2~図4に示す製造装置を用いて、実施例1~実施例6、比較例1~比較例3の積層フィルムをそれぞれ作成し、以下に示す方法により、ヒートシール性を評価した。
厚さ15μmのコロナ処理ポリアミドフィルム(第一フィルム)に、ポリイソシアネート(X-1)~(X-4)のいずれかを塗布した(第一塗布工程)。第一塗布工程は、塗工液タンクに貯留されたポリイソシアネート組成物(X-1)~(X-4)の温度を40℃として行った。
第一塗布工程と同時に、厚さ60μmの直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(第二フィルム)に、ポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)のいずれかを塗布した(第二塗布工程)。
第一塗布工程および第二塗布工程は、ポリイソシアネート(X-1)~(X-4)とポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)との塗布量の合計が、2.0g/mとなるように行った。
そして、第一塗布工程および第二塗布工程から連続して、接着剤層形成工程を行った。接着剤層形成工程は、第一フィルムと第二フィルムとを積層することにより、第一フィルム上に塗布されたポリイソシアネート(X-1)~(X-4)のいずれかと、第二フィルム上に塗布されたポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)のいずれかとを接触させて硬化反応させることにより行った。
ポリイソシアネート組成物(X-1)~(X-4)と、ポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)との割合は、ポリイソシアネート組成物(X-1)~(X-4)中のポリイソシアネート(A)の有するイソシアネート基と、ポリオール組成物(Y-1)~(Y-7)中の水酸基とアミノ基の合計とのモル比[イソシアネート基/(水酸基+アミノ基)]が、1.4~1.6の範囲となるようにした。表3および表4中に、上記モル比をNCO過剰率として記載する。
また、表3および表4に記載したポリイソシアネート組成物の官能基量は、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率(%)である。表3および表4に記載したポリオール組成物の官能基量は、ポリオール組成物の水酸基価とアミン価との合計(mgKOH/g)である。
Figure 0007343063000003
Figure 0007343063000004
このようにして得られた実施例1~実施例6、比較例1~比較例3の積層フィルムに対し、それぞれ温度40℃で48時間エージングを行った。
その後、積層フィルムから、長さ200mm、幅15mmの試験片を2枚切り出し、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム側の面を対向させて積層した。積層した2枚の試験片に対し、外側(ポリアミドフィルム)から幅1cmのヒートシールバーを用いて、温度180℃、圧力0.1barの条件で1秒間加熱加圧を行い、ヒートシール(溶融接着)した。ヒートシールされた試験片を、ヒートシールされた部分の長さが15mmとなるように切断し、300mm/minの速度で剥離して、ヒートシール強度を測定した。
「基準」
ヒートシール強度は、ヒートシール部が破断する最大荷重を下記の基準により5段階で評価し、4以上を合格とした。ヒートシール強度の評価結果を表3および表4に示す。5:50N/15mm以上
4:40N/15mm~49N/15mm
3:30N/15mm~39N/15mm
2:20N/15mm~29N/15mm
1:0~19N/15mm
表3に示すように、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)が伸長硬化挙動を示す実施例1~6については、剥離試験において50N/15mm以上までエッジ切れ・フィルム破断等が発生しなかった。その結果、実施例1~6のヒートシール強度の評価は「5」となり、良好なヒートシール性が得られた。
一方、表4に示すように、ポリイソシアネート組成物(X)が伸長硬化しない比較例1では、剥離試験において19N/15mm以下で三角剥離が発生した。その結果、ヒートシール強度の評価が「1」となり、ヒートシール性が不十分であった。また、ポリオール組成物(Y)が伸長硬化しない比較例2、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)が伸長硬化しない比較例3も比較例1と同様に、19N/15mm以下で三角剥離が発生した。その結果、ヒートシール強度の評価が「1」であり、ヒートシール性が不十分であった。比較例1~3では、接着剤層の柔軟性が不足して、第一フィルムおよび第二フィルムの伸びに追従できなくなったために、三角剥離による破断が発生したものと思われる。
これらの結果から、ポリイソシアネート組成物(X)およびポリオール組成物(Y)が伸長硬化挙動を示す二液硬化型接着剤を用いて接着剤層を形成した積層フィルムは、ヒートシール性が良好であることが確認できた。
1:積層フィルムの製造装置、10:接着剤層、11:第1巻出部、11a:積層フィルム、12:ポリイソシアネート塗工部(第一塗工部)、13:第2巻出部、14:ポリオール塗工部(第二塗工部)、15:貼合装置、111:フィルム装着部、120:液溜部、121:アプリケーションロール、122:ドクターロール、123:メタリングロール、124:コーティングロール、125:バッキングロール、126:堰板、131:フィルム装着部、141:グラビアロール、142:チャンバー、142a:貯留部、142b:ドクターブレード、142c:シールプレート、142d:サイドプレート、143:圧胴、144:塗工液タンク、145:ポンプ、146:温度調節機、151:貼合部、152:巻取部、R1、R2:ラミネートロール、W1:第一フィルム、W2:第二フィルム。

Claims (2)

  1. ポリイソシアネート(A)を含み、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布する第一塗工部と、
    ポリオール(B)を含み、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムに塗布する第二塗工部と、
    前記第一フィルムの前記ポリイソシアネート組成物(X)の塗工面と、前記第二フィルムの前記ポリオール組成物(Y)の塗工面とを貼り合わせる貼合装置とを有する、積層フィルムの製造装置。
  2. ポリイソシアネート(A)を含み、伸長硬化挙動を示すポリイソシアネート組成物(X)を第一フィルムに塗布する第一塗布工程と、
    ポリオール(B)を含み、伸長硬化挙動を示すポリオール組成物(Y)を第二フィルムに塗布する第二塗布工程とからなる二液分別塗布工程と、
    前記第一フィルムと前記第二フィルムとを積層することにより、前記第一フィルム上に塗布された前記ポリイソシアネート組成物(X)と、前記第二フィルム上に塗布された前記ポリオール組成物(Y)とを接触させて硬化反応させる接着剤層形成工程とを有する、積層フィルムの製造方法。
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